JP2015122544A - スイッチ装置 - Google Patents

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由明 本多
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Abstract

【課題】スイッチ素子のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるスイッチ装置を提供する。【解決手段】スイッチ素子10は、半導体基板104に直接接合されゲート部110とドレイン電極12との間に配置されたた注入用電極14を具備するホール注入部140を有している。駆動回路20の注入駆動部22は、スイッチ素子10の注入用電極14およびソース電極13に接続されており、注入用電極14−ソース電極13間に注入電圧Vinを印加する。注入駆動部22は、閾値を超える注入電圧Vinをスイッチ素子10に印加することによって、ホール注入部140から半導体基板104のヘテロ接合界面にホールを注入する。注入されたホールは、ヘテロ接合界面に同量の電子を引き寄せるので、チャネル領域として2次元電子ガスの濃度が高くなり、スイッチ素子10のオン抵抗は小さくなる。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子からなるスイッチ素子を備えたスイッチ装置に関する。
従来から、トライアックやサイリスタ、電界効果トランジスタ(FET:Field-Effect Transistor)などの無接点スイッチ素子からなるスイッチ素子を備え、スイッチ素子を開閉(非導通・導通)させるように構成されたスイッチ装置が提供されている。このスイッチ装置は、たとえば照明装置等の負荷と電源との間にスイッチ素子が挿入されることにより、電源から負荷に供給される電力のスイッチングを行う。
近年では、この種のスイッチ装置に用いられるスイッチ素子として、ガリウムナイトライド(GaN)等の窒化物系半導体や炭化珪素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子が注目されている。この種の半導体素子の一例として、AlGaN/GaNヘテロ界面に生じる2次元電子ガス層をチャネル層に利用した素子がある(たとえば特許文献1参照)。
特許文献1記載のスイッチ素子では、GaN層およびAlGaN層が積層され、AlGaN層の表面に、第1電極および第2電極と中間電位部とが形成されている。さらに中間電位部上にはゲート(制御電極)が形成されている。この構成により、スイッチ素子は、第1電極−第2電極間に電圧が印加された状態で、ゲートに印加されるゲート電圧(制御信号)によって、第1電極−第2電極間の経路に流れる電流が変化する。要するに、このスイッチ素子は、ゲート電圧が所定の閾値を下回るときには第1電極−第2電極間の電流経路が非導通になり、ゲート電圧が閾値を超えるときには第1電極−第2電極間の電流経路が導通するノーマリオフ型のスイッチ素子を構成する。
上記構成のスイッチ素子を用いたスイッチ装置は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor FET)やIGBT(Insulated-Gate-Bipolar-Transistor)等を用いる場合に比べ、導通状態での電流経路に存在する電気抵抗であるオン抵抗を小さく抑えることができる。
特開2010−176885号公報
しかし、特許文献1記載の構成でも、スイッチ素子に印加される電圧が比較的高い場合やスイッチ素子に流す電流が比較的大きい場合などには、スイッチ素子で生じる損失が問題となることがあり、スイッチ素子のオン抵抗をより一層小さく抑えることが望まれる。
本発明は上記事由に鑑みて為されており、スイッチ素子のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
本発明のスイッチ装置は、半導体基板と、前記半導体基板の一表面上に配置されたドレイン電極およびソース電極と、前記一表面上において前記ドレイン電極および前記ソース電極の間に配置されたゲート部とを有し、前記ゲート部に対して所定の閾値を超えるゲート電圧が印加されると、前記半導体基板にチャネル領域を形成することにより前記ドレイン電極と前記ソース電極との間を導通させるスイッチ素子と、前記スイッチ素子の前記ゲート部に前記ゲート電圧を印加して前記スイッチ素子のオンオフを切り替える駆動回路とを備え、前記半導体基板は、第1の半導体層と第2の半導体層とが積層されて成る半導体層積層体を具備し、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との接合部位にヘテロ接合界面を有しており、前記ヘテロ接合界面に発生する2次元電子ガス層が前記チャネル領域として用いられ、前記スイッチ素子は、前記半導体基板に直接接合され前記ゲート部と前記ドレイン電極との間に配置された注入用電極を具備するホール注入部を有し、前記駆動回路は、前記注入用電極と前記ソース電極との間に、前記ソース電極を負極とし前記注入用電極を正極とする注入電圧を印加することにより前記ホール注入部から前記ヘテロ接合界面にホールを注入する注入駆動部を有することを特徴とする。
このスイッチ装置において、前記注入駆動部は、前記スイッチ素子がオンしている期間中に、前記注入用電極に前記注入電圧を印加して前記ヘテロ接合界面にホールを注入することが望ましい。
このスイッチ装置において、前記駆動回路は、前記スイッチ素子の前記ドレイン電極と前記ソース電極との間にかかっている電圧を素子電圧として計測する電圧モニタ部を有し、前記注入駆動部は、前記電圧モニタ部の計測値に応じて前記注入電圧の大きさを調節することがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記注入駆動部は、前記スイッチ素子がオンする時点以前に設定されたリセット期間に、前記注入用電極に前記注入電圧を印加して前記ヘテロ接合界面にホールを注入することがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記スイッチ素子は前記ゲート部を一対備えており、前記注入駆動部は、一対の前記ゲート部のうち高電位側となる前記ゲート部を前記ホール注入部として兼用することがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記ホール注入部は複数設けられていることがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記ゲート部は一対設けられており、前記ホール注入部は、一対の前記ゲート部の間に配置されていることがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記ホール注入部は、p型の半導体層を有することがより望ましい。
このスイッチ装置において、前記注入駆動部は、入力端と出力端との間が電気的に絶縁された絶縁型の電源回路を具備しており、前記電源回路の入力端に与えられる注入信号に従って前記電源回路の出力端から前記注入用電極に前記注入電圧を印加することがより望ましい。
本発明は、注入駆動部が、注入用電極に注入電圧を印加することによりホール注入部からヘテロ接合界面にホールを注入するので、スイッチ素子のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるという利点がある。
実施形態1に係るスイッチ装置の概略構成を示す説明図である。 実施形態1に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の動作を示す説明図である。 実施形態1に係るスイッチ装置の動作を示す説明図である。 実施形態1に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。 実施形態1に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。 実施形態1に係るスイッチ装置の他の構成の説明図である。 電流コラプスのメカニズムの説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置の概略構成を示す説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の動作を示す説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。 実施形態3に係るスイッチ装置に用いるスイッチ素子の他の構成の説明図である。
(実施形態1)
本実施形態のスイッチ装置1は、図1に示すように、半導体素子からなるスイッチ素子10と、スイッチ素子10にゲート電圧を印加してスイッチ素子10の導通(オン)・遮断(オフ)を切り替える駆動回路20とを備えている。図1の例では、スイッチ装置1は、直流電源(図示せず)から負荷(電気機器等)31への供給電力のスイッチングに用いられており、スイッチ素子10が直流電源と負荷31との間に挿入される。
スイッチ素子10は、ゲート電極11と、第1電極、第2電極としてのドレイン電極12、ソース電極13とを有する電界効果トランジスタ(FET:Field-Effect Transistor)からなる。詳しい構成については後述するが、スイッチ素子10は、ガリウムナイトライド(GaN)等の窒化物系半導体や炭化珪素(SiC)などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いた素子からなる。ワイドバンドギャップとは、たとえばシリコン(Si)のバンドギャップ(1.1eV)の2倍以上のバンドギャップ(2.2eV以上)をいう。これにより、スイッチ素子10は、導通(オン)状態での電流経路に存在する電気抵抗であるオン抵抗が比較的低く且つ大電流にも対応可能であって高耐圧のパワーデバイスを実現することが可能になる。ここでいうワイドバンドギャップ半導体とは、たとえば周期律表第2周期の軽元素を構成要素とする半導体と定義されている。
スイッチ素子10は、負荷31と直流電源との直列回路にドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路が挿入されるように、負荷31および直流電源に対して接続されている。ここでは、直流電源の正極側にドレイン電極12が接続され、負極側にソース電極13が接続されている。
駆動回路20は、ゲート電極11−ソース電極13間にゲート電圧Vgsを印加することにより、ドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路の導通・遮断を切り替える。スイッチ素子10は、ゲート電圧Vgsが所定の閾値を下回る場合にドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路が遮断され、ゲート電圧Vgsが閾値を超える場合にドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路が導通するスイッチを構成する。そのため、閾値が0V以上であればスイッチ素子10はノーマリオフ型のスイッチを構成し、閾値が0V未満であればスイッチ素子10はノーマリオン型のスイッチを構成することになる。以下、スイッチ素子10がノーマリオフ型のスイッチを構成している場合について説明する。
ここで、駆動回路20は、スイッチ素子10にゲート電圧Vgsを印加するゲート駆動部21と、後述する注入用電極14に注入電圧を印加する注入駆動部22とを有している。ゲート駆動部21および注入駆動部22は、いずれも出力電圧の大きさが可変である直流電圧源からなる。ゲート駆動部21は、ゲート電極11およびソース電極13に接続されており、外部からのオンオフ信号を受け、オンオフ信号が「H」レベルの期間に、スイッチ素子10がオンするように、閾値を超えるゲート電圧Vgsをスイッチ素子10に印加する。なお、ゲート電圧Vgsは、ソース電極13を基準電位(負極)とし、ゲート電極11を正極とする直流電圧である。注入駆動部22については、後に詳しく説明する。
次に、本実施形態におけるスイッチ素子10の基本的な構成および動作について図2を参照して簡単に説明する。なお、図2では、ゲート駆動部21を電源およびスイッチの等価回路で表し、また、支持基板等の図示を適宜省略している。
スイッチ素子10は、シリコン(Si)からなる支持基板100(図1参照)の上に、バッファ層(図示せず)を介して形成された半導体層積層体103を有している。半導体層積層体103は、アンドープGaN層からなる第1の半導体層101と、アンドープAlGaN層からなる第2の半導体層102とが、支持基板100側から第1の半導体層101、第2の半導体層102の順に積層されて構成されている。半導体層積層体103は、支持基板100およびバッファ層と共に半導体基板104(図1参照)を構成する。ただし、半導体基板104(図1参照)は、電子を移動させるチャネル領域が形成される活性層を含んでいればよく、半導体層積層体103のみであってもよい。
さらに、スイッチ素子10は、第2の半導体層102上の一部に形成されたコントロール層111を有している。コントロール層111は、不純物がドープされたp型のAlGaNからなる。コントロール層111上には金属材料からなるゲート電極11が積層されており、ゲート電極11はコントロール層111にオーミック接合されている。ゲート電極11とコントロール層111とは、ゲート部110を構成する。
また、ドレイン電極12およびソース電極13は、互いに離間して第2の半導体層102上であってコントロール層111を挟む位置に形成されている。つまり、ゲート部110は第2の半導体層102上における、ドレイン電極12とソース電極13との間に形成されている。ここでは、ゲート部110は、ドレイン電極12とソース電極13との中間位置よりもソース電極13寄りの位置に配置されている。このようにゲート部110とドレイン電極12との間の距離がゲート部110−ソース電極13間の距離よりも大きく設定されているのは、スイッチ素子10のゲート部110−ドレイン電極12間で十分な耐圧を確保するためである。
ここにおいて、第2の半導体層102のバンドギャップは、第1の半導体層101のバンドギャップよりも大きく、第1の半導体層101と第2の半導体層102との界面にはヘテロ障壁が形成されている。第1の半導体層101と第2の半導体層102とのヘテロ接合界面近傍には、自発分極とピエゾ分極との影響によって、動作時にチャネル領域となる高濃度の2次元電子ガス(2DEG:2 Dimensional Electron Gas)層が形成される。つまり、第1の半導体層101には、不純物がドープされていないにもかかわらず、第2の半導体層102との界面に沿って電子が移動するチャネル領域が形成される。ドレイン電極12およびソース電極13は、いずれも2次元電子ガス層とオーミック接合され、ゲート電極11は、コントロール層111とオーミック接合されている。
上述した構成により、スイッチ素子10は、ドレイン電極12−ソース電極13間に電圧が印加された状態で、ゲート電圧Vgsが変化すると、以下に説明する原理でドレイン電極12−ソース電極13間に流れるドレイン電流が変化する。
すなわち、スイッチ素子10は、ゲート電圧Vgsが0Vであれば、図2(a)に示すようにゲート部110の直下のチャネル領域が空乏化しているため、ドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路が遮断され、ドレイン電流が流れない。チャネル領域の空乏化は、ゲート電極11と第2の半導体層102との間に形成されているp型のコントロール層111が、チャネル領域のポテンシャルを持ち上げることに起因して発生する。つまり、ゲート電圧Vgsが0Vではチャネル領域の2次元電子ガスがホール(正孔)により相殺され、ノーマリオフ特性が実現される。
一方、スイッチ素子10は、ゲート電圧Vgsが所定の閾値を超えるときには、図2(b)に示すようにドレイン電極12−ソース電極13間の電流経路が導通し、ドレイン電流が流れる。つまり、スイッチ素子10は、駆動回路20から閾値を超えるゲート電圧Vgsが印加されることにより、ゲート部110の直下のチャネル領域のポテンシャルが下がり、チャネル領域に電子41が発生して電流経路が導通する。
本実施形態においては、ゲート電圧Vgsの閾値は、コントロール層111とチャネル領域との間に形成されるpn接合の順方向オン電圧に設定されており、ゲート電圧Vgsが閾値を超えると、ゲート部110からチャネル領域にホール(正孔)42が注入される。このとき、ヘテロ接合のポテンシャル障壁があるため、電子41はゲート部110へは殆ど流入しないが、ヘテロ接合界面には、注入されたホール42と同量の電子41が引き寄せられる。発生した電子41は、ドレイン電圧Vdsによりドレイン電極12に向かって高速で移動する。一方で、第1の半導体層101中のホール42の移動度は電子41の移動度に比べて極めて小さいので、殆どのホール42はゲート部110付近に留まることになる。したがって、ホール42は、同量の電子41をさらに発生させることになり、チャネル領域の電子41を増加させる。
スイッチ装置1は、上述した構成のスイッチ素子10を用いていることにより、MOSFETやIGBT等を用いる場合に比べ、導通(オン)状態での電流経路に存在する電気抵抗であるオン抵抗を小さく抑えることができる。
なお、第1の半導体層101と第2の半導体層102とコントロール層111とを構成する半導体材料は、窒化物系半導体に限らず、たとえば炭化珪素(SiC)などであってもよい。また、スイッチ素子10は、ゲート電極11とコントロール層111とがオーミック接合された構成を採用しているが、この構成に限らず、ゲート電極11が第2の半導体層102とショットキー接合された構成であってもよい。
ところで、本実施形態のスイッチ装置1においては、スイッチ素子10は、図1に示すように半導体基板104に直接接合された注入用電極14を具備するホール注入部140を有している。ここでは、ホール注入部140は注入用電極14のみで構成されている。ホール注入部140は、注入用電極14に対して所定の閾値を超える注入電圧Vinが印加されることにより、半導体基板104におけるヘテロ接合界面(つまり第1の半導体層101と第2の半導体層102との界面)にホールを注入する。なお、注入電圧Vinの閾値は、ゲート電圧Vgsの閾値とは別に設定されている。
ここにおいて、注入用電極14は金属材料からなり、半導体基板104におけるドレイン電極12とソース電極13とゲート部110とが形成された一表面上に形成されている。つまり、注入用電極14は、第2の半導体層102上であって、ドレイン電極12やソース電極13やゲート部110と干渉しない位置に配置されている。図1の例では、注入用電極14は、ドレイン電極12およびソース電極13のうち高電位側となるドレイン電極12と、ゲート部110との間に配置されている。注入用電極14は、2次元電子ガス層を形成する第2の半導体層102とオーミック接合されている。
駆動回路20の注入駆動部22は、スイッチ素子10の注入用電極14およびソース電極13に接続されており、注入用電極14−ソース電極13間に注入電圧Vinを印加する。注入駆動部22は、閾値を超える注入電圧Vinをスイッチ素子10に印加することによって、ホール注入部140から半導体基板104のヘテロ接合界面にホールを注入する。なお、注入電圧Vinは、ソース電極13を基準電位(負極)とし、注入用電極14を正極とする直流電圧である。
本実施形態においては、注入駆動部22は、ゲート駆動部21がゲート電圧Vgsを印加するタイミングに合わせて、注入電圧Vinを印加するタイミングを決定する。具体的には、注入駆動部22は、図3に示すようにゲート電圧Vgsが印加されスイッチ素子10がオンしている期間中に、注入用電極14に注入電圧Vinを印加して、ヘテロ接合界面にホールを注入する。なお、図3では、(a)がドレイン電極12−ソース電極13間に流れるドレイン電流Ids、(b)がドレイン電極12−ソース電極13間にかかるドレイン電圧Vds、(c)が注入電圧Vin、(d)がゲート電圧Vgsを表している。
つまり、注入駆動部22は、ゲート駆動部21が閾値を超えるゲート電圧Vgsをスイッチ素子10に印加する期間t1〜t4と重なるように設定された期間t2〜t3に、閾値を超える注入電圧Vinをスイッチ素子10に印加する。ここで、注入駆動部22が注入電圧Vinを印加する期間t2〜t3は、ゲート駆動部21がゲート電圧Vgsを印加する期間t1〜t4中に含まれていればよく、t2=t1、t3=t4であってもよい。
スイッチ素子10がオンしている期間中に、注入用電極14に注入電圧Vinが印加されると、以下に説明する原理でスイッチ素子10のオン抵抗が小さくなり、ドレイン電圧Vds(図3(b))が一定でもドレイン電流Ids(図3(a))は大きくなる。
すなわち、ホール注入部140は、スイッチ素子10のオン中に注入用電極14に注入電圧Vinが印加されると、半導体基板104のヘテロ接合界面へホールを注入する。このとき、ヘテロ接合のポテンシャル障壁があるため、電子はホール注入部140へは殆ど流入しないが、ヘテロ接合界面には、注入されたホールと同量の電子が引き寄せられる。発生した電子は、ドレイン電圧Vdsによりドレイン電極12に向かって高速で移動する。一方で、第1の半導体層101中のホールの移動度は電子の移動度に比べて極めて小さいので、殆どのホールはホール注入部140付近に留まることになる。したがって、ホールは、同量の電子をさらに発生させることになり、チャネル領域の電子を増加させる。言い換えれば、チャネル領域としての2次元電子ガスの濃度が高くなるため、スイッチ素子10のオン抵抗は小さくなる。
要するに、ホール注入部140から注入されたホールは、ゲート部110から注入されたホールと同様の原理で、チャネル領域の電子濃度を高くし、スイッチ素子10のオン抵抗を小さくするように作用する。結果的に、スイッチ素子10がオン状態で、注入用電極14に注入電圧Vinが印加されている期間t2〜t3には、ドレイン電圧Vds(図3(b))が一定でもドレイン電流Ids(図3(a))は大きくなり、スイッチ素子10で生じる損失は小さくなる。
また、注入駆動部22は、入力端と出力端との間が電気的に絶縁された絶縁型の電源回路(図示せず)を具備していてもよい。この場合、注入駆動部22は、電源回路の入力端に与えられる注入信号に従って、電源回路の出力端から注入用電極14−ソース電極13間に注入電圧Vinを印加する。電源回路の入力端に与えられる注入信号は、注入電圧Vinを印加するタイミングを制御するための信号であって、ゲート駆動部21および注入駆動部22を統括的に制御する制御部(図示せず)によって生成される。詳細な構成についての説明は省略するが、絶縁型の電源回路は、たとえばフライバックトランスを用いたフライバックコンバータなどからなる。
以上説明した本実施形態のスイッチ装置1によれば、ホール注入部140が無い構成に比べて、スイッチ素子10のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるという利点がある。すなわち、スイッチ素子10のオン時に注入駆動部22が注入用電極14に注入電圧Vinを印加すると、ホール注入部140からヘテロ接合界面にホールが注入されるため、チャネル領域としての2次元電子ガスの濃度は高くなる。これにより、スイッチ素子10のオン抵抗は小さくなる。
しかも、本実施形態では、ホール注入部(注入用電極14)140は、半導体基板104におけるドレイン電極12等と同一表面上であって、ドレイン電極12とゲート部110との間に配置されている。そのため、注入電圧Vinの印加時にホール注入部140から半導体基板104へ放出されるホールは、半導体基板104のヘテロ接合界面のうち、ドレイン電極12とゲート部110との間に対応する部位に注入されることになる。したがって、スイッチ素子10は、ドレイン電極12−ゲート部110間の距離を大きく確保して高耐圧を実現しながらも、チャネル領域におけるドレイン電極12−ゲート部110間に対応する部位の電子を増加させ、オン抵抗を小さく抑えることができる。なお、ゲート部110の直下のチャネル領域にはゲート部110からホールが注入されているため、スイッチ素子10は、ゲート部110の直下からドレイン電極12にかけてのチャネル領域の大部分に亘って、2次元電子ガスが高濃度化される。
また、ホール注入部140は、p型の半導体層を有していてもよい。すなわち、図4に示すように、第2の半導体層102上にp型半導体層141が形成され、注入用電極14は、このp型半導体層141上に積層されてp型半導体層141と共にホール注入部140を構成してもよい。p型半導体層141は、たとえばコントロール層111と同様に不純物がドープされたp型のAlGaNからなり、注入用電極14は、p型半導体層141にオーミック接合される。
この構成では、注入電圧Vinの閾値は、p型半導体層141とチャネル領域との間に形成されるpn接合の順方向オン電圧に設定されており、注入電圧Vinが閾値を超えると、ホール注入部140のp型半導体層141からチャネル領域にホールが注入される。スイッチ素子10は、ホール注入部140をゲート部110と同一の層構成とすれば、p型半導体層141がチャネル領域のポテンシャルを持ち上げるため、ホール注入部140の直下のチャネル領域を空乏化することができる。したがって、スイッチ素子10のオフ時におけるドレイン電極12−ソース電極13間の耐圧を高くできる。一方で、スイッチ素子10は、第2の半導体層102の厚みやp型半導体層141のアルミニウムモル濃度等を変えてホール注入部140をゲート部110と異なる層構成にすることで、ホール注入部140直下を空乏化させないようにすることも可能である。
また、ホール注入部140は、ドレイン電極12−ゲート部110間に限らず、ゲート部110−ソース電極13間に設けられていてもよい。さらに、ホール注入部140は、複数設けられていてもよく、たとえば、ドレイン電極12−ゲート部110間とゲート部110−ソース電極13間との両方に設けられたり、ドレイン電極12−ゲート部110間に複数設けられたりしてもよい。ホール注入部140が複数設けられていれば、注入駆動部22は、複数の注入用電極14に注入電圧Vinを印加することにより、複数のホール注入部140から半導体基板104にホールを注入することができる。したがって、チャネル領域の複数箇所で2次元電子ガスの濃度が高くなり、スイッチ装置1は、スイッチ素子10のオン抵抗をさらに小さくすることが可能となる。
また、スイッチ装置1に用いられるスイッチ素子10は、半導体基板104上におけるドレイン電極12−ソース電極13間にゲート部110が一対設けられたデュアルゲート構造であってもよい。デュアルゲート構造のスイッチ素子10は、2つのトランジスタがドレイン電極同士を接続するように直列接続された回路と等価であり、ドレイン電極12−ソース電極13間を双方向に流れる電流のスイッチングが可能な双方向スイッチを構成する。
デュアルゲート構造のスイッチ素子10においては、ホール注入部140は、たとえば図5に例示するように配置される。図5(a)の例では、ホール注入部140は2つ設けられ、各ホール注入部140は、第2の半導体層102上における一対のゲート部110の間であって各ゲート部110に隣接する位置に配置されている。この場合、注入駆動部22は、ソース電極13側の注入用電極14へ印加する注入電圧Vinについてはソース電極13の電位を基準に設定し、ドレイン電極12側の注入用電極14へ印加する注入電圧Vinについてはドレイン電極12の電位を基準に設定する。図5(b)の例では、ホール注入部140は3つ設けられ、各ホール注入部140は、第2の半導体層102上における一方のゲート部110−ドレイン電極12間と、他方のゲート部110−ソース電極13間と、両ゲート部110間とに配置されている。
ところで、本実施形態の他の例として、駆動回路20は、図6に示すようにドレイン電圧Vdsを計測する電圧モニタ部23を有し、注入駆動部22は、電圧モニタ部23の計測値に応じて注入電圧Vinの大きさを調節する構成であってもよい。電圧モニタ部23は、スイッチ素子10のドレイン電極12とソース電極13とに接続されており、スイッチ素子10の両端間(ドレイン電極12−ソース電極13間)にかかる素子電圧としてのドレイン電圧Vdsを計測し、計測値を注入駆動部22へ入力する。注入駆動部22は、ドレイン電圧Vdsが大きくなるほど注入電圧Vinを大きくするように、電圧モニタ部23から入力されるドレイン電圧Vdsの大きさに応じて注入電圧Vinの大きさを調節する。
この構成によれば、スイッチ装置1は、ドレイン電圧Vdsの大きさによって、ホール注入部140からヘテロ接合界面に注入されるホールの数が変わるので、ドレイン電圧Vdsの大きさに適した状態でスイッチ素子10を動作させることができる。すなわち、スイッチ装置1は、ドレイン電圧Vdsが比較的小さければ、ホール注入部140からのホールの注入量を少なくして、注入駆動部22の消費電力を小さく抑えることができる。一方、ドレイン電圧Vdsが比較的大きければ、スイッチ装置1は、ホール注入部140からのホールの注入量を増加させ、スイッチ素子10のオン抵抗をさらに小さくすることで、スイッチ素子10での電力損失を小さく抑えることができる。
(実施形態2)
本実施形態のスイッチ装置1は、注入駆動部22が注入用電極14に注入電圧Vinを印加するタイミングが実施形態1のスイッチ装置1とは相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態においては、注入駆動部22は、ゲート駆動部21がゲート電圧Vgsを印加し始めることによりスイッチ素子10がオンする時点以前に設定されたリセット期間に、注入用電極14に注入電圧Vinを印加してヘテロ接合界面にホールを注入する。具体的には、注入駆動部22は、ゲート駆動部21がゲート電圧Vgsを印加すると同時もしくはその直前に、オンオフ信号が「L」レベルから「H」レベルに切り替わったことをトリガとして、注入電圧Vinを印加する。ここで、注入駆動部22が注入電圧Vinを印加するリセット期間の長さは適宜設定される。
このように、注入駆動部22は、スイッチ素子10にゲート電圧Vgsが印加されてスイッチ素子10がオンする前に、予めホール注入部140から半導体基板104のヘテロ接合界面にホールを注入する。これにより、本実施形態のスイッチ装置1は、スイッチ素子10のドレイン電極12−ソース電極13間への高電圧印加に起因して、スイッチ素子10のオン抵抗が増加しドレイン電流Idsの飽和値が低下する電流コラプスと呼ばれる現象を抑制できる。
以下に、電流コラプスについて図7を参照して簡単に説明する。なお、図7は、ゲート電圧Vgsが印加されておらずオフ状態にあるスイッチ素子10を模式的に表している。
この状態で、ドレイン電極12−ソース電極13間に高電圧(たとえば100V程度)のドレイン電圧Vdsが印加されると、スイッチ素子10は、ゲート部110の高電位側(ドレイン電極12側)の端部に強い電界が集中的にかかる。この電界は2次元電子ガス中の電子を加速し、加速された電子41は、図7(a)に示すように、半導体層積層体103の結晶欠陥などにトラップされる。そのため、スイッチ素子10は、主にゲート部110とドレイン電極12との間において電子トラップが発生し、図7(b)に示すように、チャネル領域としての2次元電子ガスの濃度が低下する。
その後、スイッチ素子10は、ゲート電圧Vgsが印加されてドレイン電極12−ソース電極13間が導通状態になると、トラップされていた電子41が解放されるが、このとき電子41の解放に時間がかかる場合がある。この場合、スイッチ素子10は、オン状態になってもトラップされている電子41がチャネル領域を狭窄し、ドレイン電流Idsが十分に増大しないため、電流コラプスが生じると考えられる。したがって、スイッチ素子10は、ドレイン電極12−ソース電極13間へ高電圧が一旦印加されると、その後オン抵抗が増加してドレイン電流Idsが減少することがある。
これに対して、本実施形態のスイッチ装置1は、スイッチ素子10がオンする以前のリセット期間に、注入駆動部22が注入電圧Vinを印加して予めホールを注入するので、上述したように電子トラップにより減少した2次元電子ガスの電子を補償できる。すなわち、スイッチ素子10がオンする以前に予め注入されたホールは、ヘテロ接合界面に同量の電子を引き寄せるので、チャネル領域として2次元電子ガスの濃度が高くなり、スイッチ素子10のオン抵抗は小さくなる。
以上説明した本実施形態のスイッチ装置1によれば、スイッチ素子10がオンする以前に注入駆動部22がホール注入部140からホールを注入することによって、電流コラプスに起因したオン抵抗の増加を抑制することができる。
ここで、ホール注入部140の配置は、実施形態1で説明したように適宜設定可能である。ただし、ホール注入部140は、ゲート部110−ドレイン電極12間の電子トラップに対応するため、ゲート部110とドレイン電極12との間であってゲート部110に隣接した位置に配置されることが望ましい。スイッチ装置1に用いられるスイッチ素子10が一対のゲート部110を有するデュアルゲート構造であれば、ホール注入部140は、両ゲート部110の間であって各ゲート部110に隣接した位置に配置されることが望ましい。このようにホール注入部140が配置されている場合、スイッチ装置1は、注入駆動部22がホール注入部140からホールを注入することによって、電流コラプスの原因となるトラップされた電子を効率的に除去することができる。
また、注入駆動部22は、スイッチ素子10がオンする以前のリセット期間だけでなく、実施形態1のようにスイッチ素子10がオンしている期間中にも、注入用電極14に注入電圧Vinを印加してホールの注入を行ってもよい。これにより、スイッチ装置1は、スイッチ素子10のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるという利点がある。
また、本実施形態において、スイッチ装置1に用いられるスイッチ素子10が一対のゲート部110を有するデュアルゲート構造であれば、注入駆動部22は、一対のゲート部110のうち高電位側となるゲート部110をホール注入部に兼用してもよい。すなわち、デュアルゲート構造のスイッチ素子10においては、注入駆動部22は、スイッチ素子10がオンする以前のリセット期間に、高電位側のゲート部110に注入電圧Vinを印加することで、電流コラプスによるオン抵抗の増加を抑制することができる。この場合、スイッチ素子10は、ホール注入部がゲート部110と別に設けられる場合に比べて、構成が簡単になる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態のスイッチ装置1は、図8に示すように、ホール注入部140の注入用電極14が、半導体基板104のうちドレイン電極12等が設けられた一表面とは反対側の表面(他表面)上に設けられている点が、実施形態1のスイッチ装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図8の例では、支持基板が省略され、半導体基板104は、第1の半導体層101に第2の半導体層102が積層された半導体層積層体103のみからなる。ここで、ホール注入部140は、半導体基板104の他表面となる第1の半導体層101表面上の略全域に亘って形成されている。ホール注入部140は、第1の半導体層101に積層されたp型半導体層141と、p型半導体層141上に積層された注入用電極14とで構成されている。本実施形態では、p型半導体層141は、不純物がドープされたp型のGaNからなる。
上記構成のスイッチ装置1は、スイッチ素子10のオン中に、注入駆動部22が注入用電極14−ソース電極13間に注入電圧Vinを印加することにより、図9に示すように第1の半導体層101の表面(他表面)側からヘテロ接合界面にホールが注入される。すなわち、図9のように注入されたホールは、ヘテロ接合界面に同量の電子を引き寄せるので、チャネル領域として2次元電子ガスの濃度が高くなり、スイッチ素子10のオン抵抗は小さくなる。
以上説明した本実施形態のスイッチ装置1によれば、半導体基板104においてドレイン電極12等が設けられた一表面にホール注入部は不要であるから、ホール注入部の配置はドレイン電極12やソース電極13やゲート部110の配置による制限を受けにくい。したがって、ホール注入部の配置の自由度が高くなるという利点がある。
また、本実施形態のスイッチ装置1において、注入駆動部22は、実施形態2のようにスイッチ素子10がオンする以前のリセット期間に、注入用電極14に注入電圧Vinを印加してホールの注入を行ってもよい。この場合、スイッチ素子10がオンする以前に注入駆動部22がホール注入部140からホールを注入することによって、電流コラプスに起因したオン抵抗の増加を抑制することができる。
この場合において、注入駆動部22は、スイッチ素子10がオンする以前のリセット期間だけでなく、実施形態1のようにスイッチ素子10がオンしている期間中にも、注入用電極14に注入電圧Vinを印加してホールの注入を行ってもよい。これにより、スイッチ装置1は、スイッチ素子10のオン抵抗をより一層小さく抑えることができるという利点がある。
さらにまた、ホール注入部140は、図10に示すように、注入用電極14のみが半導体基板104の表面上に設けられ、p型半導体層141が半導体基板104内に埋め込まれて構成されていてもよい。図10(a)の例では、半導体基板104はシリコン(Si)製の支持基板100を含んでおり、p型半導体層141は、支持基板100上に積層された第1の半導体層101における支持基板100との界面近傍に不純物がドープされることにより形成されている。図10(b)の例では、半導体基板104はGaNからなる支持基板100を含んでおり、p型半導体層141は、支持基板100における第1の半導体層101との界面近傍に不純物がドープされることによって形成されている。
図10の構成によれば、スイッチ装置1は、注入駆動部22が注入用電極14−ソース電極13間に注入電圧Vinを印加することにより、半導体基板104中のp型半導体層141に電界がかかり、p型半導体層141からヘテロ接合界面にホールが注入される。なお、図10の例では、p型半導体層141は、ゲート部110とドレイン電極12との間にのみ形成されている。
また、ホール注入部140は、半導体基板104の他表面のうち、半導体基板104の厚み方向においてゲート部110と重なる位置を除く位置に設けられていてもよい。すなわち、ホール注入部140は、たとえば図11に示すように、ドレイン電極12−ゲート部110間に対応する位置にのみ配置される。さらに、デュアルゲート構造のスイッチ素子10においては、ホール注入部140は、たとえば図12に例示するように配置される。図12の例では、ホール注入部140は3つ設けられ、各ホール注入部140は、第1の半導体層101上における一方のゲート部110−ドレイン電極12間と、他方のゲート部110−ソース電極13間と、両ゲート部110間とに配置されている。
さらに他の例として、半導体基板104の他表面には、図13に示すように半導体基板104の電位を決める基板電極15が注入用電極14とは別に設けられていてもよい。基板電極15は、第1の半導体層101の電位を決めるための電極であって、通常、ソース電極13に接続されている。駆動回路20は、基板電極15に与えるバイアスを変化させることにより、たとえばゲート電圧Vgsの閾値を変えたり、半導体基板104内の残留電荷を早期に消滅させたりすることができる。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
1 スイッチ装置
10 スイッチ素子
12 ドレイン電極(第1電極)
13 ソース電極(第2電極)
14 注入用電極
15 基板電極
20 駆動回路
22 注入駆動部
23 電圧モニタ部
42 ホール
101 第1の半導体層
102 第2の半導体層
103 半導体層積層体
104 半導体基板
110 ゲート部
140 ホール注入部
141 p型半導体層
Vin 注入電圧
Vgs ゲート電圧

Claims (9)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板の一表面上に配置されたドレイン電極およびソース電極と、前記一表面上において前記ドレイン電極および前記ソース電極の間に配置されたゲート部とを有し、前記ゲート部に対して所定の閾値を超えるゲート電圧が印加されると、前記半導体基板にチャネル領域を形成することにより前記ドレイン電極と前記ソース電極との間を導通させるスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子の前記ゲート部に前記ゲート電圧を印加して前記スイッチ素子のオンオフを切り替える駆動回路とを備え、
    前記半導体基板は、第1の半導体層と第2の半導体層とが積層されて成る半導体層積層体を具備し、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との接合部位にヘテロ接合界面を有しており、前記ヘテロ接合界面に発生する2次元電子ガス層が前記チャネル領域として用いられ、
    前記スイッチ素子は、前記半導体基板に直接接合され前記ゲート部と前記ドレイン電極との間に配置された注入用電極を具備するホール注入部を有し、
    前記駆動回路は、前記注入用電極と前記ソース電極との間に、前記ソース電極を負極とし前記注入用電極を正極とする注入電圧を印加することにより前記ホール注入部から前記ヘテロ接合界面にホールを注入する注入駆動部を有することを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記注入駆動部は、前記スイッチ素子がオンしている期間中に、前記注入用電極に前記注入電圧を印加して前記ヘテロ接合界面にホールを注入することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
  3. 前記駆動回路は、前記スイッチ素子の前記ドレイン電極と前記ソース電極との間にかかっている電圧を素子電圧として計測する電圧モニタ部を有し、
    前記注入駆動部は、前記電圧モニタ部の計測値に応じて前記注入電圧の大きさを調節することを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
  4. 前記注入駆動部は、前記スイッチ素子がオンする時点以前に設定されたリセット期間に、前記注入用電極に前記注入電圧を印加して前記ヘテロ接合界面にホールを注入することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
  5. 前記スイッチ素子は前記ゲート部を一対備えており、
    前記注入駆動部は、一対の前記ゲート部のうち高電位側となる前記ゲート部を前記ホール注入部として兼用することを特徴とする請求項4に記載のスイッチ装置。
  6. 前記ホール注入部は複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
  7. 前記ゲート部は一対設けられており、
    前記ホール注入部は、一対の前記ゲート部の間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
  8. 前記ホール注入部は、p型の半導体層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
  9. 前記注入駆動部は、入力端と出力端との間が電気的に絶縁された絶縁型の電源回路を具備しており、前記電源回路の入力端に与えられる注入信号に従って前記電源回路の出力端から前記注入用電極に前記注入電圧を印加することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
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