JP6137110B2 - 変速機のハウジング - Google Patents

変速機のハウジング Download PDF

Info

Publication number
JP6137110B2
JP6137110B2 JP2014212650A JP2014212650A JP6137110B2 JP 6137110 B2 JP6137110 B2 JP 6137110B2 JP 2014212650 A JP2014212650 A JP 2014212650A JP 2014212650 A JP2014212650 A JP 2014212650A JP 6137110 B2 JP6137110 B2 JP 6137110B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
engine
transmission
front housing
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014212650A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016080089A (ja
Inventor
雅晃 渡部
雅晃 渡部
克明 延河
克明 延河
和洋 松岡
和洋 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014212650A priority Critical patent/JP6137110B2/ja
Publication of JP2016080089A publication Critical patent/JP2016080089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6137110B2 publication Critical patent/JP6137110B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

本発明は、エンジンに連結される変速機のハウジングに関する。
従来、自動車等の車両には、エンジンの回転を変速して駆動輪に伝達するための手動式あるいは自動式の変速機が搭載される。例えば、特許文献1には、エンジンに縦置きに連結される変速機において、その変速機ケース(ハウジング)の外周面に補強用リブを形成することが開示される。
特開2000−249222号公報(特に、段落0018、図1及び図2)
しかし、変速機のハウジングの外周面に補強用リブを形成するとハウジングの重量が増加するという問題がある。
そこで、本発明は、重量増加が抑制されながら剛性が確保される変速機のハウジングを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、往復動するピストンを備えたエンジンに連結される変速機のハウジングであって、上記変速機の部品を収容する周壁と、当該周壁の一端に設けられ、エンジンと連結される取付フランジとを備え、上記取付フランジは、ピストン往復動方向の一方側部分及び中間部においてのみエンジンと連結されており、上記ハウジングの外周面には、補強用リブが形成されず、かつ、当該ハウジングの周壁のうち、ピストン往復動方向の一方側に位置する部分は、上記ピストン往復動方向の他方側に位置する部分、及びこれら両部分以外の部分と比べて、肉厚が厚く形成されることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングの外周面に補強用リブが形成されないため、ハウジングの外周面に補強用リブが形成される場合に比べて、ハウジング自体の径が例えば設計空間内で拡大される。その結果、ハウジングの剛性が効率よく向上する。しかも、補強用リブが形成されないから、ハウジングの重量が大幅に増加することが回避される。
加えて、ハウジングの周壁の肉厚が上記のように調整される(ピストン往復動方向の一方側に位置する部分の周壁の厚みが相対的に厚くされる)ことにより、例えばハウジングの周壁が全周に亘って同じ厚みに形成される場合(ピストン往復動方向の一方側に位置する部分以外の周壁の厚みが相対的に薄くされない場合)に比べて、ピストン往復動方向の曲げ剛性が保持されつつ、周方向のねじり剛性が過度に大きくなることが防止される。そのため、ハウジングの重量がさらに低減し、かつ、曲げ剛性とねじり剛性とがバランスよく向上する。
本発明において、「補強用リブ」とは、それが形成されるハウジングの周壁の厚み以上の厚み(幅)を有し、ハウジングの軸方向又は周方向にハウジングを補強する効果が得られるだけの所定の長さ延設されるものをいう。
本発明においては、当該ハウジングの内部にエンジンの回転を駆動輪に伝達するための動力伝達軸を支持すると共に上記動力伝達軸に備えられてエンジンの回転を変速するための変速ギヤを収容するケースが当該ハウジングと一体に設けられ、上記ケースの外周面と当該ハウジングの内周面との間にリブが設けられることが好ましい。
この構成によれば、ハウジング内部に設けられるリブ(内部リブ)によりハウジングの剛性がさらに向上すると共にケースの剛性も確保される。そのため、ケースによる動力伝達軸及び変速ギヤの支持剛性が確保される。
本発明においては、上記ケースの外周面は軸方向の端部側が縮径するように軸方向に傾斜することが好ましい。
この構成によれば、ケースの外周面が軸方向に傾斜しない場合に比べて、ケースの容量が減少する。そのため、ケースに充填するオイルの量が削減される。
本発明によれば、重量増加が抑制されながら剛性が確保される変速機のハウジングが提供される。
本発明の実施形態に係る手動変速機の骨子図である。 上記変速機の左側面図である。 上記変速機の要部の縦断面図である。 上記変速機のフロントハウジングの平面図(上面図)である。 上記フロントハウジングの底面図(下面図)である。 上記フロントハウジングの正面図(前面図)である。 上記フロントハウジングの背面図(後面図)である。 上記変速機が連結されるエンジンの概略背面図である。 図2のIX−IX線矢視断面図である。 図2のX−X線矢視断面図である。 上記変速機が上記エンジンに連結された状態を示す概略背面図である。
以下、図面に基き本発明の実施形態を説明する。
本実施形態において、本発明は、図1に示す前進6速・後進1速の手動変速機1に適用される。手動変速機1は、気筒列が車両前後方向に延びるようにエンジン2が車両前部のエンジンルーム(図示せず)に縦置きに配置され、かつ後輪(図示せず)が駆動輪とされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両に搭載される。
手動変速機1は、エンジン2の出力軸3にクラッチ4を介して連結される車両前後方向に延びるドライブシャフト10と、小径ギヤ5及び大径ギヤ6を含む減速ギヤ列Ginを介してドライブシャフト10の回転が入力されるカウンタシャフト20と、カウンタシャフト20に平行に配置されかつドライブシャフト10に同軸に配置されるアウトプットシャフト30とを有する。
カウンタシャフト20とアウトプットシャフト30との間に、車両前側(エンジン2側)から、5速用ギヤ列G5、2速用ギヤ列G2、1速用ギヤ列G1、4速用ギヤ列G4、3速用ギヤ列G3、及びリバース用ギヤ列GRがこの順に配設される。なお、6速は、ドライブシャフト10とアウトプットシャフト30とが直結されることにより達成される(ギヤ比は1)。
1〜5速用ギヤ列G1〜G5は、それぞれ、カウンタシャフト20に固設される1〜5速用プライマリギヤ11〜15と、プライマリギヤ11〜15に噛み合った状態でアウトプットシャフト30に遊嵌合される1〜5速用セカンダリギヤ21〜25とを含む。
リバース用ギヤ列GRは、カウンタシャフト20に固設されるリバースプライマリギヤ16と、プライマリギヤ16に噛み合った状態でリバースシャフト40に遊嵌合されるリバースアイドルギヤ46と、アイドルギヤ46に噛み合った状態でアウトプットシャフト30に遊嵌合されるリバースセカンダリギヤ26とを含む。
ここで、手動変速機1は、本発明の「変速機」に相当し、カウンタシャフト20及びアウトプットシャフト30は、本発明の「動力伝達軸」に相当し、各プライマリギヤ11〜16及びセカンダリギヤ21〜26は、本発明の「変速ギヤ」に相当する。
アウトプットシャフト30上の1速用セカンダリギヤ21と2速用セカンダリギヤ22との間、3速用セカンダリギヤ23と4速用セカンダリギヤ24との間、5速用セカンダリギヤ25の車両前側、及びリバースセカンダリギヤ26の車両後側(反エンジン2側)に、それぞれ、1−2速用同期装置50、3−4速用同期装置60、5−6速用同期装置70、及びリバース用同期装置80が配設される。
チェンジレバー90(図2及び図11参照)の操作によりコントロールロッド及びシフトロッド(いずれも図示せず)を介して上記同期装置50,60,70,80のスリーブ51,61,71,81が車両前後方向にスライドされると、スライドされた側のセカンダリギヤ21〜26がアウトプットシャフト30に固定され、そのギヤ列G1〜G5,GRが動力伝達状態となる。その結果、クラッチ4及び減速ギヤ列Ginを介してカウンタシャフト20に伝達されたエンジン2の回転がギヤ列G1〜G5,GRのギヤ比で変速されてアウトプットシャフト30に伝達される。アウトプットシャフト30の回転はプロペラシャフト及び差動装置(いずれも図示せず)を介して左右の後輪に伝達される。なお、5−6速用同期装置70のスリーブ71が車両前側にスライドされると、ドライブシャフト10とアウトプットシャフト30とが直結され、6速が達成される。
図2及び図3に示すように、この手動変速機1は、車両前側から、フロントハウジング110、ベアリングハウジング120、センターハウジング130、及びエクステンションハウジング140を含む。
フロントハウジング(本発明の「ハウジング」に相当する)110は、車両前側が車両後側よりも拡径する円筒状(コーン状)であり、クラッチ4、減速ギヤ列Gin、5−6速用同期装置70、5速用ギヤ列G5、2速用ギヤ列G2、1−2速用同期装置50、及び1速用ギヤ列G1を収容する。また、フロントハウジング110は、第1ベアリングB1を介してドライブシャフト10の後端部及びアウトプットシャフト30の前端部を回転可能に支持し、第2ベアリングB2を介してカウンタシャフト20の前端部を回転可能に支持する。
ベアリングハウジング120は、フロントハウジング110の後端面と略同じ外形の前端面を有する盤状であり、第3ベアリングB3を介してアウトプットシャフト30の中間部を回転可能に支持し、第4ベアリングB4を介してカウンタシャフト20の中間部を回転可能に支持する。
センターハウジング130は、ベアリングハウジング120の後端面と略同じ外形の前端面を有する円筒状であり、4速用ギヤ列G4、3−4速用同期装置60、3速用ギヤ列G3、及びリバース用ギヤ列GR(図3においては展開された状態で表される)を収容する。また、センターハウジング130は、第5ベアリングB5を介してアウトプットシャフト30の中間部を回転可能に支持し、第6ベアリングB6を介してカウンタシャフト20の後端部を回転可能に支持する。
エクステンションハウジング140は、センターハウジング130の後端面と略同じ外形の前端面を有するケース部材であり、前部にアウトプットシャフト30上のリバース用同期装置80を収容し、後部にチェンジレバー90を備える。
センターハウジング130の後部とエクステンションハウジング140の前部との間にリバースアイドルギヤ46を支持するリバースシャフト40が架設される。
エンジン2の後端面にフロントハウジング110の前端面が連結され、フロントハウジング110の後端面にベアリングハウジング120の前端面が連結され、ベアリングハウジング120の後端面にセンターハウジング130の前端面が連結され、センターハウジング130の後端面にエクステンションハウジング140の前端面が連結される。
図4及び図5に示すように、フロントハウジング110の外周面110aには、フロントハウジング110の剛性を高めてフロントハウジング110を補強するための補強用リブが形成されない。そのため、フロントハウジング110の外周面110aは、クラッチ4の操作部材(図示せず)を挿通させるための開口部111aや、前後の取付フランジ111b,111cにおいて締結ボルト(図示せず)を挿通させるための陥没部111d及び隆起部111eや、スタータ(図示せず)を格納するための膨出部111f等を除き、平滑面に仕上げられる。上記クラッチ操作部材挿通用開口部111aの周囲の突壁はフロントハウジング110を補強するためのものではない。
図3、図6、及び図7に示すように、フロントハウジング110の内部にケース150がフロントハウジング110と一体に設けられる。ケース150は縦壁151と周壁152とを有する。縦壁151の周縁部は周壁152の前端部と相互に連続し、周壁152の後端部はフロントハウジング110の後部と相互に連続する。ケース150はフロントハウジング110の後部から前部に向けて軸方向に突出する形状である。
ケース150は、フロントハウジング110が収容する部材のうち、クラッチ4を除く、減速ギヤ列Gin、5−6速用同期装置70、5速用ギヤ列G5、2速用ギヤ列G2、1−2速用同期装置50、及び1速用ギヤ列G1を収容する。
縦壁151の上部に第1ベアリングB1を嵌入するための円形開口159aが形成され、上記第1ベアリングB1にドライブシャフト10の後端部が回転可能に支持される。ドライブシャフト10の後端部にアウトプットシャフト30の前端部が後方から同軸に挿入されてドライブシャフト10に相対回転可能に支持される。すなわち、ケース150は、縦壁151の上部において、第1ベアリングB1及びドライブシャフト10を介してアウトプットシャフト30の前端部を回転可能に支持する。
縦壁151の下部に第2ベアリングB2を嵌入するための円形開口159bが形成され、上記第2ベアリングB2にカウンタシャフト20の前端部が回転可能に支持される。すなわち、ケース150は、縦壁151の下部において、第2ベアリングB2を介してカウンタシャフト20の前端部を回転可能に支持する。
アウトプットシャフト30とカウンタシャフト20とが相互に上下に配置されるため、アウトプットシャフト30に備えられた5速用、2速用、及び1速用セカンダリギヤ25,22,21と、カウンタシャフト20に備えられた5速用、2速用、及び1速用プライマリギヤ15,12,11とがケース150の内部で相互に上下に配置される。そのため、ケース150は、上下方向の長さ(高さ)が左右方向の長さ(幅)よりも大きい縦長の形状である。
ケース150の内部には、潤滑・冷却用のオイルが充填される。そのため、図6から明らかなように、ケース150の縦壁151は、カバー部材(図示せず)を油密に取り付けるために前面が平坦な合わせ面とされたフランジ状に形成される。図6において、符号159cはコントロールロッドを挿通させるための開口、符号159dはシフトロッドを挿通させるための開口である。
ケース150の内部において減速ギヤ列Ginが最も車両前側に配置される。減速ギヤ列Ginはドライブシャフト10に固設される小径ギヤ5とカウンタシャフト20に固設される大径ギヤ6とを含む。小径ギヤ5がケース150の内部で上部に配置され、大径ギヤ6がケース150の内部で下部に配置される。そのため、ケース150の周壁152の外周面150aのうち上部の外周面150aは、車両前側(縦壁151側)が縮径する(下方に位置する)ように軸方向に傾斜する。これに対向して、フロントハウジング110の周壁112の内周面110bのうち上部の内周面110bは、車両前側(エンジン2側)が拡径する(上方に位置する)ように軸方向に傾斜する。一方、ケース150の周壁152の外周面150aのうち下部の外周面150aは、大幅には軸方向に傾斜しない。また、フロントハウジング110の周壁112の内周面110bのうち下部の内周面110bも、大幅には軸方向に傾斜しない。
上記ケース150の周壁152の外周面150aと上記フロントハウジング110の周壁112の内周面110bとの間に複数(図例では7つ)のリブ(内部リブ)160が設けられる。リブ160はケース150の外周面150aとフロントハウジング110の内周面110bとを繋ぐように上記両面150a,110b間に架設され、軸方向から見て放射状に配置される(図6参照)。ただし、ケース150の下部の外周面150aとフロントハウジング110の下部の内周面110bとの間にはほとんどスペースがないので、ここにはリブ160が設けられないか、設けられても比較的小さいリブ160が設けられる(図6参照)。
図8に示すように、エンジン2は、シリンダブロック2a、シリンダヘッド2b、オイルパン2c、及びヘッドカバー2dを有する。エンジン2の車両左側に吸気系7が配置され、車両右側に排気系8が配置される。エンジン2は、吸気系7の長さと排気系8の長さとの違い等から、エンジンルームでの搭載性確保のために、シリンダボア軸線Lが出力軸3を中心に鉛直面から車両右側に所定角度θ(例えば6〜8°等)だけ傾斜(スラント)している。そのため、エンジン2のピストン(図示せず)が往復動する方向Dもまた車両右側に上記角度θだけ傾斜している。
本実施形態では、フロントハウジング110の周壁112のうち、上記ピストン往復動方向D、換言すれば、上記ピストン往復動による振動発生方向に位置する部分の肉厚が比較的厚く形成され、上記部分以外の部分の肉厚が比較的薄く形成される。
具体的に、図9の断面図に示すように、ケース150の縦壁151の直前方の位置では、フロントハウジング110の周壁112のうち、上記ピストン往復動方向Dに位置する上面部分P1の肉厚が7〜9mmに形成され、上面部分P1の車両左側に位置する左側面部分P2の肉厚が3〜5mmに形成され、上面部分P1の車両右側に位置する右側面部分P3の肉厚が2.5〜3.5mmに形成される。
また、図10の断面図に示すように、図9よりも後方の2速用ギヤ列G2付近の位置では、フロントハウジング110の周壁112のうち、上記ピストン往復動方向Dに位置する上面部分P5の肉厚が6.5〜8.5mmに形成され、上面部分P5の車両左側に位置する左側面部分P6の肉厚が3〜5mmに形成され、上面部分P5の車両右側に位置する右側面部分P7の肉厚が3〜4mmに形成される。
図8において、符号2eはシリンダブロック2aの後端面に設けられたエンジン側取付フランジである。このエンジン側取付フランジ2eにフロントハウジング110の前端面の取付フランジ111b(図6参照)が合わせられてエンジン2にフロントハウジング110が連結される(図11参照)。
図8から明らかなように、エンジン側取付フランジ2eは、オイルパン2cと車両前後方向に重なる下部が形成されていない。そのため、フロントハウジング110は、その取付フランジ111bの上部及び上下方向の中間部でのみエンジン2に連結され、取付フランジ111bの下部ではエンジン2に連結されない。図6〜図8、及び図11において、各取付フランジ2e,111bに付した「×」印は、エンジン2とフロントハウジング110との連結に供される締結ボルトの挿通孔を示す。
エンジン2のピストン往復動に伴いフロントハウジング110がピストン往復動方向Dに曲げ変形する。具体的に、フロントハウジング110の後部が前部に対して上方又は下方に相対変位するように曲げ変形する。このうち、上方に相対変位するように曲げ変形したときは、その変形の応力がハウジング側取付フランジ111bを介してエンジン側取付フランジ2eで受け止められる。したがって、フロントハウジング110の周壁112のうち上面部分P1,P5の肉厚を厚くすることは上記のような曲げ変形(フロントハウジング110の後部が上方に相対変位するような曲げ変形)に対抗する曲げ剛性の向上に有効である。
これに対し、下方に相対変位するように曲げ変形したときは、エンジン側取付フランジ2eは下部が形成されていないから、その変形の応力がエンジン側取付フランジ2eで受け止められない。したがって、フロントハウジング110の周壁112のうち下面部分P4,P8(図9及び図10参照)の肉厚を厚くしてもそれは上記のような曲げ変形(フロントハウジング110の後部が下方に相対変位するような曲げ変形)に対抗する曲げ剛性の向上に寄与するものではなく、ただ徒にフロントハウジング110の重量が増加するだけである。
以上のことから、本実施形態では、ピストン往復動方向Dに位置する部分のうち、曲げ剛性の向上を目的としては、上面部分P1,P5のみ肉厚が厚く形成され、下面部分P4,P8は肉厚が厚く形成されない。
図6及び図8に示すように、ハウジング側取付フランジ111b及びエンジン側取付フランジ2eは、いずれも幅広に形成され、比較的剛性が高い部位である。その上、ハウジング側取付フランジ111bの上部においては、締結ボルトが挿通されてエンジン2とフロントハウジング110とが連結され(図11の「×」印参照)、ますます剛性が高くなっている。したがって、フロントハウジング110の周壁112のうち、上記締結ボルトでエンジン2とフロントハウジング110とが連結される近傍の範囲(左側面の上部及び右側面の上部)R1,R2(図11参照)は、フロントハウジング110の周壁112のうち、上面部分P1,P5の肉厚を厚くすることと同様、フロントハウジング110の後部が上方に相対変位するような曲げ変形に対抗する曲げ剛性の向上に有効な範囲(剛性向上有効範囲)である。
加えて、本実施形態では、図11に示すように、前述したように補強用リブが形成されずに平滑面に仕上げられるフロントハウジング110の外周面110aは、フロアパネルFのトンネル部T内に設定された当該手動変速機1の設計空間Sの外殻まで拡張されて位置している。
すなわち、本実施形態に係る手動変速機1のフロントハウジング110においては、その外周面110aには、補強用リブが形成されず、上記外周面110aは、手動変速機1の設計空間Sの外殻まで拡張されて位置し、かつ、フロントハウジング110の周壁112のうち、エンジン2のピストン往復動方向Dに位置する上面部分P1,P5よりも、上面部分P1,P5以外の左側面部分P2,P6及び右側面部分P3,P7のほうが、肉厚が薄く形成される。これにより、フロントハウジング110の重量が大幅に増加することが回避されつつ、フロントハウジング110の曲げ剛性とねじり剛性とがバランスよく向上する。
フロントハウジング110にこのような構成を採用するに至った経緯を説明する。
(A)一端側が他端側よりも拡径するコーン状のフロントハウジング110のサンプルモデル(アルミダイキャスト製、肉厚均一)を用いて、ハウジングの外周面に補強用リブを形成する場合(試作1)と、補強用リブを形成せずにハウジングの外周面を上記試作1の補強用リブの最外周部まで拡張する場合(試作2)とで、ピストンの往復動に起因するエンジン振動に対抗する上下方向の曲げ剛性と、アウトプットシャフト30の回転に起因するベアリングB1負荷に対抗する周方向のねじり剛性とを比較した。
試作1では、曲げ剛性の向上のために、ハウジングの全長に亘ってハウジングの上面及び下面に補強用リブを軸方向に延設し、ねじり剛性の向上のために、ハウジングの全周に亘って軸方向に対して45°の角度で補強用リブを左巻き及び右巻きに周方向に螺旋状に延設した。補強用リブの厚み(幅)はサンプルモデルの肉厚と同じ厚みで均一とした。
その結果、試作1では、重量(kg)が4.51から5.33に増加し(+0.82kg)、曲げ剛性(kN/mm)が52から75に向上し(1.45倍)、ねじり剛性(kNm/rad)が1.45から1.64に向上した(1.13倍)。試作2では、重量(kg)が4.51から4.86に増加し(+0.35kg)、曲げ剛性(kN/mm)が52から75に向上し(1.45倍)、ねじり剛性(kNm/rad)が1.45から2.54に向上した(1.75倍)。
このように、試作2は試作1に比べて、重量増加が抑制されつつ、曲げ剛性が同等レベルであり、ねじり剛性が大幅に向上した。これは、ハウジングの径が拡大したため、ねじりに必要な力のモーメントが増大したためと考えられる。
(B)実際に車両のトンネル部内に設定された手動変速機の設計空間に対して、ハウジングの外周面に補強用リブを上記設計空間の外殻まで形成する場合(試作3)と、補強用リブを形成せずにハウジングの外周面を上記設計空間の外殻まで拡張する場合(試作4)とで、上記曲げ剛性とねじり剛性とを比較した。試作3の補強用リブの仕様は試作1と同様とした。
その結果、試作3では、重量(kg)が6.05から6.64に増加し(+0.59kg)、曲げ剛性(kN/mm)が50から55に向上し(1.11倍:目標値に届かず)、ねじり剛性(kNm/rad)が2.16から2.22に向上した(1.03倍:目標値に届かず)。試作4では、重量(kg)が6.05から7.47に増加し(+1.42kg)、曲げ剛性(kN/mm)が50から70に向上し(1.41倍:目標値に到達)、ねじり剛性(kNm/rad)が2.16から4.04に向上した(1.86倍:目標値を大きく超える)。
このように、試作4は試作3に比べて、曲げ剛性が目標値に到達したものの、重量増加が大きく、また、ねじり剛性が過度に大きくなった。これは、ハウジングの肉厚が均一なためと考えられる。
(C)そこで、ねじり剛性が過達なので、試作4のピストン往復動による振動発生方向ではない左右の側面の肉厚を低減(薄肉化)したところ(試作5)、重量(kg)が7.47から6.99に減少し(−0.48kg)、曲げ剛性(kN/mm)が70に保持され、ねじり剛性(kNm/rad)が4.04から3.11に低減した(目標値は超える)。
このように、試作5は試作4に比べて、曲げ剛性は保持しつつ、過達であったねじり剛性のみ適正レベルまで下げることできた。また、重量の大幅増加が回避できた。
本実施形態では、およそ以上のような知見に基き、フロントハウジング110に前述のような構成を採用したものである。
本実施形態の構成及び作用をまとめると次のようになる。
(1)エンジン2に連結される手動変速機1のフロントハウジング110において、当該フロントハウジング110の外周面110aには、補強用リブが形成されず、かつ、当該フロントハウジング110の周壁112のうち、エンジン2のピストン往復動方向Dに位置する上面部分P1,P5よりも、上面部分P1,P5以外の左側面部分P2,P6及び右側面部分P3,P7のほうが、肉厚が薄く形成される。
この構成によれば、フロントハウジング110の外周面110aに補強用リブが形成されないため、フロントハウジング110の外周面110aに補強用リブが形成される場合に比べて、フロントハウジング110自体の径が例えば設計空間S内で拡大される。その結果、フロントハウジング110の剛性が効率よく向上する。しかも、補強用リブが形成されないから、フロントハウジング110の重量が大幅に増加することが回避される。
加えて、フロントハウジング110の周壁112の肉厚が上記のように調整される(ピストン往復動方向D以外の方向に位置する左側面部分P2,P6及び右側面部分P3,P7の周壁112の厚みが相対的に薄くされる)ことにより、例えばフロントハウジング110の周壁112が全周に亘って同じ厚みに形成される場合(左側面部分P2,P6及び右側面部分P3,P7の周壁112の厚みが相対的に薄くされない場合)に比べて、ピストン往復動方向Dの曲げ剛性が保持されつつ、周方向のねじり剛性のみ適正レベルまで下げることができて、周方向のねじり剛性が過度に大きくなることが防止される。そのため、フロントハウジング110の重量がさらに低減し、かつ、曲げ剛性とねじり剛性とがバランスよく向上する。
(2)当該フロントハウジング110の内部にエンジン2の回転を駆動輪に伝達するためのカウンタシャフト20及びアウトプットシャフト30を支持すると共に上記カウンタシャフト20及びアウトプットシャフト30に備えられてエンジン2の回転を変速するためのプライマリギヤ11〜16及びセカンダリギヤ21〜26を収容するケース150が当該フロントハウジング110と一体に設けられ、上記ケース150の外周面150aと当該フロントハウジング110の内周面110bとの間にリブ160が設けられる。
この構成によれば、フロントハウジング110内部に設けられるリブ160によりフロントハウジング110の剛性がさらに向上すると共にケース150の剛性も確保される。そのため、ケース150によるカウンタシャフト20及びアウトプットシャフト30の支持剛性と、プライマリギヤ11〜16及びセカンダリギヤ21〜26の支持剛性とが確保される。
(3)上記ケース150の外周面150aは軸方向における車両前側(縦壁151側)が縮径するように軸方向に傾斜する。
この構成によれば、ケース150の外周面150aが軸方向に傾斜しない場合に比べて、ケース150の容量が減少する。そのため、ケース150に充填する潤滑・冷却用オイルの量が削減される。
なお、上記実施形態では、エンジンはスラント型エンジンであったが、これに限らず、通常の直立型エンジンでもよい。
また、上記実施形態では、フロントハウジングの前端面の下部はエンジンに連結されなかったが、これに限らず、連結されてもよい。その場合、曲げ剛性のより一層の向上のために、フロントハウジングの周壁の下面部分の肉厚も厚くすることが好ましい。
また、上記実施形態では、変速機は手動変速機であったが、これに限らず、本発明は自動変速機にも好ましく適用可能である。
1 手動変速機(変速機)
2 エンジン
10 ドライブシャフト
11〜15 1〜5速用プライマリギヤ(変速ギヤ)
16 リバースプライマリギヤ(変速ギヤ)
20 カウンタシャフト(動力伝達軸)
21〜25 1〜5速用セカンダリギヤ(変速ギヤ)
26 リバースセカンダリギヤ(変速ギヤ)
30 アウトプットシャフト(動力伝達軸)
110 フロントハウジング(ハウジング)
110a 外周面
110b 内周面
112 周壁
150 ケース
150a 外周面
160 リブ(内部リブ)
D ピストン往復動方向(振動発生方向)
P1,P5 上面部分(厚肉部)
P2,P6 左側面部分(薄肉部)
P3,P7 右側面部分(薄肉部)
S 設計空間

Claims (3)

  1. 往復動するピストンを備えたエンジンに連結される変速機のハウジングであって、
    上記変速機の部品を収容する周壁と、
    当該周壁の一端に設けられ、エンジンと連結される取付フランジとを備え、
    上記取付フランジは、ピストン往復動方向の一方側部分及び中間部においてのみエンジンと連結されており、
    上記ハウジングの外周面には、補強用リブが形成されず、かつ、
    当該ハウジングの周壁のうち、ピストン往復動方向の一方側に位置する部分は、上記ピストン往復動方向の他方側に位置する部分、及びこれら両部分以外の部分と比べて、肉厚が厚く形成されることを特徴とする変速機のハウジング。
  2. 請求項1に記載の変速機のハウジングにおいて、
    当該ハウジングの内部にエンジンの回転を駆動輪に伝達するための動力伝達軸を支持すると共に上記動力伝達軸に備えられてエンジンの回転を変速するための変速ギヤを収容するケースが当該ハウジングと一体に設けられ、
    上記ケースの外周面と当該ハウジングの内周面との間にリブが設けられることを特徴とする変速機のハウジング。
  3. 請求項2に記載の変速機のハウジングにおいて、
    上記ケースの外周面は軸方向の端部側が縮径するように軸方向に傾斜することを特徴とする変速機のハウジング。
JP2014212650A 2014-10-17 2014-10-17 変速機のハウジング Expired - Fee Related JP6137110B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014212650A JP6137110B2 (ja) 2014-10-17 2014-10-17 変速機のハウジング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014212650A JP6137110B2 (ja) 2014-10-17 2014-10-17 変速機のハウジング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016080089A JP2016080089A (ja) 2016-05-16
JP6137110B2 true JP6137110B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=55956210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014212650A Expired - Fee Related JP6137110B2 (ja) 2014-10-17 2014-10-17 変速機のハウジング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6137110B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105864402A (zh) * 2016-06-21 2016-08-17 肇庆高新区凯盈顺汽车设计有限公司 一种变速器壳体
JP2019210992A (ja) * 2018-06-04 2019-12-12 マツダ株式会社 変速機
JP7374791B2 (ja) * 2020-01-31 2023-11-07 マブチモーター株式会社 減速機およびギアドモータ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0343160U (ja) * 1989-09-05 1991-04-23
JPH0411127U (ja) * 1990-05-18 1992-01-30
JPH05141506A (ja) * 1991-11-19 1993-06-08 Mazda Motor Corp 変速機構造
JP4281370B2 (ja) * 2003-02-10 2009-06-17 日本精工株式会社 無段変速装置
KR20090065281A (ko) * 2007-12-17 2009-06-22 현대자동차주식회사 후륜 구동형 수동변속기의 후진 변속기구

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016080089A (ja) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6510185B2 (ja) 多段式自動変速機
US8875841B2 (en) Transmission
JP4517694B2 (ja) ツインクラッチ式マニュアルトランスミッション
JP2008298223A (ja) 変速機
US7434487B2 (en) Twin clutch manual gearbox
US20210324943A1 (en) Seven-speed double clutch transmission and vehicle
JP2011007210A (ja) 変速機
JP6137110B2 (ja) 変速機のハウジング
JPWO2011132432A1 (ja) エンジンユニットおよびこれを備えた自動二輪車
JP5195679B2 (ja) 車両用自動変速機
JP2013177958A (ja) トランスミッションのケーシング構造
US10619720B2 (en) Transmission
JP2009210020A (ja) トランスミッション
JP3953298B2 (ja) 車両用動力装置
JP2016200176A (ja) 自動変速機
JP2009036227A (ja) 変速機
JP2009138821A (ja) 車両用変速機の潤滑構造
JP2007321818A (ja) ダブルクラッチ変速機
JP2018189197A (ja) 車両用動力伝達装置
JP4905289B2 (ja) 変速機
JP5800401B2 (ja) 変速機
JP2008298260A (ja) 変速機
JP3209662U (ja) 潤滑構造およびこれを備える変速機
JP6429110B2 (ja) デュアルクラッチ式変速機の入力軸支持構造
JP2016023735A (ja) 変速機の潤滑機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6137110

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees