JP2009072769A - 汚水処理システム - Google Patents

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Abstract


【課題】 反応(又は混合)ホースを使用する汚水の小型処理システムを提供する。
【解決手段】
泥水処理剤含有固液分離装置で汚水(汚濁泥水)を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、ついで第二濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過して、凝集反応を施させること、更に清水タンクに回収された処理水を第一濾過器及び第二濾過器の洗浄に用いることからなる汚水処理システム。
【選択図】 図4

Description

本発明は汚水を固液分離する処理システムに関する。
従来より、浚渫底質の泥水(汚濁泥水)等の固液分離には、遠心分離機、フィルタープレス、ベルトプレスを用いる脱水処理機等がある。近年では、本発明者による疏水化剤、中和剤、有機高分子凝集剤を用いて固液を分離する方法があり(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)、又最近では、泥水処理剤と特定の混合機との組合わせによる浚渫底質泥水の処理方法及び固液水分離装置が開発されている(特許文献4)。
特公平8−240 特公平7−112560 特公平7−75720 特開平10−499
従来の前記遠心分離機、フィルタープレス等の脱水処理機での処理方法は多額の費用を投下しても底泥から水分を絞り出して含水率を低下させるにとどまり、悪臭、土質、水質の改善はなされない。また汚泥の固化状態が完全ではないため、埋立、盛土用土としてはその利用が困難である。
又、前記の疏水化剤、中和剤、有機高分子凝集剤等を添加しての固液分離する方法ではいずれも、撹拌混合が不十分でありそのため、固液の分離が十分でなく、長時間を要し、細菌、重金属の解毒、臭気の消除が十分でなく、環境汚染等の公害問題が避けられないものであった。
そのため、浚渫底質泥水を短時間で効率よく環境汚染のない固液分離され、改良された土質及び分離水の得られる固液の分離方法及び装置として前記の特開平10−499の処理方法及び装置が開発された。本発明は該発明の更なる効率を求めて、泥水処理のための優れたシステムを提供するものである。
本発明者は汚泥水を効率よく処理する課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、固液分離装置(スピラミキサー)で汚濁泥水を処理し、該処理物を沈殿槽で上水と沈殿物とに分離し、上水は濾過工程、沈殿物を更に固液分離装置で処理すること及び固液分離装置で処理後の処理物を反応(又は混合)ホース又はチューブ中で凝集反応を行ない、装置全体の小型化を可能し、効率的に汚濁泥水処理ができるシステムにおいて、濾過工程における濾過について、特定の砂濾過及び特定の活性炭濾過を行なうこと及び処理水を使用して砂濾過器及び活性炭濾過器を洗浄(逆洗)することにより更により効率的に汚水処理ができることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
(1)泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、第二濾過工程である桃チップ濾過処理、ついで第三濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システム、
(2)固液分離装置が、円筒状の本体からなる混合機21であり、該混合機本体は該本体よりも細い短管からなる汚水の導入口22及び混合処理物の排出口23を有し、該混合機21には泥水処理剤を導入するための薬剤供給管36が薬剤注入口28を介してその導入口に設けられ、該本体の入口及び出口近辺にあって、該入口及び出口近辺の内部の側面4箇所それぞれには該側面から中央に向かって平板からなる仕切板が固定され、該入口及び出口近辺内部の該4つの平板からなる仕切板の中間部にあって該混合機円筒体の円断面の中央部にはその突端部が該導入口方向に向けてあるように配置された「くの字形」の仕切板が固定されているものからなるものであり、必要に応じて前記薬剤の1以上を導入するようにした同様の混合機2以上を連結することからなる汚水の処理のための固液分離装置、である(1)記載の汚水処理システム、
(3)固液分離装置の円筒状本体が出口の直径より中央拡大部の直径が2倍であり、長さが4倍のものである(2)記載の汚水処理システム、
(4)混合機本体が横向にされたものからなる(2)又は(3)記載の汚水処理システム。
(5)泥水処理剤が疏水化剤及び中和剤の1つ以上から選択されるものである、(1)記載の汚水処理システム、
(6)反応(又は混合)ホース又はチューブが長尺のものである(1)記載の汚水処理システム、
(7)反応(又は混合)ホース又はチューブがジグザグ状に折り畳まれたもの或いは巻かれた状態にされたものからなる(1)又は(6)記載の汚水処理システム
(8)反応(又は混合)ホース又はチューブが10〜100mの長さのものである(1)、(6)又は(7)記載の汚水処理システム、
(9)固液分離装置が疏水化剤含有固液分離装置(i)、中和剤含有固液分離装置(ii)および/又は高分子凝集剤含有固液分離装置(iii)からなり、前記固液分離装置(i)の反応(又は混合)ホース又はチューブが20m、固液分離装置(ii)の反応(又は混合)ホース又はチューブが30m、固液分離装置(iii)の反応(又は混合)ホース又はチューブが40mである(1)、(6)、(7)又は(8)記載の汚水処理システム、
(10)反応(又は混合)ホース又はチューブの径が15〜200mmのものである(1)、(5)、(7)、(8)又は(9)記載の汚水処理システム、
(11)泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、ついで第二濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システム、
(12)泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、ついで第二濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システムにおいて、清水タンクに送った処理水を清水タンクから第一濾過工程である砂濾過器、及び又は第二濾過工程である活性炭濾過器に戻して逆洗浄し、ついで該逆洗浄液を原水槽に戻すことからなる汚水処理システム、
(13)砂濾過器が特定の大きさの砂を充填した多段式の構成からなるものである(1)、(11)又は(12)記載の汚水処理システム、
(14)砂濾過器の砂の大きさが1mm〜20mmの大きさのものから選択されるものである(13)記載の汚水処理システム、
(15)砂濾過器が1段目砂10〜20mm、6kg、2段目砂8〜10mm、4kg、3段目砂5〜8mm、4kg、4段目砂3〜5mm、7kg、5段目砂1〜2mm、6kg、6段目砂0.5〜1mm、47kgからなるものである(1)、(11)、(12)又は(13)記載の汚水処理システム、
(16)活性炭濾過器が特定の大きさの活性炭及び特定の大きさの砂を充填した多段式の構成からなるものである(1)、(11)又は(12)記載の汚水処理システム、
(17)活性炭濾過器の活性炭の大きさが2〜3mm及び砂の大きさが1mm〜20mmの大きさのものから選択されるものである(16)記載の汚水処理システム、
(18)活性炭濾過器が1段目砂10〜20mm、6kg、2段目砂8〜10mm、4kg、3段目砂5〜8mm、4kg、4段目砂3〜5mm、7kg、5段目活性炭2〜3mm、33kgからなるものである(1)、(11)、(16)又は(17)記載の汚水処理システム、
に関するものである。
公害問題となる汚水を疏水化処理剤及び中和剤を含有する邪魔板式スピラ又はラインミキサーに連続的に供給し、該混合撹拌した処理混合物をそれぞれ長い反応(又は混合)ホース又はチューブに導入し、該ホース又はチューブ内(中)で処理混合物を凝集させるので、泥水の疏水化が速やかに行われ、土粒子が結合して土塊となり、改質された土及び分離浄水が得られる。本発明では反応(又は混合)ホース又はチューブを利用し、該ホース又はチューブはジグザグ状或いは巻かれた状態にできるので、小型の装置の作成が自由に且つ容易に可能となる。その上、本願発明では中和剤含有固液分離装置での処理物を沈殿槽で上水と沈殿物とに分離後、上水は濾過工程に、又沈殿物は高分子凝集剤含有固液分離装置で処理するので、処理浄水は純度が高く又、凝集物は上質の固形物が得られ、利用度の高い処理物が得られる。更に、本発明では、砂濾過器及び活性炭濾過器において、特定の砂を多段式に構成した砂濾過器、又多段式の砂と共に特定の活性炭により構成される活性炭濾過器を用いるので、固液の分離がより確実に高精度に分離でき、処理水を戻して、砂濾過器(タンク)及び活性炭濾過器(タンク)を洗浄(逆洗という)することができ、極めて効率的なシステムが構成される。
本発明で使用する泥水処理剤は公知のいずれのものも使用でき、疏水化剤としては特公平8−240号公報記載の無機凝集剤、例えば、2価又は3価の鉄塩、3価の金属塩及びアルカリ土類金属を主成分として、該無機塩を溶媒水に溶解したものからなる無機凝集剤、又は該凝集剤に更に五酸化二燐を加えたものからなる無機凝集剤であることができる。
2価又は3価の鉄塩としては硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられ、3価の金属塩としては硫酸アルミニウム〔Al2(SO43〕、硫酸アルミニウムカリウム〔AlK(SO43〕等である。又、アルカリ土類金属塩としては塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O)、塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)等である。
本願発明では上記の無機凝集剤に更に五酸化二燐(P25)を加えた無機凝集剤とする。
本発明の上記無機凝集剤成分の組成割合は、その処理する汚泥物類の発生源、即ち汚泥物類を構成する成分や粒度構成比、含水率、pH、温度等により適宜選択するが、2価又は3価の鉄塩50〜30重量%、3価の金属塩45〜30重量%、及びP251.5〜0.3重量%であることができ、それにより効果的に処理することができる。
疏水化剤の使用量は特に限定されないが、底質泥水(含水率7〜12%)1に対して0.1〜1%、好ましくは0.2〜0.5%である。
本発明の浚渫底質等の汚水処理に当っては、本発明では疏水化剤である例えば前記の無機凝集剤で処理した後、無機凝集剤によって水中の水素イオン濃度が上がり、pHが下がり凝集反応を鈍化するときは、中和剤である水酸化カルシウム〔Ca(OH)2〕、水酸化ナトリウム(NaOH)、酸化マグネシウム(MgO)等で処理し、水素イオン濃度を下げ、pHを上げて凝集凝結反応を円滑に行なう。又疏水化剤によりpHが上昇する場合は無機酸である硫酸、塩酸等を使用する。該pHは5〜9、好ましくは5.8〜8.6であることができる。
又、本発明で使用する高分子凝集剤はアニオン、ノニオン、カチオンの各種の高分子凝集剤が用いられ、例えばアニオンではポリアクリルアマイド系〔ハイモロックSS500、同OK107(登録商標)(共立有機工業株式会社)〕、ノニオンではポリアクリルアマイド系〔ハイモロックSS200(登録商標)(共立有機工業株式会社)〕、カチオンではポリアクリルアマイド系〔ハイモロックMP173、同Q101、同Q105(登録商標)(共立有機工業株式会社)〕等が用いられる。
この高分子凝集により、汚泥物類粒子同志の凝集凝結反応をさらに促進させることができる。汚泥物類は浄化分離処理剤との相乗作用により急速に大きなフロックを形成して沈降する。
本発明では浚渫底質泥水等の汚濁泥水により、処理剤として、前記の疏水化剤、中和剤及び高分子凝集剤の1種以上を用いることができ、例えば泥水により選択され、例えば、1種類の処理剤を用いることもあるし、又先ず第一段階として前記疏水化剤で処理し、ついで第二段階で中和剤で、第三段階として有機高分子凝集剤で処理するものである。その混合機として邪魔板式スピラ又はラインミキサーを用いて処理するものである。これにより極めて有効に浚渫底質泥水と各処理剤が混合され、泥水の固液分離が完全に行なわれ、分離土及び分離水が有効に利用できるものとなるのである。
更に、本発明では泥水処理剤含有固液分離装置で汚濁泥水を処理後、更に特定の砂濾過器及び活性炭濾過器を用いて処理水を処理する。砂濾過器及び活性炭濾過器で用いる砂及び活性炭は表2に記載のものを用いるのが好ましい。
又、反応(又は混合)ホース又はチューブの径が15〜200mmのものである。
図面について説明する。
図1は本発明の汚水処理システムのフローシートの1つである。
原水(廃液)を地下第一タンク(2)へ送り、第一タンクの上水をオーバーフローして、地下第二タンク(3)へ送る。第二タンク(3)の原水はポンプにて第一工程スピラミキサー(20)へ送られる。第一工程スピラミキサー(20)では疏水化剤DLHが供給タンク(31)より導入され、原水と混合処理される。混合処理された原水は第一工程スピラミキサー(20)の排出口に取付けられている反応チューブ(ホース)(4)を通り、第二工程スピラミキサー(20’)に送られ、供給タンク(32)より導入される中和剤と混合処理される。混合処理された原水は第二工程スピラミキサー(20’)の排出口に取付けられている反応チューブ(4’)を通り、沈殿槽(5)へ送られる。沈殿槽(5)へ送られた処理物はその上水のみが第一濾過工程(砂濾過器6)、第二濾過工程(桃チップ濾過器6’)及び第三濾過工程(活性炭濾過器6”)へと送られ、濾過処理水は清水タンク(9)へ送られる。一方沈殿槽(5)で沈降した汚泥物は、第三工程スピラミキサー(20”)で供給タンク(33)より送られる高分子凝集剤DLNと混合処理され、処理物は第三工程スピラミキサーの排出口に取付けられている反応チューブ(4”)を通り、脱水機(7)に送られ、搾られた水と汚泥ケーキとに分けられ、搾られた水は地下第一タンク(2)へ送られ、汚泥ケーキはケーキ箱(ロードセル)(8)に送られ回収されることからなる、汚水処理システムを示すものである。
図2は本発明の薬注配管混合撹拌機(スピラミキサー又はラインミキサー)(20)の構造模式図である。ラインミキサー本体(21)は円筒体を横にしたものからなり、その左右には短管からなる導入口(22)及び排出口(23)を有し、本体内部の入口及び出口付近にあって、本体側面4箇所及び中央部に邪魔板(仕切板又は仕切羽)(24)が設けられている。本体側面の邪魔板(仕切板又は仕切羽24)は平板からなり、中央の邪魔板(仕切板又は仕切羽24)はくの字型の形状を有するものである。この邪魔板を通り抜ける間に泥水又は混合処理物と薬剤が十分に混合される仕組みとされている。
図3は従来法(特開平10−499)の浚渫底質泥水の処理方法のフローシートである。浚渫地からの底泥水を薬注配管混合撹拌機(スピラミキサー又はラインミキサー)(20)に導入すると共に、供給タンク(31)から疏水化剤を注入し、混合する。混合物を第2のラインミキサーに移送して導入すると共に供給タンク(32)から中和剤を注入し混合する。混合物をさらに第3のラインミキサー(20)に移送して導入し、供給タンク(33)から高分子凝集剤を注入し混合する。得られた混合物は充分に疏水化されており、次の処理、例えば水と固形物(土)の分離のための処理、例えば濾過処理等が施される。
図中、34は供給ポンプ、35は流量計、36は供給ホース、27は逆止弁、28は注入口であり、26はフランジ、24は仕切り板、25は仕切り板支持体、37は制御弁、22は短管からなる導入口、23は短管からなる排出口である。
図4は本発明の汚濁泥水処理システムのフローシートの1つである。
原水(廃液)を地下第一タンク(2)へ送り、第一タンクの上水をオーバーフローして、地下第二タンク(3)へ送る。第二タンク(3)の原水をポンプにて第一工程スピラミキサー(20)へ送られる。第一工程スピラミキサー(20)では疏水化剤DLHが供給タンク(31)より導入され、原水と混合処理される。混合処理された原水は第一工程スピラミキサー(20)の排出口に取付けられている反応チューブ(ホース)(4)を通り、第二工程スピラミキサー(20’)に送られ、供給タンク(32)より導入される中和剤と混合処理される。混合処理された原水は第二工程スピラミキサー(20’)の排出口に取付けられている反応チューブ(4’)を通り、沈殿槽(5)へ送られる。沈殿槽(5)へ送られた処理物はその上水のみが第一濾過工程(6)、及び第二濾過工程(6”)へと送られ、濾過処理水は清水タンク(9)へ送られる。一方沈殿槽(5)で沈降した汚泥物は、第三工程スピラミキサー(20”)で供給タンク(33)より送られる高分子凝集剤DLNと混合処理され、処理物は第三工程スピラミキサーの排出口に取付けられている反応チューブ(4”)を通り、脱水機(7)に送られ、搾られた水と汚泥ケーキとに分けられ、搾られた水は地下第一タンク(2)へ送られ、汚泥ケーキはケーキ箱(ロードセル)(8)に送られ回収される。清水タンク(9)に送られた濾過処理水は系外に排水する外に、清水タンク(9)よりポンプ等で管(10)を通って、管(11)より第二濾過器(活性炭濾過器6”)の上部より流し、該濾過器(6”)を洗浄し、洗浄液を管(13)より地下第一タンク(2)に返し、又同じく処理水は管(10及び12)より、第一濾過器(砂濾過器6)の上部より流し、該濾過器(6)を洗浄し、洗浄液を管(14)を通して地下第一タンク(2)に返す。地下第一タンク(2)の汚水は汚水処理システムで処理される。
図5は、砂濾過器(6)の構造模式図である。タンク本体41とタンク頭頂部42及びタンク基台43とからなり、タンク本体41は複数段に砂が載置されるように構成され、底部には基台43を、頭頂部42には処理排水入口44と処理水で洗浄するための(逆洗という)逆洗入口45及び出口46を有する構成からなるものである。
図6は、活性炭濾過器6”の構造模式図である。タンク本体51と頭頂部52及び基台53とからなり、タンク本体51は複数段に、活性炭及び砂が載置されるように構成され、底部には基台53を、頭頂部52には処理水入口54と処理水で洗浄するための(逆洗という)逆洗入口55及び出口56を有する構成からなるものである。
以下に図面に基づいて本発明の実施例を記載するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
小型用処理システム
図1に示すように、原水(廃液)をスクリーン(大きな不純物を除去)を通過させて地下第一タンク(2)(2m)へ送る。
地下第一タンク(2)へ送られた原水の上水のみオーバーフローして地下第二タンク(3)(2m)へ送る。一日の処理量2mで、8時間稼動で処理を行った。
地下第二タンク(3)へ送られた原水はポンプ(1〜1.5m/h)にて15A配管を通り、汚水処理システム(JDS)処理工程へ送られる。
JDS処理工程へ送られた原水はUV計(COD)・UV流量計(F)を通過し第一工程スピラミキサー(20)へ送られる。スピラミキサーの大きさは、長さ60〜208mm、出入口径15mm、中間部径30mmである。
第一工程スピラミキサー(20)では、疏水化剤H/Cが供給タンク(31)よりUV計(COD)・流量計(F)の数値を基に添加量(原水に対して1重量%の割合)で自動制御され定量ポンプ(P)2リッター/hにて送られる。
疏水化剤H/Cを添加された原水は、15A(径15mm)の反応チューブ(4)20mを通り、第二工程スピラミキサー(20’)に到達まで疏水化反応が終了する。疏水化剤反応により水成分と汚れの成分を完全に分離する。
第一工程スピラミキサー(20)と第二工程スピラミキサー(20’)の間にpH計を設置することにより薬剤添加量の再確認と調整を行なう。
第二工程のスピラミキサー(20’)では、中和剤DLαが供給タンク(32)よりUV計(COD)・流量計(F)の数値を基に添加量(原水に対して0.8重量%の割合)で自動制御され定量ポンプ(P)2リッター/hにて送られる。
中和剤DLαを添加された原水は、15Aの反応チューブ(4’)20mを通り、沈殿槽(5)(2m)へ到達するまでに中和反応が終了する。
第二工程スピラミキサー(20’)と沈殿槽(5)の間にpH計を設置することにより薬剤添加量の再確認と調整を行なう。
沈殿槽(5)へ送られた処理物は、約1時間の滞留の後、上水のみを第一濾過工程(砂濾過器)(6)へ水中ポンプ(P)(1.5m/h)にて送られる。
砂濾過工程(6)を通過した処理水は、第二濾過工程(桃チップ濾過器)(6’)へ送られる。
桃チップ濾過工程(6’)を通過した処理水は第三濾過工程(活性炭濾過器)(6”)へ送られる。
活性炭濾過工程(6”)を通過した処理水は清水タンク(9)(2m)へ送られる。
沈殿槽(5)で沈降した汚泥物は、汚泥引抜きポンプ(0.5リッター/h)(P)にて配管20A(径20mm)を通り第三スピラミキサー(20”)へ送られる。
第三スピラミキサー(20”)では、供給タンク(33)より高分子凝集剤DLN(6リッター/h)添加量(原水に対して2〜3重量%の割合)を定量ポンプ(P)にて添加される。
高分子凝集剤DLNを添加された汚泥物は第三スピラミキサーの排出口に取付けられた20Aの反応チューブ(4”)を通り脱水機(7)へと送られる。脱水機到達までに大きなフロックが形成される。
脱水機(スクリュープレス、遠心脱水機又はフィルタープレス等)(7)に送られた汚泥物は搾られた水と汚泥ケーキに分けられる。
搾られた水は、地下タンク1(2)へ送られ、汚泥ケーキはケーキ箱(ロードセル)(8)へ送られる。
自動制御(地下タンク2液面センサー値により運転及び停止が自動制御されている)で泥水処理システム(JDS)工程に送られた原水は、流量計1ヶ所・UV計(COD)1ヶ所、pH計3ヶ所の数値により、最適な薬剤量が自動計算され添加されるシステムであり、また、濾過剤による最終処理工程においても、濾過剤洗浄の為に清水タンクの処理水を利用し自動的に洗浄するシステムが盛り込まれている。したがって、極めて効率的であった。
Figure 2009072769
水質に関する略語は以下の通りである。
PH:水素イオン濃度、SS:浮遊物質量、COD:化学的酸素要求量、BOD:生物学的酸素要求量、NH4−N:アンモニア性窒素、Oil:ノルマルヘキサン、である。
本発明では特定のスピラミキサー(ラインミキサー)及び泥水処理剤を用いることにより、以下のような効果を有するものである。
本発明のラインミキサーは円筒形で出口の直径より中央拡大部の直径は2倍とする。長さは4倍とし、出入口と中央部に邪魔板が設けられ、この邪魔板の枚数の2乗に比例して薬剤と泥水が混合撹拌される。中央拡大部の容積が広いので流速が阻害されない。それにより勾配等による自然の流れを有効に利用して固液の混合撹拌分離を可能とするものである。又、本発明で用いる疏水化剤ヘドロクリンH/Cは早い凝集性と安全性が高く経済的である。ヘドロクリンH/Cはジェター電位が300mv以上と他の凝集剤の2倍〜3倍と強電位なので凝集性は10倍〜15倍早いことからラインミキサーとの性能と相俟って撹拌による固液の分離が最も効果的に行われる。
又、スピラミキサーで混合した後、特定の反応(又は混合)ホース又はチューブを用いるので凝集反応がスムーズに行われ又、ホース又はチューブを用いるため、その設備面積を縮小できるという効果を有する。
安全試験の結果
(1)小松葉の発芽試験(2)ヒメダカの育成試験(3)海洋底 生物影響試験(4)変異原性試験
ヘドロクリンH/C 1,000PBM添加の時のDNA損傷性は陰性と判定されヘドロクリンH/CがDNAレベルに与える影響は認められなかった。

実施例2
小型用処理システム
図2に示すように原水(廃液)をスクリーン(大きな不純物を除去)を通過させて地下第一タンク(2)(2m)へ送る。
地下第一タンク(2)へ送られた原水の上水のみオーバーフローして地下第二タンク(3)(2m)へ送る。一日の処理量2mで、8時間稼動で処理を行った。
地下第二タンク(3)へ送られた原水はポンプ(1〜1.5m/h)にて15A配管を通り、汚水処理システム(JDS)処理工程へ送られる。
JDS処理工程へ送られた原水はUV計(COD)・UV流量計(F)を通過し第一工程スピラミキサー(20)へ送られる。スピラミキサーの大きさは、長さ60〜208mm、出入口径15mm、中間部径30mmである。
第一工程スピラミキサー(20)では、疏水化剤DLHが供給タンク(31)よりUV計(COD)・流量計(F)の数値を基に添加量(原水に対して1重量%の割合)で自動制御され定量ポンプ(P)2リッター/hにて送られる。
疏水化剤DLHを添加された原水は、15A(径15mm)の反応チューブ(4)20mを通り、第二工程スピラミキサー(20’)に到達まで疏水化反応が終了する。疏水化剤反応により水成分と汚れの成分を完全に分離する。
第一工程スピラミキサー(20)と第二工程スピラミキサー(20’)の間にpH計を設置することにより薬剤添加量の再確認と調整を行なう。
第二工程のスピラミキサー(20’)では、中和剤DLαが供給タンク(32)よりUV計(COD)・流量計(F)の数値を基に添加量(原水に対して0.8重量%の割合)で自動制御され定量ポンプ(P)2リッター/hにて送られる。
中和剤DLαを添加された原水は、15Aの反応チューブ(4’)20mを通り、沈殿槽(5)(2m)へ到達するまでに中和反応が終了する。
第二工程スピラミキサー(20’)と沈殿槽(5)の間にpH計を設置することにより薬剤添加量の再確認と調整を行なう。
沈殿槽(5)へ送られた処理物は、約1時間の滞留の後、上水のみを第一濾過工程(砂濾過器)(6)へ水中ポンプ(P)(1.5m/h)にて送られる。
砂濾過器(6)を通過した処理水は、第二濾過器(活性炭濾過器)(6”)へ送られる。
活性炭濾過器(6”)を通過した処理水は清水タンク(9)(2m)へ送られる。
沈殿槽(5)で沈降した汚泥物は、汚泥引抜きポンプ(0.5リッター/h)(P)にて配管20A(径20mm)を通り第三スピラミキサー(20”)へ送られる。
第三スピラミキサー(20”)では、供給タンク(33)より高分子凝集剤DLN(6リッター/h)添加量(原水に対して2〜3重量%の割合)を定量ポンプ(P)にて添加される。
高分子凝集剤DLNを添加された汚泥物は第三スピラミキサーの排出口に取付けられた20Aの反応チューブ(4”)を通り脱水機(7)へと送られる。脱水機到達までに大きなフロックが形成される。
脱水機(スクリュープレス)(7)に送られた汚泥物は搾られた水と汚泥ケーキに分けられる。
搾られた水は、地下タンク1(2)へ送られ、汚泥ケーキはケーキ箱(ロードセル)(8)へ送られる。
処理された清水タンク(9)に貯蔵されている清水は、排出して利用する外に、該処理清水はポンプにて、管(10)、管(12)を経て第一濾過工程の砂濾過器(6)及びポンプにて、管(10)、管(11)を経て第二濾過工程の活性炭濾過器(6”)へ戻され、各濾過器を洗浄する(逆洗する)。次いで洗浄した排水は地下第一タンク(2)に送られ、汚水処理システム(JDS)処理工程にて処理される。
砂濾過器(6)及び活性炭濾過器(6”)での各段のろ剤である砂及び活性炭は表2の通りであり、又、使用薬剤及びろ剤の品名及び製造元は以下の通りであった。

Figure 2009072769

使用薬剤及びろ剤
無機凝集剤
品 名:H/C
製造元:恩▲てい▼希環保産業有限公司

高分子凝集剤
品 名:DLN
製造元:恩▲てい▼希環保産業有限公司

ろ剤
品 名:砂10〜20(mm)、砂8〜10、砂5〜8、砂3〜5、砂1〜2、砂0.5〜1、活性炭2〜3(mm)
製造元:朝陽石英砂場有限公司
本システムで処理した汚水の水質の結果は以下の表3の通りであった。
Figure 2009072769
本発明の汚水処理システムは長尺のホース又はチューブを用いて泥水の凝集反応を行うので、凝集反応が円滑に行われると共に、該ホース又はチューブは、適宜にその設備使用面積を縮小することができるので、中型又は小型、特に小型の装置とすることが可能であり、又、処理水での逆洗を可能とする画期的なシステムと言え、有用性の極めて高いものである。
本発明の汚水処理のフローシートの1つである。 本発明のラインミキサーの構造模式図である。 従来法(特開平10−499)の浚渫底質泥水処理のフローシートである。 本発明の汚水処理のフローシートの1つである。 本発明の砂濾過器の構造模式図である。 本発明の活性炭濾過器の構造模式図である。
符号の説明
1 汚水の処理システム
2 地下第一タンク
3 地下第二タンク
4、4’、4” 反応(又は混合)ホース又はチューブ
5 沈殿槽
6 砂濾過器
6’ 桃チップ濾過器
6” 活性炭濾過器
7 脱水機
8 固形物収納箱
9 清水タンク
20、20’、20” ライン(スピラ)ミキサー
21 混合機本体
22 泥水導入口
23 排出口
24 仕切り板
25 仕切り板支持体
26 フランジ
27 逆止弁
28 薬剤注入口
31、31’、31” (供給タンク)(疏水化剤)
32、32’ (供給タンク)(中和剤)
33、33’ (供給タンク)(高分子凝集剤)
P ポンプ

41、51 タンク本体
42、52 タンク頭頂部
43、53 タンク基台
44、54 処理排水入口
45、55 逆洗入口
46、56 処理水出口

Claims (18)

  1. 泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、第二濾過工程である桃チップ濾過処理、ついで第三濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システム。
  2. 固液分離装置が、円筒状の本体からなる混合機21であり、該混合機本体は該本体よりも細い短管からなる汚水の導入口22及び混合処理物の排出口23を有し、該混合機21には泥水処理剤を導入するための薬剤供給管36が薬剤注入口28を介してその導入口に設けられ、該本体の入口及び出口近辺にあって、該入口及び出口近辺の内部の側面4箇所それぞれには該側面から中央に向かって平板からなる仕切板が固定され、該入口及び出口近辺内部の該4つの平板からなる仕切板の中間部にあって該混合機円筒体の円断面の中央部にはその突端部が該導入口方向に向けてあるように配置された「くの字形」の仕切板が固定されているものからなるものであり、必要に応じて前記薬剤の1以上を導入するようにした同様の混合機2以上を連結することからなる汚水の処理のための固液分離装置、である請求項1記載の汚水処理システム。
  3. 固液分離装置の円筒状本体が出口の直径より中央拡大部の直径が2倍であり、長さが4倍のものである請求項2記載の汚水処理システム。
  4. 混合機本体が横向にされたものからなる請求項2又は3記載の汚水処理システム。
  5. 泥水処理剤が疏水化剤及び中和剤の1つ以上から選択されるものである、請求項1記載の汚水処理システム。
  6. 反応(又は混合)ホース又はチューブが長尺のものである請求項1記載の汚水処理システム。
  7. 反応(又は混合)ホース又はチューブがジグザグ状に折り畳まれたもの或いは巻かれた状態にされたものからなる請求項1又は6記載の汚水処理システム。
  8. 反応(又は混合)ホース又はチューブが10〜100mの長さのものである請求項1、6又は7記載の汚水処理システム。
  9. 固液分離装置が疏水化剤含有固液分離装置(1)、中和剤含有固液分離装置(2)および/又は高分子凝集剤含有固液分離装置(3)からなり、前記固液分離装置(1)の反応(又は混合)ホース又はチューブが20m、固液分離装置(2)の反応(又は混合)ホース又はチューブが30m、固液分離装置(3)の反応(又は混合)ホース又はチューブが40mである請求項1、6、7又は8記載の汚水処理システム。
  10. 反応(又は混合)ホース又はチューブの径が15〜200mmのものである請求項1、5、7、8又は9記載の汚水処理システム。
  11. 泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、ついで第二濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システム。
  12. 泥水処理剤含有固液分離装置で汚水を処理し、処理混合物を沈殿槽で滞留後、上水は第一濾過工程である砂濾過処理、ついで第二濾過工程である活性炭処理を行ない、処理水を清水タンクに送り地上に回収排水し、一方沈殿槽で沈降した汚泥物は高分子凝集剤含有固液分離装置で混合処理し、脱水処理して固形物を得ることからなり、固液分離装置での処理物はそれぞれ該装置の排出口に設けられた長尺の反応(又は混合)ホース又はチューブを通過させて、凝集反応を行なうことからなる、汚水処理システムにおいて、清水タンクに送った処理水を清水タンクから第一濾過工程である砂濾過器、及び又は第二濾過工程である活性炭濾過器に戻して逆洗浄し、ついで該逆洗浄液を原水槽に戻すことからなる汚水処理システム。
  13. 砂濾過器が特定の大きさの砂を充填した多段式の構成からなるものである請求項1、11又は12記載の汚水処理システム。
  14. 砂濾過器の砂の大きさが1mm〜20mmの大きさのものから選択されるものである請求項13記載の汚水処理システム。
  15. 砂濾過器が1段目砂10〜20mm、6kg、2段目砂8〜10mm、4kg、3段目砂5〜8mm、4kg、4段目砂3〜5mm、7kg、5段目砂1〜2mm、6kg、6段目砂0.5〜1mm、47kgからなるものである請求項1、11、12又は13記載の汚水処理システム。
  16. 活性炭濾過器が特定の大きさの活性炭及び特定の大きさの砂を充填した多段式の構成からなるものである請求項1、11又は12記載の汚水処理システム。
  17. 活性炭濾過器の活性炭の大きさが2〜3mm及び砂の大きさが1mm〜20mmの大きさのものから選択されるものである請求項16記載の汚水処理システム。
  18. 活性炭濾過器が1段目砂10〜20mm、6kg、2段目砂8〜10mm、4kg、3段目砂5〜8mm、4kg、4段目砂3〜5mm、7kg、5段目活性炭2〜3mm、33kgからなるものである請求項1、11、16又は17記載の汚水処理システム。
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