JP2012036758A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数のTCVの弁体であるロータリバルブの全閉時に、複数のロータリバルブの上部中央で開口した開口部25から空気流路9に流出した吸気流は、開口部25の両側エッジおよびこの延長線に沿うように、しかも合成樹脂外装体6の曲面部24の表面から吸気流方向の下流側に向けて突出するように設置された一対のバルブリブ31、32に整流(邪魔)される。これにより、開口部25から空気流路9に流出した吸気流が、開口部25の両側エッジよりも空気流路9の幅方向の外側に円弧状に曲がり難くなる、すなわち広がり難くなるので、開口部25から燃焼室に向かう吸気流を、空気流路9の上部中央に強く偏流させる、つまり強い吸気流を発生させることができる。
【選択図】 図1
Description
従来より、図8に示したように、ハウジング101のバルブ室102内に回転自在に収納されたロータリバルブ103、およびこのロータリバルブ103のシャフト104をその回転方向に往復移動させるアクチュエータを有する流体流量制御弁を備え、アクチュエータのトルクによってシャフト104を介してロータリバルブ103を開閉動作させることで、エンジンの吸気通路および吸気ポート等の空気流路105の開口面積を変更して吸入空気(吸気)の流量を制御するようにした内燃機関の吸気装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ロータリバルブ103には、ロータリバルブ103の閉弁時であっても吸気が通過可能な開口部107が形成されている。
流体流量制御弁は、ロータリバルブ103を回転方向に開閉動作させることで、空気流路105の開口面積を増減する。これにより、ハウジング101のバルブ室102を流れる吸気の流量が、空気流路105の開口面積に応じて可変制御される。
ところで、特許文献1に記載の流体流量制御弁を、吸気通路および吸気ポートの下部側を閉鎖することで、吸気通路および吸気ポートを流れる吸気流を吸気通路および吸気ポートの上部側に片寄らせ、エンジンの燃焼室内のタンブル流を強化するタンブル制御弁(TCV)として使用することが考えられる。
この場合、エンジンの燃焼室内のタンブル流の更なる強化を図るという目的で、図9に示したように、開口部107の幅(開口幅)を所定の幅寸法よりも狭くして、吸気通路および吸気ポート等の空気流路105の幅方向中央部に強い吸気流を発生させようとしても、開口部107を通過して吸気流方向の下流側に流出した吸気流が空気流路105の幅方向の両側に向けて広がる傾向(吸気流が外側に円弧状に曲がる傾向)にある。
これによって、吸気通路および吸気ポート等の空気流路105の幅方向中央部に強い吸気流を発生させることができないので、エンジンの燃焼室内のタンブル流の更なる強化を図ることができず、燃焼効率の向上や、燃焼安定化による燃費の向上が望めなくなるという問題があった。
空気流制御弁は、ケーシングの空気流路内の空気流方向に対して直交する方向に延びる回転軸、およびこの回転軸を中心にした所定の曲率半径の曲線である回転作動線上を往復移動するロータリバルブ等により構成されている。
ロータリバルブは、空気流制御弁の全閉時に空気流路を流れる空気を偏流させる開口部、およびこの開口部の幅方向の両側エッジに沿うように設置されて、ロータリバルブの回転方向に延びる複数のバルブリブを設けている。
複数のバルブリブは、ロータリバルブの表面からケーシング内の空気流方向の下流側または回転軸の径方向の外側に向かって突出するように設置されている。
これによって、空気流路に強い空気流を発生させることができるので、内燃機関の燃焼室で発生する旋回流の更なる強化を図ることが可能となる。したがって、内燃機関の燃焼効率の向上や、燃焼安定化による燃費の向上を図ることができる。
なお、開口部を、空気流制御弁の全閉時にケーシングの上下方向の一方側の流路壁面近傍で開口させるようにしても良い。また、開口部を、空気流路の幅方向の中央部で開口させるようにしても良い。すなわち、開口部を、空気流制御弁の全閉時に空気流路の上部中央で開口させるようにしても良い。この場合には、特に空気流路に強い空気流を発生させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、開口部の奥側エッジに、空気流制御弁の全閉時に、ケーシングの上下(高さ)方向の一方側の流路壁面に向かって、上り勾配となるように傾斜した平面を形成することにより、強い空気流を発生させることができる。
なお、開口部の奥側エッジに、空気流制御弁の全閉時に、空気流路内の空気流方向の上流側から下流側に向かって、開口部の開口断面積が次第に減少するように傾斜した平面を形成しても良い。この場合も、強い空気流を発生させることができる。
なお、開口部として、ケーシング(空気流路)の高さ方向または幅方向の片側で開口した凹部(切欠き)を採用しても良い。また、開口部として、ロータリバルブの回転軸方向に平行な幅方向の中央部で開口した凹部(切欠き)を採用しても良い。
なお、複数の突条リブを、ケーシングの流路壁面から複数のバルブリブに接近するように突出させても良い。また、複数の突条リブを、ケーシングの上下方向の一方側の流路壁面に設置しても良い。
なお、対向部を、ロータリバルブの回転作動線よりも回転軸の径方向の外側に設置しても良い。また、複数のバルブリブを、ロータリバルブの表面からケーシングの対向部に接近するように突出させても良い。
請求項7に記載の発明によれば、ケーシングの対向部に、複数のバルブリブとの干渉を防ぐための複数の嵌合溝を設けている。これらの嵌合溝は、複数のバルブリブにそれぞれ対応して設置されている。これにより、ロータリバルブの開閉動作時に、ケーシングの対向部と複数のバルブリブとが干渉することを防止できるので、ロータリバルブの動作不良やロック等の不具合の発生を防止することができる。
なお、複数の嵌合溝に、複数のバルブリブの頂面の形状に倣うように湾曲した溝底面を設けても良い。
請求項8に記載の発明によれば、ロータリバルブに、回転軸を中心とした所定の曲率半径を有する部分円筒状の曲面部を設けている。
なお、複数のバルブリブを、ロータリバルブの曲面部の表面に沿うように湾曲させても良い。
なお、樹脂外装体の回転方向の全閉側に位置するバルブエッジの幅方向の中央部に、ロータリバルブの全閉時に空気流路を流れる空気を偏流させる例えば長方形状または矩形状の開口部を形成しても良い。また、複数のバルブリブを、樹脂外装体の開口部の幅方向の両側エッジに沿うように設置しても良い。また、複数のバルブリブを、樹脂外装体の回転方向に延長し、ロータリバルブの表面から対向部に接近するように突出させても良い。また、金属本体を、回転軸に結合する結合部、この結合部から回転軸の径方向の外方側に延長されて、回転作動線(ロータリバルブの移動軌跡)よりも空気流方向の上流側の空気流路を挟んで対向して配置される一対のサイドプレート、およびこれらのサイドプレートの各結合部側に対して逆側端部同士を連結するバルブプレート等により構成しても良い。
本発明は、内燃機関の燃焼室で発生する旋回流の更なる強化を図るという目的を、ロータリバルブの開口部の幅方向の両側エッジに沿うように複数のバルブリブを設置して、ロータリバルブの開口部から空気流路の外側に広がる空気流を抑制し、空気流路を流れる空気を強く偏流(強い空気流を発生)させることで実現した。
図1ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1ないし図4は内燃機関の吸気装置(吸気渦流発生装置)を示した図で、図5はタンブル制御弁(TCV)のロータリバルブを示した図である。
吸気渦流発生装置は、自動車等の車両のエンジンルームに設置されて、エンジンの各気筒毎の燃焼室で発生するタンブル流を、並列配置された複数の吸気通路(独立吸気通路)を開閉動作により調整する複数の空気流制御弁(タンブル制御弁:以下TCVと言う)を備えている。
本実施例のアクチュエータ4は、ケーシング1の外壁に装着されている。このアクチュエータ4は、電力の供給を受けて複数のロータリバルブを駆動する駆動力(トルク)を発生する電動モータ(図示せず)、およびこの電動モータの回転を減速してピンロッド2に伝達する減速機構(図示せず)等を有している。
複数のロータリバルブを駆動する電動モータは、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
エンジンは、複数の気筒が気筒配列方向に直列に配置されたシリンダブロックと、複数の吸気ポートおよび複数の排気ポートを有するシリンダヘッドとを備えている。
エンジンのシリンダブロックの内部には、気筒配列方向に4つの燃焼室が形成されている。また、シリンダブロックの各気筒の内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介して、クランクシャフトに連結されたピストンがその摺動方向に摺動自在に支持されている。
エンジンのシリンダヘッドは、ケーシング1の結合フランジ7を締結ボルトを用いて締結固定するための結合端面(締結面)を有している。また、シリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。そして、シリンダヘッドには、各吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられている。
エンジンの各気筒毎の吸気ポートは、吸気バルブによって開閉される。また、エンジンの各気筒毎の排気ポートは、排気バルブによって開閉される。
このケーシング1の内部には、エンジンの各気筒毎の吸気ポートに連通すると共に、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸気を供給する空気流路8、9が形成されている。
複数の空気流路8は、サージタンクから流入した吸気を空気流路9に導入する第1吸気通路を構成する。
複数の空気流路9は、空気流路8から流出した吸気をエンジンの各気筒毎の吸気ポートへ吹き出す第2吸気通路(インマニ通路)を構成する。
なお、各空気流路8の出口部と各空気流路9の入口部との間には、断面円弧状の中継流路が形成されている。この中継流路は、ピンロッド2の回転中心(回転軸)を中心にした所定の曲率半径の曲線である回転作動線(ロータリバルブの移動軌跡)に沿うように設けられている。
複数の空気流路9は、各ロータリバルブの回転作動線よりも吸気流方向の下流側の空気流路(インマニ通路)である。
ケーシング1は、隣設する2つの空気流路8、9を個別に区画すると共に、各空気流路8、9の周囲を口の字状に取り囲む合成樹脂ブロックにより構成されている。このケーシング1は、各空気流路8、9の幅(横)方向の両側に一対の流路壁(左右壁部)11、12を有し、且つ各空気流路8、9の上下(高さ)方向の両側に一対の流路壁(上下壁部)13、14を有している。
なお、ケーシング1の詳細は後述する。
ロータリバルブは、TCVの弁体を構成するもので、ケーシング1の内部にピンロッド2の回転軸方向に一定の間隔で並列的に配置されている。
なお、ロータリバルブの詳細は後述する。
ピンロッド2の回転軸方向の一端部は、ケーシング1の一端面から外部に突き出しており、アクチュエータ4と連結している。また、ピンロッド2の回転軸方向の他端部は、合成樹脂モールド成形体3の他端面から外部に突き出しており、ケーシング1に圧入固定されたベアリング(図示せず)に回転自在に軸支されている。なお、ピンロッド2の回転軸方向の他端部は、断面が円形状となるように切削されている。
合成樹脂モールド成形体3は、複数のロータリバルブ毎に対応して設置されて、ピンロッド2の周囲を周方向に取り囲むように形成された円筒状の樹脂部材(合成樹脂製の樹脂成形部)である。この合成樹脂モールド成形体3は、複数のロータリバルブをそれぞれ結合(インサート成形により支持固定)するバルブ保持部を有している。
複数のロータリバルブの全開時には、各空気流路8、9を開放してバルブ収納凹部17に収納される収納姿勢(収納状態)となる。
金属バルブ本体5は、金属材料によって所定の形状に一体的に形成されている。この金属バルブ本体5は、合成樹脂モールド成形体3を介して、ピンロッド2に結合する一対の結合部15、16を有する一対のサイドプレート21、22、およびこれらのサイドプレート21、22の各結合部側に対して逆側端部同士を繋ぐバルブプレート23を有している。
一対のサイドプレート21、22は、2つの結合部15、16からピンロッド2の半径方向の外方側(自由端部側、先端側)に向けて真っ直ぐに延長されている。これらのサイドプレート21、22は、バルブプレート23の回転軸方向(ピンロッド2に平行な軸方向)の両端をピンロッド側(結合部側)に略直角に折り曲げて形成されている。また、一対のサイドプレート21、22は、ケーシング1の左右壁部11、12の内側面(対向壁面)との間に所定の隙間(サイドクリアランス)を隔てて対向して配置される外側面をそれぞれ有している。
合成樹脂外装体6には、ピンロッド2の回転軸(回転中心軸線)を中心とした所定の曲率半径を有する部分円筒形状の曲面部24が設けられている。この合成樹脂外装体6の曲面部24は、金属バルブ本体5のバルブプレート23と共に、ロータリバルブの開閉動作時に、空気流路8と空気流路9との間に形成される中継流路(円弧状空間)内を回転方向に往復移動する。
また、曲面部24の表面、つまり曲面部24の曲がり方向の外側の壁面は、ピンロッド2の回転軸の径方向の外側に向かって凸となる凸曲面となっている。
また、曲面部24の裏面、つまり曲面部24の曲がり方向の内側の壁面は、ピンロッド2の回転軸の径方向の外側に向かって凹となる凹曲面となっている。
また、合成樹脂外装体6の開口部25の奥行き方向の奥側(底側)には、奥側エッジ(開口部25の奥側エッジ)が設けられている。また、合成樹脂外装体6の開口部25の幅方向の両側には、両側エッジ(開口部25の両側エッジ)が設けられている。
開口部25は、複数のロータリバルブの回転方向の全閉側に位置する各バルブエッジの幅方向の中央部を切り欠くことで開口しており、この開口側から奥側エッジまで延びる開口凹部である。これにより、合成樹脂外装体6の正面形状は凹形状となる。
また、開口部25は、ロータリバルブの全閉時にケーシング1の上下方向の一方側(上壁部13側)の流路壁面近傍で開口している。また、開口部25は、空気流路8、9の幅方向の中央部で開口している。つまり開口部25は、ロータリバルブの全閉時に空気流路8、9の上部中央で開口している。
なお、開口部25の開口断面積を小さくする程、燃焼室内に発生するタンブル流を強化することができる。また、平面26の代わりに、開口部25の奥側エッジに凹曲面を形成しても良い。
一対のバルブリブ31、32は、合成樹脂外装体6の曲面部24の凸曲面から下壁部14の対向部(後述する)に接近するように突出している。また、一対のバルブリブ31、32は、合成樹脂外装体6の曲面部24の曲がり方向の外側の壁面(凸曲面)形状に沿うように円弧状に湾曲して形成されている。また、一対のバルブリブ31、32は、複数のロータリバルブの各合成樹脂外装体6の曲面部24の凸曲面からピンロッド2の回転軸の径方向の外側および吸気流方向の下流側に向かって突出するように設置されている。
バルブリブ32は、開口部25の幅方向の右側エッジおよびその延長線に沿うように設置されて、ロータリバルブの全閉側バルブエッジからロータリバルブの全開側バルブエッジに至るまで連続的にロータリバルブの回転方向に延びる第2バルブ側リブ(開口部の右側突条リブ)である。
ケーシング1は、空気流路8、9を挟んで対向して配置される一対の左右壁部(流路壁)11、12、および空気流路8、9を挟んで対向して配置される一対の上下壁部(流路壁)13、14を有している。
左壁部11の流路壁面と下壁部14の流路壁面とのコーナ部分には、断面半円形状の空間33が形成されている。また、右壁部12の流路壁面と下壁部14の流路壁面とのコーナ部分には、断面半円形状の空間34が形成されている。
上壁部13は、図3に示したように、空気流路9の流路壁面から一対のバルブリブ31、32に接近するように図示下方に向かって突出する突出壁35を有している。上壁部13と突出壁35との間には、段差面36が形成されている。なお、突出壁35の段差面36は、一対のバルブリブ31、32のリブ頂部との干渉を防ぐために各合成樹脂外装体6の曲面部24の曲がり方向の外側の壁面(凸曲面)形状に沿うように円弧状に設けられている。
薄肉部37および厚肉部38は、複数のロータリバルブの各合成樹脂外装体6の曲面部24の凸曲面との間に所定の隙間を隔てて対向して配置される対向部(湾曲部)、およびこの対向部の端部から空気流路8の入口部に至るまで平面とされた平面部を有している。 対向部は、ロータリバルブの回転作動線よりもピンロッド2の回転軸の径方向の外側に設置されている。この対向部は、各合成樹脂外装体6の曲面部24の凸曲面形状に倣うように湾曲した底面(下壁部14の底面)41〜43を有している。
一対の嵌合溝44、45は、一対のバルブリブ31、32の頂面との間に所定の第1隙間Aを隔てて対向する溝底面、および一対のバルブリブ31、32の側面との間に所定の第2隙間Bを隔てて対向する溝側面を有している。
次に、本実施例のTCVのバルブ開度の制御方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
なお、エンジンの運転状況、例えばエンジン回転速度とエンジン負荷に基づいて要求タンブル比を求めて、要求タンブル比が所定値以上の時に複数のTCVの各ロータリバルブを全閉し、要求タンブル比が所定値未満の時に複数のTCVの各ロータリバルブを全開しても良い、
この場合、インテークマニホールドのうちの上流側端部から下流側端部(ケーシング1の空気流路8)に流入した吸気流が、合成樹脂外装体6の曲面部24の凹曲面に沿うように流れて、複数のロータリバルブの各合成樹脂外装体6、特に合成樹脂外装体6のバルブエッジの幅方向の中央部で開口した開口部25に流入する。
そして、空気流路9の上壁部13を流れる偏流は、空気流路9の出口部の上壁部13側から、シリンダヘッドの吸気ポートの上層部内に導入され、吸気ポートの上層部の流路壁面に沿うように流れる。
そして、吸気ポートの上層部の流路壁面に沿って流れる吸気流は、吸気ポート開口部から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流が発生するため、エンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率が向上し、燃費やエミッション(例えばHC低減効果)等が改善される。
この場合、インテークマニホールドのうちの上流側端部から下流側端部(ケーシング1の空気流路8)に流入した吸気流は、中継流路、空気流路9をストレートに通過して、空気流路9の出口部から吸気ポート内に導入される。そして、吸気ポートを通過した吸気流は、吸気ポート開口部から燃焼室内に供給される。このとき、燃焼室内においてタンブル流は発生しない。
以上のように、本実施例の複数のタンブル制御弁(TCV)を備えた吸気渦流発生装置において、複数のTCVのロータリバルブを回転作動線上で開閉動作させることによって、エンジンの各気筒毎の燃焼室内で発生するタンブル流の更なる強化を図るという目的で、複数のロータリバルブの各合成樹脂外装体6の曲面部24の表面(凸曲面)に一対のバルブリブ31、32を設置している。
これらのバルブリブ31、32は、複数のロータリバルブの回転方向の全閉側に位置する各バルブエッジの幅方向の中央部、すなわち、複数のロータリバルブの各合成樹脂外装体6の上部中央を切り欠くことで開口した開口部25、つまり強い偏流を空気流路9の上部中央に発生させる開口部25の両側エッジおよびこの延長線に沿うように設置されている。
これにより、ロータリバルブの全閉時に、開口部25から空気流路9に流出した吸気流が、開口部25の両側エッジよりも幅方向の外側に円弧状に曲がり難くなる。すなわち、吸気流が広がり難くなるので、開口部25を通過する吸気流を、空気流路9の上部中央に強く偏流させることができる。つまり強い吸気流を発生させることができる。
これによって、開口部25から空気流路9の幅方向の両側(サイド側)に広がる吸気流を抑制することで、空気流路9の上部中央に強い吸気流を発生させることができるので、エンジンの各気筒毎の燃焼室で発生するタンブル流の更なる強化を図ることが可能となる。したがって、エンジンの燃焼効率の向上や、燃焼安定化による燃費の向上を図ることができる。
なお、一対のバルブリブ31、32は、合成樹脂外装体6の曲面部24の凸曲面に一体的に形成されている。これにより、ロータリバルブの表面に一対のバルブリブ31、32を設置し易くなるので、コストを削減することができる。
この第1、第2隙間A、Bは、ケーシング1の下壁部14と一対のバルブリブ31、32のリブ頂部との干渉を防ぐために設けられている。また、第1、第2隙間A、Bにより迷路構造(通路長を長くしたラビリンス構造)が形成されるので、TCVの全閉時にロータリバルブのサイドプレート21、22よりも幅方向の外側(下壁部14の幅方向の両側の底面41、43寄りの領域を含む)に流出した吸気流が、空気流路8の幅方向の両側に設けられる空間33、34から空気流路9側へ流入するのを防ぐことができる。
バルブリブ51は、開口部25の左側エッジに沿うように設置されて、ロータリバルブの全閉側バルブエッジから開口部25の奥側エッジ近傍までロータリバルブの回転方向に延びる第1バルブ側リブ(開口部の左側突条リブ)である。
バルブリブ52は、開口部25の右側エッジに沿うように設置されて、ロータリバルブの全閉側バルブエッジから開口部25の奥側エッジ近傍までロータリバルブの回転方向に延びる第2バルブ側リブ(開口部の右側突条リブ)である。
バルブリブ54は、開口部25の右側エッジの延長線に沿うように設置されて、ロータリバルブの全開側バルブエッジから開口部25の右側エッジに向けてロータリバルブの回転方向に延びる第4バルブ側リブ(右側突条リブ)である。
すなわち、バルブリブ51〜54は、ロータリバルブの表面、つまり合成樹脂外装体6の曲面部24の表面(凸曲面)の全閉側バルブエッジから全開側バルブエッジまで連続して設けなくても構わない。
2つのバルブリブ53、54は、TCVの全閉時にロータリバルブよりも上下方向の下方側(下壁部14の幅方向の両側の底面41、43寄りの領域)に流出した吸気流が空気流路9側へ流入するのを防ぐ。
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気装置(吸気渦流発生装置)、特にTCVにおいては、実施例1と同様な効果を達成することができる。
このように設けた場合でも、実施例1及び2と同様な効果を達成することができる。
本実施例では、本発明を、回転方向の全閉側に位置する各バルブエッジの幅方向の中央部(上部中央)を切り欠くことで開口部を形成したロータリバルブを全閉動作させることで内燃機関(エンジン)の燃焼室に供給する吸気(吸入空気)を空気流路の上方側に偏流して燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)を発生させるタンブル制御弁(TCV)を備えた吸気渦流発生装置に適用しているが、本発明を、幅方向の片側中央を切り欠くことで開口部を形成したロータリバルブを全閉動作させることでエンジンの燃焼室に供給する吸気(吸入空気)を空気流路の幅方向片側に偏流して燃焼室内において横方向の旋回流(スワール流)を発生させるスワール制御弁(SCV)を備えた吸気渦流発生装置に適用しても良い。
また、本発明を、エンジンの燃焼を促進させるためのスキッシュ渦の生成が可能となるように構成しても良い。
また、内燃機関として、ディーゼルエンジンを用いても良い。また、内燃機関として、多気筒エンジンだけでなく、単気筒エンジンを用いても良い。
また、ロータリバルブの表面、つまり金属バルブ本体5のバルブプレート23の表面に一対のバルブリブ31、32および4つのバルブリブ51〜54を一体的に形成しても良い。この場合には、合成樹脂外装体6を設けなくても良い。
2 ピンロッド(シャフト)
3 合成樹脂モールド成形体(シャフト)
4 アクチュエータ
5 金属バルブ本体(TCVの弁体であるロータリバルブのバルブ本体)
6 合成樹脂外装体(TCVの弁体であるロータリバルブのバルブ本体)
8 空気流路(第1吸気通路、回転作動線よりも空気流方向の上流側の空気流路)
9 空気流路(第2吸気通路、回転作動線よりも空気流方向の下流側の空気流路)
11 ケーシングの左壁部(流路壁)
12 ケーシングの右壁部(流路壁)
13 ケーシングの上壁部(流路壁)
14 ケーシングの下壁部(流路壁)
15 ロータリバルブの結合部
16 ロータリバルブの結合部
21 ロータリバルブのサイドプレート
22 ロータリバルブのサイドプレート
23 ロータリバルブのバルブプレート
24 ロータリバルブの合成樹脂外装体の曲面部
25 ロータリバルブの合成樹脂外装体の開口部
26 開口部の奥側エッジの平面(平坦面)
31 バルブリブ(開口部の左側突条リブ)
32 バルブリブ(開口部の右側突条リブ)
44 嵌合溝
45 嵌合溝
51 バルブリブ(開口部の左側突条リブ)
52 バルブリブ(開口部の右側突条リブ)
53 バルブリブ(左側突条リブ)
54 バルブリブ(右側突条リブ)
61 突条リブ
62 突条リブ
Claims (9)
- (a)内燃機関の燃焼室に空気を供給する空気流路を形成するケーシングと、
(b)このケーシング内の空気流方向に対して直交する方向に延びる回転軸、およびこの回転軸を中心にした所定の曲率半径の曲線である回転作動線上を往復移動するロータリバルブを有し、
前記燃焼室で発生する旋回流を開閉動作により調整する空気流制御弁と
を備えた内燃機関の吸気装置において、
前記ロータリバルブは、前記空気流制御弁の全閉時に前記空気流路を流れる空気を偏流させる開口部、およびこの開口部の幅方向の両側エッジに沿うように設置されて、前記ロータリバルブの回転方向に延びる複数のバルブリブを有し、
前記複数のバルブリブは、前記ロータリバルブの表面から前記ケーシング内の空気流方向の下流側または前記回転軸の径方向の外側に向かって突出するように設置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記開口部とは、前記ロータリバルブの回転方向の全閉側に位置するバルブエッジで開口し、この開口側から奥側エッジまで延長されている凹部のことであることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記開口部の奥側エッジには、前記空気流制御弁の全閉時に、前記ケーシングの上下方向の一方側の流路壁面に向かって、上り勾配となるように傾斜した平面が形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記複数のバルブリブは、互いに並行配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ケーシングは、前記空気流制御弁の全閉時に前記開口部が接近する流路壁面から突出するように設置されて、前記ケーシング内の空気流方向に延びる複数の突条リブを有し、
前記複数の突条リブは、前記複数のバルブリブにそれぞれ対応して設置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ケーシングは、前記ロータリバルブの表面との間に所定の隙間を隔てて対向して配置される対向部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項6に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記対向部は、前記複数のバルブリブとの干渉を防ぐための複数の嵌合溝を有し、
前記複数の嵌合溝は、前記複数のバルブリブにそれぞれ対応して設置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ロータリバルブには、前記回転軸を中心とした所定の曲率半径を有する部分円筒状の曲面部が設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記ロータリバルブは、前記回転軸に一体的に取り付けられる金属本体、およびこの金属本体の表面を覆うように成形された樹脂外装体を有し、
前記複数のバルブリブは、前記樹脂外装体に一体的に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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