JP2012031008A - 導電層付きセラミック体、およびセラミックスと金属との接合体 - Google Patents

導電層付きセラミック体、およびセラミックスと金属との接合体 Download PDF

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Abstract


【課題】 高い電圧が印加された場合であっても、過大電流が発生し難いセラミックス体を提供する。
【解決手段】
セラミック体の表面に導電層が接合された、導電層付きセラミック体であって、前記セラミック体は、AlOとAlTiOとを含み、前記導電層は、MoおよびMnを合計で50質量%以上の割合で含有しているとともにTiを含み、前記導電層と前記セラミック体との境界部分に、Mnを主成分として含む第1の境界領域が形成されていることを特徴とする、導電層付きセラミック体を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電層付きセラミック体、およびセラミックスと金属との接合体に関する。
例えば静電偏向器等には、セラミックス体の表面に複数の電極が設けられた、金属層付きセラミックス部材が用いられている。かかる金属層付きセラミックス部材では、金属層に電圧が印加された際、金属層間で起こる電荷の蓄積(チャージアップ)が必要以上に大きくなると、蓄積した電荷が一気に流れ出す電子雪崩によって大電流が発生し、偏向器自体の動作不良や損傷に繋がる虞もある。
例えば下記特許文献1には、静電偏向器用途に適した金属層付きセラミックス部材として、適度な導電性を有する(半導電性を有する)セラミック体を用いた、金属層付きセラミックス部材を提案している。特許文献1では、静電偏向器に適したセラミックス部材として、酸化アルミニウム(Al)にTiを含有させてなる、体積固有抵抗値が10〜1010Ω・m程度の半導電性のセラミックス体を提案している。特許文献1では、具体的には、チタン酸アルミニウム粉末をアルミナ粉末に含めたものを成形、焼成することで、アルミナ粒界にαアルミナとの反応生成物であるAlTiOが均一に分散して固溶した状態とし、この均一に分散されたAlTiOの一部を、還元雰囲気で焼成して酸素欠乏チタン酸化物とすることで、10〜1010Ω・mの体積固有抵抗を有する半導電性のセラミックス体を得ている。
特開2005−190853号公報
特許文献1では、Ag−Cu−Tiロウ材を用いた活性金属法によって、半導電性のセラミック体の表面に金属層を形成している。セラミック体の表面に金属層を形成する方法としては、特許文献1記載の活性金属法の他に、例えばMoとMnとを含むロウ材を用いた高融点金属法が知られている。Ag―Cu―Tiを含む活性金属法に比べて、MOとMnとを含むロウ材を用いた方が、比較的安価かつ簡単に金属層を形成できる。しかし、酸化アルミニウム(Al)にTiを含有させてなる半導電性セラミック体では、MoとMnとを含むロウ材を用いた高融点金属法を用いても、十分な接合強度の金属層を形成することができなかった。本願発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。
かかる課題を解決するため、本願発明では、セラミック体の表面に導電層が接合された、導電層付きセラミック体であって、前記セラミック体は、AlOとAlTiOとを含み、前記導電層は、MoおよびMnを合計で50質量%以上の割合で含有しているとともにTiを含み、前記導電層と前記セラミック体との境界部分に、Mnを主成分として含む第1の境界領域が形成されていることを特徴とする、導電層付きセラミック体を提供する。
また、上述の導電層付きセラミック体の前記導電層の側に、金属ロウを介して金属体が接合されたセラミックスと金属との接合体であって、前記導電層と前記金属ロウとの境界
部分に、Tiを主成分とする第2の境界領域が形成されていることを特徴とするセラミックスと金属との接合体を、併せて提供する。
本発明の導電層付きセラミック体は、MoおよびMnを合計で50質量%以上の割合で含有している導電層が、AlOとAlTiOを含む接合体に、比較的強固に接合されている。また、本発明のセラミックスと金属との接合体は、半導電性セラミック体と、金属体とが比較的強固に接合されている。
(a)は、本発明のセラミックスと金属との接合体の一実施形態である碍子の概略斜視図、(b)は(a)に示す碍子の一主面に垂直な方向に切断した断面の一部を拡大して表す概略図である。 図1に示す碍子を備えて構成された、荷電粒子線装置の構成例を示す図である。 (a)〜(d)は、上記実施形態の製造工程を経て作製したセラミックと金属との接合体の断面SEM写真であり、(a)はTi、(b)はO、(c)はMo、(d)はMnの量を、それぞれマッピングで表している。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本発明のセラミックスと金属との接合体の一実施形態である碍子10の概略斜視図、図1(b)は碍子10の一主面に垂直な方向に切断した断面の一部を拡大して表す概略図である。
本実施形態の碍子10は、AlおよびOを含むセラミックス体12と、セラミックス体12の表面に設けられた金属層18と、金属層18を介してセラミックス体12と接合した電極(金属体)14a、14bと、を備えて構成されている。なお、碍子10は、セラミックス体12と電極14aおよび電極14bとを連通する貫通孔が設けられている。
セラミックス体12は、体積固有抵抗値が1×1011〜1×1014Ω・cmと比較的高く、かつ、表面全体の表面抵抗率が1×10〜1×1011Ω/cmとされている。より好ましくは、セラミックス体12の表面抵抗率が1×10〜1×1010Ω/cmとされている。セラミックス体12は、比較的高い体積固有抵抗を有し、電極14aと電極14bとの間に比較的高い電圧を印加した場合であっても、電子雪崩にともなって発生する絶縁破壊のような、セラミックス体12内部を流れるリーク電流の発生は抑制されている。また、表面抵抗率も比較的高くされており、電極14aと電極14bとの間に比較的高い電圧を印加した場合であっても、セラミックス体12の表面を流れるリーク電流についても抑制されている。
本実施形態のセラミックス体12は、AlをAl換算で68〜98質量%含有し、かつTiを酸化物換算で2〜32質量%含有している。セラミックス体12は、酸化アルミニウムを主成分とする結晶相12a(酸化アルミニウムの結晶相12a)、およびチタン酸アルミニウムを主成分とする結晶相12b(チタン酸アルミニウムの結晶相12b)、をそれぞれ含んで構成されている。ここで、チタン酸アルミニウム又は酸化チタンに含まれるチタンは、平均の原子価が4未満であることが好ましい。
チタン酸アルミニウムおよび酸化チタンは、完全に酸化された状態、例えば化学式でAlTiO、TiOからなる場合は、通常絶縁体であるが、チタンの原子価が4未満
であると電気抵抗が低下する。好ましくは、セラミックス体12において、AlTiO5−x又はTiO2−xであり、xは0より大きく通常1以下である、これらの半導電性結晶が含有されており、セラミックス体12の全体や表面の一部は半導電性とされている。
また、セラミックス体12は、α−アルミナ(酸化アルミニウムをアルミナともいう)を主成分とし、半導電性結晶としてチタン酸アルミウムAlTiO5−xを含むことがさらに好ましい。この場合には、特に高い電圧に対する耐破壊性に優れたα−アルミナを主成分とするので、セラミックス体12がより絶縁破壊しにくくなる。ここで、耐絶縁性を向上するには、セラミックス体12に含まれるα−アルミナは70〜85質量%、チタン酸アルミニウムAlTiO5−xが15〜30質量%であることが好ましい。
かかるセラミックス体12は、例えば以下のように製造することができる。まず、例えば、高純度のアルミナ粉末68〜99質量%と、酸化チタン粉末1〜32質量%とを秤量し、水とともにボールミルにて混合、粉砕する。アルミナ粉末は、純度99質量%以上で、平均粒径が0.3〜1μmのアルミナ粉末を用いることが好ましい。得られたスラリーに有機バインダーを添加し、噴霧乾燥して顆粒を作製する。得られた顆粒をプレス成形、CIP(冷間等方加圧)成形などの公知の方法で成形して円筒状の生成形体を作製する。成形圧は最大で80〜200MPaの範囲内であることが好ましい。
続いて、加工した生成形体を最高温度1400〜1600℃で焼成してセラミック焼結体を作製する。このセラミック焼結体は、アルミナの結晶相とチタン酸アルミニウムの結晶相とを含んでいる。この焼成では、生成形体が収縮を開始する温度から最高温度までの昇温速度と、最高温度から結晶の粒成長が止まるまでの降温速度とを制御し、アルミナ結晶の粒界にチタン酸アルミニウム結晶を分散させることが好ましい。例えば、セラミックス体12の表面の所望部分の抵抗率を1×10〜1×1010Ωとする場合、チタン酸アルミニウム粉末の添加量(割合)をTiO換算で1〜32質量%とし、所望の領域における研磨量を約0.30mm〜0.40mmとすればよい。
電極14aおよび14bは、Fe、NiおよびCoを含有した、いわゆるコバール合金からなる。
図1(b)を参照し、金属層18aの構成について説明する。なお、金属層18bの構成は、金属層18aと同様の構成となっている。金属層18aは、導電層24と、第1の境界領域22と、Niメッキ層25と、第2の境界領域26と、金属ロウ層28とを有する。導電層24は、MoおよびMnを合計で50質量%以上の割合で含有しているとともにTiを含む。第1の境界領域22は、導電層24と前記セラミック体12との境界部分に形成され、Mnを主成分として含む。金属ロウ層28は、AgおよびCuを合計で50質量%以上の割合で含有する。第2の境界領域26は、導電層24と金属ロウ層28との境界部分に形成されており、Tiを主成分とする。
導電層24は、例えば、従来周知の厚膜ペースト法を用いて形成することができる。具体的には、例えば、Moの粉末とMnの粉末と、さらにTiOの粉末を所定量計量し、エチルセルロースなどのバインダーをテルピネオールなどの有機溶剤で溶剤したビヒクルと、上記の各粉末とをミキサーで混合し、ペーストを作成する。作成したこのペーストを、スクリーン印刷などでセラミック表面のろう付けする箇所に塗布し、真空雰囲気で焼成して導電層24を形成すればよい。
第1の境界領域22は、この導電層24を焼成によって形成する際に、同時に形成される。Mnを主成分とするとは、Mnを50質量%以上含むことをいう。Mnの含有割合(
質量%)は、例えば走査型電子顕微鏡装置を用いて行う、従来公知のEDS(エネルギー分散型X線分析法)によって求めることができる。例えば、EDAX社製PHOENIXを用い、加速電圧15kVで各原子に対応するスペクトルを求め、各原子に対応するスペクトル強度から算出することができる。碍子10では、導電層24とセラミック基板12とが、この第1の境界領域22によって比較的強固に接合されている。
導電層24上には、Niメッキ層25が設けられている。金属ロウ層28は、例えば、AgおよびCuを合計で50質量%以上の割合で含有したロウ材層で構成されている。碍子10では、第4の層28と電極14aとが当接してロウ付け接合されている。
第2の境界領域26は、Niメッキ層25と金属ロウ層28との境界部分に形成され、Tiを主成分としている。Tiなどの遷移金属は反応性に富み、NiやAuやCuといったメッキ材料と反応して化合物を形成する。導電層24の表面にNiメッキを施すことで、導電層24に含有されるTiがNiメッキまで拡散し、Niメッキ層25と金属ロウ層28との境界部分に、Tiを主成分とする第2の境界領域26を構成する。第2の境界領域26は、導電層24と比較的強固に接合している。 第2の境界領域を形成するには、
Niメッキのみに限らず、Auメッキ、Cuメッキ等を用いてもよい。本実施形態の碍子10では、セラミックス体12と電極14a、14bとが、比較的高い接合強度で接合されている。
以上のようにして得られた碍子10は、例えば、荷電粒子線装置において使用される。図2は、荷電粒子線装置の構成例を示す図である。図2に示すように、荷電粒子線装置100は、荷電粒子を放出する荷電粒子線源101と、放出された荷電粒子を荷電粒子線源101から絶縁する碍子であって、該荷電粒子が通過する貫通孔を有する碍子10とを有する。また、荷電粒子線源101の少なくとも一部および碍子10は、容器103の内部に配置される。容器103は、例えば、真空チャンバであり、容器103の内部には、荷電粒子が到達する位置に対象物Pが配置される。対象物Pは、例えばステージS上に配置されてもよい。
碍子10は、一対の電極14a,14bと、一対の電極14a,14b間に設けられたセラミックス体12とを有する。セラミックス体12は、少なくとも貫通孔に接する内表面が半導電性であることが好ましい。または、碍子10の内側の面には金属導体層を形成しても良い。また、荷電粒子線装置100は、一対の電極14a,14bに電圧を印加する電源装置106を有する。荷電粒子源101は、電子銃であり、碍子10は、電極14a,14bを偏向電極とした加速器として作用する。荷電粒子線装置100では、電極14aと14bとの間に、比較的高い電圧が印加され、この電圧によって放出する荷電粒子の軌道を制御する。
半導電性のセラミックス体12は、比較的高い体積固有抵抗を有し、電極14aと電極14bとの間に比較的高い電圧を印加した場合であっても、電子雪崩にともなって発生する絶縁破壊のような、セラミックス体12内部を流れるリーク電流の発生は抑制されている。また、表面抵抗率が適度な大きさ(例えば表面全体の表面抵抗率が1×10〜1×1011Ω/cm)を有する。このため、電極14aと電極14bとの間に比較的高い電圧を印加した場合であっても、セラミックス体12の表面を流れるリーク電流についても抑制されているとともに、セラミックス体12の表面を微小な電流が流れることで、セラミックス体12の表面の帯電を抑制することができ、いわゆるチャージアップが抑制される。かかるセラミックス体12を備える荷電粒子線装置100では、チャージアップにともなって発生する過大電流や、表面の漏れ電流にともなう、動作不良が比較的少ない。碍子10では、少なくとも内表面部分において、体積固有抵抗値が1×1011〜1×1014Ω・cm、かつ表面抵抗率が1×10〜1×1011Ωとされている。体積固有
抵抗値が1×1011〜1×1014Ω・cm、かつ表面抵抗率が1×1011〜1×1014Ω/cmとされた表面領域の、セラミックス体における位置は特に限定されず、表面全体が上記値を有していてもよい。体積固有抵抗値が1×1011〜1×1014Ω・cm、かつ表面抵抗率が1×10〜1×1011Ωとされる表面領域は、セラミックス体が利用される部材において高い電圧が印加される領域に配置すればよい。
かかる荷電粒子線装置100は、例えば電子顕微鏡における電子銃や、電子ビーム露光装置における電子銃などとして用いることができる。また、本発明の金属層付きセラミックス部材は、X線管用の絶縁碍子、TEM加速管用SEMレンズユニット、いわゆる真空スイッチ用途にと、比較的高電圧が印加される用途に用いられた場合でも、絶縁破壊し難く、適用した装置の動作信頼性を高くすることができる。
以下、本実施形態の碍子10の製造方法の一例について説明しておく。まず、セラミックス体12を作製する。例えば、高純度のアルミナ粉末を、含まれるAlがAl換算で68〜99質量%、チタン酸アルミニウム粉末を、含まれるTiがTiO換算で1〜32質量%となるように秤量し、水とともにボールミルにて混合、粉砕する。アルミナ粉末は、純度99質量%以上で、平均粒径が0.3〜1μmのアルミナ粉末を用いることが好ましい。得られたスラリーに有機バインダーを添加し、噴霧乾燥して顆粒を作製する。得られた顆粒をプレス成形、CIP(冷間等方加圧)成形などの公知の方法で成形して円筒状の生成形体を作製する。成形圧は最大で80〜200MPaの範囲内であることが好ましい。
加工した生成形体を最高温度1400〜1600℃で焼成してセラミック焼結体を作製する。このセラミック焼結体は、アルミナの結晶相とチタン酸アルミニウムの結晶相とを含んでいる。この焼成では、生成形体が収縮を開始する温度から最高温度までの昇温速度と、最高温度から結晶の粒成長が止まるまでの降温速度とを条件となるように制御し、アルミナ結晶の粒界にチタン酸アルミニウム結晶を分散させることが好ましい。
このようにして得られた焼結体は、遷移元素であるTiが、内部に比べて表面により多く分布している。このようにして得られた焼結体を還元雰囲気で焼成し、表面の抵抗率を所望の範囲に調整することができる。
次に、セラミックス体12の表面部分に導電層24および第1の境界領域22を形成する。第1の層22および第2の層は、従来周知の厚膜ペースト法を利用したメタライズ処理によって形成することができる。例えば、Moの粉末とMnの粉末と、さらにTiOの粉末を所定量計量し、エチルセルロースなどのバインダーをテルピネオールなどの有機溶剤で溶剤したビヒクルと、上記の各粉末とをミキサーで混合し、ペーストを作成する。作成したこのペーストを、スクリーン印刷などでセラミック表面のろう付けする箇所に塗布し、真空雰囲気で焼成して導電層24を形成すればよい。
本実施形態では、ペースト内にTiOが含まれており、ペースト内のMnがTiと化合することで、セラミック体に拡散してしまうことが抑制され、セラミック基板12と導電層24の境界部分には、Mnを主成分とする第1の境界領域22が形成される。
次に、導電層24の表面にNiメッキを施してNiメッキ層25を形成する。その後、Niメッキ層25の表面に、Ag−Cuロウ材を用いて金属ロウ層28を形成するとともに、セラミックス体12と電極14aとを接合する。Niメッキの形成および金属ロウを用いた接合の過程において、導電層24に残留していたTiおよび第1の境界領域22においてMnと化合しているTiが拡散し、Niメッキ中のNiと化合物を形成し、Tiを主成分とする第2の境界領域26が形成される。Niメッキの後、例えば、厚みが50〜
100μm程度のAg−Cu箔をNiメッキの層の上に配置し、その上にFe−Ni−Co合金からなる電極14を配置し、例えばカーボンからなる治具で固定する。このように治具で固定した状態で、例えば約1.0×10−5Paの真空雰囲気で、900〜1100℃で30分熱処理を行い、金属層18を介して電極26が接合された碍子10を得る。
次に、本発明の実施例を示しておく。
《実験例1》セラミックスと金属との接合体の一例について断面を観察した。図3(a)〜(d)は、上記実施形態の製造工程を経て作製したセラミックと金属との接合体の断面SEM写真である。図3(a)〜(d)は、全て同一サンプルの同一箇所についての撮影画像であり、EDS分析によって得た原子量をマッピングして表している。図3(a)はTi、図3(b)はO、図3(c)はMo、図3(d)はMnの量を、それぞれマッピングで表している。図3(d)からわかるように、導電層24とセラミック体12との境界部分に、Mnを主成分として含む第1の境界領域22が形成されている。この第1の境界領域22は、導電層24とセラミック体12との接合に寄与し、導電層22とセラミック体12との接合強度は、比較的強くされている。また、図3(a)から分かるように、 導電層24と金属ロウ層28との境界部分に、第2の境界領域26が形成されている。この第2の境界領域26は、導電層24と金属ロウ層28との接合に寄与し、導電層24と金属ロウ層28との接合強度は、比較的強くされている。本実施形態の碍子10は、半導電性を有するセラミック基板12と金属体14aおよび14bとが比較的強固に接合されている。
以上、本発明の導電層付きセラミック体、セラミックスと金属との接合体について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
10 碍子
12 セラミックス体
14a、14b 電極
18a、18b 金属層
22 第1の層
24 第2の層
26 第3の層
28 第4の層

Claims (6)

  1. セラミック体の表面に導電層が接合された、導電層付きセラミック体であって、
    前記セラミック体は、AlOとAlTiOとを含み、
    前記導電層は、MoおよびMnを合計で50質量%以上の割合で含有しているとともにTiを含み、
    前記導電層と前記セラミック体との境界部分に、Mnを主成分として含む第1の境界領域が形成されていることを特徴とする、導電層付きセラミック体。
  2. 前記セラミック体は、化学当量よりも酸素が少ない、TiとAlとの複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の導電層付きセラミック体。
  3. 請求項1または2に記載の導電層付きセラミック体の前記導電層の側に、金属ロウを介して金属体が接合されたセラミックスと金属との接合体であって、
    前記導電層と前記金属ロウとの境界部分に、Tiを主成分とする第2の境界領域が形成されていることを特徴とするセラミックスと金属との接合体。
  4. 前記第1の境界領域は、Tiの含有割合(質量%)よりもMoの含有割合(質量%)が大きいことを特徴とする請求項3記載のセラミックスと金属との接合体。
  5. 前記金属ロウは、AuおよびCuを合計で50質量%以上の割合で含有していることを特徴とする請求項3または4記載のセラミックスと金属との接合体。
  6. 前記金属体は、Fe、NiおよびCoを含有していることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のセラミックスと金属との接合体。
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