JP2012041279A - 血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法 - Google Patents

血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】 目的とするカフェ酸誘導体はアルギニン、アラニンとフェニルアラニンからなるトリペプチド及び2分子のカフェ酸から構成される。カフェ酸はトリペプチドのアルギニンと結合し、カルシウム拮抗作用を呈する。この製造方法はヤーコンの粉末を水に懸濁し、分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液にアルギニンを添加してアルカリ還元する工程からなる。アルギニンとペプチドを分岐シクロデキストリンとアルカリ還元処理する工程により効率良く目的とするカフェ酸誘導体を得る。
【選択図】 なし

Description

この発明は血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法に関するものである。
血圧の上昇には様々な要因が関与している。たとえば、レニンアンジオテンシンの亢進による血管の収縮、動脈硬化による血管の弾性低下と血管の肥厚、体液の調整不良による浮腫による場合、エストロジェン低下による末梢血流の異常やエピネフリン系を介した中枢神経性高血圧などである。
高血圧患者およびその予備軍は日本国内だけで500万人とも言われ、高血圧を抑制する研究は重要で精力的に行われている。多くの医薬品も開発されており、その使用も大量になっている。
しかし、医薬品による治療は対症療法が主体であり、高血圧を発症の原因を排除できないことから、完治するには至らない。さらに、医薬品には副作用が認められ、長期間の使用にも課題が残る。
一方、食品中にも血圧を調整する天然物が存在しており、特定保健用食品として利用されているその多くはアンジオテンシン変換酵素阻害に起因するものが主体であり、カルシウムキレート作用やチャネル抑制作用については例が少ない。
しかし、天然物由来の物質は安全性が高い反面、血圧低下作用が軽度であり、効果が弱いという欠点がある。
血圧を低下させる天然物の発明としては、例えば、ユーカリ属植物であるユーカリプタス・マクロカルパまたはユーカリプタス・グロブラスより得られる抽出物を有効成分として含有するアンジオテンシン変換酵素阻害剤がある(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、血圧低下作用を有するユーカリ属に属する植物の抽出物の発明がある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、いずれも血圧低下作用が軽度であるという問題点があり、産業上の利用は限られている。
特願平9−228134 特願平4−349217
前記したように既存の天然物による血圧低下作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れた血圧低下作用を呈する天然物を効率良く製造する製造方法が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の製造方法によれば、効率良く血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体を製造することができる。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
ヤーコンの粉末を水に懸濁し、分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液にアルギニンを添加してアルカリ還元する工程からなる下記の式(1)に示される血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法について説明する。
Figure 2012041279
ここでいうカフェ酸誘導体とはアルギニン、アラニン、フェニルアラニンよりなるトリペプチド1分子に2分子のカフェ酸が結合したペプチド有機酸結合体である。
アルギニン、アラニン、フェニルアラニンおよびカフェ酸はいずれも天然の植物に含有されており、その安全性も確認されている。
トリペプチドはアルギニン、アラニン、フェニルアラニンよりなり、N末端側がアルギニンで、中央がアラニン、C端末側がフェニルアラニンであり、その間はペプチド結合により結合されている。
これらのアミノ酸はいずれもL型である。これらのアミノ酸はいずれも体内に存在する成分であり、その安全性は確認されている。
カフェ酸1分子がカフェ酸のカルボキシル基がトリペプチドのN末端のアミノ基とペプチド結合している。
もう1分子のカフェ酸がカルボキシル基がアルギニンのグアニジノ基のアミノ基とペプチド結合している。
このカフェ酸誘導体は水溶性が高く、一方、油溶性との親和性もあることから、水、油、エタノールなどに溶解性を示して産業上利用しやすい。
このカフェ酸誘導体は血圧低下に対して2つの作用メカニズムを有している。
2分子のカフェ酸は相対する水酸基を持つことから、カルシウムをキレートし、カルシウムチャネル拮抗作用を呈し、血管平滑筋の収縮を抑制する。
トリペプチド部分はアンジオテンシン変換酵素を阻害することによりレニンアンジオテンシン系を抑制し、血管を弛緩させる。
カルシウムチャネル拮抗作用とアンジオテンシン変換酵素を阻害作用の両作用は相乗的に働くことにより、タイプの異なる高血圧に対して利用される。
一方、このカフェ酸誘導体は細胞内に局在するエステラーゼにより分解されてペプチドとカフェ酸に分解されることから残留性もなく、安全性は高い。
得られたカフェ酸誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするカフェ酸誘導体を分離精製することは、目的とするカフェ酸誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品として注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤として血圧低下を目的とした健康食品や食品などに利用される。また、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、血圧を維持する目的として、飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
得られた化粧料は血圧を調整することにより皮膚機能を維持する。
この製造方法とはヤーコンの粉末を水に懸濁し、分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液にアルギニンを添加してアルカリ還元する工程からなる。
原料となる物質はヤーコンの粉末、分岐シクロデキストリン、プロテアーゼ、アルギニンである。
ヤーコンとはキク科の植物であり、学名Smallanthus sonchifoliusであり、南米、中国、日本、北米、オーストラリア、ヨーロッパで栽培されたものが用いられる。
このヤーコンの葉又は塊根の部分が食用として利用されることから、葉又は塊根を水洗後、裁断機により細切して粉砕物が得られる。この粉砕物を乾燥させて、ヤーコンの粉末が得られる。
このヤーコンの粉末には炭水化物、脂質、たんぱく質やペプチド成分の他、カフェ酸や桂皮酸などの有機酸が含有されている。特に、葉の部分には有機酸が多いことから、葉を利用することは好ましい。
このヤーコンの粉末は清浄な水を添加して懸濁される。ヤーコンの粉末10gに対して水10リットルから20リットルを添加し、攪拌される。このヤーコンの懸濁液に分岐シクロデキストリンが添加される。
分岐シクロデキストリンは環状ブドウ糖の一つであり、ブドウ糖が環状に結合し、食品や化粧料に利用されることから好ましい。この分岐シクロデキストリンは内腔に疎水性部分を有することから疎水性の高い物質を吸着しやすい。塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリンは品質が高いことから好ましい。
添加される分岐シクロデキストリンはヤーコン1gに対して1gから5gが好ましい。この分岐シクロデキストリンによりヤーコン中のペプチドと有機酸が包みこまれる。
この分岐シクロデキストリンとの懸濁液は攪拌されることが好ましい。
ヤーコンと分岐シクロデキストリンとの懸濁液にプロテアーゼが添加される。用いるプロテアーゼとしては天野エンザイム社製の食品加工用プロテアーゼであるプロテアーゼA「アマノ」SD、プロテアーゼM「アマノ」SDまたはプロテアーゼP「アマノ」3SDの品質が安定し、使用実績が豊富なことから好ましい。
添加されるプロテアーゼはヤーコン1gに対して0.01gから0.05gが好ましい。このプロテアーゼは精製水に懸濁して添加されることは反応が進むことから好ましい。
この懸濁液は反応を促進するために加温され、攪拌されることは好ましい。加温としては30〜40℃が好ましい。また、攪拌は1分間当り10〜30回が好ましい。
このプロテアーゼ反応液は濾過される。濾紙やメンブランフィルターを用いることにより効率良くろ過される。ろ過してろ液を得ることにより反応していない成分や原料を排除できることから好ましい。
得られたろ液にアルギニンが添加される。アルギニンはL型のアミノ酸であり、尿素サイクルを構成するアミノ酸である。アルギニンは味の素社製のものが品質が高いことから好ましい。
アルギニンの添加量はヤーコン1gに対して0.1g〜3gが好ましい。アルギニンの添加量が少ない場合、反応が進まないおそれがある。
アルギニンを添加した後、添加物は攪拌される。また、30〜40℃に加熱することは好ましい。
アルギニン添加物はアルカリ還元処理される。アルカリ還元処理はアルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。
例えば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器」などの装置を用いることがさらに好ましい。
電気分解されて陰極側から目的とするカフェ酸誘導体とアルギニンとの結合体が溶液として得られる。このアルカリ還元により分岐シクロデキストリン内部からカフェ酸およびペプチドが遊離し、アルギニンとペプチドが還元処理により、結合が生じる。
アルカリ還元処理を2〜5回繰り返すことにより反応が高まることから好ましい。
得られた結合体は、凍結乾燥することにより粉末化され、用いられる。
前記の還元反応物から、目的とするカフェ酸誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするカフェ酸誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜30倍量が好ましく、5〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
カフェ酸誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするカフェ酸誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
また、このカフェ酸誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
千葉県のヤーコンの根茎と葉10kgを大地農園より購入した。これを水洗後、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)に精製水とともに粉砕して粉砕物9kgを得た。
この粉砕物を乾燥器により乾燥し、ヤーコン粉末を得た。このヤーコン粉末100gを清浄なステンレス製寸胴移し、精製水を10L添加して懸濁した。
この懸濁液に天野エンザイム製のプロテアーゼM「アマノ」SD10gを添加し、30℃に加温して1時間攪拌した。
この反応液に塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリン100gを添加して攪拌した。攪拌は攪拌装置を用いて室温で2時間実施した。
得られた反応液を東洋濾紙の濾紙により吸引ろ過し、ろ液を得た。
このろ液に味の素製のL−アルギニンの粉末100gを添加し、室温で2時間攪拌した。
得られた反応液をパールウォーターDX−7000に供し、電気分解し、陰極側からアルカリ還元された溶液を得た。
この溶液を凍結乾燥させて目的とする粉末15gを得た。これを検体1として以下の試験に供した。
以下に、カフェ酸誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体1を精製水に溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1からカフェ酸、アルギニン、アラニン、フェニルアラニンが結合した結合体が検出された。
アミノ酸分析装置(島津製作所製)によりアルギニン、アラニン、フェニルアラニンが同定された。
以下に、ヒト皮膚細胞を用いたセラミド生成の確認試験について述べる。
(試験例2)
以下に、ヒト皮膚由来血管平滑筋細胞を用いた細胞内カルシウム試験について説明する。この試験は、カルシウムチャネルの働きを指標とした血管弛緩反応を観察する方法として普及している。
正常ヒト由来血管平滑筋細胞(冠状動脈血管平滑筋細胞培養製品、三光純薬株式会社製)を専用培養液にて培養した。これに、実施例1で得られた検体1、カフェ酸、アルギニンのそれぞれ0.1mg、0.3mg及び1mgを添加し、37℃で、1時間培養した。
これにフルオロ−3AM(ナカライテスク製)0.01%溶液を添加し、さらに、0.01mM イソプロテレノールを添加して共焦点レーザー蛍光顕微鏡で、細胞内カルシウム濃度を測定した。溶媒対照に対するカルシウム濃度の変化を求めた。
その結果、実施例1の0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対する細胞内カルシウム濃度は、それぞれ89%、82%及び69%であり、対照群に比して有意な減少が認められた。なお、カフェ酸及びアルギニンの1mgでは、溶媒対照群の値に比してそれぞれ99%及び97%となり、変化はなかった。
一方、検体1により生細胞数に変化はなく、血管細胞に対する毒性は認められなかった。
以下に、自然発症高血圧ラット(SHR)及び正常なウィスターラットを用いた血圧に対する試験について説明する。このSHRラットは、ヒトの血管収縮型高血圧のモデルとして汎用され、試験例も豊富であり、ヒトの結果を反映している。
(試験例3)
日本チャールスリバー株式会社より購入した7週齢の雄性SHRラット及びウィスターラットを1週間予備飼育した。
実施例1で得られた検体1、カフェ酸、アルギニン及びカプトプリル(第一三共製)のそれぞれ1mg/kgを28日間経口投与した。
投与後に、尾の血圧をソフトロン製BP−38Aを用いて測定し、溶媒対照群との比較を実施した。
なお、正常ウィスターラットには検体1の1g/kgを28日間経口投与した。
その結果、実施例1で得られた検体1、カフェ酸、アルギニン及びカプトプリルの収縮期血圧は、溶媒対照群の値に比して、それぞれ、70%、96%、99%及び80%となり、検体1は明らかに血圧降下作用を示し、その程度はカプトプリルより強力であった。
一方、正常なウィスターラットに検体1の1g/kgを28日間経口投与した場合、血圧には変化なく、また、異常な所見や変化は認められなかった。この結果より、検体1は安全であると考えられた。
本発明で得られるカフェ酸誘導体は血圧低下作用を呈し、かつ、副作用が少ないことから、国民のQOLを改善し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減できる。
本発明で得られるカフェ酸誘導体の製造方法は食品としても利用できることから、食品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるカフェ酸誘導体は高血圧治療のための医薬品製剤として用いられ、医薬品業界の発展に寄与する。

Claims (1)

  1. ヤーコンの粉末を水に懸濁し、分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液にアルギニンを添加してアルカリ還元する工程からなる下記の式(1)に示される血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法。
    Figure 2012041279
JP2010181497A 2010-08-16 2010-08-16 血圧低下作用を呈するカフェ酸誘導体の製造方法 Active JP5585958B2 (ja)

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