JP2012031881A - ドグクラッチ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸における軸方向の位置を一定として配置される第1回転体と、第1回転体に対する接近、離反を可能とする第2回転体とが同軸上にて対向して配置され、第1回転体と第2回転体との間には、第1回転体への第2回転体の接近時に相互に噛合い係合する突状の係合凸部21と凹み状の係合凹部22とが複数設けられて形成されるドグクラッチである。そして、係合凸部21の周方向両側の側面のうち少なくとも一方に形成された放射状に延びる係合面21aと、係合凸部21が突設された支持面13との交差部15に、交差部15の少なくとも一部を肉厚にする補強リブ20が設けられたことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
一般に、ドグクラッチにおいて、係合凸部と係合凹部との噛合う強度、所謂、ドグ強度を向上させる手法としては、例えば、係合凸部の角度を広げる(ドグクラッチ回転方向の角度を広げて大きくする)等の手法が行われるが、この種の対策手法においては、ドグクラッチの噛合わない領域が増えるために変速機としてのシフト性能が損なわれる懸念があり、ドグ強度を向上させるには適切な対策方法ではなかった。
そして、例えば、突状の係合凸部48の周方向両側の側面のうち少なくとも一方に形成されて回転軸線を含む平面に沿って放射状に延びる平坦な係合面90と、支持面44aとの間に、支持面44aと平行な平面上に設定される係合面90の基端90aに滑らかに連なるようにフィレット部49が設けられた構造である。
特許文献1に記載された構成によってその効果がみられる。しかしながら、特許文献1に記載された構成においても、フィレット部49を、より大きく形成すればするほど効果が大きくなるが、その一方で、大きくし過ぎると係合面90のクラッチ係合面積に影響を及ぼし、また、変速機の回転軸方向の大きさに影響する等の課題もあり、より効果的にドグ強度を向上させるという点からは改良の余地があった。
この変速機TMは、例えば二輪車の変速機に用いて好適なものであるが、図1に示すように、クランクケース1に玉軸受4a,4bを介して回転可能に支持されるメイン軸2と、このメイン軸2と平行に配置されて、クランクケース1に玉軸受4c,4dを介して回転可能に支持されるカウンタ軸3と、メイン軸2とカウンタ軸3との間に配設され、メイン軸2の回転駆動力をカウンタ軸3に伝達する第1速〜第6速用歯車列G1〜G6と、を備える。
なお、第3速用駆動歯車M3および第4速用駆動歯車M4は、上記のごとく一体構造であり、本発明で云うところの第2回転体である。
第5速用従動歯車C5には複数の係合凸部23が、第4速用従動歯車C4には複数の係合凹部22が、両歯車の対向端面の円周方向に略等間隔にそれぞれ形成されている。
そして、シフタギヤである第6速用従動歯車C6と第3速用従動歯車C3との間に設けられ、第6速用従動歯車C6及び第3速用従動歯車C3の対向端面の一方と他方に、互いに係合可能な複数の係合凸部23(ドグ部材)と係合凹部22が円周方向に略等間隔にそれぞれ形成される。
なお、このような切り換え操作は、第6速用従動歯車C6、及び第3,第4速用駆動歯車M3,M4においても同様である。
第6速用従動歯車C6は、前掲したように、第2シフトフォーク5bによってカウンタ軸3に沿うように駆動される。そして、図2に拡大して示すように、その一端側(第2速用従動歯車C2の側から見た形状)の端面を構成する支持面13には、第4ドグクラッチDC4を構成する係合凸部21が円周方向に等間隔で6個突設されている。また、第6速用従動歯車C6の他端側には,第3ドグクラッチDC3を構成する係合凸部23が突設されている。
第6速用従動歯車C6は、係合凸部21が形成されている側の外周のリム部12には歯車(動力伝達歯)11が形成されている。さらに、図3に示すように、カウンタ軸3と係合する内周のボス部10にはスラスト歯61が形成され、このリム部12とボス部10とを連結した環状連結部14には、その軸方向略中段のところには第2シフトフォーク5bが係合する環状溝17(図1参照)を有する。
第2速用従動歯車C2は、図7に示すように、外周に第2速用駆動歯車M2と歯合するギヤ歯19を備えるリム部12aと、内周のボス部10aと、リム部12aとボス部10aを径方向に連結して、円周方向に略等間隔に形成される複数(本実施形態では6個)のドグ部材であるリブ16と、から係合凹部22が画成されている。
そして、前掲のごとく構成された係合凹部22内に係合凸部21が進入することで、第4ドグクラッチDC4が噛合うことができる。
一方、補強リブ20は、図3のごとく、係合面21aを側方から見るとともに図2のA−A断面を見た場合、支持面13がドグクラッチ内周側に低くなる(図3において係合凸部21の上端面に対して低くなる)構成に対して、係合凸部21の内周側が外周側よりも肉厚(図6参照)になるように形成されている。
なお、補強リブ20の上面20aは、平坦面ではあるものの、その周囲の面と円滑な曲線で連続するため、当然の構成として、支持面13および係合面21aとの間においては適宜フィレット構造を有している。
この構成とは、係合凸部21が歯車11の構成の一部を有した構造であり、図4および図5に示すように、係合凸部21の外周面(ドグクラッチ半径方向外側の外周面)に、歯車11の一部として歯底円11aが連続して形成されている。すなわち、本実施形態においては、このような構成は、係合凸部21が歯車11とオーバーラップした構成で、歯車11と同時加工されている。
本実施形態の補強リブ20は、図6に示すように、支持面13からの突出高さが外側高さh1と内側高さh2が異なり、支持面13の傾斜に相応して、ドグクラッチ内周側へ向って漸次大きく(外側高さh1よりも内側高さh2が大きく)なるように構成されていることで、係合凸部21のドグクラッチ半径方向内周側が大きく構成されている。
すなわち、本実施形態においては、支持面13は、ドグクラッチ半径方向外方側から半径方向内方側に向って係合凸部21の係合面21aの突出高さHを大きくするように傾斜している。この構成によれば、補強リブ20が形成される部分は、支持面13の傾斜によって係合凸部21の先端面から距離が大きい位置(対向する回転体からの距離が大きい位置)となるので、対向する回転体と干渉することが避けられる。また、これにより変速機の回転軸方向の幅を小さくできる。
この構成により、補強リブ20が設けられても、回転軸方向において支持面13よりも張り出さないので、対向する回転体との干渉することが避けられ、変速機の回転軸方向の幅を小さくできる。
3 カウンタ軸(回転軸)
10,10a ボス部
11 歯車(動力伝達歯)
12,12a リム部
13 支持面
14 環状連結部
15 交差部
16 リブ(ドグ部材)
20 補強リブ
20a 補強リブ上面
21,23 係合凸部(ドグ部材)
16a,21a 係合面
22 係合凹部
C1〜C6 第1〜第6速用従動歯車
M3〜M6 第3〜第6速用駆動歯車
DC1〜DC6 ドグクラッチ
Claims (7)
- 回転軸(2,3)における軸方向の位置を一定として配置される第1回転体(C1,C2,C3,C4,M5,M6)と、前記第1回転体(C1,C2,C3,C4,M5,M6)に対する接近、離反を可能とする第2回転体(M3,M4,C5,C6)とが同軸上にて対向して配置され、前記第1回転体(C1,C2,C3,C4,M5,M6)と前記第2回転体(M3,M4,C5,C6)との間には、前記第1回転体(C1,C2,C3,C4,M5,M6)への前記第2回転体(M3,M4,C5,C6)の接近時に相互に噛合い係合する突状の係合凸部(21,23)と凹み状の係合凹部(22)とが複数設けられて形成されるドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)であって、
前記係合凸部(21,23)の周方向両側の側面のうち少なくとも一方に形成された放射状に延びる係合面(21a)と、前記係合凸部(21,23)が突設された支持面(13)との交差部(15)に、前記交差部(15)の少なくとも一部を肉厚にする補強リブ(20)が設けられたことを特徴とするドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。 - 前記補強リブ(20)は、前記回転軸(2,3)寄りの位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
- 前記支持面(13)は、クラッチ半径方向外方側からクラッチ半径方向内方側に向って前記係合凸部(21,23)の係合面(21a)の突出高さ(H)を大きくするように傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
- 前記補強リブ(20)は、前記支持面(13)から見て突出した高さが該支持面(13)の最も高い位置(HP)と同じか低く構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
- 前記補強リブ(20)は、前記支持面(13)から前記係合面(21a)に連なる上面(20a)が一様な角度で形成された実質的な平坦面で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
- 前記係合凸部(21,23)の外周面には、該係合凸部(21)の外側に隣接する歯車(11)の歯底円(11a)の一部が該歯車11と同時に加工されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
- 前記補強リブ(20)は、前記支持面(13)からの突出高さ(h1,h2)が、ドグクラッチ内周側へ向って漸次大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のドグクラッチ(DC1,DC2,DC3,DC4,DC5,DC6)。
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