JP2012033773A - 半導体素子および半導体デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】オン抵抗が比較的低く大電流にも対応可能という特性を持ちながら、光照射強度に応じて電流を変化させることができる半導体素子および半導体デバイスを提供する。
【解決手段】電子走行層14における電子供給層15との界面には動作時にチャネルとなる2次元電子ガス領域16が形成される。2次元電子ガス領域16におけるドレイン電極11とソース電極12との間の一部には、空乏化部18により空乏化された空乏領域17が形成されている。半導体素子1は、空乏領域17に光を照射しない状態で、2次元電子ガス領域16の空乏領域17が空乏化しているため、ドレイン電極11・ソース電極12間が非導通となる。一方、半導体素子1は、電子走行層14のバンドギャップよりも大きなエネルギを持つ光を空乏領域17に受けた状態で、空乏領域17に電子20と正孔とが生成されることでドレイン電極11・ソース電極12間が導通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子および半導体デバイスに関する。
従来から、電界効果トランジスタ(Field EffectTransistor、以下、FETと表記する)を備え、FETのドレイン電極・ソース電極間の電流経路の導通・遮断が切り替えられることによりスイッチングを行うように構成されたスイッチ装置が種々提供されている。このスイッチ装置は、たとえば電気機器等の負荷と電源との間にFETが挿入されることにより、電源から負荷に供給される電力のスイッチングを行う。
この種のスイッチ装置に用いられる半導体素子として、近年、ガリウムナイトライド(GaN)などの窒化系物系半導体材料を用いたトランジスタが注目されている。窒化物系半導体材料を用いたトランジスタの一例として、AlGaN/GaNヘテロ接合を用いたトランジスタがある(たとえば特許文献1参照)。
この種の半導体素子は、基板上に、バッファ層、電子走行層(アンドープGaN層)、電子供給層(アンドープAlGaN層)、p型のコントロール層がこの順に形成されて構成される。電子供給層上には、ソース電極およびドレイン電極が形成され、コントロール層上にはゲート電極が形成されている。この構成により、半導体素子は、ドレイン電極・ソース電極間に電圧が印加された状態で、ゲート電極・ソース電極間に印加されるゲート電圧が変化すると、ドレイン電極・ソース電極間の電流経路に流れるドレイン電流が変化する。
すなわち、上記構成の半導体素子では、電子走行層と電子供給層との界面にヘテロ障壁が形成され、ヘテロ界面には動作時にチャネルとなる2次元電子ガス領域が形成される。ゲート電圧が0Vの状態では、ゲート電極の直下のチャネルが空乏化しているためドレイン電流は流れない。一方、ゲート電圧が上昇して所定の第1の閾値を超えると、ドレイン電流は流れ始める。さらにゲート電圧が上昇して所定の第2の閾値(>第1の閾値)を超えると、ゲート電極からチャネルに正孔が注入されてドレイン電流は増加する。
要するに、上記半導体素子は、ゲート電圧が第1の閾値を下回る場合にドレイン電極・ソース電極間の電流経路が遮断され、ゲート電圧が第1の閾値を超える場合にドレイン電極・ソース電極間の電流経路が導通するノーマリオフ型のスイッチ素子を構成する。
上記半導体素子を用いたスイッチ装置は、MOS(Metal OxideSemiconductor)FETやIGBT(Insulated GateBipolar Transistor)等を用いる場合に比べ、導通(オン)状態での電流経路に存在する電気抵抗であるオン抵抗が小さく、且つ大電流に対応可能である。
国際公開第2007/007548号
ところで、上述した構成の半導体素子は、ゲート電圧を変化させることにより2電極(ドレイン電極・ソース電極)間に流れる電流を制御するという、電気的な制御を伴う使い方にその用途が限られている。しかし、オン抵抗が比較的低く大電流にも対応可能という特性を持つ上記半導体素子は、電気的な制御を伴わなくても光照射強度に応じて電流を変化させるといった使い方もできるように、その用途の拡大が望まれている。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、オン抵抗が比較的低く大電流にも対応可能という特性を持ちながら、光照射強度に応じて電流を変化させることができる半導体素子および半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明の半導体素子は、半導体層からなる電子走行層と、バンドギャップが電子走行層よりも大きい半導体層からなり電子走行層の上に設けられる電子供給層と、電子供給層の上に互いに離間して形成される第1の電極および第2の電極とを備え、電子走行層における電子供給層との界面には、キャリアとしての電子が存在する2次元電子ガス領域が形成され、2次元電子ガス領域における第1の電極と第2の電極との間の一部を空乏化することにより空乏領域を形成する空乏化部が設けられており、2次元電子ガス領域は、空乏領域に光を受けていない状態では、空乏領域にて第1の電極と第2の電極との間を非導通とし、電子走行層のバンドギャップよりも大きなエネルギを持つ光である励起光を空乏領域に受けた状態では、空乏領域に電子および正孔が生成されることにより第1の電極と第2の電極との間を導通させることを特徴とする。
この半導体素子において、空乏化部は、電子供給層の上における空乏領域に対応する領域に形成され、電子走行層よりもバンドギャップが大きいp型の半導体層からなることが望ましい。
この半導体素子において、空乏化部は、電子供給層のうち空乏領域に対応する部位であって、厚みが電子供給層の他の部位に比べて薄く形成されている薄肉部からなることがより望ましい。
この半導体素子において、電子供給層は電子走行層を挟むように複数層設けられており、2次元電子ガス領域は、電子走行層における電子供給層の各層との界面にそれぞれ形成されることがより望ましい。
この半導体素子において、電子供給層の上における空乏領域に対応する領域には、励起光を透過させる材料からなるゲート電極が形成されていることがより望ましい。
この半導体素子において、ゲート電極と電子供給層との間には絶縁材料からなる絶縁膜が設けられていることがより望ましい。
本発明の半導体デバイスは、半導体素子と、空乏領域に向けて励起光を照射する発光ダイオードとを備えることを特徴とする。
この半導体デバイスにおいて、半導体素子と発光ダイオードとは、いずれもワイドバンドギャップの半導体材料を用いて構成されていることがより望ましい。
本発明は、オン抵抗が比較的低く大電流にも対応可能という特性を持ちながら、光照射強度に応じて電流を変化させることができるという利点がある。
実施形態1に係る半導体素子の概略構成図である。 同上の動作状態を示すエネルギバンド図である。 同上の具体例を示す説明図である。 同上の他の具体例を示す説明図である 同上の半導体素子を用いた半導体デバイスの概略構成図である。 実施形態2に係る半導体素子の概略構成図である。 同上の動作状態を示すエネルギバンド図である。 実施形態3に係る半導体素子の概略構成図である。
(実施形態1)
本実施形態の半導体素子1は、図1に示すように、第1の電極としてのドレイン電極11と、第2の電極としてのソース電極12とを有している。詳しい構成については後述するが、半導体素子1は、ガリウムナイトライド(GaN)などの窒化系物系半導体材料を用いた素子であって、本実施形態ではAlGaN/GaNヘテロ接合を用いている。
本実施形態では、半導体素子1は、ドレイン電極11・ソース電極12間にドレイン電極11側を正極とする直流電圧が印加された状態で使用され、光(励起光)の照射強度に応じて2電極(ドレイン電極11・ソース電極12)間に流れる電流を変化させる。つまり、半導体素子1は、受光強度に応じて電気量(電流)を変化させる受光素子を構成している。この半導体素子1は、2電極間の電流経路の導通・遮断を切り替えることにより、たとえば負荷に供給される電力のスイッチングなどに用いられる。
なお、この半導体素子1は、ドレイン電極11・ソース電極12を入れ替えて使用することもでき、双方向で駆動することができる。つまり、半導体素子1は、ドレイン電極11を負極側、ソース電極12を正極側としても使用でき、交流電力のスイッチングにも使用することができる。
次に、本実施形態における半導体素子1の具体的な構成について、図1を参照して説明する。
半導体素子1は、基板13上に、バッファ層(図示せず)を介して形成された半導体層からなる電子走行層14と、バンドギャップが電子走行層14よりも大きい半導体層からなり電子走行層14上に形成された電子供給層15とを有している。本実施形態では、電子走行層14はアンドープ(i型)のGaN層からなり、電子供給層15はアンドープ(i型)のAlGaN層からなる。ただし、電子供給層15はn型のAlGaN層、あるいはAlN/AlGaN(GaN)を主成分とした多層膜構造や、AlN/GaNの多層(超格子)構造であってもよい。
なお、一例として、電子走行層14の厚み寸法は1.5〜2.5μm、電子供給層15の厚み寸法は25nmとする。
基板13は、シリコン(Si)、あるいは窒化物系半導体が成長可能なサファイアや炭化珪素(SiC)からなる。ドレイン電極11およびソース電極12は、電子供給層15上に互いに離間して形成されている。図1の例では、電気供給層15上の左端部にドレイン電極11が形成され、右端部にソース電極12が形成されている。
ここで、電子走行層14と電子供給層15との界面にはヘテロ障壁が形成されている。電子走行層14における電子供給層15との界面領域には、自発分極とピエゾ分極との影響によって、動作時にチャネルとなる高濃度の2次元電子ガス(2DEG:2 Dimensional ElectronGas)領域16が形成される。つまり、電子走行層14には不純物がドープされていないにもかかわらず、電子走行層14における電子供給層15とのヘテロ接合の界面には当該界面に沿って電子20が移動する2次元電子ガス領域16が形成される。
ドレイン電極11およびソース電極12は、いずれも2次元電子ガス領域16とオーミック接合されている。
ところで、本実施形態では、2次元電子ガス領域16の一部を空乏化することにより空乏領域17を形成する空乏化部18が、半導体素子1に設けられている。この空乏化部18は、2次元電子ガス領域16のうちドレイン電極11とソース電極12との間の一部を空乏化して、空乏領域17を形成する。
つまり、2次元電子ガス領域16には、全体的にはキャリアとしての電子が比較的高濃度で存在しているが、2次元電子ガス領域16の一部にはキャリアとしての電子が殆ど存在しない空乏領域17が形成される。図1の例では、空乏領域17はドレイン電極11とソース電極12との中間位置に形成されている。なお、2次元電子ガス領域16を部分的に空乏化して空乏領域17を形成する空乏化部18の具体的な構成については後述する。
上述した構成によれば、半導体素子1は、ドレイン電極11・ソース電極12間に電圧が印加された状態で、空乏領域17への光照射強度が変化すると、以下に説明する原理でドレイン電極11・ソース電極12間の電流経路に流れるドレイン電流が変化する。
すなわち、半導体素子1は、空乏領域17に光を照射していない状態では、図1に示すように2次元電子ガス領域16の一部(空乏領域17)が空乏化しているため、ドレイン電極11・ソース電極12間の電流経路が遮断され、ドレイン電流が流れない。つまり、半導体素子1は、空乏領域17に光を受けていないときには、ドレイン電極11とソース電極12との間を非導通とするオフ状態になる。
一方、半導体素子1は、電子走行層14のバンドギャップよりも大きなエネルギを持つ光(以下、「励起光」という)を空乏領域17に受けている状態では、空乏領域17にキャリアとなる電子が供給されて、電流経路が導通しドレイン電流が流れる。つまり、空乏領域17に励起光を照射すると、空乏領域17の価電子帯の電子が伝導帯に励起され、図2に示すように、空乏領域(電子走行層14における電子供給層15との界面領域)17に電子20と正孔(ホール)21とのペアが生成される。なお、図2に示すエネルギバンド図では、価電子帯を「22」、禁止帯を「23」、伝導帯を「24」、フェルミ準位を「E」で表している。
要するに、2次元電子ガス領域16は、空乏化していた空乏領域17に、励起光によってキャリアとしての電子20が発生するため、ドレイン電極11とソース電極12との間にチャネルを形成し、両電極間を電気的に導通する。その結果、半導体素子1は、空乏領域17に励起光を受けているときには、ドレイン電極11とソース電極12との間を電気的に導通させるオン状態になる。
半導体素子1は、上述した構成を採用していることにより、MOSFETやIGBT等に比べ、オン状態での電流経路に存在する電気抵抗であるオン抵抗を小さく抑えることができる。
ここで、正孔21の移動度は10cm/Vs未満であって、電子20の移動度は1000cm/Vs程度である。さらに、GaNとAlGaNとのヘテロ接合の界面で電子が流れる場合、電子の移動度は2000cm/Vs程度まで上昇する。このように正孔21の移動度は電子20の移動度に比べて極めて小さいので、電子20はドレイン電極11に高速で移動するのに対して、正孔21はソース電極12に移動するまでに多くの電子を誘発する。このように、電子20と正孔21との移動度の差に起因して電子濃度が増加することにより、オン状態でのオン抵抗が一層小さくなる。
また、半導体素子1は、空乏領域17に対する励起光の照射強度に応じてドレイン電極11・ソース電極12間に流す電流を制御しており、ドレイン電流は、励起光の照射強度が大きくなるに従って大きくなる。
ここにおいて、半導体素子1は、電子供給層15におけるドレイン電極11・ソース電極12が形成されている面側(図1の上方)から励起光を受光する。そのため、励起光は電子供給層15を透過して電子走行層14の空乏領域17にまで達する必要があり、電子供給層15では殆ど吸収されずに電子走行層14では吸収されるような光であることが望ましい。そこで、励起光は、電子走行層14のバンドギャップよりも大きく、且つ電子供給層15のバンドギャップよりも小さなエネルギを持つ波長の光とする。本実施形態では、電子走行層14はアンドープ(i型)のGaN層からなりバンドギャップが3.4eVであるため、励起光は波長が364nm以下の紫外線光である。
以上説明した本実施形態の半導体素子1によれば、空乏領域17に光を照射していない状態では、2次元電子ガス領域16の一部(空乏領域17)が空乏化しているため、ドレイン電極11・ソース電極12間が非導通となる。一方で、半導体素子1は、電子走行層14のバンドギャップよりも大きなエネルギを持つ光を空乏領域17に受けると、空乏領域17に電子20と正孔21とのペアが生成されることによりドレイン電極11・ソース電極12間が導通する。したがって、半導体素子1は、オン抵抗が比較的低く且つ大電流にも対応可能という特性を持ちながら、電気的な制御を伴わなくても光照射強度に応じて電流を変化させるといった、従来の同様の特性を持つ半導体素子では実現できなかった使い方が可能になる。
なお、半導体素子1はゲート電極がなくても動作可能であるため、ドレイン電極11・ソース電極12・ゲート電極を備える半導体素子に比べて、電極の数を少なくでき、構造の簡略化、小型化を図ることができる。
次に、2次元電子ガス領域16を部分的に空乏化して空乏領域17を形成する空乏化部18の具体例について説明する。
すなわち、空乏化部18は、たとえば図3に示すように、電子供給層15上における空乏領域17に対応する領域に形成され、電子走行層14に比べてバンドギャップが大きいp型の半導体層である空乏化層180からなる。ここでは、空乏化層180は不純物がドープされたp型のAlGaN層からなり、空乏領域17の直上、つまり電子供給層15上においてドレイン電極11とソース電極12とに挟まれる位置に設けられている。空乏化部18である空乏化層180が2次元電子ガス領域16のポテンシャルを持ち上げることにより、2次元電子ガス領域16のうち空乏化層180の直下となる範囲に空乏領域17が形成される。この構成によれば、空乏化部(空乏化層180)18が結晶構造であるため、空乏化部18の欠陥を防止できるという利点がある。
ここで、空乏化層180は電子走行層14に比べてバンドギャップが大きいので、光が高効率で空乏化層180を透過して電子走行層14に到達するように、励起光の波長を設定することが可能である。要するに、電子走行層14のバンドギャップよりも大きく、且つ空乏化層180および電子供給層15のバンドギャップよりも小さなエネルギを持つ波長の光を励起光とすることにより、空乏化層180での励起光の吸収を抑えることができる。
また、空乏化層180はp型のAlGaNを主成分とするので、アンドープ(i型)のAlGaNを主成分とする電子供給層15と格子不整合のない良好な接合となり、半導体素子1の性能の安定性、信頼性の向上を図ることができる。
他の例として、空乏化部18は、図4に示すように、電子供給層15のうち空乏領域17に対応する部位であって、厚みが電子供給層15の他の部位に比べて薄く形成されている薄肉部150からなる構成であってもよい。図4の例では、電子供給層15の上面における空乏領域17の直上の範囲の凹所が形成されることにより、空乏領域17の直上に薄肉部150が形成されている。2次元電子ガス領域16のキャリアとしての電子の濃度は、電子走行層14における薄肉部150との界面領域において極端に低くなるため、薄肉部150の直下に空乏領域17が形成される。
この構成によれば、電子供給層15の厚みを調節するだけで空乏領域17を形成することができ、空乏領域17の形成が容易になるという利点がある。つまり、薄肉部150を空乏化部18とした構成では、空乏領域17を形成するために他部材を付加する場合に比べると、単純な構造で空乏領域17を形成することが可能である。
ところで、上述した構成の半導体素子1は、たとえば図5に示すように発光ダイオード(LED:Light EmittingDiode)3と組み合わされて、フォトカプラとして機能する半導体デバイス10を構成する。この発光ダイオード3は、半導体素子1の励起光を出射光とするように出射光の波長が選択されている。
発光ダイオード3は、図5に示すように、基板30上に、バッファ層31と、n型半導体層32と、発光層33と、p型半導体層34と、透明電極35とがこの順に形成されて構成される。ここで、発光層33はn型半導体層32の一部に対して積層されており、n型半導体層32上の露出した部分にはn側電極36が形成され、透明電極35上にはp側電極37が形成されている。発光ダイオード3は、p側電極37・n側電極36間に電流が流れることにより発光層33で発生する光を、透明電極35側から外部に出射する。
半導体デバイス10は、周囲からの光を遮断するパッケージ40内に、透明電極35と電子供給層15とが互いに向き合うように半導体素子1と発光ダイオード3とを収納している。パッケージ40の内部では、発光ダイオード3は第1のリードフレーム41に実装され、半導体素子1は第2のリードフレーム42に実装されている。第1および第2の各リードフレーム41,42の一端部はパッケージ40の外側まで延長されており、半導体デバイス10の外部回路との接続端子を構成する。
この半導体デバイス10は、半導体素子1の2電極(ドレイン電極11・ソース電極12)に電圧が印加された状態で、発光ダイオード3の出射光を励起光として半導体素子1に照射することにより、半導体素子1の2電極間に流れる電流を変化させる動作をする。つまり、発光ダイオード3へ通電されていない状態では半導体素子1に電流は流れないのに対し、発光ダイオード3への通電時には、発光ダイオード3で発生した光が励起光として半導体素子1の空乏領域17に照射して半導体素子1に電流が流れる。
したがって、上記半導体デバイス10は、第1のリードフレーム41を入力端、第2のリードフレーム42を出力端として、入力端・出力端間を電気的に絶縁しながらも、入力端から出力端に信号を伝達するフォトカプラとして機能する。この構成によれば、励起光の照射に発光ダイオード3が用いられるので、比較的小型でありながらも、オン抵抗が比較的低く且つ大電流にも対応可能な半導体デバイス10を実現できる。しかも、発光ダイオード3と半導体素子1とが同一のパッケージ40に収納されているから、発光ダイオード3と半導体素子1との相対的な位置のばらつきを低減でき、且つ、ノイズや汚れの影響を受けにくい高信頼性の半導体デバイス10を実現できる。
また、半導体デバイス10は、半導体素子1と発光ダイオード3とのいずれもが、たとえば窒化物系半導体などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いて構成されていることが望ましい。ワイドバンドギャップとは、たとえばシリコン(Si)のバンドギャップ(1.1eV)の2倍以上のバンドギャップ(2.2eV以上)をいう。
つまり、半導体素子1の電子走行層14および電子供給層15と、発光ダイオード3のn型半導体層32、発光層33、p型半導体層34とは、ワイドバンドギャップ半導体から構成されることが望ましい。これにより、半導体デバイス10は、オン抵抗が比較的低く且つ大電流にも対応可能であって高耐圧のパワーデバイスを実現することが可能になる。ここでいうワイドバンドギャップ半導体とは、たとえば周期律表第2周期の軽元素を構成要素とする半導体と定義されており、窒化物系半導体のほか、炭化珪素(SiC)なども含んでいる。
なお、本実施形態の半導体素子1は、窒化物系半導体以外の化合物半導体を用いても実現でき、たとえばGaNに代えてGaAsが用いられ、AlGaNに代えてAlGaAsが用いられていてもよい。あるいは、GaN/AlGaNのヘテロ接合に代えて、Si/SiGeのヘテロ接合を用いて同様の構成が実現されていてもよい。つまり、半導体素子1は、電子走行層14と電子供給層15とのヘテロ接合により2次元電子ガスを形成することができれば、他の材料構成であっても差し支えない。たとえば、他には電子供給層15/電子走行層14の組み合わせとして、n型のAlGaAs/InGaAs、n型のInGaP/GaAs、AlGaN/InGaNなども選択可能である。
(実施形態2)
本実施形態の半導体素子1は、電子供給層が電子走行層を挟むように複数層設けられている点が実施形態1の半導体素子1と相違する。
本実施形態では、半導体素子1は、図6に示すように第1の電子供給層151と第2の電子供給層152とを電子走行層14の厚み方向の両側に有している。2次元電子ガス領域は電子走行層14における第1および第2の各電子供給層151,152との界面にそれぞれ形成される。つまり、電子走行層14における第1の電子供給層151との界面に第1の2次元電子ガス領域161が形成され、電子走行層14における第2の電子供給層152との界面に第2の2次元電子ガス領域162が形成されている。
ドレイン電極11およびソース電極12は第1の電子供給層151上に互いに離間して形成されている。これらドレイン電極11およびソース電極12は、各々が第1および第2の両2次元電子ガス領域161,162とオーミック接合されている。
ここで、空乏領域を形成する空乏化部(空乏化層180や薄肉部150)18は、第1の2次元電子ガス領域161と第2の2次元電子ガス領域162とのそれぞれについて設けられていてもよいし、一方についてのみ設けられていてもよい。図6の例では、空乏化部18は、各2次元電子ガス領域161,162にそれぞれ設けられ、第1の2次元電子ガス領域161には第1の空乏領域171を形成し、第2の2次元電子ガス領域162には第2の空乏領域172を形成している。
この構成により、本実施形態の半導体素子1は、励起光が照射されていない状態では、各2次元電子ガス領域161,162の一部(空乏領域171,172)が空乏化しているため、ドレイン電極11・ソース電極12間が非導通(オフ状態)になる。一方、半導体素子1は、励起光が照射された状態では、図7に示すように、各空乏領域(電子走行層14における各電子供給層151,152との界面領域)171,172に電子20と正孔(ホール)21とのペアがそれぞれ生成される。これにより、半導体素子1は、ドレイン電極11・ソース電極12間が導通しオン状態になる。なお、図7に示すエネルギバンド図では、価電子帯を「22」、禁止帯を「23」、伝導帯を「24」、フェルミ準位を「E」で表している。
以上説明した本実施形態の構成によれば、半導体素子1は、電子供給層が1層のみの場合に比べて、キャリアとしての電子の濃度を高くでき、オン抵抗をより一層小さく抑えることが可能である。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態の半導体素子1は、図8に示すように電子供給層15上における空乏領域17に対応する領域にゲート電極19が形成されている点が実施形態1の半導体素子1と相違する。ここでは、ゲート電極19は電子供給層15上におけるドレイン電極11とソース電極12との間に形成されている。
ゲート電極19は、励起光を透過させる材料から形成されている。したがって、図8に示すようにゲート電極19が電子供給層15上における空乏領域17の直上の領域に形成されていても、空乏領域17に対して光を照射することが可能である。ここで、空乏化領域17を形成する空乏化部18として空乏化層180(図3参照)が用いられている場合、ゲート電極19は空乏化層180上に形成され、空乏化層180とオーミック接合される。
上記構成の半導体素子1は、ゲート電極19・ソース電極12間にゲート電圧を印加する駆動回路(図示せず)に接続される。これにより、駆動回路がゲート電圧を制御することにより、ドレイン電極11・ソース電極12間を流れるドレイン電流を電気的に制御することが可能になる。
すなわち、半導体素子1は、ゲート電圧が0Vであれば、ゲート電極19の直下の空乏領域17が空乏化しているため、ドレイン電極11・ソース電極12間の電流経路が遮断され、オフ状態になる。一方、半導体素子1は、ゲート電圧が所定の閾値より大きければ、ゲート電極19の直下の空乏領域17のポテンシャルが下がり、ドレイン電極11・ソース電極12間にチャネルが形成されてオン状態になる。
また、本実施形態の半導体素子1は、駆動回路から印加されるゲート電圧の制御と、空乏領域17に対する励起光の照射強度の制御とを組み合わせることにより、ドレイン電極11・ソース電極12間を流れるドレイン電流を電気的に制御することも可能である。この場合、半導体素子1は、励起光の照射強度のみで制御される場合に比べ、空乏領域17の電位が安定する。しかも、半導体素子1は、励起光により空乏領域17で発生する電子により2次元電子ガス領域16の電子濃度が向上するため、ゲート電圧のみで制御される場合に比べて、オン抵抗が一層小さくなる。
さらにまた、半導体素子1は、ゲート電極19と電子供給層15との間に、絶縁材料からなる絶縁膜(図示せず)が設けられていてもよい。これにより、電子供給層15の保護を図ることができ、また、ゲート電極19でのリーク電流の発生を抑制できるという利点がある。
また、ここではゲート電圧が0Vのときにオフ状態になるノーマリオフ型の半導体素子1を例示したが、ゲート電極19を備えることにより、半導体素子1はゲート電圧が0Vのときにオン状態になるノーマリオン型の素子であっても制御可能となる。したがって、本実施形態の構成では、半導体素子1として使用できる範囲を拡大することが可能になる。
なお、本実施形態の構成は、実施形態2の構成と組み合わされてもよい。この場合、ゲート電極19は第1の電子供給層151と第2の電子供給層152とのそれぞれに対して形成されてもよいし、いずれか一方に対してのみ形成されてもよい。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
1 半導体素子
11 ドレイン電極(第1の電極)
12 ソース電極(第2の電極)
14 電子走行層
15 電子供給層
16 2次元電子ガス領域
17 空乏領域
18 空乏化部
19 ゲート電極
20 電子
21 正孔
150 薄肉部(空乏化部)
151 第1の電子供給層
152 第2の電子供給層
161 第1の2次元電子ガス領域
162 第2の2次元電子ガス領域
171 第1の空乏領域
172 第2の空乏領域
180 空乏化層(空乏化部)

Claims (8)

  1. 半導体層からなる電子走行層と、バンドギャップが前記電子走行層よりも大きい半導体層からなり前記電子走行層の上に設けられる電子供給層と、前記電子供給層の上に互いに離間して形成される第1の電極および第2の電極とを備え、
    前記電子走行層における前記電子供給層との界面には、キャリアとしての電子が存在する2次元電子ガス領域が形成され、
    前記2次元電子ガス領域における前記第1の電極と前記第2の電極との間の一部を空乏化することにより空乏領域を形成する空乏化部が設けられており、
    前記2次元電子ガス領域は、前記空乏領域に光を受けていない状態では、前記空乏領域にて前記第1の電極と前記第2の電極との間を非導通とし、前記電子走行層のバンドギャップよりも大きなエネルギを持つ光である励起光を前記空乏領域に受けた状態では、前記空乏領域に電子および正孔が生成されることにより前記第1の電極と前記第2の電極との間を導通させることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記空乏化部は、前記電子供給層の上における前記空乏領域に対応する領域に形成され、前記電子走行層よりもバンドギャップが大きいp型の半導体層からなることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 前記空乏化部は、前記電子供給層のうち前記空乏領域に対応する部位であって、厚みが前記電子供給層の他の部位に比べて薄く形成されている薄肉部からなることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  4. 前記電子供給層は前記電子走行層を挟むように複数層設けられており、前記2次元電子ガス領域は、前記電子走行層における前記電子供給層の各層との界面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. 前記電子供給層の上における前記空乏領域に対応する領域には、前記励起光を透過させる材料からなるゲート電極が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子。
  6. 前記ゲート電極と前記電子供給層との間には絶縁材料からなる絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項5記載の半導体素子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の半導体素子と、前記空乏領域に向けて前記励起光を照射する発光ダイオードとを備えることを特徴とする半導体デバイス。
  8. 前記半導体素子と前記発光ダイオードとは、いずれもワイドバンドギャップの半導体材料を用いて構成されていることを特徴とする請求項7記載の半導体デバイス。
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