JP2015056413A - 窒化物半導体装置 - Google Patents

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Takahiro Ohori
貴大 大堀
文智 井腰
Fumitomo Igoshi
文智 井腰
優人 山際
Yuto Yamagiwa
優人 山際
正行 黒田
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正行 黒田
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Abstract

【課題】Ciss及びCrssを低減した窒化物半導体装置を提供する。
【解決手段】基板102と、基板102上の第1の窒化物半導体層106と、第1の窒化物半導体層106の上に形成され、第1の窒化物半導体層106と比べてバンドギャップエネルギーが大きい第2の窒化物半導体層108を有する半導体積層体と、半導体積層体上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極110及びドレイン電極112と、ソース電極110とドレイン電極112との間に、間隔をおいて形成されたゲート部114と、で構成されたトランジスタにおいて、ゲート部114は第2の窒化物半導体層108上のp型半導体層116と、p型半導体層116上のゲート電極118と、p型半導体層116に隣接する第1のn型半導体層120と、を備え、第1のn型半導体層120は、ゲート電極118、ソース電極110及びドレイン電極112の何れの電極からも離隔して形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワースイッチング素子に用いることのできる窒化物半導体装置に関するものである。
窒化ガリウム(GaN)に代表される窒化物半導体はワイドギャップ半導体であり、例えばGaN及び窒化アルミニウム(AlN)の場合、室温におけるバンドギャップエネルギーはそれぞれ3.4eV及び6.2eVという大きい値を示す。窒化物半導体は、絶縁破壊電圧が大きく、電子の飽和ドリフト速度が砒化ガリウム(GaAs)等の化合物半導体又はシリコン(Si)半導体等に比べて大きいという特徴を有している。そのため近年、高周波大電力デバイスとしてGaN系の窒化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)の研究が活発に行われている。GaNは窒化アルミニウム(AlN)及び窒化インジウム(InN)と様々な混晶を作ることができる。このため、従来のガリウム砒素(GaAs)等の砒素系半導体と同様にヘテロ接合を作ることができる。
特に、窒化物半導体のヘテロ接合は、自発分極又はピエゾ分極によって、ドーピングなしの状態においても高濃度のキャリアが接合界面に発生する2次元電子ガス(2DEG:2 Dimensional Electron Gas)という特徴がある。この結果、窒化物半導体を用いてFETを形成した場合には、ノーマリーオン型になりやすく、ノーマリーオフ型の特性を得ることが難しい。しかし、現在パワーエレクトロニクス市場で使用されているデバイスは、ノーマリーオフ型が主流になりつつあり、GaN系の窒化物半導体を用いたFETにおいてもノーマリーオフ型が強く求められている。
ノーマリーオフ型のトランジスタを実現する方法として、次に示す構造が報告されている。
第1に例えば、AlGaN層におけるゲート部を掘り込む、所謂、リセス構造とすることによって閾値電圧をプラスにシフトさせる方法である。これにより、ノーマリーオフ型のFETの実現を図る。
第2に例えば、ゲート部にp型GaN層を設け、ノーマリーオフ型の接合型電界効果トランジスタ(JFET:Junction Field Effect Transistor)を実現する方法である。JFET構造では、アンドープのGaNからなるチャネル領域とAlGaNからなるバリア層とのヘテロ界面に発生するピエゾ分極が、AlGaNからなるバリア層とp型GaN層とのヘテロ界面に発生するピエゾ分極によって打ち消される。これにより、p型GaN層が形成されたゲート部直下において2DEG濃度を小さくすることができるので、ノーマリーオフ特性を実現できる。
以上より、これらがノーマリーオフ型のFETを実現する有望な構造と考えられている。
特開2009−141244号公報 特開2012−191088号公報
しかしながら、前記従来のノーマリーオフ型JFETでは、所謂、入力容量(Cissと表される)と逆伝達容量(ミラー容量、帰還容量、Crss、Cgdとも表される)が大きいという問題がある。このCissとCrssの主成分はp型GaN層とチャネル領域が形成する容量であることが分かった。Cissの増大は、遅延時間や立下り・立上り時間に直結し、スイッチング時間が増大するという問題が発生する。Crssの増大は、高いドレイン電圧が印加されるパワートランジスタにおいては高周波動作を阻害し、誤点呼による破壊などの問題が発生する。
なお、窒化物半導体を用いたノーマリーオフ型のFETにおいて、電流コラプスを抑制することを目的に、次に示すFETが提案されている(例えば特許文献1参照)。以下に、図面を参照しながら説明する。図6は、特許文献1の断面構成を示している。このFETでは、第1の窒化物半導体層506、第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップエネルギーが大きい第2の窒化物半導体層508、開口部を有するn型の窒化物半導体層520が順次形成されている。ゲート部514は開口部を埋めるようにp型の窒化物半導体層516とp型の窒化物半導体層516上に作製されたゲート電極518により形成される。第1の窒化物半導体層506と第2の窒化物半導体層508との間に形成される2DEG由来のチャネル領域608を、表面から遠ざけることにより、表面準位に起因した電流コラプスを抑制できる。
しかしながら、特許文献1の方法では、開口部を有するn型の窒化物半導体層520がソース電極510及びドレイン電極512と接触されているために、従来のJFETと同様に、CissとCrssが大きく、高周波動作が困難であるという問題がある。
また特許文献2に開示された技術について紹介する。以下に、図面を参照しながら説明する。図7は、特許文献2のゲート部714を示す拡大図を示している。トランジスタに所望の温度特性を与えることを目的とし、ゲート部714をp型半導体層716とn型半導体層720で構成している。しかし、ゲート部714のp型半導体層716とn型半導体層720は、ゲート電極718に接触しているため、ゲート部714がチャネル領域と形成するCiss及びCrssを低減させることは困難である。
本発明は従来の問題を解決し、Ciss及びCrss低減による高周波動作可能な窒化物半導体装置の実現を目的とする。
前記の目的を達成する為、本発明はp型半導体層に隣接し、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の何れの電極からも離隔して形成されたn型半導体層を備えた構成とする。
具体的に、本発明に係る窒化物半導体装置は、基板と、基板の上に形成された第1の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層の上に形成され、第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップエネルギーが大きい第2の窒化物半導体層を有する半導体積層体と、半導体積層体の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極及びドレイン電極との間に、ソース電極及びドレイン電極と間隔をおいて形成されたゲート部と、で構成されたトランジスタにおいて、ゲート部は第2の窒化物半導体層上に形成されたp型半導体層と、p型半導体層の上に形成されたゲート電極と、p型半導体層に隣接するように形成された第1のn型半導体層とを備え、第1のn型半導体層は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の何れの電極からも離隔して形成されていることを特徴とする。
本発明に係る窒化物半導体装置によると、p型半導体層と第1のn型半導体層との間に空乏層が形成される。つまり、p型半導体層と第1のn型半導体層の隣接界面に関して、p型半導体層中の空乏化した領域が存在する。同様にp型半導体層と第1のn型半導体層の隣接界面に関して、第1のn型半導体層中の空乏化した領域が存在する。p型半導体層中において空乏層が形成されると、p型半導体層中の空乏化した領域はチャネル領域と容量を形成しない。そのため、p型半導体層とチャネル領域が形成する容量を低減させる事ができる。加えてp型半導体層と第1のn型半導体層の間に空乏層容量が形成されることから、第1のn型半導体層とチャネル領域が形成する容量は、p型半導体層と第1のn型半導体層との間の空乏層容量に対して、直列に接続される。以上より、ゲート電極とチャネル領域間の容量が少なくなり、Ciss及びCrssを低減できる。
また、p型半導体層においてp型半導体層中の空乏化した領域分だけ、実効的なゲート長が縮小する。このため、最大ドレイン電流を向上させることが可能となる。
本発明に係る窒化物半導体層において、p型半導体層は第2のn型半導体層を介してゲート電極と電気的に接続していることが好ましい。
このようにすると、p型半導体層と上面の第2のn型半導体層との間に形成された空乏層容量が、p型半導体層とチャネル領域の間に形成される容量に対して、直列に接続される。そのため、第1のn型半導体層を隣接させることにより低減させていたゲート電極とチャネル領域間の容量を、さらに低減させることが可能となる。加えてp型半導体層と上面の第2のn型半導体層との間の空乏層容量は、p型半導体層と第1のn型半導体層との間の空乏層容量と、n型半導体層とチャネル領域が形成する容量との直列容量に対して、さらに直列に接続させることが出来る。以上より、Ciss及びCrssをさらに低減させることが可能となる。
本発明に係る窒化物半導体層において、第2のn型半導体層は真性半導体層を介してp型半導体層と電気的に接続していてもよい。
このような構成にしてもp型半導体層と真性半導体層との接続界面、及び第2のn型半導体層と真性半導体層との接続界面のそれぞれにおいて空乏層が形成される。以上より、先ほどと同様に、Ciss及びCrssを低減させることが可能となる。
本発明に係る窒化物半導体層において、第1のn型半導体層は中間層を介して第2の窒化物半導体層上に形成していることが好ましい。
このようにすると、第2の窒化物半導体層を介して、チャネル領域から第1のn型半導体層へ流れるリーク電流を低減させることができる。
本発明に係る窒化物半導体層において、第2の窒化物半導体層はゲートリセスを有し、p型半導体層は、ゲートリセスを埋めるように形成されていてもよい。
ゲートリセス構造では、p型半導体層中のゲート部を掘り込んでいない部分が第2の窒化物半導体層を介して、チャネル領域と形成する容量が大きいという問題が存在する。しかし本発明を用いることで、ゲートリセス構造の問題点である、大きなCiss及びCrssを低減できる。加えて最大電流を向上させることが可能である。
本発明に係る窒化物半導体装置によると、ゲート部はp型半導体層に隣接し、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の何れの電極からも離隔して形成された第1のn型半導体層を備えている。これにより、Ciss及びCrssが低減し、高周波動作可能な窒化物半導体装置を実現できる。
は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置である。 は本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置のゲート部である。 は本発明の第2の実施形態に係る窒化物半導体装置である。 は本発明の第3の実施形態に係る窒化物半導体装置である。 は本発明の第4の実施形態に係る窒化物半導体装置である。 は特許文献1に係る窒化物半導体トランジスタである。 は特許文献2に係る半導体装置のゲート部である。
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置の構成を示す断面図である。シリコンからなる基板102上にバッファ層104と、厚さが1〜2μmのアンドープのGaNからなる第1の窒化物半導体層106と、厚さが50nmのアンドープのAlGaNからなる第2の窒化物半導体層108とが形成されている。ここで、「アンドープ」とは、不純物が意図的に導入されていないことを意味し、意図せず炭素等の不純物が導入されていてもよい。その際、炭素不純物濃度は1×1014cm−3以下であることが望ましい。第1の窒化物半導体層106上に第2の窒化物半導体層108が堆積されると、自発分極又はピエゾ分極によって、接合界面に2DEGが発生し、チャネル領域208が形成される。
第1の窒化物半導体層106の材料として、AlGa1−xN(但し、xは、0≦x≦1である)を用い、第2の窒化物半導体層108の材料として、AlGa1−yN(但し、yは、0<y≦1である,y>xである)を用いる。本実施形態では、第1の窒化物半導体層106の材料として、例えばGaN(即ち、x=0である)を用い、第2の窒化物半導体層108の材料として、例えばAl0.2Ga0.8N(即ち、y=0.2)を用いる。
第2の窒化物半導体層108には互いに間隔をおいて形成されたソース電極110及びドレイン電極112がそれぞれ形成されている。ソース電極110及びドレイン電極112との間に、ソース電極110及びドレイン電極112と間隔をおいてゲート部114を有し、トランジスタを構成する。
ソース電極110及びドレイン電極112は、例えばTi、Al、Mo、Hf等の金属を1つもしくは2つ以上組み合わせた積層体とすればよい。
ゲート部114は第2の窒化物半導体層108上に形成されたp型半導体層116と、p型半導体層116上に形成されたゲート電極118と、p型半導体層116に隣接し、ゲート電極118、ソース電極110及びドレイン電極112の何れの電極からも離隔して形成された第1のn型半導体層120を備えている。
p型半導体層116は、例えばマグネシウム(Mg)がドープされたp型のInAlGa1−(i+j)N(但し、iは、0≦i≦1、jは、0≦j≦1である)からなり、好ましくはp型のGaN(即ち、i=j=0)からなる。厚さは10nm以上400nm以下で、好ましくは200nmである。p型半導体層116のキャリア濃度は1×1016cm−3以上が望ましい。これにより、ゲート電極118に印加する電圧が0Vの場合においても、第2の窒化物半導体層108及び第1の窒化物半導体層106中にp型半導体層116から基板102側で且つドレイン電極112側に向かって空乏層が広がる。従って、チャネル領域208を流れる電流が遮断されるため、ノーマリーオフ動作が可能となる。
第1のn型半導体層120は、例えばシラン(SiH)がドープされたn型のInAlGa1−(k+l)N(但し、kは、0≦k≦1、lは、0≦l≦1である)からなり、好ましくはn型のGaN(即ち、k=l=0)からなる。厚さは10nm以上400nm以下で、好ましくは200nmである。第1のn型半導体層120のキャリア濃度は、p型半導体層116のキャリア濃度以上であることが好ましく、具体的には例えば、1×1016cm−3以上であることが好ましい。第1のn型半導体層120は、p型半導体層116をドライエッチ処理する工程の後、選択的に結晶成長を再度行うことによって形成してもよい。また、アンドープのGaNを形成したあと、Siイオン注入し活性化アニール処理を施すことによって形成されてもよい。
ゲート電極118は例えばTi、Al、Ni、Pt、Pd、Au、Mo、Hf等の金属を1つもしくは2つ以上組み合わせた積層体とすればよい。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体装置のゲート部114を示す拡大図である。本実施形態では第1のn型半導体層120をp型半導体層116に隣接させることにより、p型半導体層116と第1のn型半導体層120との隣接界面に空乏層が生成される。つまり、p型半導体層116と第1のn型半導体層120の隣接界面に関して、p型半導体層116中の空乏化した領域216が形成される。同様にp型半導体層116と第1のn型半導体層120の接合面に関して、第1のn型半導体層120中の空乏化した領域220が形成される。p型半導体層116中の空乏化した領域216はチャネル領域208と容量を形成しない。そのため、p型半導体層116とチャネル領域208が形成する容量を低減させる事が可能である。加えてp型半導体層116と第1のn型半導体層120間には空乏層容量が形成されることから、第1のn型半導体層120とチャネル領域208が形成する容量は、p型半導体層116と第1のn型半導体層120が形成する空乏層容量に対して、直列に接続される。以上より、ゲート電極118とチャネル領域208間の容量が少なくなり、Ciss及びCrssを低減できる。
第1のn型半導体層120は好ましくは、完全に空乏化していることが望ましい。一般的にp型半導体層とn型半導体層が接合した際に形成される空乏層幅は以下で表される。
Figure 2015056413
ここで拡散電位Vbi
Figure 2015056413
と表される。
例えばp型半導体層116のキャリア濃度を2×1017cm−3、第1のn型半導体層120のキャリア濃度を2×1017cm−3と仮定した際に、p型半導体層116中の空乏化した領域216の幅は約90nm、第1のn型半導体層120中の空乏化した領域220の幅は約90nmとなる。そのため、挿入する第1のn型半導体層120の隣接界面から幅90nm以下であることが好ましい。
また一般的に、本実施形態のゲート電極118とチャネル領域208がドレイン電極112側に形成する容量(CG2Dとする)は以下で表される。ただし、以下ではドレイン電極112側の容量に限定して述べるが、ソース電極110側についても同様である。
Figure 2015056413
と表される。
例えばp型半導体層116のキャリア濃度を2×1017cm−3、膜厚を200nm、第1のn型半導体層120のキャリア濃度を2×1017cm−3、膜厚を200nm、第2の窒化物半導体層108の膜厚を110nmと仮定する。その場合、CG2Dが第1のn型半導体層120を形成させない時のCG2Dよりも低減することが可能な第1のn型半導体層120のp型半導体層116との隣接界面からの距離は約500nmとなる。つまり、第1のn型半導体層120の幅はp型半導体層116との隣接界面が500nm以下であれば、Ciss及びCrssを低減させることが可能である。
加えて、p型半導体層116において、p型半導体層116中の空乏化した領域216分だけ、実効的なゲート長が縮小する。このため最大ドレイン電流を向上させることが可能となる。
従って、Ciss及びCrssが低減し、最大ドレイン電流を向上した窒化物半導体装置を実現できる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図3は、第2の実施形態に係る窒化物半導体装置の断面構成を示している。図3において図1と同一の構成要素には同一の符号を附すことにより説明を省略する。
図3に示すように、p型半導体層116は第2のn型半導体層122を介してゲート電極118と電気的に接続されている。
第2のn型半導体層122は、例えばシラン(SiH)がドープされたn型のInAlGa1−(m+n)N(但し、mは、0≦m≦1、nは、0≦n≦1である)からなり、好ましくはn型のGaN(即ち、m=n=0)からなる。厚さは10nm以上400nm以下で、好ましくは100nmである。第2のn型物半導体層122のキャリア濃度は、p型半導体層116のキャリア濃度以上であることが好ましく、具体的には例えば、1×1016cm−3以上であることが好ましい。第2のn型半導体層122は、第1のn型半導体層120の形成方法と同様に、p型半導体層116をドライエッチ処理する工程の後、選択的に結晶成長を再度行うことによって形成してもよい。また、アンドープのGaNを形成したあと、Siイオン注入し活性化アニール処理を施すことによって形成されてもよい。
本実施形態ではp型半導体層116が第2のn型半導体層122と電気的に接続されることにより、p型半導体層116と第2のn型半導体層122との接続界面に空乏層が生成される。空乏層が生成されると、p型半導体層116とチャネル領域208の結合する容量はp型半導体層116と第2のn型半導体層122との接続界面に生成される空乏層容量に対して、直列に接続される。そのため、第1のn型半導体層120を隣接させることにより低減させていたゲート電極118とチャネル領域208間の容量を、さらに低減させることが可能となる。
加えてp型半導体層116と上面の第2のn型半導体層122が形成する空乏層容量は、p型半導体層116と第1のn型半導体層120が形成する空乏層容量と、第1のn型半導体層120とチャネル領域208が形成する容量との直列容量に対して、直列に接続させることが可能となる。以上より、Ciss及びCrssをさらに低減させることが可能となる。
また一般的に、本実施形態のゲート電極118とチャネル領域208がドレイン電極112側に形成する容量(C'G2Dとする)は以下で表される。ただし、以下ではドレイン電極112側の容量に限定して述べるが、ソース電極110側についても同様である。
Figure 2015056413
と表される。
加えて、p型半導体層116と第2のn型半導体層122との間に空乏層が形成されることから、ゲート駆動時のゲート電流を低減させる事が可能となる。
また本実施形態では、図3に示すように、第1のn型半導体層120と第2のn型半導体層122が、直接接触していない例を挙げて説明したが、第1のn型半導体層120と第2のn型半導体層122は接触していてもよく、また同一であっても問題ない。しかし、第1のn型半導体層120とチャネル領域208が形成する容量は、そのままゲート電極118とチャネル領域208が形成する容量に加わるため、容量低減効果は小さくなる。その際のゲート電極118とチャネル領域208がドレイン電極112側に形成する容量(C''G2Dとする)は以下で表される。
Figure 2015056413
と表される。
上記の第1のn型半導体層120と第2のn型半導体層122が接触している場合を考える。例えば、p型半導体層116のキャリア濃度を2×1017cm−3、膜厚を200nm、第1のn型半導体層120のキャリア濃度を2×1017cm−3、膜厚を200nm、第2のn型半導体層122のキャリア濃度を2×1017cm−3、膜厚を100nm、第2の窒化物半導体層108の膜厚を110nmと仮定する。その場合、C''G2Dが第1のn型半導体層120、及び第2のn型半導体層122を形成させない時のC''G2Dよりも低減可能な第1のn型半導体層120のp型半導体層116との隣接界面からの距離は約360nmとなる。つまり、第1のn型半導体層120の幅はp型半導体層116との隣接界面から360nm以下であれば、Ciss及びCrssを低減させることが可能である。
なお、本実施形態では、図3に示すように、p型半導体層116と第2のn型半導体層122とが、互いに直接接触する場合を具体例に挙げて説明したが、本説明はこれに限定されるものではなく、例えばp型半導体層116と第2のn型半導体層122との間に、真性半導体(例えば、アンドープGaN層、アンドープAlGaN層、アンドープInGaN層又はアンドープInAlGaN層)が一層以上介在していてもよい。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図4は、第3の実施形態に係る窒化物半導体装置の断面構成を示している。図4において図1と同一の構成要素には同一の符号を附すことにより説明を省略する。
図4に示すように、第1のn型半導体層120は中間層124を介して第2の窒化物半導体層108上に形成されている。
通常、n−GaNとアンドープのAlGaN間は容易に電流が流れる。つまり第1のn型半導体層120と第2の窒化物半導体層108が直接接触すると、リーク電流が発生する。本実施形態では、第1のn型半導体層120が中間層124を介して第2の窒化物半導体層108上に形成されることで、リーク電流の発生を抑える。
なお、本実施形態の中間層124は、例えばp型半導体層、アンドープのGaNなどの真性半導体、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁体でも良い。
本実施形態の中間層124をp型半導体層とした場合、p型半導体層は、例えばマグネシウム(Mg)がドープされたp型のInoAlpGa1−(o+p)N(但し、oは、0≦o≦1、pは、0≦p≦1である)からなり、好ましくはp型のGaN(即ち、o=p=0)からなる。またp型半導体層である中間層124のキャリア濃度は1×1016cm−3以上が望ましい。好適条件としては、第1のn型半導体層120と第2の窒化物半導体層108との間を介在しているp型半導体層である中間層124は完全に空乏化していることが好ましい。そのような条件にすることで、新たに加えたp型半導体層である中間層124がチャネル領域208と形成する容量がCiss及びCrssに加わることを抑えることが可能となる。例えば、p型半導体層である中間層124のキャリア濃度を2×1017cm−3、第1のn型半導体層120のキャリア濃度を2×1017cm−3と仮定した際に、p型半導体層である中間層124と第1のn型半導体層120との接続界面に空乏層が生成され、接続界面からp型半導体層である中間層124側に約90nm、接続界面から第1のn型半導体層120側に約90nm生成される。このため、挿入するp型半導体層である中間層124は第2の窒化物半導体層108から厚さ90nm以下であることが好ましい。また、p型半導体層である中間層124はp型半導体層116と同一であっても問題ない。
本実施形態の中間層124をアンドープのGaNなどの真性半導体、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等の絶縁体とした際にも、堆積させる膜厚に関しては、次のことが言える。例えば、p型半導体層116のキャリア濃度を2×1017cm−3、第1のn型半導体層120のキャリア濃度を2×1017cm−3と仮定した際に、中間層124の膜厚は90nm以下であることが好ましい。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図5は、第4の実施形態に係る窒化物半導体装置の断面構成を示している。図5において図1と同一の構成要素には同一の符号を附すことにより説明を省略する。
本実施形態の特徴点は、次に示す点である。本実施形態では、図5に示すように第2の窒化物半導体層108のゲート部114に凹部214を設けている。所謂ゲートリセス構造としている。つまり、p型半導体層116と第2の窒化物半導体層108との界面に、凹部214と、ゲート部を掘り込んでいない部分に相当する非リセス部314が存在する。通常ゲートリセス構造では、p型半導体層中の非リセス部314がチャネル領域208と形成する容量が大きいという問題がある。しかし本発明ではp型半導体層116に、何れの電極からも離隔した第1のn型半導体層120を隣接させることで、ゲートリセス構造の問題点である、大きなCiss及びCrssを低減することができる。加えてゲートリセス構造の利点である2DEGの濃度を減少させて、トランジスタの閾値電圧を正の値にシフトさせることが可能となる。
さらに、本実施形態では、最大ドレイン電流向上という利点も包含される。凹部214を設けたゲート部114において、p型半導体層116に、何れの電極からも離隔した第1のn型半導体層120を隣接させることで、隣接界面に空乏層が形成される。隣接界面に空乏層が形成されると、駆動時にはゲート電極118から駆動電流が、凹部214に集中させることが可能になる。凹部214に駆動電流を集中すると、凹部214直下の2DEGの量を大きくする事が出来る。つまり最大ドレイン電流を向上させることが可能となる。
また、各実施形態において、p型半導体層116の代わりに、例えばp型ニッケル酸化物(NiO)層、p型銅アルミニウム酸化物(CuAl)層、p型ストロンチウム銅酸化物(SrCu)層、p型ランタン銅酸化物層、p型ランタン銅セレン酸化物(LaCuOSe)層又はp型ランタン銅硫化物(LaCuS)層等のp型半導体層を用いてもよい。加えて第1のn型半導体層120、及び第2のn型半導体層122の代わりに、例えばn型亜鉛酸化物(ZnO)層、n型ZnCdMgO等のn型半導体層を用いても良い。
また各実施形態において、シリコンからなる基板102の代わりに、例えば、サファイア基板、SiC基板又はGaN基板等を用いてもよい。
本発明に係る窒化物半導体装置によれば、インバータ又は電源回路等に利用するパワートランジスタとして有用である。
102 基板
104 バッファ層
106 第1の窒化物半導体層
108 第2の窒化物半導体層
110 ソース電極
112 ドレイン電極
114 ゲート部
116 p型半導体層
118 ゲート電極
120 第1のn型半導体層
122 第2のn型半導体層
124 中間層
208 チャネル領域
214 凹部
216 p型半導体層から変化した空乏層(領域)
220 第1のn型半導体層から変化した空乏層(領域)
314 非リセス部
506 アンドープGaN層(第1の窒化物半導体層)
508 アンドープAlGaN層(第2の窒化物半導体層)
510 ソース電極
512 ドレイン電極
514 ゲート部
516 p型GaN層(p型窒化物半導体層)
518 ゲート電極
520 開口部を有するn型GaN層(n型窒化物半導体層)
608 チャネル領域
714 ゲート部
716 p型半導体層
718 ゲート電極
720 n型半導体層

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の上に形成された第1の窒化物半導体層と、
    前記第1の窒化物半導体層の上に形成され、前記第1の窒化物半導体層と比べてバンドギャップエネルギーが大きい第2の窒化物半導体層を有する半導体積層体と、
    前記半導体積層体の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と間隔をおいて形成されたゲート部と、
    で構成されたトランジスタにおいて、
    前記ゲート部は前記第2の窒化物半導体層上に形成されたp型半導体層と、
    前記p型半導体層の上に形成されたゲート電極と、
    前記p型半導体層に隣接するように形成された第1のn型半導体層と、を備え、
    前記第1のn型半導体層は、前記ゲート電極、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の何れの電極からも離隔して形成していることを特徴とする窒化物半導体装置。
  2. 前記p型半導体層は第2のn型半導体層を介して前記ゲート電極と電気的に接続していることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記第2のn型半導体層は真性半導体層を介して前記p型半導体層と電気的に接続していることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記第1のn型半導体層は中間層を介して前記第2の窒化物半導体層上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記第2の窒化物半導体層はゲートリセスを有し、
    前記p型半導体層は、ゲートリセスを埋めるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
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