JP2012046855A - 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 - Google Patents
炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012046855A JP2012046855A JP2010192658A JP2010192658A JP2012046855A JP 2012046855 A JP2012046855 A JP 2012046855A JP 2010192658 A JP2010192658 A JP 2010192658A JP 2010192658 A JP2010192658 A JP 2010192658A JP 2012046855 A JP2012046855 A JP 2012046855A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber bundle
- carbon fiber
- mass
- group
- precursor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Inorganic Fibers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
Description
しかし、ラージトウは、6000〜24000本程度の単繊維の集合体からなるレギュラートウに比べ、操業安定性が低く、機械的特性に劣る傾向にあった。これは、前駆体繊維束を構成する単繊維の数が多くなると、均質な前駆体繊維束となるように原料を紡糸するのが困難であること、繊維束が太いため耐炎化工程において炭素繊維前駆体アクリル繊維束内部へ酸素が拡散されにくく、繊維束を形成する単繊維が不均一な耐炎化状態になりやすいこと、などが原因であると考えられる。
この問題を解決するには、粘性が低く、かつ耐熱性が良好で変質しにくい油剤組成物を前駆体繊維束に付与することが重要となる。
しかし、特許文献1に記載の変性シリコーンを含有する油剤は、油剤を付着させた後の前駆体繊維束を乾燥する工程において、加熱ロール上で変性シリコーンオイルの粘性により繊維束が加熱ロールに取られたり、温度によって架橋反応が起こり樹脂化したりして、工程障害となる問題があった。さらに、耐炎化工程において単繊維間に油剤が介在して耐炎化反応に必須となる酸素の供給を妨げ、その結果、耐炎化反応の進行度むら、いわゆる焼成むらの発生が誘起されるという問題があった。さらには焼成むらが誘起されることで、続く炭素化工程において糸切れや毛羽が発生しやすくなり、特にラージトウを製造する場合には、操業性が低下したり、機械的特性が低下したりするという問題があった。
また、有機化合物やシリコーン化合物からなる粒子を繊維表面に付与することで、単繊維間に隙間を設け、単繊維間融着を抑制する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
さらに、近年、150℃における動粘度が15000cSt以上である液体を必須成分とする液状微粒子を含む油剤が提案されている(例えば特許文献4参照)。該油剤によれば、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造工程において液滴が単繊維間に存在することにより、それらがスペーサーのような働きをして単繊維間の融着を抑制すると共に、それに続く耐炎化工程において前述のスペーサー効果により、単繊維間に酸素が均一に供給され、焼成むらを高効率で抑制させることができる。
また、前記油剤組成物が、前記アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレンアルキルエーテルの合計100質量部に対して、0.5〜7.5質量部の帯電防止剤をさらに含有することが好ましい。
さらに、前記油剤組成物が、当該炭素繊維前駆体アクリル繊維束の乾燥繊維質量に対して0.1〜2.0質量%付着したことが好ましい。
また、前記水系乳化溶液は、油剤組成物が水中に微分散して、平均粒子径0.01〜0.50μmのミセルを形成していることが好ましい。
ここで、本発明に用いる油剤組成物について説明する。
[油剤組成物]
本発明に用いる油剤組成物は、アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレンアルキルエーテルとを含有する。
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンは、25℃における動粘度が25〜750mm2/sであり、50〜500mm2/sであることが好ましく、50〜250mm2/sであることがより好ましい。動粘度が25mm2/s以上であると、耐炎化工程での単繊維間の融着を防止しやすくなり、高品質の炭素繊維束が得られやすくなる。なお、動粘度は、その値が低くなるほど油剤組成物のエマルションはゲル化しにくくなるが、加熱すると油剤組成物の熱的な安定性が低下して分解しやすくなる傾向にある。一方、動粘度が750mm2/s以下であると、油剤組成物のエマルションの調製が安定してできる。また、油剤組成物のエマルションの安定性が維持されゲル化を抑制できると共に、前駆体繊維束に均一に付着しやすくなる。さらに、耐炎化工程での炭素繊維前駆体アクリル繊維束の分繊性の低下を抑制でき、特にラージトウを製造する場合、毛羽の発生を抑制しやすくなり、高品質の炭素繊維束が得られる。
式(1)中、Aはアルキレン基またはアリーレン基である。Aとしては、アルキレン基が好ましく、中でも炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチル基置換エチレン基、ブチレン基、ジメチル基置換エチレン基、メチル基置換プロピレン基、エチル基置換エチレン基、メチル基置換ブチレン基、ジメチル基置換プロピレン基、エチル基置換プロピレン基、トリメチル基置換エチレン基などが挙げられる。
なお、本発明において「低級アルキル基」とは、炭素数1〜5のアルキル基のことである。
mおよびnを求める手順は、まずアミノ基含有ポリジメチルシロキサンの動粘度を測定し、測定された動粘度の値からA.J.Barryの式(logη=1.00+0.0123M0.5、(η:25℃における動粘度、M:分子量))により分子量を算出する。ついで、この分子量からアミノ基含有ポリジメチルシロキサンの構造を形成するmおよびnの値を決定することができる。
mおよびnは平均値であるので整数になるとは限らないが、有効数字2桁として以下を四捨五入して表示する。
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
式(2)中、R3は炭素数10〜20の炭化水素基である。炭素数が10以上であると、油剤組成物の熱的な安定性を維持できる。また、適切な親油性を発現しやすくなるので、アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを乳化しやすくなる。一方、炭素数が20以下であると、油剤組成物の粘度の上昇を抑制するとともに、固化するのを防止でき、操業性を維持できる。加えて、親水基とのバランスが良好となるので、乳化性能を維持できる。これにより、油剤組成物が前駆体繊維束に均一に付着しやすくなり、耐炎化工程での炭素繊維前駆体アクリル繊維束の分繊性の低下を抑制できる。
なお、R3は乳化剤の役割を果たすポリオキシエチレンアルキルエーテルの親油性に関与する要素であり、xは油剤組成物の親水性に関与する要素である。従って、xの値は、R3との組み合わせにより適宜決定される。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
帯電防止剤としては、公知の物質を用いることができる。帯電防止剤はイオン型と非イオン型に大別され、イオン型としてはアニオン系、カチオン系及び両性系があり、非イオン型ではポリエチレングリコール型及び多価アルコール型がある。帯電防止の観点からイオン型が好ましく、中でも脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸リン酸エステル塩、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、高級アルコールエチレンオキシド付加物ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルなどが好ましく用いられる。
これら帯電防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の油剤組成物が抗菌剤を含有すると、詳しくは後述するが、油剤組成物を水に分散し油剤処理液とした際に、その劣化を防止することもできる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
硫黄系の酸化防止剤の具体例としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート等が挙げられる。
これら酸化防止剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これら抗菌剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の油剤組成物は、紡糸工程および焼成工程の操業性と製品の品質を同時に向上できることを可能にしたものであり、その効果は特にラージトウにおいて顕著である。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法においては、上述したアミノ基含有ポリジメチルシロキサンと、ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、必要に応じて帯電防止剤、工程の都合によっては酸化防止剤および抗菌剤を配合した油剤組成物を、水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する工程(油剤処理)を行い、ついで油剤処理された前駆体繊維束を乾燥緻密化する工程を行う。
以下、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法における各工程について詳しく説明する。
本発明に用いる、油剤処理前の前駆体繊維束としては、公知技術により紡糸されたアクリル繊維束を用いることができる。具体的には、アクリロニトリル系重合体を紡糸して得られるアクリル繊維束が挙げられる。特に、本発明は、40000本以上の単繊維からなるアクリル繊維束を用いる場合に好適である。
アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルを主な単量体とし、これを重合して得られる重合体である。アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルのみから得られるホモポリマーであってもよく、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体を併用したアクリロニトリル系共重合体であってもよい。
アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体がより好ましい。アクリロニトリル系共重合体におけるカルボキシル基含有ビニル系単量体単位の含有量は1.5〜4.0質量%が好ましい。
これらビニル系単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、紡糸原液は適正な粘度・流動性を必要とするため、重合体濃度は25質量%を超えない範囲が好ましい。
凝固浴として溶剤を含む水溶液を用いる場合、水溶液中の溶剤濃度は、ボイドがなく緻密な構造を形成させ高性能な炭素繊維束を得られ、かつ延伸性が確保でき生産性に優れる等の理由から、50〜85質量%、凝固浴の温度は10〜60℃が好ましい。
重合体あるいは共重合体を溶剤に溶解し、紡糸原液として凝固浴中に吐出して繊維化して得た凝固糸には、凝固浴中または延伸浴中で延伸する浴中延伸を行うことができる。あるいは、一部空中延伸した後に、浴中延伸してもよく、延伸の前後あるいは延伸と同時に水洗を行って水膨潤状態の前駆体繊維束を得ることができる。
浴中延伸は、通常50〜98℃の水浴中で1回あるいは2回以上の多段に分割するなどして行い、空中延伸と浴中延伸の合計倍率が5〜15倍になるように凝固糸を延伸するのが、得られる炭素繊維束の性能の点から好ましい。
前駆体繊維束への油剤組成物の付与には、上述した油剤組成物が水中に分散した水系乳化溶液(エマルション)を用いる。
水系乳化溶液は、例えば以下のようにして調製できる。すなわち、アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレンアルキルエーテルとを攪拌しながら、そこに水を加えることで油剤組成物が水中に分散した水系乳化溶液が得られる。
酸化防止剤を含有させる場合は、酸化防止剤を予めアミノ基含有ポリジメチルシロキサンに溶かしておいてもよい。また、帯電防止剤や抗菌剤を含有させる場合は、水を加えて水系乳化溶液とした後に添加攪拌することが好ましい。
各成分の混合または水中分散は、プロペラ攪拌、ホモミキサー、ホモジナイザー等を使って行うことができる。特に、150MPa以上に加圧可能な超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
水系乳化溶液中のミセルの平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−910)を用いて測定することができる。
なお、「所定の濃度」は油剤処理時の前駆体繊維束の状態によって調整される。所定の濃度とした分散液を、以下「油剤処理液」という。
浴中延伸の後に洗浄を行う場合は、浴中延伸および洗浄を行った後に得られる水膨潤状態の前駆体繊維束に油剤組成物の水系乳化溶液を付与することもできる。
油剤処理液を水膨潤状態の前駆体繊維束に付着させる方法としては、ローラーの下部を油剤処理液に浸漬させ、そのローラーの上部に前駆体繊維束を接触させるローラー付着法、ポンプで一定量の油剤処理液をガイドから吐出し、そのガイド表面に前駆体繊維束を接触させるガイド付着法、ノズルから一定量の油剤処理液を前駆体繊維束に噴射するスプレー付着法、油剤処理液の中に前駆体繊維束を浸漬した後にローラー等で絞って余分な油剤処理液を除去するディップ付着法等の公知の方法を用いることができる。
これらの方法の中でも、均一付着の観点から、前駆体繊維束に十分に油剤処理液を浸透させ、余分な処理液を除去するディップ付着法が好ましい。より均一に付着するためには油剤付与工程を2つ以上の多段にし、繰り返し付与することも有効である。
水系乳化溶液が付与された前駆体繊維束は、続く乾燥工程で乾燥緻密化される。
乾燥緻密化の温度は、繊維のガラス転移温度を超えた温度で行う必要があるが、実質的には含水状態から乾燥状態によって異なることもある。
乾燥緻密化の方法としては、例えば温度が130〜190℃程度の加熱ローラー上で連続的に乾燥緻密化する方法など、公知の方法を用いることができる。このとき加熱ローラーの個数は、1個でもよく、複数個でもよい。
乾燥緻密化処理された前駆体繊維束は、そのまま炭素繊維前駆体アクリル繊維束として焼成工程に供給されてもよいが、必要に応じて乾燥緻密化処理後に延伸処理を施し、これを炭素繊維束前駆体アクリル繊維束として焼成工程に供給してもよい。延伸処理の方法としては、加熱ローラーによる延伸、溶剤による延伸、加圧水蒸気延伸など公知の技術を用いることができる。中でも、延伸工程の安定性が高く、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をより高めることができる点で、加熱ローラーによる延伸が好ましい。特に、乾燥緻密化した前駆体繊維束を加熱ローラーにより搬送させながら、ローラー速度を変えて、1.1〜4.0倍に延伸することで、得られる炭素繊維前駆体アクリル繊維束の緻密性や配向度をより向上できる。
加熱ローラーの温度としては150〜200℃程度が好ましい。温度が150℃以上であると、十分に可塑化されるので、延伸をかけた際に毛羽等が発生しにくく、続く炭素化工程で工程途中の繊維束がガイドや搬送ローラー等に巻き付いて工程障害を招き操業性が低下することを防止できる。一方、温度が200℃以下であると、酸化反応や分解反応などの進行を防止でき、炭素繊維前駆体アクリル繊維束を焼成して得られる炭素繊維束の品質の低下を抑制できる。
そして、炭素繊維前駆体アクリル繊維束は焼成工程に移され、炭素繊維束となる。
このようにして得られる本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、油剤組成物が乾燥質量に対して0.1〜2.0質量%付着しいていることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5質量%である。油剤組成物の付着量が0.1質量%以上であると、油剤組成物本来の機能を十分に発現できる。一方、油剤組成物の付着量が2.0質量%以下であると、油剤組成物が過剰となりにくいので焼成工程において高分子化しにくく、単繊維間の接着をより防止できる。油剤組成物の付着量は、油剤組成物の種類や水系乳化溶液中の油剤組成物の濃度などにより調整できる。また、上述したO/W型の水系乳化溶液を用いれば、より容易に油剤組成物の付着量を調整できる。
なお、「乾燥質量」とは、乾燥緻密化処理された後の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の乾燥繊維質量のことである。
メチルエチルケトンによるソックスレー抽出法に準拠し、90℃のメチルエチルケトンに炭素繊維前駆体アクリル繊維束を8時間浸漬させて油剤組成物を抽出し、抽出前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W1、および抽出後の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W2をそれぞれ測定し、下記式(i)により油剤組成物の付着量を求める。
油剤組成物の付着量(質量%)=(W1−W2)/W2×100 ・・・(i)
また、本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、油剤組成物が均一に付着しているので、焼成工程において単繊維間の融着を防止し、かつ操業性に優れる。さらに、耐炎化工程での分繊性に優れるので、単繊維数が多くても分繊しやすく、機械的特性に優れた炭素繊維束が得られる。また、本発明は、ラージトウの製造に適しているので、高い生産性を可能にできる。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束を焼成して得られる炭素繊維束は、機械的特性に優れ、高品質であり、様々な構造材料に用いられる繊維強化樹脂複合材料に用いる強化繊維として好適である。
本実施例に用いた各成分、および各種測定方法、評価方法は以下の通りである。
<アミノ基含有ポリジメチルシロキサン>
・A−1:25℃における動粘度が50mm2/s、アミノ当量が1600g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF4706)。
・A−2:25℃における動粘度が90mm2/s、アミノ当量が4000g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:FZ−3505)。
・A−3:25℃における動粘度が250mm2/s、アミノ当量が7600g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF−860)。
・A−4:25℃における動粘度が500mm2/s、アミノ当量が1600g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるであるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF4702)。
・A−5:25℃における動粘度が70mm2/s、アミノ当量が350g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF−393)。
・A−6:25℃における動粘度が1000mm2/s、アミノ当量が1600g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名:TSF4703)。
・A−7:25℃における動粘度が20000mm2/s、アミノ当量が1800g/mol、上記式(1)においてAがプロピレン基、R1が水素原子、R2がアミノエチル基であるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:BY 16−872)。
・B−1:上記式(2)においてR3が炭素数12のドデシル基、x=4であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、商品名:エマルゲン105)。
・B−2:上記式(2)においてR3が炭素数12のドデシル基、x=9であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:NIKKOL BL−9EX)。
・B−3:上記式(2)においてR3が炭素数18のオクタデシル基、x=20であるポリオキシエチレンステアリルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:NIKKOL BS−20)。
・B−4:上記式(2)においてR3が炭素数12のドデシル基、x=2であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:NIKKOL BL−2)。
・B−5:上記式(2)においてR3が炭素数12のドデシル基、x=21であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:NIKKOL BL−21)。
・B−6:上記式(2)においてR3が炭素数22のドコシル基、x=10であるポリオキシエチレンドコシルエーテル(和光純薬工業株式会社製)。
・帯電防止剤:第四級アンモニウム塩(ライオン・アクゾ株式会社製、商品名:アーカード2HT−50ES)。
<ゲル化度の測定>
アルミシャーレ(直径45mm、深さ10mm)に、油剤組成物を30質量%の濃度で水に分散させたエマルション2.0gを精秤し、105℃で2時間予備乾燥後、空気中200℃で2時間加熱した。その後、クロロホルムで抽出した残渣を秤量し、予備乾燥後の乾燥物の質量M1、および抽出後の残渣の質量M2として、下記式(ii)によりゲル化度を求めた。ゲル化度は油剤組成物の耐熱性の指標であり、ゲル化度の値が小さいほど耐熱性に優れ、油剤組成物付与後の乾燥工程や耐炎化工程での工程通過性が良好であり、ゲル化した油剤組成物により誘発される毛羽、糸切れが少ないことを意味する。
ゲル化度(質量%)=(M2/M1)×100 ・・・(ii)
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を105℃で1時間乾燥させた後、メチルエチルケトンによるソックスレー抽出法に準拠し、90℃のメチルエチルケトンに8時間浸漬して付着した油剤組成物を溶媒抽出した。抽出前の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W1、および抽出後の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の質量W2をそれぞれ測定し、上記式(i)により油剤組成物の付着量を求めた。付着量の測定より、適切な量の油剤組成物が前駆体繊維束に付着しているかどうかを確認できる。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を2cmに切断し、黒色紙上に置き、軽く振盪して分繊状態を目視にて観察し、以下の評価基準にて分繊性を評価した。分繊しやすいほど、耐炎化工程において炭素繊維前駆体アクリル繊維束内部に至るまでの炉内循環ガスが行渡りやすく、均一な耐炎化処理できる。
◎:単繊維が非常にばらけやすく、分繊性が特に良好である。
○:単繊維がばらけやすく、分繊性が良好である。
△:単繊維がばらけにくく、分繊性やや不良である。
×:単繊維が非常にばらけにくく、分繊性が著しく不良である。
炭素繊維前駆体アクリル繊維束を用いて24時間連続して焼成し、炭素繊維束を製造したときに、溝付きロールまたは糸道制御ガイドへ焼成工程途中の繊維束中の単繊維が巻き付き、除去した回数を測定し、下記評価基準にて操業安定性を評価した。
○:除去回数(回/24時間)が1回以下。
△:除去回数(回/24時間)が2〜5回。
×:除去回数(回/24時間)が6回以上。
炭素繊維束に1.0m/秒の風をあてながら、糸速度3m/分以下の速度で50m走行させ、該炭素繊維束に強力ライトを当て、100mあたりの炭素繊維束に存在する毛羽、毛玉の欠点数を目視で数え、下記評価基準にて欠点検査を行った。
○:欠点数が10個未満。
△:欠点数が10個以上、20個未満。
×:欠点数が20個以上。
炭素繊維束のストランド強度は、JIS−R−7608に規定されているエポキシ樹脂含浸ストランド法に準じて測定した。なお、測定回数は10回とし、その平均値を評価の対象とした。
<油剤組成物の調製>
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンに、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加して攪拌しながら、油剤組成物の濃度が30質量%になるようにイオン交換水を加え、ホモミキサーで乳化した。その後、帯電防止剤を添加してさらに攪拌した。この状態でのミセルの平均粒子径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:LA−910)を用いて測定したところ、3.0μm程度であった。
その後、さらに高圧ホモジナイザーにより、ミセルの平均粒子径が0.5μm以下になるまで微分散し、油剤組成物の水系乳化溶液(エマルション)を得た。
油剤組成物中の各成分の種類と配合量(質量部)を表1に示す。また、油剤組成物のゲル化度を測定した。結果を表1に示す。
油剤組成物を付着させる前駆体繊維束は、次の方法で調製した。アクリロニトリル系共重合体(組成比:アクリロニトリル/アクリルアミド/メタクリル酸=96/3/1(質量比))をジメチルアセトアミドに溶解し、紡糸原液を調製し、ジメチルアセトアミド水溶液を満たした凝固浴中に孔径(直径)60μm、孔数60000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸とした。凝固糸は水洗槽中で脱溶媒すると共に5倍に延伸して水膨潤状態の前駆体繊維束(単繊維数:60000本)とした。
先に得られた油剤組成物の水系乳化溶液をイオン交換水で希釈して、油剤組成物の濃度が1.6質量%になるように調整した油剤処理液を満たした油剤処理槽に、水膨潤状態の前駆体繊維束を導き、水系乳化溶液を付与させた。
その後、水系乳化溶液が付与された前駆体繊維束を表面温度180℃のロールにて乾燥緻密化した後に、表面温度190℃のロールを用い2倍延伸を施し炭素繊維前駆体アクリル繊維束を得た。
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束の油剤付着量を測定し、分繊性を評価した。結果を表1に示す。
得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束を、220〜260℃の温度勾配を有する耐炎化炉に通して耐炎化し、耐炎化繊維束とした。引き続き、該耐炎化繊維束を窒素雰囲気中で400〜1300℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維束とした。
焼成工程における操業安定性を評価した。また得られた炭素繊維束の欠点検査を行い、ストランド強度を測定した。結果を表1に示す。
油剤組成物を構成する各成分の種類と配合量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして油剤組成物を調製し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束を製造し、各測定および評価を実施した。結果を表1に示す。
油剤組成物を構成する各成分の種類と配合量を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして油剤組成物を調製し、炭素繊維前駆体アクリル繊維束および炭素繊維束を製造し、各測定および評価を実施した。結果を表2に示す。
また、各実施例では、油剤付着量が適正な量であった。さらに分繊性に優れる炭素繊維前駆体アクリル繊維束が得られ、耐炎化工程での炭素繊維前駆体アクリル繊維束内部への均一なガス拡散、熱拡散が可能であることが示唆された。
さらに、各実施例で得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、焼成工程で用いた各部材(主に溝付きロールや糸道制御ガイド等、繊維と接触のある部分)へ繊維が取られるようなことがなく、操業性が安定していた。
また、各実施例で得られた炭素繊維束は、欠点検査の結果が良好であり、かつストランド強度が高い数値を示し、機械的特性に優れていた。
また、実施例4で得られた炭素繊維前駆体アクリル繊維束は、24時間の連続操業において数回、溝付きロールに単糸が巻き付くことがあったが、生産を継続できないレベルではなかった。
動粘度が1000mm2/s、アミノ当量が1600g/molであるアミノ基含有ポリジメチルシロキサンを用いた比較例2や、動粘度が20000mm2/s、アミノ当量が1800g/molであるアミノ基含有ポリジメチルシロキサンを用いた比較例3の場合、油剤組成物のゲル化度が高く、分散性および操業安定性の評価が各実施例に比べて劣っていた。また、得られた炭素繊維束は欠点が多く、均質な炭素繊維束を連続して製造するには問題があった。
式(2)中のR3が炭素数22のドコシル基であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた比較例6の場合、油剤組成物のゲル化度が高く、分繊性および操業安定性に劣っていた。また、得られた炭素繊維束は欠点がやや多く、ストランド強度も低かった。
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの含有量が55質量部と少なく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が45質量部と多い比較例7の場合、分繊性は実施例と同程度であったものの、操業安定性に劣っていた。また、得られた炭素繊維束は欠点が多く、ストランド強度も低かった。
本発明の炭素繊維前駆体アクリル繊維束から得られた炭素繊維束は、プリプレグ化したのち複合材料に成形することもできる。また、炭素繊維束を用いた複合材料は、ゴルフシャフトや釣り竿などのスポーツ用途、さらには構造材料として自動車や航空宇宙用途、また各種ガス貯蔵タンク用途などに好適に用いることができ、有用である。
Claims (6)
- 単繊維本数が40000本以上である、請求項1に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- 前記油剤組成物が、前記アミノ基含有ポリジメチルシロキサンとポリオキシエチレンアルキルエーテルの合計100質量部に対して、0.5〜7.5質量部の帯電防止剤をさらに含有する、請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- 前記油剤組成物が、当該炭素繊維前駆体アクリル繊維束の乾燥繊維質量に対して0.1〜2.0質量%付着した、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法であって、
前記油剤組成物が水中に分散した水系乳化溶液を水膨潤状態の前駆体繊維束に付与する工程と、
水系乳化溶液が付与された前駆体繊維束を乾燥緻密化する工程とを有する、炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。 - 前記水系乳化溶液は、油剤組成物が水中に微分散して、平均粒子径0.01〜0.50μmのミセルを形成している、請求項5に記載の炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010192658A JP6017109B2 (ja) | 2010-08-30 | 2010-08-30 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010192658A JP6017109B2 (ja) | 2010-08-30 | 2010-08-30 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015131749A Division JP2015221957A (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012046855A true JP2012046855A (ja) | 2012-03-08 |
JP6017109B2 JP6017109B2 (ja) | 2016-10-26 |
Family
ID=45902020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010192658A Active JP6017109B2 (ja) | 2010-08-30 | 2010-08-30 | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6017109B2 (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103614901A (zh) * | 2013-11-28 | 2014-03-05 | 常熟江辉纤维制品科技有限公司 | 一种柔软型夜光涂层织物的制备方法 |
WO2014132825A1 (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-04 | 株式会社日立産機システム | インクジェットプリンタ用インク及び印字物 |
JP2015052176A (ja) * | 2013-09-06 | 2015-03-19 | 松本油脂製薬株式会社 | 炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤及びその用途 |
WO2017169632A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 松本油脂製薬株式会社 | アクリル繊維処理剤及びその用途 |
JP2020059799A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | 旭化成ワッカーシリコーン株式会社 | シリコーンオイル組成物、ゲル化時間調整添加剤、シリコーンオイルおよびシリコーンオイル組成物の設計方法 |
KR102146230B1 (ko) * | 2019-08-30 | 2020-08-20 | 재단법인 한국탄소융합기술원 | 탄소섬유용 유제 조성물 및 이를 이용한 탄소섬유 제조방법 |
JP2021011654A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 竹本油脂株式会社 | 炭素繊維前駆体用処理剤、及び炭素繊維前駆体 |
WO2021039891A1 (ja) | 2019-08-30 | 2021-03-04 | 帝人株式会社 | 炭素繊維束の製造方法 |
JP2021172784A (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-01 | 株式会社豊田中央研究所 | 炭素材料前駆体、耐炎化炭素材料前駆体の製造方法、及び炭素材料の製造方法 |
WO2021251320A1 (ja) * | 2020-06-12 | 2021-12-16 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維用処理剤、及び合成繊維 |
EP3957792A4 (en) * | 2019-10-07 | 2022-07-13 | Takemoto Yushi Kabushiki Kaisha | AQUEOUS SOLUTION FOR TREATMENT AGENT FOR CARBON FIBER PRECURSOR, AND CARBON FIBER PRECURSOR |
JP7507532B1 (ja) | 2024-03-08 | 2024-06-28 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維用処理剤および合成繊維 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102017117420A1 (de) * | 2017-08-01 | 2019-02-07 | Brückner Maschinenbau GmbH & Co. KG | Reckanlage |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1112853A (ja) * | 1997-06-20 | 1999-01-19 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 炭素繊維前駆体用油剤 |
JP2003201346A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-07-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | シリコン系油剤及び炭素繊維前駆体アクリル繊維並びに炭素繊維の製造法 |
JP2004149983A (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-27 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維製造用アクリル繊維 |
JP2004300606A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Toho Tenax Co Ltd | 耐炎化繊維、及びその製造方法 |
JP2006299439A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維およびその製造方法、並びにアクリロニトリル系前駆体繊維およびその製造方法 |
JP2008196097A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-08-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 |
JP2011099167A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
-
2010
- 2010-08-30 JP JP2010192658A patent/JP6017109B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1112853A (ja) * | 1997-06-20 | 1999-01-19 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 炭素繊維前駆体用油剤 |
JP2003201346A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-07-18 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | シリコン系油剤及び炭素繊維前駆体アクリル繊維並びに炭素繊維の製造法 |
JP2004149983A (ja) * | 2002-11-01 | 2004-05-27 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維製造用アクリル繊維 |
JP2004300606A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | Toho Tenax Co Ltd | 耐炎化繊維、及びその製造方法 |
JP2006299439A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維およびその製造方法、並びにアクリロニトリル系前駆体繊維およびその製造方法 |
JP2008196097A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-08-28 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 |
JP2011099167A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 |
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014132825A1 (ja) * | 2013-02-26 | 2014-09-04 | 株式会社日立産機システム | インクジェットプリンタ用インク及び印字物 |
JP5974160B2 (ja) * | 2013-02-26 | 2016-08-23 | 株式会社日立産機システム | インクジェットプリンタ用インク及び印字物 |
JP2015052176A (ja) * | 2013-09-06 | 2015-03-19 | 松本油脂製薬株式会社 | 炭素繊維製造用アクリル繊維処理剤及びその用途 |
CN103614901A (zh) * | 2013-11-28 | 2014-03-05 | 常熟江辉纤维制品科技有限公司 | 一种柔软型夜光涂层织物的制备方法 |
CN103614901B (zh) * | 2013-11-28 | 2016-08-17 | 常熟江辉纤维制品科技有限公司 | 一种柔软型夜光涂层织物的制备方法 |
WO2017169632A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 松本油脂製薬株式会社 | アクリル繊維処理剤及びその用途 |
JPWO2017169632A1 (ja) * | 2016-03-30 | 2019-02-14 | 松本油脂製薬株式会社 | アクリル繊維処理剤及びその用途 |
JP7021071B2 (ja) | 2016-03-30 | 2022-02-16 | 松本油脂製薬株式会社 | アクリル繊維処理剤及びその用途 |
JP2020059799A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | 旭化成ワッカーシリコーン株式会社 | シリコーンオイル組成物、ゲル化時間調整添加剤、シリコーンオイルおよびシリコーンオイル組成物の設計方法 |
JP2021011654A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 竹本油脂株式会社 | 炭素繊維前駆体用処理剤、及び炭素繊維前駆体 |
WO2021039891A1 (ja) | 2019-08-30 | 2021-03-04 | 帝人株式会社 | 炭素繊維束の製造方法 |
KR102146230B1 (ko) * | 2019-08-30 | 2020-08-20 | 재단법인 한국탄소융합기술원 | 탄소섬유용 유제 조성물 및 이를 이용한 탄소섬유 제조방법 |
CN114787434A (zh) * | 2019-08-30 | 2022-07-22 | 帝人株式会社 | 碳纤维束的制造方法 |
EP3957792A4 (en) * | 2019-10-07 | 2022-07-13 | Takemoto Yushi Kabushiki Kaisha | AQUEOUS SOLUTION FOR TREATMENT AGENT FOR CARBON FIBER PRECURSOR, AND CARBON FIBER PRECURSOR |
US11866851B2 (en) | 2019-10-07 | 2024-01-09 | Takemoto Yushi Kabushiki Kaisha | Aqueous liquid of treatment agent for carbon fiber precursors, and carbon fiber precursor |
JP2021172784A (ja) * | 2020-04-28 | 2021-11-01 | 株式会社豊田中央研究所 | 炭素材料前駆体、耐炎化炭素材料前駆体の製造方法、及び炭素材料の製造方法 |
WO2021251320A1 (ja) * | 2020-06-12 | 2021-12-16 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維用処理剤、及び合成繊維 |
CN115516162A (zh) * | 2020-06-12 | 2022-12-23 | 竹本油脂株式会社 | 合成纤维用处理剂、及合成纤维 |
CN115516162B (zh) * | 2020-06-12 | 2023-10-10 | 竹本油脂株式会社 | 合成纤维用处理剂、及合成纤维 |
JP7507532B1 (ja) | 2024-03-08 | 2024-06-28 | 竹本油脂株式会社 | 合成繊維用処理剤および合成繊維 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6017109B2 (ja) | 2016-10-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6017109B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5707690B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5659597B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5585579B2 (ja) | 油剤組成物が付着した炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法、および炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液 | |
JP4856724B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 | |
JP2015221957A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP5712480B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP6577307B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤処理液 | |
JP5731908B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤、炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、および炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤処理液 | |
JP4917991B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物 | |
JP2014163008A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法、および炭素繊維束 | |
JP2007113141A (ja) | 炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。 | |
JP5741841B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP6575251B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP2018159138A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束、炭素繊維、及び、炭素繊維前駆体アクリル繊維束と炭素繊維の製造方法 | |
JP6167735B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 | |
JP5017211B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、並びにそれを用いた炭素繊維前駆体アクリル繊維束及びその製造方法 | |
TWI461586B (zh) | 附著油劑組成物的碳纖維前驅物丙烯酸纖維束及其製造方法、及碳纖維前驅物丙烯酸纖維用油劑組成物與碳纖維前驅物丙烯酸纖維用油劑組成物分散液 | |
JP2014167175A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法 | |
JP6314369B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物と炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物分散液、および炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法 | |
JP2013209771A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束 | |
JP2016017231A (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法及び炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤処理液 | |
JP5960943B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維用油剤組成物、炭素繊維前駆体アクリル繊維束とその製造方法、ならびに炭素繊維束の製造方法 | |
JP4995754B2 (ja) | 炭素繊維前駆体アクリル繊維束およびその製造方法 | |
JP5866752B2 (ja) | アクリル繊維束およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130826 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140814 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140819 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141017 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150630 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150709 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20150807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160707 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160928 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6017109 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |