JP2012046768A - 樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂発泡体は、下記の(イ)及び(ロ)成分を含有することを特徴とする。
(イ)熱可塑性ポリマー
(ロ)表面処理された金属水酸化物
金属水酸化物における金属元素が、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、銅、鉄、チタン及びホウ素からなる群から選択された少なくとも一つの金属元素であることが好ましい。金属水酸化物は複合化金属水酸化物であってもよい。
【選択図】なし
Description
本発明の他の目的は、優れた難燃性を発揮することができるとともに、発泡時の樹脂の流動性が優れ、さらに、高発泡で柔軟性に優れており、しかも安全で環境への負荷が少ない樹脂発泡体を提供することにある。
(イ)熱可塑性ポリマー
(ロ)表面処理された金属水酸化物
本発明の樹脂発泡体を構成する(イ)熱可塑性ポリマーとしては、発泡体を形成可能なポリマーであれば特に限定されない。このような熱可塑性ポリマーとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などのポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン、ABS樹脂等のポリスチレン系ポリマー;ポリメチルメタクリレート;ポリ塩化ビニル;ポリフッ化ビニル;アルケニル芳香族樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンスルフィド;エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール等との共重合体(エチレン系共重合体);エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどのオレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどのスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどの各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの熱可塑性ポリマーは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
(金属水酸化物)
(ロ)表面処理された金属水酸化物における金属元素としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)等があげられる。中でも、アルミニウム、マグネシウムなどが好ましい。
本発明では、金属水酸化物は表面処理されている。該表面処理方法としては、慣用的に、金属水酸化物に対して用いられている表面処理剤による表面処理方法を採用することができる。このような表面処理剤としては、例えば、アルミニウム系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、およびリン酸エステル類が好適に用いられる。表面処理剤は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
本発明の樹脂発泡体を製造する方法としては、物理的方法、化学的方法等、発泡成形に通常用いられる方法が採用できる。一般的な物理的方法は、クロロフルオロカーボン類または炭化水素類などの低沸点液体(発泡剤)をポリマーに分散させ、次に加熱し発泡剤を揮発させることにより気泡を形成させるものである。また化学的方法は、ポリマーベースに添加された化合物(発泡剤)の熱分解により生じたガスによりセルを形成し、発泡体を得る方法である。最近の環境問題などに鑑みると、物理的手法が好ましい。特に、セル径が小さくセル密度の高い発泡体が得られることから、窒素や二酸化炭素等の気体を高圧にてポリマー中に溶解させた後、圧力を解放し、例えばポリマーのガラス転移温度や軟化点付近まで加熱することにより気泡を形成させる方法が好ましい。この場合、超臨界状態の二酸化炭素等のガスを用いるのが好適である。
相対密度(−)=(発泡体の密度)÷[発泡させる前のシート(樹脂成形体)の密度]
水酸化アルミニウム(平均粒子径:1.0μm)を、表面処理剤としてアルミニウム系カップリング剤(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート)を用いて湿式処理方法により、表面処理を行った。具体的には、水酸化アルミニウム:100重量部に対して、アルミニウム系カップリング剤:2重量部と、イソプロプルアルコール(IPA):200重量部とを加えて攪拌して混合し、さらに10分間超音波攪拌を行った後、1時間静置させた。その後、遠心分離と、IPAによる洗浄とを、それぞれ2回行った後、80℃で4時間乾燥して、表面処理された金属水酸化物を得た。
前記調整例により得られた表面処理された金属水酸化物(水酸化アルミニウム):100重量部に対して、密度が0.9g/cm3、230℃のメルトフローレートが4であるポリプロピレン:50重量部と、JIS−A硬度が69のエチレンプロピレン系エラストマー:50重量部とを、ローラ型の翼を設けたラボプラストミル(東洋精機製作所製)により170℃の温度で混練した後、180℃に加熱した熱板プレスを用いて、厚さ0.5mm、φ80mmのシート状に成型した。このシートを耐圧容器に入れ、150℃の雰囲気中、15MPaの加圧下で、10分間保持することにより、二酸化炭素を含浸させた。次いで、急激に減圧することにより、発泡体を得た。発泡体の相対密度は0.091であった。また、シートの酸素指数は22.8となった。
表面処理をしていない水酸化アルミニウム(平均粒子径:1.0μm):100重量部と、密度が0.9g/cm3、230℃のメルトフローレートが4であるポリプロピレン:50重量部と、JIS−A硬度が69のエチレンプロピレン系エラストマー:50重量部とを、ローラ型の翼を設けたラボプラストミル(東洋精機製作所製)により170℃の温度で混練した後、180℃に加熱した熱板プレスを用いて、厚さ0.5mm、φ80mmのシート状に成型した。このシートを耐圧容器に入れ、150℃の雰囲気中、15MPaの加圧下で、10分間保持することにより、二酸化炭素を含浸させた。次いで、急激に減圧することにより、発泡体を得た。発泡体の相対密度は0.423であった。また、シートの酸素指数は22.4となった。
Claims (8)
- 下記の(イ)及び(ロ)成分を含有することを特徴とする樹脂発泡体。
(イ)熱可塑性ポリマー
(ロ)表面処理された金属水酸化物 - 上記(ロ)成分の金属水酸化物における金属元素が、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、銅、鉄、チタン及びホウ素からなる群から選択された少なくとも一つの金属元素である請求項1記載の樹脂発泡体。
- 上記(ロ)成分の金属水酸化物が、複合化金属水酸化物である請求項1又は2記載の樹脂発泡体。
- 上記(ロ)成分の表面処理が、アルミニウム系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、高級脂肪酸又はその塩、およびリン酸エステル類からなる群から選択された少なくとも一つの表面処理剤による表面処理である請求項1〜3のいずれかの項に記載の樹脂発泡体。
- 上記(ロ)成分の金属水酸化物の平均粒径が0.5〜10μmである請求項1〜4のいずれかの項に記載の樹脂発泡体。
- 樹脂発泡体全体中に、上記(ロ)成分の金属水酸化物の占める割合が10〜90重量%の範囲である請求項1〜5のいずれかの項に記載の樹脂発泡体。
- (イ)成分である熱可塑性ポリマーが、(i)熱可塑性エラストマー、(ii)ポリオレフィン系ポリマー、及び(iii)ゴム又は熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマーから選択された少なくとも一つのポリマーである請求項1〜6のいずれかの項に記載の樹脂発泡体。
- 相対密度が0.01〜0.20である請求項1〜7のいずれかの項に記載の樹脂発泡体。
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