JP2012032162A - コンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンタクタが設けられた第1部材110と、第1部材の一部が挿入された第2部材120と、第1部材を第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段130と、第1部材と第2部材との間で導通を確保する導電部材140とを備えるコンタクトプローブ100を、導電部材は第2部材に固定された固定端、及び、第1部材に導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部142と、複数の電極部の固定端の間を連結して第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、電極部と一体に形成された環状部141とを有する構成とする。
【選択図】図3
Description
このようなコンタクトプローブは、一例として、先端に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた軸状の接触部材と、接触部材を軸方向に摺動可能に保持するバレル等の保持部材とを備えている。保持部材と接触部材との間には、接触部材を測定対象物に加圧接触させるスプリング等の付勢手段が設けられる。
このような導電部材には、摺動部における電気抵抗が十分に低くかつ安定していることが要求される。
また、特許文献2に記載された技術では、上述した特許文献1の問題点はある程度解消することが可能であるが、複数の接触線材を用いるため部品点数が多く、製造工程が煩雑となる。また、線材を用いた場合、各線材と摺動対象物との接触面積が小さいため、電気的特性や摩耗に懸念が生じる。さらに、線材をU字状に曲げて構成しているため、曲げRを確保するために導電部材が径方向に占めるスペースが大きくなってしまう。
本発明の課題は、製造が容易であり良好な電気的特性を安定して得られるコンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材を提供することである。
請求項1の発明(第1発明)は、軸状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、筒状に形成され前記第1部材の一部が挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材とを備えるコンタクトプローブであって、前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有することを特徴とするコンタクトプローブである。
また、片持ち支持されるプレート状の電極部が導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって摺動対象物に押圧されることによって、例えば電極部の両端が支持された従来技術に対して、バネ定数を低くすることが容易となり摺動不良を防止でき、またバネ定数及び電気的特性の寸法依存性を低くして、安定した性能を発揮させることができる。
さらに、電極部がプレート状に形成されることから、例えば線材状のものに対して接触面積を増加させることが容易であり、電気的特性を改善するとともに摩耗を低減することができる。
これによれば、導電部材全体をほぼ円筒状に形成することによって、導電部材が径方向に占めるスペースを小さくすることができ、コンタクトプローブの外径が肥大化することを防止できる。
これによれば、導電部材の耐摩耗性などの耐久性を確保し、コンタクトプローブの耐久性、信頼性を向上することができる。
これによれば、電極部の剛性を最適化し、良好な電気的特性及び摺動性を確保することができる。
これによれば、サイズが小さく薄肉の導電部材であっても精度良く製作することができ、コンパクトで高性能なコンタクトプローブを提供することができる。
これによれば、比較的サイズが大きい導電部材において、良好な特性を得ることができる。
これによれば、加工性を損なわない程度の肉厚を有する状態で母材を形成し、その後エッチングによって肉厚を低減することによって、加工性を損なうことなく所望の肉厚の導電部材を製作することができる。
これによれば、コンタクトプローブの使用に伴う導電部材のずれ等を防止し、コンタクトプローブの耐久性、信頼性を確保することができる。
これによれば、上述したコンタクトプローブに関する発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
なお、各実施形態のコンタクトプローブは、それぞれ本発明を適用したコンタクトプローブの実施形態を備えている。
以下、本発明を適用したコンタクトプローブの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、第1実施形態のコンタクトプローブ100は、プローブ本体110、バレル120、スプリング130、導電部材140等を備えて構成されている。
第1実施形態において、プローブ本体110及びバレル120は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体110は、スライド軸部111、コンタクタ112、ストッパリング113、接続端子114等を備えている。
第1実施形態においては、接触面112aは、例えばプローブ本体110の中心軸と直交する平面状に形成されているが、これに限らず凹状、凸状など仕様に応じて任意に選択可能である。
接続端子114は、ストッパリング113に対してスライド軸部111とは反対側に突き出して形成されている。
接続端子114の突端部は、半球状の凸面に形成されている。
バレル120は、例えばステンレス合金などの導電性金属を、切削加工等によって円筒状に形成したものである。プローブ本体110は、スライド軸部111がバレル120の内径側に挿入されることによって支持される。バレル120の内周面には、例えばフッ素加工などの低摩擦処理を施してもよい。
導電部材収容部121は、バレル120におけるコンタクタ112側の一部の領域の内径を、他の部分に対して段状に大きくすることによって形成されている。
導電部材収容部121の内径は、中間に設けられた段部121aよりもストッパリング113側においては、コンタクタ112側に対して小さく形成されている。
このような段部121aは、後述する導電部材140の電極部142がスライド軸部111に当接するよう先窄みのテーパ状とするために設けられるものである。
スプリング130は、プローブ本体110と同軸に配置され、プローブ本体110のスライド軸部111はスプリング130の内径側に挿入されている。
スプリング130の一方の端部は、バレル120のフランジ部122に当接している。また、スプリング130の他方の端部は、プローブ本体110のコンタクタ112におけるフランジ部122と対向する面部に当接している。
なお、コンタクトプローブ100の無負荷状態(接触面112aが押されていない状態)において、ストッパリング113は、バレル120のフランジ部122とは反対側の端面と加圧接触している。
環状部141は、導電部材140の軸線方向における一方の端部に設けられ、周方向にわたって連続して形成された環状の部分である。
環状部141は、図3に示すように、バレル120の導電部材収容部121内に挿入され、導電部材収容部121の内周面と例えば溶接、ロウ付け、圧接、挟み込み等の固定手法によって、バレル120と導通した状態で固定される。
また、図3に示すように、環状部141のコンタクタ112側の端面は、バレル120のフランジ部122の端面とほぼ同一平面上となるように配置されている。
電極部142は、環状部141と一体に形成され固定された固定端、及び、固定端の反対側(突端側)に設けられた摺動端を備えている。摺動端は、固定端に対して電極部142が撓むことによって揺動可能とされスライド軸部111に当接し摺動する。
図2等に示すように、電極部142は、導電部材140の周方向に等間隔に分散して、例えば4本設けられている。
隣接する電極部142の間隔には、導電部材140の軸方向にほぼ沿って直線状に伸びたスリットSが設けられている。
この例において、導電部材140の厚さT1は0.02mm(20μm)であるが、この厚さT1は、少なくとも300μm以下であり、特に200μm以下であることが好ましい。特に、微弱な電気信号を取り出す場合には、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、60μm以下とりわけ50μm以下であることがさらに好ましい。
このような厚さT1は、摺動部において過大な摺動抵抗が生じたり、接触面圧が低下して導通が不安定になるなど摺動特性や電気特性に問題が生じないように設定される。
この手法においては、先ず導電部材140の内径とほぼ同じ外径を有する円柱状の芯金を作成し、その外周面部に電気鋳造法によって薄膜を形成する。その後、芯金を取り除くことによって、所望の肉厚の円筒状のワークが得られる。
そして、例えばワイヤー放電加工等によって、スリットSとなる部分を除去することによって、導電部材140は形成される。
この状態で導電部材140の内径側にプローブ本体110が挿入されることによって、電極部142の先端部は、導電部材140自体の弾性力によって、スライド軸部111の外周面に加圧接触する。
また、電極部142の先端部は、プローブ本体110がバレル120に対して相対変位(ストローク)する際に、スライド軸部111の外周面と摺動しながら導通を維持する。
なお、導電部材140の電極部142のくせ付けは、上述したような段部121aを用いたものに限らず、導電部材140が部品単体の状態で電極部142を摺動対象物側へ曲げることによって行っても良い。
図4に示すように、比較例の導電部材においては、ゲージ径が2.4−2.5mmにおいては抵抗値が十分に低く良好な特性を示すが、ゲージ径が2.3mmでは抵抗値が急増し、2.2mm以下では導通不良となって測定不可能となった。
これに対し、第1実施形態の導電部材140においては、ゲージ径が2.3−2.5mmでは抵抗値がほとんど変化せず、2.2mm以下では抵抗値こそやや増加するものの、2.0mmまで安定した抵抗値を示した。
図5に示すように、比較例の導電部材においてはゲージ径2.3−2.5mmの範囲にわたって第1実施形態よりも挿入荷重が大きく、フリクションが大きいことがわかる。また、比較例においては、ゲージ径の拡大に伴う挿入荷重の増加率が大きい。さらに、使用に伴う変形による挿入荷重の低下が顕著であって、耐久性、信頼性に懸念が生ずる。
これに対し、第1実施形態の導電部材140においては、実用可能な全範囲にわたって比較例よりも挿入荷重が小さく、さらにゲージ径の拡大に対する挿入荷重の増加率も小さく、コンタクトプローブのストローク時におけるフリクションを小さくできることがわかる。
(1)片持ち支持される複数のプレート状の電極部142を環状部141で連結することによって、複数の電極部142を含む導電部材140を一体に形成することができ、部品点数が低減し、製造工程が簡素化されるとともに、コストも低下させることができる。
また、片持ち支持されるプレート状の電極部142が導電部材140自体の弾性により得られる付勢力によってスライド軸部111に押圧されることによって、例えば電極部の両端が支持された従来技術に対して、バネ定数を低くすることが容易となり摺動不良を防止でき、またバネ定数及び電気的特性の寸法依存性を低くして、安定した性能を発揮させることができる。
さらに、電極部142がプレート状に形成されることから、例えば線材状のものに対して接触面積を増加させることが容易であり、電気的特性を改善するとともに摩耗を低減することができる。
(2)導電部材140全体をほぼ円筒状に形成することによって、導電部材140が径方向に占めるスペースを小さくすることができ、コンタクトプローブ100の外径が肥大化することを防止できる。
(3)HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足する材料で導電部材140を形成することによって、導電部材140の耐摩耗性などの耐久性を確保し、コンタクトプローブ100の耐久性、信頼性を向上することができる。
(4)電極部142の厚さを20μmとしたことによって、電極部142の剛性を最適化し、良好な電気的特性及び摺動性を確保することができる。
(5)導電部材140を、ニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造して形成したことによって、サイズが小さく薄肉の導電部材140であっても精度良く製作することができ、コンパクトで高性能なコンタクトプローブ100を提供することができる。
(6)導電部材140の環状部141は、バレル120の導電部材収容部121に溶接、ロウ付け、圧接、挟み込みの少なくとも一つにより固定されることによって、コンタクトプローブ100の使用に伴う導電部材140のずれ等を防止し、コンタクトプローブ100の耐久性、信頼性を確保することができる。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第2実施形態について説明する。
なお、以下説明する各実施形態において、従前の実施形態の構成要素と実質的に共通するものについては下2桁が同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示す第2実施形態のコンタクトプローブ200は、スプリング230をバレル220の内部に収容したものである。
コンタクトプローブ200は、例えば、全長が9.5mm、直径0.5mmの針状に形成されている。
コンタクトプローブ200は、プローブ本体210、バレル220、スプリング230、導電部材240等を備えている。
第2実施形態において、プローブ本体210及びバレル220は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸部211は、バレル220の内径側に挿入され、バレル220によって軸方向に相対変位可能に支持される部分である。
コンタクタ212は、スライド軸部211の一方の端部に形成されている。コンタクタ212は、スライド軸部211よりも外径が大きい円柱状に形成されている。
小径部215は、スライド軸部211の中間部分に設けられ、スライド軸部211の他の部分よりも段状に凹まされて小径に形成されている。この小径部215は、後述するバレル220の小径部と協働して、プローブ本体210のストロークを規制するものである。
テーパ部216は、プローブ本体210のコンタクタ212とは反対側の端部に設けられ、コーン状に突出して形成されている。
バレル220には、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部221が形成されている。
バレル220のプローブ本体210が挿入される側とは反対側の端部223は、例えば絞り加工等によって内径側に丸められ、中心部に開口が設けられたほぼ半球状に形成されている。
小径部224は、プローブ本体210の小径部215と協働してプローブ本体210のストロークを規制するものである。
図6に示すように、無負荷状態において、プローブ本体210の小径部215のコンタクタ212から離れた側の端部は、バレル220の小径部224と当接した状態となっている。
スプリング230の一方の端部は、バレル220の端部223に当接し、他方の端部は、プローブ本体210のテーパ部216に当接している。
導電部材240は、第1実施形態の導電部材140と実質的に同様の環状部241及び電極部242を備えている。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第3実施形態について説明する。
図8に示す第3実施形態のコンタクトプローブ300は、プローブ本体310、バレル320、スプリング330、導電部材340等を備えて構成されている。
第3実施形態において、プローブ本体310及びバレル320は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸部311は、バレル320の内径側に挿入され、バレル320によって軸方向に相対変位可能に支持される部分である。
コンタクタ312は、スライド軸部311の一方の先端部を半球状に形成した部分である。
ストッパ部313は、スライド軸部311のコンタクタ312とは反対側の端部に設けられ、スライド軸部311に対して段状に径を拡大した円柱状の部分である。ストッパ部313は、バレル320の小径部324と協働してプローブ本体310のストロークを規制するものである。
テーパ部316は、ストッパ部313のスライド軸部311側とは反対側の端部に設けられ、スプリング330と当接する部分である。
バレル320は、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部321が形成されている。
また、バレル320は、第2実施形態の端部223、小径部224と実質的に同様の端部323、小径部324が形成されている。
導電部材340は、第1実施形態の導電部材140の環状部141及び電極部142と実質的に同様の環状部341及び電極部342を備えている。
環状部341は、バレル320の導電部材収容部321に固定されている。
電極部342はスライド軸部311に対して摺動可能となっている。
以上説明した第3実施形態によれば、上述した第2実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第4実施形態について説明する。
図9に示すように、第4実施形態のコンタクトプローブ400は、両端部にコンタクタが設けられた2端子型のものである。
コンタクトプローブ400は、一対のプローブ本体410A,410B、バレル420、スプリング430、導電部材440A,440B等を備えて構成されている。
第4実施形態において、プローブ本体410A,410B及びバレル420は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
プローブ本体410Bは、プローブ本体410Aのコンタクタに代えて、スライド軸部の端部を半球上に形成した第3実施形態と同様のコンタクタとしたものである。
プローブ本体410A、410Bは、コンタクタと反対側の端部(テーパ部)が間隔を隔てて対向するようにして、同心に配置されている。
また、バレル420には、プローブ本体410A,410Bにそれぞれ設けられた導電部材440A,440Bがそれぞれ収容される導電部材収容部421A,421Bが形成されている。
以上説明した第4実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第5実施形態について説明する。
図10に示すように、第5実施形態のコンタクトプローブ500は、スライド軸510とコンタクタ520とが別体に形成され、さらに、スプリング530、導電部材540等を備えて構成されている。
第5実施形態において、コンタクタ520及びスライド軸510は、本発明(第2発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸510のコンタクタ520側と反対側の端部には、スプリング固定部511、フランジ部512が形成されている。
スプリング固定部511は、スライド軸510に対して段状に径が大きく形成された部分である。
フランジ部512は、スプリング固定部511のコンタクタ520側と反対側の端部における外周面から、つば状に外径側に張り出して形成されている。
また、第5実施形態のコンタクトプローブ500は、両端部に導電接触部が設けられたタイプのものであり、スライド軸510のコンタクタ520側とは反対側の端部にもコンタクタ部513が形成されている。コンタクタ部513は、フランジ部512に対してコンタクタ520側とは反対側に突き出して形成された円柱状の部分であり、その先端部は半球状に形成されている。
このような構成により、コンタクタ520は、スライド軸510が挿入される側と反対側(後述する接触部522側)の端部が閉塞された円筒状に形成されている。
開口520aの内周面部には、第1実施形態の導電部材収容部121と実質的に同様の導電部材収容部521が形成されている。
また、コンタクタ520の他方の端部には、測定対象物と当接する接触部522が設けられている。接触部522は、例えば、半球状に形成されている。
また、コンタクタ520の接触部522側と反対側の端部近傍には、外周面からつば状に外径側に張り出したフランジ部523が形成されている。
また、スプリング530は、スライド軸510のスプリング固定部511及びコンタクタ520の外周面にそれぞれ固定され、コンタクタ520がスライド軸510から脱落することを防止する。
導電部材540の環状部541は導電部材収容部521に固定されている。
また、電極部542は、環状部541から接触部522側へ突き出して配置されるとともに、先端部(摺動端)が内径側にすぼめられ、スライド軸510の外周面と摺動しつつ電気的導通を確保する。
以上説明した第5実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第6実施形態について説明する。
図11に示すように、コンタクトプローブ600は、プローブ本体610、バレル620、スプリング630、導電部材640等を備えて構成されている。
第6実施形態において、プローブ本体610及びバレル620は、本発明(第1発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
第6実施形態のコンタクトプローブ600は、導電部材640をプローブ本体610に固定し、バレル620の内周面と摺動させる構成としている。
スライド軸部611の中間部には、段状に径が小さくされ、導電部材640が取り付けられる小径部615が形成されている。
スライド軸部611の一方の端部には、スライド軸部611よりも径が小さい連結軸部611aが突き出して形成されている。連結軸部611aは、バレル620の開口部から外部へ突き出している。
また、スライド軸部611のコンタクタ612側とは反対側の端部には、テーパ部616が形成されている。
バレル620のコンタクタ612側とは反対側の端部623は、ほぼ半球状に形成されている。
また、バレル620のコンタクタ612側の端部は、連結軸部611aは通過可能であるが、スライド軸部611本体の通過は規制されるよう、内径側に折り返したストッパ部624が形成されている。このストッパ部624は、プローブ本体610のストロークを規制してプローブ本体610の脱落を防止するために設けられている。
環状部641は、リング状に形成され、その内周面がスライド軸部611に形成された小径部615の外周面と密着する状態で、溶接や圧入等によって固定されている。
電極部642の先端部は、バレル620の内周面に当接し、摺動する。
なお、電極部642には、このような接触力を得るために、バレル620に組み込む前の状態において、先端部が外径側に開くようクセ付けが施されている。
このような小径部643は、環状部641と電極部642との接続部の剛性を調整するために設けられる。したがって、このような小径部643がなくても所望の剛性が得られる場合には、小径部643は省略することができる。
なお、このような導電部材640の組込は、例えば、スライド軸部611を小径部615の内部あるいは端部で分割する2ピース構成とすることによって可能となる。
以上説明した第6実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
次に、本発明を適用したコンタクトプローブの第7実施形態について説明する。
図13に示すように、第7実施形態のコンタクトプローブ700は、スライド軸710とコンタクタ720とが別体に形成され、されに、スプリング730、導電部材740等を備えて構成されている。
第7実施形態において、コンタクタ720及びスライド軸710は、本発明(第2発明)にいう第1部材及び第2部材として機能する。
スライド軸710には、上述した第5実施形態と実質的に同様のスプリング固定部711、フランジ部712、コンタクタ部713が形成されている。
また、スライド軸710のコンタクタ720側の端部には、他の部分に対して外径を段状に小さく形成された円柱軸状の小径部710aが形成されている。
電極部742は、先端部が外径側に開くようくせ付けがなされ、この先端部はコンタクタ720の開口720aの内周面に加圧接触しつつ摺動するようになっている。
以上説明した第7実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した各実施形態においては、導電部材は例えばニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造法によって円筒状に形成して製作しているが、導電部材の材質や製法はこれに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、材料として、例えばSK鋼、ベリリウム銅合金等、ニッケル等以外の金属を用いることができる。
また、製法も、例えば、絞り加工、プレス加工、切削加工等のように、電気鋳造法以外の製法を用いることができる。さらに、このようにして加工したワークに対してエッチング処理を施し、肉厚を低減させて用いることもできる。
(2)コンタクトプローブを構成する各部材の形状、構造、材質、製法も、上述した各実施形態のものに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、導電部材に設けられる電極の本数や配置も適宜変更することができる。例えば、3個以下の電極部や5個以上の電極部を、周方向に等ピッチ又は不等ピッチに配置することもできる。
また、導電部材の環状部は必ずしも全周にわたって連続している必要はなく、一部に非連続部を有する構成としてもよい。
110 プローブ本体 111 スライド軸部
112 コンタクタ 112a 接触面
113 ストッパリング 114 接続端子
120 バレル 121 導電部材収容部
121a 段部 122 フランジ部
130 スプリング 140 導電部材
141 環状部 142 電極部
S スリット
200 コンタクトプローブ(第2実施形態)
210 プローブ本体 211 スライド軸部
212 コンタクタ 215 小径部
216 テーパ部 220 バレル
221 導電部材収容部 223 端部
224 小径部 230 スプリング
240 導電部材 241 環状部
242 電極部
300 コンタクトプローブ(第3実施形態)
310 プローブ本体 311 スライド軸部
312 コンタクタ 313 ストッパ部
316 テーパ部 320 バレル
321 導電部材収容部 323 端部
324 小径部 330 スプリング
340 導電部材 341 環状部
342 電極部
400 コンタクトプローブ(第4実施形態)
410A,410B プローブ本体 420 バレル
421A,421B 導電部材収容部 424A,424B 小径部
430 スプリング 440A,440B 導電部材
500 コンタクトプローブ(第5実施形態)
510 スライド軸 511 スプリング固定部
512 フランジ部 513 コンタクタ部
520 コンタクタ 520a 開口
521 導電部材収容部 522 接触部
523 フランジ部 530 スプリング
540 導電部材 541 環状部
542 電極部
600 コンタクトプローブ(第6実施形態)
610 プローブ本体 611 スライド軸部
611a 連結軸部 612 コンタクタ
615 小径部 616 テーパ部
620 バレル 623 端部
624 ストッパ部
630 スプリング 640 導電部材
641 環状部 642 電極部
643 小径部
700 コンタクトプローブ(第7実施形態)
710 スライド軸 710a 小径部
711 スプリング固定部 712 フランジ部
713 コンタクタ部 720 コンタクタ
720a 開口 722 接触部
723 フランジ部 730 スプリング
740 導電部材 741 環状部
742 電極部
Claims (10)
- 軸状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、
筒状に形成され前記第1部材の一部が挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、
前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、
前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材と
を備えるコンタクトプローブであって、
前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有すること
を特徴とするコンタクトプローブ。 - 筒状に形成され一方の端部に測定対象物と当接するコンタクタが設けられた第1部材と、
軸状に形成され一部が前記第1部材に対して挿入されかつ前記第1部材に対して相対移動可能とされた第2部材と、
前記第1部材を前記コンタクタ側が前記第2部材から繰出される方向に付勢する付勢手段と、
前記第1部材と前記第2部材との間で導通を確保する導電部材と
を備えるコンタクトプローブであって、
前記導電部材は、前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材との一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在し、前記電極部と一体に形成された環状部とを有すること
を特徴とするコンタクトプローブ。 - 前記導電部材における複数の前記電極部及び前記環状部は、筒状の部材の一方の端部から軸方向にほぼ沿って伸びたスリットを周方向に分散した複数箇所に設けることによって一体に形成されること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材は、HRC硬度30以上、ビッカース硬度300以上の少なくとも一方を充足する材料によって形成されること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材の前記電極部の厚さを100μm以下としたこと
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材は、ニッケル又はニッケル系合金を電気鋳造して形成されること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材は、SK鋼又はベリリウム銅合金によって形成されること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材は、絞り加工、プレス加工、切削加工のいずれか1つによって前記電極部及び前記環状部を含む母材が形成された後にエッチングによって肉厚を低減されること
を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項又は請求項7に記載のコンタクトプローブ。 - 前記導電部材の環状部は、前記第1部材と前記第2部材の一方に、溶接、ロウ付け、圧接、挟み込みの少なくとも一つにより固定されること
を特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 軸状に形成された第1部材と、筒状に形成され前記第1部材の一部が相対移動可能に挿入される第2部材との間で導通を確保するコンタクトプローブ用導電部材であって、
前記第1部材と前記第2部材との相対移動方向にほぼ沿って延在するとともに、前記第1部材と前記第2部材の一方に固定された固定端、及び、前記第1部材と前記第2部材との他方に前記導電部材自体の弾性により得られる付勢力によって押圧され摺動する摺動端を両端部に有し、前記第1部材の周方向に分散して複数配置された片持ち支持のプレート状の電極部と、
複数の前記電極部の前記固定端の間を連結して前記第1部材の周方向にほぼ沿って延在する環状部と
を備えること
を特徴とするコンタクトプローブ用導電部材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010169297A JP2012032162A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | コンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010169297A JP2012032162A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | コンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材 |
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JP2010169297A Pending JP2012032162A (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | コンタクトプローブ及びコンタクトプローブ用導電部材 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2010-07-28 JP JP2010169297A patent/JP2012032162A/ja active Pending
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