JP2012047825A - 偏光ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】危険な薬品を使用しなくとも、線引き時におけるガラスプリフォームの破断を抑制し、比較的幅が広い高性能の偏光ガラスを安定にかつ容易に製造する方法を提案することを目的とする。
【解決手段】金属ハロゲン化物粒子または金属粒子が分散されたガラスプリフォーム表面に、液相成膜法により金属酸化物薄膜を形成する。そして、その後金属酸化物薄膜が形成されたガラスプリフォームを線引きする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば光通信などに利用される小型光アイソレーター、光スイッチもしくは電気磁気センサー等の重要な構成部品の一つである偏光子として用いられる偏光ガラスの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、比較的幅の広い偏光ガラスを、線引き途中で破断を起こすことなく製造できる方法に関する。
配向・分散された形状異方性を有する微細な金属粒子、例えば、銅粒子や銀粒子を分散含有するガラスは、その金属の光吸収波長帯が入射偏光方向によって異なるために偏光子になることが知られている。そのような偏光ガラスは伸長されたハロゲン化銅粒子含有ガラスあるいはハロゲン化銀粒子含有ガラスを還元することで作製できることも知られている。
例えば、ハロゲン化銅粒子含有ガラスから偏光ガラスを作製する方法は、特許文献1に開示されている。この方法は、ハロゲン化銅粒子を含むガラスの粘度が10〜1010Pa・Sの範囲となる温度において、このガラスを延伸、押し出し、またはプレスすることによりハロゲン化銅粒子を伸長する。次いで還元雰囲気下で熱処理することによりハロゲン化銅粒子を還元し、伸長された形状異方性の金属銅粒子を含有する偏光ガラスを製造するものである。
さらに、上記形状異方性の金属粒子を含有する偏光ガラスの製造方法を改良した方法として、金属ハロゲン化物粒子が分散されている四角平板状のガラスプリフォームをフッ酸などの酸水溶液でエッチングしてから線引きする方法が特許文献2に提案されている。
この方法は、延伸されるガラスプリフォーム表面の微小なキズをエッチングにより除去することで、線引き時のガラスプリフォームの破断を起こさずに製造できる方法である。線引き応力は、14.7〜29.4MPa程度をかけることができ、比較的幅が広い(例えば10mm前後)偏光ガラスを安定に製造するのに不可欠な方法となっている。
また、下記特許文献3には、ハロゲン化銀粒子を含有するコアガラスの表面を粘性の低いガラスで被膜することが記載されている。この方法では、コアガラスの延伸においてコアガラスが再絞り炉の加熱部分を通過する際、もしくはダウンドロー中に、粘性の低い表面ガラスが液化し、コアガラスの表面傷が埋められるとされている。
特許第2740601号公報 特許第3320044号公報 特公平2−040619号公報
しかしながら、上記特許文献2において、ガラスプリフォームの表面の研磨キズをエッチングで効率良く除去するためには、フッ酸の使用は不可欠であった。しかし、フッ酸は毒物であり、人体に付着すると炎症を起こしたり、指のつめがはがれたりする。また、皮膚から侵入したフッ酸が時間の経過と共に骨に達して骨のCaと化学反応することにより、激痛を生じさせることが知られている。
さらに、フッ酸は水生生物に対して生態毒性を有するとされる等、環境への負荷も大きい。このため、フッ酸の使用においては厳重な管理の下に行うことが定められており、廃棄処理等のコストも高くなっている。
近年職場の労働安全や環境保全が重視される傾向がある中で、こうした薬品を使用しなくとも良い代替技術の開発が求められていた。
また、上述の特許文献3の手法では、コアガラスを被覆する表面ガラスの膜厚は約3.18mmであることが記載されている。表面ガラスの成膜方法については記載されていないが、このような厚膜の形成には、例えばガラス粉末をコアガラス上に塗布・成型し、加熱焼結する等の作業が必要となり、工程が煩雑なものとなる。
またさらに、被覆するためのガラス原料を調合する工程、ガラス原料を溶解し、ガラスを作製する工程、作製したガラスを粉砕してガラス粉末を準備する工程が必要であり、ガラス粉末の塗布に至るまで時間もかかるのでコストが高くなる。
また、こうして形成された膜の膜厚にはムラが生じやすく、後にガラスを延伸する際に均等な張力を加えにくくなる。
本発明は、かかる状況を鑑みなされたものである。すなわち、危険な薬品を使用しなくとも、線引き時におけるガラスプリフォームの破断を抑制し、比較的幅が広い高性能の偏光ガラスを安定にかつ容易に製造する方法を提案することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による偏光ガラスの製造方法は、金属ハロゲン化物粒子または金属粒子が分散されたガラスプリフォーム表面に、液相成膜法により金属酸化物薄膜を形成する工程を含む。
また、上述の金属酸化物薄膜が形成されたガラスプリフォームを線引きする工程と、線引きにより得られたガラスシートに含まれる金属ハロゲン化物粒子を還元する工程と、を含む。
本発明によれば、金属酸化物薄膜は、液相成膜法により形成される。このため、例えば金属酸化物薄膜原料を含むコート液をガラスプリフォーム表面に塗布したり、コート液内にガラスプリフォームを浸漬するといった簡易な作業によって成膜が可能となる。また、液相成膜法では、均一な膜厚の金属酸化物薄膜が容易に形成される。
また、この方法では、コート液がガラスプリフォーム表面の傷内に入り込むことにより、ガラスプリフォーム表面の傷を容易に埋めることができる。
また、この方法では、フッ酸等の薬品を用いることなく成膜可能である。
本発明によれば、液相成膜法によりガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜が形成される。このため、簡易なプロセスでガラスプリフォーム表面の傷を埋めることができ、低コストで容易に線引き時の破断を抑制することが可能である。
また、フッ酸等の薬品を必要としないため、管理コストも低減可能であり、また作業者の安全性をより向上できる。
図1Aは、ガラスプリフォーム表面の傷の断面を示す模式図であり、図1Bは、本発明を用いて金属酸化物薄膜により被覆したガラスプリフォーム表面の傷の断面を示す模式図である。 本発明の実施の形態において、ガラスプリフォームを引き伸ばす様子を示す説明図である。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
1.製造方法の実施の形態
(1)金属酸化物薄膜の形成
(2)線引き工程
(3)外形加工・研磨工程
(4)還元工程
2.実施例
1.偏光ガラスの製造方法の実施の形態
本発明に用いるガラスプリフォームは、線引きにより偏光ガラスとされるものであれば
特に限定するものではない。
例えばガラス部材内に金属ハロゲン化物粒子が分散しているものであってよく、既知のガラス母材、金属ハロゲン化物粒子により構成されていてよい。
ガラス母材としては、例えばガラスの軟化温度がハロゲン化物の融点より高いケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ホウ酸ガラス等が挙げられる。
また、金属ハロゲン化物粒子としては、例えば塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、塩化金、臭化金、ヨウ化金、塩化白金、臭化白金、ヨウ化白金等が挙げられる。
また、金属ハロゲン化物粒子が分散されているガラスは、公知の方法により製造してよい。
また、上述の金属ハロゲン化物粒子が分散されたガラスプリフォーム以外のガラスプリフォームを用いてもよい。
例えば、工業材料 Vol.52、No.12、2004(p102〜107)には、ソーダライムガラス板にイオン交換法によりガラス中にAgイオンを拡散させた後、熱処理等でAg粒子を析出させ、このソーダライムガラス板を延伸することにより偏光ガラスを製造することが記載されている。
本発明では、こうしたイオン交換法によりソーダライムガラス板に金属イオンを拡散させ、金属粒子を析出させたものもガラスプリフォームとして用いることができる。なお、イオン交換法により製造されたガラスプリフォームに金属酸化物薄膜を成膜し、線引きすることで得られるガラスシートは、延伸された金属粒子そのものが表面に分散されているので、ハロゲン化物を還元する工程を必要としない。
(1)金属酸化物薄膜の形成
本発明において、ガラスプリフォーム表面に形成される薄膜は、金属酸化物を含んで構成される。例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al、Y、La、Ga、Bi、Ti、Zr、Nb等の金属の酸化物によって構成できる。また、本発明において金属酸化物とは、SiやB,P等のいわゆる半金属の酸化物も含有するものであり、SiOやB3,等の酸化物によって薄膜を構成してもよい。以降、本発明では、これらの金属酸化物を含んで構成される膜を金属酸化物薄膜と呼ぶこととする。
また、この金属酸化物薄膜は、有機官能基を含んでいてもよい。
また、この金属酸化物薄膜は、その原料を含むコート液をガラスプリフォーム表面に塗布または処理液内にガラスプリフォームを浸漬する液相成膜法によって成膜される。その1例として、まずゾル−ゲル法により金属酸化物を形成する方法を以下に説明する。
(i).ゾル−ゲル法の場合
例えばゾル−ゲル法により金属酸化物薄膜を形成する場合、コート液の原料のうち、上述のSi源としては、シリコンアルコキシド(例えばシリコンメトキシド,シリコンエトキシド,シリコンプロポキシド、それらのオリゴマーなど)またはシリコンアルコキシド誘導体(例えば、メチルトリエトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,メチルビニルジメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなど)等を用いることができる。
また、他にもシリコーン樹脂(例えば、メチルシリコーン樹脂,フェニルシリコーン樹脂,メチルフェニルシリコーン樹脂など)または他のシリコーン化合物(例えば、イソシアネートシラン、シリコーンアセテートなど)などを挙げることができる。
また、その他の金属源としては、例えば対応する金属のアルコキシド、アルコキシド誘導体、キレート化合物、また、その他の有機金属化合物、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、金属そのもの等を用いることができる。
金属アルコキシドとしては、例えばチタニウムテトラ−n−ブトキシド,ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド,ランタントリ−i−プロポキシド,イットリウムトリ−i−プロポキシド,ニオブペンタエトキシド,亜リン酸トリメチル等が挙げられる。
アルコキシド誘導体としては、例えばトリ−n−ブトキシアセチルアセトナトジルコニム,ジイソプロポキシビスエチルアセテートチタニウム等が挙げられる。
キレート化合物としては、例えばチタンテトラアセチルアセトナト,ランタントリアセチルトナト,鉛ジアセチルアセトナト等が挙げられる。
また、その他の有機金属化合物としては、例えばメタクリル酸イットリウム,メタクリル酸ジルコニウム等が挙げられる。
硝酸塩としては、例えば硝酸リチウム,硝酸ビスマス5水和物,硝酸ランタン6水和物等が挙げられる。
塩化物としては、例えば塩化ジルコニル,塩化チタニウム等が挙げられる。
硫酸塩としては、例えば硫酸ジルコニウム,硫酸チタン等が挙げられる。
本発明では、これらの金属源を含むコート液を用いてゾル−ゲル法により金属酸化物薄膜を形成するものであり、コート液を調合するための有機溶媒や、触媒等は既知材料を用いてよく、また、プロペラ式攪拌機、マグネチックスターラー、自転・公転式ミキサー、超音波発振器といった公知の方法によりコート液を調合してよい。
また、コート液には、添加物として、例えば、酸化物(例えばSiO,TiO等)やフッ化物(例えばMgF,CaF等)の微粒子、有機ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール,ヒドロキシプロピルセルロース等)等を添加してもよい。
また、コート液は、2種類以上の金属源を含むものでもよく、2種類以上の金属酸化物により金属酸化物薄膜を形成してもよい。
上述のコート液をガラスプリフォーム表面に塗布し、乾燥、加熱することにより、金属酸化物薄膜を形成することができる。
コート液の塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スピン法、スプレー法、ロールコート法、スクリーン印刷法、エアードクターコート法、ブレードコート法、ロットコート法、ビードコート法、グラビアコート法等を用いてよい。
また、ゾル−ゲル法を用いる場合には、このようにコート液の塗布により金属酸化物薄膜を形成することが可能であり、例えばスピンコート法等を用いることで、容易に大面積への塗布を行うことができる。
また、液体塗布であるため、ガラス粉末を塗布・成型する場合と比較しても非常に短時間での成膜が可能であり、低コストで簡易に金属酸化物薄膜を形成できる。
図1は、本発明により金属酸化物薄膜3の形成されたガラスプリフォーム1の断面を示す模式図である。
図1Aに示すように、ガラスプリフォーム1の表面は、表面の傷2の部位も含めて、ガラスを構成する金属(例えばSi,Al,B等、Mはその他の金属原子を表す)と結合した水酸基OHに覆われている。
このガラスプリフォーム1の表面に、上述のコート液を塗布すると、コート液は傷2内にも容易に浸入し、傷2はコート液によって埋められる。
例えば金属源がシリコンアルコキシドである場合、シリコンアルコキシドの加水分解により、コート液内には下記式(1)に示すようにシラノール(≡Si−OH)が生じている。
Figure 2012047825
そして、ガラスプリフォーム1表面の水酸基(≡Si−OH,=Al−OH,=B−OH等)と、コート液中の上記式1によって生じたシラノールとが脱水縮合し、下記式(2)に示すように、メタロキサン(Metaloxane)結合が生じる。特にこの場合、金属がSiであるのでシロキサン(Siloxane)結合となる。
Figure 2012047825
このように、シリコンアルコキシドの加水分解物が次々と脱水重縮合することにより、シロキサン結合が3次元的に広がり、図1Bに示すように傷2の内部が埋められる。
そして、最終的にはコート液全体が硬化し、SiOによる金属酸化物薄膜3によってガラスプリフォーム表面が被覆される。
また、例えば下記式(3)に示すように、脱水を伴わない縮合反応によりメタロキサン(シロキサン)結合を生じてもよい。
Figure 2012047825
また、その他の金属アルコキシドを金属源として用いる場合においても、同様に例えば加水分解等によって水酸基を有する加水分解物が生じ、これがガラスプリフォーム1表面の水酸基と縮合することによってメタロキサン結合が形成される。そして、重縮合により、このメタロキサン結合が3次元的に次々と形成されることで、ガラスプリフォーム1の傷を埋め、表面を金属酸化物薄膜で覆うことができる。
(ii)スピンオングラス法による金属酸化物の形成
また、上述のゾル−ゲル法以外にスピンオングラス法により金属酸化物薄膜を形成してもよい。スピンオングラス法により形成される薄膜には、一般に無機系のものと有機系のものとがあるが、本発明においては無機系、有機系のどちらを形成してもよい。
スピンオングラス法において用いられる無機系のコート液は、例えばシラノール(≡Si−OH)を主原料として構成される。また、クラックの発生を抑制するためにPを添加していてもよい。
また、有機系のコート液は、例えばアルキルアルコキシシラン(Rn−Si(OR)4-n, Rはメチル基、エチル基等、nは1〜3)を主原料として構成される。
これらの主原料は、例えばエタノール等の有機溶媒に溶かされている。このコート液をスピンコート法によりガラスプリフォーム表面に塗布することにより、ガラスプリフォーム表面の傷内にも容易にコート液が浸入する。そして、加熱処理を施すことによってコート液が硬化される。
この場合においても、コート液中のシラノール基と、ガラスプリフォーム表面の水酸基が互いに縮合反応を起こすことにより、ガラスプリフォーム表面がSiOによって覆われる。そして、メタロキサン(シロキサン)結合が3次元的に広がることにより、傷を埋めることができる。
また、有機系のコート液を用いる場合には、Si−R基のようにSiOの三次元構造において周囲と結合しない箇所が存在するため、ここで応力が吸収されることによりガラスプリフォームの損傷が抑制される。
(iii)LPD法による金属酸化物薄膜の形成
LPD(液相析出)法は、金属フルオロ錯体の配位子置換(加水分解)平衡反応を利用した薄膜の形成方法である。この手法では、処理液中での自己析出・成長型の成膜反応により、処理液中にガラスプリフォームを浸漬するだけで、ガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜を形成することができる。
1例として、ガラスプリフォーム表面にSiO膜を形成する場合を挙げる。
処理液としては、例えば珪フッ化水素酸に二酸化珪素を飽和させたものを用いる。この処理液中では、下記式(4)に示す平衡が生じていると考えられる。
Figure 2012047825
この溶液中に反応開始剤として例えばホウ酸を加えると、下記式5に示すように、ホウ酸がフッ化水素と優先的に反応して安定したホウフッ化物となり、式4における反応が右に進む。
Figure 2012047825
これにより生じた上記式(4)中におけるシラノール基が、ガラスプリフォーム表面の水酸基と上述の式(2)に示した縮合反応を起こすことにより、シロキサン結合が生じ、ガラスプリフォーム表面にSiOが析出する。そして、このシロキサン結合が3次元的に広がっていくことにより、ガラスプリフォーム表面の傷がSiOによって埋められる。
LPD法を用いる場合には、例えば35℃〜40℃といった低温でガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜を形成でき、成膜後の熱処理を必要としないことから工程の簡易化が図れる。また、LPD法では、上記式(4)のようにHFが生じるが、直ちにホウ酸イオンと反応して安定なBF が生成されるため、実際にはほとんどHFは存在しない。従って、環境や人体に対する影響を従来と比較して著しく低減することが可能である。
また、ここでは、SiOによってガラスプリフォーム表面を被覆する場合を挙げたが、他にもTiO,FeOOH,V,ZrO,SnO,ZnO,Nb、Ta等の他の金属酸化物を形成することも可能である。
また、例えばTiO2−SiO2,TiSn1−x,TiO−Fe3,ZrO−La等の複数の金属の酸化物によりガラスプリフォーム表面を被膜することもできる。
このように、本発明では、液相成膜法によりガラスプリフォーム表面に金属酸化物を形成するため、コート液や処理液等をガラスプリフォーム表面の傷内に浸入させることができる。このため、ガラスプリフォーム表面の傷を金属酸化物によって容易に埋めることが可能である。
また、この方法では、従来のようにガラスプリフォーム表面をエッチングする必要が無いため、フッ酸を用いることが無い。このため、作業者の安全性がより向上されるとともに、環境への負荷も低減される。
また、この金属酸化物薄膜は、メタロキサン結合によりガラスプリフォーム表面と結合しているため、ガラスプリフォームをより強固に保護することができる。このため、本発明では、ガラスプリフォーム表面の傷の深さにもよるが、金属酸化物薄膜の厚さは10μm以下と薄くすることが可能である。この膜厚は、例えば1nm〜5μmであることが好ましく、また、膜厚が10nm〜2μmとすることが更に好ましい。このように、本発明では、非常に薄い金属酸化物薄膜であっても、ガラスプリフォームの破断を十分に抑制することができる。
(2)線引き工程
上述の方法により金属酸化物薄膜の形成されたガラスプリフォームは、線引き工程において延伸される。図2は、線引き工程によりガラスプリフォーム4を延伸する様子を示す模式図である。
ガラスプリフォーム4は、例えば固定治具6を介して送り装置5に保持され、図2中下方に移動可能とされている。また、ガラスプリフォーム4は、蓋10に設けられた挿入孔12を通して加熱炉7内に挿通され、固定治具6によってその姿勢が固定される。蓋10を配設することにより、ガラスプリフォーム4の急激な温度上昇による破損や、過熱炉7内の熱の放出が抑制される。
また、加熱炉7の排出孔13付近には、発熱部11が配設されており、ガラスプリフォーム4が加熱されて軟化する。そして、軟化したガラスプリフォーム4は引っ張り装置8によって引っ張られることによって排出孔13から排出され、伸張した金属ハロゲン化物粒子または金属粒子が分散したガラスシート9が得られる。
尚、この加熱炉7は、図示しない温度調整装置によって発熱部11の温度調整を行うことが可能であり、この温度調整によって加熱炉7内のガラスプリフォーム4の粘性を調節することができる。
また、延伸された金属ハロゲン化物粒子または金属粒子のアスペクト比は、送り装置5によるガラスプリフォーム4の送り速度と、引っ張り装置8の引っ張り速度及び張力を調整することにより、所望の値とすることが可能である。
金属ハロゲン化物粒子が分散されたプリフォームの線引き工程では、線引きして得られるガラスの厚みを1mm以下とすることで、線引きして得られるガラスを特に効率良く冷却でき、伸長した金属ハロゲン化物粒子の再球状化を防止することが可能である。
また、こうした線引き工程としては、例えば上記特許文献2や、特開平8−231241に記載された方法を用いることができる。
また、イオン交換法等により金属粒子が分散されたガラスプリフォームの線引き工程では、金属粒子が延伸されて異方性形状となることにより、偏光特性を発現する。この種類の偏光ガラスは通常金属粒子含有層が数μmと薄い為、線引き後ガラスシートの表面を研削・研磨せずに、所定のサイズに切断するだけで、偏光ガラスとして供される。
したがって、後述の研磨工程と、還元工程は、金属ハロゲン化物粒子が分散されたガラスプリフォームを線引きしたガラスシートに施される。
(3)外形加工・研磨工程
線引き工程により延伸されて形成されたガラスシートは、一般的には所定の形状とするために例えば11mm角に切断、0.2mm厚程度に研削、もしくはラッピング等の外形加工を施され、また厚みを揃えるために表面の研磨が行われる。
また、研磨時においては、ガラスシートの表面平滑性を高めるために光学研磨を施しておくことが好ましい。例えばポリッシングにて、片面を数μmから数十μm程度研磨することにより、ガラスシート表面を光学面とすることが可能である。
また、本発明では、この外形加工・研磨工程において、ガラスシート表面の金属酸化物薄膜が除去される。したがって、上述の液相成膜法により形成された金属酸化物薄膜は、完成した偏光ガラス上には残らない。このため、本発明において形成される金属酸化物薄膜は、例えば光の透過率等の光学的特性により材料種が限定されるものではなく、液相成膜法によりガラスプリフォーム表面の傷を埋めるものであれば各種材料を適用することが可能である。
(4)還元工程
外形工程・研磨工程を経たガラスシートは、次いで還元処理される。これにより、ガラスシート中の金属ハロゲン化物粒子の一部又は全部が金属粒子となる。
この還元処理は、例えば、ガラスシートを還元性のガス雰囲気中で熱処理することで行うことができる。還元性のガスとしては、例えば水素ガスやCO−COガス等を挙げることができる。還元の条件は、還元すべき金属ハロゲン化物の種類により異なる。但し、還元の温度が高すぎると還元して得られる金属粒子が再球状化する。したがって還元温度は、還元して得られる金属粒子が再球状化しない範囲で決められる。例えば、ハロゲン化銅の場合、約350〜550℃であることが適当である。
また、還元の時間は、還元温度及び還元の程度を勘案して適宜決めることができる。通常、30分間〜10時間の範囲で行うことができる。
この還元工程により、ガラスシートは偏光機能を有した偏光ガラスとなる。
2.実施例
以下に、本発明による偏光ガラスの製造方法の実施例について説明する。
<実施例1:ゾル−ゲル法によるSiO膜の形成>
(1)ガラスプリフォームの作製
SiO(59.5wt%),AlF(2.0wt%),Al(6.7wt%),B(20.3wt%),NaO(9.6wt%),NaCl(1.0wt%),CuCl(0.8wt%),SnO(0.1wt%)の調合組成(酸化物・塩化物換算)からなるガラスを、容量5Lの白金ルツボにて1410℃で溶解した。
また、溶解したガラスを鋳型に流し込み、470℃で保持・徐冷してガラスブロックを作製した。次いでこのガラスブロックを適当な大きさに切り出し、715℃で5時間の熱処理を行った。これにより、平均粒径約90nmの塩化銅粒子が内部に分散されたガラスを得た。
このガラスを所定形状に外形加工して、研削・研磨加工することにより、幅100mm×長さ300mm×厚さ4.5mmの四角平板状のガラスプリフォームを作製した。
(2)コート液の作製
撹拌下のテトラエトキシシラン{Si(OC,エチルシリケート28,純度:99%,コルコート株式会社製,TEOSと略記}2627gとエタノール1.75kgの混合液に、0.15M塩酸水溶液225gとエタノール1.75kgの混合液を加え、1時間撹拌し、テトラエトキシシランを加水分解させた。
この溶液を、撹拌しながら、0.15M塩酸水溶液900gおよびイソプロパノール17.75kgの混合液に加え、更に5時間撹拌して加水分解と希釈を行い、薄膜コート液25kgを製造した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、SiO100wt%で、コート液中の固形分(熱処理し完全に酸化したと仮定して)は、3.0wt%である。コート液は、無色透明であった。
(3)コート液の塗布
このコート液を、上述のガラスプリフォームに、引き上げ速度V=30cm/分のディッピング法(以下引き上げ速度を‘V’とする)により塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。この薄膜付きガラスプリフォームを100℃で30分乾燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで200℃/時で昇温し、500℃で1時間保持した。熱処理後の薄膜の厚みは、0.18μmであり、熱処理後の薄膜もまた、無色透明で均質であった。
(4)線引き工程
上述のコート液を塗布したガラスプリフォームを、図2に示した加熱炉7にセットし、720℃で30分間保持した。予めガラスプリフォーム下端には針金を巻きつけておき、炉内温度が安定した後、針金に荷重をかけ、ガラスの伸長を開始した。
そして、線引きによりテープ状になったガラスシートを、引っ張り装置8の駆動ローラーに鋏み、加熱炉内の温度を650℃に再設定した。
次いで、徐々に送り装置5と駆動ローラーの回転速度を上げ、設定張力27Kgに対して実測張力が追随するように、加熱炉の温度を微調整しながら線引きを行い、最後まで破断せずに線引きを終えた。
これにより、ガラスの断面サイズがおよそ幅17mm×厚さ0.6mmのテープ状のガラスシートを得た。すなわち、線引きの張力は、265Kgf/cm(26.0MPa)かかっていたことになる。
(5)外形加工・研磨工程及び還元工程
得られたテープ状のガラスシートを所定の長さに切断後0.2mm厚に研削・研磨し、1気圧の水素ガス雰囲気中において430℃で6時間熱処理した。これにより、ガラスシートの厚さ方向に両表面から約40μmずつの深さで塩化銅粒子を還元し、偏光ガラスを作製した。得られた偏光ガラスの消光比は、偏光ガラスと検出器の距離300mm、波長1.55μmmにおいて55dBであった。
<実施例2:ゾル−ゲル法による有機含有SiO膜の形成>
テトラエトキシシラン(実施例1と同原料)1751gとエタノール1.50kgの混合液を撹拌しながら、0.15M塩酸水溶液150gを徐々に加え、2時間撹拌し、テトラエトキシシランを加水分解させた。
この加水分解した溶液に、メチルトリエトキシシラン{CHSi(OC,LS−1890,純度:99%,信越化学工業株式会社製,MTESと略記}1499gを加えて1時間撹拌した。
この溶液を、撹拌下の0.15M塩酸水溶液1200gおよびイソプロパノール18.90kgの混合液に加え、更に4時間撹拌して加水分解と希釈を行い、薄膜コート液25kgを製造した。
このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、SiO100wt%(テトラエトキシシランを原料とするSiO:50%、メチルトリエトキシシランを原料とするSiO:50%)で、コート液中の固形分は、4.0wt%である。コート液は、無色透明であった。
このコート液を、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、V=25cm/分の速度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。
この薄膜付きガラスプリフォームを100℃で30分乾燥した後、熱処理炉に入れ450℃まで200℃/時で昇温し、450℃で30分間保持した。熱処理後の薄膜の厚みは、0.20μmであり、熱処理後の薄膜もまた、無色透明で均質であった。
そして、このガラスプリフォームを実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程にかけることにより、線引き工程の途中で破断することなく偏光ガラスを作製した。
<実施例3:ゾル−ゲル法を用いた2種金属による酸化物膜の形成>
テトラエトキシシラン(実施例1と同原料)3635gとイソプロパノール3.00kgの混合液を撹拌しながら、0.15M塩酸水溶液311gを徐々に加え、3時間撹拌して、テトラエトキシシランを加水分解させた。
この加水分解した溶液に、トリ−n−ブチルボラート{B(OC49,純度:98%,関東化学株式会社製}1432gを添加し、一晩加熱還流した。
この溶液を室温まで冷却した後、撹拌下の0.15M塩酸水溶液1904gおよびイソプロパノール14.72kgの混合液に加え、更に2時間撹拌することにより、薄膜コート液25kgを製造した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、B17wt%、SiO83wt%で、コート液中の固形分は、5.0wt%である。コート液は、無色透明であった。
このコート液を、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、ディップ法を用いてV=25cm/分の速度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。この薄膜付きガラスプリフォームを100℃で30分乾燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで150℃/時で昇温し、500℃で30分間保持した。熱処熱処理後の薄膜の厚みは、0.14μmであり、熱処理後の薄膜もまた、無色透明で均質であった。
そして、このB−SiO薄膜の形成されたガラスプリフォームを、実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程及び還元工程にかけ、偏光ガラスを作製した。なお、本実施例においても、線引き時においてガラスプリフォームの破断が生じることはなかった。
<実施例4:実施例3において、熱処理を省いた場合>
実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、実施例3のコート液をディップ法によりV=25cm/分の速度で塗布し、100℃で30分間乾燥させた。得られたSiO薄膜の厚みは、0.30μmであった。
このようにしてガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜を形成したこと以外は、実施例1と同様の工程をとり、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例5:ゾル−ゲル法を用いた3種金属による酸化物膜の形成>
テトラエトキシシラン(実施例1と同原料)3564gとイソプロパノール3.00kgの混合液を撹拌しながら、0.15M硝酸水溶液305gを徐々に加え、3時間撹拌して、テトラエトキシシランを加水分解させた。
この加水分解した溶液を撹拌しながら、チタニウムテトラ−n−ブトキシド{Ti(OC49,純度:99.5%,日本曹達株式会社製}724gと硝酸リチウム(LiNO)292gをメタノール(CHOH)4.00kgに溶解させた溶液を添加し、2時間撹拌した。
この溶液を、撹拌下の0.15M硝酸水溶液1373gおよびイソプロパノール11.74kgの混合液に加え、更に3時間撹拌することにより、薄膜コート液25kgを製造した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、Liwt%、TiO14wt%、SiO81wt%で、コート液中の固形分は、5.0wt%である。コート液は、無色透明であった。
このコート液を、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、V=20cm/分の速度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。この薄膜付きガラスプリフォームを120℃で1時間乾燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで200℃/時で昇温し、500℃で1時間保持した。熱処熱処理後のLi−TiO−SiO薄膜の厚みは、0.15μmであり、熱処理後の薄膜もまた、無色透明で均質であった。
そして、この3種の金属酸化物による被膜が形成されたガラスプリフォームを、実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程にかけ、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例6:ゾル−ゲル法によるZrO膜の形成>
撹拌下のアセト酢酸エチル2640gと2−エトキシエタノール1828gとイソプロパノール7.5kgの混合液に、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド{Zr(OC37,純度74.5%,日本曹達株式会社製}4461gを加えて、2時間撹拌させた。
この溶液を撹拌しながら、0.15M硝酸水溶液366gとイソプロパノール8.20kgの混合液を加え、一晩撹拌することにより薄膜コート液25kgを製造した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、ZrO100wt%で、コート液中の固形分は、5.0wt%である。コート液は、薄黄色透明であった。
このコート液を、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、ディップ法を用いてV=11cm/分の速度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。この薄膜付きガラスプリフォームを100℃で1時間乾燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで200℃/時で昇温し、500℃で30分間保持した。熱処熱処理後のZrO薄膜の厚みは、0.12μmであり、金属光沢があった。
そして、このガラスプリフォームを実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程にかけ、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例7:シリコーン樹脂を用いたSiO膜の形成>
酢酸イソブチル11.8kgとイソプロパノール11.8kgの混合液に、シリコーンレジン(YR3370,モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を溶解させることにより薄膜コート液25kgを製造した。このコート液から得られる薄膜の仕込み組成は、SiO100wt%で、コート液中の固形分は、5.0wt%である。コート液は、無色透明であった。
このコート液を、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)に、ディップ法によりV=30cm/分の速度で塗布した。得られた薄膜は、無色透明で均質であった。
この薄膜付きガラスプリフォームを100℃で30分間乾燥した後、熱処理炉に入れ500℃まで200℃/時で昇温し、500℃で1時間保持した。熱処熱処理後のSiO薄膜の厚みは、0.22μmであり、この薄膜もまた、無色透明で均質であった。
そして、このガラスプリフォームに対し、実施例1と同様に線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程を行い、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例8:スピンオングラス法によるSiO膜の形成>
実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)の主面(100mm×300mmの面)に、スピンオングラス材料(OCD T−12 1000V,SiO換算固形分濃度:7wt%,東京応化工業製)を、スピンコーターを用いて回転数1500rpmで塗布した。
次いで、スピンオングラス材料を塗布したガラスプリフォームを、クリーンオーブン内で、80℃で3分加熱した後150℃で3分加熱し、更に200℃で5分乾燥して、ガラスプリフォームにシリカ系薄膜を表面に形成した。
このガラスプリフォームを室温まで冷却した後、上述の面とは反対側の主面に、上記と同様の工程で、シリカ系薄膜を形成した。
得られた薄膜の厚みは、0.23μmであった。
そして、このガラスプリフォームを実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程にかけ、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例9:LPD法によるSiO膜の形成>
SiOを飽和した2.0mol/L(リットル)のヘキサフルオロケイ酸(HSiF,森田化学工業株式会社製)水溶液384Lと0.5mol/Lのホウ酸(H3BO3,ボラックス・ジャパン株式会社製)16Lを混合し、処理液を400L作製した。
35℃に加温したこの処理液に、実施例1と同様にして作製したガラスプリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)を浸漬し、撹拌下、0.5mol/Lのホウ酸水溶液を15mL/分の速度で連続的に滴下しながら、20時間保持した。
得られたSiO薄膜は無色透明であり、薄膜の厚みは、50nmであった。
そして、このガラスプリフォームを実施例1と同様にして線引き工程、外形加工・研磨工程、及び還元工程にかけ、線引き工程の途中で破断を生じること無く偏光ガラスを作製した。
<実施例10:金属粒子析出プリフォームへのゾル−ゲル法によるSiO膜の形成>
硝酸ナトリウムと硝酸銀をwt%で2:1に混合し、450℃に加熱して溶融塩を作成した。この溶融塩中に幅100mm×長さ300mm×厚さ2mmに切断した市販のソーダライムガラス板を45時間浸漬し、ガラス中のナトリウムと溶融塩中の銀イオンをイオン交換した。続いて、このイオン交換したソーダライムガラスを640℃で9時間熱処理し、約43μmの球形の銀粒子を析出させた。
これにより、ソーダライムガラスの両表面から深さ約28μmにわたり、銀粒子の含有が確認された。
次ぎに、このガラスプリフォームに、実施例1と同様にしてコート液を作成して塗布し、熱処理して膜厚0.19μmの薄膜を形成した。
薄膜を形成したこのガラスプリフォームを、加熱炉7(図2参照)にセットし、750℃で30分保持した。線引き開始温度を700℃にして、設定張力を12Kgにしたこと以外は実施例1と同様に線引きして、最後まで破断することなく線引きを終えた。
得られたガラスシートは、断面サイズがおよそ幅17mm×厚さ0.27mmで、線引き張力は、261Kgf/cm(25.6MPa)かかっていた。
線引き後のガラステープのAg粒子含有層の厚さは、表面から約4μmの深さで、銀粒子が楕円形状をしていることから、偏光特性を示す偏光ガラスであることを確認した。
得られたテープ状のガラスシートを所定サイズに切断して、偏光特性を調べたところ、偏光ガラスと検出器の距離300mmにおける波長1.55μmでの消光比は50dBであった。なお、本実施例では、ガラスシートの研磨は行っていない。
<比較例1>
実施例1と同様にして作製したガラスリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み4.5mm)の表面に金属酸化物薄膜を形成することなく、そのまま実施例1と同様の条件にて線引きを行った。しかし、線引き工程においてガラスプリフォームの下端に掛かる荷重が14.3Kg(140kgf/cm(13.7MPa))に達した時点で破断したため、ここで線引きを終了させ、外形加工、研磨及び還元を行った。破断直前の延伸したガラスシートに対する消光比は、偏光ガラスと検出器の距離300mm、波長1.55μmで15dBであった。
<比較例2>
実施例10と同様にして作製した銀粒子が分散されたガラスリフォーム(幅100mm×長さ300mm×厚み2mm)の表面に金属酸化物薄膜を形成することなく、そのまま実施例10と同様の条件にて線引きを行った。すると、設定帳力12Kgに対して、8Kgに達した時点でプリフォームは破断し、線引きを終了した。この破断する直前の延伸したガラスシートを所定サイズに切断して消光比を測定すると、偏光ガラスと検出器の距離300mmにおける波長1.55μmでの消光比は11dBであった。
これら実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例2における諸条件や、ガラスプリフォームの線引き時における損傷、作製された偏光ガラスの特性等をまとめたものを表1,表2に示す。
なお、表中における薄膜の組成(wt%)は、コート後の熱処理や線引き工程での加熱等により薄膜内の有機成分(例えば、有機官能基等)が全て酸化され、薄膜が完全に無機質となった場合の組成として記載してある。
Figure 2012047825
Figure 2012047825
ガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜を形成しなかった比較例1,比較例2では、ともに線引き工程においてガラスプリフォームの破断が生じた。
また、線引き途中にて破断したためハロゲン化銅粒子、または銀粒子が十分に伸長されず、得られた偏光ガラスの消光比は、それぞれ15dB,11dBと偏光機能に乏しいものとなった。
これに対して、ガラスプリフォーム表面にSiO膜を形成した実施例1では、線引き工程において損傷無くガラスシートを形成することができ、消光比55dBの十分な偏光機能を有した偏光ガラスが得られた。
また、実施例2〜実施例10においても、線引き時におけるガラスプリフォームの破断は生じず、消光比50dB〜56dBの十分な偏光機能を有する偏光ガラスを作製することができた。
したがって、有機官能基を含有するSiO膜や、複数種の金属酸化物を含有するSiO系酸化物膜、SiOを含まない金属酸化物薄膜であっても、ガラスプリフォームを保護することが可能であり、線引き時の破断を抑制できることが確認された。
また、特に、実施例10のようにイオン交換法によって金属粒子をその表面に分散させたガラスプリフォームを用いる場合には、線引き後の延伸された金属粒子を含有する層が通常数μmと薄い。このため、表面の研削や研磨を行わず、線引き後のガラスシートそのままの厚さで偏光ガラスとして使用される。
したがって、作製された偏光ガラスの表面は、線引き工程により加熱延伸された例えば0.1μm以下の非常に薄い金属酸化物薄膜により被膜されている。この金属酸化物薄膜は、例えばSiO2膜、B−SiO系膜、LiO−TiO−SiO系膜等によって構成できる。これらの金属酸化物薄膜は、化学的耐久性に優れており、偏光ガラスがこれらの膜で被膜されていることによって、偏光ガラスの化学的耐久性を向上させる利点も有している。
このように、本発明により、液相成膜法によってガラスプリフォーム表面に金属酸化物薄膜を形成することで、線引き時におけるガラスプリフォームの破断を確実に防止することが可能である。また、コート液の塗布または処理液への浸漬といった簡易なプロセスでの成膜となることから、短時間かつ低コストでの製造が可能となる。
また、液相成膜法であるため、コート液の塗布または処理液への浸漬時に、ガラスプリフォーム表面の傷内に容易にコート液や処理液が浸透する。
上述の特許文献3に記載の方法では、コアガラス表面に形成した表面ガラスが、延伸時における炉内で溶融することにより、コアガラス表面の傷を埋める。このため、表面ガラスの粘性は低いものとすることが記載されている。
一方で、2つの異なったガラスを溶かして接合する場合には、その両者の熱膨張係数に差があるとガラスが割れたり、クラックが生じたりすることがある。このため、2つのガラスの間の熱膨張係数の値の差は、一般的に15×10−7/K以内にする必要があるとされている。
ところが、特許文献3のようなコアガラスよりも粘性の低い表面ガラスは、コアガラスよりも熱膨張係数が大きくなる傾向があり、コアガラスと表面ガラスとの間の熱膨張係数の値の差が大きくなりやすい。
したがって、コアガラスと表面ガラスの熱膨張係数をマッチングさせた偏光ガラスを作製することは、例えばその材料選定等、非常に綿密な作業を必要とし、困難である。
これに対して、本発明による方法では、コート液や処理液の段階でガラスプリフォーム表面に塗布するため、初めから容易にガラスプリフォーム表面の傷内に浸透させることができ、形成される金属酸化物薄膜の粘性の制約を受けない。したがって、より確実にガラスプリフォームを保護することができ、また粘性と熱膨張係数の制約による材料選定も必要としないため、低コストでの製造が可能である。
また、本発明において例示したゾル−ゲル法、LPD法、スピンオングラス法等の液相成膜法では、フッ酸を用いないため、作業者の安全性向上や、環境に対する負荷の低減も同時に達成される。
以上、本発明による偏光レンズの製造方法に係る実施の形態及び実施例について説明した。本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、なお考えられる種々の形態を含むものである。
1,4・・・ガラスプリフォーム、2・・・傷、3・・・金属酸化物薄膜、5・・・送り装置、6・・・固定治具、7・・・加熱炉、8・・・引っ張り装置、9・・・ガラスシート、10・・・蓋、11・・・発熱部、12・・・挿入孔、13・・・排出孔


Claims (6)

  1. 金属ハロゲン化物粒子、または金属粒子が分散されたガラスプリフォーム表面に、液相成膜法により金属酸化物薄膜を形成する工程と、
    前記金属酸化物薄膜が形成された前記ガラスプリフォームを線引きする工程と、
    を含む
    偏光ガラスの製造方法。
  2. 前記金属酸化物薄膜は、厚さ10μm以下の厚さで形成される請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法。
  3. 前記金属酸化物薄膜は、ゾル−ゲル法、LPD法、スピンオングラス法、シリコン樹脂を塗布する方法のいずれかの方法により形成される請求項2に記載の偏光ガラスの製造方法。
  4. 前記金属酸化物薄膜は、縮合反応により生じたメタロキサン結合によって前記ガラスプリフォーム表面に結合する請求項3に記載の偏光ガラスの製造方法。
  5. 前記金属ハロゲン化物粒子が分散されたガラスプリフォームの線引きにより形成されたガラスシートの外形を加工し、研磨する工程を含み、前記ガラスシートの外形の加工及び研磨の後に前記金属ハロゲン化物粒子を還元する請求項1〜4に記載の偏光ガラスの製造方法。
  6. 前記金属酸化物薄膜は、前記ガラスシートを外形を加工し、研磨する工程において除去される請求項5に記載の偏光ガラスの製造方法。

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