JP4630776B2 - 水質浄化剤及び水質浄化方法 - Google Patents

水質浄化剤及び水質浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は水質浄化剤及び水質浄化方法に関し、詳しくは環境に悪影響を及ぼすことがなく、有機系、無機系の被処理水に拘わらず、水中の汚濁物質やその他の不純物を効率よく有効に処理することができる水質浄化剤及び水質浄化方法に関する。
近年、種々の分野で環境に悪影響を及ぼさないことが要求されている。そして、簡易水道や廃水処理においても、汚濁物質やその他の不純物を基準値以下に抑えることが当然に要求されている。
水質浄化剤は、上水や廃水中の汚濁物質等を凝集してフロック状にして分離する用途に用いられるものである。このような用途に用いられる水質浄化剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸ばん土:Al(SO・18HO)、塩化第二鉄(FeCl・nHO)、硫酸第二鉄(Fe(SO・nHO)、ポリ硫酸第二鉄(ポリテツ;〔Fe(OH)n(SO3−n/2)、石灰等の無機低分子凝集剤やポリ塩化アルミニウム(PAC:〔Al(OH)Cl6−n)、ポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤等が一般に用いられている。
しかし、これら水質浄化剤においては、無機系汚濁物質及び有機系汚濁物質のいずれにも効果があるものは少ない。また、凝集効果が充分でなく除去効率が高くないため必要なレベルに水処理するのに長時間を要したり、浄化工程が複雑化するもの、安全性又は経済性に劣る等のいずれかに問題があるものであった。
硫酸ばん土(Al(SO・18HO)を用いる処理方法は、硫酸ばん土が比較的安価である等の理由から最も一般的に行われているが、その凝集効果は必ずしも高いものではない。すなわち、懸濁物質等の凝集効果が遅く、形成される凝集フロックも小さく、浄化効率が低くなる。特に、被処理水が低温の場合や有機系汚濁物質に対して十分な凝集効果が得られない。また、アルカリ消費量が、大きいために多量のアルカリ剤や凝集補助剤の併用を必要とする等の欠点がある。
ポリ塩化アルミニウム(PAC:〔Al(OH)Cl6−n)を用いる処理方法は、低温の場合にも十分な凝集効果を上げることができ、凝集フロックの形成も比較的速い等の利点があるため、浄化効率が高く、次第に硫酸ばん土に代えて広く用いられるようになってきている。しかし、PAC製造工程における条件の調整が複雑で均質な製品が得られ難いために、製品の凝集性能にばらつきが生じやすく、コストも硫酸ばん土に比べて著しく高価になるという欠点がある。
塩化第二鉄(FeCl・nHO)溶液を用いる水質浄化方法は、上記アルミニウム系水質浄化剤よりも金属含有量が高く、低添加量で使用でき、凝集フロックが大きく、各種重金属との共沈作用が大きい等、凝集効果上の利点はある。ところが、塩化第二鉄溶液は、塩素イオンを含むため腐食性がある上に安定性が低く、消石灰と併用する必要があるので、処理後の発生汚泥の量が著しく大きくなり、その焼成のために二次公害を発生させ易いという問題がある。
石灰は、通常、水に分散させた石灰乳の状態で使用するが、単独では使用効果が小さく、他の水質浄化剤と併用する必要がある。
ポリアクリルアミド等の有機高分子凝集剤を用いる処理方法は、フロックの生成速度や凝集フロックの形状も大きい点では有利であるが、無機系汚濁物質に対しては効果が充分ではなく、しかも処理後の水の安全性に大きな懸念を有するという重大な欠点がある。
このように、上述した水質浄化剤又は水質浄化方法は、無機系汚濁物質及び有機系汚濁物質のいずれにも効果があるものは少なく、また凝集効果や安全性、経済性に問題があった。
特許文献1(特開2003−33604号公報)には、粉末状硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムとベントナイトと高分子凝集剤とを一定割合で含有する廃水質浄化剤が開示され、この廃水質浄化剤により、有機系、無機系の廃水にかかわらず、処理を効率的に行うことができるとされている。しかし、上記廃水質浄化剤においても、高分子凝集剤を併用する必要があり、上記問題を本質的に解決するものではない。
これに対して、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄;〔Fe(OH)(SO4)3−n/2)は、塩化第二鉄溶液やポリ塩化アルミニウムを用いた場合の欠点である塩素イオンによる腐食性がなく、ポリ塩化アルミニウム(PAC)と同様に、低温の場合にも十分な凝集効果を上げることができ、凝集フロックの形成も早いという利点がある。しかし、ポリ硫酸第二鉄を単独で用いた場合には、沈殿するのに充分な大きさのフロックが形成されないため、フロックの沈降性が悪く、微細なフロックが被処理水中に残ってしまうという欠点があった。
この欠点を解消すべく、特許文献2(特開2002−18206号公報)及び特許文献3(特開2001−269504号公報)には、ポリ硫酸第二鉄に水ガラス又はポリアミン系有機高分子凝集剤をそれぞれ含有する凝集剤が開示されている。しかし、これら凝集剤も、上記したポリ硫酸第二鉄を用いた場合の問題を充分に解消するものではない。
特開2003−33604号公報 特開2002−18206号公報 特開2001−269504号公報
以上に述べてきた従来の技術の範囲では、水中の汚濁物質やその他の不純物を効率よく且つ有効に処理することができるものではなく、しかもその他の上述した諸問題を解決することのできる水質浄化剤及び水質浄化方法は存在しなかった。
従って、本発明の目的は、環境に悪影響を及ぼすことがなく、植物生育に寄与し、安価で、しかも有機系、無機系の被処理水に拘わらず、被処理水中の汚濁物質やその他の不純物を効率よく有効に処理することができる水質浄化剤及び水質浄化方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、検討の結果、従来より水質浄化剤に用いられてきたポリ硫酸第二鉄に着目し、このポリ硫酸第二鉄に硫酸を加えてA剤とし、さらに酸化マグネシウムをB剤とし、さらに必要に応じてA剤に有機系凝集剤及びB剤に水酸化カルシウムを併せて加えた水質浄化剤及び水質浄化方法が、上記目的を達成するという観点から極めて有効であることを知見し、本発明に想到した。
水質浄化剤:この水質浄化剤は、上水又は廃水等の被処理水の汚濁物質等をフロック化させ沈殿可能な状態とするため、A剤とB剤との2液に分離して用いる2液系の水質浄化剤であって、ポリ硫酸第二鉄、硫酸、及び必要に応じて配合する有機系凝集剤を含むA剤と、酸化マグネシウム及び必要に応じて配合する水酸化カルシウムを含むB剤とからなるものである。
そして、本件発明に係る水質浄化剤は、A剤としてポリ硫酸第二鉄水溶液及び硫酸を用いものであり、そのポリ硫酸第二鉄濃度が鉄イオン換算で2.0g/l〜16.0g/lであり、上記硫酸濃度が25g/l〜200g/lである濃度組成を備えることが好ましい。ここにおいて、各成分の濃度は、A剤とB剤の合計量に対する濃度であり、以下も同様である。
そして、本件発明に係る水質浄化剤は、B剤として酸化マグネシウムを用いるものであり、その濃度が0.01g/l〜0.18g/lである濃度組成を備えることが好ましい。
また、そして、本件発明に係る水質浄化剤は、B剤として必要に応じて水酸化カルシウムを含むものであり、その濃度が0.01g/l〜0.18g/lである濃度組成を備えることも好ましい。
更に、本件発明に係る水質浄化剤は、A剤として必要に応じて有機系凝集剤を含むものであり、その濃度が0.01g/l〜1.0g/lである濃度組成を備えることも好ましい。
水質浄化方法:この水質浄化方法は、上記の2液系の水質浄化剤を用いた被処理水の浄化処理方法であって、被処理水1リットル当たり、A剤としてポリ硫酸第二鉄鉄イオン換算で0.004g〜1.12g、硫酸0.05g〜14.0gとなるように水質浄化剤を添加する。
そして、被処理水1リットル当たり、B剤として酸化マグネシウム0.05g〜0.35gとなるよう水質浄化剤を添加する。
また、水質浄化剤がB剤として水酸化カルシウムを含む場合、被処理水1リットル当たり、水酸化カルシウム0.05g〜0.35gとなるよう水質浄化剤を添加することが好ましい。
更に、水質浄化剤がA剤として有機系凝集剤を含む場合、被処理水1リットル当たり、有機系凝集剤0.01g〜1.0gとなるよう水質浄化剤を添加することが好ましい。
本発明に係る水質浄化剤は、塩素イオン等の環境有害成分を含まず、また鉄イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び硫酸イオンといった肥料成分を多く有し、また安価である。また、本発明に係る水質浄化方法によって、被処理水中の汚濁物質の凝集速度が早く、高密度のフロックが形成できるので含水率が下がり、効率よく有効に処理がなされると共に、被処理水中のトータル溶存酸素、着色成分、りん、アンモニア及び臭気成分の除去にも効果を有する。また、本発明に係る水質浄化方法は、肥料成分を多く含むため有機性脱水汚泥のコンポスト化が可能となり、無機性脱水汚泥は、土へのリサイクルが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良形態について説明する。
水質浄化剤の形態: この水質浄化剤は、A剤とB剤との2液に分離して用いる2液系の水質浄化剤である。このようにA剤とB剤との2液に分離して用いるのは、当初から酸化マグネシウムを混入させていると、水質浄化剤自体の中で凝集沈殿が起こる場合があり、水質浄化剤としての品質を長期的に維持する観点から好ましい。
ここで、A剤とは、ポリ硫酸第二鉄、硫酸、及び必要に応じて配合する有機系凝集剤を含む溶液を意図している。これに対し、B剤とは、酸化マグネシウム及び必要に応じて配合する水酸化カルシウムを含む溶液を意図している。このA剤とB剤とは、被処理水の中に同時に添加して用いるものである。
従って、A剤とB剤との中に含有させる各成分の濃度に関して、特段の限定は要さない。被処理水に対するA剤とB剤との配合割合等を変更することは容易であり、例えば、通常の被処理水1リットルに対して、[A剤]:[B剤]=30ml:30mlとする配合割合を必要とするものとしても、[A剤]:[B剤]=30ml:60mlとする配合割合を必要とするものとしても、何ら問題はないからである。
そして、本発明に係る水質浄化剤にA剤として用いられるポリ硫酸第二鉄は、下記数1に示す式(1)として表される化合物である。また、その塩基度は、(n/6)×100%で示される。
Figure 0004630776
このポリ硫酸第二鉄は、アルミニウム系の添加剤に比べて金属含有量が高く、少量で効果を有するという利点がある。また、塩化第二鉄と比べても、被処理水のpHが下がりにくく、被処理水中の汚濁物質やその他の不純物を効率よくフロック化する効果幅が広く、また腐食の問題も比較的少ない。
ポリ硫酸第二鉄は、溶液状又は固体状で用いることができるが、溶液状で加えると、取り扱い性が容易で、また被処理水に対する拡散が良好であることから好ましい。溶液状で用いる場合のポリ硫酸第二鉄の濃度は、鉄イオン換算として2.0g/l〜16.0g/lが好ましく、後述する硫酸含有量とのバランスから4.0g/l〜12.0g/lとすることが水質浄化剤としての品質安定性をより高める観点から、更に好ましい。ポリ硫酸第二鉄の濃度が鉄イオン換算として2.0g/l未満の場合には、被処理水中の汚濁物質等のフロック化が不可能となる。また、ポリ硫酸第二鉄の濃度が鉄イオン換算として16.0g/lを超えるものとしても、通常の汚濁物質等のフロック化を促進する機能は向上しないのである。
更に、本発明に係る水質浄化剤は、A剤として硫酸を含有させることを特徴とする。ポリ硫酸第二鉄と硫酸を組み合わせて用いることで、被処理水中の汚濁物質等の凝集速度が著しく速く、しかも、濾過時の除去効率に優れた適正なフロックの形成を可能とする。そして、このときの硫酸濃度は、上述のポリ硫酸第二鉄濃度を前提として、25g/l〜200g/lの範囲であることが望ましい。硫酸濃度が25g/l未満の場合には、被処理水中の汚濁物質等の凝集速度を速くする効果は得られず、硫酸濃度が25g/l以上で汚濁物質等の凝集速度が速くなる。一方、硫酸濃度が200g/lを超えても、被処理水中の汚濁物質等の凝集速度が更に向上するわけでもなく、被処理水のpHが下がるため、むしろフロック化した汚濁物質等のフロックサイズが小さくなり、効率の良い濾過の出来るものではなくなる。
そして、本発明に係る水質浄化剤には、B剤として酸化マグネシウムを含有させる。さらに、B剤には酸化マグネシウムに加えて水酸化カルシウムを含有させることも望ましい。これら酸化マグネシウムに加えて水酸化カルシウムを含有させることによって、高密度のフロックができるので含水率が下がり、被処理水に対する処理能力が向上する。また、被処理水中のトータル溶存酸素、着色成分、りん、アンモニア及び臭気成分の除去にも有効である。
ここで言う酸化マグネシウムを水質浄化剤の中に含ませる方法としては、特段の限定はない。即ち、固体の状態で添加しても、溶液状態で添加しても良い。そして、この酸化マグネシウムは、水質浄化剤中で0.01g/l〜0.18g/l濃度となるように添加することが好ましい。酸化マグネシウム濃度が0.01g/l未満の場合には、濾過に適した高密度のフロック形成は行えず、酸化マグネシウムを添加する意義が没却する。これに対し、酸化マグネシウム濃度が0.18g/lを超えるものとしても、より高密度のフロック形成は行えず、被処理水中のトータル溶存酸素、着色成分等の除去効率も上昇しないばかりか、むしろ除去効率が劣下する傾向にある。
そして、水酸化カルシウムを水質浄化剤の中に含ませる方法にも、特段の限定はない。即ち、固体の状態で添加しても、溶液状態で添加しても良い。そして、この水酸化カルシウムは、水質浄化剤中で0.01g/l〜0.18g/l濃度となるように添加することが好ましい。水酸化カルシウム濃度が0.01g/l未満の場合には、濾過に適した高密度のフロック形成は行えず、水酸化カルシウムを添加する意義が没却する。これに対し、水酸化カルシウム濃度が0.18g/lを超えるものとしても、フロック形成能は上昇せず、被処理水中のトータル溶存酸素、着色成分等の除去効率も上昇しない。
更に、本発明に係る水質浄化剤は、汚濁物質等のフロック化を更に促進し濾過処理能力を向上させるために、必要に応じてA剤に有機系凝集剤を含有させてもよい。このような有機系凝集剤としては、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これら有機系凝集剤は、水質浄化剤中で0.01g/l〜1.0g/l濃度となるように添加することが好ましい。有機系凝集剤濃度が、0.01g/l未満の場合には、汚濁物質等のフロック化を促進する効果は得られない。一方、当該有機系凝集剤濃度が0.1g/lを超えて添加しても、フロック化の促進効果は飽和して、それ以上に向上しないのである。
水質浄化方法の形態: 本発明に係る2液の水質浄化剤を用いた水質浄化方法は、被処理水(上水又は廃水等)に、上記水質浄化剤を添加することを特徴とするものである。被処理水の処理能力を向上させるためには、被処理水を攪拌させつつ水質浄化剤を添加することが好ましい。
A剤から供給されるポリ硫酸第二鉄(鉄イオン換算)の添加量が、被処理水1リットル当たり0.004g〜1.12g、硫酸の添加量が、被処理水1リットル当たり0.05g〜14.0g、有機系凝集剤を用いる場合には、被処理水1リットル当たり0.01g〜1.0gとなればよい。そして、B剤から供給される酸化マグネシウムの添加量が被処理水1リットル当たり0.05g〜0.35g、水酸化カルシウムを用いる場合の添加量が被処理水1リットル当たり0.05g〜0.35gとなればよい。
本発明に係る水質浄化方法において、A剤としての上記ポリ硫酸第二鉄(鉄イオン換算)の添加量は、被処理水1リットル当たり、0.004g〜1.12g、より好ましくは0.03g〜1.12gである。このポリ硫酸第二鉄添加量が0.004g未満の場合には、被処理水中の汚濁物質等のフロック化が不可能である。一方、ポリ硫酸第二鉄添加量が1.12gを超えるものとしても、通常の汚濁物質等のフロック化を促進する機能は向上しないのである。
本発明に係る水質浄化方法において、A剤としての上記硫酸の添加量は、被処理水1リットル当たり、0.05g〜14.0g、より好ましくは0.2g〜12gである。硫酸濃度が0.05g未満の場合には、被処理水中の汚濁物質等の凝集速度を速くする効果は得られない。一方、硫酸濃度が14gを超えても、被処理水中の汚濁物質等の凝集速度が向上するわけでもなく、被処理水のpHが下がるため、むしろフロック化した汚濁物質等のフロックサイズが小さくなり、効率の良い濾過の出来るものではなくなる。
そして、本発明に係る水質浄化方法において、B剤としての酸化マグネシウムの添加量は、被処理水1リットル当たり、0.05g〜0.35g、より好ましくは0.1g〜0.35gである。酸化マグネシウム添加量が、0.05g未満の場合には、濾過に適した高密度のフロック形成が行えない。これに対し、酸化マグネシウム添加量が0.35gを超えるものとしても、より高密度のフロック形成は行えず、汚濁物質等の除去効率が劣下する傾向にある。
更に、本発明に係る水質浄化方法において、B剤として水酸化カルシウムを用いる場合の添加量は、被処理水1リットル当たり、0.05g〜0.35g、より好ましくは0.15g〜0.35gである。水酸化カルシウム添加量が0.05g未満の場合には、濾過に適した高密度のフロック形成は行えない。これに対し、水酸化カルシウム添加量が0.35gを超えるものとしても、フロック形成能は上昇せず、被処理水中のトータル溶存酸素、着色成分等の除去効率も上昇しない。
本発明に係る水質浄化方法において、汚濁物質に対するより強力なフロック化能力を得て、浄化処理能力を向上させるために、A剤として有機系凝集剤を添加させてもよい。このような有機系凝集剤としては、上記と同様にアルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これら有機系凝集剤は、被処理水1リットル当たり、0.01g〜1.0g添加することがより好ましい。有機系凝集剤の、被処理水1リットル当たりに対する添加量が0.01g未満の場合には、汚濁物質に対するより強力なフロック化能力を得ることは出来ない。一方、一般的に想定できる被処理水であれば、1.0gを超える有機系凝集剤を添加する必要はなく、良好な浄化を行うことが可能である。
以上のことから明らかなように、ポリ硫酸第二鉄、硫酸、酸化マグネシウム水酸化マグネシウム及び有機系凝集剤の添加効果は、上記水質浄化剤の含有効果と同様である。
処理対象となる被処理水は、特に限定されないが上水又は廃水等が一般的である。上水としては簡易水道が挙げられ、廃水としては、生活廃水や産業廃水、例えば土木、建築、窯業、金属等の分野の無機廃水、食品、製紙、養豚・養鶏等の分野の有機廃水が挙げられる。
そして、当該水質浄化剤を添加してフロック形成を行わせた上水又は廃水は、磁力線処理、沈降分離、フィルター濾過、限外濾過装置、オゾン脱臭装置等を任意に組み合わせ適宜配置した浄化ラインを経て、浄水化されることになる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
この実施例では、試薬レベルの純度のポリ硫酸酸第二鉄溶液(比重1.49g/cm、全鉄11%)及び75%硫酸を用い、ポリ硫酸酸第二鉄溶液65g及び75%硫酸167g(86.8ml)を水に溶解させ液体状のA剤500mlを調製した。そして一方、酸化マグネシウム0.2g及び水酸化カルシウム0.1gを水に添加し、水に溶解させ液体状のB剤500mlを調製した。[A剤]:[B剤]=1:1の良否で混合使用した場合、水質浄化剤としてのポリ硫酸第二鉄濃度は7.2g/l(鉄イオン換算)、硫酸濃度は125.3g/lとなる。
そして、無機質粘土4800ppm含有した処理水1000ccをシリンダーに採取し、トータル水質浄化剤溶液2ml([A剤]:[B剤]=1ml:1ml)を添加し、当該シリンダーを10回転倒させ、これを2分間静置後、目視により沈降状況及び上層水の状況を観察した。
この結果、フロックの沈降性は良好であり、上層水は透明であった。
本発明に係る水質浄化剤は、安価で、環境有害成分を含まず、また肥料成分を多く有している。また、本発明に係る水質浄化方法によって、被処理水中の汚濁物質の凝集速度が早く、高密度のフロックが形成できるので含水率が下がり、効率よく有効に処理がなされる。従って、本発明に係る水質浄化方法は、上水や廃水中の汚濁物質その他の不純物の処理に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 上水又は廃水等の被処理水の汚濁物質等をフロック化させ沈殿可能な状態として浄化処理するための水質浄化剤において、
    ポリ硫酸第二鉄及び硫酸からなるA剤と、酸化マグネシウムからなるB剤とからなり、これらを同時に被処理水に添加して用いることを特徴とした2液系の水質浄化剤。
  2. 上記水質浄化剤は、上記ポリ硫酸第二鉄濃度が鉄イオン換算で2.0g/l〜16.0g/lであり、上記硫酸濃度が25g/l〜200g/lである請求項1に記載の水質浄化剤。
  3. 上記水質浄化剤は、上記酸化マグネシウム濃度が0.01g/l〜0.18g/lである請求項1又は請求項2に記載の水質浄化剤。
  4. 上記水質浄化剤は、上記B剤に水酸化カルシウムを含むものであり、その濃度が0.01g/l〜0.18g/lである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水質浄化剤。
  5. 上記水質浄化剤は、上記A剤に有機系凝集剤を含むものであり、その濃度が0.01g/l〜1.0g/lである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水質浄化剤。
  6. 請求項1〜請求項のいずれかに記載の2液系の水質浄化剤を用いた被処理水の浄化処理方法であって、
    上記被処理水1リットル当たり、A剤としてのポリ硫酸第二鉄が鉄イオン換算で0.004g〜1.12g、上記硫酸濃度が0.05g〜14.0gとなるように上記水質浄化剤を添加することを特徴とする水質浄化方法。
  7. 上記被処理水1リットル当たり、B剤としての酸化マグネシウムが0.05g〜0.35gとなるよう上記水質浄化剤を添加する請求項に記載の水質浄化方法。
  8. 上記被処理水1リットル当たり、B剤としての水酸化カルシウムが0.05g〜0.35gとなるよう上記水質浄化剤を添加する請求項又は請求項に記載の水質浄化方法。
  9. 上記被処理水1リットル当たり、A剤としての有機系凝集剤が0.01g〜1.0gとなるよう上記水質浄化剤を添加する請求項〜請求項のいずれかに記載の水質浄化方法。
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