JP2012045522A - 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム - Google Patents

汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム Download PDF

Info

Publication number
JP2012045522A
JP2012045522A JP2010192361A JP2010192361A JP2012045522A JP 2012045522 A JP2012045522 A JP 2012045522A JP 2010192361 A JP2010192361 A JP 2010192361A JP 2010192361 A JP2010192361 A JP 2010192361A JP 2012045522 A JP2012045522 A JP 2012045522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewage
water
polymer compound
acid
trivalent metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010192361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5343051B2 (ja
Inventor
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Hironori Kaneko
浩規 金子
Takeshi Wakuta
毅 和久田
Hirotaka Yamamoto
浩貴 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2010192361A priority Critical patent/JP5343051B2/ja
Priority to CA2750648A priority patent/CA2750648C/en
Publication of JP2012045522A publication Critical patent/JP2012045522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5343051B2 publication Critical patent/JP5343051B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

【課題】高速に、且つ大量の汚水から有機酸を除去可能な汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムを提供する。
【解決手段】汚水に含まれる有機酸を除去する汚水浄化方法であって、汚水に対して、酸性基を有する水溶性高分子化合物6と、三価の金属塩7と、を別々に混合して有機酸5を含む凝集物を生成させ、凝集物5を除去することにより汚水に含まれる有機酸5を除去することにより、高速に、且つ大量の汚水から有機酸5を除去可能な汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムに関する。
油田採掘やオイルサンドからの油分抽出時に発生する汚水(汚濁水)には、原油に共存していた大量の有機酸(例えば酢酸、吉草酸、ナフテン酸等)が含まれている。従って、油田からの汚水を海や河川等に放流する場合、上記有機酸による生態系に与える影響が大きいので、汚水に含まれる有機酸を除去した後で放流する必要がある。そのため、発生する膨大な量の汚水に鑑み、高速かつ大量に上記有機酸を除去する汚水の処理技術が求められている。
図10は、既に知られている、汚水に含まれる汚濁微粒子を除去する方法を示した図である。図10に示す技術においては、はじめに、ポリ塩化アルミニウム(PAC)若しくは硫酸鉄(図10においてはPACを混合している。)を混合し、小さな凝集物(具体的にはおよそ数十〜数百μm)であるマイクロフロック1を形成させる。マイクロフロック1は、汚水に含まれていた汚濁微粒子2と予め汚水に混合した磁性粉4とが、アルミニウムイオン(Al3+)を中心として凝集することにより形成される。
マイクロフロック1を形成させた後、同一系内にポリアクリルアミド等のポリマーを混合することにより、水中のマイクロフロック1から、粒子径がより大きい(具体的には数百〜数千μm)のフロック3を形成させることができる。そして、このような粒子径が大きなフロック3を含む汚水を例えばろ過等することによりフロック3を分離したり、磁気を利用して吸着等させたりして、汚水から除去することができる。なお、図10に示す例においては、フロック3が磁性粉4を含むため、磁気を利用することにより容易に除去できる。
また、例えばイオン交換樹脂、逆浸透膜等を用いて除去する方法が知られているほか、例えば特許文献1には、線維状活性炭を含有している接触材を用いて有機酸を除去することが記載されている。また、例えば特許文献2には、油分を含んだ排水に特定のアンモニウム塩構造を有する高分子とアニオン性高分子とを混合することで油分を凝集物化し、油分を除去することが記載されている。
特開2003−144839号公報 特開2004−255349号公報
しかしながら、図10に示す方法においては、本発明者らの検討によると、汚濁微粒子を除去できるものの、汚水中の酢酸、吉草酸、ナフテン酸等の有機酸は除去することができない。特に、有機酸は、通常はアンモニウム塩構造やアルカリ金属塩等になっているため、より汚水から除去しにくい形態となっている。
また、活性炭やイオン交換樹脂、逆浸透膜等を用いた方法においては、有機酸をある程度は除去することができるものの、その処理能力には限界があり、用いる活性炭、イオン交換樹脂、逆浸透膜等を頻繁に交換しなければならないことがある。
例えば、活性炭やイオン交換樹脂等に有機酸を吸着させる場合、その吸着量は活性炭やイオン交換樹脂等の表面積が大きいほど多くなる。従って、それらの大きさ(粒子サイズ)を小さなものとすることにより、単位体積あたりに大きな表面積を確保することができる。しかしながら、粒子サイズを小さくすればするほど活性炭やイオン交換樹脂を担持し難くなるため、取扱いが困難になるという課題がある。また、活性炭は有機酸以外の有機物も吸着するため、有機酸よりも先に油分が吸着すると有機酸の吸着量が低下するという課題がある。
さらに、例えば逆浸透膜の場合、膜表面に存在する細孔に汚濁物質が詰まるとその膜はそれ以上使用不可能となり、大量の汚水を高速で処理することが困難であるという課題がある。
また、例えば特許文献2に記載の技術においては油分を除去しているに過ぎず、依然として、上記汚水中の有機酸除去という課題を解決するには至っていない。
本発明は上記の課題を解決するべくなされたものであり、その目的は、高速に、且つ大量の汚水から有機酸を除去可能な汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の高分子化合物及び特定の塩を別々に混合することにより、高速に、且つ大量の汚水から有機酸を除去可能な汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムを提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、高速に、且つ大量の汚水から有機酸を除去可能な汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システムを提供することができる。
本発明における凝集物形成機構を示す図である。 本発明の汚水浄化装置についての第一実施形態を模式的に示す図である。 本発明の汚水浄化装置についての第二実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置についての第三実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置についての第四実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置についての第五実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置についての第六実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置についての第七実施形態を模式的に示す図である 本発明の汚水浄化装置を用いた油分抽出システムを模式的に示す図である。 従来の汚濁微粒子を凝集化させる機構を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、適宜「本実施形態」と言う。)を詳細に説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
[1.汚水浄化方法]
本実施形態に係る汚水浄化方法は、汚水に含まれる有機酸を除去する汚水浄化方法であって、汚水に対して、酸性基を有する水溶性高分子化合物と、三価の金属塩と、を別々に混合して有機酸を含む凝集物を生成させ、凝集物を除去することにより汚水に含まれる有機酸を除去するものである。
はじめに、図1を参照しながら本実施形態に係る汚水浄化方法における凝集物形成機構を説明する。図1は、本発明における凝集物形成機構を表す図である。
なお、説明の便宜上、図1に示す機構においては、有機酸5が有する酸性基としてカルボキシル基を例示し、酸性基を有する水溶性高分子化合物6が有する酸性基としてもカルボキシル基を例示し、三価の金属塩7として汚水中で電離して鉄(III)イオン(Fe3+)を生じる塩化鉄(III)を例示している。
はじめに、図1上部に示す有機酸5が含まれる汚水に対して、酸性基を有する水溶性高分子化合物(以下、適宜「酸性高分子化合物」と言う。)6を混合する。すると、汚水中には、有機酸5と酸性高分子化合物6とが共存した状態になる(図1中央部に示す状態)。
そして、このような汚水に対して、さらに三価の金属塩7を混合すると、酸性高分子化合物6に含まれるカルボキシル基(−COOH)から生成する2つのカルボキシラートイオン(−COO)と、有機酸5に含まれるカルボキシル基から生成する1つのカルボキシラートイオンと、三価の鉄イオンとがイオン結合する(図1下部に示す状態)。この際、上記の酸性高分子化合物6は水に溶解した状態であったが、上記のイオン結合により、鉄イオン(III)を含む分子量が極めて大きな一つの分子(具体的には、分子量が数千〜数万以上の分子量を有する分子)となり、汚水に溶解しきれなくなって、有機酸5とともに凝集物8となって沈殿する。そして、沈殿した凝集物8を汚水中から除去することにより、汚水に含まれていた有機酸5を汚水から除去することができるようになっている。
以上の機構により、本実施形態に係る汚水浄化方法によって、汚水中の有機酸を除去することができる。
例えば、酸性高分子化合物を用いず、汚水に対して三価の金属塩のみを混合した場合であっても、生成する三価の金属イオンと汚水中に存在する有機酸から生成する陰イオンとがイオン結合して塩を形成する。しかしながら、有機酸の分子量は通常は数百程度であるため、生成した塩の平均分子量も数百〜数千程度であり、汚水中で沈殿できるほどの低溶解性とはなっていない。即ち、生成した塩のある程度は汚水に溶解することになり、汚水中の有機酸の除去効率は低下する。
しかしながら、本実施形態に係る汚水浄化方法によれば、汚水中で生成する三価の金属イオンが、有機酸から生じる陰イオンのみならず、酸性高分子化合物から生じる陰イオンともイオン結合して塩を形成するため、形成された塩の分子量は数万程度になる。そのため、当該塩の水に対する溶解性が著しく低下し、有機酸とともに凝集物として汚水中で沈殿することになる。なお、三価の金属イオンとイオン結合する、酸性高分子化合物の物質量は特に制限されないが、図1に示すように、2モルの酸性高分子化合物と1モルの三価の金属イオンとがイオン結合して塩を形成した場合、その全体の分子量はより大きなものとなり、よりいっそう水に対する溶解度が低下して有機酸の除去効率がより向上することとなる。
以下、本実施形態に係る汚水浄化方法における、汚水に含まれる有機酸、当該有機酸を除去するために用いられる酸性高分子化合物、及び三価の金属塩について説明する。
[1−1.有機酸]
本実施形態に係る汚水浄化方法において除去される有機酸は、炭素原子を1以上含み、酸性基を有する化合物である限り、その他の構造は任意である。有機酸が有する炭素数としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、1以上であり、通常は12以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。なお、含まれる炭素数が多い有機酸は、水に溶解しにくいため汚水には含まれにくくなる。
また、有機酸が有する酸性基の種類も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。このような酸性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基(−SOH)等が挙げられる。また、これらの酸性基は、プロトン(H)が脱離し陰イオンの形態になっていてもよい。
汚水に含まれる有機酸の具体的なものとしては、上記のように本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものが除去可能であるが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ナフテン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロペンタンにカルボキシル基若しくはスルホン酸基が結合した化合物、シクロヘキサンにカルボキシル基若しくはスルホン酸基が結合した化合物等が挙げられる。中でも、本実施形態に係る汚水浄化方法が好適に適用される汚水はオイルサンドから発生する汚水であるため、有機酸としては、当該汚水に含まれうる酢酸、吉草酸、ナフテン酸、並びに、シクロペンタンにカルボキシル基が結合した化合物及びシクロヘキサンにカルボキシル基が結合した化合物が好ましい。
なお、汚水に含まれる有機酸は1種が単独であってもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていてもよい。
汚水に含まれる有機酸の量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、例えば汚水に含まれる有機酸の量が膨大な量である場合、本実施形態に係る汚水浄化方法を同一の汚水に対して繰り返して適用し、徐々に汚水に含まれる有機酸を除去するようにすればよい。
[1−2.酸性基を有する高分子化合物(酸性高分子化合物)]
本実施形態に係る汚水浄化方法に用いられる酸性高分子化合物としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。酸性高分子化合物は、酸性基を有し、水に溶解し、さらには高分子量を有するものである。
酸性高分子化合物が有する酸性基の種類は、[1−1.有機酸]記載のものと同様に、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えばカルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられ、中でも、カルボキシル基が好ましい。なお、1分子の酸性高分子化合物に含まれる酸性基は、1種が単独で含まれてもいてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれていてもよい。
また、「水に溶解する化合物」とは、「水に不溶ではない化合物」を表す。即ち、水に分散させた場合に化合物の沈殿を生じない当該化合物を表す。ただし、例えばスクロース(蔗糖)等は一般的には「水に溶解する化合物」と認識されているが、スクロースの飽和濃度以上では溶液中にスクロースの沈殿を生じる。従って、「水に溶解する化合物」とは、飽和濃度以上では沈殿は生じるものの、飽和濃度以下では沈殿を生じず、一般的に「水に溶解する化合物」であると認識されている化合物を表すものとし、最も広義に解釈するものとする。
また、酸性高分子化合物は高分子量を有するものである。具体的な分子量は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、酸性高分子化合物の数平均分子量として、通常2000以上、好ましくは5000以上、特に好ましくは10000以上、また、その上限は、通常1000000以下、好ましくは500000以下である。
分子量が小さすぎる場合、凝集物の架橋部位の数が少なくなりすぎて汚水中での凝集物の安定性が悪くなったり、粘度が過度に大きなものになったりする可能性がある。即ち、凝集物がこのような形態を有することにより、汚水中からの凝集物の除去が困難になる可能性がある。また、分子量が大きすぎる場合、汚水に含まれる大部分の有機酸を酸性高分子化合物が捕捉する前に凝集物が生じ、本来除去されるべき汚水中の有機酸が残存してしまう可能性がある。
なお、酸性高分子化合物の数平均分子量は、GPC(Gel permeation Chromatography;ゲルパーメーションクロマトグラフィ)を用いて測定することができる。
また、酸性高分子化合物の数平均分子量は、本実施形態に係る汚水浄化方法を適用する汚水の温度に応じて変化させてもよい。例えば汚水の温度が40℃程度となる場合、数平均分子量が2000程度の場合には凝集物が粘着性を有して汚水から除去することが難しくなる可能性がある。従って、このような場合には、例えば数平均分子量を5000程度以上に設定して固化させればよい。また、例えば汚水の温度が60℃程度となる場合、上記の理由と同様の理由により、例えば数平均分子量を10000程度以上とすればよい。
このような酸性高分子化合物の具体的な種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に制限されないが、例えばカルボキシル基を有する酸性高分子化合物の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、アルギン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等が好適に挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。中でも、安価に入手でき、かつ三価の金属イオンとイオン結合し易いという観点から、酸性高分子化合物としてはポリアクリル酸が特に好ましい。
また、アミノ酸由来原料であり、環境への負荷が特に少ないという観点からは、アルギン酸、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸が好ましく、中でも、昆布等の海藻由来であり、生物由来原料を用いることができるという観点からは、アルギン酸が好ましい。
また、例えばスルホン酸基を有する酸性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等が好適に挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
例えばカルボキシル基を有する酸性高分子化合物とスルホン酸基を有する酸性高分子化合物とを比較した場合、それぞれの酸性高分子化合物が多様な利点を有しているため、獲得したい利点に応じて、カルボキシル基を有する酸性高分子化合物、及び/又は、スルホン酸基を有する酸性高分子化合物を用いればよい。
具体的には、例えばカルボキシル基を有する酸性高分子化合物は、例えばおむつ、生理用品等の身近な分野で既に用いられているため、容易かつ安価に入手することができる。
一方で、例えばスルホン酸基を有する酸性高分子化合物は、スルホン酸基がカルボキシル基よりも酸性度が大きく、三価の金属イオンとイオン結合し易いため、特に安定な凝集物を得ることができる。
また、汚水に対する酸性高分子化合物の溶解量をより増加させることができるという観点から、酸性高分子化合物に含まれる酸性基が、アンモニア若しくはアルカリ金属と塩を形成していることが好ましい。
特に、水溶性の低い酸性高分子化合物を用いたい場合、含まれる例えばカルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基を、それぞれ、例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩の形態として水溶性を向上させ、当該酸性高分子化合物を本実施形態に係る汚水浄化方法に用いればよい。また、酸性高分子化合物に含まれる酸性基を塩基との塩の形態とすることにより、生成する陰イオンが三価の金属イオンとより効率よくイオン結合することも可能になり、より効率よく有機酸を汚水中より除去可能になる。
[1−3.三価の金属塩]
本実施形態に係る汚水浄化方法において用いられる三価の金属塩は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、三価の金属塩は、通常は、当該金属のイオンの価数が三価の金属と陰イオンとを含むものである。
(三価の金属イオン)
上記三価の金属としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。また、イオンになった場合に複数の価数となるものであっても、価数が三価となりうるものであれば、三価の金属として扱うものとする。このような三価の金属の具体例としては、鉄、アルミニウム、ネオジム、ディスプロシウム等の金属が挙げられる。これらの中でも、地球上に豊富に存在し、安価かつ容易に入手可能であるという観点から、鉄及びアルミニウムが好ましく、より安価であるという観点からは鉄がより好ましい。なお、例えば鉄の場合、鉄イオンは二価及び三価の2種類の価数となる。従って、三価の鉄イオンは、例えば二価及び三価の鉄イオンが共存する溶液に酸化剤を混合し、含まれる二価の鉄イオンを三価の鉄イオンに酸化することにより得ることもできる。
(陰イオン)
三価の金属塩は、通常は上記の三価の金属を、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、若しくは、酢酸、プロピオン酸等の有機酸に溶解させることにより生じさせることができる。即ち、上記の三価の金属と上記酸とが反応することにより、三価の金属塩が生成する。このような酸としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、汚水のCOD(化学的酸素要求量)が過度に高くなることを防止する観点から、無機酸を用いることが好ましい。従って、本実施形態に係る汚水浄化方法において用いられる三価の金属塩を構成する陰イオンとしては、無機酸から生じる陰イオンであることが好ましい。
(好適な三価の金属塩)
上記のように、「三価の金属塩」に含まれる三価の金属としては鉄(III)が、また、陰イオンとしては無機酸から生じる陰イオンであることが好ましい。即ち、本実施形態に係る汚水浄化方法に用いられる三価の金属塩としては、鉄(III)と無機酸との塩であることが好ましい。
ただし、三価の金属塩としては鉄(III)と無機酸との塩に限定されるものではなく、例えばポリ塩化アルミニウム等も用いることができる。ポリ塩化アルミニウムは水酸化アルミニウムと塩酸とを混合することにより製造でき、その構造は[Al(OH)Cl6−n(ただし、nは1≦n≦5を満たす数であり、mはm≦10を満たす数である。)で表される。また、三価の金属塩としては硫酸アルミニウム等も好適に挙げられる。
また、上記のように、三価の金属としてはネオジム、ディスプロシウム等も例示されるが、これらの金属(具体的には希土類金属)を三価の金属として用いる場合、三価の金属塩の形態としては、水に対する溶解性が高いという観点から、塩酸塩、硫酸塩若しくは硝酸塩の形態が好ましい。
[1−4.混合順序]
上記のように、本実施形態に係る汚水浄化方法においては、汚水に対して酸性高分子化合物及び三価の金属塩を別々に混合する。酸性高分子化合物及び三価の金属塩を別々に混合する限り、混合順序、方法等は特に制限されない。ただし、先に酸性高分子化合物を汚水に混合し、次に三価の金属塩を混合することが好ましい。このような混合順序にすることで、汚水中の有機酸をより高い効率で除去することができる。その理由は、もし先に三価の金属塩を汚水に混合し、次に酸性高分子化合物を混合した場合、三価の金属イオンと結合しない酸性高分子化合物が汚水中に発生する可能性があり、このような三価の金属イオンと結合しない酸性高分子化合物が汚水中に存在することにより、汚水中のTOC(total organic carbon)濃度が過度に上昇する可能性がある。ただし、汚水中のTOC濃度が過度に上昇しないように濃度が調整された量の酸性高分子化合物を混合することにより、先に三価の金属塩を混合し、次に酸性高分子化合物を混合するようにすることもできる。さらに、酸性高分子化合物及び三価の金属塩を汚水に対して別々に混合し、かつ、有機酸とイオン結合する前にこれらがイオン結合をしないようにする(即ち、有機酸を含まない凝集物が生成しないようにする)限り、同時に混合を行ってもよい。即ち、例えば循環式混合槽を用いて、上流にて酸性高分子化合物を添加すると同時に、当該酸性高分子化合物を添加した場所から十分に離れた下流にて三価の金属塩を添加するようにしてもよい。この場合、有機酸を含まない凝集物が生成することを防止するために、混合槽内を十分に攪拌することが好ましい。
また、混合する酸性高分子化合物及び三価の金属塩の形態は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、汚水全体に拡散するために要する時間が短いという観点から、所望の濃度に調整した水溶液の形態で汚水に混合することが好ましい。例えば、先に酸性高分子化合物を混合し、次に三価の金属塩を混合する場合、混合された酸性高分子化合物が汚水中で十分に混合(攪拌)されていない状態で三価の金属塩を汚水に混合すると部分的に凝集が発生し、汚水中の有機酸の除去効率が低下する可能性がある。従って、予め酸性高分子化合物を水に溶解して水溶液の形態とし、当該水溶液を汚水に混合することで容易に汚水中に一様に酸性高分子化合物を分散させることができる。従って、上記の可能性が極めて僅かなものとなる。ただし、混合順序の場合と同様に、酸性高分子化合物が水溶液の形態となっていなくとも、酸性高分子化合物を汚水に混合後に十分に混合して一様に拡散させた後に三価の金属塩を混合することにより、上記のような部分的な凝集物発生の可能性を抑制することができる。
さらに、三価の金属塩の場合も同様に、三価の金属塩を水に溶解させた三価の金属塩水溶液の形態として汚水に混合することにより、偏った凝集物の生成をより確実に防止することができる。
[1−5.混合量]
本実施形態に係る汚水浄化方法における、酸性高分子化合物及び三価の金属塩の混合量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、汚水に含まれる有機酸の量に応じて適宜設定すればよい。即ち、三価の金属イオンが、有機酸に含まれる酸性基、及び、酸性高分子化合物に含まれる酸性基とイオン結合するため、これらの物質量の関係を満たすようにそれぞれ混合することが好ましい。
具体的には、汚水中における三価の金属塩に含まれる金属イオンのモル数(物質量)をM、酸性高分子化合物に含まれる酸性基のモル数をPA、並びに有機酸のモル数をMAとした場合に、三価の金属塩及び酸性高分子化合物を、下記式(1)を満たすように汚水に混合することが好ましい。
3×M≧MA+PA ・・・式(1)
即ち、上記式(1)は、3モルの陰イオンと三価の金属イオンとがイオン結合するために、三価の金属イオンが1モル以上必要であることを表している。つまり、より確実に凝集物を形成させるためには、過剰量の三価の金属塩を混合することが好ましいことを表している。ただし、単に過剰量の三価の金属塩を混合した場合、汚水の浄化コストが増加する可能性がある。従って、理論量よりも若干多い量の三価の金属塩を汚水に混合することが好ましい。
[1−6.その他の添加剤]
上記のように、本実施形態に係る汚水浄化方法においては、酸性高分子化合物及び三価の金属塩を汚水に混合しているが、それ以外にも、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意の添加剤を汚水に混合することができる。
このような添加剤としては、例えば無機塩が挙げられる。無機塩の具体的な種類に特に制限は無いが、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の硫酸塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の硝酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、自然界に豊富に存在するため容易に入手可能であるという観点から、塩化ナトリウムが好ましい。特に、本実施形態に係る汚水浄化方法を海底油田から排出される汚水(海水が含まれる。)に適用する場合、海水に含まれる塩化ナトリウム濃度は3重量%程度であるので、この程度の量までは塩化ナトリウムを好適に混合することができる。即ち、この程度の量までの塩化ナトリウムの混合であれば、環境への負荷が特に小さいものとすることができる。
特に、汚水中の有機酸に含まれる酸性基の酸性度が低い場合に、添加剤として無機塩を混合することがとりわけ効果的である。その理由は、本発明者らの検討によると、以下のように推察される。
このような酸性基は、三価の金属イオンとのイオン結合を形成する割合が通常は低いものである。そこで、例えば酸性高分子化合物を混合する前に上記の無機塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム等)を汚水に混合することにより、三価の金属イオンとイオン結合する有機酸の割合を増加させることができる。これは、塩を混合して水中に溶解している有機物を析出させる、所謂「塩析」と類似の効果により、汚水中に溶解可能な有機酸の量を低下させることができ、生成する凝集物に有機酸を取り込ませることができるため、除去効率が増加するからであると考えられる。このような作用により、汚水中の有機酸をより効率よく除去することが可能になる。
また、添加剤としては、例えば磁性を帯びた磁性粉も好適に挙げられる。磁性粉の具体的な種類に特に制限は無いが、例えば鉄粉等の金属粉が挙げられる。このような磁性粉を汚水に混合することにより、上記の凝集物に磁性粉が取り込まれ、磁性粉が取り込まれた凝集物に対して、例えば磁石等を用いることにより、汚水からの凝集物の除去が容易になるという利点がある。
なお、添加剤は1種を単独で混合してもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで混合してもよい。また、添加剤の混合量も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、添加剤の種類に応じて適宜設定すればよい。
また、添加剤を汚水に混合するタイミング及びその形態についても、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、例えば添加剤として塩化ナトリウムを混合する場合、凝集物が生成した後に塩化ナトリウムを混合しても凝集物の大きさがそれほど変化せず、有機酸の除去効率に大きな変化が見られない可能性がある。従って、例えば添加剤として塩化ナトリウムを混合する場合には、凝集物が生成する前(即ち、酸性高分子化合物及び三価の金属塩を混合する前)に塩化ナトリウムを混合することが好ましい。
また、例えば添加剤として磁性粉を混合する場合、上記の酸性高分子化合物又は三価の金属塩と磁性粉とを予め混合して磁性体混合物を得て、当該磁性体混合物を汚水に混合することが好適である。即ち、例えば酸性高分子化合物と磁性粉とを予め混合し、当該混合物と三価の金属塩とを別々に汚水に混合する構成とすることができる。また、例えば磁性粉と予め混合した酸性高分子化合物と、磁性粉と予め混合した三価の金属塩とを、別々に汚水に混合する構成としてもよい。ただし、いずれの場合においても、酸性高分子化合物と三価の金属塩とを混合した時点で凝集物が生成するため磁性粉を凝集物に含有させることが困難になるため、凝集物が生成する前に磁性粉を混合することが特に好ましい。
さらに、後述する、凝集物除去後の汚水(即ち清浄水)のpHを調整するために酸若しくは塩基を清浄水に混合する場合、凝集物を除去した後に酸若しくは塩基を混合することが好ましい。
[1−7.pH]
本実施形態に係る汚水浄化方法が適用される汚水は有機酸が含まれるため、通常は酸性(即ちpHが7以下)である。中でも、本実施形態に係る汚水浄化方法が適用される汚水のpHが5以上7以下である場合に、有機酸の除去率が特に高いものとなるため好ましい。
ただし、三価の金属塩や酸性高分子化合物を汚水に混合することにより、汚水は酸性側に傾く(即ちpHが小さくなる。)。従って、凝集物を汚水中でより安定に存在させるという観点(通常はpHが2以上5以下で、凝集物はより安定して存在する。)から、三価の金属塩や酸性高分子化合物を汚水に混合する前に、pHを5以上7以下に調整することが好ましい。即ち、[1−4.混合順序]において記載したように、先に酸性高分子化合物を汚水に混合し、次に三価の金属塩を混合することが好ましいことから、このような場合においては酸性高分子化合物を汚水に混合する前にpHを調整することが好ましい。また、先に三価の金属塩を混合する場合であっても、同様にはじめにpHを調整することが好ましい。
また、上記のように、汚水中の凝集物が通常pH2以上5以下の場合に特に安定して存在していることから、凝集物の除去もこのようなpHで行われることがある。従って、凝集物除去後の汚水(即ち清浄水)のpHも2以上5以下であることがある。このような清浄水を例えば河川等にそのまま排出した場合、環境に対する負荷が大きなものとなる可能性が高いことから、河川等に排出する前にpHを中性側に近付けてから排出することが好ましい。具体的には、上記清浄水のpHを5以上7以下に調整することが好ましい。
なお、上記のpHの調整方法に特に制限は無いが、無機酸若しくは無機塩基を用いて行うことが好ましい。
[1−8.その他の事項]
本実施形態に係る汚水浄化方法における「混合」とは、例えば攪拌手段等による「混合」の意味を含むだけではなく、本発明の効果を著しく損なわない限り、単なる「添加」の意味も含むものとし、「混合」との意味は、最も広義に解釈されるものとする。即ち、汚水と、少なくとも酸性高分子化合物及び三価の金属塩とが同一の系に存在すれば、本実施形態に係る汚水浄化方法の技術的範囲に含まれるものとする。
ただし、有機酸の除去効率をより高いものとする観点からは、単なる混合ではなく、例えば攪拌手段等によって汚水等を攪拌することが好ましい。攪拌の程度としては、なるべく激しく攪拌する方がより効率的に有機酸を凝集物として除去することができる。しかしながら、攪拌が過度に激しい場合、凝集物が粉砕されて、凝集物の大きさが過度に小さくなる可能性がある。その結果、汚水中から凝集物を除去する場合に用いられる例えば濾過層等が目詰まりを起こしやすくなって処理速度が低下する可能性がある。また、例えば濾過層を用いない場合でも、細かな凝集物が過度に多くなり、除去の手間が必要以上に大きなものとなる可能性がある。従って、攪拌の程度としては、凝集物が過度に粉砕されない程度に行うことが好ましい。
また、本発明者らの検討によると、汚水中に砂や油滴等の懸濁物質(汚濁微粒子)が共存している場合、凝集物にこのような懸濁物質が取り込まれ、凝集物の大型化が起こりやすいことがわかった。中でも、比重の大きな砂が凝集物に取り込まれた場合、当該凝集物は比重が大きなものとなって沈殿しやすくなる。従って、凝集物を例えば予め沈降槽等で沈殿させ、得られた上清を濾過することにより、より好適に凝集物を除去できることもわかった。
また、汚水に含まれうる油滴等も凝集物に取り込まれるため、従来の油滴除去方法であったポリ塩化アルミニウム及びポリアクリルアミドを用いた方法(図10参照)を行う必要が無く、汚水の浄化コストの低減や処理時間の短縮を図ることができるという利点がある。
また、例えばイオン交換樹脂を用いた有機酸の除去方法において、イオン交換樹脂は、粒子径が0.1〜2mm程度の樹脂粒子表面のアミノ基に有機酸がトラップさせるようになっている。従って、樹脂粒子の粒子径が小さいほど粒子の表面積が大きくなるので、多くの有機酸をトラップできる。しかしながら、本実施形態に係る汚水浄化方法においては、混合する酸性高分子化合物及び三価の金属塩が水に溶解した状態になっているため、粒子径があたかも数オングストロームのイオン交換樹脂を用いた場合と同様の高効率で有機酸を除去できる。従って、粒子径が0.1〜2mm程度の粒子を用いたイオン交換樹脂を用いた場合と比べて、はるかに高効率で有機酸を汚水から除去することができる。
また、従来用いられている逆浸透膜の表面に存在する細孔は、上記の濾過層に存在する空隙よりもずっと小さなものであるため、汚水に含まれる汚濁物質によって詰まりやすいという課題がある。しかしながら、本実施形態に係る汚水浄化方法においては、そのような汚濁物質も凝集物によって取り込まれるという利点を有するため、そのような課題が存在せず、高速かつ大量に汚水を処理することができる。
[2.凝集剤]
本実施形態に係る凝集剤は、有機酸を含む汚水に混合することにより前記有機酸を除去可能な凝集剤であって、前記汚水に対して混合される、酸性基を有する水溶性高分子化合物(酸性高分子化合物)と、前記汚水に対して、前記酸性基を有する水溶性高分子化合物とは別々に混合される、三価の金属塩と、を備えるものである。
汚水、酸性高分子化合物及び三価の金属塩については、[1.汚水浄化方法]に記載したものと同様であるため、説明を省略する。
また、本実施形態に係る凝集剤においては、汚水に対して混合される磁性粉をも備えることが好ましい。この磁性粉についても、上記[1.汚水浄化方法]に記載したものと同様であるが、本実施形態に係る凝集剤が備える磁性粉は、上記の汚水に対して混合されるものである。なお、磁性粉についても、例えば好適な例等、[1.汚水浄化方法]に記載したものと同様であるため、説明を省略する。
[3.汚水浄化装置]
次に、本実施形態に係る汚水浄化装置を、具体的に7つの実施形態を挙げて説明する。ただし、本実施形態に係る汚水浄化装置は以下の記載の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施できる。
[3−1.第一実施形態]
図2は、第一実施形態に係る汚水浄化装置を模式的に表す図である。第一実施形態に係る汚水浄化装置100は、汚水に含まれる有機酸を除去する汚水浄化装置であって、汚水に酸性基を有する水溶性高分子化合物(酸性高分子化合物)を添加する酸性高分子化合物添加手段と、汚水に三価の金属塩を添加する金属塩添加手段と、汚水から、生成した凝集物を除去する凝集物除去手段と、を備えているものである。
図2を参照しながら、汚水の流れ、並びに、当該汚水からの有機酸及び凝集物の除去方法を説明する。なお、図2中、黒矢印が汚水の供給方向であり、白矢印が清浄水(汚水から凝集物を除去した後のもの)の排出方向である。
はじめに、汚水は配管22を通って第一の混合槽23に供給される。この際、汚水の供給量は、供給量調整バルブとしての機能も有するポンプ(以下、全てのポンプが同様の機能を有するものとする。)21により調整される。また、混合槽23には汚水のpHを計測するpH計測手段(図示しない。)が設けられている。
第一の混合槽23に供給された汚水は、pH計測手段によりそのpHが計測される。計測されたpHが7より大きい場合には、汚水のpHが5以上7以下となるように、塩酸タンク25aからポンプ26a及び配管26を介して塩酸が第一の混合槽23に供給される。同様に、汚水にpHが5未満の場合には、汚水のpHが5以上7以下となるように、水酸化ナトリウム水溶液タンク25bからポンプ26b及び配管27を介して水酸化ナトリウム水溶液が第一の混合槽23に供給される。従って、塩酸タンク25a及び水酸化ナトリウム水溶液タンク25bが、酸塩基添加手段として機能するようになっている。
なお、第一の混合槽23内に設けられたオーバーヘッドスターラ24によって、汚水は常に攪拌されているものとする。
上記のようにpHが調整された汚水に対して、酸性高分子化合物タンク(酸性高分子化合物添加手段)28よりポンプ29及び配管30を介して酸性高分子化合物が供給される。この際の供給量は、上記[1−5.混合量]に記載の量となるように混合すればよい。そして、第一の混合槽23にて酸性高分子化合物28が混合された汚水は、ポンプ31及び配管32を介して第二の混合槽33に供給される。なお、第二の混合槽33においても、第一の混合槽23と同様にオーバーヘッドスターラ34が設けられ、常に汚水が攪拌されるようになっている。
第二の混合槽33に供給された酸性高分子化合物が混合された汚水に対して、三価の金属塩水溶液タンク(金属塩添加手段)35から、ポンプ36及び配管37を介して、第二の混合槽33に三価の金属塩水溶液が供給される。なお、配管37の先端部42は、図2に示すように、その先端方向が拡がって形成されている。これは、三価の金属塩水溶液が汚水表面に到達すると同時に有機酸を含んで凝集が始まるためである。従って、狭い範囲の汚水表面に供給すると、供給した三価の金属塩水溶液が凝集物に内包されてしまい、当該水溶液を供給しても更なる凝集物生成に活かされない可能性がある。そのため、先端部42をこのように形成することにより、三価の金属塩水溶液を広範囲な汚水液面に対して供給することができ、より効率的に凝集物を生成することができる。
このように汚水に対して酸性高分子化合物及び三価の金属塩が混合されると、凝集物が生成する。従って、第二の混合槽33下部に設けられた片方のバルブ38(図2においては左側)を開けることにより凝集物とともに汚水が濾過部(凝集物除去手段)39に流入する。濾過部39は濾過層40及び多孔質層41により構成されている。濾過層40は砂であり、濾過層40に凝集物を含む汚水が到達することにより、凝集物は濾過層40を透過せずにその上部に蓄積される。その後、凝集物が除去された汚水は、さらに多孔質層41を透過して清浄水として、第一実施形態に係る汚水清浄装置100から排出される。
なお、第一実施形態に係る汚水浄化装置100においては、濾過部39を2つ設けている。このように構成することにより、初めに左側の濾過部39にて凝集物の除去を行っているうちに濾過層が詰まって濾過速度が低下した場合に、左側のバルブ38を閉じて右側のバルブ38を開けることにより、右側の濾過部39に切り替えて汚水の濾過及び凝集物の除去を行うことができる。そして、右側の濾過部39にて濾過処理中に左側の濾過部39を交換する等の処置を行うことで、濾過処理速度を極力低下させないようにすることができる。
また、第一実施形態に係る汚水浄化装置100においては、配管32の先端部、並びに配管37の先端部42は、汚水の液面に接触しないように構成されている。このように構成することにより、第二の混合槽33にて生成する凝集物が上記の先端部に付着して配管が閉塞することを防止することができる。
[3−2.第二実施形態]
図3は、第二実施形態に係る汚水浄化装置200を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。
第二実施形態に係る汚水浄化装置200においては、第一実施形態に係る汚水浄化装置100における濾過部39の代わりに沈降槽43を有する。第二の混合槽33からの凝集物を含む汚水は沈降槽43に供給され、沈降槽43において比重の重い凝集物8が沈殿し、それらの上清が清浄水として汚水浄化装置200から排出されるようになっている。なお、第二実施形態に係る汚水浄化装置200においては、2段階で沈降させる構成としており、より確実に凝集物8を沈殿させる構成としている。そして、片側の沈降槽43において凝集物8がある程度蓄積されたら、第一実施形態に係る汚水浄化装置100の場合と同様にバルブ38の操作により凝集物8を沈殿させる沈降槽43を入れ替え、処理速度を極力低下させないようにすることができる。なお、図3においては図示していないが、沈降槽43からの上清をさらに濾過し、得られた濾液を清浄水としてもよい。この場合、上清を濾過する濾過層としては、例えば上記凝集物除去手段等を適用することができる。
[3−3.第三実施形態]
図4は、第三実施形態に係る汚水浄化装置300を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。
第三実施形態に係る汚水浄化装置300においては、濾過部39を構成する濾過層40の上部に、表面に凹凸及び孔を有する円板状のディスク44が設けられている。そして、ディスク44は攪拌軸により濾過層攪拌手段45と接続されている。濾過層攪拌手段45はディスク44を回転させる機能を有するとともに、ディスク44を上下方向に移動させる機能も有する。
凝集物を含む汚水を濾過し続けると、濾過層40は凝集物により表面が目詰まりし、濾過速度が低下することがある。そこで、このような場合には、ディスク44を回転及び上下移動させることにより、濾過層40の上部表面に蓄積した凝集物を攪拌させるようにする。これにより、濾過層40の凝集物による目詰まりを解消させることができ、濾過を円滑に行うことができる。
[3−4.第四実施形態]
図5は、第四実施形態に係る汚水浄化装置400を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。
第四実施形態に係る汚水浄化装置400においては、汚水に磁性粉を添加する磁性粉添加手段と、凝集物を汚水から磁気分離法により分離する分離手段とを備えている。汚水浄化装置400においては三価の金属塩水溶液(金属塩水溶液タンク65に収納されている。)と磁性粉(磁性粉タンク68に収納されている。)と予め混合(これらを混合する混合手段は、図5においては図示していない。)し、当該混合物をポンプ66及び配管67を介して、酸性高分子化合物を含む汚水に添加する構成としている。このように構成することにより、凝集物に含まれる磁性粉の単位体積あたりの密度に偏りが生じることなく、凝集物に磁性粉を混合させることができる。従って、図5に示す汚水浄化装置400においては、磁性粉タンク68が磁性粉添加手段として機能している。なお、このような効果は、第一の混合槽23において磁性粉を混合しても得ることができる。
また、配管67の先端部についても、上記の先端部42と同様にその先端方向が拡がって形成され、さらに、配管32の先端部、並びに配管67の先端部73は、汚水の液面に接触しないように構成されている。その理由は、第一実施形態に係る汚水浄化装置100において説明した理由と同様である。
また、ドラム69は磁気を帯びたものとなっており、ドラム69が分離手段として機能するようになっている。また、ドラム69は、表面に孔が形成されており、即ちメッシュ状に形成されている。なお、形成された孔の大きさは、生成する凝集物の大きさよりも小さいものとなっているため、当該孔を通じて凝集物が外部へ排出されることはない。従って、第二の混合槽33において生成した磁性粉を含んだ凝集物は、ドラム69に吸着するようになっている。そして、汚水浄化装置400におけるドラム69は時計回りに回転するようになっており、吸着した凝集物はスクレイパ70により掻き落とされ、下面がメッシュ状に形成された凝集物集積容器71に収集されるようになっている。そして、掻き落とされた凝集物は多くの水(清浄水)を含んでいるので、凝集物蓄積容器71下部に設けられたメッシュを通じて、汚水浄化装置400外部へ排出される。
また、ドラム69に吸着した凝集物も同様に多くの水(清浄水)を含んでいるため、このような清浄水はドラム69の表面に設けられたメッシュを通じ、ドラム69の中心部分に接続された配管72を通じて、汚水浄化装置400外部へ排出されるようになっている。
なお、第四実施形態に係る汚水浄化装置400の変更例として、磁気を帯びたドラム69を設けず、沈降槽を設ける構成としてもよい。磁性粉を含む凝集物は比重が大きいためより沈殿しやすく、例えば沈降槽において大部分の凝集物を沈殿させた後、残りの凝集物を含む汚水(即ち上清)を濾過するようにしてもよい。このようにすることで、磁気分離を行わなくとも、汚水の浄化が可能となる。
[3−5.第五実施形態]
図6は、第五実施形態に係る汚水浄化装置500を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100、並びに、図5に示す第四実施形態に示す汚水浄化装置400と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。
第五実施形態に係る汚水浄化装置500においては、磁気を帯びたドラム69に加えて、さらに、磁気を帯びたドラム74が設けられている。このドラム74も、ドラム69と同様に時計回りに回転可能に設けられている。ドラム69表面に形成された孔を通じて清浄水が外部へ排出されることは上記のとおりであるが、第五実施形態に係る汚水浄化装置500においては、ドラム69の内部からドラム74の方向に水が噴き出すように構成されている。ドラム69内部からドラム74の方向に水を噴出させるようにすることにより、ドラム69に吸着した凝集物をドラム74に吸着させることができる。
ドラム74の表面に孔は形成されておらず、即ちメッシュ形状ではなく滑らかな金属板により形成されているため、ドラム74表面をスクレイパ70で掻く際に孔に引っ掛かることがなく、スクレイパ70等を破損する可能性が無い。
[3−6.第六実施形態]
図7は、第六実施形態に係る汚水浄化装置600を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100、並びに、図6に示す第四実施形態に示す汚水浄化装置500と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。
第六実施形態に係る汚水浄化装置600においては、磁気分離を第二の混合槽33にて行うのではなく、別の槽(凝集物除去槽75)にて行うようになっている。即ち、第二の混合槽33において生成した凝集物とともに汚水が凝集物除去槽75に供給され(供給量はバルブ76により行うことができる。)、凝集物除去槽75に設けられた分離手段により、清浄水を外部へ排出することができる。
汚水浄化装置600をこのように構成することにより、上記のように磁性粉を含む凝集物は沈殿しやすいことから、第二の混合槽33にて生成した凝集物は第二の混合槽33の底部に沈殿し、凝集物沈殿槽75に供給される凝集物の量は少ないものとなる。従って、ドラム69がより詰まりにくいものとなり、ドラム69のメンテナンスの軽減が図れるという利点が得られる。
[3−7.第七実施形態]
図8は、第七実施形態に係る汚水浄化装置700を模式的に表すものである。図2に示す汚水浄化装置100、並びに、図6に示す第五実施形態に示す汚水浄化装置500と同様のものは同様の符号にて表しているため、その説明を省略する。ただし、第七実施形態に係る汚水浄化装置700におけるドラム74は、反時計回りに回転するようになっている。
第七実施形態に係る汚水浄化装置700においても、上記汚水浄化装置600と同様に凝集物除去槽77を設けている。しかし、汚水浄化装置600における凝集物除去槽75の場合とは異なり、凝集物除去槽77の底部とドラム74との距離が短いものとなっている。従って、汚水中に含まれる凝集物をほぼ完全にドラム74に吸着させることができる。従って、ドラム1個で凝集物をほぼ完全に除去することができ、汚水浄化装置600の省スペース化が図れる。
[4.油分抽出システム]
次に、上記の汚水浄化装置を用いた、油分抽出システムの一例を具体例を挙げて説明する。図9は、本実施形態に係る油分抽出システムの全体を模式的に表す図である。図9に示すように、本実施形態に係る油分抽出システムは、上記の汚水浄化装置83と、オイルサンドに水蒸気を吹き込むことによりオイルサンドから油分を抽出する油分抽出手段81と、水蒸気を発生させる水蒸気発生手段85と、を備え、凝集物を燃焼させることにより発生する熱を用いて、凝集物を除去した後の清浄水を水蒸気に変換するものである。
なお、図9において、黒矢印は汚水を、白矢印は清浄水若しくは清浄水蒸気を、斜線矢印は凝集物のフローを表している。また、抽出した油分のフローは図示していないが、通常は後述する精油工程に供される。
油分抽出手段81は、オイルサンドに水蒸気を吹き込むことによりオイルサンドから油分を抽出するものである。具体的な構成としては、公知の任意の抽出方法を用いることができる。油分抽出手段81においては、オイルサンドに水蒸気が吹き込まれることにより油分が加熱されて粘度が低下し、水蒸気由来の熱水と当該油分とが混合した汚濁水として砂から分離するようになっている。このような汚濁水は放置することにより比重の差異により油層と水層とに分離し、上層の油層(所謂「ピチュメン」と呼称されるものである。)を回収することにより、オイルサンドから油分を抽出することができる。そして、抽出された油分は精油工程で沸点の差異により例えばナフサ、ガソリン、重油、アスファルト等に分離され、各種産業で用いられる。
一方で、下層の水層(汚水)には、上記の有機酸が大量に含まれる。そのため、このような汚水は、環境への負荷を減らすために、汚水浄化装置83にて有機酸が除去される。なお、本実施形態に係る油分抽出システムに備えられる汚水浄化装置83は、上記の汚水浄化装置であるが上記の具体例に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更した汚水浄化装置を用いることができる。
水蒸気発生手段85は、水を、オイルサンドから油分を抽出するための水蒸気に変換するものである。具体的な構成としては、公知の任意の抽出方法を用いることができるが、使用される水としては、図9に示すように汚水浄化装置83から排出された清浄水を用いることが好ましい。また、本実施形態に係る油分抽出システムにおいては、汚水浄化装置83から排出された凝集物を燃焼させることにより生じる熱を用いて、液体の水を気体の水(水蒸気)に変換させるようになっている。凝集物は、上記のように有機酸、酸性高分子化合物等を含んでいるため、水蒸気を発生させるための燃料の一部として好適に用いることができ、廃棄物を削減できるという利点がある。なお、汚水浄化装置83から水蒸気発生手段85への凝集物の移送手段は特に制限されないが、例えばベルトコンベア等を用いることができる。
以下、実施例を挙げて本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
有機酸としてナフテン酸を用い、「模擬汚水」を調製した。
ナフテン酸は環状炭化水素にカルボキシル基が結合した化合物の総称であり、環のサイズ、分岐のアルキル鎖の有無などにより分子量は異なる。なお、本実施例において使用したナフテン酸としては東京化成工業社製の市販品を用い、その平均分子量は220であった。このナフテン酸に含まれるカルボキシル基(酸性基)をアンモニウム塩の構造にし、ナフテン酸が220ppmの濃度で溶解している模擬汚水1L(含まれるナフテン酸の物質量は1mmol)を調製した。この模擬汚水のpHは6.9であった。
(実施例1)
上記模擬汚水を攪拌中、酸性高分子化合物としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸(数平均分子量は250000)の5重量%水溶液1.44g(この水溶液に含まれるカルボキシル基の物質量としては1mmol)を加えてよく攪拌した。その後、三価の金属塩として塩化鉄(III)の10重量%水溶液1.62g(この水溶液に含まれる鉄(III)イオンの物質量としては1mmol)を加えたところ凝集物が生成した。この凝集物を濾取し、濾過液についてのTOC(Total Organic Carbon)濃度を測定することにより、濾過液に含まれるナフテン酸の量を定量した。具体的には、JIS K0102 「燃焼酸化−赤外線分析法」に従ってTOC濃度を測定した。なお、TOC濃度の測定装置としては、全有機体炭素計 TOC−5000(島津製作所社製)を用いた。
得られたTOC濃度は、模擬汚水に含まれる炭素量を表していることから、模擬汚水にはナフテン酸由来の炭素以外は含まれていないものと仮定して、模擬汚水に含まれるナフテン酸を定量した。その結果、濾過液に含まれるナフテン酸濃度は10ppm(模擬汚水1L中の量としては45μmol)であった。
また、同じ濾過液について、高速液体クロマトグラフィで定量したところ、ナフテン酸濃度は10ppmであった。従って、以下のナフテン酸濃度測定においては、より簡便なTOC濃度を測定することにより濾過液中のナフテン酸を定量した。
そして、除去効率を以下の式(2)に従って算出した。

除去効率(%)=100−{(濾過後の水溶液に含まれるナフテン酸量)/(模擬汚水に含まれるナフテン酸量)}×100 ・・・(2)

その結果、除去効率は95%であった。この結果を表1にまとめた。
(実施例2)
塩化鉄(III)の10重量%水溶液の代わりに10重量%硫酸鉄水溶液2g(鉄(III)イオンの物質量としては1mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は10ppm、除去効率は95%であった。
(実施例3)
塩化鉄(III)の10重量%水溶液の代わりに10重量%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.06g(アルミニウムイオンの物質量としては1mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は10ppm、除去効率は95%であった。
(実施例4)
塩化鉄(III)の10重量%水溶液の代わりに10重量%硫酸アルミニウム水溶液1.71g(アルミニウムイオンの物質量としては1mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は10ppm、除去効率は95%であった。
以上の結果をまとめた表1を以下に示す。
Figure 2012045522
表1より、鉄やアルミニウム等の三価の金属の塩酸塩、あるいは硫酸塩といった金属塩を用いることにより、ナフテン酸を高効率で除去可能であることが明らかとなった。
(実施例5〜7)
塩化鉄(III)の10重量%水溶液の混合量を、1.08g、1g、0.9gと変えたこと以外は実施例1と同様にして凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた(それぞれ実施例5〜7)。その結果を表2に示す。
Figure 2012045522
※ 表2中、「鉄イオン量」とは、混合した塩化鉄(III)水溶液中の鉄(III)イオンの物質量である。
水溶液に含まれる鉄イオンは三価であるため、ナフテン酸、ポリアクリル酸のカルボキシル基を最大3個までイオン結合により捕捉可能である。模擬汚水中のナフテン酸及びポリアクリル酸のカルボキシル基の物質量の合計は2mmolなので、理論上、鉄イオンは最低でもその1/3のモル数である0.67mmolあればよいことになる。
上記表2に示した結果もそれを支持しており、塩化鉄(III)水溶液混合量が1.08gのとき(実施例5)、混合された鉄(III)イオンが0.67mmolなので、模擬汚水のナフテン酸の濃度を10ppmまで下げることが可能であった。しかし、それより鉄(III)イオンが少なくなると(実施例6及び7)、ナフテン酸を捕捉するために十分な鉄(III)イオンが含まれていないため、模擬汚水のナフテン酸の除去効率は依然として高いものの、徐々に除去効率が低下した。従って、上記式(1)を満たす場合に、特に除去効率が向上することがわかった。
(実施例8)
模擬汚水調製の際、ナフテン酸をアンモニウム塩構造ではなくナトリウム塩構造として用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。この際、模擬汚水のpHは7.7であった。その結果、ナフテン酸濃度は30ppm、除去効率は86%であった。
(実施例9〜14)
模擬汚水に10重量%塩酸を加えて、pHを7.1、6.9、6.2、5.1、4.9、4.5に調整した模擬汚水を用いたこと以外は実施例8と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。また、凝集物除去後の汚水(清浄水)のpHも求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2012045522
表3の結果から、汚水のpHを凝集物生成前に予め5〜7に調整しておくことで、有機酸の除去効率が特に向上することがわかった。
ところで、清浄水のpHは用いた塩化鉄の影響で酸性側にシフトする。あまり酸性度が高くなると、その後通過する各種配管が金属の場合は腐食する可能性がある。また、河川や地下水に混入した場合も酸性度が高いと生態系に影響を与える可能性がある。そこで、凝集除去後の濾液に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性物質を加えて、液性を弱酸性から中性に調整することで、これらの懸念を解消することが可能となる。具体的にはpHが5〜7に調整することが望ましい。
実際に、上記清浄水に10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5〜7に調整することにより、SUS等の配管の腐食が防げた。また、急性毒性を調べるマイクロトックス試験の結果、液性をpH5〜7に調整することにより、試験で用いる細菌による蛍光強度がほとんど低下しなかった。
以上の結果より、清浄水のpHを5〜7に調整することにより、清浄水の急性毒性を低減したり、清浄水による配管の腐食を防止したりすることができることが明らかになった。
(実施例15)
ポリアクリル酸の5重量%水溶液1.44gの代わりにポリメタクリル酸の5重量%水溶液1.72g(カルボキシル基の物質量としては1mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は10ppm、除去効率は95%であった。従って、酸性高分子化合物としてポリアクリル酸の代わりにポリメタクリル酸を用いても、汚水に溶解している有機酸を除去できることが明らかとなった。
(実施例16)
ポリアクリル酸の5重量%水溶液1.44gの代わりにポリスチレンスルホン酸の10重量%水溶液1.84g(スルホン酸基の物質量としては1mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は10ppm、除去効率は95%であった。従って、酸性高分子化合物としてスルホン酸基を有する水溶性高分子を用いても、水に溶解している有機酸を除去できることが明らかとなった。
(実施例17)
塩化鉄(III)水溶液を加える前に5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液を10g加えたこと以外は実施例1と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は6ppm、除去効率は97%であった。従って、塩化ナトリウムを混合することにより、有機酸の除去効率をより向上させることができることが明らかとなった。
(実施例18)
5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液の添加量を30gにしたこと以外は実施例17と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は5ppm、除去効率は98%であった。従って、混合する塩化ナトリウム量を増加させることにより、有機酸の除去効率をよりさらに向上させることができることが明らかとなった。
(実施例19)
5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液10gの代わりに7.45重量%の塩化カリウム水溶液10gを用いたこと以外は実施例17と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は6ppm、除去効率は97%であった。
(実施例20)
5.85重量%の塩化ナトリウム水溶液10gの代わりに6重量%の硫酸マグネシウム水溶液20gを用いたこと以外は実施例17と同様にして、凝集物濾過後の水溶液中のナフテン酸濃度及び除去効率を求めた。その結果、ナフテン酸濃度は6ppm、除去効率は97%であった。
実施例17〜20の結果より、種々の無機塩を添加することで、有機酸の除去効率をより向上させられることが明らかとなった。
(実施例21)
実施例1において、塩化鉄(III)水溶液とフェライト系の磁性粉100mgとを混合した後、当該混合物を模擬汚水に添加した。凝集物が生成後、模擬汚水内に永久磁石を入れて30秒後に引き上げると、凝集物の約90%が磁石表面に付着した。残りの凝集物は混合槽の内壁にこびり付いていた。凝集物を除去した後の模擬汚水(清浄水)中のナフテン酸の濃度は10ppm、除去効率は95%であった。
以上より、磁性粉を用いることにより、濾過を行わなくとも汚水中から有機酸を除去できることが明らかとなった。
なお塩化鉄(III)水溶液の代わりに酸性高分子化合物と磁性粉とを混合し、当該混合物を模擬汚水に混合した場合であっても、同様の結果が得られた。
(比較例)
比較例として、図10に示す従来用いられている技術を行った。
上記模擬汚水1Lを攪拌中、10重量%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.71g(アルミニウムイオンの物質量としては1mmol)を加えた。その結果、模擬汚水は若干濁ったものの、沈殿は発生しなかった。
その後、ポリアクリルアミド(数平均分子量は1000000)の1重量%水溶液7.1g(繰り返し単位の物質量としては1mmol)を加えた。しかし、模擬汚水は若干濁ったままで、沈殿は発生しなかった。
そこで、この模擬汚水を24時間静置したところ、容器の底にわずかな沈殿が見られた。濾過によりこの沈殿を除去した後、濾液のナフテン酸量を実施例1と同様にして測定した。その結果、ナフテン酸の濃度は210ppm、除去効率は5%であった。
以上の結果より、水中に縣濁している物質を除去する凝集剤であるポリ塩化アルミニウム、ポリアクリルアミドを用いた場合、即ち従来技術を用いた場合では、水に溶解している有機酸はほとんど除去されないことが明らかとなった。
1 マイクロフロック
2 汚濁微粒子
3 フロック
4 磁性粉
5 有機酸
6 酸性基を有する水溶性高分子化合物(酸性高分子化合物)
7 三価の金属塩
8 凝集物
21,26a,26b,29,31,36,66 ポンプ
22,26,27,30,32,37,67,72,82,84,86 配管
23 第一の混合槽
24,34,64,68 オーバーヘッドスターラ
25a 塩酸タンク(酸塩基添加手段)
25b 水酸化ナトリウム水溶液タンク(酸塩基添加手段)
28 酸性高分子水溶液タンク(酸性高分子化合物添加手段)
33 第二の混合槽
35 三価の金属塩水溶液タンク(金属塩添加手段)
38 バルブ
39 濾過部(凝集物除去手段)
40 濾過層
41 多孔質層
42 先端部
43 沈降槽
44 ディスク
45 濾過層攪拌手段
65 三価の金属塩水溶液タンク(金属塩添加手段)
68 磁性粉タンク(磁性粉添加手段)
69,74 ドラム(分離手段)
70 スクレイパ
71 凝集物集積容器
73 先端部
75 凝集物除去槽
76 バルブ
77 凝集物除去槽
81 油分抽出プラント
83 汚水浄化装置
85 水蒸気発生手段
87 ベルトコンベア
100,200,300,400,500,600,700 汚水浄化装置

Claims (24)

  1. 汚水に含まれる有機酸を除去する汚水浄化方法であって、
    前記汚水に対して、酸性基を有する水溶性高分子化合物と、三価の金属塩と、を別々に混合して前記有機酸を含む凝集物を生成させ、
    該凝集物を除去することにより前記汚水に含まれる前記有機酸を除去する
    ことを特徴とする、汚水浄化方法。
  2. 前記三価の金属塩が鉄(III)と無機酸との塩である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の汚水浄化方法。
  3. 前記酸性基がカルボキシル基である
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の汚水浄化方法。
  4. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物がポリアクリル酸である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  5. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物の数平均分子量が2000以上1000000以下である
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  6. 前記汚水に対して、磁性粉を混合する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  7. 前記酸性基が、アンモニア若しくはアルカリ金属と塩を形成している
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  8. 前記汚水中における前記三価の金属塩に含まれる金属イオンのモル数をM、前記酸性基を有する水溶性高分子化合物に含まれる酸性基のモル数をPA、並びに前記有機酸のモル数をMAとした場合に、前記三価の金属塩及び前記酸性基を有する水溶性高分子化合物が下記式(1)を満たすように前記汚水に混合される
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
    3×M≧MA+PA ・・・式(1)
  9. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物又は前記三価の金属塩と、前記磁性粉と、を混合して磁性体混合物を得、該磁性体混合物を前記汚水に混合する
    ことを特徴とする、請求項6に記載の汚水浄化方法。
  10. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物又は前記三価の金属塩を予め水に溶解して水溶液を得、該水溶液を前記汚水に混合する
    ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  11. 前記汚水のpHを5以上7以下に調整した後、前記酸性基を有する水溶性高分子化合物、及び、三価の金属塩を前記汚水に混合する
    ことを特徴とする、請求項1〜10の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  12. 前記凝集物を除去した後の清浄水のpHを5以上7以下に調整する
    ことを特徴とする、請求項1〜11の何れか1項に記載の汚水浄化方法。
  13. 前記pHの調整が、無機酸若しくは無機塩基を用いて行われる
    ことを特徴とする、請求項11又は12に記載の汚水浄化方法。
  14. 有機酸を含む汚水に混合することにより前記有機酸を除去可能な凝集剤であって、
    前記汚水に対して混合される、酸性基を有する水溶性高分子化合物と、
    前記汚水に対して、前記酸性基を有する水溶性高分子化合物とは別々に混合される、三価の金属塩と、
    を備える
    ことを特徴とする、凝集剤。
  15. 前記三価の金属塩が鉄(III)と無機酸との塩である
    ことを特徴とする、請求項14に記載の凝集剤。
  16. 前記酸性基がカルボキシル基である
    ことを特徴とする、請求項14又は15に記載の凝集剤。
  17. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物がポリアクリル酸である
    ことを特徴とする、請求項14〜16の何れか1項に記載の凝集剤。
  18. 前記酸性基を有する水溶性高分子化合物の数平均分子量が2000以上1000000以下である
    ことを特徴とする、請求項14〜17の何れか1項に記載の凝集剤。
  19. さらに、前記汚水に対して混合される磁性粉を備える
    ことを特徴とする、請求項14〜18の何れか1項に記載の凝集剤。
  20. 前記酸性基が、アンモニア若しくはアルカリ金属と塩を形成している
    ことを特徴とする、請求項14〜19の何れか1項に記載の凝集剤。
  21. 汚水に含まれる有機酸を除去する汚水浄化装置であって、
    前記汚水に酸性基を有する水溶性高分子化合物を添加する酸性高分子化合物添加手段と、
    前記汚水に三価の金属塩を添加する金属塩添加手段と、
    前記汚水から、生成した凝集物を除去する凝集物除去手段と、
    を備えている
    ことを特徴とする、汚水浄化装置。
  22. 前記汚水のpHを計測するpH計測手段と、
    前記汚水に酸若しくは塩基を添加する酸塩基添加手段と、
    を備えている
    ことを特徴とする、請求項21に記載の汚水浄化装置。
  23. 前記汚水に磁性粉を添加する磁性粉添加手段と、
    前記凝集物を前記汚水から磁気分離法により分離する分離手段と、
    を備えている
    ことを特徴とする、請求項21又は22に記載の汚水浄化装置。
  24. 請求項21〜23の何れか1項に記載の汚水浄化装置と、
    オイルサンドに水蒸気を吹き込むことにより前記オイルサンドから油分を抽出する油分抽出手段と、
    前記水蒸気を発生させる水蒸気発生手段と、
    を備え、
    前記凝集物を燃焼させることにより発生する熱を用いて、前記凝集物を除去した後の清浄水を前記水蒸気に変換する
    ことを特徴とする、油分抽出システム。
JP2010192361A 2010-08-30 2010-08-30 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム Expired - Fee Related JP5343051B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010192361A JP5343051B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム
CA2750648A CA2750648C (en) 2010-08-30 2011-08-29 Water purification method, coagulant, water purifying apparatus and oil extracting system using the apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010192361A JP5343051B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012045522A true JP2012045522A (ja) 2012-03-08
JP5343051B2 JP5343051B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=45773638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010192361A Expired - Fee Related JP5343051B2 (ja) 2010-08-30 2010-08-30 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5343051B2 (ja)
CA (1) CA2750648C (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013010084A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Hitachi Ltd 水処理プロセス及びその浄水装置
JP2015039664A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 株式会社日立製作所 水処理方法及び有機物の凝集剤

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105293663A (zh) * 2015-11-24 2016-02-03 安徽建筑大学 一种污水处理用磁性混凝剂

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000237760A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Japan Organo Co Ltd 有機性廃水処理方法
JP2001353407A (ja) * 2000-02-29 2001-12-25 Sanyo Chem Ind Ltd 原油増産用添加剤または高分子凝集剤
JP2003047971A (ja) * 2001-08-02 2003-02-18 Japan Organo Co Ltd 排水処理方法
JP2004052117A (ja) * 2002-07-16 2004-02-19 Kao Corp 吸水性複合体の製造法
JP2004255290A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Toshikatsu Hamano 高分子凝集剤と酸化剤を用いた原油含有排水の廃水処理方法
JP2005113540A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Hitachi Ltd 生産物処理システム
JP2005118612A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Hitachi Ltd 生産物処理システム
JP2005177532A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Hitachi Ltd 油汚濁水処理装置
WO2006049149A1 (ja) * 2004-11-05 2006-05-11 Hitachi, Ltd. 油田随伴水中の有機物の除去方法および除去装置
JP2008279435A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Hitachi Ltd 廃水中に含まれる有機物の処理方法、処理装置、及び処理システム、並びにビチュメン回収システム
JP2010172815A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 排水浄化用凝集剤、並びにこれを用いた排水浄化方法及び排水浄化装置
JP2010172814A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 浄水用凝集剤、並びにこれを用いた浄水方法及び浄水装置
JP2011036746A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Hitachi Ltd 凝集剤,凝集剤を用いた汚水浄化方法及び凝集剤を用いた浄水装置
JP2012232308A (ja) * 2012-07-30 2012-11-29 Hitachi Plant Technologies Ltd 浄水装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000237760A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Japan Organo Co Ltd 有機性廃水処理方法
JP2001353407A (ja) * 2000-02-29 2001-12-25 Sanyo Chem Ind Ltd 原油増産用添加剤または高分子凝集剤
JP2003047971A (ja) * 2001-08-02 2003-02-18 Japan Organo Co Ltd 排水処理方法
JP2004052117A (ja) * 2002-07-16 2004-02-19 Kao Corp 吸水性複合体の製造法
JP2004255290A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Toshikatsu Hamano 高分子凝集剤と酸化剤を用いた原油含有排水の廃水処理方法
JP2005113540A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Hitachi Ltd 生産物処理システム
JP2005118612A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Hitachi Ltd 生産物処理システム
JP2005177532A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Hitachi Ltd 油汚濁水処理装置
WO2006049149A1 (ja) * 2004-11-05 2006-05-11 Hitachi, Ltd. 油田随伴水中の有機物の除去方法および除去装置
JP2008279435A (ja) * 2007-04-09 2008-11-20 Hitachi Ltd 廃水中に含まれる有機物の処理方法、処理装置、及び処理システム、並びにビチュメン回収システム
JP2010172815A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 排水浄化用凝集剤、並びにこれを用いた排水浄化方法及び排水浄化装置
JP2010172814A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Plant Technologies Ltd 浄水用凝集剤、並びにこれを用いた浄水方法及び浄水装置
JP2011036746A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Hitachi Ltd 凝集剤,凝集剤を用いた汚水浄化方法及び凝集剤を用いた浄水装置
JP2012232308A (ja) * 2012-07-30 2012-11-29 Hitachi Plant Technologies Ltd 浄水装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013010084A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Hitachi Ltd 水処理プロセス及びその浄水装置
JP2015039664A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 株式会社日立製作所 水処理方法及び有機物の凝集剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP5343051B2 (ja) 2013-11-13
CA2750648A1 (en) 2012-02-29
CA2750648C (en) 2015-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5277997B2 (ja) 浄水方法
JP5352256B2 (ja) 排水浄化用凝集剤、並びにこれを用いた排水浄化方法及び排水浄化装置
JP6358519B1 (ja) 土壌浄化システム
US20050258103A1 (en) Methods for removing heavy metals from water using chemical precipitation and field separation methods
WO2016147708A1 (ja) スクラバ排水の処理方法及びスクラバ排水の処理装置
JP5222808B2 (ja) 凝集剤,凝集剤を用いた汚水浄化方法及び凝集剤を用いた浄水装置
WO2013128711A1 (ja) 凝集剤および凝集方法、水処理装置
JP2015502849A (ja) 水を処理するための工程及びプラント
JP5629650B2 (ja) 水処理プロセス及びその浄水装置
JP5343051B2 (ja) 汚水浄化方法、凝集剤、並びに汚水浄化装置及びそれを用いた油分抽出システム
JP2003170007A (ja) 洗車排水処理用の凝集剤
JP2010247057A (ja) 微粒子化法と膜除去法との組み合せによる水の浄化方法。
JP4165392B2 (ja) 油汚濁水処理装置
CN101698545B (zh) 一种脱硫循环水净化处理的设备及方法
JP5452677B2 (ja) 浄水装置
KR20200041881A (ko) 밸러스트형 청징을 이용한 고 농도의 고형물을 함유하는 액체 스트림의 처리
JP2009050752A (ja) 凝集剤
He et al. Downflow and upflow sand filtration for removing turbid particles with diverse morphological and surface-charge characteristics: Comparisons of filtered water quality and head loss distribution
JP7117101B2 (ja) 水処理方法及び装置
Hethnawi et al. Nanoparticles for Cleaning up Oil Sands Process-Affected Water
JP2013213773A (ja) 放射性物質除去方法及び除去装置
CN103130311A (zh) 一种无机高分子净水剂
JP7189744B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP2013126640A (ja) 油分含有排水処理装置
JP2007319764A (ja) 凝集剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees