JP2012033480A - 蓄電装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子伝導性が向上した電極用材料、およびそれを用いた蓄電装置を提供する。
【解決手段】オリビン構造を有する一般式LiMPOで表されるリン酸リチウム化合物、または、オリビン構造を有する一般式LiMSiOで表されるケイ酸リチウム化合物を含む電極用材料の製造工程において、Mで示される金属元素とは異なる価数を有する金属元素を添加することにより、該異なる価数を有する金属元素が電極用材料におけるキャリア発生源として機能して、製造される電極用材料の電子伝導性を向上させる。また、電子伝導性の向上した電極用材料を正極活物質として用いることで、放電容量の向上した蓄電装置を提供する。
【選択図】図1

Description

蓄電装置およびその製造方法に関する。
パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯可能な電子機器の分野が著しく進歩している。携帯可能な電子機器において、小型軽量で信頼性を有し、高エネルギー密度且つ充電可能な蓄電装置が必要になっている。このような蓄電装置として、例えばリチウムイオン二次電池が知られている。また、環境問題やエネルギー問題の認識の高まりからリチウムイオン二次電池を搭載した電気推進車両の開発も急速に進んでいる。
リチウムイオン二次電池において、正極活物質として、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸コバルトリチウム(LiCoPO)、リン酸ニッケルリチウム(LiNiPO)などの、リチウム(Li)と鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)またはニッケル(Ni)とを含むオリビン構造を有するリン酸化合物などが知られている(特許文献1、非特許文献1、及び非特許文献2参照)。
また、上述のオリビン構造を有するリン酸化合物と同じオリビン構造を有するシリケート系(ケイ酸)化合物をリチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることが提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平11−25983号公報 特開2007−335325号公報
Byoungwoo Kang、Gerbrand Ceder、「Nature」、2009、Vol.458(12)、p.190−193 F. Zhou et al.、「Electrochemistry Communications」、2004、6、p.1144−1148
しかしながら、オリビン構造を有するリン酸化合物、またはオリビン構造を有するケイ酸化合物はバルク電子伝導性が低く、粒子単体では電極用材料として十分な特性を得ることが困難である。
上記問題を鑑み、開示される発明の一態様では、電子伝導性が向上した電極用材料、およびそれを用いた蓄電装置を提供することを課題の一とする。
また、開示される発明の一態様では、放電容量の大きな電極用材料、およびそれを用いた蓄電装置を提供することを課題の一とする。
本発明の一態様は、オリビン構造を有する一般式LiMPOで表されるリン酸リチウム化合物、または、オリビン構造を有する一般式LiMSiOで表されるケイ酸リチウム化合物を含む電極用材料の製造工程において、Mで示される金属元素とは異なる価数を有する金属元素を添加することにより、該異なる価数を有する金属元素が電極用材料におけるキャリア発生源として機能して、製造される電極用材料の電子伝導性を向上させる。
より具体的には、本発明の一態様は、リチウムを含む化合物と、マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、リンを含む化合物と、第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合した混合材料を焼成して、第1の金属元素を含むリン酸リチウム化合物を形成する、蓄電装置の製造方法である。
また、本発明の別の一態様は、リチウムを含む化合物と、マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、ケイ素を含む化合物と、第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合した混合材料を焼成して、第1の金属元素を含むケイ酸リチウム化合物を形成する、蓄電装置の製造方法である。
上記の蓄電装置の製造方法において、混合材料の焼成は、300℃以上400℃以下の温度で熱処理する第1の焼成と、500℃以上800℃以下の温度で熱処理する第2の焼成と、を含んでいてもよい。
また、上記の蓄電装置の製造方法において、第2の金属元素として、第1の金属元素の価数より1価または2価多い価数を有する金属元素、もしくは、第1の金属元素の価数より1価または2価少ない価数を有する金属元素を用いるのが好ましい。
また、上記の蓄電装置の製造方法において、第2の金属元素を含む化合物として、Fe、Ti、CuOまたはSiOを用いるのが好ましい。
また、上記の蓄電装置の製造方法において、混合材料は、第1の金属元素に対して、1mol%以上10mol%以下の第2の金属元素を含むのが好ましい。
開示される発明の一態様により、電子伝導性が向上した電極用材料を得ることができる。または、開示される発明の一態様により、放電容量の大きな蓄電装置を得ることができる。
蓄電装置の一態様を示す図。 蓄電装置の応用例を示す図。 蓄電装置の応用例を示す図。 実施例で作製した電極用材料の特性を示す図。 実施例で作製した蓄電装置の特性を示す図。
本発明の実施の形態および実施例について、図面を参照して以下に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解されるからである。したがって、本発明は以下に示す実施の形態および実施例の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。なお、図面を用いて本発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書にて用いる第1、第2、第3といった序数詞を用いた用語は、構成要素を識別するために便宜上付したものであり、その数を限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電極用材料の製造方法の一例について説明する。より具体的には、本実施の形態では、一般式LiMPOで表されるリン酸リチウム化合物、または、一般式LiMSiOで表されるケイ酸リチウム化合物を含む電極用材料の製造方法の一例について説明する。なお、以下では、固相法による電極用材料の製造方法を示すが、本実施の形態はこれに限られるものではなく、液相法を用いて電極用材料を製造しても良い。
なお、上記の一般式において、Mは、例えば、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の遷移金属から選ばれた一以上を示す。
〈リン酸リチウム化合物の製造方法〉
まず、一般式LiMPO中の、Liの供給源となるリチウムを含む化合物と、Pの供給源となるリンを含む化合物と、Mの供給源となる遷移金属、例えばマンガン、鉄、コバルトまたはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、該第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合し、混合材料を形成する。
リチウムを含む化合物としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)、酸化リチウム(LiO)、硫化リチウム(LiS)、過酸化リチウム(Li)、硫酸リチウム(LiSO)、亜硫酸リチウム(LiSO)、チオ硫酸リチウム(Li)、クロム酸リチウム(LiCrO)、及びニクロム酸リチウム(LiCr)等のリチウム塩を用いることができる。
また、第1の金属元素を含む化合物としては、例えば、酸化鉄(FeO)、酸化マンガン(MnO)、酸化コバルト(CoO)、及び酸化ニッケル(NiO)等の酸化物、または、シュウ酸鉄(II)二水和物(FeC・2HO)、シュウ酸マンガン(II)二水和物(MnC・2HO)、シュウ酸コバルト(II)二水和物(CoC・2HO)、及びシュウ酸ニッケル(II)二水和物(NiC・2HO)等のシュウ酸塩、または、炭酸鉄(II)(FeCO)、炭酸マンガン(II)(MnCO)、炭酸コバルト(II)(CoCO)、及び炭酸ニッケル(II)(NiCO)等の炭酸塩等を用いることができる。
また、リンを含む化合物としては、例えば、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、五酸化二リン(P)等のリン酸塩を用いることができる。
形成される電極用材料において、第2の金属元素はキャリアの発生源(あるいは注入源)として機能する。より具体的には、電極用材料としてのリン酸リチウム化合物中に不純物として第2の金属元素を含ませることで、第1の金属元素の欠陥を引き起こし、該欠陥に起因したキャリアが発生する。よって、第2の金属元素の添加によって電極用材料(ここではリン酸リチウム化合物)の電子伝導性を向上させることができる。
上述の効果を奏するために、混合材料に用いる化合物としては、第1の金属元素と異なる価数を有する第2の金属元素を有する化合物を適用することができる。例えば、第1の金属元素を含む化合物として、2価のマンガンを有する炭酸マンガン(II)(MnCO)を用いた場合には、第2の金属元素を含む化合物として、1価の銅を含む酸化銅(CuO)、3価の鉄を含む酸化鉄(Fe)、3価のチタンを含む酸化チタン(Ti)、4価のシリコンを含む酸化シリコン(SiO)等を用いることができる。ただし、第1または第2の金属元素を含む化合物の組み合わせは、これらに限られるものではない。また、第2の金属元素を含む化合物は、酸化物に限られない。ただし、酸化物を用いることで、形成されるリン酸リチウム化合物への不純物の影響を、第2の金属元素によるものに制御することが可能であるため、第2の金属元素を含む化合物としては酸化物を用いるのがより好ましい。
なお、第2の金属元素としては、第1の金属元素の価数より2価または1価多い金属元素、もしくは、第1の金属元素の価数より2価または1価少ない金属元素を選択するのが好ましい。また、第2の金属元素の添加量が多すぎる場合には、形成される電極用材料において副生成物が生じる可能性があるため、第1の金属元素に対する第2の金属元素の含有量は、1mol%以上10mol%以下とするのが好ましく、2mol%以上5mol%以下とするのがより好ましい。
上述の各化合物を混合する方法には、例えば、ボールミル処理がある。具体的な方法は、化合物に揮発性の高いアセトン等の溶媒を加え、金属製またはセラミック製のボール(ボール径φ1mm以上10mm以下)を用いて、回転数50rpm以上500rpm以下、回転時間30分間以上5時間以下、の処理を行うというものである。ボールミル処理を行うことにより、化合物を混合するのと同時に、化合物の微粒子化を行うことができ、作製後の電極用材料(例えば、リン酸リチウム化合物)の微粒子化を図ることができる。また、ボールミル処理を行うことにより、化合物を均一に混合することができ、作製後の電極用材料の結晶性を高めることができる。なお、溶媒としてアセトンを示したが、エタノール、メタノール等の、原料が溶解しない溶媒を用いることができる。
次に、混合材料を加熱して溶媒を蒸発させた後、ペレットプレスで圧力をかけてペレットを成型し、成型したペレットに対して第1の熱処理(仮焼成)を行う。第1の熱処理は、300℃以上400℃以下の温度で1時間以上20時間以下、好ましくは10時間以下行えばよい。400℃以下の低温で第1の熱処理(仮焼成)を行うことにより、結晶成長を抑制することができ、且つ、結晶核を形成することができる。そのため、電極用材料の微粒子化を図ることができる。
また、熱処理は、水素雰囲気下、あるいは、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等)または窒素等の不活性ガス雰囲気下において行うのが好ましい。
次に、熱処理を行った混合材料を乳鉢等で粉砕し、上記と同様のボールミル処理により混合を行う。その後、再度混合した材料を加熱して溶媒を蒸発させた後、ペレットプレスで圧力をかけてペレットを成型し、成型したペレットに対して第2の熱処理(本焼成)を行う。
第2の熱処理は、500℃以上800℃以下(好ましくは600℃程度)の温度で、1時間以上20時間以下(好ましくは10時間以下)行えばよい。なお、第2の熱処理温度は、第1の熱処理温度より高くすることが好ましい。
以上の工程より、電極用材料として適用可能なリン酸リチウム化合物を作製することができる。
〈ケイ酸リチウム化合物の製造方法〉
次いで、一般式LiMSiOで表されるケイ酸リチウム化合物の製造方法について説明する。
まず、一般式LiMSiO中の、Liの供給源となるリチウムを含む化合物と、Siの供給源となるシリコンを含む化合物と、Mの供給源となる遷移金属、例えばマンガン、鉄、コバルトまたはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、該第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合し、混合材料を形成する。
シリコンを含む化合物としては、例えば、酸化シリコン(SiOまたはSiO等)、ケイ酸リチウム(LiSiO)等を用いることができる。
なお、ケイ酸リチウム化合物の製造方法は、上述のリン酸リチウム化合物の製造方法において、Pの供給源となるリンを含む化合物に代えて、Siの供給源となるシリコンを含む化合物を用いればよく、その他の詳細についてはリン酸リチウム化合物の製造方法を参酌することができるため、詳細な説明は省略する。
以上によって製造された本実施の形態の電極用材料は、キャリアの発生源となる第2の金属元素が添加されているため、電子伝導性を向上させることができる。よって、この電極用材料を用いた蓄電装置において、放電容量を向上させ、充放電の速度、すなわちレート特性を向上させることができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1に示す作製工程によって得られた電極用材料を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池について説明する。リチウムイオン二次電池の概要を図1に示す。
図1に示すリチウムイオン二次電池は、正極102、負極107、及びセパレータ110を外部と隔絶する筐体120の中に設置し、筐体120中に電解液111(電解質)が充填されている。また、正極102及び負極107との間にセパレータ110を有する。正極集電体100には第1の電極121が、負極集電体105には第2の電極122が接続されており、第1の電極121及び第2の電極122より、充電や放電が行われる。また、正極活物質層101及びセパレータ110の間と負極活物質層106及びセパレータ110との間とはそれぞれは一定間隔をおいて示しているが、これに限らず、正極活物質層101及びセパレータ110と負極活物質層106及びセパレータ110とはそれぞれが接していても構わない。また、正極102及び負極107は間にセパレータ110を配置した状態で筒状に丸めても構わない。
正極集電体100上に正極活物質層101が形成されている。正極活物質層101には、実施の形態1で作製した電極用材料が含まれている。一方、負極集電体105の上には負極活物質層106が形成されている。本明細書では、正極活物質層101と、それが形成された正極集電体100を合わせて正極102と呼ぶ。また、負極活物質層106と、それが形成された負極集電体105を合わせて負極107と呼ぶ。
なお、活物質とは、キャリアであるイオンの挿入及び脱離に関わる物質を指し、グルコースを用いた炭素層などを含むものではない。よって、例えば、活物質の導電率を表す時には、活物質自身の導電率を指し、表面に形成された炭素層を含む活物質層の導電率を意味するものではない。
正極集電体100としては、アルミニウム、ステンレス等の導電性の高い材料を用いることができる。正極集電体100は、箔状、板状、網状等の形状を適宜用いることができる。
正極活物質としては、実施の形態1で示したリン酸リチウム化合物またはケイ酸リチウム化合物を用いる。
第2の焼成(本焼成)後、得られたリン酸リチウム化合物またはケイ酸リチウム化合物を再度ボールミル粉砕器で粉砕して、微粉体を得る。得られた微粉体に、導電助剤やバインダ、溶媒を加えてペースト状に調合する。
導電助剤は、その材料自身が電子導電体であり、電池装置内で他の物質と化学変化を起こさないものであればよい。例えば、黒鉛、炭素繊維、カーボンブラック、アセチレンブラック、VGCF(商標登録)などの炭素系材料、銅、ニッケル、アルミニウムもしくは銀など金属材料またはこれらの混合物の粉末や繊維などがそれに該当する。導電助剤とは、活物質間の導電性を助ける物質であり、離れている活物質の間に充填され、活物質同士の導通をとる材料である。
バインダとしては、澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)ゴム、スルホン化EPDMゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムもしくはポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、またはゴム弾性を有するポリマーなどがある。
電極用材料として用いられるリン酸リチウム化合物またはケイ酸リチウム化合物、導電助剤、及びバインダは、それぞれ80〜96重量%、2〜10重量%、2〜10重量%の割合で、且つ全体で100重量%になるように混合する。更に、電極用材料、導電助剤、及びバインダの混合物と同体積程度の有機溶媒を混合し、スラリー状に加工する。なお、電極用材料、導電助剤、バインダ、及び有機溶媒をスラリー状に加工して得られたものを、スラリーと呼ぶ。溶媒としては、Nメチル−2ピロリドンや乳酸エステルなどがある。成膜した時の活物質および導電助剤の密着性が弱い時にはバインダを多くし、活物質の抵抗が高い時には導電助剤を多くするなどして、活物質、導電助剤、バインダの割合を適宜調整するとよい。
ここでは、正極集電体100としてアルミ箔を用い、その上にスラリーを滴下してキャスト法により薄く広げた後、ロールプレス器で更に延伸し、厚みを均等にした後、真空乾燥(10Pa以下)や加熱乾燥(150〜280℃)して、正極集電体100上に正極活物質層101を形成する。正極活物質層101の厚さは、20〜100μmの間で所望の厚さを選択する。クラックや剥離が生じないように、正極活物質層101の厚さを適宜調整することが好ましい。さらには、電池の形態にもよるが、平板状だけでなく、筒状に丸めた時に、正極活物質層101にクラックや剥離が生じないようにすることが好ましい。
負極集電体105としては、銅、ステンレス、鉄、ニッケル等の導電性の高い材料を用いることができる。
負極活物質層106としては、リチウム、アルミニウム、黒鉛、シリコン、ゲルマニウムなどが用いられる。負極集電体105上に、塗布法、スパッタ法、蒸着法などにより負極活物質層106を形成してもよいし、それぞれの材料を単体で負極活物質層106として用いてもよい。黒鉛と比較すると、ゲルマニウム、シリコン、リチウム、アルミニウムの理論リチウム吸蔵容量が大きい。吸蔵容量が大きいと小面積でも十分に充放電が可能であり、負極として機能するため、コストの節減及び二次電池の小型化につながる。ただし、シリコンなどはリチウム吸蔵により体積が4倍程度まで増えるために、材料自身が脆くなる事や爆発する危険性などにも十分に気をつける必要がある。
電解質は、液体の電解質である電解液や、固体の電解質である固体電解質を用いればよい。電解液は、キャリアイオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを含み、このキャリアイオンが電気伝導を担っている。アルカリ金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、若しくはカリウムイオンがある。アルカリ土類金属イオンとしては、例えば、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、若しくはバリウムイオンがある。また、ベリリウムイオン、マグネシウムイオンを用いてもよい。
電解液111は、例えば溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩またはナトリウム塩とから構成されている。リチウム塩としては、例えば、塩化リチウム(LiCl)、フッ化リチウム(LiF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、硼弗化リチウム(LiBF)、フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、フッ化リン酸リチウム(LiPF)、Li(CSON等がある。ナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化ナトリウム(NaF)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、硼弗化ナトリウム(NaBF)等がある。
電解液111の溶媒として、環状カーボネート類(エチレンカーボネート(以下、ECと略す)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびビニレンカーボネート(VC)など)、非環状カーボネート類(ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルイソブチルカーボネート(MIBC)、およびジプロピルカーボネート(DPC)など)、脂肪族カルボン酸エステル類(ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなど)、非環状エーテル類(γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、およびエトキシメトキシエタン(EME)など)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなど)、環状スルホン(スルホランなど)、アルキルリン酸エステル(ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン等やリン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびリン酸トリオクチルなど)やそのフッ化物があり、これらの一種または二種以上を混合して使用する。
セパレータ110として、紙、不織布、ガラス繊維、あるいは、ナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ビナロンともいう)(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いればよい。ただし、上記した電解液111に溶解しない材料を選ぶ必要がある。
より具体的には、セパレータ110の材料として、例えば、フッ素系ポリマ−、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子およびこれらの誘導体、セルロース、紙、不織布から選ばれる一種を単独で、または二種以上を組み合せて用いることができる。
上記に示すリチウムイオン二次電池に充電をする時には、第1の電極121に正極端子、第2の電極122に負極端子を接続する。正極102からは電子が第1の電極121を介して奪われ、第2の電極122を通じて負極107に移動する。加えて、正極からはリチウムイオンが正極活物質層101中の活物質から溶出し、セパレータ110を通過して負極107に達し、負極活物質層106内の活物質に取り込まれる。当該領域でリチウムイオン及び電子が合体して、負極活物質層106に吸蔵される。同時に正極活物質層101では、活物質から電子が放出され、活物質に含まれる金属Mの酸化反応が生じる。
放電する時には、負極107では、負極活物質層106がリチウムをイオンとして放出し、第2の電極122に電子が送り込まれる。リチウムイオンはセパレータ110を通過して、正極活物質層101に達し、正極活物質層101中の活物質に取り込まれる。その時には、負極107からの電子も正極102に到達し、金属Mの還元反応が生じる。
以上のようにして作製したリチウムイオン二次電池は、オリビン構造を有するリン酸リチウム化合物またはオリビン構造を有するケイ酸リチウム化合物を正極活物質として有している。また、該リン酸リチウム化合物またはケイ酸リチウム化合物中には、キャリアの発生源となる第2の金属元素が添加されており、バルク電子伝導率が向上している。そのため、本実施の形態で得られるリチウムイオン二次電池を、放電容量が大きく、充放電の速度が大きいリチウムイオン二次電池とすることができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る蓄電装置の応用形態について説明する。
蓄電装置は、さまざまな電子機器に搭載することができる。例えば、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラ類、携帯電話機、携帯情報端末、電子書籍用端末、携帯型ゲーム機、デジタルフォトフレーム、音響再生装置等に搭載することができる。また、蓄電装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、鉄道用電気車両、作業車、カート、車椅子、又は自転車等の電気推進車両に搭載することができる。
本発明の一態様に係る蓄電装置は、高放電容量化、充放電速度の向上などの特性向上が図られている。蓄電装置の特性を向上させることで、蓄電装置の小型軽量化にも結びつけることができる。このような蓄電装置を搭載することで、電子機器や電気推進車両などの充電時間の短縮、使用時間の延長、小型軽量化などが可能となり、利便性やデザイン性の向上も実現できる。
図2(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機3010は、筐体3011に表示部3012が組み込まれている。筐体3011は、さらに操作ボタン3013、操作ボタン3017、外部接続ポート3014、スピーカー3015、及びマイク3016等を備えている。このような携帯電話機に、本発明の一態様に係る蓄電装置を搭載することで、利便性やデザイン性を向上させることができる。
図2(B)は、電子書籍用端末の一例を示している。電子書籍用端末3030は、第1の筐体3031及び第2の筐体3033の2つの筐体で構成されて、2つの筐体が軸部3032により一体にされている。第1の筐体3031及び第2の筐体3033は、軸部3032を軸として開閉動作を行うことができる。第1の筐体3031には第1の表示部3035が組み込まれ、第2の筐体3033には第2の表示部3037が組み込まれている。その他、第2の筐体3033に、操作ボタン3039、電源3043、及びスピーカー3041等を備えている。このような電子書籍用端末に、本発明の一態様に係る蓄電装置を搭載することで、利便性やデザイン性を向上させることができる。
図3(A)は、電気自動車の一例を示している。電気自動車3050には、蓄電装置3051が搭載されている。蓄電装置3051の電力は、制御回路3053により出力が調整されて、駆動装置3057に供給される。制御回路3053は、コンピュータ3055によって制御される。
駆動装置3057は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。コンピュータ3055は、電気自動車3050の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(登り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路3053に制御信号を出力する。制御回路3053は、コンピュータ3055の制御信号により、蓄電装置3051から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置3057の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
蓄電装置3051は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。蓄電装置3051として、本発明の一態様に係る蓄電装置を搭載することで、充電時間の短縮化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、充放電速度の向上により、電気自動車の加速力向上に寄与することができ、電気自動車の性能向上に寄与することができる。また、蓄電装置3051の特性向上により、蓄電装置3051自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与することができ、燃費向上にも結びつけることができる。
図3(B)は、電動式の車椅子の一例を示している。車椅子3070は、蓄電装置、電力制御部、制御手段等を有する制御部3073を備えている。制御部3073により出力が調整された蓄電装置の電力は、駆動部3075に供給される。また、制御部3073は、コントローラ3077と接続されている。コントローラ3077の操作により、制御部3073を介して駆動部3075を駆動させることができ、車椅子3070の前進、後進、旋回等の動作や速度を制御することができる。
車椅子3070の蓄電装置についても、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。蓄電装置3051として、本発明の一態様に係る蓄電装置を搭載することで、充電時間の短縮化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、蓄電装置の特性向上により、蓄電装置自体を小型軽量化できれば、車椅子3070の使用者及び介助者の使い易さを高めることができる。
なお、電気推進車両として鉄道用電気車両に蓄電装置を搭載させる場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電することも可能である。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る製造方法を用い、電極用材料としてリン酸マンガンリチウム(LiMnPO)を作製する例を示す。
リン酸マンガンリチウムの材料として、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸マンガン(II)(MnCO)、およびリン酸二水素アンモニウム(NHPO)と、酸化鉄(Fe)と、をボールミル処理により粉砕、混合した。ボールミル処理は、アセトンを溶媒として加え、セラミック製のボール(ボール径φ3mm)を用いて、回転数400rpmで、回転時間2時間とした。
炭酸リチウムは、リチウム導入用の原料であり、炭酸マンガン(II)は、第1の金属元素であるマンガン導入用の原料であり、リン酸二水素アンモニウムは、リン酸導入用の原料である。
ここで、第1の金属元素を含む化合物として、2価のマンガンを有する炭酸マンガン(II)(MnCO)を用い、3価の鉄を含む酸化鉄(Fe)を第2の金属元素を含む化合物として添加した。また、マンガン(Mn2+)に対する鉄(Fe3+)の添加量が、それぞれ1mol%、2mol%、5mol%、10mol%となるように、材料の混合比を調整し、4条件の混合材料を作製した。表1に具体的な材料の重量を示す。
Figure 2012033480
ボールミル処理後、原料の混合物をペレットプレス機により、150kgfの圧力で5分間加圧して、ペレットに成型した。
次いで、ペレットに成型した混合材料をアルミナ坩堝へ入れ、窒素雰囲気中で、350℃、10時間加熱して、第1の焼成(仮焼成)を行った。
第1の焼成後、焼成した混合材料を乳鉢で粉砕した。
次いで、粉砕した混合材料に対して、グルコース10wt%を秤量し、秤量したグルコースを添加した。
グルコースを添加後、再度ボールミル処理を行った。ボールミル処理は、アセトンを溶媒として加え、セラミック製のボール(ボール径φ3mm)を用いて、回転数400rpmで、回転時間2時間とした。
ボールミル処理後、混合材料を再度ペレットプレス機により、150kgfの圧力で5分間加圧して、ペレットに成型した。
次いで、ペレットに成型した混合材料をアルミナ坩堝に入れ、窒素雰囲気中で、600℃、10時間加熱して、第2の焼成(本焼成)を行った。
第2の焼成を終えたペレットを、乳鉢により粉砕して、本実施例の電極用材料を作製した。
図4に、作製した電極用材料のバルク電子伝導率を示す。図4において、横軸は、Mn2+に対するFe3+の添加量(mol%)を示し、縦軸は電子伝導率(S/cm)を示す。また、図4において、黒三角印のプロットは、混合材料にFeを添加した材料における電子伝導率を示し、黒丸印のプロットは、比較材料として、Feを添加せずに作製した(すなわち、Fe3+の添加量が0mol%である)混合材料の電子伝導率を示す。
図4に示すように、混合材料にFeを添加することで、バルク電子伝導率の向上が確認された。これは、添加されたFeに由来するFe3+が、LiMnPO中においてMn2+に対する不純物となり、Mn2+の欠陥を引き起こし、該欠陥に起因したキャリアが発生するためと示唆される。
また、得られた電極用材料としてのリン酸マンガンリチウムに、導電助剤およびバインダを混合した。なお、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用い、混合比を重量比(wt%)で、80:15:5(=LiMnPO:アセチレンブラック:PTFT)とした。混合した材料をロールプレス機により圧延してペレット状の電極とした後、該電極にアルミニウムの正極集電体を圧着して、リチウムイオン二次電池の正極を作製した。
また、リチウムイオン二次電池の負極としてはリチウム箔、セパレータとしてはポリプロピレン(PP)を用いた。そして、電解液としては、溶質に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、溶媒にエチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DC)を用いた。なお、電解液はセパレータに含浸させた。
以上のようにして、正極、負極、セパレータ、及び電解液を有するコイン型のリチウムイオン二次電池を得た。正極、負極、セパレータ、及び電解液等の組立ては、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行った。
得られたリチウムイオン二次電池の放電容量を図5に示す。図5において、横軸は放電容量(mAh/g)を示し、縦軸は放電電圧(V)を示す。
図5より、LiMnPO中にFe3+が添加された電極用材料を正極活物質として用いた場合、リチウムイオン二次電池の放電容量の向上が確認された。これは、Fe3+の添加により、正極活物質におけるバルク電子伝導率が向上したためと示唆される。また、Mn2+に対するFe3+の添加量が1mol%乃至10mol%の全ての範囲内で、放電容量の向上が確認され、特に、添加量が2mol%以上5mol%以下の範囲内でより大きな効果が確認された。
以上示したように、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)において、Mn2+と異なる価数を有する金属元素を含む化合物(すなわち、Fe3+を含むFe)を添加することで、電子伝導率の向上した電極用材料を作製することが可能である。また、該電極用材料を用いてリチウムイオン二次電池を作製することにより、放電容量の高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
100 正極集電体
101 正極活物質層
102 正極
105 負極集電体
106 負極活物質層
107 負極
110 セパレータ
111 電解液
120 筐体
121 電極
122 電極
3010 携帯電話機
3011 筐体
3012 表示部
3013 操作ボタン
3014 外部接続ポート
3015 スピーカー
3016 マイク
3017 操作ボタン
3030 電子書籍用端末
3031 筐体
3032 軸部
3033 筐体
3035 表示部
3037 表示部
3039 操作ボタン
3041 スピーカー
3043 電源
3050 電気自動車
3051 蓄電装置
3053 制御回路
3055 コンピュータ
3057 駆動装置
3070 車椅子
3073 制御部
3075 駆動部
3077 コントローラ

Claims (6)

  1. リチウムを含む化合物と、
    マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、
    リンを含む化合物と、
    前記第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合した混合材料を焼成して、前記第1の金属元素を含むリン酸リチウム化合物を形成する、蓄電装置の製造方法。
  2. リチウムを含む化合物と、
    マンガン、鉄、コバルト、またはニッケルから選ばれる第1の金属元素を含む化合物と、
    ケイ素を含む化合物と、
    前記第1の金属元素とは異なる価数を有する第2の金属元素を含む化合物と、を混合した混合材料を焼成して、前記第1の金属元素を含むケイ酸リチウム化合物を形成する、蓄電装置の製造方法。
  3. 前記混合材料の焼成は、300℃以上400℃以下の温度で熱処理する第1の焼成と、500℃以上800℃以下の温度で熱処理する第2の焼成と、を含む請求項1または2に記載の蓄電装置の製造方法。
  4. 前記第2の金属元素として、前記第1の金属元素の価数より1価または2価多い価数を有する金属元素、もしくは、前記第1の金属元素の価数より1価または2価少ない価数を有する金属元素を用いる、請求項1乃至3のいずれか一に記載の蓄電装置の製造方法。
  5. 前記第2の金属元素を含む化合物として、Fe、Ti、CuOまたはSiOを用いる請求項1乃至4のいずれか一に記載の蓄電装置の製造方法。
  6. 前記混合材料は、前記第1の金属元素に対して、1mol%以上10mol%以下の前記第2の金属元素を含む請求項1乃至5のいずれか一に記載の蓄電装置の製造方法。
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