JP2010274244A - 鉄鋼製造排水の浄化処理方法 - Google Patents

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【課題】鉄鋼製造工程から排出されるリンス洗浄排水を、より効率よく浄化処理でき、より簡便に効率よく、かつ確実に、処理水中の油分やCOD値を排出規制値以下の高いレベルにすることができる鉄鋼製造排水の浄化処理方法を提供すること。
【解決手段】鉄鋼製造業におけるアルカリ脱脂工程からのリンス洗浄排水を浄化処理する方法であって、処理する原水が、上記リンス洗浄排水に対して、該リンス洗浄排水とは別の、少なくともマグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水を添加混合して、原水中におけるマグネシウム濃度又はカルシウム濃度が、モル濃度基準で、0.05×10-3〜0.4×10-3mol/Lの範囲内になるように調整されたものであり、かつ、該原水に凝集剤を加えて撹拌後、凝集物を加圧浮上処理によって固液分離することを特徴とする鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄鋼製造排水の浄化処理方法に関し、更に詳しくは、特に、鉄鋼製造業におけるリンス洗浄排水中の油分及び有機物をより効率よく処理できる浄化処理方法に関する。
鉄鋼製造業の生産工程では、冷却や、脱脂或いは錆・スケール取り等を目的とした洗浄などに大量の水が使われており、種々の成分を含む排水が生じている。例えば、圧延油を使用する圧延工程におけるアルカリ脱脂工程において使用されるアルカリ液には、油分や、界面活性剤等に起因する有機性物質が多く含まれている。このアルカリ液は、一般的に循環利用されるが、繰り返し使用されることにより、鉄分等のSS(浮遊性物質)が含有され品質が劣化する。このため、定期的に交換されており、その全量をアルカリダンプ排水として廃棄することが行われている。一方、アルカリ脱脂工程の後に行われるリンス洗浄工程で生じる大量のリンス洗浄排水にも、アルカリ液に起因する油分や有機性物質が含まれる。通常、排水中の油分濃度(以下、油分と呼ぶ)は、n−Hex(ノルマルヘキサン)抽出物量で示され、一方、有機物濃度はCOD値(化学的酸素供給量)で示される。上記した鉄鋼製造業におけるアルカリダンプ排水では、油分が600〜4,500mg/L程度、CODが1,500〜4,500mg/L程度の値を示し、リンス洗浄排水でも、油分が10〜50mg/L、CODが15〜40mg/L程度の値を示す。
一方、環境保護の立場から、環境汚染物質が含有されている排水をそのまま公共用水域に放流することを規制しており、環境汚染物質毎に排出規制値が設けられている。上記した各種のアルカリ洗浄排水中の油分やCOD値も規制の対象となっているが、近年、従来にもまして環境保護の重視性が認識されるようになり、排出規制もより強化されたものとなっている。例えば、閉鎖性の海域における現在の処理水放流基準値は、COD<10ppm、油分も3ppm以下と、非常に厳しい処理水放流基準値が設定されている。このため、鉄鋼製造業における上記したようなアルカリ洗浄排水は、油分やCOD値が、この排出規制値以下になるように浄化処理をされた後、処理水を公共用水域へと放流されている。
従来の処理水放流基準値に対して行われている鉄鋼製造におけるアルカリ洗浄排水の浄化処理方法の一つとして、2段凝集処理があるが、この方法では、凝集処理設備を2系列、直列に繋ぐことで排水の浄化処理を行っている。具体的には、先ず、無機凝集剤(例えば、Al系や鉄系のもの)及び有機系凝集剤との組み合わせによる凝集処理を行い、更に、この凝集処理水を、再び無機凝集剤及び有機系凝集剤によって凝集処理することで、アルカリ洗浄排水中の油分や有機物を良好な状態に凝集させ、更に、この凝集物を主に加圧浮上させて固液分離して除去している。
上記した従来の2段凝集処理方法は、例えば、アルカリ洗浄排水を処理した処理水の油分を10mg/L以下、CODを20mg/L以下にすることは可能であるので、一般海域に位置する事業所では、放流水基準値を遵守可能である。しかしながら、例えば、閉鎖性海域に面する事業所など、より厳しい放流水基準を適用される場合においては、処理水の油分やCOD値を安定して処理水放流基準値以下にすることが難しいという課題があった。これに対し、本出願人らは、鉄鋼製造で排出されるアルカリ洗浄排水を浄化処理した場合に、処理水中の油分やCOD値を、確実に且つ経済的に排出規制値以下にすることができる鉄鋼製造排水の浄化処理方法を提案している(特許文献1参照)。
特開2007−252969号公報
上記の方法によって、アルカリ脱脂工程の後に行われるリンス洗浄工程で生じる大量のリンス洗浄排水を浄化した場合、水質基準が比較的緩やかな一般海域に位置する事業所においては、良好な状態での処理が行え、処理水は放流基準値以下に維持できる。しかし、閉鎖性海域に位置する事業所においては、前記した、より厳しい処理水放流基準値を満足することが必要になるので、大量のリンス洗浄排水を浄化した場合、上記した方法でも良好な処理を常に安定して行うことは難しく、放流するには更なる処理が必要となる場合もある。上記した方法の場合も、基本的には凝集剤による凝集及び凝集物の除去によって浄化処理を行うが、その際に、効率のよい浄化処理を行うことができる最適な条件を見出し、特に、処理水の油分が2ppmよりも少ない、例えば、1ppm以下の極めて清浄なものとできることが望まれる。更に、リンス洗浄排水は大量であるため、より経済的で簡便な効率のよい処理技術の開発が要望される。
従って、本発明の目的は、鉄鋼製造工程から排出されるリンス洗浄排水を、より効率よく浄化処理でき、より簡便に、かつ確実に、油分やCOD値が常に安定して極めて清浄な処理水となる鉄鋼製造排水の浄化処理方法を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、鉄鋼製造業におけるアルカリ脱脂工程からのリンス洗浄排水を浄化処理する方法であって、処理する原水が、上記リンス洗浄排水に対して、該リンス洗浄排水とは別の、少なくともマグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水を添加混合して、原水中におけるマグネシウム濃度又はカルシウム濃度が、モル濃度基準で、0.05×10-3〜0.4×10-3mol/Lの範囲内になるように調整されたものであり、かつ、該原水に凝集剤を加えて撹拌後、凝集物を加圧浮上処理によって固液分離することを特徴とする鉄鋼製造排水の浄化処理方法を提供する。
また、本発明の好ましい形態としては、下記のものが挙げられる。前記撹拌を、急速な撹拌後に、G−t=30,000〜120,000の緩慢な速度で行う上記の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。前記凝集物を加圧浮上処理する際に、処理した処理水の20〜40%を処理槽の入口に戻しながら行う上記の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。前記マグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水が、鉄鋼の製造工程から排出される表面処理排水、洗浄酸性排水、又は、洗浄酸性排水を中和処理することにより排出される中和排水の少なくともいずれかを含む上記の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
本発明によれば、鉄鋼の製造工程から排出されるリンス洗浄排水を、より効率よく安定して浄化処理でき、より簡便に、かつ、安定して確実に処理水中の油分及びCOD値を排出規制値以下の清浄なものにすることができる鉄鋼製造排水の浄化処理方法が提供される。本発明によれば、リンス洗浄排水に他の排水を添加混合するという極めて単純な手段によって上記の優れた効果が得られるものであり、その実用価値は極めて高い。
混合原水中のマグネシウム濃度と処理水中の油分濃度との関係。 混合原水の緩速攪拌条件と処理水中のCOD濃度との関係。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、リンス洗浄排水に他の排水、例えば、鉄鋼の製造工程から排出される表面処理排水等の排水を特定の割合で添加混合させ、該混合物を原水として浄化処理を行うことで、リンス洗浄排水を原水として単独で処理した場合に比べて、格段に処理効率が向上することを見出して本発明に至った。より具体的には、表面処理排水等のリンス洗浄排水とは別の排水を添加することで、原水中におけるマグネシウム濃度又はカルシウム濃度が特定の範囲内となるように構成した場合に、その処理効率が格段に向上することを見出して本発明に至った。後述するが、本発明によれば、リンス洗浄排水を処理した場合に、油分が1ppm以下、CODが10ppm以下の極めて清浄な処理水を安定して得ることができるのに対し、原水中におけるマグネシウム濃度又はカルシウム濃度を調整しない場合には、同様の条件で処理したとしても、油分が5ppm程度、CODが20ppm程度となり、処理効率に明らかな有意差が生じる。
本発明では、モル濃度基準で、リンス洗浄排水100に対して、該リンス洗浄排水とは別の、マグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水を、そのマグネシウム濃度又はカルシウム濃度が、0.05×10-3〜0.4×10-3mol/L、より好ましくは、0.1×10-3〜0.3×10-3mol/Lの範囲となるように添加混合し、得られた混合排水を原水として浄化処理する。本発明者らの検討によれば、原水中におけるマグネシウム又はカルシウムの濃度が、0.05×10-3よりも少ないと、上記添加による効果が少なく、更に、その効果が安定して得られない場合がある。また、原水中におけるマグネシウム又はカルシウムの濃度が0.4×10-3mol/Lよりも高いと、凝集性が悪化する傾向があることから、凝集剤注入率の増加を招く。また、混合原水中におけるリンス洗浄排水とは別の排水の量が多くなることから、マグネシウム又はカルシウムの濃度以外の性状が原水に影響を与えるおそれがあり、処理条件の設定を変更する必要が生じるといった実用上の問題もある。
本発明者らは、リンス洗浄排水を処理する場合に、原水中のマグネシウム濃度又はカルシウム濃度を上記した範囲とすることで処理効率が向上する理由を下記のように考えている。原水を本発明のように構成することで、リンス洗浄排水に添加させた排水中の酸化マグネシウム等と、リンス洗浄排水中の油滴等の粒子が荷電中和し、荷電反発がなくなることにより、ファンデルワールス力による分子間引力が荷電反発力を卓越し、分子の集合形成、すなわち凝集が容易になったものと考えている。
本発明で使用する、リンス洗浄排水に添加混合させるリンス洗浄排水とは別の、マグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する他の排水としては、下記のものが挙げられる。例えば、亜鉛鋼板にクロムフリーの表面処理を行う際や、電磁鋼板の表面絶縁被覆処理を行う際に生じる、鉄鋼の製造工程から排出される表面処理排水、鋼板の圧延工程における酸洗浄処理を行う際に排出される酸性洗浄排水、又は、この酸性洗浄排水をpHの安定化のため石灰等のアルカリ剤にて中和した中和処理排水等が挙げられる。これらの排水は、1種類を添加しても、2種類以上を添加してもよい。本発明で重要なことは、これらの排水の添加によって原水中におけるマグネシウム濃度或いはカルシウム濃度を、本発明で規定する特定の範囲内に調整することにある。上記に挙げた中でも、油分が少なく、かつ、適度な量の酸化マグネシウム成分又はカルシウム成分が含有されている上記に挙げた表面処理排水が好適である。すなわち、その濃度にもよるが、原水中におけるマグネシウム濃度等を本発明で規定する範囲にするには、例えば、容積基準で、リンス洗浄排水100に対して、3〜8程度、より好ましくは5〜6程度の割合で、上記表面処理排水を添加混合すれば所望の原水を得ることができる。このように、本発明は、基本的な浄化処理工程を何ら変更することなく、原水であるリンス洗浄排水に、若干量の他の排水を添加混合するという簡単な操作を追加するだけで浄化効率を向上させることができる、極めて経済的な方法である。また、処理水への影響を考慮すると、特に、マグネシウムやカルシウム成分は、固形物である炭酸カルシウムや酸化マグネシウムとして含有されていることが好ましい。
更に、本発明者らは、原水を上記混合液とした場合における最適な凝集条件及び手順について詳細な検討を行った。その結果、使用する凝集剤として、無機凝集剤と高分子凝集剤とを併用することが好ましいことがわかった。無機凝集剤としては、アルミニウム系や鉄系の凝集剤を使用することができる。より具体的には、ポリ塩化アルミニウム(以下、PACと略す)や塩化第二鉄を使用することができる。また、高分子凝集剤としては、ノニオン系の高分子凝集剤よりも強アニオン系の高分子凝集剤を使用することが好ましい。市販されているものとしては、例えば、ノニオン系のものとしてはKEA−455(日鉄環境エンジニアリング製、イオン強度=2〜3CEQ)や、強アニオン系のものとしてはKEA−545(日鉄環境エンジニアリング製、イオン強度=38〜42CEQ)等が挙げられる。これらの使用量としては、例えば、PAC使用量は、原水1リットルあたり100〜200mg程度、高分子凝集剤使用量は、原水1リットルあたり1〜2mg程度とすればよい。
更に、本発明では、原水にこれらの凝集剤を添加した後、原水中の油分や有機物を十分に凝集させ、その後、加圧浮上処理して凝集物を分離することで浄化処理を行うが、その際、下記のような条件で処理すると、より凝集効率及び分離効率を向上させることができるので好ましい。原水に凝集剤を添加後、先ず、パドル式攪拌機においては80〜150rpm、より好ましくは、フラッシュミキサにおいてで数分間、急速撹拌する。そして、その後に、G−t=30,000〜120,000、より好ましくは、G−t=30,000〜90,000程度での条件で数分間、緩速撹拌するとよい。更に、撹拌を停止し、数時間静置して、凝集物を加圧浮上処理によって分離すれば、より清浄な処理水が得られる。このようにすることで、油分が1ppm以下、CODが10ppm以下、の処理水を安定して得ることができる。
本発明においては、凝集物を加圧浮上処理によって固液分離するが、その場合に、原水加圧方式より処理水加圧方式が好ましい。具体的には、得られた処理水の20〜40%、好ましくは30%程度を処理槽に戻して加圧処理するように構成することが好ましい。本発明者らの検討によれば、このようにすることで、処理水を戻すことなく処理する原水加圧方式で加圧浮上処理した場合と比較して、処理水の油分濃度を格段に低減させることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
<原水の調整>
冷間圧延工程から排出されたリンス洗浄排水に、酸化マグネシウムを含む被覆処理工程における表面処理排液を添加し、マグネシウム濃度が異なる9種類の排液を原水として調整した。この際、リンス洗浄排水には、pHが9.2、SSが28mg/L、油分が23mg/L、T−CODが18mg/Lの性状を有するものを使用した。表面処理排液には、pHが10.6、SSが260mg/L、油分が<0.5mg/L、T−CODが40mg/Lの性状を有するものを使用した。原水の調整は、容積基準の混合比率が、リンス洗浄排水100に対して添加する排水が5程度の割合となるように、上記の表面処理排液及びその希釈液を使用して行った。そして、得られた混合原水のマグネシウム濃度(×10-3mol/L)が、0、0.05、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5及び0.6と9段階に異なる原水を調整した。
<凝集試験>
上記で調整した各原水を使用して、ジャーテストを実施した。具体的には、ジャーテストには1Lのビーカーを使用し、それぞれの原水を820cm3ずつ入れ、アルミ系凝集剤であるPACを150mg/L、強アニオン系高分子凝集剤であるKEA−545を2mg/Lを注入し、凝集処理を行った。凝集処理は、100rpmで5分間の急速攪拌を行った後、50rpmで5分間の緩速攪拌をする条件で行った。処理後に、各処理水の油分を測定した。表1及び図1に、混合原水中のマグネシウム濃度と、処理水中の油分の測定結果の相関を示した。表1及び図1からわかるように、混合原水中におけるマグネシウム濃度が、0.05×10-3〜0.4×10-3mol/L、より好ましくは、0.1×10-3〜0.3×10-3mol/Lの範囲となるようにすることが、処理効率向上に有効であることを確認できた。なお、混合原水中におけるカルシウム濃度についても検討した結果、マグネシウムの場合と同様の効果があることを確認した。
Figure 2010274244
<凝集条件に関する試験>
次に、凝集試験で好ましい結果が得られたマグネシウム濃度が0.2×10-3mol/Lである混合原水を用い、凝集処理条件についての検討を行った。具体的には、撹拌機の回転数を変更して緩速撹拌の条件を変更した以外は先に述べたと同様にしてジャーテストを行った。テスト後、得られた処理水のCODを測定した結果、緩速撹拌の条件によって、処理水のCOD値が異なり、処理効率に有意差があることがわかった。すなわち、表2及び図2に示したように、G−t=30,000〜120,000、より好ましくは、G−t=30,000〜90,000の条件で数分間、緩速撹拌することが、凝集除去効率の向上に有効であることを確認した。
Figure 2010274244
<固液分離条件に関する試験>
凝集物を加圧浮上処理して固液分離する工程の条件について検討を行った。凝集剤を添加して撹拌処理した原水中の凝集物を加圧浮上処理する場合に、処理水の一部を再度処理槽に戻しながら固液分離した場合の効果について検証した。具体的には、処理水を戻すことなく原水中の凝集物を加圧浮上させる従来の方式(原水加圧方式)と、得られた処理水の30%を処理槽に戻しながら凝集物の加圧浮上処理を行う処理水加圧方式とを比較した。その際、加圧圧力を従来行われていると同様の5kg/cm2とした。この結果、処理性能においては、原水加圧方式による処理水中の油分濃度が3mg/Lであったのに対し、処理水加圧方式においては1mg/Lであり、その有効性が確認できた。
<実排水についての確認試験>
(原水の調整)
容積基準で、冷間圧延工程から排出されたリンス洗浄排水100に、酸化マグネシウムを含む表面処理排液5を添加したものを混合原水とし、先に述べたと同様のビーカー試験を行った。日を変えて3回、各排水をサンプリングし、これらを混合して原水を調整し、得られた混合原水について試験を行った。これらの混合原水のマグネシウム濃度は、確実に、0.1×10-3〜0.3×10-3mol/Lの範囲内になる。
(試験結果)
試験のつど排水の性状を調べたところ、リンス洗浄排水は、pHが8.8〜9.4、SSが13〜50mg/L、油分が15〜30mg/L、T−CODが15〜31mg/Lであった。また、表面処理排液は、pHが10.5〜10.8、SSが160〜410mg/L、油分はいずれも<0.5mg/L、T−CODが29〜67mg/Lであった。得られた処理水は、pHはいずれの回も7.0、SSはいずれの回も<1.5mg/Lであり、油分は、それぞれ、1回目が<0.5mg/L、2回目が0.6mg/L、3回目が0.5mg/Lであった。また、T−CODは、1回目が10mg/L、2回目が7.9mg/L、3回目が7.9mg/Lであった。比較のため、リンス洗浄排水のみを原水として同様の試験を行ったところ、pHは7.0、油分は、5.0mg/L、T−CODは、16.0mg/Lであった。これらのことは、排水の性状が変動する実排水においても、本発明の方法でリンス洗浄排水を処理すれば、リンス洗浄排水を原水としてそのまま処理した場合と比較して、明らかに処理水中の油分及びT−CODを低減でき、しかもその効果が安定して得られることを示している。

Claims (4)

  1. 鉄鋼製造業におけるアルカリ脱脂工程からのリンス洗浄排水を浄化処理する方法であって、処理する原水が、上記リンス洗浄排水に対して、該リンス洗浄排水とは別の、少なくともマグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水を添加混合して、原水中におけるマグネシウム濃度又はカルシウム濃度が、モル濃度基準で、0.05×10-3〜0.4×10-3mol/Lの範囲内になるように調整されたものであり、かつ、該原水に凝集剤を加えて撹拌後、凝集物を加圧浮上処理によって固液分離することを特徴とする鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
  2. 前記撹拌を、急速な撹拌後に、G−t=30,000〜120,000の緩慢な速度で行う請求項1に記載の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
  3. 前記凝集物を加圧浮上処理する際に、処理した処理水の20〜40%を処理槽の入口に戻しながら行う請求項1又は2に記載の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
  4. マグネシウム成分又はカルシウム成分を含有する排水が、鉄鋼の製造工程から排出される表面処理排水、洗浄酸性排水、又は、洗浄酸性排水を中和処理することにより排出される中和排水の少なくともいずれかを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼製造排水の浄化処理方法。
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