JP2012040732A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速化、ロングチューブ化、高粘度化に対してリフィル不足を生じない液体供給を行うための構成が複雑になる。
【解決手段】ヘッド10にインクを供給する第1の流路71と、インクカートリッジ76に連通する第2の流路70と、第2の流路70内のインクを加圧する加圧ユニット72と、第2の流路70から第1の流路71へのインクの供給を制御する制御弁81とを備え、制御弁81は、容積変化が可能なバッファ室60と、第1の流路71と第2の流路70の開閉を行う弁体85とを有し、記録ヘッド10からのインクの吐出によって生じるバッファ室60から第1の流路71への液体の流れにより弁体85が移動して第2の流路70と第1の流路71が連通する。
【選択図】図9

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置(単なる液体吐出装置を含む)を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を媒体に着弾させる、即ち液滴吐出装置ないし液体吐出装置と称されるものを含む)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体、DNA試料、パターニング材料などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
記録ヘッドとして用いる液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)としては、圧電アクチュエータ等により振動板を変位させ液室内の体積を変化させて圧力を高め液滴を吐出させる圧電型ヘッドや、液室内に通電によって発熱する発熱体を設けて、発熱体の発熱により生じる気泡によって液室内の圧力を高め、液滴を吐出させるサーマル型ヘッドが知られている。
このような液体吐出方式の画像形成装置においては、特に画像形成スループットの向上、すなわち画像形成速度の高速化が望まれており、本体据え置きの大容量のインクカートリッジ(メインタンク)からチューブを介して記録ヘッド上部のヘッドタンク(サブタンク、バッファタンクと称されるものを含む。)にインクを供給する方式が行なわれている。
このチューブ供給方式では、画像形成で記録ヘッドから消費されるインクがインクカートリッジからチューブを通って記録ヘッドに供給されることになるが、例えば、柔軟性に富む細いチューブを使うと、チューブをインクが流れるときの流体抵抗が大きいため、供給がインク吐出に間に合わず吐出不良となることがある。特に、広幅の被記録媒体に記録する大型の装置では、必然的にチューブが長くなり、チューブの流体抵抗が大きくなる。また、高速印字する場合や高粘度のインクを吐出する場合も流体抵抗が増大し、記録ヘッドへのインク供給不足が問題となる。
そこで、従来、インクカートリッジのインクを加圧状態に保持すると共に、ヘッドのインク供給上流側に差圧弁(負圧連動弁)を設けて、サブタンク内の負圧が所定の圧力より大きい時にインクを供給するようにするものが知られている(特許文献1)。
また、チューブの流体抵抗による圧力損失を解消する他の技術としては、例えば、ヘッドの上流にばねによって負圧を得る負圧室にポンプでインクを送液して積極的にインク供給圧を制御するものがある(特許文献2)。また、負圧室を有していないが、同様にポンプによって積極的に圧力を制御するものもある(特許文献3)。
特許第3606282号公報 特開2005−342960号公報 特表平05−504308号公報
上述した特許文献1に開示の構成あっては、前述したリフィル不足の問題は解決されるが、負圧を制御するための機構が複雑であり、かつ、負圧連動弁のシール性能を高度に要求されるという課題がある。また、常時加圧する方式であるため、インク供給経路中にある全ての接続部の気密性(シール性)も高度に要求され、シール性が低下したときにはインクが噴出するという課題がある。
また、特許文献2、3の構成にあっては、インクの消費量等に応じて正確にポンプの送液量を制御する必要があるため、負圧室の圧力を用いたフィードバック制御等が必要となり、制御が複雑になるという課題がある。また、例えば、色の異なる複数種のインクを用いる画像形成装置に適用する場合には、色種ごとにポンプを制御することが求められ、装置が複雑化、大型化するという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、構成が簡単で安定な負圧を維持し、なおかつ高速化、ロングチューブ化、高粘度化してもリフィル不足を生じない液体供給を行えるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、
前記記録ヘッドに前記液体を供給する第1の流路と、
前記液体タンクに連通する第2の流路と、
前記第2の流路内の液体を加圧する加圧手段と、
前記第2の流路から前記第1の流路への液体の供給を制御する制御弁と、を備え、
前記制御弁は、
容積変化が可能な液体保持室と、
前記第1の流路と前記第2の流路の開閉を行う弁体と、を有し、
前記記録ヘッドからの液体の吐出によって生じる前記液体保持室から前記第1の流路への液体の流れにより前記弁体が移動して前記第2の流路と前記第1の流路が連通する
構成とした。
ここで、前記第2の流路又は前記液体タンクと前記第1の流路とを連通する第3の流路を備えている構成とできる。
この場合、前記第3の流路には、前記第1の流路から前記第2の流路又は前記液体タンクへの流れを規制する規制部材が備えられている構成とできる。
この場合、前記規制部材は、前記第1の流路から流れる流量に応じて開閉する逆止弁である構成とできる。
また、前記弁体の少なくとも一部には、前記第1の流路と前記液体保持室を連通させる貫通穴が設けられている構成とできる。
この場合、前記制御弁は、前記弁体が前記第1の流路方向への移動によって接触し、前記貫通穴を閉塞するシール部材が備えられる構成とできる。
また、前記液体保持室は少なくとも一部が可撓性部材で形成されている構成とできる。
この場合、前記可撓性部材は前記液体保持室の容積を膨張させる方向に付勢されている構成とできる。
また、前記液体保持室は少なくとも一部が弾性体で形成されている構成とできる。
また、前記弁体の外周部には前記制御弁内部の流路内壁面を摺動する部分が設けられている構成とできる。
また、前記制御弁の前記弁体の前記第1の流路方向への移動によって、前記第1の流路と前記液体保持室の連通路の流路幅が増加する構成とできる。
また、前記制御弁は、前記弁体を前記第2の流路方向に付勢するばねを備えている構成とできる。
また、前記加圧手段は、加圧力が脈動する構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、記録ヘッドに液体を供給する第1の流路と、液体タンクに連通する第2の流路と、第2の流路内の液体を加圧する加圧手段と、第2の流路から第1の流路への液体の供給を制御する制御弁と、を備え、制御弁は、容積変化が可能な液体保持室と、第1の流路と第2の流路の開閉を行う弁体と、を有し、記録ヘッドからの液体の吐出によって生じる液体保持室から第1の流路への液体の流れにより弁体が移動して第2の流路と第1の流路が連通する構成としたので、構成が簡単で安定な負圧を維持し、なおかつ高速化、ロングチューブ化、高粘度化してもリフィル不足を生じない液体供給を行えるようになる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置を示す概略正面説明図である。 同じく概略平面説明図である。 同じく概略側面説明図である。 同装置の記録ヘッドの説明に供する要部拡大説明図である。 同装置のヘッドタンクの模式的断面説明図である。 本発明の第1実施形態に係るインク供給系(インク供給システム)の全体構成図である。 同じくアシストユニットの模式的説明図である。 同アシストユニットの制御弁の断面説明図である。 同インク供給システムにおける供給動作の説明に供する制御弁の断面説明図である。 同画像形成装置の制御部の概要を説明する全体ブロック説明図である。 同実施形態における印字動作の説明に供するフロー図である。 本発明の第2実施形態における制御弁の断面説明図である。 本発明の第3実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図である。 同システムで使用している制御弁の断面説明図である。 同じく制御弁を底面側から見た平面説明図である。 同制御弁の弁体の斜視説明図である。 同実施形態のインク供給システムの供給動作の説明に供する制御弁の断面説明図である。 同実施形態における印字動作の説明に供するフロー図である。 本発明の第4実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図である。 同システムで使用しているインクカートリッジの断面説明図である。 同じく制御弁の説明図である。 本発明の第5実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図である。 同システムで使用しているインクカートリッジの断面説明図である。 同じく開閉弁の説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同記録装置の概略正面説明図、図2は同じく概略平面説明図、図3は同じく概略側面説明図である。
このインクジェット記録装置は、本体フレーム1に立設された左右の側板1L、1Rに横架したガイド部材であるガイドロッド2と、本体フレーム1に横架される後フレーム1Bに取付けられたガイドレール3とで、キャリッジ4を主走査方向(ガイドロッド長手方向)に摺動自在に保持し、キャリッジ4を主走査モータ551とタイミングベルトによってガイドロッド2の長手方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ4には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインク滴を吐出する1又は複数の記録ヘッド10が搭載され、記録ヘッド10は複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
ここで、記録ヘッド10は、図4に示すように、発熱体基板12と液室形成部材13から構成され、ベース部材19に形成されたインク供給路を介して共通流路17及び液室(個別流路)16に順次供給されるインクを液滴として吐出する。この記録ヘッド10は、発熱体14の駆動によるインクの膜沸騰により吐出圧を得るサーマル方式のものであり、液室16内の吐出エネルギー作用部(発熱体部)へのインクの流れ方向とノズル15の開口中心軸とを直角となしたサイドシュータ方式の構成のものである。
なお、記録ヘッドとしては、圧電素子を用いて振動板を変形させ、また、静電力で振動板を変形させて吐出圧を得るものなど様々な方式があり、いずれの方式のものも本発明に係る画像形成装置に適用することができる。
一方、キャリッジ4の下方には、記録ヘッド10によって画像が形成される用紙20が主走査方向と垂直方向(副走査方向)に搬送される。図3に示すように、用紙20は、搬送ローラ21と押えコロ22で挟持されて、記録ヘッド10による画像形成領域(印字部)に搬送され、印写ガイド部材23上に送られ、排紙ローラ対24で排紙方向に送られる。
このとき、主走査方向へのキャリッジ4の走査と記録ヘッド10からのインク吐出を画像データに基づいて適切なタイミングで同調させ、用紙20に1バンド分の画像を形成する。1バンド分の画像形成が完了した後、副走査方向に用紙20を所定量送り、前述と同様の記録動作を行う。これらの動作を繰り返し行い、1ページ分の画像形成を行なう。
一方、記録ヘッド10の上部には吐出するインクを一時的に貯留するためのインク室103が形成されたヘッドタンク(バッファタンク、サブタンク)30が一体的に接続される。ここでいう「一体的」とは、記録ヘッド10とヘッドタンク30がチューブ、管等で接続されることも含んでおり、どちらも一緒にキャリッジ4に搭載されているという意味である。
このヘッドタンク30は、図5に示すように、インク室103を形成するタンクケース101の一部の開口に外側に向かって凸状に形成された可撓性を有する弾性部材、例えばゴム部材102が設けられ、インク室103の内部には記録ヘッド10との接続部の近傍にフィルタ109が設けられ、インクをろ過して異物などを除去したインクを記録ヘッド10に供給する構成となっている。
このヘッドタンク30には、装置本体側の主走査方向の一端部側に設けられたカートリッジホルダ77に着脱自在に装着される各色のインクを収容した液体タンクであるインクカートリッジ(メインタンク)76から所要の色のインクが供給される。
ここで、ヘッドタンク30とインクカートリッジ76との間にはアシストユニット80が設けられ、ヘッドタンク30とアシストユニット80とは第1の流路を形成する液体供給チューブ71を介して接続され、また、アシストユニット80は後述する第2の流路70を介してインクカートリッジ76と接続されている。
また、装置本体の主走査方向の他端部側には記録ヘッド10の維持回復を行う維持回復機構51が配置されている。この維持回復機構51は、記録ヘッド10のノズル面をキャッピングするキャップ52と、キャップ52内を吸引する吸引ポンプ53と、吸引ポンプ53で吸引されたインクの廃液を排出する排出経路54などを含み、排出経路54から排出される廃液は本体フレーム1側に配置された廃液タンク56に排出される。この維持回復機構51にはキャップ52を記録ヘッド10のノズル面に対して進退移動(この例では昇降)させる移動機構を備えている。また、維持回復機構51には、ここでは図示しないが、記録ヘッド10のノズル面をワイピングするワイパ部材57をワイピングユニット58にて保持してノズル面に対して進退可能に配設している(例えば図13参照)。
次に、このインクジェット記録装置に適用した本発明の第1実施形態に係るインク供給系(インク供給システム)について図6ないし図8をも参照して説明する。なお、図6は同インク供給システムの全体構成図、図7は同システムのアシストユニットの模式的説明図、図8は同アシストユニットの制御弁の断面説明図である。
まず、図6に示すように、4色のインクに対応して、インクカートリッジ76、第2の流路70、アシストユニット80、インク供給チューブ(第1の流路)71、ヘッドタンク30が連通している。
各アシストユニット80は、第2の流路70のインクを加圧する加圧手段である加圧ユニット72と、第2の流路70から第1の流路71へのインクの供給を制御する制御弁81とを備えている。
加圧ユニット72は、インクカートリッジ76に通じる第2の流路70のインクを加圧して制御弁81に送液する。この加圧ユニット72は、例えば、図7に示すように、流路抵抗ユニット75を有するループ状の循環路78に、ポンプ73でインクを矢印A方向に循環させて、制御弁81のインク流入部にあたる分岐部79を加圧することができる。流路抵抗ユニット75は、流路が絞られた構造を含むもので、例えば小径の管路とすることができる。ポンプ73としては、チュービングポンプやダイヤフラムポンプ、ギヤポンプなど種々のポンプを適用することができる。
なお、本実施形態では4色のインクに対応して4つのポンプ73K、73C、73M、73Yを備えているが、これらの4つのポンプは1つのモータ74で連動して駆動する構成としている。
また、制御弁81は、例えば、図8に示すように、ケース部材82と蓋部材83が接合されて内部に管路(流路)84が形成され、管路84の一方には加圧ユニット72の分岐部79につながる流入ポート86が設けられ、他方には液体供給チューブ71につながる流出ポート87が設けられている。
そして、管路84内には弁体85が移動可能に配設されている。この弁体85は、インク中で錆びない材質、例えばステンレスからなり、弁体85の流入ポート86側の面には、ゴムやエラストマーからなるシール部材88が設けられている。そして、弁体85は、印字動作が行われていないときには、弁体85の自重によって流入ポート86を塞ぐ位置に移動している。
また、制御弁81には、管路84に連通した液体保持室としてのバッファ室60を備えている。このバッファ室60は、一部が変形可能な材料で構成され、内部の容積が変化可能とされている。この例では、ポリプロピレン製の蛇腹状構造体をケース部材82に接合することで容積変化が可能なバッファ室60を形成している。
次に、このインク供給システムにおける供給動作について図9も参照して説明する。
まず、印字(記録)に先立ってモータ74を駆動してポンプ73によりインクを循環させ(図7の矢印A参照)、制御弁81の流入ポート86を加圧する。この状態では、図9(a)に示すように、制御弁81は、弁体85に作用する重力によって、制御弁81内部の管路84と流入ポート86は遮断されているため、流出ポート87はヘッド10と同様に負圧状態である。
そして、ヘッド10からインクが吐出されると、そのインクはヘッドタンク30から供給されるが、このとき、ヘッドタンク30はゴム部材102が変形するのでヘッドタンク30内部の負圧が増大する。この負圧増大によって、制御弁81は、図9(b)に示すように、バッファ室60が収縮し、弁体85と管路84の間のギャップ89を経由してインクが流出ポート87に流れ出す。ここで、弁体85の外周面と管路84の内周面との間のギャップ89を狭いギャップとすると、ギャップ89をインクが流れることによって、弁体85の上下(流れの方向の前後)に圧力差が発生し、弁体85を上昇(流出ポート87側へ移動)させる力が作用し、弁体85が上昇する。
これにより、図9(c)に示すように、弁体85による流入ポート86の流入口部86aのシール状態が解除され、流入ポート86の加圧インクが管路84に流れ込み、バッファ室60を膨張させると共に、流出ポート87にインクを高速に供給する。
したがって、ヘッドタンク30にインクが補充され、ヘッドタンク30内の負圧が小さく(ゼロに近く)なる。このとき、図9(d)に示すように、弁体85と管路84の間のギャップ89をインクが流れるので、弁体85は力を受けて更に上昇し、弁体85は上死点に達する。
そして、弁体85が上死点に達すると、弁体85が流出ポート87を塞ぐので、制御弁81からヘッドタンク30へのインクの供給は停止する。このとき、流出ポート87の圧力も正圧となり、流入ポート86と近い圧力となる。また、弁体85の上昇の駆動源であるギャップ89部分のインクの流れがなくなり、狭いギャップ89をインクが流れることによる大きな圧力差がなくなるので、弁体85は重力によって下降し、再び図9(a)に示すように、弁体85が流入ポート86を閉じる。
記録ヘッド1からのインク吐出が続き、ヘッドタンク30の負圧が増大すると、同様にバッファ室60が収縮すると共に、弁体85が上昇し、流入ポート86が流出ポート87に連通して加圧されたインクがヘッドタンク30に補充される。
このように、制御弁81は、ヘッド10からインクが消費されることにより、制御弁81内のバッファ室60のインクが流れて弁体85が移動し、自動的に加圧インクをヘッド1側に高速に供給して弁が閉じる。したがって、吐出するインクの粘度が大きい場合や液体供給チューブ71の流体抵抗が大きい場合(チューブが細かったり長かったりする場合)やインク吐出流量が大きい場合に、インク供給経路の流体抵抗によりインク供給が追いつかなくなる不具合が発生することなく、ヘッドの圧力を一定範囲に保ちながらインクを供給することができる。
本実施形態のインク供給システムでは、弁体85が上昇して一定量のインクをヘッドタンク30に送った後、一旦弁体85が下降(流入ポート86側に移動)して弁が閉じ、ヘッド10への供給量の不足状態が継続している場合は、弁体85が上昇と降下の往復移動を繰り返して不足分を供給し続ける動作を行う。したがって、例えば、弁体85と管路84の間のギャップ89やインクの加圧量等がばらついた場合でも、弁体85の動作周波数や動作回数が変化して、必要な送液を行なうことができるので、ヘッド1の圧力を一定範囲に安定に保つことができる。
ここで、この画像形成装置の制御部の概要について図10を参照して説明する。なお、図10は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この画像形成装置全体の制御を行うCPU501と、CPU501が実行する本発明に係るポンプ駆動モータ74の制御を行う手段を兼ねたプログラムを含む各種プログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド10を印字データに応じて駆動制御するための印刷制御部508と、キャリッジ4側に設けた記録ヘッド10を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ4を移動走査する主走査モータ551、用紙20を搬送する搬送ローラ21を回転駆動させる副走査モータ552、維持回復機構51のキャップ52やワイパ部材57などを昇降させるキャップ昇降機構513を作動する維持回復モータ512を駆動するためのモータ駆動部510と、維持回復機構51の吸引ポンプ53及びアシスト用ポンプ73を駆動するモータ74を駆動するポンプ駆動部511などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した印字データをシリアルデータで転送するとともに、この印字データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド10の1行分に相当する印字データに基づいて発熱素子14を駆動する。
I/O部515は、装置に装着されている各種のセンサ群516からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510の制御に使用する。センサ群516は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部515は様々のセンサ情報を処理することができる。また、環境条件(温度及び湿度)を検知する温湿度センサからの検知信号、廃液タンク56の満タンを検知する満タン検知センサの検知信号も入力される。
次に、本実施形態における印字動作について図11のフロー図を参照して説明する。
印字ジョブ信号を受信した後、モータ74を駆動してアシストポンプ73で送液を開始する。その後、記録ヘッド10のノズル面を覆っているキャップ52をノズル面から離間させて所定の滴数の空吐出を実施した後、印字を開始する。
このとき、アシストポンプ73が駆動しているので、前述したように、液体供給チューブ71が長いシステムで高粘度のインクを用いる場合でもインク供給に伴う圧力損失を適切に低減することができ、インクの供給不足を生じさせることなく良好な印字を行うことができる。
印字終了後、キャリッジ4を装置の所定の位置(ホームポジション)に停止させ、記録ヘッド10のノズル面をキャップ52でキャッピングする。その後、モータ74を停止してアシストポンプ73の送液を終了させる。なお、アシストポンプ73は印字終了後直ちに停止させても良い。
このように、記録ヘッドに液体を供給する第1の流路と、液体タンクに連通する第2の流路と、第2の流路内の液体を加圧する加圧手段と、第2の流路から第1の流路への液体の供給を制御する制御弁と、を備え、制御弁は、容積変化が可能な液体保持室と、第1の流路と第2の流路の開閉を行う弁体と、を有し、記録ヘッドからの液体の吐出によって生じる液体保持室から第1の流路への液体の流れにより弁体が移動して第2の流路と第1の流路が連通する構成とすることで、構成が簡単で安定な負圧を維持し、なおかつ高速化、ロングチューブ化、高粘度化してもリフィル不足を生じない液体供給を行えるようになる。
なお、上記の説明においては、モータ74を印字動作中連続駆動し、制御弁81の流入ポート86のインクを一定圧に加圧したが、モータ74を間欠駆動するなどして流入ポート86のインクの圧力を脈動させることもできる。このように、圧力を脈動させることにより、弁体85の上昇力(移動力)が断続的になり、ヘッドタンク30側へのインクの供給が不必要な時に弁体85を確実に降下(弁を閉じる位置に移動)させて、より安定したインク供給を実現することができる。
また、ヘッドタンク30にゴム部材102が設けられている。ゴム部材は圧力に対して自在に膨張収縮するので圧力変動防止部材として機能する。つまり、ヘッド10のインク消費量とアシストユニット80の送液量のずれによる圧力ばらつきを吸収したり、アシストユニット80が発生する無用な圧力の脈動を減衰させたりでき、ヘッド10の圧力をより安定にすることができる。圧力変動防止機能を実現するには、他にも例えばフィルム等の可撓性のある材料で形成した壁面をばねで付勢する構成や、一定の気体層を形成する構成などもあり、いずれの構成でも同様な作用効果を得ることができる。
さらに、上記の画像形成装置では、4色のインクを吐出させるので、図6に示すようにインク供給システムが色別に4つ設けられる。複数の色を吐出して画像を形成する場合、各ヘッド10から吐出されるインクの量は異なるので、例えば、あるヘッドは全ノズルからインクを吐出する状態で、別のヘッドは非吐出の状態である場合もある。このような場合でも、上記インク供給システムでは、ヘッド10の吐出流量によって自動的に制御弁81が動作するようになっているので、各ヘッドの吐出流量に応じたポンプ73の制御は不要である。即ち、吐出流量が少なくアシストを必要としないヘッドには少ないアシストとなり、吐出流量が多くアシストを必要とするヘッドには大きなアシストを与える制御を電気的制御を用いることなく、自動的に行なうことができる。このように複数のインクを有するなど複数のインク供給系を有するシステムにおいても、全てのインク供給系のポンプ73を1つのアクチュエータでまとめて駆動できるので、装置の構成、制御が簡易になり、低コスト、小型の装置を実現することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態における制御弁81の模式的断面説明図である。
この制御弁81においては、弁体85と管路84の間のギャップを更に小さくすると共に、弁体85に貫通穴62を形成し、バッファ室60から流出ポート87への流れが弁体85と管路84の間のギャップではなく、貫通穴62に形成されるようにしている。
このように構成することで、前記第1実施形態のような2つの部材間のギャップ89よりも、貫通穴62の内径の方が、寸法管理が容易になるため、より動作特性の安定した制御弁を得ることができる。
また、図12の構成においては、蓋部材83にシール部材61を設けて、弁体85が上死点に達した時に貫通穴62を確実に塞ぐ構成としている。これにより、弁体85が上止点に達した時には圧力差の発生源である貫通穴62内のインクの流れを完全に止めて、弁体85の上昇力を減少させることができ、弁体85を下降させて制御弁81の動作安定性を向上することができる。さらに、弁体85の流出ポート87側の面に、貫通穴62の外周部に凸部62aを設けることで、シール部材61との接触面積が小さくなってより確実に貫通穴62を塞ぐことができる。
次に、本発明の第3実施形態について図13ないし図16を参照して説明する。なお、図13は同実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図、図14は同システムで使用している制御弁の断面説明図、図15は同じく制御弁を底面側から見た平面説明図、図16は同制御弁の弁体の斜視説明図である。また、本実施形態では説明の簡易化のために、1色のインクの供給システムとして説明するが、前記実施形態のシステムと同様、複数のインク供給システムとして適用できるものである。
インクカートリッジ76には大気連通部90が設けられており、インクカートリッジ76内の液面が記録ヘッド10のノズル面よりも低い位置になるように配置されている。これにより、インクがインク供給全経路に満たされている状態では、記録ヘッド10とインクカートリッジ76の液面の水頭差hにより、記録ヘッド10に負圧を発生させている。インクカートリッジ76と第2の流路70とはジョイント91で接続されている。
そして、本実施形態では、アシストユニット150をバイパスする第3の流路であるバイパス流路63が設けられている。
また、アシストユニット150の制御弁151は、図14及び図15に示すように、ケース部材82の一面に可撓性フィルム156が溶着されて、流入ポート86とバッファ室60が形成されている。バッファ室60は、ケース部材82に形成された円形状の開口部を、可撓性フィルム156で封止することで、効率的な容積変化を可能としている。このバッファ室60の内部には、圧縮ばね157が設けられ、インクを排出した後にバッファ室60が容積を回復しやすい構成としている。
また、ケース部材82の管路84の流出ポート87側には、流入ポート86側よりも径を広くした(流れの方向と直交する方向の断面積が大きい)径拡張部153が形成されている。弁体155は、前記第2実施形態と同様に貫通穴162とシール部材88を備え、図16に示すように、弁体155の下部(流入ポート86側)に管路84の壁面に摺接する複数の摺動部154が各々隙間を隔てて設けられている。この弁体155は、圧縮ばね152により流入ポート86側に付勢されており、流入ポート86内のインクが加圧されていてもシール状態を保持するようにしている。
次に、本実施形態のインク供給システムの供給動作について図17も参照して説明する。
本実施形態における加圧ユニット72は、前記第1実施形態と同様な構成であり、ポンプ73によりインクを循環させて制御弁151の流入ポート86を加圧する。この状態では、図17(a)に示すように、制御弁151は弁体155と圧縮ばね152によって内部の管路84と流入ポート86は遮断されているため、流出ポート87はヘッド10と同様に負圧状態である。
そして、ヘッド10からインクが吐出されると、そのインクはヘッドタンク30から供給され、このとき、ヘッドタンク30内部の負圧が増大する。この負圧増大によって、制御弁151においては、図17(b)に示すように、バッファ室60が収縮しながらインクが弁体155の貫通穴162を経由して流出ポート87に流れ出す。貫通穴162を小径とすると、貫通穴162の流体抵抗が大きく、内部をインクが流れることにより弁体155の上下(流れの方向の前後)に圧力差が発生し、図17(c)に示すように、弁体155を上昇させる力(流出ポート87側へ移動させる力)が作用し、弁体155が上昇する。これにより、弁体155による流入ポート86のシール状態が解除され、流入ポート86の加圧インクが管路84に流れ込み、バッファ室60を膨張させると共に流出ポート87にインクを高速に供給する。
したがって、ヘッドタンク30にインクが補充され、ヘッドタンク30内の負圧が小さく(ゼロに近く)なる。このとき、弁体155の貫通穴162をインクが流れるので、弁体155は力を受けて更に上昇し、図17(d)に示すように、弁体155は上死点に達する。弁体155が上死点に達すると、シール部材61によって貫通穴162が閉塞されて、制御弁151からヘッドタンク30へのインクの供給は停止する。
このとき、流出ポート87の圧力も正圧となり、流入ポート86と近い圧力となる。また、弁体155の上昇の駆動源である貫通穴162のインクの流れがなくなり、細い流路をインクが流れることによる大きな圧力差がなくなるので、圧縮ばね152が発生する力によって弁体155は下降し、再び図17(a)に示すように、弁体155が流入ポート86を閉塞する。
また、本実施形態の制御弁151においては、径拡張部153が形成されているため、弁体155が上死点近くまで上昇すると、図17(d)に示すように、弁体155の上部の側面が径拡張部153に達し、加圧インクが複数の摺動部154同士の隙間から径拡張部153に流れて流出ポート87に供給される。これにより、貫通穴62をインクが流れなくなるため、弁体155の上下面間の圧力差がなくなり、弁体155を上昇させる力は弁体155自身の慣性力のみとなる。この慣性力が大きい場合には、前述したように弁体155が上昇し続けて上死点に達するが、慣性力が小さい場合には上死点に達せず、慣性力が圧縮ばね152の力に負けて弁体155は下降し、図17(a)に示すように弁体155が流入ポート86を閉塞する状態に戻る動作となる。
なお、本実施形態の制御弁151では径拡張部153に弁体155の上部が達しても摺動部154が備えられているので、弁体155が滑らかに移動することができる。また、弁体155を下死点に戻す力を圧縮ばね152によって発生させているので、弁体155の向きを自由に設定することができる。さらに、バッファ室60に圧縮ばね157を備えているので、バッファ室60の容積回復を確実に行うことができる。
このように、本実施形態の制御弁151においても、ヘッド10からインクが消費されることにより、制御弁151内のバッファ室60のインクが流れて弁体155が移動し、一定量の加圧インクをヘッド側に高速に供給して弁が閉じるようになっている。したがって、吐出するインクの粘度が大きい場合や液体供給チューブ71の流体抵抗が大きい場合(チューブが細かったり長かったりする場合)やインク吐出流量が大きい場合に、インク供給経路の流体抵抗によりインク供給が追いつかなくなる不具合が発生することなく、ヘッド1の圧力を一定範囲に保ちながらインクを供給することができる。
ここで、本実施形態における印字動作について図18のフロー図を参照して説明する。
印字ジョブ信号を受信した後、温度センサ27(図2参照)によって温度を検出し、アシストポンプ73の駆動条件を設定し、モータ74を駆動してアシストポンプ73で送液を開始する。その後、記録ヘッド10のノズル面を覆っているキャップ52をノズル面から離間させて所定の滴数の空吐出を実施した後、印字を開始する。
印字終了後、キャリッジ4を装置の所定の位置(ホームポジション)に停止させ、記録ヘッド10のノズル面をキャップ52でキャッピングする。その後、モータ74を停止してアシストポンプ73の送液を終了させる。なお、アシストポンプ73は印字終了後直ちに停止させても良い。
本実施形態のインク供給システムにおいては、バイパス流路63によってインクカートリッジ76とヘッド10が常時連通しているので、高温環境等によりインクの粘度が小さい場合には、アシストユニット150を作動させなくてもバイパス流路63によってインクを供給することができる。すなわち、ヘッド10で消費されたインクは、バイパス流路63を矢印B方向に流れ、自然にインクカートリッジ76から供給される。
一方、低温環境でインク粘度が大きい条件では、前述のインク供給経路の流体抵抗によるインクリフィル不足の不具合が発生するので、記録に先立ってアシストユニット150を作動させてバイパス流路63経由でのインク供給不足分をアシストユニット150から供給することができる。これにより、液体供給チューブ71が長いシステムで高粘度のインクを用いる場合でもインク供給に伴う圧力損失を適切に低減することができ、インクの供給不足を生じさせることなく良好な印字を行うことができる。
次に、本発明の第4実施形態について図19ないし図21を参照して説明する。なお、図19は同実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図、図20は同システムで使用しているインクカートリッジの断面説明図、図21は同じく制御弁の説明図である。また、本実施形態では説明の簡易化のために、1色のインクの供給システムとして説明するが、前記実施形態のシステムと同様、複数のインク供給システムとして適用できるものである。また、
本実施形態においては、アシストユニット140をバイパスするバイパス流路63に、矢示B方向と逆方向への流れを規制する規制手段としての逆止弁64が設けられている。バイパス流路63に逆止弁64を設けることで、アシストユニット140で発生させる加圧インクを効率よくヘッドタンク30に送ることができる。なお、第1の流路から第2の流路への流れを規制するようにしているが、液体タンクへの流れを規制するようにすることもできる。
また、インクカートリッジ76は、図20に示すように、インクが消費することにより自由に変形することができる可撓性の材料からなる袋部材93の内部に液体が収容されたものとし、ヘッド10のノズル面よりも下方に配置している。このようなカートリッジ構成とすることで、インク供給系が密閉系となるので供給する液体の品質を安定に保持しやすくなる。また、ヘッド10とインクカートリッジ76の高低差でヘッド10を負圧に保持する構成であるので、負圧も安定する。
また、アシストユニット140の制御弁141は、図21に示すように、ケース部材82にチューブ状の弾性体(部材)142が接合されてバッファ室60が形成されている。このように弾性体を用いることで、バッファ室60内部に圧縮ばねを設けないでも、バッファ室60の容積回復を良好に行うことができる。
次に、本発明の第5実施形態について図22ないし図24を参照して説明する。なお、図22は同実施形態に係るインク供給システムの模式的説明図図23は同システムで使用しているインクカートリッジの断面説明図、図24は同じく開閉弁の説明図である。また、本実施形態では説明の簡易化のために、1色のインクの供給システムとして説明するが、前記実施形態のシステムと同様、複数のインク供給システムとして適用できるものである。また、
本実施形態では、インクカートリッジ76はインクが消費することにより自由に変形することができる可撓性材料からなる袋部材93の内部に圧縮ばね96が設けられて構成としている。このようなカートリッジ構成とすることで、インクカートリッジ76が自発的に負圧を発生するので、例えば図22に示すように、ヘッド10のノズル面よりも高い位置にインクカートリッジ76を配置することもできる。
そして、インクカートリッジ76をバイパス流路63にジョイント91で直接接続し、バイパス流路63に矢印C方向の流量に応じて開閉する開閉弁65を設けている。
この開閉弁65は、図24に示すように、第1ポート148と第2ポート149の2つのインクの出入口が設けられ、第1ポート148はインクカートリッジ76側に、第2ポート149はヘッド10側に接続される。
そして、第1ポート148と第2ポート149の間の流路には内部に貫通穴146が形成された弁体145がケース部材内に移動可能に設けられている。この弁体145は、圧縮ばね144によって付勢されており、流れがないときや第1ポート148から第2ポート149側に流れる場合には、図24(a)に示すように、弁体145は第2ポート149側に位置する。このとき、第1ポート148と第2ポート149は連通状態となる。
また、インクが逆方向(図22の矢示C方向)に流れる場合、インクが弁体145の貫通穴146を第1ポート148側に流れるので、弁体145の上下流で圧力差が生じ、弁体145は第1ポート148側に力を受けて移動する。
ここで、第1ポート148側への流量が小さい場合には、弁体145に作用する力は小さいので、圧縮ばね144の発生力とつりあって、弁体145は図24(b)に示すように中間位置に止まり、第1ポート148と第2ポート149の連通状態を維持する。
一方、第2ポート149に大流量のインクが流入してきた場合には、弁体145は圧縮ばね144を押し切って、第1ポート148をシール部材147が閉塞する状態となる。
このような動作を行う開閉弁65をバイパス流路63に備えることで、ヘッド10の吐出によりインクカートリッジ76からバイパス流路63経由でインクがゆっくり供給される場合には、図22の矢印B方向にインクが流れ、弁体145は図24(a)の連通状態となる。一方、インクの粘度が上昇した場合など、ヘッドタンク30の負圧が増大し、アシストユニット140から断続的に加圧インクがヘッドタンク30に供給されるときには、バイパス流路63を矢印C方向に大流量のインクが流れようとするが、前述したように開閉弁65は閉弁するので、バイパス流路63をインクがほとんど逆流せず、効率よくヘッドタンク30に供給される。
特にシリアル型画像形成装置において、チューブでインク供給する場合、ヘッド10を用紙20に対して繰り返し走査する。このキャリッジ4を往復動作させるときの加速度が大きいと、キャリッジ4の走査のみでインクが徐々にヘッドタンク30に送られる現象が生じる。ヘッド10の吐出流量が多いときは主走査によって送られたインクが消費されるので問題とならないが、ヘッド10の吐出流量が少ない場合には、インク消費量よりも主走査によって送られる供給量が多くなり、結果としてヘッド10の圧力が正方向にシフトする問題が生じることがある。
この問題を改善するには、ヘッドタンク30からインクカートリッジ76にインクを戻りやすくする方法が有効である。そこで、本実施形態のインク供給システムでは、ヘッドタンク30の負圧が増大しアシストユニット140の加圧インクをヘッドタンク30に送る時は開閉弁65が閉じて効率よくリフィルアシストし、ヘッド10のインク吐出量が少なく、主走査によってヘッドタンク30が増圧するような条件では開閉弁65が開いてインクがインクカートリッジ76に戻りやすくなるので、主走査速度の速いシリアル型画像形成装置でのインク供給圧力を安定して維持することができる。
なお、以上の説明においては、複数のヘッドに異なる色のインクが供給される例で本発明の動作、効果を説明したが、同一色のインクを複数のヘッドに供給する場合や、色ではなく処方の異なるインクを複数のヘッドに供給する場合にも同様に適用することができる。また、複数のノズル列を1ヘッド内に有するヘッドで、1つのヘッドから異なる種類の液体を吐出する場合の液体供給システムについても適用することができる。また、狭義のインクを吐出する画像形成装置に限定されるものではなく、様々な液体を吐出する液体吐出装置(本発明でいう「画像形成装置」に含まれる。)にも適用することができる。
4 キャリッジ
10 記録ヘッド
30 サブタンク
60 バッファ室(液体保持室)
70 第2の流路
71 液体供給チューブ(第1の流路)
72 加圧ユニット
76 インクカートリッジ(メインタンク:液体タンク)
77 カートリッジホルダ
73 ポンプ(アシストポンプ)
80、140、150 アシストユニット
81、141、150 制御弁
82 ケース部材
85、155 弁体

Claims (13)

  1. 液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する液体を貯留する液体タンクと、
    前記記録ヘッドに前記液体を供給する第1の流路と、
    前記液体タンクに連通する第2の流路と、
    前記第2の流路内の液体を加圧する加圧手段と、
    前記第2の流路から前記第1の流路への液体の供給を制御する制御弁と、を備え、
    前記制御弁は、
    容積変化が可能な液体保持室と、
    前記第1の流路と前記第2の流路の開閉を行う弁体と、を有し、
    前記記録ヘッドからの液体の吐出によって生じる前記液体保持室から前記第1の流路への液体の流れにより前記弁体が移動して前記第2の流路と前記第1の流路が連通する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2の流路又は前記液体タンクと前記第1の流路とを連通する第3の流路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第3の流路には、前記第1の流路から前記第2の流路又は前記液体タンクへの流れを規制する規制部材が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記規制部材は、前記第1の流路から流れる流量に応じて開閉する逆止弁であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記弁体の少なくとも一部には、前記第1の流路と前記液体保持室を連通させる貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御弁は、前記弁体が前記第1の流路方向への移動によって接触し、前記貫通穴を閉塞するシール部材が備えられることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記液体保持室は少なくとも一部が可撓性部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記可撓性部材は前記液体保持室の容積を膨張させる方向に付勢されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記液体保持室は少なくとも一部が弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  10. 前記弁体の外周部には前記制御弁内部の流路内壁面を摺動する部分が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御弁の前記弁体の前記第1の流路方向への移動によって、前記第1の流路と前記液体保持室の連通路の流路幅が増加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御弁は、前記弁体を前記第2の流路方向に付勢するばねを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記加圧手段は、加圧力が脈動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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