JP7225687B2 - ガラス板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、偏光ガラス板等のガラス板の製造方法に関する。
光通信分野において、偏光ガラス板は、例えば、偏光依存型光アイソレータに用いられている。光アイソレータは、LD(レーザーダイオード)等の発振光を一方向のみに通過させ、反射戻り光を遮断する装置である。光アイソレータは、ファラデー回転子(ガーネット単結晶膜等)を2枚の偏光ガラス板で挟持してなる光学素子と、光学素子に磁界を印加するための磁気部材(磁石)とから構成されている。
下記の特許文献1には、このような光アイソレータに用いられる偏光ガラス板の製造方法が開示されている。特許文献1の偏光ガラス板の製造方法では、まず、銀や銅等の金属元素とハロゲン元素を含有する原料バッチを調製し、溶融、成形することによりガラス板を作製する。得られたガラス板を加熱処理することにより、内部にハロゲン化金属粒子を析出させ、ガラスプリフォーム板を得る。ガラスプリフォーム板を加熱しながら所定の条件で延伸成形することにより、ガラスマトリクス中に延伸ハロゲン化金属粒子が分散されてなるガラス部材を得る。さらに、ガラス部材に還元処理を施すことにより、延伸ハロゲン化金属粒子を還元して延伸金属粒子に変化させ、偏光ガラス板を得ている。なお、特許文献1では、ガラス部材に還元処理を施す前に、所定の厚みとなるように研磨加工がなされている。
特開2016-38500号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、偏光軸ずれを小さくできる一方、還元後の偏光ガラス板における挿入損失をなお十分に改善することができなかった。これは、研磨加工で使用した研磨材成分が偏光ガラス板表面に残存することが原因であると考えられる。
本発明の目的は、研磨加工で使用した研磨材成分がガラス板表面に残存することを抑制できる、ガラス板の製造方法を提供することにある。
本発明のガラス板の製造方法は、ガラス部材を用意する用意工程と、研磨材を含むスラリーを用いて、前記ガラス部材の表面を研磨する研磨工程と、を備え、前記研磨工程における研磨中に、前記スラリーの研磨材濃度を低下させることを特徴とする。
本発明のガラス板の製造方法では、前記ガラス部材の表面の研磨を終了する直前に、前記スラリーの研磨材濃度を低下させることが好ましい。
本発明のガラス板の製造方法では、前記ガラス部材の表面の研磨中に水を添加することにより、前記スラリーの研磨材濃度を低下させることが好ましい。
本発明のガラス板の製造方法では、前記ガラス板が、ガラスマトリクス中に金属粒子が配向して分散されてなる偏光ガラス板であることが好ましい。
本発明のガラス板の製造方法では、前記用意工程において、ガラスマトリクスと、前記ガラスマトリクス中に分散されたハロゲン化金属粒子とを含有するガラス部材を用意することが好ましい。
本発明のガラス板の製造方法では、前記用意工程において、前記ガラスマトリクス中に延伸成形された前記ハロゲン化金属粒子が配置されてなるガラス部材を用意することが好ましい。
本発明のガラス板の製造方法では、前記研磨されたガラス部材に還元処理を施し、前記ハロゲン化金属粒子を還元して金属粒子とする、還元処理工程をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、研磨加工で使用した研磨材成分がガラス板表面に残存することを抑制できる、ガラス板の製造方法を提供することができる。
図1(a)~図1(d)は、本発明の一実施形態に係る偏光ガラス板の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る偏光ガラス板の製造方法における用意工程で用意したガラス部材を示す模式的斜視図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
[ガラス板の製造方法]
以下、本発明に係るガラス板の製造方法の一例として、偏光ガラス板の製造方法の一例について説明する。
(ガラス部材の用意工程)
図1(a)~図1(d)は、本発明の一実施形態に係る偏光ガラス板の製造方法を説明するための模式図である。
まず、図1(a)に示すように、ガラスマトリクス2と、ガラスマトリクス2中に分散されたハロゲン化金属粒子3とを含有するガラス母材1を用意する。ガラス母材1は、対向する第1の主面1a及び第2の主面1bを有する板状の形状を有している。
ガラスマトリクス2は、ハロゲン化金属粒子3がガラスマトリクス2中で十分に軟化する温度域において、延伸させることができるガラスからなることが好ましい。このようなガラスとしては、例えば、ホウ珪酸ガラス等を挙げることができる。なお、ハロゲン化金属粒子3がガラスマトリクス2中で十分に軟化する温度域は、例えば、480℃以上とすることができる。
ガラス母材1の製造に際しては、まず、ガラスの原料、ハロゲン元素を含有する原料及び金属元素を含有する原料を調合する。ハロゲン元素としては、塩素、臭素、又はヨウ素を用いることができる。もっとも、ヨウ素は環境負荷が大きいため、塩素又は臭素を用いることが好ましい。また、金属元素としては、銀又は銅を用いることが好ましい。その場合、消光比をより一層高めることができる。なお、臭化銀の融点は塩化銀の融点よりも低く、後述する延伸成形工程において球状化し易い。そのため、金属元素として銀を用いる場合には、ハロゲン元素として塩素を用いることが好ましい。
次に、調合した原料を均質になるまで溶融し、その後、溶融したガラスを板状に成形する。続いて、板状に成形したガラスに対し、例えば600℃~700℃において加熱処理を施す。これにより、ガラスマトリクス2中にハロゲン化金属粒子3を析出させる。なお、加熱処理時の雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気であってもよい。次に、必要に応じて適宜切断等を行うことより、ハロゲン化金属粒子3を含有し、第1の主面1a及び第2の主面1bを有するガラス母材1を得る。
ここで、後述する延伸成形においてガラス母材1を延伸する方向を延伸方向Xとし、延伸方向Xに直交する方向を幅方向Yとし、幅方向Yに沿う長さを幅とする。ガラス母材1の幅は、目的とする偏光ガラス板の大きさに応じて適宜選択される。ガラス母材1の幅は、目的とする偏光ガラス板の幅の2.5倍以上、5倍以上、10倍以上、12倍以上、特に15倍以上であることが好ましい。ガラス母材1の幅の上限値は特に限定されない。なお、ガラス母材1の幅が広すぎると、偏光ガラス板の面内における偏光軸ずれが大きくなるおそれがある。よって、ガラス母材1の幅は、目的とする偏光ガラス板等のガラス板の幅の50倍以下、30倍以下、特に25倍以下であることが好ましい。具体的には、ガラス母材1の幅は、100mm~500mm、120mm~300mm、特に150mm~250mmであることが好ましい。
ガラス母材1の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると、製造される偏光ガラス板の機械的強度が低くなるおそれがある。一方で、ガラス母材1が厚すぎると製造される偏光ガラス板が厚くなり、透過率が低くなるおそれがある。よって、ガラス母材1の厚みは、目的とする偏光ガラス板の厚みの10倍~50倍、12倍~30倍、特に15倍~25倍であることが好ましい。具体的には、ガラス母材1の厚みは、0.5mm~10mmであることが好ましく、1mm~8mmであることがより好ましい。
次に、図1(b)に示すように、得られたガラス母材1を延伸成形する。延伸成形に際しては、複数の発熱体4を有する加熱設備及び延伸用ローラ5が用いられる。発熱体4の形状は特に限定されないが、本実施形態では円柱状である。発熱体4は、ガラス母材1を囲むように配置されていることが好ましい。
延伸成形に際しては、ガラス母材1を一定の速度で上記加熱設備に投入する。ガラス母材1を一定の速度で送り出しながら、ガラス母材1を発熱体4により加熱し、軟化させる。同時に、軟化したガラス母材1を、延伸用ローラ5により延伸成形する。
ここで、ガラス母材1が延伸されることにより、ハロゲン化金属粒子3も延伸方向Xに延伸される。これにより、ハロゲン化金属粒子3は延伸ハロゲン化金属粒子6となる。次に、ガラス母材1が延伸された部分を切断することにより、図1(c)に示すように、ガラスマトリクス中に延伸ハロゲン化金属粒子6が配向して分散されてなるガラス部材7を得る。
(研磨工程)
次に、研磨材を含むスラリーを用いて、ガラス部材7の表面を研磨する。具体的には、研磨材を含むスラリーを導入しつつ、ガラス部材7の表面に、研磨パッドに押し当てガラス部材7の表面を研磨する。研磨パッドとしては、特に限定されず、硬質発泡ウレタンのような硬質パッドを用いてもよいし、軟質スウェードのような軟質パッドを用いてもよい。研磨材を含むスラリーは、研磨材と、水とを含んでいる。研磨材としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム、ジルコニア、アルミナ、シリカ等を用いることができる。
なお、本実施形態においては、図2に示すガラス部材7の対向する第1の主面7a及び第2の主面7bの双方を研磨している。もっとも、ガラス部材7の第1の主面7a及び第2の主面7bのうち一方のみを研磨してもよく、ガラス部材7の表面の少なくとも一部を研磨すればよい。
また、本実施形態においては、研磨工程における研磨中に、スラリーの研磨材濃度を低下させる。具体的に、本実施形態では、研磨工程における研磨中に水を添加し、それによって研磨材の濃度を低下させている。このようにすることで、後述する還元工程を経て得られた偏光ガラス板の挿入損失を改善させることができる。なお、この点に関しては、以下のように説明することができる。
従来、研磨材を含むスラリーを用いて、ガラス部材を研磨すると、その後でガラス部材を洗浄しても、ガラス部材の表面に研磨材が残存することがあった。特に、研磨効率を高めるため、研磨材濃度を高くすると研磨時に熱が発生し、ガラス部材の表面に研磨材が固着し易くなる。そのため、このようなガラス部材を還元すると、得られる偏光ガラス板の表面に、研磨材残りに起因する表面固着物が生じることがあった。この表面固着物は、レーザーを遮断することから、偏光ガラス板の挿入損失が大きくなるという問題があった。
これに対して、本実施形態の製造方法では、研磨中に水を添加することにより研磨材濃度を低下させている。そのため、ガラス部材7の表面を洗浄しつつ、かつ冷却することができるので、研磨後のガラス部材7の表面に研磨材残りが生じ難い。従って、還元工程を経て得られた偏光ガラス板には、表面固着物が生じ難く、レーザーを遮断する部分が少なくなる。よって、本実施形態の製造方法で得られた偏光ガラス板は、還元後の挿入損失を改善することができる。また、本実施形態では、他の工程を設けることなく、研磨工程において研磨材残りを除去できるので、煩雑な製造工程を必要としない。
なお、本実施形態では、上述の延伸成形がなされたガラス部材7の表面を研磨しているが、延伸成形がなされる前のガラス母材1の表面を研磨してもよい。もっとも、得られる偏光ガラス板の厚みをより一層正確に制御し、しかも表面の平滑性をより一層高める観点からは、本実施形態のように延伸工程後のガラス部材7の表面を研磨することが好ましい。
また、ガラス部材7の表面の研磨を終了する直前に研磨材濃度を低下させることが好ましい。例えば、ガラス部材7の研磨を終了する10分前、好ましくは5分前くらいから、ガラス部材7の表面に水を添加し始め、徐々に研磨材濃度を低下させることが好ましい。ここで、水を添加するとともに、スラリーの導入も停止するか導入量を低減することが好ましい。水の添加と、スラリーの導入停止または導入量低減のタイミングは、以下のような種々のパターンが挙げられる。
(1)スラリーの導入停止または導入量低減開始と同時に水の添加を開始する。
(2)スラリーの導入停止または導入量低減開始して一定時間経過した後、水の添加を開始する。
(3)スラリーの導入停止または導入量低減開始する一定時間前に、水の添加を開始する。
その後、研磨材濃度が十分に低下した後(例えば、研磨材濃度が実質的に0重量%となった後)、研磨を終了する。この場合、ガラス部材7の表面における研磨効率をより一層高めつつ、研磨材残りを生じ難くし、還元後の挿入損失を改善することができる。なお、研磨材濃度が実質的に0重量%とは、研磨材濃度が0.1重量%未満のことをいう。
また、研磨材濃度を低下させる前のスラリー中における研磨材濃度は、10重量%~30重量%、15重量%~25重量%、特に20重量%~24重量%であることが好ましい。この場合、研磨効率をより一層高めることができる。
(還元処理工程)
次に、図1(d)に示すように、ガラス部材7に還元処理を施すことにより、延伸ハロゲン化金属粒子6を還元して延伸金属粒子8とする。還元処理は、例えば、水素雰囲気中で加熱することにより行う。通常、ガラス部材7の表層に存在する延伸ハロゲン化金属粒子6のみを還元して延伸金属粒子8に変化させればよい。なお、上記表層とは、例えば、深さ10μm~100μm、あるいは深さ20μm~80μmである。もっとも、ガラス部材7の全体に存在する延伸ハロゲン化金属粒子6を還元して延伸金属粒子8に変化させてもよい。
ガラス部材7に還元処理を施すことにより、延伸ハロゲン化金属粒子6を還元して延伸金属粒子8とすることにより、偏光ガラス板9を得ることができる。
偏光ガラス板9の消光波長域は、延伸金属粒子8の長さに応じて変化する。よって、目的とする消光波長域に応じて、延伸金属粒子8の長さを適宜調整すればよい。延伸金属粒子8の長さは、例えば50nm~300nm、さらには80nm~200nmの範囲で適宜調整される。また、延伸金属粒子8のアスペクト比は例えば5~20、さらには8~15の範囲で適宜調整される。
なお、必要に応じて、偏光ガラス板9に切断等の加工を施すことにより、所望の大きさの偏光ガラス板としてもよい。また、偏光ガラス板9の表面に誘電体多層膜等からなる反射防止膜等の機能性膜を形成してもよい。
[偏光ガラス板]
上記のようにして得られた偏光ガラス板9には、表面固着物が生じ難い。従って、レーザーを遮断する部分が少なくなることから、挿入損失が劣化し難い。よって、得られた偏光ガラス板9では、挿入損失を改善することができる。
偏光ガラス板9の表面の算術平均粗さRaは、0.7nm以下であることが好ましく、0.5nm以下であることがより好ましい。算術平均粗さRaが上記上限値以下である場合、挿入損失がより一層小さくなりやすい(例えば0.5dB以下)。なお、本明細書における算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013において規定される算術平均粗さRaを示す。
偏光ガラス板9の大きさは、特に限定されないが、5mm角以上、10mm角以上、15mm角以上、特に20mm角以上であることが好ましい。近年では大型の偏光ガラス板9及びファラデー回転子を用いて大型の光アイソレータを作製した後、0.5mm~2.0mm角のチップに切断するという製造方法が採用されているため、偏光ガラス板9が大きいほど、大量生産が可能となりコストダウンを図ることが可能となる。ただし、偏光ガラス板9が大きすぎると、面内の偏光軸ずれが大きくなり、歩留りが低下する傾向がある。そのため、偏光ガラス板9の大きさは、例えば、40mm角以下であることが好ましく、30mm角以下であることがより好ましい。
偏光ガラス板9の厚みは、特に限定されないが、小さすぎると、機械的強度が低下する傾向がある。一方、大きすぎると、光透過率が低下しやすくなったり、デバイスが大型化したりする傾向がある。以上に鑑み、偏光ガラス板9の厚みは、0.05mm~1mmであることが好ましく、0.1mm~0.5mmであることがより好ましい。
延伸成形方向Xと垂直な方向Yにおいて、偏光ガラス板9の幅8mmにおける延伸金属粒子8の角度ばらつき(偏光軸ずれ)は、特に限定されないが、0.0065°/mm以内、0.0060°/mm以内、0.0055°/mm以内、特に0.0050°/mm以内であることが好ましい。偏光ガラス板9の偏光軸ずれが大きすぎると、偏光ガラス板9の面内における消光比ばらつきが大きくなり、歩留りが低下する傾向がある。
上記のようにして得られた偏光ガラス板9は、略同サイズのファラデー回転子と貼り合わせることにより光アイソレータとして使用される。具体的には、ファラデー回転子を2枚の偏光ガラス板9で挟持して貼り合わせ、必要に応じて所望の大きさ(例えば0.5mm~2.0mm角)に切断することにより光アイソレータとして使用される。なお、高性能化を図るため、複数枚のファラデー回転子と3枚以上の偏光ガラス板を交互に積層して光アイソレータを作製してもよい。
<実施例>
以下、本発明の一実施形態に係る偏光ガラス板の製造方法を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
(a)ガラス母材の作製
質量%でSiO 59.2%、B 18%、Al 8.5%、LiO 2%、NaO 2.5%、KO 9%、Ag 0.3%、Cl 0.5%を含有するガラス組成(軟化点650℃)となるように原料を調合した。次に、原料を溶融し、溶融したガラスを板状に成形した。次に、板状に成形したガラスに対し、675℃において加熱処理を施すことにより、ガラスマトリクス中に塩化銀粒子を析出させた。これにより、第1の主面及び第2の主面を有するガラス母材を得た。なお、切断等によりガラス母材は幅170mm、長さ1150mm、厚み5mmとした。
(b)延伸成形工程
(a)の工程で得たガラス母材を一定の速度で送り出しながら、600℃でガラス母材を加熱して軟化させ、同時にガラス母材を延伸させた。次に、ガラス母材が延伸された部分を切断することにより、ガラスマトリクス中に延伸塩化銀粒子が配向して分散されてなるガラス部材を得た。
(c)研磨工程
(b)の工程で得たガラス部材に対し、研磨材として酸化セリウムを含むスラリーを5L/分で供給しながら、スウェード製研磨パッドを用いて研磨を行った。スラリー中における研磨材濃度は20重量%とした。研磨終了3分前に、スラリーの供給を停止すると同時に水を5L/分で供給し始めることにより、スラリーの研磨材濃度を徐々に低下させた。研磨終了時にはスラリー濃度は実質的に0重量%となっていた。
(d)還元処理工程
研磨後のガラス部材を、水素雰囲気下において460℃で40時間加熱することにより、ガラス部材に還元処理を施した。これにより、ガラス部材の表層の延伸塩化銀粒子を還元して延伸銀粒子とし、偏光ガラス板を得た。
(比較例)
(c)の研磨工程において水を供給せずにガラス部材の研磨を行い、研磨終了後に水によりガラス部材を洗浄したこと以外は、実施例と同様にして偏光ガラス板を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた偏光ガラス板に対し、グラントムソンプリズムで直線偏光とした近赤外域波長発振レーザーの発振光(波長1310nm)を照射し、入射光と透過光の強度を光パワーメータを用いて測定することにより、挿入損失を算出した。その結果、実施例の偏光ガラス板は挿入損失が0.4dB、比較例の偏光ガラス板は挿入損失が0.6dBであった。
以上、本発明を主に偏光ガラス板の製造方法を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のガラス基板、あるいは、イメージセンサー用カバーガラス等の電子部品用ガラス板等の製造にも適用することができる。これらの偏光ガラス板以外のガラス板においても、研磨加工で使用した研磨材成分がガラス板表面に残存することを抑制できる。もっとも、上記実施形態で説明したように、研磨加工で使用した研磨材成分がガラス板表面に残存することを抑制でき、それによって挿入損失を改善できることから、本発明のガラス板の製造方法は、偏光ガラス板により好適に用いることができる。
1…ガラス母材
1a,7a…第1の主面
1b,7b…第2の主面
2…ガラスマトリクス
3…ハロゲン化金属粒子
4…発熱体
5…延伸用ローラ
6…延伸ハロゲン化金属粒子
7…ガラス部材
8…延伸金属粒子
9…偏光ガラス板

Claims (6)

  1. ガラスマトリクスと、前記ガラスマトリクス中に分散されている、延伸成形されたハロゲン化金属粒子とを含有するガラス部材を用意する用意工程と、
    研磨材を含むスラリーを用いて、前記ガラス部材の表面を研磨する研磨工程と、
    を備え、
    前記研磨工程における研磨中に、前記スラリーの研磨材濃度を低下させる、ガラス板の製造方法であって、
    前記研磨材濃度を低下させる前の前記スラリー中における研磨材濃度が、10重量%~30重量%であり、
    前記ガラス部材の表面の研磨中に水を添加することにより、前記スラリーの研磨材濃度を低下させ、
    前記ガラス板が、ガラスマトリクス中に金属粒子が配向して分散されてなる偏光ガラス板である、ガラス板の製造方法。
  2. 前記ガラス部材の表面の研磨を終了する直前に、前記スラリーの研磨材濃度を低下させる、請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記研磨されたガラス部材に還元処理を施し、前記ハロゲン化金属粒子を還元して金属粒子とする、還元処理工程をさらに備える、請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記スラリーの導入停止または導入量低減開始と同時に水の添加を開始する、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記スラリーの導入停止または導入量低減開始して一定時間経過した後、水の添加を開始する、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記スラリーの導入停止または導入量低減開始する一定時間前に、水の添加を開始する、請求項1~のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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