JP2003149642A - 液晶用フロントライト - Google Patents

液晶用フロントライト

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JP2003149642A
JP2003149642A JP2001347577A JP2001347577A JP2003149642A JP 2003149642 A JP2003149642 A JP 2003149642A JP 2001347577 A JP2001347577 A JP 2001347577A JP 2001347577 A JP2001347577 A JP 2001347577A JP 2003149642 A JP2003149642 A JP 2003149642A
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JP2001347577A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Masaru Yokoyama
勝 横山
孝一 ▲高▼濱
Koichi Takahama
Takeyuki Yamaki
健之 山木
Hikari Tsujimoto
光 辻本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置の全体の厚みを薄くすることが
できると共に液晶表示の見た目の奥め感を改善すること
ができ、しかも液晶表示の視認性を高めて品質を向上さ
せることができる液晶用フロントライトを提供する。 【解決手段】 少なくとも一つの側端面に対向して光源
1が配置される導光板2を備えて形成される液晶用フロ
ントライトに関する。導光板2の少なくとも片側の表面
に、屈折率が1.19〜1.4のエアロゲルからなる低
屈折率層3を設ける。1.19〜1.4のエアロゲルか
らなる低屈折率層は機械的強度が高く、傷付き難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ディスプレ
イ、表示素子等に用いられる液晶表示装置において、反
射型液晶パネルの前面側に配置して使用される液晶用フ
ロントライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化社会の進展に伴って各種の
ディスプレイが開発されており、ディスプレイの中でも
代表的な表示パネルとして、液晶表示装置がある。そし
て携帯電話やモバイル端末機器などに用いられる液晶表
示装置においては、低消費電力化への種々の工夫の一つ
として、周囲が明るい際に液晶パネルを照明する電力を
抑えることができる反射型液晶パネルが開発されてい
る。そしてこの反射型液晶パネルにおいて、暗い雰囲気
の中では液晶パネルの前面側から照明をして液晶パネル
の表示を見ることができるようにフロントライトを搭載
することが必要になる。
【0003】図7はフロントライトAが搭載された液晶
表示装置の概略構造を示すものであり、フロントライト
Aは側端面に冷陰極管やLEDなどの光源1を対向して
配設した導光板2から形成されるものであり、液晶パネ
ル10の前面側に配置してある。また導光板2の前面側
(液晶パネル10と反対側)には透明板などで形成され
る透明保護層4が配置してあり、これらの導光板2、液
晶パネル10、透明保護層4は固定具11で保持固定し
て、それぞれの間に間隙13が形成されるようにしてあ
る。
【0004】そして導光板2の前面側(液晶パネル10
と反対側)の表面には微細凹凸加工を施して微細凹凸1
2が形成してあり、光源1の光が側端面から導光板2内
に入射されると、光は導光板2内を伝達される一方、前
面側の微細凹凸12によって液晶パネル10の側に反射
される。この微細凹凸12で反射して液晶パネル10に
入射した光は矢印で示すように、液晶パネル10内を透
過すると共に液晶パネル10の背面で反射し、さらに導
光板2及び透明保護層4を透過して外部に出射する。こ
のようにして液晶パネル10の表示を液晶表示装置の前
面に行なうことができるものである。
【0005】このようにフロントライトAにおいては、
導光板2の前面の微細凹凸12による光反射制御と、こ
の反射を実現しながら微細凹凸12のパターンが前面か
らは認識できないようにすることが重要なポイントにな
っている。このために導光板2の前面と背面に他の部材
が光学的に接触することを回避することが必須であり、
具体的には上記のように導光板2、液晶パネル10、透
明保護層4を固定具11で保持してそれぞれの間に間隙
13が形成されるようにしているのである。特に、導光
板2の微細凹凸12が傷付いたり指紋などの汚れが付着
したりすると、微細凹凸12による光反射制御が困難に
なるために、導光板12の前面を保護する表面保護層4
は必須な部材である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、図7の
液晶表示装置においては、透明保護層4と導光板2の間
と、導光板2と液晶パネル10の間にそれぞれ間隙13
を形成する必要があるが、このために液晶表示装置の全
体の厚みが厚くなるという問題があり、また前面から液
晶パネル10までの距離が大きくなって液晶表示が見た
目に奥まった感じがするという問題があった。さらに、
組み立て後に透明保護層4と導光板2の間や、導光板2
と液晶パネル10の間の間隙13にゴミなどが侵入する
と、液晶表示の視認性が落ちて品質が低下するという問
題もあり、反射型液晶パネルは透過型、半透過型など従
来のバックライト液晶パネルよりも普及率が小さいとい
うのが現状である。
【0007】一方、本発明者等は、特開2000−29
4021号公報において、フロントライトの導光板と表
面保護層との間に屈折率が1.008〜1.18のエア
ロゲル層を設けることによって、エアロゲル層を介して
導光板と表面保護層とを密接させることができるように
することを提案した。このものでは、液晶表示装置の全
体の厚みを薄くすることができ、また液晶表示の見た目
の奥め感も改善することができるものである。
【0008】しかしながら、エアロゲルはシリカなどの
多孔質骨格からなる透明性多孔質体であり、空孔率が高
くなるほど屈折率は小さくなり、屈折率が1.008〜
1.18のエアロゲル層は空孔率が非常に高く、機械的
強度が非常に低くなっている。従って、組み立て時にエ
アロゲル層に傷が付き易く、またエアロゲル層にゴミ等
が付着した場合に取り除くことが困難であり、液晶表示
の視認性が落ちて品質が低下するおそれがあった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、液晶表示装置の全体の厚みを薄くすることができ
ると共に液晶表示の見た目の奥め感を改善することがで
き、しかも液晶表示の視認性を高めて品質を向上させる
ことができる液晶用フロントライトを提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
液晶用フロントライトは、少なくとも一つの側端面に対
向して光源1が配置される導光板2を備えて形成される
液晶用フロントライトにおいて、導光板2の少なくとも
片側の表面に、屈折率が1.19〜1.4のエアロゲル
からなる低屈折率層3を設けて成ることを特徴とするも
のである。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、導光板2の両側の表面に、屈折率が1.19〜1.
4のエアロゲルからなる低屈折率層3を設けて成ること
を特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3に係る液晶用フロントラ
イトは、少なくとも一つの側端面に対向して光源1が配
置される導光板2を備えて形成される液晶用フロントラ
イトにおいて、導光板2の少なくとも片側の表面に、屈
折率が1.05〜1.4のエアロゲル以外のものからな
る低屈折率層3を設けて成ることを特徴とするものであ
る。
【0013】また請求項4の発明は、請求項3におい
て、導光板2の両側の表面に、屈折率が1.05〜1.
4のエアロゲル以外のものからなる低屈折率層3を設け
て成ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項5の発明は、請求項3又は4に
記載の低屈折率層3が、SiX4(Xは加水分解置換
基)で表される4官能加水分解性オルガノシランの部分
加水分解物及び/又は加水分解物からなる4官能シリコ
ーンレジンと、平均粒子径が5nm〜2μmであり、か
つ、外殻の内部に空洞が形成された中空シリカ微粒子と
を必須成分として含有して調製されたコーティング材組
成物がコーティングされると共に乾燥されて得られる膜
かなるものであることを特徴とするものである。
【0015】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、低屈折率層3の導光板2と反対側の
面に透明保護層4を備えて成ることを特徴とするもので
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0017】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のであって、導光板2の前面側(液晶パネル10と反対
側)の表面には微細凹凸加工を施して微細凹凸12が形
成してあり、導光板2のこの微細凹凸12の表面に低屈
折率層3を積層することによって、液晶用フロントライ
トAを形成するようにしてある。この導光板2におい
て、低屈折率層3の表面に透明保護層4が密着させて設
けてあり、低屈折率層3を介して導光板2の前面に表面
保護層4を密接させて設けるようにしてある。
【0018】ここで、導光板2としては透光性のもので
あれば特に制限されることなく使用することができ、透
明ガラス板、透明プラスチック板など一般に透光性板と
して用いられるものであれば特に制限されないものであ
り、この導光板2の屈折率は一般に1.46〜1.6の
範囲である。また透明保護層4は導光板2へのゴミ付着
や傷付きを防止することにより液晶表示の視認性の低下
を防止するためのものであり、透明ガラス板、透明プラ
スチック板などを使用することができるが、タッチパネ
ル等の情報入力機能を備えたものであってもよい。
【0019】低屈折率層3は導光板2の屈折率よりも十
分に屈折率が低い材料からなるものであり、請求項1の
発明では、屈折率が1.19〜1.4のエアロゲルによ
って低屈折率層3を形成するようにしてある。
【0020】本発明においてこのエアロゲルとしては、
シリカエアロゲルを用いることができる。シリカエアロ
ゲルは、米国特許第4402827号公報、同第443
2956号公報、同第4610863号公報で提供され
ているように、アルコキシシラン(シリコンアルコキシ
ド、アルキルシリケートとも称される)の加水分解、重
合反応によって得られたシリカ骨格からなる湿潤状態の
ゲル状化合物を、アルコールあるいは二酸化炭素等の溶
媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以上の超臨
界状態で乾燥することによって得られるシリカ多孔質骨
格からなる透明性多孔質体である。超臨界乾燥は、例え
ばゲル状化合物を液化二酸化炭素中に浸漬し、ゲル状化
合物が含む溶媒の全部又は一部をこの溶媒よりも臨界点
が低い液化二酸化炭素に置換し、この後、二酸化炭素の
単独系、あるいは二酸化炭素と溶媒との混合系の超臨界
条件下で乾燥することによって、行なうことができる。
【0021】またシリカエアロゲルは、米国特許第51
37279号公報、同第5124364号公報で提供さ
れているように、ケイ酸ナトリウムを原料として、上記
と同様にして製造することができる。
【0022】ここで、特開平5−279011号公報、
特開平7−138375号公報に開示されているよう
に、上記のようにしてアルコキシシランの加水分解、重
合反応によって得られたゲル状化合物を疎水化処理する
ことによって、シリカエアロゲルに疎水性を付与するこ
とが好ましい。このように疎水性を付与した疎水性シリ
カエアロゲルは、湿気や水等が浸入し難くなり、シリカ
エアロゲルの屈折率や光透過性等の性能が劣化すること
を防ぐことができるものである。この疎水化処理の工程
は、ゲル状化合物を超臨界乾燥する前、あるいは超臨界
乾燥中に行なうことができる。疎水化処理は、ゲル状化
合物の表面に存在するシラノール基の水酸基を疎水化処
理剤の官能基と反応させ、疎水化処理剤の疎水基と置換
させることによって疎水化するために行なうものであ
る。疎水化処理を行なう手法としては、例えば、疎水化
処理剤を溶媒に溶解させた疎水化処理液中にゲルを浸漬
し、混合するなどしてゲル内に疎水化処理剤を浸透させ
た後、必要に応じて加熱して、疎水化反応を行なわせる
方法がある。疎水化処理に用いる溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、キシ
レン、トルエン、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ヘキサメチルジシロキサン等を挙げることができ
るが、疎水化処理剤が容易に溶解し、かつ、疎水化処理
前のゲルが含有する溶媒と置換可能なものであればよ
く、これらに限定されるものではない。また後の工程で
超臨界乾燥が行なわれる場合、超臨界乾燥の容易な媒
体、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、液体二酸化炭素などと同一種類もしくはそれと置換
可能なものが好ましい。また疎水化処理剤としては例え
ば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げることが
できる。
【0023】導光板2の表面へのシリカエアロゲルによ
る低屈折率層3の形成は、例えば、既述のシリカエアロ
ゲル作製時のゾル−ゲル反応段階で、アルコキシシラン
溶液をディップコーティング法やスピンコーティング法
などでコーティングし、そして乾燥することによって行
なうことができる。
【0024】上記のようにして得られるシリカエアロゲ
ルの屈折率は、シリカエアロゲルの原料配合比によって
自由に変化させることができ、シリカエアロゲルからな
る低屈折率層3の屈折率も自由に調整することができ
る。ここで、低屈折率層3の屈折率は導光板2の屈折率
よりも低ければよいが、導光板2の微細凹凸12のパタ
ーン設計の自由度を高めるためには屈折率層3の屈折率
は低いほうが望ましく、屈折率は1.4以下であること
が必要であり、1.2以下であることが好ましい。しか
し、シリカエアロゲルは屈折率を小さくしようとすれば
空孔率が高くなり、空孔率が高くなるにつれて機械的強
度が低下する傾向がある。そこで本発明ではシリカエア
ロゲルの空孔率を20〜60%程度に設定して屈折率を
1.19〜1.4の範囲に調整することによって、シリ
カエアロゲルから形成される低屈折率層3の強度を確保
し、かつ導光板2より低い屈折率を確保するようにした
ものである。屈折率が1.18以下のシリカエアロゲル
からなる低屈折率層3は機械的強度が弱く、液晶表示装
置の組み立て時に傷が付き易いと共にゴミ等が付着した
場合に取り除くことが困難である。またシリカエアロゲ
ルの屈折率を1.19〜1.4の範囲に調整することに
よって、低屈折率層3の強度を確保し、低屈折率層3が
傷付いたりするおそれなく低屈折率層3の表面に透明保
護層4を密着させて配置することが可能になるのであ
る。
【0025】また、請求項3の発明では、上記のような
エアロゲル以外の材料から屈折率1.05〜1.4の低
屈折率層3を形成するようにしてある。この屈折率1.
05〜1.4の低屈折率層3は、シリカ、メラミン樹
脂、メタクリ樹脂等であって、均一な多孔質構造を保持
したもので形成することができるが、請求項5の発明で
は、この屈折率が1.05〜1.4の低屈折率層3とし
て、4官能シリコーンレジンと中空微粒子を含有して調
製されるシリコーン系コーティング材組成物から形成し
た膜を用いるようにしてある。
【0026】4官能シリコーンレジンとしては、珪素元
素に4個の反応性置換基が結合したもの、すなわちSi
4(Xは加水分解置換基)で表される4官能加水分解
性オルガノシランの部分加水分解物及び/又は加水分解
物を含有するものを用い、これがマトリクス材料とな
る。この4官能シリコーンレジンは、中空微粒子の分散
安定性に優れており、また3、2官能シリコーンレジン
と比較して、マトリクス材料としての屈折率が小さく、
さらに硬化被膜の架橋密度をより高くすることができる
ため、低屈折率層3の誘電率を低下させ易いと共に、低
屈折率層3の強度をより高くすることができるものであ
る。
【0027】例えば、4官能加水分解性オルガノシラン
としては、下記化学式(1)に示されるような4官能オ
ルガノアルコキシシランを挙げることができる。
【0028】Si(OR)4…(1) 上記化学式(1)中のアルコキシド基「OR」中の
「R」は1価の炭化水素基であれば特に限定されるもの
ではないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適で
あり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル
基等のアルキル基等を例示することができる。アルコキ
シド基中に含有されるアルキル基のうち、炭素数が3以
上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等
のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル
基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有す
るものであってもよい。
【0029】そして、4官能シリコーンレジンを調製す
るにあたっては、上記4官能オルガノアルコキシシラン
等の4官能加水分解性オルガノシランを加水分解(以
下、部分加水分解も含む)することによって行うことが
できる。ここで、得られる4官能シリコーンレジンの重
量平均分子量は特に限定されるものではないが、中空シ
リカ微粒子に対して、より少ない割合の4官能シリコー
ンレジンによって硬化被膜の機械的強度を得るために
は、重量平均分子量は200〜2000の範囲にあるこ
とが好ましい。重量平均分子量が200より小さいと被
膜形成能力に劣るおそれがあり、逆に2000を超える
と硬化被膜の機械的強度に劣るおそれがある。
【0030】また通常、4官能加水分解性オルガノシラ
ンを加水分解し縮合反応させることによって得られる4
官能シリコーンレジンは、分子内に未反応基、すなわち
加水分解置換基Xを一部残して高分子化されている。こ
のように分子内に未反応基が残留していても、硬化被膜
を形成した後に300℃を超える高温で熱処理を行う場
合には、未反応基は分解されて屈折率に悪影響を及ぼす
ことはないが、熱処理が低温(100〜300℃)で行
われた場合には、未反応基は分解されることなく硬化被
膜中に残留し、マトリクス材料としての屈折率を高くす
るといった悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、4
官能シリコーンレジンとしては、部分加水分解物よりも
完全に反応した加水分解物を用いる方が好ましい。完全
に反応した加水分解物は分子末端に−OH基のみを有し
ているので、この加水分解物単独で、すなわち4官能シ
リコーンレジン単独で硬化被膜を形成した場合、この硬
化被膜の表面は大変親水性に優れたものとなり、表面水
滴接触角は小さくなる。具体的には本発明において4官
能シリコーンレジンとしては、これを石英ガラス基材の
表面に膜厚100nmとなるように塗装し100℃で焼
成して得られた硬化被膜の表面水滴接触角が10°以下
(実質上の下限は、0°)となるものを用いるのが好ま
しい。つまり、このような4官能シリコーンレジンをマ
トリクス材料として用いれば、硬化被膜を低温で処理し
ても未反応基が残留せず、硬化被膜の屈折率が上昇する
のを容易に抑制することができるものであり、逆に、上
記表面水滴接触角が10°を超える4官能シリコーンレ
ジンを用いれば、硬化被膜を高温で処理しない限り、硬
化被膜の屈折率の上昇を抑制するのは困難となるおそれ
がある。
【0031】また、4官能シリコーンレジンを調製する
際に、上述した4官能オルガノアルコキシシランを用い
る場合には、加水分解するために配合する水の量は、特
に限定されるものではないが、未反応のアルコキシド基
をより少なくするためには、加水分解置換基(OR)に
対する水(H2O)のモル当量、すなわちモル比[H
2O]/[OR]が1.0以上であることが好ましく、
より好ましくは1.0以上5.0以下となるように水を
配合して加水分解するのがよい。1.0未満では未反応
アルコキシド基の量が多くなり、硬化被膜の屈折率を高
くするといった悪影響を及ぼすおそれがあり、逆に5.
0より多いと縮合反応が極端に進み、コーティング材組
成物のゲル化を招くおそれがある。
【0032】さらに、4官能シリコーンレジンを加水分
解する場合には、その濃度は4官能シリコーンレジンと
水との合計量に対してSiO2換算で固形分5重量%以
上20重量%以下の範囲であることが好ましい。4官能
シリコーンレジンが5重量%未満では、上述した好まし
い量の水を配合しても未反応アルコキシド基の量が多く
なり、硬化被膜の屈折率を高くするといった悪影響を及
ぼすおそれがあり、逆に20重量%より濃くなると、上
述した好ましい量の水を配合してもコーティング材組成
物のゲル化を招くおそれがある。
【0033】また、4官能オルガノアルコキシシラン等
の4官能加水分解性オルガノシランを加水分解する際に
必要に応じて用いられる触媒としては、特に限定される
ものではないが、製造工程に要する時間を短縮する点か
ら、酸性触媒が好ましい。このような酸性触媒として
は、特に限定されないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、
クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピ
オン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マ
ロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸や、
塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸や、酸性コロ
イダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラ
ー等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を
使用することができる。アルコキシドの加水分解は、必
要に応じて、加温して行ってもよく、特に40〜100
℃の条件下で2〜100時間かけて加水分解反応を促進
させると、未反応アルコキシド基を限りなく少なくする
ことができて好ましい。上記の温度範囲や時間範囲を外
れて加水分解すると、未反応アルコキシド基が残留する
おそれがある。なお、上記酸性触媒の代わりに、水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア
水、アミン類の水溶液等のアルカリ性触媒を用いてよい
のはいうまでもない。
【0034】また、中空微粒子としては中空シリカ微粒
子を用いるものであり、平均粒子径が5nm〜2μmで
あり、かつ、外殻の内部に空洞が形成されたものを用い
る。このようなものであれば、特に限定されるものでは
ないが、具体的には、以下のようなものを用いることが
できる。例えば、シリカ系無機酸化物からなる外殻(シ
ェル)の内部に空洞を有した中空シリカ微粒子を用いる
ことができる。シリカ系無機酸化物とは、(A)シリカ
単一層、(B)シリカとシリカ以外の無機酸化物とから
なる複合酸化物の単一層、及び(C)上記(A)層と
(B)層との二重層を包含するものをいう。外殻は細孔
を有する多孔質なものであってもよいし、細孔が後述す
る操作により閉塞されて空洞を密封したものであっても
よい。外殻は、内側の第1シリカ被覆層及び外側の第2
シリカ被覆層からなる複数のシリカ系被覆層であること
が好ましい。外側に第2シリカ被覆層を設けることによ
り、外殻の微細孔を閉塞させて外殻を緻密化したり、さ
らには、外殻で内部の空洞を密封した中空シリカ微粒子
を得ることができるものである。
【0035】第1シリカ被覆層の厚みは1〜50nm、
特に5〜20nmの範囲とすることが好ましい。第1シ
リカ被覆層の厚みが1nm未満であると、後述する球状
核粒子の構成成分の一部を除去する際に粒子形状を保持
することが困難となり、中空シリカ微粒子を得ることが
できないおそれがあり、また第2シリカ被覆層を形成す
る際に、有機珪素化合物の部分加水分解物等が上記核粒
子の細孔に入り、核粒子構成成分の除去が困難となるお
それがある。逆に、第1シリカ被覆層の厚みが50nm
を超えると、次工程における核粒子を構成する成分の除
去が困難となるおそれがあり、また中空シリカ微粒子中
の空洞の割合が減少して屈折率の低下が不十分となるお
それがある。さらに、外殻の厚みは、後述する平均粒子
径の1/50〜1/5の範囲にあることが好ましい。こ
れは、核粒子の構成成分の一部を除去する際、平均粒子
径に比べて外殻の厚みが薄過ぎる中空シリカ微粒子に対
して酸による溶解除去を行うと、その反復操作により第
1シリカ被覆層の細孔が大きくなり過ぎたり、破壊され
て核粒子の球状を保持することができなくなるからであ
る。第2シリカ被覆層の厚みは、第1シリカ被覆層との
合計厚みが上記1〜50nmの範囲となるようにすれば
よく、特に外殻を緻密化する上では、20〜49nmの
範囲が好適である。
【0036】空洞には中空シリカ微粒子を調製するとき
に使用した溶媒及び/又は乾燥時に浸入する気体が存在
している。また、空洞には後述する空洞を形成するため
の前駆体物質が残存していてもよい。前駆体物質は、外
殻に付着してわずかに残存していることもあるし、空洞
内の大部分を占めることもある。ここで、前駆体物質と
は、第1シリカ被覆層を形成するための核粒子からその
構成成分の一部を除去した後に残存する多孔質物質であ
る。核粒子には、シリカとシリカ以外の無機酸化物とか
らなる多孔質の複合酸化物粒子を用いる。無機酸化物と
しては、Al23、B23、TiO2、ZrO2、SnO
2、Ce23、P25、Sb23、MoO3、ZnO2
WO3等の1種又は2種以上を挙げることができる。2
種以上の無機酸化物として、TiO2−Al23、Ti
2−ZrO2等を例示することができる。なお、この多
孔質物質の細孔内にも上記溶媒あるいは気体が存在して
いる。このときの構成成分の除去量が多くなると空洞の
容積が増大し、屈折率の低い中空シリカ微粒子が得ら
れ、この中空シリカ微粒子を配合して得られる透明被膜
は低屈折率で反射防止性能に優れる。
【0037】上述したように中空シリカ微粒子の平均粒
子径は5nm〜2μmの範囲にある。5nmよりも平均
粒子径が小さいと、中空によって低屈折率になる効果が
小さく、逆に2μmよりも平均粒子径が大きいと、透明
性が極端に悪くなり、拡散反射(Anti-Glare)による寄
与が大きくなってしまう。硬化被膜に高い透明性が要求
される用途として、例えばディスプレイ等の反射を防止
するためには、中空シリカ微粒子の平均粒子径は5〜1
00nmの範囲が好ましい。なお、上記平均粒子径は動
的光散乱法によって求めることができる。
【0038】そして、以下の(a)〜(c)の工程を経
ることによって、中空シリカ微粒子の分散液を調製する
ことができる。
【0039】(a)核粒子分散液の調製 珪酸塩としては、アルカリ金属珪酸塩、アンモニウム珪
酸塩及び有機塩基の珪酸塩から選ばれる1種又は2種以
上の珪酸塩が好ましく用いられる。アルカリ金属珪酸塩
としては、珪酸ナトリウム(水ガラス)や珪酸カリウム
が、有機塩基としては、テトラエチルアンモニウム塩等
の第4級アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を
挙げることができ、アンモニウムの珪酸塩又は有機塩基
の珪酸塩には、珪酸液にアンモニア、第4級アンモニウ
ム水酸化物、アミン化合物等を添加したアルカリ性溶液
も含まれる。酸性珪酸液としては、珪酸アルカリ水溶液
を陽イオン交換樹脂で処理すること等によって、アルカ
リを除去して得られる珪酸液を用いることができ、特に
pH2〜4、SiO2濃度が7重量%以下の酸性珪酸液
が好ましい。無機酸化物の原料として、アルカリ可溶の
無機化合物を用いることが好ましく、上述した金属又は
非金属のオキソ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を挙げる
ことができ、より具体的には、アルミン酸ナトリウム、
四硼酸ナトリウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、アン
チモン酸カリウム、錫酸カリウム、アルミノ珪酸ナトリ
ウム、モリブデン酸ナトリウム、硝酸セリウムアンモニ
ウム、燐酸ナトリウム等が適当である。
【0040】核粒子分散液を調製するためには、予め、
上記無機化合物のアルカリ水溶液を個別に調製するか又
は混合水溶液を調製しておき、この水溶液を目的とする
シリカとシリカ以外の無機酸化物の複合割合に応じて、
pH10以上のアルカリ水溶液中に撹拌しながら徐々に
添加する。アルカリ水溶液中に添加するシリカ原料と無
機化合物の添加割合は、シリカ成分をSiO2で表し、
シリカ以外の無機化合物をMOXで表したときのモル比
MOX/SiO2が0.3〜1.0、特に0.35〜0.8
5の範囲となるようにすることが好ましい。MOX/S
iO2が0.3未満では、上述した空洞容積が十分大きく
ならず、他方、MOX/SiO2が1.0を超えると、球
状の核粒子を得ることが困難となり、この結果、得られ
る中空シリカ微粒子中の空洞容積の割合が低下する。モ
ル比MOX/SiO2が0.3〜1.0の範囲にあれば、
核粒子の構造は主として、珪素と珪素以外の元素が酸素
を介在して交互に結合した構造となる。すなわち、珪素
原子の4つの結合手に酸素原子が結合し、この酸素原子
にはシリカ以外の元素Mが結合した構造が多く生成し、
後述の工程(c)でシリカ以外の元素Mを除去する際、
元素Mに随伴させて珪素原子も珪酸モノマーやオリゴマ
ーとして除去することができるようになる。
【0041】また、核粒子分散液を調製する際に種粒子
の分散液を出発原料とすることも可能である。この場合
には、種粒子として、SiO2、Al23、TiO2、Z
rO 2、SnO2及びCeO2等の無機酸化物又はこれら
の複合酸化物、例えば、SiO2−Al23、TiO2
Al23、TiO2−ZrO2、SiO2−TiO2、Si
2−TiO2−Al23等の微粒子が用いられ、通常、
これらのゾルを用いることができる。このような種粒子
の分散液は、従来公知の方法によって調製することがで
きる。例えば、上記無機酸化物に対応する金属塩、金属
塩の混合物あるいは金属アルコキシド等に酸又はアルカ
リを添加して加水分解し、必要に応じて熟成することに
よって得ることができる。このpH10以上に調整した
種粒子分散液中に上記化合物の水溶液を、上述したアル
カリ水溶液中に添加する方法と同様にして、撹拌しなが
ら添加する。この場合も、分散液のpH制御は特に行わ
なくてもよい。このように、種粒子を種として核粒子を
成長させると、成長粒子の平均粒子径のコントロールが
容易であり、粒度の揃ったものを得ることができる。種
粒子分散液中に添加するシリカ原料及び無機酸化物の添
加割合は、上述したアルカリ水溶液に添加する場合と同
じ範囲とする。上述したシリカ原料及び無機酸化物原料
はアルカリ側で高い溶解度をもっている。しかしなが
ら、この溶解度の高いpH領域で両者を混合すると、珪
酸イオン及びアルミン酸イオンなどのオキソ酸イオンの
溶解度が低下し、これらの複合物が析出してコロイド粒
子に成長したり、あるいは、種粒子上に析出して粒子成
長が起こる。従って、コロイド粒子の析出、成長に際し
て、従来法のようなpH制御は必ずしも必要ではない。
【0042】上記核粒子分散液の調製に際し、シリカ原
料として、RnSiX(4-n)(この式中、Rは炭素数1〜
10の非置換又は置換炭化水素基、Xは炭素数1〜4の
アルコキシド基、シラノール基、ハロゲン又は水素、n
は0〜3の整数)で示される有機珪素化合物の加水分解
物をアルカリ水溶液中に添加してもよい。この有機珪素
化合物としては、具体的に、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−
3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、
β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチ
ルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチ
ルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニ
ルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチ
ルブロモシラン、ジエチルシラン等を挙げることができ
る。上記有機珪素化合物でnが1〜3の化合物は親水性
に乏しいので、予め加水分解しておくことにより、反応
系に均一に混合できるようにすることが好ましい。加水
分解には、これら有機珪素化合物の加水分解法として周
知の方法を採用することができる。加水分解触媒とし
て、アルカリ金属の水酸化物や、アンモニア水、アミン
等の塩基性のものを用いた場合、加水分解後これらの塩
基性触媒を除去して、酸性溶液にして用いることもでき
る。また、有機酸や無機酸などの酸性触媒を用いて加水
分解物を調製した場合、加水分解後、イオン交換等によ
って酸性触媒を除去することが好ましい。なお、得られ
た有機珪素化合物の加水分解物は、水溶液の形態で使用
することが望ましい。ここで水溶液とは加水分解物がゲ
ルとして白濁した状態ではなく透明性を有している状態
を意味する。
【0043】(b)第1シリカ被覆層の形成 添加するシリカ原料としては、シリカのアルカリ金属塩
(水ガラス)を脱アルカリして得られる珪酸液が特に好
ましい。核粒子の分散媒が水単独、又は有機溶媒に対す
る水の比率が高い場合には、珪酸液による被覆処理も可
能である。珪酸液を用いる場合には、分散液中に珪酸液
を所定量添加し、同時にアルカリを加えて珪酸液を核粒
子表面に沈着させる。さらに、シリカ原料として、加水
分解性の有機珪素化合物も使用することができる。加水
分解性の有機珪素化合物としては、一般式RnSi(O
R′)(4-n)(この式中、R及びR′はアルキル基、ア
リール基、ビニル基、アクリル基等の炭化水素基、n=
0、1、2又は3)で表されるアルコキシシランを用い
ることができ、特にテトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラア
ルコキシシランが好ましい。
【0044】添加方法としては、これらのアルコキシシ
ラン、純水、及びアルコールの混合溶液に触媒としての
少量のアルカリ又は酸を添加した溶液を、上記核粒子分
散液に加え、アルコキシシランを加水分解して生成した
珪酸重合物をこの核粒子の表面に沈着させる。このと
き、アルコキシシラン、アルコール、触媒を同時に分散
液中に添加してもよい。アルカリ触媒としては、アンモ
ニア、アルカリ金属の水酸化物、アミン類を用いること
ができる。また、酸触媒としては、各種の無機酸と有機
酸を用いることができる。なお、アルコキシシランと上
記珪酸液を併用して被覆処理を行うことも可能である。
また、必要に応じてシリカ源以外の無機化合物を併用し
て被覆処理することもでき、上述した核粒子の調製に用
いたアルカリ可溶の無機化合物を用いることができる。
なお、シリカ原料と必要に応じて添加する無機化合物の
添加量は、上述した厚みの被覆層を形成するに十分な量
とする。第1シリカ被覆層は多数の細孔を有する多孔質
なものとすることが必要である。
【0045】(c)空洞の形成 上記第1被覆層により被覆した核粒子から、この核粒子
を構成する元素の一部又は全部を除去することにより、
外殻としての第1被覆層の内部に空洞を有する中空シリ
カ微粒子を調製することができる。核粒子を構成する元
素の一部又は全部を除去するには、この核粒子分散液に
鉱酸や有機酸を添加することによって溶解除去したり、
あるいは陽イオン交換樹脂と接触させてイオン交換除去
する方法を例示することができる。このときの核粒子分
散液中の核粒子の濃度は処理温度によっても異なるが、
酸化物に換算して0.1〜50重量%、特に0.5〜2
5重量%の範囲にあることが好ましい。0.1重量%未
満では第1シリカ被覆層におけるシリカの溶解が起きる
可能性があると同時に、低濃度のために処理効率が悪
い。また、核粒子の濃度が50重量%を超えると、核粒
子を構成する元素の所望量を少ない回数で除去しにくく
なる。これは、シリカ以外の元素は酸の添加により溶解
しただけ除去できるのに対して、シリカの溶解度が低い
ために、シリカモノマー等が生じても直ちに粒子内に析
出し、この結果、シリカが他の元素に随伴して除去され
る量が低減し、空洞が効率的に生成しないからである。
【0046】上記元素の除去は、得られるシリカ系微粒
子のMOX/SiO2が、0.0001〜0.2、特に0.
0001〜0.1となるまで行うことが好ましい。元素
を除去した分散液は、限外濾過等の公知の洗浄方法によ
り洗浄することができる。この場合、予め分散液中のア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン及びアンモ
ニウムイオン等の一部を除去した後に限外濾過すれば、
分散安定性の高い中空シリカ微粒子が分散したゾルが得
られる。なお、必要に応じて有機溶媒で置換することに
よって有機溶媒分散ゾルを得ることができる。このよう
にして得られた分散ゾル中に分散した中空シリカ微粒子
は、外殻が多孔質な第1シリカ層により構成され、内部
の空洞には溶媒及び/又は気体が含有されたものとな
る。また、核粒子を完全に除去しない場合には多孔質の
物質が空洞内に残留する。従って、得られる中空シリカ
微粒子は低屈折率となり、この中空シリカ微粒子を用い
て形成される硬化被膜は低屈折率となり、反射防止性能
に優れた硬化被膜が得られる。
【0047】そして、上記中空シリカ微粒子分散液の調
製方法の(c)工程に続けて、さらに第2シリカ被覆層
の形成工程を付加することにより、外殻が複数の被覆層
からなる中空シリカ微粒子分散液を調製することができ
る。本工程においてRnSiX(4-n)(この式中、Rは炭
素数1〜10の非置換又は置換炭化水素基、Xは炭素数
1〜4のアルコキシド基、シラノール基、ハロゲン又は
水素、nは0〜3の整数)で示される有機珪素化合物と
しては、(b)工程で示した有機珪素化合物と同じもの
を用いることができる。上記の式において、n=0の有
機珪素化合物を用いる場合はそのまま用いることができ
るが、n=1〜3の有機珪素化合物を用いる場合は上記
工程(a)で用いる有機珪素化合物の部分加水分解物と
同じものを用いることが好ましい。第2シリカ被覆層を
形成することによって、外殻の厚みを調整することがで
き、外殻の厚みを最終的に1〜50nmとすることが可
能となる。また、第2シリカ被覆層を形成した後は上述
したような除去工程を行わないので、被覆層は微細孔の
みを有し、後述する水熱処理あるいは加熱処理工程で被
覆層の細孔の減少あるいは消滅による緻密化が容易にな
る。
【0048】また、第2シリカ被覆層の形成にn=1〜
3の有機珪素化合物を用いる場合は有機溶媒への分散性
がよく、樹脂との親和性の高いシリカ系微粒子分散液を
得ることができる。このため、シランカップリング剤等
で表面処理して用いることができるが、有機溶媒への分
散性、樹脂との親和性等に優れているため、このような
処理を特別に必要とすることもない。また、第2シリカ
被覆層の形成に含フッ素有機珪素化合物を用いる場合
は、F原子を含む被覆層が形成されるために、得られる
粒子はより低屈折率となるとともに有機溶媒への分散性
がよく、樹脂との親和性の高い中空シリカ微粒子分散液
を得ることができる。このような含フッ素有機珪素化合
物としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロ
ピルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチ
ルジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリク
ロロシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ト
リデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0049】このようにして得られた分散液中に分散し
た中空シリカ微粒子は、外殻が多孔質な第1シリカ層と
第2シリカ層により構成される点を除いて、工程(a)
〜(c)を経て得られたものと同様の中空シリカ微粒子
が得られる。
【0050】また、上記のようにして得られた中空シリ
カ微粒子分散液をさらに水熱処理することにより、外殻
が緻密化された中空シリカ微粒子分散液を得ることがで
きる。すなわち、第2シリカ被覆層を形成した中空シリ
カ微粒子分散液に、必要に応じてアルカリ水溶液を添加
して好ましくはpH8〜13の範囲に調整し、加熱処理
する。このときの加熱処理温度は50〜350℃の範
囲、特に100〜300℃の範囲が好ましい。この水熱
処理によって、被覆層の細孔を減少あるいは消失させる
ことができ、中空シリカ微粒子の緻密化された外殻の内
部空洞には、溶媒及び/又は気体、さらには多孔質の物
質が残留することになる。なお、加熱処理に際しては、
工程(c)で得た中空シリカ微粒子分散液の濃度を予め
希釈して、あるいは濃縮して処理することができる。ま
た、最後に、上記工程(c)と同様にして、水熱処理し
た分散液の洗浄を行ってもよい。
【0051】また、上述した外殻が複数の被覆層からな
る中空シリカ微粒子分散液、又は外殻が緻密化された中
空シリカ微粒子分散液のうち外殻により空洞が完全に密
封されてないものを、乾燥した後、大気圧下又は減圧
下、400〜1200℃(シリカの融点の1/3〜融点
未満の温度)で加熱処理することによって、外殻により
空洞を密封した中空シリカ微粒子を得ることができる。
加熱処理温度が400℃未満では、被覆層の細孔を完全
に閉塞することができず、一方、加熱処理温度が120
0℃を超えると中空シリカ微粒子が互いに融着したり、
球状を保持できないことがある。このようにして得られ
た中空シリカ微粒子は、空洞に溶媒が存在しないために
通常の溶媒では分散液を得ることは困難である。しかし
ながら、内部が気体又は気体と多孔質物質のみからなる
ため、粒子の屈折率は極めて低く、この粒子を用いて得
られる硬化被膜は低屈折率であり、この硬化被膜が形成
された塗装品は反射防止性能に優れている。さらに、こ
の粒子を積層した膜は優れた断熱効果を有しており、こ
の粒子は断熱材としても有用である。
【0052】そして、コーティング材組成物は、上述し
た4官能シリコーンレジンをマトリクス材料の主成分と
して用い、これに中空シリカ微粒子を添加し、さらに必
要に応じてその他の成分を添加することによって得るこ
とができる。またコーティング材組成物は、必要に応じ
て有機溶媒や水で希釈してもよく、このときコーティン
グ材組成物を調製するにあたって、予め個々の成分を必
要に応じて有機溶媒や水で希釈しておいてもよい。希釈
する際の有機溶媒としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール等の
低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコ
ールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導
体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体、及び
ジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらか
らなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を使用する
ことができる。さらにこれらの親水性有機溶媒と併用し
て、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトオキシム等の1種あるいは
2種以上のものを使用することができる。
【0053】そして、上記のようにして調製したコーテ
ィング材組成物を導光板2の表面にコーティングして被
膜を形成すると共にこの被膜を乾燥硬化させることによ
って、導光板2の表面に低屈折率層3を形成することが
できるものである。コーティング材組成物を導光板2の
表面にコーティングするにあたって、その方法は特に限
定されるものではないが、例えば、刷毛塗り、スプレー
コート、ディップコート、ロールコート、フローコー
ト、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、テ
ーブルコート、シートコート、枚葉コート、ダイコー
ト、バーコート等の通常の各種コーティング方法を選択
することができる。また、被膜を乾燥させた後に、これ
に熱処理を行うのが好ましい。この熱処理によって、硬
化被膜の機械的強度をさらに向上させることができるも
のである。熱処理の際の温度は、特に限定されるもので
はないが、100〜300℃の比較的低温で5〜30分
処理することが好ましい。
【0054】上記のようにして得られる4官能シリコー
ンレジンと中空微粒子からなる低屈折率層3は、1.0
5〜1.4の低い屈折率に形成することができるもので
あり、しかも低屈折率層3は4官能シリコーンレジンと
中空微粒子、すなわち樹脂とフィラーからなるものであ
るので、機械的強度が高い。従って、液晶表示装置の組
み立て時に傷が付くことを防止できると共にゴミ等が付
着した場合には拭き取ることによって容易に取り除くこ
とできるものであり、低屈折率層3が傷付いたりするお
それなく低屈折率層3の表面に透明保護層4を密着させ
て配置することが可能になるのである。
【0055】本発明において、低屈折率層3の厚みは特
に制限されないが、導光板2の微細凹凸12に透明保護
層4が直接接触しない厚みであればよく、厚みが薄い
程、全体の厚みを薄く形成することが可能になる。しか
し、薄過ぎることで微細凹凸12を埋めきれない場合
や、光干渉により液晶の表示色を変化させる場合は好ま
しくない。具体的には、導光板2の微細凹凸12の深さ
にも依存するが、数μm〜10μm程度の厚みに低屈折
率層3を形成するのが好ましい。尚、低屈折率層3は上
記のようにコーティングすることによって形成されるの
で、コーティングした面に対して低屈折率層3は密着し
ているが、液晶パネル10側の面に対しても低屈折率層
3を密着させることが必要になることがあるので、この
場合には、低屈折率層3にシリコーンゴム組成物などの
粘弾性素材を添加するようにしてもよい。この粘弾性素
材としては、例えば低分子ジメチルシロキサンなどを挙
げることができ、その添加量は低屈折率層3の全体にお
いて3〜50質量%であることが好ましい。またこの粘
弾性素材においては、その屈折率が密着させたい部材と
同屈折率の場合は、低屈折率層3内に添加する必要はな
く、低屈折率層3の表面にコーティングするようにして
もよい。
【0056】上記のようにして導光板2の前面に低屈折
率層3を積層して形成されるフロントライトAの側端面
には、冷陰極管やLEDなどの光源1が配設してあり、
このフロントライトAを液晶パネル10の前面側に配置
して設けることによって、反射型の液晶表示装置を形成
することができるものである。そして光源1の光が側端
面から導光板2内に入射されると、光は導光板2内を伝
達される一方、前面側の微細凹凸12によって液晶パネ
ル10の側に反射される。このとき、導光板2の表面に
は低屈折率層3が設けてあるので、導光板2と低屈折率
層3の界面で光は全反射され易くなっており、微細凹凸
12で光は液晶パネル10側に効率高く反射されるよう
になっている。このように導光板2の微細凹凸12で反
射して液晶パネル10に入射した光は、矢印に示すよう
に液晶パネル10内を透過すると共に液晶パネル10の
背面で反射し、さらに導光板2及び透明保護層4を透過
して外部に出射するものであり、このようにして液晶パ
ネル10をフロントパネルAで効率高く照明して、液晶
表示装置の前面に液晶表示を効率良く行なうことができ
るものである。
【0057】図2は、導光板2の前面に積層して設けた
低屈折率層3が液晶表示装置の最表面になるようにした
実施の形態を示すものである。既述のように、本発明に
おける低屈折率層3は機械的強度が高く、傷が付きにく
いので、透明保護層4を取り除くことが可能になるので
ある。このように透明保護層4を取り除いて導光板2が
最表面になるようにすることによって、液晶表示装置の
全体の厚みを一層薄くすることができるものである。
【0058】図3(a)(b)の実施の形態では、導光
板2の前面側の他に、導光板2の背面側(液晶パネル1
0側)にも低屈折率層3を積層して設けることによっ
て、液晶用フロントライトAを形成するようにしてあ
る。このものでは導光板2の前面側に低屈折率層3を介
して表面保護層4を密接させると共に導光板2の背面側
に低屈折率層3を介して液晶パネル10を密接させるこ
とができ、液晶表示装置の全体の厚みをさらに薄くする
ことができるものである。
【0059】尚、低屈折率層3の形成は、導光板2の表
面にコーティングを施して導光板2の表面に行なう他、
透明保護層4や液晶パネル10の表面にコーティングを
施して透明保護層4や液晶パネル10の表面に行なうよ
うにしてもよい。図4の実施の形態では、導光板2の両
面にコーティングを施して導光板2の両面に低屈折率層
3を設け、液晶パネル10と導光板2と透明保護層4を
重ねることによって、図3(a)のような構成の液晶表
示装置を組み立てるようにしてある。図5の実施の形態
では、導光板2の背面と透明保護層4の背面にコーティ
ングを施して導光板2の背面と透明保護層4の背面に低
屈折率層3を設け、液晶パネル10と導光板2と透明保
護層4を重ねることによって、図3(a)のような構成
の液晶表示装置を組み立てるようにしてある。図6の実
施の形態では、導光板2の両面にコーティングを施して
導光板2の両面に低屈折率層3を設け、液晶パネル10
と導光板2を重ねることによって、図3(b)のような
構成の液晶表示装置を組み立てるようにしてある。
【0060】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0061】(実施例1)テトラエトキシシラン208
質量部にメタノール356質量部を加え、さらに水18
質量部及び0.01Nの塩酸18質量部を混合し、これ
をディスパーを用いてよく混合した。この混合液を25
℃恒温槽中で2時間撹拌して、重量平均分子量を850
に調整することにより、4官能シリコーンレジンを得
た。次に、この4官能シリコーンレジンに、中空シリカ
微粒子成分として中空シリカIPA(イソプロパノー
ル)分散ゾル(固形分20質量%、平均一次粒子径約3
5nm、外殻厚み約8nm、触媒化成工業製)を用い、
中空シリカ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合
物換算)が固形分基準で質量比が80/20となるよう
に添加し、さらに全固形分が10質量%になるようにメ
タノールで希釈することによって、コーティング材組成
物を調製した。
【0062】次に厚み1mmの透明アクリル板の片側表
面に微細凹凸加工を施して形成される屈折率が1.50
の導光板を用い、この導光板の両面の微細凹凸加工面側
と平滑面側にコーティング材組成物をディップコート法
によりコーティングし、厚み20μmの膜を製膜した。
次いでこの導光板を80℃で加熱して塗膜の硬化を促進
させることによって、導光板の両面に屈折率が1.25
の低屈折率層を形成した。
【0063】そしてこの導光板の平滑面側に反射型液晶
パネルを、微細凹凸加工面側に厚み0.5mmの透明ア
クリル板からなる透明保護層を重ねて一体化することに
よって、図3(a)のような構成のフロントライト液晶
表示装置を得た。この液晶表示装置の総厚みは約3mm
であった。
【0064】(実施例2)実施例1において、中空シリ
カ微粒子/4官能シリコーンレジン(縮合化合物換算)
が固形分基準で質量比が95/5となるように添加する
ようにした以外は、実施例1と同様にしてコーティング
材組成物を調製した。そしてこのコーティング材組成物
を用いて実施例1と同様にして導光板の両面に屈折率が
1.17の低屈折率層を形成した。さらに実施例1と同
様の構成で総厚み約3mmのフロントライト液晶表示装
置を得た。
【0065】(実施例3)テトラエトキシシランのオリ
ゴマー(シリカ固形分含有量51質量%)512質量部
にメタノール745質量部を加え、さらに水550質量
部及び15Nのアンモニア水26質量部を混合し、これ
をディスパーを用いてよく混合することにより、コーテ
ィング溶液を得た。
【0066】次に実施例1と同じ片側表面に微細凹凸加
工を施した導光板の微細凹凸加工面側と、反射型液晶パ
ネルの前面側に、調製した直後のコーティング溶液をそ
れぞれバーコーターによりコーティングし、厚み10μ
mの膜を製膜した。コーティング3分後、塗膜がゲル化
した後に、これらをメタノールが充填された高圧容器内
に入れ、80℃、16MPaでの炭酸ガス抽出によって
塗膜を超臨界乾燥し、導光板と液晶パネルの各表面に屈
折率が1.22のエアロゲルからなる低屈折率層を形成
した。
【0067】そして反射型液晶パネルの前面に導光板
を、さらに導光板の微細凹凸加工面側に厚み0.5mm
の透明アクリル板からなる透明保護層をそれぞれ重ねて
一体化することによって、図3(a)のような構成のフ
ロントライト液晶表示装置を得た。この液晶表示装置の
総厚みは約3mmであった。
【0068】(比較例1)上記の実施例1〜3と同様
な、液晶パネル、導光板、透明保護層(いずれにも低屈
折率層は設けられていない)が図7のような構成で一体
化された市販のフロントライト液晶表示装置を比較例1
とした。このものでは各部材の間に間隙が形成されてお
り、総厚みは約7mmであった。
【0069】(比較例2)テトラエトキシシランのオリ
ゴマー(シリカ固形分含有量51質量%)150質量部
にメタノール1303質量部を加え、さらに水105質
量部及び15Nのアンモニア水12質量部を混合し、こ
れをディスパーを用いてよく混合することにより、コー
ティング溶液を得た。
【0070】次に実施例1と同じ片側表面に微細凹凸加
工を施した導光板の微細凹凸加工面側と、反射型液晶パ
ネルの前面側に、調製した直後のコーティング溶液をそ
れぞれバーコーターによりコーティングし、厚み10μ
mの膜を製膜した。コーティング3分後、塗膜がゲル化
した後に、これらをメタノールが充填された高圧容器内
に入れ、80℃、16MPaでの炭酸ガス抽出によって
塗膜を超臨界乾燥し、導光板と液晶パネルの各表面に屈
折率が1.10のエアロゲルからなる低屈折率層を形成
した。
【0071】そして反射型液晶パネルの前面に導光板
を、さらに導光板の微細凹凸加工面側に厚み0.5mm
の透明アクリル板からなる透明保護層をそれぞれ重ねて
一体化することによって、図3(a)のような構成のフ
ロントライト液晶表示装置を得た。この液晶表示装置の
総厚みは約3mmであった。
【0072】上記の実施例1〜3及び比較例1〜2で得
た液晶表示装置において、目視によりフロントライトの
表面のゴミの存在や傷に起因してみられる輝点の数を数
えることによって、視認性の評価を行なった。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る液
晶用フロントライトは、少なくとも一つの側端面に対向
して光源が配置される導光板を備えて形成される液晶用
フロントライトにおいて、導光板の少なくとも片側の表
面に、屈折率が1.19〜1.4のエアロゲルからなる
低屈折率層を設けるようにしたので、導光板と低屈折率
層の界面で光は効率高く反射され、液晶パネルを効率高
く照明できるフロントパネルを得ることができるもので
ある。そして1.19〜1.4のエアロゲルからなる低
屈折率層は機械的強度が高く、透明保護層を導光板に低
屈折率層を介して密接させることが可能になり、あるい
は透明保護層を省略する事が可能になり、液晶表示装置
の全体の厚みを薄くすることができると共に液晶表示の
見た目の奥め感を改善することができるものであり、し
かも組み立て時に低屈折率層に傷が付くことを防止でき
ると共にゴミ等が付着した場合には拭き取ることによっ
て容易に取り除くことでき、液晶表示の視認性を高めて
品質を向上させることができるものである。
【0075】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、導光板の両側の表面に、屈折率が1.19〜1.4
のエアロゲルからなる低屈折率層を設けるようにしたの
で、導光板の前面と背面に透明保護膜と液晶パネルを低
屈折率層を介して密接させることが可能になり、あるい
は透明保護層を省略する事が可能になり、液晶表示装置
の全体の厚みを薄くすることができると共に液晶表示の
見た目の奥め感を改善することができるものである。
【0076】本発明の請求項3に係る液晶用フロントラ
イトは、少なくとも一つの側端面に対向して光源が配置
される導光板を備えて形成される液晶用フロントライト
において、導光板の少なくとも片側の表面に、屈折率が
1.05〜1.4のエアロゲル以外のものからなる低屈
折率層を設けるようにしたので、導光板と低屈折率層の
界面で光は効率高く反射され、液晶パネルを効率高く照
明できるフロントパネルを得ることができるものであ
る。
【0077】また請求項4の発明は、請求項3におい
て、導光板の両側の表面に、屈折率が1.05〜1.4
のエアロゲル以外のものからなる低屈折率層を設けるよ
うにしたので、導光板と低屈折率層の界面で光は効率高
く反射され、液晶パネルを効率高く照明できるフロント
パネルを得ることができるものである。
【0078】また請求項5の発明は、請求項3又は4に
記載の低屈折率層が、SiX4(Xは加水分解置換基)
で表される4官能加水分解性オルガノシランの部分加水
分解物及び/又は加水分解物からなる4官能シリコーン
レジンと、平均粒子径が5nm〜2μmであり、かつ、
外殻の内部に空洞が形成された中空シリカ微粒子とを必
須成分として含有して調製されたコーティング材組成物
がコーティングされると共に乾燥されて得られる膜から
なるものであるので、低屈折率層は機械的強度が高く、
透明保護層を導光板に低屈折率層を介して密接させるこ
とが可能になり、あるいは透明保護層を省略する事が可
能になり、液晶表示装置の全体の厚みを薄くすることが
できると共に液晶表示の見た目の奥め感を改善すること
ができるものであり、しかも組み立て時に低屈折率層に
傷が付くことを防止できると共にゴミ等が付着した場合
には拭き取ることによって容易に取り除くことでき、液
晶表示の視認性を高めて品質を向上させることができる
ものである。
【0079】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、低屈折率層の導光板と反対側の面に
透明保護層を備えるので、透明保護層で低屈折率層や導
光板を保護することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであ
り、(a),(b)はそれぞれ概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図5】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の一例を示す概略断面
図である。
【図7】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 光源 2 導光板 3 低屈折率層 4 透明保護層 10 液晶パネル 12 微細凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 336 F21Y 103:00 // F21Y 103:00 G02B 1/10 Z (72)発明者 ▲高▼濱 孝一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山木 健之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 辻本 光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2H038 AA55 BA06 2H042 BA02 BA12 BA15 BA20 2H091 FA23X FA41X FC25 KA01 LA02 LA16 2K009 BB11 CC09 CC42 DD02 DD06 EE00 5G435 AA01 AA08 AA11 AA14 BB12 BB16 EE22 FF02 FF06 FF08 FF12 HH02 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの側端面に対向して光源
    が配置される導光板を備えて形成される液晶用フロント
    ライトにおいて、導光板の少なくとも片側の表面に、屈
    折率が1.19〜1.4のエアロゲルからなる低屈折率
    層を設けて成ることを特徴とする液晶用フロントライ
    ト。
  2. 【請求項2】 導光板の両側の表面に、屈折率が1.1
    9〜1.4のエアロゲルからなる低屈折率層を設けて成
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶用フロントラ
    イト。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの側端面に対向して光源
    が配置される導光板を備えて形成される液晶用フロント
    ライトにおいて、導光板の少なくとも片側の表面に、屈
    折率が1.05〜1.4のエアロゲル以外のものからな
    る低屈折率層を設けて成ることを特徴とする液晶用フロ
    ントライト。
  4. 【請求項4】 導光板の両側の表面に、屈折率が1.0
    5〜1.4のエアロゲル以外のものからなる低屈折率層
    を設けて成ることを特徴とする請求項3に記載の液晶用
    フロントライト。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の低屈折率層が、
    SiX4(Xは加水分解置換基)で表される4官能加水
    分解性オルガノシランの部分加水分解物及び/又は加水
    分解物からなる4官能シリコーンレジンと、平均粒子径
    が5nm〜2μmであり、かつ、外殻の内部に空洞が形
    成された中空シリカ微粒子とを必須成分として含有して
    調製されたコーティング材組成物がコーティングされる
    と共に乾燥されて得られる膜からなるものであることを
    特徴とする液晶用フロントライト。
  6. 【請求項6】 低屈折率層の導光板と反対側の面に透明
    保護層を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の液晶用フロントライト。
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