JP2017059786A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化物半導体を用いた半導体装置の電流コラプスを抑制する。
【解決手段】半導体装置は、シリコン基板101と、シリコン基板101上に形成された第1の窒化物半導体層103と、第1の窒化物半導体層103の上に形成され、かつ、第1の窒化物半導体層103と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層104と、第2の窒化物半導体層104と接するように設けられた第1の電極105と、第1の電極105と離間し、第2の窒化物半導体層104と接するように設けられた、第1の電極より高電圧が印加される第2の電極106と、第1の窒化物半導体層103の内部に埋め込まれるように形成された第1のp型不純物層111とを備え、第1のp型不純物層111は、第2の電極106と実質的に同電位となるよう接続されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に、窒化物を用いた半導体装置に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表されるIII−V族窒化物系化合物半導体、いわゆる窒化物半導体が注目を集めている。窒化物半導体は、一般式がInGaAl1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される、III族元素であるアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)と、V族元素である窒素(N)とからなる化合物半導体である。
窒化物半導体は種々の混晶を形成することができ、ヘテロ接合界面を容易に形成することができる。窒化物半導体のヘテロ接合には、ドーピングなしの状態においても自発分極又はピエゾ分極によって高濃度の2次元電子ガス層(2DEG層)が接合界面に発生するという特徴がある。この高濃度の2DEG層をキャリアとして用いた電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)が、高周波用及び大電力用のデバイスとして注目を集めている。
しかし、窒化物半導体を用いたFETには、電流コラプスという大きな課題がある。電流コラプスとは、一旦デバイスをオフ状態とした後、再びオン状態とする際にドレイン電流が一定時間流れにくくなる現象である。これは、窒化物半導体中や、窒化物半導体表面の準位に、電子がトラップされることに起因すると考えられている。このトラップされた電子により、FETがオン状態となっても、2DEG層からなるチャネルが完全に開かず、電流が流れ難くなる。電流コラプスの特性が悪いと高速なスイッチングが困難となり、デバイスの動作に極めて深刻な問題が生じる。
この電流コラプスを低減する方法として、特許文献1には、正孔注入部を設けて、その正孔注入部から正孔(ホール)を窒化物半導体層に注入することで、トラップされた電子を解放する電界効果トランジスタが開示されている。
図10は、特許文献1に記載された電界効果トランジスタをの断面構造を模式的に表した図である。同図に示すように、特許文献1に記載された電界効果トランジスタでは、シリコン基板201の上にバッファ層202を介して、第1の窒化物半導体層203と、第1の窒化物半導体層203と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層204とが形成されている。この第2の窒化物半導体層204の上に、互いに間隔をおいて、ソース電極205及びドレイン電極206が形成されている。さらにソース電極205及びドレイン電極206と間隔をおいて、第2の窒化物半導体層204上にゲート電極207が形成される。さらにゲート電極207とドレイン電極206との間のドレイン電極206に近い位置には、p型窒化物半導体からなる正孔注入部211が形成される。各電極を覆って保護膜210が形成され、保護膜210上には、ソース電極配線208及びドレイン電極配線209が、それぞれ、ソース電極205及びドレイン電極206と接続されて形成されている。正孔注入部211の電位は、ドレイン電極206の電位と実質的に等しく、正孔注入部211からは正孔212が注入される。注入された正孔212は、窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位にトラップされた電子と再結合する。このため、2DEG層に空乏層が拡がらず、チャネル抵抗の増大を抑制することが可能となる。
また、特許文献2には、p型窒化物半導体からなる正孔注入部の替わりに、ショットキー電極を形成して電流コラプスが改善された半導体装置が開示されている。このように、正孔注入部の替わりにショットキー電極を形成した場合でも、正孔注入部を設けた電界効果トランジスタと同様に、チャネル抵抗増大を抑制できる結果が得られたとしている。
特開2011−181743号公報 国際公開第2014/174810号
しかしながら、前述した特許文献1及び2に開示された先行技術では、コラプス現象を十分に抑制することは困難である。この理由について、以下、説明する。
特許文献1に開示された電界効果トランジスタでは、正孔注入部211を第2の窒化物半導体層204上に形成しただけでは、注入された正孔212の量が十分ではなく、窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位にトラップされる電子の解放が十分になされない。特に、パワーデバイスのスイッチング素子のように、1000V程度もの高い電圧が印加される場合には、ドレイン高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量に電子がトラップされる。このため、電子の解放を、正孔注入部211から注入された正孔212だけで行うことは困難である。
さらに詳しくは、特許文献1に開示された電界効果トランジスタでは、正孔注入は正孔注入部211の底面からのみであり、バッファ層202及び第1の窒化物半導体層203の、よりバッファ層202に近い位置にトラップされた電子に対して、正孔注入部211から注入された正孔が届かない。このため、トラップされた電子の解放が十分にはなされない。また、正孔注入部211の底面から注入される正孔は、保護膜210と第2の窒化物半導体層204との界面にも供給され難く、保護膜210と第2の窒化物半導体層204との界面準位にトラップされた電子を十分に解放することができない。
また、特許文献2に開示された半導体装置のように、正孔注入部の替わりにショットキー電極を形成した場合でも、同様に、窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位にトラップされる電子の解放を十分にはできない。
この結果、前述した特許文献1及び2に開示された先行技術では、FETを高速でスイッチングさせた時、オン抵抗が上昇する、及び、動作中に破壊を引き起こす、という不具合が発生してしまう。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電流コラプスが抑制された、窒化物半導体を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一形態に係る半導体装置は、基板と、前記基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、前記第1の窒化物半導体層の上に形成され、かつ、前記第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層と、前記第2の窒化物半導体層と接するように設けられた第1の電極と、前記第1の電極と離間し、前記第2の窒化物半導体層と接するように設けられた、前記第1の電極より高電圧が印加される第2の電極と、前記第1の窒化物半導体層の内部に埋め込まれるように形成された第1のp型不純物層とを備え、前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極と実質的に同電位となるよう接続されていることを特徴とする。
上記構成によれば、第1のp型不純物層が第1の窒化物半導体層内に埋め込まれるように形成されているため、第1のp型不純物層から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔が窒化物半導体層内に注入される。そのため、ドレイン高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子を解放させることが可能となる。さらに詳しくは、p型不純物層が第2の窒化物半導体層の上に形成されていた従来技術の構成に比べて、より基板に近い位置への正孔の注入が可能となる。また、従来技術の構成では困難であった、第2の窒化物半導体層表層にトラップされた電子に対しても、第1のp型不純物層から鉛直方向上向きにも正孔の注入が可能であるため、解放可能となる。よって、従来の半導体装置と比べて、3次元的に、より広範囲に正孔を注入することでトラップに捕獲された電子をより多く解放でき、電流コラプスの抑制を、より効果的に行えるようになる。さらには、上記従来の半導体装置では、どうしてもp型不純物層の幅の分、セルピッチが増えていたが、本開示の半導体装置では、第1の窒化物半導体層内にp型不純物層を埋め込めるので、セルピッチの縮小が可能となる。
また、前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極の下方、及び、前記第1の電極と前記第2の電極との間の少なくとも一方に形成されていてもよい。
これにより、コラプス改善及び所望のドレイン耐圧確保の両立が可能となる。
また、前記第1のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第1の電極から少なくとも2μm離間して形成されていてもよい。
これにより、p型不純物層が平面視において2μm離間していない場合に比べて、コラプス改善及び所望のドレイン耐圧確保の両立が、より容易となる。
また、さらに、前記第2の窒化物半導体層の上であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記第2の電極よりも前記第1の電極に近い位置に配置された、前記第1の電極と前記第2の電極の間に流れる電流を制御するための第3の電極を備えてもよい。
これにより、本半導体装置が、第3の電極をゲート電極とするトランジスタとして作用することが可能となる。
また、前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極の下方、及び、前記第2の電極と前記第3の電極との間、の少なくとも一方に形成されていてもよい。
これにより、コラプス改善及び所望のドレイン耐圧確保の両立が可能となる。
また、前記第1のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第3の電極から少なくとも2μm離間して形成されていてもよい。
これにより、p型不純物層が平面視において2μm離間していない場合に比べて、コラプス改善及び所望のドレイン耐圧確保の両立が、より容易となる。
また、さらに、前記第2の窒化物半導体層の上であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記第1の電極よりも前記第2の電極に近い位置に配置された第4の電極を備えてもよい。
このように、第4の電極を設けることで、本半導体装置の性能をさらに向上できる。
また、前記第2の電極と前記第4の電極とが、実質的に同電位となるよう接続されていてもよい。
これにより、第4の電極を、コラプス改善電極として機能させることができる。
また、前記第4の電極は、前記第2の窒化物半導体層上に形成されたp型の窒化物半導体層を有してもよい。
これにより、第1のp型不純物層からの正孔注入に加えて、第4の電極であるp型の窒化物半導体層からも正孔が注入できるので、ドレイン高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子を、より多く解放させることが可能となる。
また、前記第4の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に流れる電流を制御するための電極であり、前記半導体装置は、前記第2の電極に前記第1の電極よりも高電圧が印加される場合と、前記第3の電極及び前記第4の電極の電位により、前記第1の電極に前記第2の電極よりも高電圧が印加される場合とを有する双方向の半導体装置であり、前記第1の窒化物半導体層には、前記第1のp型不純物層と離間して第2のp型不純物層が形成され、前記第2のp型不純物層は、前記第1の電極と実質的に同電位となるよう接続されていてもよい。
これにより、第3の電極が第1のゲート電極として機能し、また、第4の電極が第2のゲート電極として機能できるので、第2の電極が第1の電極に対してより高電圧が印加されるような使い方だけでなく、第1の電極に、第2の電極よりも高電圧が印加されるような、いわゆる双方向スイッチとして作用することができる。さらには、第1の電極と電気的に実質的に同電位の第2のp型不純物層が、第1の窒化物半導体層内に形成される。よって、第1の電極に第2の電極よりも高電圧が印加されるような使われ方により、窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に電子が大量にトラップされた場合でも、第2のp型不純物層から正孔を注入することで、電流コラプスを抑制することができる。
また、前記第2のp型不純物層は、前記第1の電極の下方、及び、前記第1の電極と前記第4の電極との間、の少なくとも一方に形成されていてもよい。
これにより、コラプス改善及び所望の耐圧(第1の電極に第2の電極よりも高電圧を印加する場合)の両立が可能となる。
また、前記第2のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第4の電極から少なくとも2μm離間して形成されていてもよい。
これにより、p型不純物層が平面視において2μm離間していない場合に比べて、コラプス改善及び所望の耐圧(第1の電極に第2の電極よりも高電圧を印加する場合)の両立が、より容易となる。
また、前記第2のp型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との接合界面から0.1μm以上離れた前記第1の窒化物半導体層の内部に形成されていてもよい。
これにより、第2のp型不純物層と第1の窒化物半導体層で形成されるエネルギー障壁が、接合界面に形成されるチャネルに及ぼす影響を小さくでき、オン抵抗の増加を抑制することができる。
また、前記第2の窒化物半導体層には第1の開口部が設けられており、前記第1の開口部は、深さ方向に前記第1の窒化物半導体層及び前記第2のp型不純物層に達しており、前記第1の電極は、前記第1の開口部内に、前記第1の窒化物半導体層及び前記第2のp型不純物層の両方に接するように形成されていてもよい。
これにより、第1の電極で、第2のp型不純物層へのコンタクトも兼ねられるため、製造プロセスを簡単にでき、安価に製造が可能となる。
また、前記第2のp型不純物層の上方の前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層には第2の開口部が設けられており、前記第2の開口部には、前記第2のp型不純物層と接するように第1のコンタクトメタルが形成されており、前記第1のコンタクトメタルは、前記第1の電極と接続されていてもよい。
これにより、第2のp型不純物層を第1の電極と実質的に同電位とできる。
また、前記第1のコンタクトメタルは、前記第2のp型不純物層とオーミック接合していてもよい。
これにより、第2のp型不純物層とのコンタクト抵抗が下がるため、第2のp型不純物層から正孔が、より注入され易くなる。
また、前記第1のp型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との接合界面から0.1μm以上離れた前記第1の窒化物半導体層の内部に形成されていてもよい。
これにより、第1のp型不純物層と第1の窒化物半導体層とで形成されるエネルギー障壁が、接合界面に形成されるチャネルに及ぼす影響を小さくでき、オン抵抗の増加を抑制することができる。
また、前記第2の窒化物半導体層には第3の開口部が設けられており、前記第3の開口部は、深さ方向に前記第1の窒化物半導体層及び前記第1のp型不純物層に達しており、前記第2の電極は、前記第3の開口部内に、前記第1の窒化物半導体層及び前記第1のp型不純物層の両方に接するように形成されていてもよい。
これにより、第2の電極で、第1のp型不純物層へのコンタクトも兼ねられるため、製造プロセスを簡単にでき、安価に製造が可能となる。
また、前記第1のp型不純物層の上方の前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層には第4の開口部が設けられており、前記第4の開口部には、前記第1のp型不純物層と接するように第2のコンタクトメタルが形成されており、前記第2のコンタクトメタルは、前記第2の電極と接続されていてもよい。
これにより、第1のp型不純物層を、第2の電極と実質的に同電位とできる。
また、前記第2のコンタクトメタルは、前記第1のp型不純物層とオーミック接合していてもよい。
これにより、第1のp型不純物層とのコンタクト抵抗が下がるため、第1のp型不純物層から正孔が、より注入され易くなる。
本発明によれば、電流コラプスが抑制された窒化物半導体装置を提供することが可能となる。
(a)は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図であり、(b)は、(a)のA−A’で切断した場合の断面図である。 (a)は、実施の形態1に係る半導体装置の平面図であり、(b)は、(a)のB−B’で切断した場合の断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の動作を示す断面図である。 実施の形態1の変形例1に係る半導体装置の断面図である。 実施の形態1の変形例2に係る半導体装置の断面図である。 実施の形態1の変形例2に係る半導体装置の動作を示す断面図である。 実施の形態1の変形例3に係る半導体装置の断面図である。 実施の形態2に係る半導体装置の断面図である。 (a)は、実施の形態3に係る半導体装置の平面図であり、(b)は、(a)のC−C’で切断した場合の断面図である。 (a)は、実施の形態3に係る半導体装置の平面図であり、(b)は、(a)のD−D’で切断した場合の断面図である。 実施の形態3の変形例に係る半導体装置の断面図である。 特許文献1に記載された電界効果トランジスタをの断面構造を模式的に表した図である。
以下、本開示の実施の形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものであり、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定するものではない。
(実施の形態1)
図1Aの(a)は、実施の形態1に係る半導体装置1の平面透視図であり、図1Aの(b)は、(a)のA−A’で切断した場合の実施の形態1に係る半導体装置1の断面図である。また、図1Bの(a)は、実施の形態1に係る半導体装置1の平面透視図であり、図1Bの(b)は、(a)のB−B’で切断した場合の実施の形態1に係る半導体装置1の断面図である。
図1A及び図1Bに示された半導体装置1は、シリコン基板101と、バッファ層102と、第1の窒化物半導体層103と、第2の窒化物半導体層104と、ソース電極105と、ドレイン電極106と、ゲート電極107と、ソース電極配線108と、ドレイン電極配線109と、層間膜110と、第1のp型窒化物半導体層111とを備える。
バッファ層102は、主面の面方位が(111)面であり厚さが350μmのシリコン基板101の上に形成されている。
第1の窒化物半導体層103と、第1の窒化物半導体層103と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層104とが、この順で、バッファ層102の上に形成されている。
第2の窒化物半導体層104の上には、互いに間隔をおいて、第1の電極であるソース電極105と、ソース電極に対してより高電圧が印加される第2の電極であるドレイン電極106が形成されている。ソース電極105とドレイン電極106との間には、ドレイン電極106よりもソース電極105に近い位置において、第2の窒化物半導体層104の上に、ソース電極105とドレイン電極106との間に流れる電流を制御する第3の電極であるゲート電極107が形成されている。
さらに、第1の窒化物半導体層103内には、第1のp型窒化物半導体層111が形成され、第1のp型窒化物半導体層111は、ドレイン電極106と電気的に実質的に同電位となるよう接続される。
第2の窒化物半導体層104上には、ソース電極105、ドレイン電極106、及びゲート電極107を覆うように層間膜110が形成される。層間膜110を一部開口して、ソース電極配線108及びドレイン電極配線109が、それぞれ、ソース電極105及びドレイン電極106と接続されて形成されている。
以下、半導体装置1の構成について、さらに詳細に説明する。
第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104は、例えば、有機気相エピタキシャル成長法(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)により形成され、半導体層の主面の面方位は(0001)面である。バッファ層102は、シリコン基板101の上に、AlN層とAlGaN層とからなる多層構造により構成される。バッファ層102の総膜厚は、例えば、約2.1μmである。第1の窒化物半導体層103は、電子が走行するチャネル層であり、アンドープのGaNよりなり、層厚は、例えば、1.6μmである。なお、アンドープとは、不純物を意図的に導入していないことを意味する。第2の窒化物半導体層104は、電子供給層であり、アンドープのAl.0.17Ga0.83Nよりなり、層厚は、例えば、60nmである。第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面には2次元電子ガス(2−Dimensional Electron Gas、略して2DEG)層が形成されている(図示なし)。
ソース電極105及びドレイン電極106は、ともに第2の窒化物半導体層104側より層厚20nmのチタン層の上に、層厚が200nmのアルミニウム層が形成された構成(いわゆるTi/Alの構成)を有する。ソース電極105及びドレイン電極106は、ともに、第2の窒化物半導体層104に対しオーミック接触をする。なお、ソース電極105及びドレイン電極106は、Ti/Alで無くともよく、例えば、Ti、Al、Mo、Hf等の金属を1つまたは2つ以上組み合わせた積層体として第2の窒化物半導体層104とオーミック接触をしていればよい。
ゲート電極107は、第2の窒化物半導体層104側から、層厚が100nmのニッケル層と、層厚が200nmの金層とが形成された構成(いわゆるNi/Auの構成)を有する。ゲート電極107は、第2の窒化物半導体層104に対し、ショットキー接触をする。ゲート電極107は、Ni/Auで無くとも、例えば、Ti、Al、Ni、Pt、Pd、Au、Mo、Hf等の金属を1つまたは2つ以上組み合わせた材料を用いて第2の窒化物半導体層104とショットキー接触していればよい。
第1のp型窒化物半導体層111は、具体的には、層厚200nm、不純物濃度が1×1020cm−3のMgドープp型GaNよりなる。このとき、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103の接合面には、第1のp型窒化物半導体層111から第1の窒化物半導体層103に向かって順方向となるような整流作用を示すエネルギー障壁が形成される。なお、第1のp型窒化物半導体層111は、GaNに限られず、AlGa1−xN(0<x≦1)でもよく、InAlGa1−y−zN(0≦y≦1、0≦z≦1)でもよい。また、Mgの不純物濃度は、1×1018cm−3〜1×1021cm−3程度でよい。第1のp型窒化物半導体層111の幅は、ドレイン電極106とゲート電極107との間隔にもよるが、1μm〜3μm程度でよい。さらに詳しくは、第1のp型窒化物半導体層111は、ドレイン電極106の下方及びドレイン電極106とゲート電極107との間に形成されており、ゲート電極107から平面視的に少なくとも2μm離間して形成されている(距離112>2μm)。このような構成とすることで、ゲート電極107をソース電極105と短絡(ショート)させたときに、ドレイン電極106に、例えば、400V以上の高電圧を印加することが可能となる。ここで、距離112として2μm確保できていれば、第1のp型窒化物半導体層111は、ドレイン電極106の下方には形成されていなくても構わない。また、逆にドレイン電極106の下方のみに形成されていて、ゲート電極107とドレイン電極106との間に形成されていなくても構わない。
また、第1のp型窒化物半導体層111は、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面から0.1μm以上離れた第1の窒化物半導体層103内に形成されている(距離113≧0.1μm)。このように距離113を、0.1μm以上確保することで、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁が、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面に形成されるチャネルに及ぼす影響を小さくできる。このため、オン抵抗の増加を抑制することができる。
ここで、第1のp型窒化物半導体層111とドレイン電極106との接続態様について、詳細に説明する。図1Bの(c)に示すように、第1のp型窒化物半導体層111の上方の第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104は、リセス114(第4の開口部)により開口される。リセス114内には、第1のp型窒化物半導体層111と接するようにコンタクトメタル115(第2のコンタクトメタル)が形成されている。コンタクトメタル115には、層間膜110を一部開口して形成されたコンタクトホール123を介して、ドレイン電極配線109が接続されている。コンタクトメタル115は、第1のp型窒化物半導体層111とオーミック接合していることが望ましく、例えば、厚さ20nmのパラジウムに、厚さ200nmの金を積層させて構成する。なお、図1A及び図1Bでは、第1のp型窒化物半導体層111の端部において、第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104に段差が形成されていない例を示したが、もちろん段差が形成されていても構わない。
次に、図1Aおよび図1Bに示す本実施の形態の半導体装置1の電界効果トランジスタとしての動作について、図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態1に係る半導体装置1の動作を示す断面図である。
本実施の形態に係る半導体装置1において、まず、ドレイン電極106とソース電極105との間に、正バイアス(以下ドレイン電圧と称する)を印加し、ゲート電極107に正の電圧を印加する。これにより、ドレイン電極106から、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面近傍に形成される2次元電子ガス(2DEG)層からなるチャネルを通って、ソース電極105へと電流(以下ドレイン電流と称する)を流すことができる。
一方、ゲート電極107の電圧をFETのゲートしきい値電圧以下にする。例えば、ゲート電極107をソース電極105と短絡(ショート)させる。そうすると、ドレイン電流は流れなくなる。
このように、ゲート電極107の印加電圧を変化させることで、FETに流れるドレイン電流を流す(オンする)、及び、流さない(オフする)、というスイッチング動作を行う。ここで、ドレイン端子にインダクタ負荷(以下、L負荷という)を接続して上記スイッチング動作を行う。すると、ターンオン、及びターンオフの瞬間、ゲート電極107にゲートしきい値電圧以上の電圧が印加された状態で、過渡的にドレイン電圧が、例えば、数十Vから場合によっては数百Vまで持ち上がる。ドレイン電流が流れるゲートバイアス条件下で、このようにドレイン電圧が増大すると、電子電流がゲート電極107とドレイン電極106との間の強電界領域を流れる。すると、この強電界により、大量の電子が、第2の窒化物半導体層104内の欠陥や表層に生じる界面準位、また、第1の窒化物半導体層103内及びバッファ層102内の欠陥に生じる界面準位にトラップされる。
特許文献1に記載された電界効果トランジスタ(図10)では、ゲート電極207とドレイン電極206との間の第2の窒化物半導体層204の表層に設けられた正孔注入部211から正孔212を注入し、トラップされた電子を解放している。しかしながら、正孔212は正孔注入部211の底面からのみ注入されるため、バッファ層202及び第1の窒化物半導体層203の、よりバッファ層202に近い位置にトラップされた電子に対して、正孔注入部211から注入された正孔が届かない。このため、トラップされた電子の解放が十分にはできない。また、正孔注入部211の底面から注入される正孔212は、保護膜210と第2の窒化物半導体層204との界面にも供給され難く、保護膜210と第2の窒化物半導体層204との界面準位にトラップされた電子を十分に解放することができない。
正孔注入部の替わりにショットキー電極を形成した場合でも、同様に、窒化物半導体中や窒化物半導体表面の準位にトラップされる電子の解放を十分にはできない。
電子がトラップされたままスイッチング動作を続けると、トラップされた電子は負電荷を帯びているので、チャネルの散乱が起こって電子移動度が下がり、オン抵抗が大きくなる。また、トラップされた電子によりドレイン端部及びゲート端部への電界集中が発生して絶縁破壊するという、所謂電流コラプスが発生する。
これに対して、本実施の形態に係る半導体装置1では、第1のp型窒化物半導体層111が第1の窒化物半導体層103内に埋め込まれるように形成されているため、第1のp型窒化物半導体層111から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔140が窒化物半導体層内に注入される。このため、ドレイン高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子を解放させることが可能となる。
さらに詳しくは、本実施の形態に係る半導体装置1では、スイッチング動作中に、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差が、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、第1のp型窒化物半導体層111から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔140が窒化物半導体層内に注入される。本実施の形態に係る半導体装置1では、p型窒化物半導体からなる正孔注入部がが第2の窒化物半導体層204の上に形成されていた先行技術の構成(図10)に比べて、より基板に近い位置へ正孔140の注入が可能となる。また、従来技術の構成では困難であった、第2の窒化物半導体層104の表層にトラップされた電子に対しても、第1のp型窒化物半導体層111から鉛直方向上向きに注入された正孔140により、解放することができる。よって、p型窒化物半導体からなる正孔注入部が第2の窒化物半導体層204の上に形成されていた従来の電界効果トランジスタと比べて、3次元的に、より広範囲に正孔を注入することでトラップに捕獲された電子を、より多く解放でき電流コラプスの抑制をより効果的に行えるようになる。さらには、上記従来の電界効果トランジスタでは、どうしても正孔注入部の幅の分セルピッチが増えていたが、本実施の形態に係る半導体装置1では、第1の窒化物半導体層103内に第1のp型窒化物半導体層111が埋め込まれているので、セルピッチの縮小が可能である。
(実施の形態1の変形例1)
図3は、実施の形態1の変形例1に係る半導体装置1Aの断面図である。本変形例に係る半導体装置1Aは、実施の形態1に係る半導体装置1と比較して、ドレイン電極116が、リセス118(第3の開口部)を介して第1のp型窒化物半導体層111にも接続されるように形成されている点が構成として異なる。すなわち、第2の窒化物半導体層104に開口を設けてリセス118を形成し、リセス118は、深さ方向に第1の窒化物半導体層103及び第1のp型窒化物半導体層111にまで達している。この構造により、ドレイン電極116は、リセス118内において、少なくとも第1の窒化物半導体層103と第1のp型窒化物半導体層111の両方に接するように形成されている。
上記構成により、ドレイン電極116が第1のp型窒化物半導体層111へのコンタクトも兼ねられるため、製造プロセスを簡単にでき、安価に製造が可能となる。
なお、上記構成により、図1Bの(c)で示した第1のp型窒化物半導体層111へのコンタクトメタル115、リセス114、及びコンタクトホール123は不要となるが、別に配置されていても構わない。また、フィンガー構造を含め、他の構成については、実施の形態1に係る半導体装置1と同様である。
(実施の形態1の変形例2)
図4は、実施の形態1の変形例2に係る半導体装置1Bの断面図である。本変形例に係る半導体装置1Bは、実施の形態1に係る半導体装置1と比較して、第2の窒化物半導体層104の上のドレイン電極106に近い位置において第4の電極121が形成されている点が構成として異なる。
第4の電極121は、ドレイン電極106と電気的に実質的に同電位にて接続されている。
第4の電極121は、ホール注入電極として作用するが、具体的には層厚200nm、不純物濃度が1×1020cm−3のMgドープp型GaNよりなる。このホール注入電極121と第2の窒化物半導体層104の接合面には、ホール注入電極121から第1の窒化物半導体層103に向かって順方向となるような整流作用を示すエネルギー障壁が形成される。
なお、ホール注入電極121は、GaNに限られず、AlGa1−xN(0<x≦1)でもよく、InAlGa1−y−zN(0≦y≦1、0≦z≦1)でもよい。また、Mgの不純物濃度は、1×1018cm−3〜1×1021cm−3程度でよい。また、ホール注入電極121の幅は、ドレイン電極106とゲート電極107との間隔にもよるが、1μm〜3μm程度でよい。
また、フィンガー構造を含め、その他の構成については、実施の形態1に係る半導体装置1と同様である。第1のp型窒化物半導体層111についても、平面視的において、ゲート電極107から少なくとも2μm離間して形成されている(距離132>2μm)。また、第1のp型窒化物半導体層111は、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面から0.1μm以上離れた第1の窒化物半導体層103内に形成されている(距離133≧0.1μm)。
次に、図4に示す本変形例の半導体装置1Bのトランジスタ動作について、図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態1の変形例1に係る半導体装置1Bの動作を示す断面図である。
本実施の形態に係る半導体装置1Bにおいて、まず、ドレイン電極106とソース電極105との間に、正バイアス(以下ドレイン電圧と称する)を印加し、ゲート電極107に正の電圧を印加する。これにより、ドレイン電極106から、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面近傍に形成される2次元電子ガス(2DEG)層からなるチャネルを通って、ソース電極105へと電流(以下ドレイン電流と称する)を流すことができる。
一方、ゲート電極107の電圧をFETのゲートしきい値電圧以下にする。例えば、ゲート電極107をソース電極105と短絡(ショート)させる。そうすると、ドレイン電流は流れなくなる。
このように、ゲート電極107の印加電圧を変化させることで、FETに流れるドレイン電流を流す(オンする)、及び、流さない(オフする)、というスイッチング動作を行う。
本変形例では、スイッチング動作中に、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差が、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、第1のp型窒化物半導体層111から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に、正孔140が窒化物半導体層内に注入される。
これに加えて、本変形例では、スイッチング動作中に、ホール注入電極121と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差が、ホール注入電極121と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、ホール注入電極121からも正孔141が注入される。
つまり、本変形例に係る半導体装置1Bでは、第1のp型窒化物半導体層111から注入される正孔140に加えて、ホール注入電極121からも正孔141が注入できるので、ドレイン高電界により窒化物半導体中および窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子をより多く解放させることが可能となる。
(実施の形態1の変形例3)
図6は、実施の形態1の変形例3に係る半導体装置1Cの断面図である。本変形例に係る半導体装置1Cは、実施の形態1の変形例2に係る半導体装置1Bと比較して、p型GaNから成るホール注入電極121を、ショットキー電極138に替えて構成している点が異なる。このように、ホール注入電極121の替わりにショットキー電極138を形成した場合でも、ホール注入電極121を設けた変形例2に係る半導体装置1Bと同様に、コラプス改善効果が期待できる。すなわち、本変形例の半導体装置1Cでは、スイッチング動作中に、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差が、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、第1のp型窒化物半導体層111から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔136が窒化物半導体層内に注入される。
これに加えて、本変形例の半導体装置1Cでは、スイッチング動作中に、ショットキー電極138と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、1V以上の電位差が、ショットキー電極138と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、トラップされた電子137がショットキー電極138に吸収される。
つまり、本変形例の半導体装置1Cでは、第1のp型窒化物半導体層111から注入される正孔136に加えて、トラップされた電子137をショットキー電極138により吸収できるので、ドレイン高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子を、より多く解放させることが可能となる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係る半導体装置2の断面図である。本実施の形態に係る半導体装置2は、実施の形態1に係る半導体装置1と比較して、ゲート電極107が形成されていない点が構成として異なる。本実施の形態に係る半導体装置2は、第1の電極117がアノード電極、及び、第2の電極106がカソード電極として作用するダイオードである。
第1のp型窒化物半導体層111は、カソード電極106の下方及びカソード電極106とアノード電極117との間に形成されており、アノード電極117から平面視的に少なくとも2μm離間して形成されている(距離125>2μm)。このような構成とすることで、アノード電極117に対して、カソード電極106に、例えば、400V以上の高電圧を印加することが可能となる。
なお、距離125が2μm確保されていれば、第1のp型窒化物半導体層111は、カソード電極106の下方には形成されていなくても構わない。また、逆に、カソード電極106の下方のみに形成されていて、アノード電極117とカソード電極106との間に形成されていなくても構わない。
また、第1のp型窒化物半導体層111は、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面から0.1μm以上離れた第1の窒化物半導体層103内に形成されている(距離113≧0.1μm)。このように、距離113を0.1μm以上確保することで、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103で形成されるエネルギー障壁が、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面に形成されるチャネルに及ぼす影響を小さくできる。このため、オン抵抗の増加を抑制することができる。
次に、図4に示す半導体装置2ダイオード動作について説明する。本実施の形態のダイオード動作としては、カソード電極106に対してアノード電極117に正バイアスを印加すると、アノード電極117から、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面近傍に形成される2次元電子ガス(2DEG)層からなるチャネルを通って、カソード電極106へと電流を流すことができる。一方、アノード電極117に対してカソード電極106に正バイアスを印加しても電流は流れない。このように、カソード電極106とアノード電極117との間に流れる電流を流したり止めたり、という整流動作を繰り返し行う。
上記ダイオード動作を行うカソード端子に、インダクタ負荷(以下、L負荷という)を接続して上記整流動作を行う。そして、過渡的にカソード電圧が、例えば、数十Vから、場合により数百Vまで持ち上がる。アノード電極117からカソード電極106へ電流が流れた直後に、このようにカソード電圧が増大すると、強電界により、大量の電子が、第2の窒化物半導体層104内の欠陥及び表層に生じる界面準位、また、第1の窒化物半導体層103内及びバッファ層102内の欠陥に生じる界面準位にトラップされる。電子がトラップされたまま整流動作を続けると、トラップされた電子は負電荷を帯びているので、チャネルの散乱が起こって電子移動度が下がり、ダイオードのオン抵抗が大きくなる。また、トラップされた電子により、カソード端部やアノード端部への電界集中が発生して絶縁破壊するという、所謂、電流コラプスが発生する。
これに対して、本実施の形態に係る半導体装置2は、第1のp型窒化物半導体層111が第1の窒化物半導体層103内に埋め込まれるように形成されている。このため、スイッチング動作中に、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差が、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103との間に生じると、第1のp型窒化物半導体層111から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔が窒化物半導体層内に注入される。そのため、カソード高電界により窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に大量にトラップされた電子を解放させることが可能となる。
なお、本実施の形態に係る半導体装置2において、フィンガー構造を含め、他の構成については、実施の形態1に係る半導体装置1と同様である。
(実施の形態3)
図8Aの(a)は、実施の形態3に係る半導体装置3の平面透視図であり、図8Aの(b)は、(a)のC−C’で切断した場合の実施の形態3に係る半導体装置3の断面図である。また、図8Bの(a)は、実施の形態3に係る半導体装置3の平面透視図であり、図8Bの(b)は、(a)のD−D’で切断した場合の実施の形態3に係る半導体装置3の断面図である。図8A及び図8Bに示された本実施の形態に係る半導体装置3は、双方向トランジスタ(双方向電界効果トランジスタ、または、双方向FET)を構成している。
図8A及び図8Bに示された半導体装置3は、シリコン基板101と、バッファ層102と、第1の窒化物半導体層103と、第2の窒化物半導体層104と、ソース電極144及び145と、ゲート電極107及び121と、ソース電極配線126及び127と、層間膜110と、第1のp型窒化物半導体層111と、第2のp型窒化物半導体層122とを備える。
シリコン基板101、バッファ層102、第1の窒化物半導体層103、及び第2の窒化物半導体層104は、実施の形態1と同様の構成である。
ソース電極144は、第1の電極であり、ソース電極145は、第2の電極であり、ソース電極144とソース電極145とは、互いに間隔をおいて、第2の窒化物半導体層104上に形成されている。
ゲート電極107は、ソース電極144とソース電極145との間であって、ソース電極145よりもソース電極144に近い位置において、第2の窒化物半導体層104上に形成されている。この配置により、ゲート電極107は、ソース電極144とソース電極145との間に流れる電流を制御する。
ゲート電極121は、ソース電極144とソース電極145との間であって、ソース電極144よりもソース電極145に近い位置において、第2の窒化物半導体層104上に形成されている。この配置により、ゲート電極121は、ソース電極144とソース電極145との間に流れる電流を制御する。
さらに、第1の窒化物半導体層103内には、第1のp型窒化物半導体層111が形成され、第1のp型窒化物半導体層111は、ソース電極145と電気的に実質的に同電位となるよう接続される。同様に、第1の窒化物半導体層103内には、第2のp型窒化物半導体層122が形成され、第2のp型窒化物半導体層122は、ソース電極144と電気的に実質的に同電位となるよう接続される。
第2の窒化物半導体層104上には、ソース電極144及び145、ならびに、ゲート電極107及び121を覆うように層間膜110が形成される。層間膜110を一部開口して、ソース電極配線126及び127が、それぞれ、ソース電極144及び145と接続されて形成されている。
以下、半導体装置3の構成について、さらに詳細に説明する。
第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104は、例えば、有機気相エピタキシャル成長法MOVPEにより形成され、半導体層の主面の面方位は(0001)面である。バッファ層102は、シリコン基板101の上に、AlN層とAlGaN層とからなる多層構造により構成される。バッファ層102の総膜厚は、例えば、約2.1μmである。第1の窒化物半導体層103は、電子が走行するチャネル層であり、アンドープのGaNよりなり、層厚は、例えば、1.6μmである。第2の窒化物半導体層104は、電子供給層であり、アンドープのAl.0.17Ga0.83Nよりなり、層厚は、例えば、60nmである。第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面には2DEG層が形成されている(図示なし)。
ソース電極144及び145は、ともに、第2の窒化物半導体層104側より、層厚が20nmのチタン層、及び、層厚が200nmのアルミニウム層が形成された構成(いわゆるTi/Alの構成)を有する。なお、ソース電極144及びソース電極145は、ともに、第2の窒化物半導体層104に対しオーミック接触をする。なお、ソース電極144及び145は、Ti/Alでなくとも、例えば、Ti、Al、Mo、Hf等の金属を1つまたは2つ以上組み合わせた積層体として第2の窒化物半導体層104とオーミック接触していればよい。
ゲート電極107及び121は、第2の窒化物半導体層104側より、層厚が100nmのニッケル層、及び、層厚が200nmの金層が形成された構成(いわゆるNi/Auの構成)を有する。ゲート電極107及び121は、ともに、第2の窒化物半導体層104に対しショットキー接触をする。なお、ゲート電極107及び121は、Ni/Auでなくとも、例えば、Ti、Al、Ni、Pt、Pd、Au、Mo、Hf等の金属を1つまたは2つ以上組み合わせた材料を用いて、第2の窒化物半導体層104とショットキー接触していればよい。
第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122は、具体的には、層厚が200nm、不純物濃度が1×1020cm−3のMgドープp型GaNよりなる。このとき、第1のp型窒化物半導体層111と第1の窒化物半導体層103との接合面には、第1のp型窒化物半導体層111から第1の窒化物半導体層103に向かって順方向となるような整流作用を示すエネルギー障壁が形成される。同様に、第2のp型窒化物半導体層122と第1の窒化物半導体層103との接合面には、第2のp型窒化物半導体層122から第1の窒化物半導体層103に向かって順方向となるような整流作用を示すエネルギー障壁が形成される。
なお、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122は、GaNに限られず、AlGa1−xN(0<x≦1)でもよく、InAlGa1−y−zN(0≦y≦1、0≦z≦1)でもよい。また、Mgの不純物濃度は、1×1018cm−3〜1×1021cm−3程度でよい。第1のp型の窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122の幅は、それぞれ、ソース電極145とゲート電極107との間隔、及び、ソース電極144とゲート電極121との間隔にもよるが、1μm〜3μm程度でよい。
さらに詳しくは、第1のp型窒化物半導体層111は、ソース電極145の下方及びソース電極145とゲート電極107との間に形成されており、ゲート電極107から平面視的に少なくとも2μm離間して形成されている(距離128>2μm)。このような構成とすることで、ゲート電極107をソース電極144と短絡(ショート)させたときに、ソース電極145に、例えば、400V以上の高電圧を印加することが可能となる。なお、距離128が2μm確保できていれば、第1のp型窒化物半導体層111は、ソース電極145の下方には形成されていなくても構わない。また、逆に、ソース電極145の下方のみに形成されていて、ゲート電極107とソース電極145との間に形成されていなくても構わない。
また、第2のp型窒化物半導体層122は、ソース電極144の下方及びソース電極144とゲート電極121との間に形成されており、ゲート電極121から平面視的に少なくとも2μm離間して形成されている(距離129>2μm)。このような構成とすることで、ゲート電極121をソース電極145と短絡(ショート)させたときに、ソース電極144に、例えば、400V以上の高電圧を印加することが可能となる。なお、距離129が2μm確保できていれば、第2のp型窒化物半導体層122は、ソース電極144の下方には形成されていなくても構わない。また、逆に、ソース電極144の下方のみに形成されていて、ゲート電極121とソース電極144との間に形成されていなくても構わない。
また、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122は、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面から0.1μm以上離れた第1の窒化物半導体層103内に、それぞれ形成されている(距離130及び131≧0.1μm)。このように、距離130及び131を0.1μm以上確保することで、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁が、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との接合界面に形成されるチャネルに及ぼす影響を小さくできる。このため、オン抵抗の増加を抑制することができる。
以下、第1のp型窒化物半導体層111とソース電極145との接続、及び、第2のp型窒化物半導体層122とソース電極144との接続態様について、詳細に説明する。図8Bの(c)に示すように、第1のp型窒化物半導体層111の上方の第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104が、リセス114(第4の開口部)により開口される。また、第2のp型窒化物半導体層122の上方の第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104が、リセス119(第2の開口部)により開口される。リセス114及び119内には、それぞれ、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122と接するように、コンタクトメタル115(第2のコンタクトメタル)及び120(第1のコンタクトメタル)が形成されている。コンタクトメタル115には、層間膜110を一部開口して形成されたコンタクトホール123を介して、ソース電極配線127が接続されている。また、コンタクトメタル120には、層間膜110を一部開口して形成されたコンタクトホール124を介して、ソース電極配線126が接続されている。コンタクトメタル115及び120は、それぞれ、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122とオーミック接合していることが望ましく、例えば、厚さ20nmのパラジウムに、厚さ200nmの金が積層された構成を有する。
なお、図8A及び図8Bでは、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122の端部において、第1の窒化物半導体層103及び第2の窒化物半導体層104に段差が形成されていない例を示したが、もちろん段差が形成されていても構わない。
次に、図8A及び図8Bに示す本実施の形態の半導体装置3の双方向電界効果トランジスタとしての動作について説明する。
本実施の形態に係る半導体装置3において、まず、ソース電極145とソース電極144との間に、正バイアスを印加し、ゲート電極107にソース電極144に対して正の電圧を、ゲート電極121にソース電極145に対して正の電圧を、それぞれ印加する。これにより、ソース電極145から、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面近傍に形成される2DEG層からなるチャネルを通って、ソース電極144へと電流を流すことができる。同様に、ソース電極144とソース電極145との間に、正バイアスを印加し、ゲート電極107にソース電極144に対して正の電圧を、ゲート電極121にソース電極145に対して正の電圧を、それぞれ印加する。これにより、ソース電極144から、第1の窒化物半導体層103と第2の窒化物半導体層104との界面近傍に形成される2DEG層からなるチャネルを通って、ソース電極145へと電流を流すことができる。
一方、ゲート電極107の電圧をFETのゲートしきい値電圧以下にする。例えば、ゲート電極107をソース電極144と短絡(ショート)させる。また、ゲート電極121をソース電極145と短絡(ショート)させる。そうすると、電流は流れなくなる。
このように、ゲート電極107及び121の印加電圧を変化させることで、FETに流れる電流を「双方向に流す(オンする)、及び、流さない(オフする)」、というスイッチング動作を行う。
このように、本実施の形態に係る半導体装置3の構成であれば、ソース電極145がソース電極144に対してより高電圧が印加されるような使い方だけでなく、ソース電極144に、ソース電極145よりも高電圧が印加されるような、いわゆる双方向スイッチとして作用することができる。
さらには、ソース電極144と電気的に実質的に同電位の第2のp型窒化物半導体層122が、第1の窒化物半導体層103内に形成される。これにより、ソース電極144に、ソース電極145よりも高電圧が印加されるような使われ方によって、窒化物半導体中及び窒化物半導体表面の準位に電子が大量にトラップされた場合でも、第2のp型窒化物半導体層122と第1の窒化物半導体層103とで形成されるエネルギー障壁の大きさ以上の電位差、例えば、3V以上の電位差を、第2のp型窒化物半導体層122と第1の窒化物半導体層103との間に生じさせることで、第2のp型窒化物半導体層122から、鉛直方向上下及び水平方向と3次元的に正孔を注入することで、電流コラプスを抑制することができる。
(実施の形態3の変形例)
図9は、実施の形態3の変形例に係る半導体装置3Aの断面図である。本変形例に係る半導体装置3Aは、実施の形態3に係る半導体装置3と比較して、ソース電極143がリセス134(第3の開口部)を介して第1のp型窒化物半導体層111にも接続されるように形成されている点、及び、ソース電極142がリセス135(第1の開口部)を介して第2のp型窒化物半導体層122にも接続されるように形成されている点、が構成として異なる。すなわち、第2の窒化物半導体層104に開口を設けてリセス134及び135を形成し、リセス134及び135は、深さ方向に第1の窒化物半導体層103と、さらに第1のp型窒化物半導体層111または第2のp型窒化物半導体層122にまで達している。この構造により、ソース電極143が、リセス134内において、第1の窒化物半導体層103と第1のp型窒化物半導体層111との両方に接するように形成されている。また、ソース電極142が、リセス135内において、第1の窒化物半導体層103と第2のp型窒化物半導体層122との両方に接するように形成されている。
上記構成により、ソース電極143及び142で、それぞれ、第1のp型窒化物半導体層111及び第2のp型窒化物半導体層122へのコンタクトも兼ねられるため、製造プロセスを簡単にでき、安価に製造が可能となる。
なお、上記構成により、図8B(c)で説明した第1のp型窒化物半導体層111へのコンタクトメタル115、第2のp型窒化物半導体層122へのコンタクトメタル120、リセス114および119、ならびに、コンタクトホール123及び124は不要となるが、別に配置されていても構わない。また、フィンガー構造を含め、他の構成については、実施の形態3に係る半導体装置3と同様である。
(その他の実施の形態)
以上、本開示の半導体装置について、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明してきたが、本開示の半導体装置は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。上記実施の形態及びその変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態及びその変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示の半導体装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
本発明に係る半導体装置は、窒化物半導体を用いた、電流コラプスが抑制された電界効果デバイスであり、インバータ又は電源回路等に用いられるパワーデバイスとして有用である。
1、1A、1B、1C、2、3、3A 半導体装置
101、201 シリコン基板
102、202 バッファ層
103、203 第1の窒化物半導体層
104、204 第2の窒化物半導体層
105、142、144 ソース電極(第1の電極)
106 ドレイン電極(またはカソード電極:第2の電極)
107 ゲート電極(第3の電極)
108、126、127、208 ソース電極配線
109、209 ドレイン電極配線
110 層間膜
111 第1のp型窒化物半導体層
112、113、125、128、129、130、131、132、133 距離
114 リセス(第4の開口部)
115 コンタクトメタル(第2のコンタクトメタル)
116 ドレイン電極(第2の電極)
117 アノード電極(第1の電極)
118、134 リセス(第3の開口部)
119 リセス(第2の開口部)
120 コンタクトメタル(第1のコンタクトメタル)
121 ホール注入電極(またはゲート電極:第4の電極)
122 第2のp型窒化物半導体層
123、124 コンタクトホール
135 リセス(第1の開口部)
136、140、141、212 正孔
137 電子
138 ショットキー電極
143、145 ソース電極(第2の電極)
205 ソース電極
206 ドレイン電極
207 ゲート電極
210 保護膜
211 正孔注入部

Claims (20)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層の上に形成され、かつ、前記第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2の窒化物半導体層と、
    前記第2の窒化物半導体層と接するように設けられた第1の電極と、
    前記第1の電極と離間し、前記第2の窒化物半導体層と接するように設けられた、前記第1の電極より高電圧が印加される第2の電極と、
    前記第1の窒化物半導体層の内部に埋め込まれるように形成された第1のp型不純物層とを備え、
    前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極と実質的に同電位となるよう接続されている
    半導体装置。
  2. 前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極の下方、及び、前記第1の電極と前記第2の電極との間の少なくとも一方に形成されている
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第1の電極から少なくとも2μm離間して形成されている
    請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. さらに、
    前記第2の窒化物半導体層の上であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記第2の電極よりも前記第1の電極に近い位置に配置された、前記第1の電極と前記第2の電極の間に流れる電流を制御するための第3の電極を備える
    請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記第1のp型不純物層は、前記第2の電極の下方、及び、前記第2の電極と前記第3の電極との間、の少なくとも一方に形成されている
    請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第3の電極から少なくとも2μm離間して形成されている
    請求項5に記載の半導体装置。
  7. さらに、
    前記第2の窒化物半導体層の上であって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記第1の電極よりも前記第2の電極に近い位置に配置された第4の電極を備える
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記第2の電極と前記第4の電極とが、実質的に同電位となるよう接続されている
    請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記第4の電極は、前記第2の窒化物半導体層上に形成されたp型の窒化物半導体層を有する
    請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記第4の電極は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に流れる電流を制御するための電極であり、
    前記半導体装置は、
    前記第2の電極に前記第1の電極よりも高電圧が印加される場合と、前記第3の電極及び前記第4の電極の電位により、前記第1の電極に前記第2の電極よりも高電圧が印加される場合とを有する双方向の半導体装置であり、
    前記第1の窒化物半導体層には、前記第1のp型不純物層と離間して第2のp型不純物層が形成され、
    前記第2のp型不純物層は、前記第1の電極と実質的に同電位となるよう接続されている
    請求項7に記載の半導体装置。
  11. 前記第2のp型不純物層は、前記第1の電極の下方、及び、前記第1の電極と前記第4の電極との間、の少なくとも一方に形成されている
    請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記第2のp型不純物層は、前記基板を平面視した場合、前記第4の電極から少なくとも2μm離間して形成されている
    請求項10または11に記載の半導体装置。
  13. 前記第2のp型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との接合界面から0.1μm以上離れた前記第1の窒化物半導体層の内部に形成されている
    請求項10〜12のいずれか1項に記載の半導体装置。
  14. 前記第2の窒化物半導体層には第1の開口部が設けられており、
    前記第1の開口部は、深さ方向に前記第1の窒化物半導体層及び前記第2のp型不純物層に達しており、
    前記第1の電極は、前記第1の開口部内に、前記第1の窒化物半導体層及び前記第2のp型不純物層の両方に接するように形成されている
    請求項10〜13のいずれか1項に記載の半導体装置。
  15. 前記第2のp型不純物層の上方の前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層には第2の開口部が設けられており、
    前記第2の開口部には、前記第2のp型不純物層と接するように第1のコンタクトメタルが形成されており、
    前記第1のコンタクトメタルは、前記第1の電極と接続されている
    請求項10〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
  16. 前記第1のコンタクトメタルは、前記第2のp型不純物層とオーミック接合している
    請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記第1のp型不純物層は、前記第1の窒化物半導体層と前記第2の窒化物半導体層との接合界面から0.1μm以上離れた前記第1の窒化物半導体層の内部に形成されている
    請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体装置。
  18. 前記第2の窒化物半導体層には第3の開口部が設けられており、
    前記第3の開口部は、深さ方向に前記第1の窒化物半導体層及び前記第1のp型不純物層に達しており、
    前記第2の電極は、前記第3の開口部内に、前記第1の窒化物半導体層及び前記第1のp型不純物層の両方に接するように形成されている
    請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体装置。
  19. 前記第1のp型不純物層の上方の前記第1の窒化物半導体層及び前記第2の窒化物半導体層には第4の開口部が設けられており、
    前記第4の開口部には、前記第1のp型不純物層と接するように第2のコンタクトメタルが形成されており、
    前記第2のコンタクトメタルは、前記第2の電極と接続されている
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の半導体装置。
  20. 前記第2のコンタクトメタルは、前記第1のp型不純物層とオーミック接合している
    請求項19に記載の半導体装置。
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