JP2005067955A - 鉄を原料とするポリ硫酸第2鉄の製造方法 - Google Patents

鉄を原料とするポリ硫酸第2鉄の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械加工時に発生する鉄屑、又は冷延加工等の成形時の成形不良鉄等の各種鉄を溶解して製造したポリ硫酸第2鉄をタンク保管後に利用する際に発生する供給管路の閉塞を回避できるポリ硫酸第2鉄の製造方法。
【解決手段】 加温された硫酸で鉄を溶解し、その溶解処理後の溶液中における遊離硫酸が鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態、好ましくは
遊離硫酸濃度が、12.25〜16.85wt%の状態とし、その状態で該溶液を冷却、放置してシリカを析出させ、ついで該溶液に第1鉄塩を混合して遊離硫酸濃度を該理論濃度領域内に低下させ、その後酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、該析出後のシリカを固液分離する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プレス打ち抜き片、切断片あるいは切削くず等の各種機械加工時に発生する鉄屑、又は冷延加工等により細線もしくは薄板等を成形する際に発生する鉄の成形不良品等の鉄を硫酸にて溶解してポリ硫酸第2鉄を製造する方法に関する。
より詳しくは、これら鉄屑又は鉄の成形不良品等の各種の鉄を硫酸にて溶解して、凝集剤として利用するポリ硫酸第2鉄を製造するに当たって、利用現場での取扱い性、特に貯蔵保管した後利用する際に凝集槽に円滑に供給できるポリ硫酸第2鉄を製造する方法に関する。
ポリ硫酸第2鉄は、硫酸第1鉄を含有する溶液を亜硝酸ナトリウム等の触媒の存在下で酸素等の酸化剤により酸化することにより製造されるものであり、その硫酸第1鉄含有溶液を形成する鉄原料としては、酸洗廃硫酸から回収した硫酸第1鉄(特許文献1参照)、四三酸化鉄(特許文献2及び3参照)、酸化鉄と金属鉄(特許文献4参照)、硫酸第二鉄溶液と含水三酸化二鉄(特許文献5参照)、酸化鉄(特許文献6参照)、ゲータイト(特許文献7参照)等を利用することが提案されている。
このポリ硫酸第2鉄及びその製造方法は、本出願人企業において開発した新規な技術であり、本出願人企業の指導の下で多くの企業が製造しており、多くの地方自治体あるいは企業等によって凝集剤として利用され、実用化されている。
このポリ硫酸第2鉄の鉄原料としては、前記したとおり多くの鉄及び鉄化合物の利用が提案されているものの、現状で実用化されているのは、硫酸酸洗廃液と酸洗廃硫酸等から回収した硫酸第1鉄であり、その中でも主として回収硫酸第1鉄であり、他は実用化されていないのが実状である。
しかしながら、この回収硫酸第1鉄を利用する場合には、結晶化及び固液分離操作が必要であり、この点が難点となっている。
また、プレス打ち抜き片、切断片もしくは切削くず等の鉄の機械加工時に発生する鉄屑、細線材もしくは薄板等の成形時に発生する鉄材成形不良品の有効な利用方法がなく、市場価格も安価であり、さらに、これを廃硫酸等の硫酸に溶解して硫酸第1鉄溶液のままポリ硫酸第2鉄の製造に利用する場合には、前記した結晶化及び固液分離操作も不要となる利点がある。
そして、本発明者らは、そのような利点を活かすことができる、酸洗廃硫酸等の鉄を含有する廃硫酸にフレッシュ硫酸を追加し、これに鉄を溶解することによりポリ硫酸第2鉄を製造する方法も既に開発した(特許文献8及び9参照)。
本出願人は、この技術には前記したとおりの利点があることから、これを実用化すべく、本出願人の指導の下にあるメーカーにおいて製造し、それを複数ユーザーの下水あるいは廃水処理場に提供し、試験的に凝集処理に利用した。
[先行技術文献]
特公昭51−17516号公報 特公平2−22012号公報 特公平5−53730号公報 特公平5−13094号公報 特開平6−47205号公報 特開平7−275609号公報 特開平7−241404号公報 特開平11−292546号公報 特開2003−104728
その凝集処理に利用するに当たっては、ユーザーの保管タンクに搬送して貯蔵し、そこから必要時に凝集槽に供給して、下水の凝集処理を行なった。
その結果、本凝集処理は当初順調に実施できたが、貯蔵時間が長くなった場合に適切な凝集処理ができておらず、その際にはポリ硫酸第2鉄が保管タンクから凝集槽内に供給できない状態であることがわかった。
これについて保管タンクと凝集槽間の供給管路を調査したところ、バルブあるいは配管に固着物が付着し、供給管路が閉塞されていることが判明した。
この付着による閉塞を回避すべく、まずその付着物を調査、分析したところシリカであることがわかった。
この調査、分析結果に基づいて、その付着物の発生回避あるいは分離、除去手段について各種の方面から検討した。
まず、この付着発生のあったポリ硫酸第2鉄中のシリカ濃度を測定したところ、100〜130mg/kgであることが判明した。
そこで、前記した硫酸第1鉄結晶を原料として製造した、既に実用化されている付着物の発生のないポリ硫酸第2鉄についてもシリカ濃度を測定したところ40〜55mg/kgであり、付着物が発生する場合には、前記した通りシリカが高濃度となっていることがわかった。
これら事実を踏まえて、付着物の発生を回避できるポリ硫酸第2鉄中におけるシリカの最大濃度について調査したところ、試料により多少バラツキはあるが50mg/kg前後であることが判明した。
さらに、この閉塞は保管タンク内にポリ硫酸第2鉄を長時間貯留すると発生していることから、長い時間の経過に伴ってシリカが析出するものであると予測し、シリカを短時間で析出せしめる手段について各種の視点から調査、検討した。
その結果、シリカを比較的短時間で析出することができ、析出したシリカを除去することにより、先の閉塞を回避することができることが確認できた。
具体的には、加温された硫酸にて鉄を溶解した硫酸第1鉄溶液について、全鉄濃度5〜8wt%で、遊離硫酸に関し、鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態である濃度が12.25wt%以上とし、かつその状態で低温に調節することにより、少なくともシリカが比較的短時間で析出することが判明した。
さらに、一旦析出したシリカは、温度を上昇させても、また遊離硫酸濃度を低下させても再溶解しないことがわかった。
本発明は、これらの判明した事実を利用して、シリカを析出、分離し、それにより先の供給管路における閉塞を回避するものである。
したがって、本発明は、屑鉄あるいは成形不良品の鉄等の各種の鉄を硫酸にて溶解して、硫酸第1鉄溶液を形成し、この溶液を直ちに酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、これを貯留保管して凝集剤として利用する際に発生する、ポリ硫酸第2鉄の保管タンクから凝集槽までの供給管路の閉塞を、前記判明した事実を利用することにより回避することができるポリ硫酸第2鉄の製造方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
すなわち、本発明は、前記判明した事実を利用することにより前記供給管路の閉塞を回避することができるポリ硫酸第2鉄の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明が、前記目的を達成するために採用したポリ硫酸第2鉄の製造方法は、加温された硫酸で鉄を溶解し、その溶解処理後の溶液中における遊離硫酸が鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態とし、その状態で該溶液を冷却、放置してシリカを析出させ、ついで該溶液に第1鉄塩を混合して遊離硫酸濃度を該理論濃度領域内に低下させ、その後酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、該析出後のシリカを固液分離することを特徴とするものである。
本発明のポリ硫酸第2鉄の製造方法では、鉄原料としてプレス打ち抜き片、切断片あるいは切削くず等の各種機械加工時に発生する鉄屑、又は冷延加工等により細線もしくは薄板等を成形する際に発生する鉄の成形不良品を使用することができ、有効な利用方法がなく、市場価格も安価なものを活用する点で有利である。
また、廃硫酸等の硫酸に溶解して生成した硫酸第1鉄溶液をそのままポリ硫酸第2鉄の製造に利用しており、結晶化及び固液分離操作も不要となる利点がある。
特に強調したいのは、本発明では、屑鉄等の鉄を硫酸にて溶解して、硫酸第1鉄溶液を生成し、この溶液を直ちに酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、これを貯留保管して凝集剤として利用する際に発生する、ポリ硫酸第2鉄の保管タンクから凝集槽までの供給管路の閉塞を回避することができることである。
すなわち、本発明は、金属鉄を鉄原料、特に主たる鉄原料として利用するものである。
それにもかかわらず、本発明では、金属鉄を鉄原料として利用することなく、もっぱら硫酸第1鉄を鉄原料として利用するところの実用化されているポリ硫酸第2鉄を製造する場合と同様にポリ硫酸第2鉄の保管タンクから凝集槽までの供給管路の閉塞を回避することができることである。
なお、ここにおける金属鉄とは、含鉄廃硫酸も硫酸の一部として使用する場合には、その廃硫酸中の酸洗時に溶解された鉄も含み意味である。
このように回避することができるのは、鉄溶解時の遊離硫酸濃度を高濃度にし、溶解処理終了後も遊離硫酸に関し高濃度、すなわち硫酸第1鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態で存在させると共に、溶解後の温度を低温に調節することにより、シリカが比較的短時間で析出することがわかったことである。
なお、鉄溶解時における遊離硫酸濃度を高濃度にすることに代え、該溶解時に特に高濃度にせず、溶解後に濃硫酸を添加して前記理論濃度を超える高濃度の状態にしてもよい。
また、それに加えて一旦析出したシリカは、温度を上昇させても、かつ遊離硫酸濃度を低下させても再溶解しないこともわかったことである。
本発明は、これらの判明した事実を利用して、シリカを析出、分離し、前記供給管路における閉塞を回避することを特徴とするものである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明で製造するポリ硫酸第2鉄は、下記の式(1)で表される液状の物質である。
[Fe2(OH)n(SO4)3-n/2m(但しn<2、m>10である。)・・・式(1)
そのポリ硫酸第2鉄は、前記式(1)のとおりのものであるから、このポリ硫酸第2鉄中の、全硫酸根と全鉄との比率は、モル比で1.5>SO4 -2/Fe>1.0の範囲にあることになる。
また、このポリ硫酸第2鉄については、安定した性質が発現できる全鉄濃度の最大値は約11wt%であり、その際の全硫酸根濃度は28.3wt%である。なお、全鉄濃度が11wt%を超えると安定性が次第に低下するが勿論ポリ硫酸第2鉄を製造することは可能であり、その際には全硫酸根濃度も28.3wt%を超えることになる。
そして、ポリ硫酸第2鉄の最大の用途である凝集剤の凝集性能は、鉄含有量に影響されるものであるから、現在市販されているポリ硫酸第2鉄は、鉄含有量が最大値の約11wt%ものである。
前記のとおりであるから、本発明では、市販されているポリ硫酸第2鉄の性能に匹敵するものを製造することを好ましくは意図するものであり、全鉄濃度8〜11wt%、全硫酸根濃度17〜28.5wt%の範囲のものを製造することを好ましくは意図するものである。
本発明のポリ硫酸第2鉄の製造方法は、前記したとおり加温された硫酸で鉄を溶解し、その溶解処理後における溶液中の遊離硫酸に関し、鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態(すなわち、モル比で、遊離硫酸のSO4 -2/Fe>0.5)とし、その状態で冷却、放置してシリカを析出させ、ついで第1鉄塩を混合して遊離硫酸濃度を該理論濃度領域内に低下させ、その後酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、該析出後のシリカを固液分離することを特徴とするものである。
その際における前記遊離硫酸の濃度は、12.25wt%以上であることが好ましい。
なお、その際における全硫酸根濃度は26.0wt%以上であることが好ましいことになる。
本発明の製造方法は、前記のとおりであるが、その特徴をより簡潔、明瞭に示すと以下のとおりである。
すなわち、本発明では、鉄を加温した硫酸で溶解して硫酸第1鉄溶液を生成し、この生成した溶液中の遊離硫酸濃度をポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態(すなわち、モル比で、遊離した硫酸のSO4 -2/Fe>0.5)とすると共に、該溶液を冷却、放置することによりシリカを析出させることを最大の特徴とするものである。
なお、ポリ硫酸第2鉄が安定して存在できる最大の全鉄濃度が前記したとおり約11wt%であり、これに必要な全硫酸根の理論濃度は最大28.3wt%となるが、これをシリカを析出させる際の遊離硫酸濃度で示すと12.25wt%である。
本発明では、前記したとおりシリカの析出を促進するために、加温条件で鉄溶解後に生成した溶液を冷却する工程において全鉄濃度に対する全硫酸根濃度、換言すれば遊離硫酸濃度が、ポリ硫酸第2鉄製造に必要な最大理論濃度より高濃度とすることを必要とするものである。
例えば、鉄溶解後の全鉄濃度が8wt%の際には、ポリ硫酸第2鉄製造に必要な遊離硫酸の理論濃度は最大で6.85wt%であるが、本発明ではこれを超える12.25wt%以上とするものである。
これを全硫酸根濃度で示すと、ポリ硫酸第2鉄製造に必要な全硫酸根の理論濃度は最大で20.6wt%であるが、本発明では、これを超える26.0wt%以上ということになる。
本発明では、前記した遊離硫酸濃度12.25wt%以上の要件は、鉄溶解後の硫酸において満たしていることが望ましいが、そのためには溶解に使用する硫酸の濃度と使用量から鉄の必要量を計算し、その鉄の全量を溶解するのが望ましい。
なお、溶解後の前記遊離硫酸濃度がそれ未満になった場合には、濃硫酸を添加することにより冷却前に前記条件を満たすようにしてもい。
また、本発明では、鉄溶解後の遊離硫酸濃度をより高めることにより、シリカの析出をより促進できるが、理論濃度最大値との乖離が大きくなり、冷却、放置後に添加する硫酸第1鉄結晶量が増大するので、遊離硫酸濃度の上限は18wt%程度がよく、好ましくは16.85wt%がよい。
本発明において鉄の溶解に使用する硫酸としては、鉄を溶解した後に、前記硫酸根とすることができるものであれば、何等制限されることはなくフレッシュな硫酸が使用できることは勿論であるが、鉄鋼製造工程においてスケール除去のために行われる硫酸酸洗時等に発生する硫酸酸洗廃液にフレッシュ硫酸を混合することにより前記した溶解後の遊離硫酸濃度を達成することができるものでも使用できる。
前記のとおりでるから、フレッシュ硫酸に関しては、市販の98wt%あるいは96wt%の濃硫酸は勿論使用できるし、また75wt%の工業用硫酸も使用できる。
本発明における硫酸に溶解する鉄原料については、薄板、延伸細線、切断材あるいは部品素形材等の各種鉄鋼成形材料がそのまま又は細片化した状態で特に制限されることなく使用できることは勿論であるが、それら材料を機械加工する際に発生し有効な活用方法がなく、かつ市場価格も安価なプレス打ち抜き片、切断片あるいは切削くず等の各種の鉄屑、又は前記成形材料の成形不良品を利用するのが有利である。
また、それら鉄屑は機械加工時に小さく分割されており、そのため、あらためて切断等により小片化することなく硫酸に短時間で溶解することができ、この点でも有利である。
本発明では、この鉄原料を硫酸で溶解するが、その際の温度は、溶解を促進するための加熱と、溶解後シリカを短時間で析出させるために常温程度に冷却する必要もあるので、常温より高温の60℃以上で行なうのがよく、好ましくは70〜80℃がよい。
この溶解に使用する装置については、特に制限されるところはなくポリ硫酸第2鉄を生成する装置と兼用することも可能ではあるが、ポリ硫酸第2鉄を効率的に製造するには、ポリ硫酸第2鉄を生成する酸化反応槽とは別の装置を利用するのが好ましい。
鉄原料の溶解をより促進するためには、硫酸を積極的に加熱するのが好ましいが、特に加熱しなくても溶解が発熱反応であり、鉄原料が溶解するにしたがって温度が次第に上昇することになるので、加熱は前記好ましい温度になるように必要より行なうようにしてもよい。
この加熱するための手段としては、電気式投込みヒーター、蒸気加熱コイルあるいは蒸気ジャケット等の各種のものが利用できるが、設備コスト及び安全性の点で 蒸気加熱コイルが好ましい。
なお、この鉄の溶解には、前記好ましい温度範囲の加熱を行なった場合においても、 10〜12時間程度を要するのが通常である。
本発明では、この鉄原料溶解後は、シリカを短時間で積極的に析出させるために冷却、放置し、析出したシリカはその後分離し、貯留保管時におけるシリカの析出による供給管路の閉塞を回避するものである。
本発明において必要な該冷却は、40℃以下にするのがよく、好ましくは30℃以下にするのがよいが、より低温にするには冷却コストも増大するので、実用的には20〜30℃の範囲が好ましい。
本発明では、冷却後は前記したとおり放置するものであり、その放置時間についてはシリカの残留濃度がより低濃度になるまで析出させるには長い方が好ましいが、逆にポリ硫酸第2鉄製造装置の運転効率上は可能な限り短時間が好ましいといえる。
この放置時間に関しては、前記した遊離硫酸濃度及び冷却温度の場合には、6時間程度放置し固液分離することにより、製造されたポリ硫酸第2鉄の貯留保管時におけるシリカの析出が発生しないことが確認できている。
一方、硫酸第1鉄溶液を亜硝酸ナトリウム触媒存在下で酸素により酸化するところの、実用化されているポリ硫酸第2鉄製造時における酸化反応槽での原料供給開始から製品取出しまでの所要時間も約6時間である。
前記のとおりであるから、前記冷却後の放置時間は、酸化反応に要する全所要時間ともほぼ対応しており、全製造プロセスを円滑に進行せしめるに当たり弊害とはならない範囲のものであり、放置時間は、6時間前後、好ましくは5〜8時間がよい。
本発明における放置時間については、前記のとおりであり、酸化反応及び溶解の所要時間もそれぞれ前記のとおりであるから、冷却、放置処理は、前記溶解用及び酸化反応用の装置のいずれとも異なる装置で行なうのがよい。
その際における冷却、放置処理は、1つの槽内で行なうのがよく、また、冷却の実用的な好ましい温度範囲が前記のとおりであるから、冷却は0℃以下の低温を発生させることのできる冷凍装置は必要ない。
したがって、冷却は冷却、放置処理用の槽に水冷ジャケットあるいは水冷コイルを設置した程度のものでよい。
本発明では、前記したとおりシリカを析出せしめるために、鉄溶解時あるいは冷却前に、遊離硫酸濃度をポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態(モル比で、遊離した硫酸のSO4 -2/Fe>0.5)とすることが必要であり、そのために12.25wt%以上にするのがよい。
換言すれば、例えば溶解後の全鉄濃度が8wt%の場合には、鉄溶解後あるいは冷却前に、全硫酸根濃度を26.0wt%以上にするのがよい。
そのため、酸素等の酸化剤により酸化してポリ硫酸第2鉄を製造する酸化直前までに、最終製品であるポリ硫酸第2鉄が製造できるように硫酸第1鉄溶液中の遊離硫酸濃度が適切な濃度になるように、鉄濃度を補充するために結晶の硫酸第1鉄等の第1鉄塩を混合して全硫酸根濃度をポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度範囲内にすることが必要となる。
すなわち、遊離硫酸濃度と全鉄濃度のモル比を、ポリ硫酸第2鉄が安定して存在できる全鉄濃度8〜11wt%、好ましくは最大の全鉄濃度である約11wt%において、ポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度範囲内に低減することが必要となる。
そのために使用する第1鉄塩としては、前記した硫酸第1鉄、塩化第1鉄、硝酸第1鉄等の各種水溶性鉱酸塩が使用可能であるが、硫酸第1鉄以外は製品中に硫酸根以外の陰イオンが導入されることになるので、硫酸第1鉄が好ましい。
また、析出したシリカの固液分離については、冷却、放置後の酸化反応開始前に単独で行なうことも勿論可能である。
さらに、シリカ析出のために行う硫酸第1鉄溶液の冷却も、冷却温度が30℃以下の低温になると、硫酸第1鉄溶液結晶も析出し、その析出量は温度の低下にしたがって増大することになる。
しかしながら、一旦析出したシリカは、前記したとおり、その後の温度変化あるいは硫酸濃度変化等の各種環境変化によって何ら影響されず、再溶解することもない。
なお、先の析出する硫酸第1鉄結晶は、その後の酸化反応が通常加温下で行われ、析出した同結晶はその際に溶解することができるので、シリカ析出時に同時に析出しても何ら問題はない。
前記のとおりであるから、シリカは、ポリ硫酸第2鉄生成後に行うのが効率的である。
なお、この固液分離には、遠心分離機、フィルタープレス、あるいは珪藻土などを用いたプレコートフィルター等の各種の固液分離装置が特に制限されることなく使用可能であるが、ろ過性能の点でプレコートフィルターが好ましい。
本発明における酸化反応は、硫酸第1鉄溶液を酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させるものであり、この反応が起こる範囲のものであれば、特に制限されることなく各種酸化剤が使用でき、勿論触媒を併用してもよい。
また、その反応は加温下行うのがよく、その際の温度は通常50〜60℃がよい。
そのような酸化剤としては、酸素、過酸化水素、あるいは空気等が例示でき、また触媒としては、亜硝酸ナトリウム、二酸化マンガンあるいはバナジウム等が例示できる。
それらの中では、酸化効率及びコストの点で、酸化剤としては酸素、触媒としては亜硝酸ナトリウムが好ましい。
[予備試験]
本発明を開発にするに当たり、供給管路を閉塞する物質を特定するための試験、市販されているポリ硫酸第2鉄中のシリカの含有量特定試験、鉄屑を硫酸に溶解して製造したポリ硫酸第2鉄中のシリカの含有量特定試験等の各種予備試験を行い、その結果を利用することにより、本発明は開発に成功したものであるから、それら予備試験の内容及び結果は、本発明の理解に欠かすことのできないものであり、それらについて以下において詳述する。
[供給管路閉塞物質の特定]
本発明者らが開発した、先行技術である酸洗廃硫酸等の鉄を含有する廃硫酸にフレッシュ硫酸を追加し、これに鉄屑を溶解して製造したポリ硫酸第2鉄を用いて凝集処理を行った際に保管タンクと凝集槽との間の供給管路を閉塞した物質を取り寄せ分析したところシリカが主たる成分であることを確認した。
なお、その分析は、供給管路析出物を蛍光X線分析装置により定性分析を行い、検出される主成分がシリカであることを確認した。
この分析結果に基づいて、本発明者らが開発した、本発明のポリ硫酸第2鉄を製造する際に経由する方法と同一の方法で鉄を溶解して硫酸第1鉄溶液を製造し、これを用いて以下のとおりシリカの析出試験を行った。
すなわち、全鉄(T-Fe)濃度5.9wt%の廃硫酸に、フレッシュ硫酸を添加して遊離硫酸濃度18.36wt%とした硫酸溶液を用いて、屑鉄を75℃で溶解し、溶解後の遊離硫酸濃度が酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態(遊離硫酸濃度14.75wt%)にある硫酸第1鉄溶液を生成した。
この硫酸第1鉄溶液を40℃で1日放置したところ、目視で析出物の生成が確認できたので、これを採取し、蛍光X線分析装置で定性分析したところ、シリカであることが確認できた。
なお、この溶液を20℃に冷却して、その温度で1日放置したところ、40℃の場合に比し析出物が相当量増加していることが目視にて確認できたが、その成分を分析したところ多量成分は硫酸第1鉄であり、その中に少量のシリカが混在していることが蛍光X線分析装置で確認することができた。
[市販のポリ硫酸第2鉄中のシリカ含有量特定]
保管タンクと凝集槽との間の供給管路を閉塞することのない、本出願人企業の指導の下でA社で製造し市販されているポリ硫酸第2鉄について、シリカの含有量を特定するために以下の試験を行なった。
すなわち、該ポリ硫酸第2鉄に関し、プラズマ発光分光分析装置(ICP)により、シリカの含有量を測定した。
その結果は、表1に示すとおりであり、シリカ含有量は50mg/kgであった。
また、その他成分含有量も測定しており、それらも合わせて表1に示してある。
なお、本出願人の指導の下にある他のメーカーの製品についても同様に測定したが、シリカ含有量はいずれも40〜55mg/kgの範囲内であった。
Figure 2005067955
[屑鉄を溶解した硫酸第1鉄溶液中のシリカ含有量特定]
前記シリカの析出試験を行った硫酸第1鉄溶液を用いて、前記した市販のポリ硫酸第2鉄の場合と同様にシリカの含有量を特定する試験を行なった。
その結果は、シリカ含有量は110mg/kgであり、市販のポリ硫酸第2鉄中のシリカ含有量の約2倍であることがわかった。
また、このように多量のシリカを含有する硫酸第1鉄溶液に必要量の硫酸第1鉄を添加した後、酸化してポリ硫酸第2鉄を製造し、放置すると、前記供給管路の閉塞現象が発生することからして、ポリ硫酸第2鉄の保管時間の経過によりシリカが析出することもわかった。
[放置時間経過に伴うシリカの析出試験1]
前記各種予備試験等から、前記供給管路閉塞物質の特定に使用したポリ硫酸第2鉄、すなわち屑鉄を溶解した硫酸第1鉄溶液から製造したポリ硫酸第2鉄中のシリカが保管時間の経過に伴って析出することがわかったことから、この点に関し更に確認するために以下の試験を行なった。
すなわち、濃度28.5wt%のフレッシュ硫酸溶液を用いて、屑鉄を75℃で溶解して硫酸第1鉄溶液を生成した。なお、その際には、屑鉄は溶解後に生成する溶液中の遊離硫酸濃度が14.75wt%となるような量を用いた。
その生成直後の硫酸第1鉄溶液を30℃に冷却して、その30℃の温度を維持し時間の経過に沿って該溶液中に溶存しているシリカ濃度を前記と同一の試験によって測定した。
[前記析出試験1の結果]
その測定結果は図1に示すとおりであり、放置1時間後には、シリカ含有量はシリカによる閉塞発生のない市販のポリ硫酸第2鉄中の50mg/kgを多少上回る61mg/kgであり、同6時間後には、50mg/kgを下回る49mg/kgまで低下している。
前記で生成した硫酸第1鉄溶液に同結晶を添加して全硫酸根濃度をポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度範囲内に低減させた後、酸化反応を行ない、ポリ硫酸第2鉄を生成した。その際30℃で冷却後6時間放置して固液分離した場合には、市販のポリ硫酸第2鉄におけるシリカ含有量以下とすることができ、シリカによる供給管路の閉塞の発生を回避できるポリ硫酸第2鉄となる。
[シリカの時間経過に伴う析出試験2]
濃度26〜30.6wt%の範囲内の複数の濃度のフレッシュ硫酸溶液を用いて、屑鉄を75℃で溶解し、生成する溶液中の遊離硫酸に関し、その濃度が酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態にある複数の硫酸第1鉄溶液を生成した。
得られた複数の硫酸第1鉄溶液について、それぞれ20℃、30℃、及び40℃の各温度で冷却し、各時間経過後における溶液中のシリカ濃度、すなわち析出したシリカを濾過分離した後のシリカ濃度を前記と同一の方法で測定した。
図2は、その結果の一部を図示するものであり、縦軸が硫酸第1鉄溶液中のシリカ濃度、横軸が放置時間をそれぞれ示す。
それには、遊離硫酸濃度12.25wt%(冷却温度20℃の場合)、遊離硫酸濃度14.25wt%(冷却温度20℃の場合)、遊離硫酸濃度14.75wt%(冷却温度30℃の場合)、及び遊離硫酸濃度16.85wt%(冷却温度40℃の場合)に関して図示されている。
また、それら測定結果については、硫酸第1鉄溶液中におけるシリカの析出濃度に関し放置温度及び遊離硫酸濃度との関係についても図3に図示した。
なお、この図3においては、縦軸は、遊離硫酸濃度、横軸は放置温度をそれぞれ示す。
これら試験の結果、並びに図1、2及び3より、遊離硫酸濃度が同一の場合においては、低温に冷却した場合の方が供給管路の閉塞を回避できるシリカ濃度まで短時間で析出させることができることが判明した。
また、溶解後に冷却させる際の温度が同一の場合においては、遊離硫酸濃度が高い場合の方が供給管路の閉塞を回避できるシリカ濃度まで短時間で析出させることができることが判明した。
具体的には、図2から遊離硫酸濃度12.25wt%の硫酸第1鉄溶液を20℃に冷却し6時間放置後に析出したシリカを分離した場合には、該溶液中のシリカ濃度が50mg/kgであることがわかる。
さらに、遊離硫酸濃度14.75wt%の硫酸第1鉄溶液を30℃に冷却し同様に放置し、シリカを分離した場合の該溶液中にのシリカ濃度、及び遊離硫酸濃度16.85wt%の硫酸第1鉄溶液を40℃に冷却し同様に放置し、シリカを分離した場合の該溶液中のシリカ濃度も共に50mg/kgよりわずかに低下することがわかる。
そして、先の図3から、鉄を加温された硫酸にて溶解して生成した遊離硫酸濃度12.25〜16.85wt%の硫酸第1鉄溶液を20〜40℃に冷却し、6時間放置後固液分離して固形分を分離除去することにより、該硫酸第1鉄溶液中のシリカ濃度を、ポリ硫酸第2鉄における供給管路の閉鎖を回避できる濃度以下に低減できることがわかる。
また、このシリカ濃度の低減した3種の硫酸第1鉄溶液を酸化して、ポリ硫酸第2鉄を生成することにより、供給管路を閉塞することのないシリカ濃度の低減したポリ硫酸第2鉄を製造できることもわかる。
[再溶解試験]
シリカは、前記したとおり硫酸濃度が高く、かつ冷却温度が低いほど短時間で析出することが判明した。
そこで、一旦析出したシリカが、これら条件を逆にした場合に再溶解するどうかを確認するために、遊離硫酸濃度を低下させた場合、又は硫酸第1鉄溶液の温度を上昇させた場合にどのような挙動をするか確認するための試験を行った。
その結果、一旦析出したシリカは一切再溶解しないことが判明したので、シリカの分離は、硫酸第1鉄溶液生成後直ちに行うのでなく、ポリ硫酸第2鉄生成後でも可能であることがわかった。
以下に、本発明の実施例1及び2を示すが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
水300gにフレッシュな濃度96wt%の硫酸409g注いで希釈し、これに5cm程度に切断した鉄線200gを添加して液温75℃で溶解を開始し、溶解後のT-Fe濃度を分析してT-Fe濃度が約108g/L(約8wt%)に達した時点で溶解を止め、水を加えて1リットル(L)の硫酸第1鉄溶液を得た。
この得られた硫酸第1鉄溶液中の各成分濃度は、鉄イオン108.0g/L、硫酸イオン384g/L(全硫酸根濃度28.5%、遊離硫酸濃度14.75%)、比重1.348であった。
次いで、この得られた硫酸第一鉄溶液を温度30℃に冷却して6時間放置した。
その後、この硫酸第一鉄溶液に硫酸第1鉄結晶675gと水200gを加えて、温度50〜60℃にて亜硝ソーダ8gを加えて酸素を6.5L/時間で流通させたところ、4時間後に全鉄濃度160g/L、全硫酸根濃度402g/Lのポリ硫酸第2鉄溶液を得た。
このポリ硫酸第2鉄溶液をプレコートフィルターにて固形分をろ過した後、前記予備試験と同様にシリカ濃度を測定したところ40mg/kgであった。
このポリ硫酸第2鉄溶液を容器中で3週間保管したが、シリカ等の固形分の析出はなかった。
また、これを量産し、本出願人のユーザーの保管タンクに保管し、廃水処理に使用したが供給管路の閉塞の発生はなかった。
鉄線材の表面処理工程から排出された含鉄廃硫酸(2価鉄イオン80.6g/L、硫酸イオン258g/L、比重1.264)894mlを溶解槽に入れ、これに濃度96%のフレッシュな硫酸160gと5cm程度に切断した鉄線50gを添加して、液温75℃で溶解を開始し、溶解液の全鉄濃度を分析して、同濃度が108g/L(8wt%)に到達した時点で溶解を止め、水を加えて1Lの硫酸第1鉄溶液を得た。
なお、その溶液の遊離硫酸濃度は14.75wt%、比重は1.346であった。
その後、この得られた硫酸第一鉄溶液を温度30℃に冷却して6時間放置した。
ついで、この硫酸第一鉄溶液に硫酸第1鉄結晶673gと水224gを加えて、温度50〜60℃にて亜硝ソーダ8gを加えて酸素を6.5L/時間で流通させたところ、4時間後に全鉄濃度160g/L、全硫酸根濃度399g/Lのポリ硫酸第2鉄溶液を得た。
このポリ硫酸第2鉄溶液をプレコートフィルターにて固形分をろ過した後、前記予備試験と同様にシリカ濃度を測定したところ43mg/kgであった。
このポリ硫酸第2鉄溶液を容器中で3週間保管したが、シリカ等の固形分の析出はなかった。
また、これを量産し、本出願人のユーザーの保管タンクに保管し、廃水処理に使用したが供給管路の閉塞の発生はなかった。
なお、この実施例では、含鉄廃硫酸を使用しており、ここからも鉄原料の一部が供給されることになるが、ここから供給される鉄は、硫酸第1鉄を溶解したものではなく、金属鉄を加温された硫酸で溶解したものであるから、本発明の鉄原料である金属鉄と同様の態様で硫酸中に供給されるものであり、シリカ析出後に混合される第1鉄塩とは、異なる態様で全く異質のものである。
加温した硫酸で鉄を溶解して生成した硫酸第1鉄溶液を30℃に冷却、放置した各放置時間経過後の該溶液中に溶存しているシリカ濃度の変化。 加温した硫酸で鉄を溶解して生成した複数の遊離硫酸濃度の硫酸第1鉄溶液を20℃、30℃又は40℃に冷却、放置した各放置時間経過後の該溶液中に溶存しているシリカ濃度の変化。 加温した硫酸で鉄を溶解して生成した複数の遊離硫酸濃度の硫酸第1鉄溶液を20℃、30℃又は40℃に冷却し、6時間放置後の該溶液中に溶存しているシリカ濃度に関する、遊離硫酸濃度と放置温度との関係。

Claims (9)

  1. 加温された硫酸で鉄を溶解し、その溶解処理後の溶液中における遊離硫酸が鉄を酸化してポリ硫酸第2鉄を製造するのに必要な理論濃度を超える状態とし、その状態で該溶液を冷却、放置してシリカを析出させ、ついで該溶液に第1鉄塩を混合して遊離硫酸濃度を該理論濃度領域内に低下させ、その後酸化してポリ硫酸第2鉄を生成させ、該析出後のシリカを固液分離することを特徴とするポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  2. 加温された硫酸の温度が60〜80℃である請求項1に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  3. 鉄溶解後の溶液中における全鉄濃度が5〜8wt%である請求項1又は2に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  4. 冷却時における遊離硫酸濃度が、12.25〜16.85wt%である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  5. 冷却、放置時の温度が20〜30℃である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  6. 析出したシリカの固液分離が、ポリ硫酸第2鉄生成後である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  7. 溶解する鉄が機械加工時に発生する断片又は成形不良品である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  8. 硫酸が鉄溶解廃硫酸にフレッシュ硫酸を混合したものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
  9. 酸化反応が、亜硝酸ナトリウムを触媒として酸素により行なわれる請求項1に記載のポリ硫酸第2鉄の製造方法。
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