JP2012047121A - 電動ウォータポンプの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】システムコストを抑えながら、エンジンの冷却水を適切な水流量で循環させ、冷却水温の減衰性や速応性の向上を図る。
【解決手段】エンジンの運転状態に基づいて、冷却経路を循環する冷却水がエンジンから受ける受熱量を算出する(S201)とともに、冷却経路に設けられたラジエータ及び熱交換器による冷却水からの放熱量を算出し(S202,203)、当該冷却水の受熱量と放熱量との差分を冷却水の熱交換量として算出し(S204)、記憶する(S205)。次に、記憶された過去の熱交換量から所定時間の間の総熱交換量を積算し(S206)、総熱交換量と冷却水の温度と目標冷却水温とに基づいて電動ウォータポンプの水流量を制御する(S207〜S210)。
【選択図】図2

Description

本発明は電動ウォータポンプの制御装置に関し、特に、例えば自動車などの内燃機関(エンジン)に冷却水を循環させるための電動ウォータポンプの制御装置に関するものである。
従来、自動車などに搭載されるエンジンでは、冷却水をエンジンのウォータジャケット内に循環させ、高温になった冷却水をラジエータにより放熱して、設定された温度の範囲内で運転するのが一般的である。ここで、従来においては、冷却水の循環は、エンジンの出力によりベルト駆動される機械式ウォータポンプで行ない、ラジエータへの冷却経路開閉は、一定の温度で自動的に開弁する機械式サーモスタットで行なうものが主流であった。
近年では、冷却水の循環には電動機で駆動する電動ウォータポンプ、ラジエータへの冷却経路開閉には電磁弁などをもつ電動サーモスタットが提案されている。電動ウォータポンプは、機械式ウォータポンプと異なり、エンジンの回転数から独立で駆動することができるため、必要に応じた最適な冷却水流量を循環させることで燃費向上が可能となる装置である。電動サーモスタットはラジエータへの冷却経路開閉を自由に制御できるため、機械式サーモスタットと異なり、冷却水温度を自由に制御することができる装置である。このような補機の電動化によって冷却系の温度制御がより精密に行なうことができる。
従来の電動ウォータポンプとしては、例えば特許文献1には、エンジンとラジエータとの間に冷却水を循環させる電動ウォータポンプを持ち、水温センサによって検出される冷却水温が所定値を上回った場合に電動ウォータポンプを駆動または加速させるものが記載されている。
また、例えば特許文献2には、エンジンを通過した冷却水の温度上昇と冷却水の流量からエンジンからの冷却水の受熱量を算出し、その受熱量に基づきラジエータへの冷却経路に設けられた電動サーモスタットの開弁を制御するものが記載されている。
特開2002−161748号公報 特開2006−112234号公報
しかしながら、特許文献1では、冷却水温によってのみ電動ウォータポンプの制御を行うため、冷却経路全体の熱時定数による遅れが考慮されておらず、その結果、減衰性が悪く、冷却水温がオーバーシュートやアンダーシュートする場合が発生し、最適な制御を行うことができないという問題点があった。また、速応性が悪く、実際の冷却水温が目標冷却水温になるのに時間を要するという問題点があった。
さらに、これらによって、最適な目標冷却水温になるまでの間、エンジンの効率が悪化したり、電動ウォータポンプの駆動のためのエネルギーが余分に消費されるという問題点があった。
また、特許文献2では、エンジンからの冷却水受熱量による制御を行っているが、エンジン出入口の温度差に基づいているため、エンジン出口の水温センサに加えてラジエータ出口にも水温センサを設ける必要があり、システムコストが高くなってしまうという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、車両の動作状態やエンジンの運転状態から冷却水の放熱量と受熱量とを求め、それらの差分を積算した総熱交換量と冷却水温とに基づいて電動ウォータポンプの冷却水の水流量の制御を行うことにより、システムコストを抑えながら、エンジンの冷却水を適切な水流量で循環させ、冷却水温の減衰性や速応性の向上を図ることが可能な、電動ウォータポンプの制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、車両に搭載されたエンジンの冷却経路に冷却水を循環させる電動ウォータポンプの制御装置であって、前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の放熱を行なうラジエータと、前記冷却経路に設けられ、前記車両室内の大気と熱交換を行なう熱交換器と、前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段と、前記エンジンの運転状態に基づいて、前記エンジンから前記冷却水が受ける受熱量を算出する冷却水受熱量算出手段と、前記ラジエータ及び前記熱交換器による前記冷却水からの放熱量を算出する放熱量算出手段と、前記冷却水の受熱量と前記冷却水の放熱量との差分を冷却水の熱交換量として算出する熱交換量算出手段と、前記熱交換量を記憶する冷却水熱交換量記憶手段と、前記冷却水熱交換量記憶手段に記憶された過去の熱交換量に基づいて、所定時間の間の過去の総熱交換量を積算する総熱交換量算出手段と、少なくとも、前記総熱交換量算出手段によって算出される前記総熱交換量と、前記冷却水温検出手段によって検出される前記冷却水の温度と、前記車両に応じて設定される目標冷却水温とに基づいて、前記電動ウォータポンプの水流量を制御する電動ウォータポンプ制御手段とを備えた電動ウォータポンプの制御装置である。
本発明は、車両に搭載されたエンジンの冷却経路に冷却水を循環させる電動ウォータポンプの制御装置であって、前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の放熱を行なうラジエータと、前記冷却経路に設けられ、前記車両室内の大気と熱交換を行なう熱交換器と、前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段と、前記エンジンの運転状態に基づいて、前記エンジンから前記冷却水が受ける受熱量を算出する冷却水受熱量算出手段と、前記ラジエータ及び前記熱交換器による前記冷却水からの放熱量を算出する放熱量算出手段と、前記冷却水の受熱量と前記冷却水の放熱量との差分を冷却水の熱交換量として算出する熱交換量算出手段と、前記熱交換量を記憶する冷却水熱交換量記憶手段と、前記冷却水熱交換量記憶手段に記憶された過去の熱交換量に基づいて、所定時間の間の過去の総熱交換量を積算する総熱交換量算出手段と、少なくとも、前記総熱交換量算出手段によって算出される前記総熱交換量と、前記冷却水温検出手段によって検出される前記冷却水の温度と、前記車両に応じて設定される目標冷却水温とに基づいて、前記電動ウォータポンプの水流量を制御する電動ウォータポンプ制御手段とを備えた電動ウォータポンプの制御装置であるので、車両の動作状態やエンジンの運転状態から冷却水の放熱量と受熱量とを求め、それらの差分を積算した総熱交換量と冷却水温とに基づいて電動ウォータポンプの冷却水の水流量の制御を行うことにより、システムコストを抑えながら、エンジンの冷却水を適切な水流量で循環させ、冷却水温の減衰性や速応性の向上を図ることができる。
この発明の実施の形態1に係る電動ウォータポンプの制御装置を含むエンジン冷却系システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電動ウォータポンプの制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るエンジンの冷却損失効率を示すマップである。 この発明の実施の形態1に係る冷却水のエンジンからの受熱量を示すマップである。 この発明の実施の形態1に係る冷却水のラジエータでの放熱量を示すマップである。 この発明の実施の形態1に係る冷却水の熱交換器での放熱量を示すマップである。 この発明の実施の形態1に係る冷却水の温度補正量と流量補正量の関係を示すマップである。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る電動ウォータポンプの制御装置につき、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による電動ウォータポンプの制御装置を含むエンジンの冷却系システム全体を示す図であり、好ましい形態の一つを示す概略構成図である。
エンジン1は、例えば自動車の走行に使用される駆動力を発生させるものである。エンジン1はエンジンコントロールユニット9(以下、ECU9とする。)と接続されており、ECU9によって制御されている。ECU9は、エンジン1に設けられたクランク角センサ(図示せず)などによってエンジン回転数を算出し、エンジン1に設けられた吸気圧センサ(図示せず)の吸気圧やインジェクタ(図示せず)の燃料噴射量などからトルクを算出する事ができる。
また、エンジン1は、内部のシリンダ(図示せず)で燃料を爆発させて動力を取り出すため、エンジンブロックなどの高温部の冷却が必須となる。そのため、エンジン1を冷却するための冷却水のための冷却経路2がエンジン1の周囲に設けられている。冷却経路2には、冷却水を循環させるための電動ウォータポンプ6が設置されており、ECU9は電動ウォータポンプ6の動作を制御することができる。
また、冷却水の水温を検出する水温センサ8もECU9と接続しており、ECU9は冷却水温の情報を持つ。水温センサ8は、本実施の形態においては、図1に示すように、冷却経路2に対して1ケ所設けられている。なお、図1においては、ECU9近傍の、エンジン1を挟んで電動ウォータポンプ6の反対側の位置に水温センサ8が設けられているが、この場合に限らず、冷却経路2を循環する冷却水の温度が検出できればよいため、冷却経路2のいずれの場所に設置しても特に問題はなく、適宜その位置を決定すればよいこととする。
また、水温センサ8以外にも、ECU9は、車外の気温を測定するための外気温センサ(図示せず)から外気温情報を受け取るとともに、車輪の回転センサ(図示せず)から車速の情報を受け取っている。また、ECU9は、CPU、RAM、ROMなどからなる算術論理演算回路であり、これらの情報をRAMなどに格納することができる。
ラジエータ3は車両の前方において、冷却経路2に設けられ、車両の走行により発生する車速風によって冷却水の冷却を行なう。ただし、ラジエータ3への冷却経路2には、それの開閉を行なうサーモスタット7が設けられており、冷却水温が低温で冷却水の冷却が不要な場合は、ラジエータ3への冷却経路2は閉じ、冷却水の冷却は行なわない。その場合に、電動ウォータポンプ6を動作させ冷却水を流す時は、冷却水はバイパス経路4を介して循環する。
熱交換器5は、車室内において、冷却経路2に設けられ、ドライバーから暖房の指示があった場合に、車室内の大気と熱交換を行なう。このように、冷却経路2を循環する冷却水の受熱源はエンジン1であるが、放熱源はラジエータ3と熱交換器5の2つがある。
本実施の形態による電動ウォータポンプの制御装置は、ラジエータ3と、熱交換器5と、水温センサ8(冷却水温検出手段)と、ECU9とから、構成される。ECU9には、エンジン1の運転状態に基づいて、エンジン1から冷却水が受ける受熱量を算出する冷却水受熱量算出手段と、ラジエータ3及び熱交換器5による冷却水からの放熱量の総和を算出する放熱量総和算出手段と、冷却水の受熱量と放熱量の総和との差分を冷却水の熱交換量として算出する熱交換量算出手段と、熱交換量を記憶するRAMなどの記憶装置(冷却水熱交換量記憶手段)と、冷却水熱交換量記憶手段に記憶された過去の熱交換量に基づいて、所定時間の間の過去の総熱交換量を算出する総熱交換量算出手段と、少なくとも、総熱交換量算出手段によって算出される総熱交換量と、冷却水温検出手段によって検出される冷却水の温度と、車両に応じて設定される目標冷却水温とに基づき、目標冷却水流量を求め、それに基づき電動ウォータポンプの水流量を制御する電動ウォータポンプ制御手段とを備えている。また、ECU9は、さらに、エンジン1の運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段と、車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、車両の運転者の暖房要求を検出する暖房要求検出手段とを、備えている。
次に、電動ウォータポンプ6の制御方法に関して、図2のフローチャートを用いて具体的な動作について説明する。図2の処理は、スタートとエンドの間に、ステップS201〜S210までを含んでおり、時刻t=tnにおける処理を示す。なお、図2のフローチャートの処理は、時間間隔tnごとに周期的に行われる。
まず、ステップS201で、ECU9は、エンジンの運転状態として、エンジン1の回転数NEとトルクTRQの情報を受け取り、下記計算式(1)に従い、当該エンジン1の回転数NEとトルクTRQに基づいてエンジン出力を算出し、当該エンジン出力と予め定められたエンジン冷却損失効率とからエンジン1の放熱量QOUTを算出する。この算出にあたり、ECU9は、図3に示すようなマップを参照する。このマップは、エンジン回転数NEとトルクTRQに対する冷却損失効率ηENGを予め定めたものである。
OUT=NE×TRQ/ηENG ・・・(1)
次に、こうして求められたエンジン1の放熱量QOUTから、エンジン1からの冷却水受熱量QENGを求める。この算出にあたり、ECU9は、まず、電動ウォータポンプ6の回転数により定まる冷却水流量の情報を得て、図4に示すようなマップを参照する。このマップは、エンジン1の放熱量QOUTと冷却水流量VCNから、冷却水が受けるエンジン1からの冷却水受熱量QENGを予め定めたものである。このマップにおいてエンジン放熱量QOUTが大きいほどエンジン1からの冷却水受熱量QENGは大きくなる。冷却水流量VCNも同様に高いほうがエンジンからの冷却水受熱量QENGは大きくなるが、冷却水流量VCNが一定量を超えるとエンジンからの冷却水受熱量QENGは増えなくなる。
次に、ステップS202で、ECU9は、車両の運転状態として、車輪の回転センサ(図示せず)からの車速と、外気温センサ(図示せず)からの車外の気温(外気温)との情報を得るとともに、電動ウォータポンプ6の回転数により定まる冷却水流量の情報を得て、それらの情報から冷却水のラジエータ3からの放熱量QRADを算出する。この算出にあたり、ECU9は、図5に示すようなマップを参照する。このマップは、車速VSと外気温TAと冷却水流量VCNに対する冷却水のラジエータ3からの放熱量QRADを予め定めたものである。このマップにおいて、車速VSが大きいほど、及び/または、外気温TAが低いほど、冷却水のラジエータ3からの放熱量QRADは大きくなる。冷却水流量VCNも同様に高いほうが冷却水のラジエータ3からの放熱量QRADは大きくなるが、冷却水流量VCNが一定量を超えると冷却水のラジエータ3からの放熱量QRADは増えなくなる。
次に、ステップS203で、ECU9は、(ステップS202で得た)電動ウォータポンプ6の回転数により定まる冷却水流量と、ドライバーによる暖房指令(暖房のスイッチONと暖房設定温度)とから、冷却水の熱交換器5からの放熱量QEXCを算出する。この算出にあたり、ECU9は、図6に示すようなマップを参照する。このマップは、暖房指示と冷却水流量VCNに対する冷却水の熱交換器5からの放熱量QEXCを予め定めたものである。このマップにおいて、暖房指示温度(すなわち、暖房設定温度)が高いほど、冷却水の熱交換器5からの放熱量QEXCは大きくなる。冷却水流量VCNも同様に高いほうが、冷却水の熱交換器5からの放熱量QEXCは大きくなるが、冷却水流量VCNが一定量を超えると、冷却水の熱交換器5からの放熱量QEXCは増えなくなる。
次に、ステップS204では、ECU9は、下記計算式(2)に従い、ステップS201〜ステップS203で算出した、冷却水のエンジン1からの受熱量QENG、冷却水のラジエータ3からの放熱量QRAD、および、熱交換器5からの放熱量QEXCから、冷却水に影響を及ぼす熱交換量QSUMを算出する。
SUM=QENG−QRAD−QEXC ・・・(2)
さらに、ステップS205では、ECU9は、ステップS204で算出した時刻t=tnにおける冷却水の熱交換量QSUMを、QSUM(tn)として、ECU9の内部のRAMなどの所定の記憶領域(冷却水熱交換量記憶手段)に格納する。
次に、ステップS206で、ECU9は、下記計算式(3)に従い、過去の熱交換量を積算した、所定時間の間に冷却水が受ける総熱交換量QINTを算出する。具体的には、本実施の形態においては、時刻tn−t1から時刻tnまでの所定時間t1の間の総熱交換量QINTを算出する。なお、総熱交換量QINTは一次遅れの時定数を考慮しており、ここで、Rはエンジン1の冷却系システム全体の熱時定数である(すなわち、下記計算式(3)で示すように、総熱交換量QINTは、一次遅れの時定数Rを持つ関数によって定義される。)。また、所定時間t1は、熱の影響が無効になる時間を考慮したものであり、計算量やECU9の負荷状態に応じて、設定してもしなくてもよい。所定時間t1を設定しない場合は、総熱交換量QINTとして、時刻0から時刻tnまでの時間tn−0の間の総熱交換量を算出する。
Figure 2012047121
ステップS207では、ECU9は、下記計算式(4)に従い、算出した冷却水の受ける総熱交換量QINTと冷却系システム全体の熱容量Cと初期冷却水温TCIに基づき、冷却水予想水温TCGを算出する。
CG=TCI+QINT/C ・・・(4)
上記の熱影響が無効になる時間tlの設定を行なっている場合は、初期冷却水温TCIとして、時刻tn−tlの冷却水温を設定する。
ステップS208では、ECU9は、下記計算式(5)に従い、算出した冷却水予想水温TCGと冷却水目標温度TCAに基づき、冷却水温補正量ΔTを算出する。
ΔT=TCG−TCA ・・・(5)
ここで、目標冷却水温TCAは、エンジン1の運転状態に応じて変更してもよい。例えば、エンジン1がアイドル運転状態にある場合はエンジン1内のフリクションロス低減のために目標冷却水温TCAは高く設定し、エンジン1が高回転高負荷の場合はノッキングやプリイグニッションなどの異常燃焼を防止するために目標冷却水温TCAは低く設定する。
次に、ステップS209で、ECU9は算出された冷却水温補正量ΔTから流量補正量ΔVを算出する。この算出にあたり、ECU9は、図7に示すようなマップを参照する。このマップは、冷却水温補正量ΔTと流量補正量ΔVの関係を予め定めたものである。このマップにおいて冷却水温補正量ΔTが大きければ大きいほど、流量補正量ΔVも大きくなる。ただし、現在流量VCNに応じて、流量補正範囲が変化する。
ステップS210では、ECU9は、下記計算式(6)に従い、算出した流量補正量ΔVと現在の冷却水流量VCNに基づき、目標冷却水流量VCAを算出する。
CA=VCN+ΔV ・・・(6)
この目標冷却水流量VCAに基づき、ECU9は、電動ウォータポンプ6を制御する。
ここで、上記の説明においては、図2のフローチャートの処理を実行する時間間隔tn(サンプリング時間)は、すなわち、ECU9の内部のRAMなどの記憶領域(冷却水熱交換量記憶手段)が熱交換量QSUMを記憶する時間間隔tnは、予め決定された所定の固定間隔であるとして説明したが、その場合に限らず、時間間隔(サンプリング時間)tnをエンジン1の運転状態に応じて変更するようにしてもよい。例えば、エンジン1がアイドル運転状態にある場合は、冷却水温の変化は小さいため、サンプリング時間を大きくする。逆に、エンジン1が高負荷の状態にある場合は、冷却水温の変化は大きいため、サンプリング時間を小さくする。これにより、ECU9の計算処理負荷を減ずることができる。
また、ECU9の内部のRAMなどの記憶領域(冷却水熱交換量記憶手段)は、過去の熱交換量として所定時間の間の熱交換量QSUMを記憶するが、データを蓄積していくとデータ量が膨大になってしまうため、記憶領域の記憶容量を考慮して、当該所定時間の時間範囲に所定の制限時間を持つようにする。従って、制限時間を超えた過去のデータについては自動的に記憶領域から消去するようにすればよい。
以上のように、本実施の形態によれば、過去の車両の走行状態やエンジン1の運転状態から冷却水の受熱量と放熱量との差分を所定時間分積算した総熱交換量を求め、それに基づき電動ウォータポンプ6による冷却水の流量制御を行うようにしたので、従来のように、複数の水温センサを必要とせず、システムコストを抑えることができる。また、過去の熱交換量に基づき、遅れを考慮した電動ウォータポンプ制御を行なうことで、冷却水温のオーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑え、より冷却水温の減衰性や速応性の向上が図れる。これにより、最適な目標冷却水温に到達するまでの間にエンジン1の効率が悪化してしまうことを防止し、電動ウォータポンプ駆動エネルギーも必要最小限に抑えることが可能になる。
以上、本発明を上記の実施の形態に関して説明したが、本発明は当該実施の形態のみに限られるものではなく、本発明の範囲内において、ほかに種々の実施の形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
1 エンジン、2 冷却経路、3 ラジエータ、4 バイパス経路、5 熱交換器、6 電動ウォータポンプ、7 サーモスタット、8 水温センサ、9 ECU。

Claims (7)

  1. 車両に搭載されたエンジンの冷却経路に冷却水を循環させる電動ウォータポンプの制御装置であって、
    前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の放熱を行なうラジエータと、
    前記冷却経路に設けられ、前記車両室内の大気と熱交換を行なう熱交換器と、
    前記冷却経路に設けられ、前記冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段と、
    前記エンジンの運転状態に基づいて、前記エンジンから前記冷却水が受ける受熱量を算出する冷却水受熱量算出手段と、
    前記ラジエータ及び前記熱交換器による前記冷却水からの放熱量を算出する放熱量算出手段と、
    前記冷却水の受熱量と前記冷却水の放熱量との差分を冷却水の熱交換量として算出する熱交換量算出手段と、
    前記熱交換量を記憶する冷却水熱交換量記憶手段と、
    前記冷却水熱交換量記憶手段に記憶された過去の熱交換量に基づいて、所定時間の間の過去の総熱交換量を積算する総熱交換量算出手段と、
    少なくとも、前記総熱交換量算出手段によって算出される前記総熱交換量と、前記冷却水温検出手段によって検出される前記冷却水の温度と、前記車両に応じて設定される目標冷却水温とに基づいて、前記電動ウォータポンプの水流量を制御する電動ウォータポンプ制御手段と
    を備えたことを特徴とする電動ウォータポンプの制御装置。
  2. 前記エンジンの運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段をさらに備え、
    前記冷却水受熱量算出手段は、少なくとも、前記エンジン運転状態検出手段によって検出されるエンジンの出力と、前記電動ウォータポンプによって循環させる前記冷却水の水流量と、予め定められた前記エンジンの冷却損失効率とに基づき、前記冷却水の受熱量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
  3. 前記車両の運転状態を検出する車両運転状態検出手段と、
    前記車両の運転者の暖房要求を検出する暖房要求検出手段と
    をさらに備え、
    前記放熱量算出手段は、少なくとも、前記電動ウォータポンプによって循環させる前記冷却水の水流量と、前記車両運転状態検出手段によって検出される車両運転状態と、前記暖房要求検出手段によって検出される暖房要求とに基づき、前記冷却水の放熱量を算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
  4. 前記総熱交換量算出手段によって算出される前記総熱交換量は、一次遅れの時定数を持つ関数によって定義される
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
  5. 前記冷却水熱交換量記憶手段は、過去の熱交換量として、所定時間の間の熱交換量を記憶するものであって、
    前記所定時間の時間範囲は、所定の制限時間を持つ
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
  6. 前記冷却水熱交換量記憶装置が前記熱交換量を記憶する時間間隔は、前記エンジン運転状態検出手段によって検出されるエンジンの運転状態に応じて可変とする
    ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
  7. 前記目標冷却水温は、前記エンジン運転状態検出手段によって検出されるエンジンの運転状態に応じて可変とする
    ことを特徴とする請求項2ないし6に記載の電動ウォータポンプの制御装置。
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