JP2017172029A - Niナノ粒子を用いた接合材料及び接合構造体 - Google Patents

Niナノ粒子を用いた接合材料及び接合構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】Niナノ粒子を用いた接合材料であって、接合構造体を構成する2つの被接合部材の間に線熱膨張係数の違いに基づく熱膨張量の差が存在し、また、高温(例えば、200℃以上)での使用が求められるような場合であっても、被接合部材間の剥離や接合層中のクラック発生を未然に抑制することができる接合材料を提供する。また、この接合材料を用いて得られた接合構造体を提供する。【解決手段】Niナノ粒子、金属粉、低熱膨張材料粉、及び有機溶剤を含む接合材料であって、低熱膨張材料粉の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNiの線熱膨張係数よりも低い接合材料である。また、第1被接合部材と第2被接合部材との間が前記の接合材料中のNiナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉の焼結体からなる接合層を介して、互いに接合されている接合構造体である。【選択図】図1

Description

本発明は、Niナノ粒子を用いた接合材料及びこの接合材料を用いて2つの被接合部材を接合して得られる接合構造体に関するものであり、特に、接合構造体を構成する2つの被接合部材の間に線熱膨張係数の違いに基づく熱膨張量の差が存在し、しかも、高温(例えば、200℃以上)での使用が求められるような場合であっても、被接合部材間の剥離や接合層中のクラック発生を未然に抑制することができる接合材料及び接合構造体に関する。
金属粒子であって、平均粒径が0.5μm未満、特に10〜100nmである金属粒子は金属ナノ粒子と呼ばれている。金属ナノ粒子は、微細な粒子径からもたらされる高い焼結性を有し、この金属ナノ粒子を構成する金属の融点よりもはるかに低い500℃以下といった温度で粒子間が焼結することが確認されている。また、得られる焼結体の構造的強度は、その金属の融点付近まで保たれることが期待される。金属ナノ粒子を構成する金属としては、Agが代表であり、その他にAu、Cu、Ni等が挙げられる(例えば、特許文献1)。
金属ナノ粒子は、一般に、有機物質で覆われている。室温下においては、粒子を被覆している有機物質が金属ナノ粒子の自己凝集を防止し、金属ナノ粒子は独立分散した形態を維持している。また、この金属ナノ粒子は、有機−金属複合ナノ粒子として被接合部材表面に供給され、所定の温度に加熱されて焼成されると、有機物質が分解・除去され、金属ナノ粒子の活性な表面が露出して低温焼結機能が発現し、金属ナノ粒子同士が互いに接合すると同時に被接合部材の表面とも接合する(非特許文献1)。
一方、平均粒径が0.5μmより大きい場合、特に1〜10μmである場合には金属粉と呼ばれることがあるが、このような金属粉同士が焼結するためには一般的に、金属ナノ粒子が焼結する温度よりも高い大凡500℃よりも高い温度が必要である。一方、金属ナノ粒子と金属粉を併用すると、500℃以下といった低温で焼結する金属ナノ粒子を介することで金属粉を焼結できるため、金属ナノ粒子のみの場合と同様低温で焼成することができる。また、金属粉は金属ナノ粒子よりも安価に製造できることから、金属ナノ粒子と金属粉は併用されることもある(例えば、非特許文献2)。
ところで、パワー半導体等の技術分野においては、半導体素子等を絶縁回路基板に接合し、更にベースプレートや端子等を加えたパワー半導体モジュールが様々な電子機器等で使用されており、また、この半導体素子と絶縁回路基板との間の接合に用いられる一体化技術としては、従来、主としてはんだ接合技術が用いられていた。
この技術分野においては、近年、省エネ化の要求が高まっており、SiC(シリコンカーバイド)を始めとする化合物半導体を用いた省エネパワー素子の実現が期待されている。この省エネパワー素子は、従来の半導体素子よりも高温(例えば、200℃以上)で使用することから、パワー半導体モジュールの接合部についてもより高温での耐熱性が求められている。しかしながら、従来のはんだ接合技術では、高温における接合強度を確保できないという問題がある。
このようなはんだ接合技術における問題を解決するために、低温で焼結可能で、且つ、焼結後はバルク金属に近い耐熱性を持つと期待されている金属ナノ粒子を、導体素子等の接合材料として利用する技術が提案されている。しかしながら、この接合材料を接合層として、これを介して2つの被接合部材が互いに接合された接合構造体とした場合、この接合構造体が昇降温する際に、接合層に熱応力が負荷され、半導体素子の接合界面近傍でき裂等の欠陥が発生し、接合強度が低下する場合がある。
すなわち、従来において、金属ナノ粒子を用いた接合構造体の場合、図7に示すように、第1被接合部材1の被接合面(第1被接合面)1aと第2被接合部材2の被接合面(第2被接合面)2aとの間には、金属ナノ粒子のみを、又は、金属ナノ粒子及び金属粉を焼結させて得られた金属焼結体からなる接合層3が形成されている。ところが、このような接合構造体において、第1被接合部材1と第2被接合部材2とが異なる線熱膨張係数を有する材料で形成されている場合、半導体素子のオン・オフ動作等により接合構造体が昇降温すると、これら2つの第1被接合部材1と第2被接合部材2との間に不可避的に熱膨張量の差が発生することから、これらの間を接合する接合層3には熱変形に起因する熱応力が発生する。
例えば、図7に示す接合構造体において、第1被接合部材1がSi半導体素子〔なお、このSi半導体素子の裏面、すなわち、第1被接合面1aには、Au、Ag、Al、Ti、Ni等のメタライズ層が形成されているが、その厚さは数μmと薄いため、第1被接合部材1の線熱膨張係数にはあまり影響することがなく、第1被接合部材1の線熱膨張係数は半導体素子、すなわちSiに近い値となる。〕であって、第2被接合部材2がCu回路層〔なお、このCu回路層には最表面にAu、Ag、Ni等のめっきがされて第2被接合面2aがCu、Au,Ag,Ni等となる場合があるが、その場合でもめっきの厚さは数μmと薄いため、第2被接合部材2の熱膨張係数にはあまり影響することがなく、第2被接合部材2の熱膨張係数は回路層の材質であるCuに近い値となる。〕である場合には、特にAg、Au、Cu、Ni等の金属ナノ粒子を焼結させて得られた接合層3と第1被接合部材1との間の熱膨張差が、第2被接合部材2との間の接合層3との間の熱膨張差に比べて大きく、半導体素子のオン・オフ動作等により接合構造体を有する部品が昇温し、あるいは、降温する際に発生する熱応力を緩和しきれず、第1被接合部材1の接合界面(第1被接合面1a)近傍でき裂等の欠陥が発生し、接合強度が低下することがあった。その理由としては、はんだを接合材料として用いた場合には、接合層におけるはんだの高い延性により第1被接合部材と第2被接合部材との間の熱膨張量の差を吸収し、熱応力を緩和することができるが、金属ナノ粒子を接合材料として用いた場合には、金属ナノ粒子の焼結体からなる接合層の延性がはんだに比較して低いと予測されるため、2つの被接合部材の熱膨張量の差を吸収しきれないことが挙げられる。
また、金属ナノ粒子を350℃程度の焼成温度で焼結させた際に、第1被接合部材1のSi半導体素子と第2被接合部材2のCu回路層は、それぞれ350℃に対応する熱膨張量だけ長さが伸長した状態にあり、この状態で金属ナノ粒子の焼結が進行し接合層3が形成される。その後に常温まで降温すると、第1被接合部材1と第2被接合部材2の熱収縮量の差に起因して、形成された接合層3内で熱変形に起因する熱応力が生じる。一般に焼成温度は半導体素子のオン・オフ時の動作温度よりも高いため、接合構造体作製時の1回の熱応力でも接合層3にき裂が生じ、金属ナノ粒子の焼結体からなる接合層3のせん断強度が不十分な値となる場合があった。
このような半導体素子等の接合材料として金属ナノ粒子を利用する技術においても、種々の問題を解決しようとする試みが行われている。例えば、特許文献2においては、金属ナノ粒子を用いて形成された接合層で発生する熱応力を、この接合層の厚さを厚くすることにより解消することが提案されており、実施例においては接合層の厚さを100μm以上としている。しかしながら、接合層を厚くすると、金属ナノ粒子としてAg、Au、Cu、又はNiのナノ粒子を用いた場合には、これを焼結させて形成された接合層そのものの熱膨張率が大きくなり過ぎるという別の問題が発生する。接合層の熱膨張率が大きいと、接合時の熱処理に伴う熱履歴、あるいは、半導体素子のオン・オフ動作時に発生する熱履歴により発生する熱応力が大きくなり、接合強度が低下する虞がある。
すなわち、パワー半導体モジュールの最も一般的な構成において、半導体素子はSi(線熱膨張係数=約3×10−6/K)あるいはSiC(線熱膨張係数=約5×10−6/K)であり、また、絶縁回路基板の回路層はCu(線熱膨張係数=約17×10−6/K)である。そして、これらの間をAg(線熱膨張係数=約19×10−6/K)、Au(線熱膨張係数=約14×10−6/K)、Cu(前記のとおり)、Ni(線熱膨張係数=約13×10−6/K)等の金属から成る金属ナノ粒子で接合する場合、Cu回路層と金属ナノ粒子との間には線熱膨張係数にあまり大きな差はないが、半導体素子と金属ナノ粒子との間には線熱膨張係数に大きな差がある。このため、金属ナノ粒子の焼結体からなる接合層により半導体素子と基板とが強固に接合されると、特に接合層と半導体素子との接合界面で、熱膨張量の差による大きな熱応力が発生し、接合界面の剥離や半導体素子の破壊に至り、接合後の段階で接合強度が低下する虞がある。
特開2013-012,693号公報 特開2011-041,955号公報
「金属ナノ粒子を用いた接合技術」表面技術 Vol.59, No.7, 2008 「銀ナノペーストの改良と銀ハイブリッドペーストへの応用」HARIMA TECHNOLOGY REPORT pp443〜447
本発明は、Niナノ粒子を用いた接合材料であって、特に、接合構造体を構成する2つの被接合部材の間に線熱膨張係数の違いに基づく熱膨張量の差が存在し、しかも、高温(例えば、200℃以上)での使用が求められるような場合であっても、被接合部材間の剥離や接合層中のクラック発生を未然に抑制することができる接合材料を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような接合材料を用いて2つの被接合部材間を接合した接合構造体を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1) Niナノ粒子、金属粉、低熱膨張材料粉、及び有機溶剤を含む接合材料であって、
前記低熱膨張材料粉の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNiの線熱膨張係数よりも低いことを特徴とする接合材料。
(2) 前記Niナノ粒子は、平均粒径が10nm以上300nm未満であることを特徴とする前記(1)に記載の接合材料。
(3) 前記金属粉は、平均粒径が0.5μm以上20μm未満であり、また、前記低熱膨張材料粉は、平均粒径が0.5μm以上20μm未満であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の接合材料。
(4) 前記金属粉が、Ag、Au、Cu、及びNiからなる純金属、並びに前記純金属を総計50質量%以上の割合で含む合金からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載の接合材料。
(5) 前記金属粉がNi粉であることを特徴とする前記(4)に記載の接合材料。
(6) 前記低熱膨張材料粉が、W、Mo、Cr、TiB、及びZrBからなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の接合材料。
(7) 第1被接合部材と第2被接合部材とが、請求項1〜6のいずれかに記載の接合材料中のNiナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉の焼結体からなる接合層を介して、互いに接合されていることを特徴とする接合構造体。
(8) 前記接合層が、Niナノ粒子由来のNi相、金属粉由来の金属相、及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相を有し、前記低熱膨張相の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNi相の線熱膨張係数よりも低いことを特徴とする前記(7)に記載の接合構造体。
(9) 前記金属相が、Ag、Au、Cu、及びNiからなる純金属、並びに前記純金属を総計50質量%以上の割合で含む合金からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物に由来する金属相であることを特徴とする前記(8)に記載の接合材料。
(10) 前記金属相がNi粉由来のNi相であることを特徴とする前記(9)に記載の接合材料。
(11) 前記低熱膨張相が、W、Mo、Cr、TiB、及びZrBからなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物に由来する低熱膨張相であることを特徴とする前記(7)〜(10)のいずれかに記載の接合構造体。
なお、本発明において、“Niナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉の線熱膨張係数”と、“Niナノ粒子由来のNi相、金属粉由来の金属相、及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相の線熱膨張係数”とについては、それぞれの粉及び相を構成する元素(又は化合物)に対して与えられている物性値(例えば、丸善出版発行 日本金属学会編「金属データブック」改訂3版に所載の物性値)としての線熱膨張係数である。
また、接合層を形成する“Niナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉の焼結体”とは、接合材料が第1被接合部材と第2被接合部材との間に適用され、所定の温度で焼成されて接合層を形成した際に、少なくともNiナノ粒子とNiナノ粒子との間、Niナノ粒子と金属粉との間、及びNiナノ粒子と第1被接合部材の接合面との間、及びNiナノ粒子と第2被接合部材の接合面との間においてNiナノ粒子が焼結して互いに連結された状態をいい、Niナノ粒子と低熱膨張材料粉との間においては互いに焼結されていても、また、焼結されていなくてもよい。
本発明のNiナノ粒子を用いた接合材料によれば、Niナノ粒子の存在により、より低温での接合が可能であるばかりでなく、互いに接合されて接合構造体を構成する2つの被接合部材の間に、線熱膨張係数の違いに基づく熱膨張量の差が存在し、しかも、接合構造体に対して200℃を超える高温での使用が求められても、これら2つの被接合部材間の剥離や接合層中のクラック発生を可及的に防止することができる。
また、本発明の接合構造体によれば、2つの被接合部材間に形成された接合層に低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相が存在し、この低熱膨張相により接合層の熱膨張特性が2つの被接合部材の熱膨張特性の間の好適な状態に調整され、更に、接合層におけるクラックの発生や進展が接合層中の金属粉由来の金属相及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相により可及的に抑制され、接合構造体に熱履歴が作用した際に、2つの被接合部材の間に不可避的に発生する熱膨張量の差を可及的に小さくすることができ、結果として接合構造体における剥離やクラックを未然に抑制することができる。
図1は、本発明の実施の一例に係る接合構造体を示す断面説明図である。 図2は、本発明の他の実施の一例に係る接合構造体を示す断面説明図である。 図3は、実施例9で得られた接合構造体の接合層の断面をSEM観察して得られたSEM画像である。 図4は、実施例9の接合構造体の接合層におけるNiを標的とした図3に対応したEDX分析像である。 図5は、実施例9の接合構造体の接合層におけるZrを標的とした図3に対応したEDX分析像である。 図6は、実施例9の接合構造体の接合層におけるBを標的とした図3に対応したEDX分析像である。 図7は、従来の金属ナノ粒子を用いた接合構造体(比較例1)を示す断面説明図である。 図8は、比較例2の接合構造体を示す断面説明図である。 図9は、比較例3の接合構造体を示す断面説明図である。
本発明の接合材料は、Niナノ粒子(以下、単に「Niナノ粒子」ということがある。)、金属粉、低熱膨張材料粉、及び有機溶剤を含む接合材料であって、前記低熱膨張材料粉の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNiの線熱膨張係数よりも低いものである。
本発明において、Niナノ粒子とは、粒径が0.5μm未満の粒子であり、平均粒径が10nm以上300nm未満、好ましくは20nm以上100nm未満の粒子である。平均粒径は小さいほど低温で焼結することが可能となるため小さいほうがよいが、10nmより小さくなると自己凝集性が大きくなり、接合材料として製造を制御することが難しくなる。一方、平均粒径が300nmより大きいと表面活性が下がるため、焼結が十分に進まず、接合強度が低くなる。このようなNiナノ粒子が焼結したNi焼結体を接合構造体における第1被接合部材と第2被接合部材との間の接合層とすることにより、Niの融点よりもはるかに低い温度でNiナノ粒子間、Niナノ粒子と金属粉間、あるいはNiナノ粒子と被接合面とで焼結が生じ、第1被接合部材と第2被接合部材とを互いに接合させることができる。このNiナノ粒子の焼結に際しては、その焼結温度を好ましくは400℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは250℃以下にするのがよく、焼結温度、すなわち接合温度をより低温にできれば、接合の際に発生する応力をより小さくすることができる。これらの焼結温度はNiナノ粒子の製造方法やNiナノ粒子の表面を被覆している有機物質の種類、平均粒径などの特性により調整可能である。金属ナノ粒子の形状については、粒子の充填率を上げるため球状が好ましいが、球形以外にも、角型、扁平、楕円状等の形状でもよい。これらの場合、最も長い辺を粒径と定義する。
ここで、Niナノ粒子は、通常、ナノ粒子としての分散性維持のために、あるいは、粒子の酸化防止のために、その表面が脂肪酸、脂肪族アミン等の有機物質で被覆され、有機溶剤中に高分散状態で分散したスラリーとして供給され、また、接合層によって互いに接合される2つの被接合部材における被接合面の材質に応じて、Niナノ粒子以外の金属ナノ粒子、例えば、Ag、Au、Cu、及びこれらの金属のいずれかを含む合金等から選ばれたいずれか1種以上の金属ナノ粒子を含有していてもよく、また、酸素原子または炭素原子を含有していてもよい。これらNiナノ粒子以外の金属ナノ粒子は、半導体素子の接合層には必須の良好な電気伝導性及び熱伝導性の他、半導体素子の裏面の電極構造(これは、被接合面にあたる)との相関からよく用いられるものであり、これら金属ナノ粒子についても、通常、その表面が脂肪酸、脂肪族アミン等の有機物質で被覆され、有機溶剤中に高分散状態で分散したスラリーとして供給される。
ここで、一般に、金属ナノ粒子の金属焼結体からなる接合層は、マイクロポーラスと呼ばれるボイドを含んでいる焼結体であって延性に乏しい傾向にあることから、接合層の接合信頼性を維持するためには、接合構造体それ自体にも可及的に熱応力を発生させないようにすることが望ましく、本発明においては、金属ナノ粒子の金属として、線熱膨張係数が第1被接合部材と第2被接合部材との間にあるNiを主たる金属とするNiナノ粒子が選択されており、特に、第1被接合部材がSi半導体素子やSiC半導体素子であって、第2被接合部材が銅基板であるような場合には、Niナノ粒子と併用する他の金属ナノ粒子の金属についても、それら部材との間に線熱膨張係数を有するAuであることが好ましく、より好ましくはNiナノ粒子を単独で用いることである。そして、Niナノ粒子以外の金属ナノ粒子を配合する場合には、Niナノ粒子の線熱膨張係数の小ささによる利点を損なわないために、Niナノ粒子全体に対して、50体積%未満、好ましくは30体積%未満、更に好ましくは10体積%未満の割合であるのがよい。
ここで、Niナノ粒子についての粒径並びに平均粒径の測定は、次の方法で行うことが可能である。
〔Niナノ粒子の粒径並びに平均粒径の測定方法〕
Niナノ粒子をエタノールや水等の溶剤中に高分散させたスラリーを観察試料台に塗布し、真空乾燥等の方法によって十分に乾燥させ、高分解能SEM(Scaning Electron Microscope)あるいはTEM(Transmission Electron Microscope)観察用のサンプルを調製する。このようにして調製された観察用サンプルについて、粒子の直径×約10倍の視野範囲(例えば、視野角1270nm×950nmのSEM画像)で観察し、SEM画像あるいはTEM画像を取得してその画像を紙に印刷し、画像中のスケールバーの長さとそれぞれの粒子の直径を測定し、スケールバーより実際の粒径の大きさに換算し粒径を求める。そして、平均粒径求める際には、上記の粒径を求める操作と同じ操作を10回繰り返し、算術平均により粒子の平均粒径を算出する。
また、本発明において、金属粉とは、粒径0.5μm以上のNiの線熱膨張係数以上の線熱膨張係数を有する金属からなり、好ましくは導電性及び熱伝導性に優れた金属からなり、より好ましくは、第1被接合部材の線熱膨張係数と第2被接合部材の線熱膨張係数との間に線熱膨張係数を有する金属であるのがよい。このような金属粉としては、具体的にはAg、Au、Cu、及びNiからなる純金属、並びに前記純金属を総計50質量%以上の割合で含む合金からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物からなるものを例示することができ、好ましくはNi、又はAuであり、更に好ましくはNiである。また、この金属粉は、酸素原子又は炭素原子を含有していてもよい。また、この金属粉の平均粒径については、通常0.5μm以上20μm未満、好ましくは1μm以上10μm未満である。平均粒径が20μm以上になると、接合材料を塗布する作業性が悪くなったり、塗布層の表面の凹凸が大きくなり制御が困難になる虞がある。この金属粉の平均粒径については、小さい方がよいが、1μmより小さくなると、ペースト状の接合材料を調整した際に、粘度が高くなり易くペースト性が下がる場合がある。
ここで、この金属粉の粒径並びに平均粒径についても、前記Niナノ粒子の場合の〔Niナノ粒子の粒径並びに平均粒径の測定方法〕と同様の方法により測定することができ、また、金属粉の形状については、球状以外にも、角型、扁平、楕円状等の形状でもよい。これらの場合、最も長い辺を粒径と定義する。なお、この金属粉をNiナノ粒子と併用した場合であっても、Niナノ粒子のみの場合と同様に、Niナノ粒子を介在して比較的低温で粒子間の焼結を行うことができる。また、金属粉は、通常、Niナノ粒子よりも安価に製造することができ、金属ナノ粒子と金属粉とを併用することにより、接合材料のコストを大幅に低減することができる。
また、前記Niナノ粒子に加えて接合材料中に前記金属粉を使用するのは、以下の理由による。すなわち、Niナノ粒子だけではその焼結に伴う焼結収縮量が大きく、形成される接合層中にクラックが発生し、また、そのクラックが進展して空隙が生じ易いが、接合材料中に粒径が比較的大きい金属粉を配合すると、この金属粉がクラックの発生や進展に対して置き石のように働き、Niナノ粒子の焼結収縮を分割する役割を果たし、接合層中における比較的大きなクラックの発生や進展を防止し、空隙の発生を抑制する効果があり、更に、その粒子径の大きさから、加圧接合した場合でも接合層の厚さを担保することができるからである。
また、本発明においては、前記Niナノ粒子及び金属粉に加えて、Niの線熱膨張係数よりも5×10−6/K以上の線熱膨張係数差を有してNiよりも低い線熱膨張係数を有する低熱膨張材料粉が用いられる。
ここで、低熱膨張材料粉とは、粒径が0.5μm以上の粒子であり、平均粒径が0.5μm以上20μm未満、好ましくは1μm以上10μm未満である低熱膨張性の無機材料であり、平均粒径が20μmを超えると接合材料の流動性が低下する虞があり、反対に、平均粒径が0.5μmより小さくなると接合層の熱膨張・収縮量の低減効果が小さくなる虞がある。また、本発明で用いる低熱膨張材料粉は、形成される接合層の導電性や熱伝導性の均一性を確保するために、更には、粒子の充填係数を向上させるための制御をし易くするために、その粒径分布が狭い方がよく、更にまた、球形であることが好ましい。そして、この低熱膨張材料粉の粒径並びに平均粒径については、前記〔Niナノ粒子の粒径並びに平均粒径の測定方法〕と同様の方法により測定することができる。なお、低熱膨張材料粉の形状については、球状以外にも、角型、扁平、楕円状等の形状でもよい。これらの場合、最も長い辺を粒径と定義する。
また、低熱膨張材料粉を構成する材料としては、その線熱膨張係数がNiの線熱膨張係数よりも5×10−6/K以上の差をもってNiよりも低い材料であれば、特に制限されるものではなく、金属粉の種類や、接合層によって互いに接合される2つの被接合部材の材質、特に被接合部材における被接合面の材質等に応じて、適宜選択し得るものであり、具体的には、例えばパワー半導体モジュール作製用の接合材料の調製に際しては、W(線熱膨張係数:約4.5×10−6/K)、Mo(線熱膨張係数:約4.8×10−6/K)、Cr(線熱膨張係数:約4.9×10−6/K)といった金属や、TiB〔線熱膨張係数:約(6.2〜7.2)×10−6/K〕、及び、ZrB〔線熱膨張係数:約(6.8〜7.9)×10−6/K〕といった金属ホウ化物等を例示することができ、これらは、そのいずれか1種のみを単独で用いることができ、また、2種以上を併用することもできる。このNiの線熱膨張係数に対する低熱膨張材料粉の線熱膨張係数の差(以下、「対Ni線熱膨張係数差」ということがある。)が5×10−6/Kよりも小さいと、形成された接合層における熱膨張・収縮量の低減効果を十分に達成し得なくなる虞が生じる。
これらの低熱膨張材料粉は、前記Niナノ粒子及び金属粉より線熱膨張係数が小さい材料であり、これら低熱膨張材料粉の線熱膨張係数、平均粒径、配合割合等を勘案し、また、必要により使用する前記金属粉の線熱膨張係数、平均粒径、配合割合等も勘案して、制御したい接合層の熱膨張量になるよう適宜組み合わせて用いてもよい。なお、これら以外の元素であっても、Niに比べ線熱膨張係数が小さい材料からなる粒子であれば熱膨張・収縮の低減効果が期待できる。なお、本発明において、上記金属や金属ホウ化物等からなる低熱膨張材料粉については、純度が95質量%以上のものを意味し、0.5質量%未満であれば不特定の不純物(金属や金属化合物等)、特に不可避的不純物等が存在していてもよい。
本発明の接合材料は、前記のNiナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉に加えて、これらを分散する有機溶剤を含むものであり、Niナノ粒子を被覆する有機物質等の種類に応じて、アルコール系、グリコールエーテル系、炭化水素系の溶剤の中から選択される。これら有機溶剤は、熱分析(ガスクロマトグラフィー等)により同定可能である。また、必要により、この接合材料中には、その他の添加剤として従来公知の各種の分散助剤やバインダー等を選択して添加してもよく、接合材料に所望の流動性等を付与することができる。
そして、本発明の接合材料の組成については、前記のNiナノ粒子をNiナノ粒子そのもの(ここでは単に「Niナノ粒子」という。)とこのNiナノ粒子を被覆する目的で添加される有機物質及びその他の添加剤(ここではこれらを単に「添加剤」という。)とに区別して考慮すると、使用された各材料の種類や平均粒径により変わるものであるが、好ましくは、Niナノ粒子が10〜52体積%、金属粉が5〜26体積%、低熱膨張材料粉が5〜26体積%、有機溶剤が30〜60体積%、及び添加剤が0.1〜10体積%である。ここで、有機溶剤や添加剤については、焼成時には、一部は揮発しあるいは分解して接合層から離脱し、また、一部は分解し炭化して接合層中に残存する可能性があるため、少なければ少ない方がよいが、少なすぎると接合材料の流動性がなくなるため塗布性が悪くなり、更に、接合材料のライフタイムも短くなるため、有機溶剤は30体積%以上、添加剤は0.1体積%以上であるのがよく、反対に、有機溶剤や添加剤が多すぎると、接合材料の印刷時に接合材料が塗れ拡がることがあり、また、接合材料が存在できる範囲以上に塗布されることがあり、更に、有機物の量が増えて炭化し残存する可能性が高くなるので、有機溶剤については60体積%以下、また、添加剤については10体積%以下であることが好ましい。
また、Niナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉については、Niナノ粒子が金属粉や低熱熱膨材料粉との間、あるいは、被接合部材との間で接合の役割を担うものであり、また、Niナノ粒子が多すぎると金属粉や低熱膨張材料粉の添加効果が小さくなり、そして、金属粉と低熱膨張材料粉については、接合層の低熱膨張化のためには多い方が好ましいが、前記Niナノ粒子の接合性を確保する必要があることから、これらNiナノ粒子(A)、金属粉(B)、及び低熱膨張材料粉(C)の配合比率(A:B:C)については体積比率で(3〜7):(1〜3):(2〜4)であるのがよく、この配合比率を勘案して、Niナノ粒子が10〜52体積%、金属粉が5〜26体積%、低熱膨張材料粉が5〜26体積%であることが好ましい。なお、接合層を低熱膨張化するため、金属粉よりも低熱膨張材料粉の割合を多くすることが好ましい。
このようにして調製された本発明の接合材料を用いて第1被接合部材と第2接合部材との間を接合する際には、その組成を調整することによって、スラリー状、ペースト状、グリース状、又はワックス状等の性状に調製し、この調製された接合材料を、例えばエアースプレーコーター、ロールコーター、静電スプレーコーター、スキージ法、マスク印刷法等により第1被接合部材及び/又は第2被接合部材の各被接合面に塗布し、これら第1被接合部材と第2接合部材とを重ね合わせて接合材料と共に一体に加熱すればよく、この際に、接合材料は焼成され、接合材料中の有機溶剤及び添加剤の一部は揮発しあるいは分解して接合層から離脱し、また、一部は分解し炭化して接合層中に残存する。この接合材料の焼成時の加熱温度は、通常200℃以上450℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下であり、この加熱温度が200℃より低いとNiナノ粒子に起因する焼結が十分に進まない虞があるほか、有機物の十分な揮発や分解が進まずに接合材料の焼結が阻害される虞もあり、結果として十分な接合強度が得られない場合があり、反対に、加熱温度が450℃超では、例えばパワー半導体モジュールの作製時には、半導体素子の損傷や、焼成温度から室温に冷却する過程で発生する熱応力が大きくなり、接合構造体にダメージが加わることが懸念される。また、本発明の接合材料を用いた接合時には、第1被接合部材、接合材料及び第2被接合部材の間に適当な圧力、好ましくは0.1MPa以上50MPa以下、より好ましくは1MPa以上10MPa以下の圧力を加えてもよい。
また、本発明の接合材料を用いて形成される接合構造体については、例えば図1に示すように、第1被接合部材1の被接合面(第1被接合面)1aと第2被接合部材2の被接合面(第2被接合面)2aとの間に接合材料が焼結して接合層3が形成され、また、この接合層3には接合材料中のNiナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉が焼結して形成されたNiナノ粒子由来のNi相3a、金属粉由来の金属相3b、及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相3cが存在する。そして、前記接合層3中に形成されたNi相3aと低熱膨張相3cとの間の線熱膨張係数差が5×10−6/K以上であることにより、例えば第1接合部材1が半導体素子であって第2接合部材2が絶縁回路基板のCu回路層であるパワー半導体モジュールを作製した際に、以下のような作用効果を発現する。なお、接合材料中の金属粉がNi粉であると、接合層3中では金属粉由来の金属相3bがNi相となってNiナノ粒子由来のNi相3aと一体となって区別することが難しくなるが、概念的には区別して考えることができ、また、Niナノ粒子由来のNi相3aには通常0.5μm未満のボイドが存在するのに対して0.5μm以上の金属粉由来の金属相にはこのようなボイドが存在しないので、接合層の断面のSEM像あるいはTEM像により、目視により区別することができる。
すなわち、第1接合部材1の半導体素子と第2接合部材2のCu回路層とは線熱膨張係数の差が大きいため、半導体素子の動作時のON/OFFに伴って発生する温度履歴によって接合構造体に熱応力が加わり、この熱応力が大きいと接合構造体へのダメージにつながるが、本発明の接合構造体においては、その接合層3中にNi相3a及び金属相3bよりも線熱膨張係数の小さい低熱膨張相3cが存在し、この低熱膨張相3cの熱履歴による膨張・収縮量が小さくて接合層3全体の膨張・収縮量が小さくなり、更に、接合層3中のNi相3a及び金属相3bの膨張・収縮量の影響が低熱膨張相3cにより分断され、接合層3全体として半導体素子動作時のON/OFFに伴う熱履歴による膨張・収縮の影響が低減され、結果として半導体素子の動作時の剥離やクラックを未然に抑制することができる。
本発明の接合構造体として、上記の如くパワー半導体モジュールを構成する場合、第2被接合部材としてアルミニウム基板、鉄基板、銅基板、ステンレス基板等の金属基板や、銅貼りアルミナ基板、銅貼り炭化ケイ素基板、銅貼り窒化物系基板等の絶縁回路基板を配置することが考えられるが、例えば第2被接合部材が銅基板で、接合層中の金属相成分がAuあるいはNiである場合、これらAuあるいはNiの線熱膨張係数がCuよりも小さいので、低熱膨張相を形成することにより接合層の熱履歴時の膨張・収縮量を低減すると、第2被接合部材の第2接合面であるCuと接合層との間の膨張・収縮量の差が逆に大きくなる。
そこで、このような場合には、例えば図2に示すように、第2被接合部材2の被接合面(第2被接合面)2aに、低熱膨張材料粉を含まないNiナノ粒子のみを含む接合材料又はNiナノ粒子及び金属粉を含む接合材料を塗布し乾燥させて乾燥層を形成し、この乾燥層の表面に本発明の接合材料を塗布し、焼成して本発明の接合材料由来の接合層3a,3b,3cと前記乾燥層由来の接合層3dとからなる接合層3を形成し、第1被接合部材1と第2被接合部材2との間を接合してもよく、これによって、第2被接合部材2と接合層3dとの間の膨張・収縮量を大きくさせることなく、主として第1被接合部材1と接合層3a,3b,3cとの間の膨張・収縮量を低減することもできる。
なお、この接合層中のNi相、金属相、及び低熱膨張相については、次の方法で確認することができる。
〔接合層中のNi相、金属相、及び低熱膨張相の検出方法〕
先ず、接合構造体を硬化性エポキシ樹脂等の樹脂中に埋め込み、樹脂を硬化させた後、第1被接合部材から接合層を介して第2被接合部材に至る積層方向に垂直に切断した試料片を切り出し、この試料片の切断面を研磨し、更に必要に応じてArイオン等を用いたイオンエッチング法によるCP(Cross Section Polisher)加工を行い、SEM観察用の観察試料片を作製する。
次に、作製された観察試料片をSEM観察試料台にセットし、その切断面を接合層の厚さ方向の全体が観察できる範囲、例えば24μm×33μmの視野で観察し、その切断面画像を取得すると共に、SEM装置付随のEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)等により元素定量分析を行う。ここで、Niナノ粒子由来のNi相、金属粉由来の金属相、低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相がSEM像から目視により判別可能な場合は、それぞれの相においてポイント分析を行うことにより、分析結果が化合物であってもその主たる成分並びに原子数濃度%から相の由来を決定することができる。一方、各相の判別が困難な場合には、ポイント分析を複数個所繰り返し行い、その結果から相の由来を決定する。これらの動作を3〜10個の切断面において実施し、接合層中に含まれるNi相、金属相、及び低熱膨張相についてその由来を決定する。
本発明において、接合層は特にNiナノ粒子を起点とした粒子同士の焼結によって全体の接合力を形成しているので、接合層中に意図的に前記Ni相や金属相、あるいは前記低熱膨張相以外の成分を含有させることは必須ではない。仮に接合層中にNi相、金属相、及び低熱膨張相を構成する成分以外の成分が含有される場合や、接合材料中に含まれる有機溶剤、有機物質、その他の添加剤に由来するC成分が含まれる場合には、その割合は20質量%以下であるのがよく、これによって本発明の効果を十分に発揮することができる。また、接合層が金属粒子の焼結により形成されるため、本発明の効果を十分に発揮されうる範囲内であれば、この接合層中にはボイド等の空隙が存在していてもよい。
〔実施例1〜7及び比較例1〜2〕
有機物質のオクタン酸で被覆されたNiナノ粒子(A)と、金属粉(B)と、低熱膨張材料粉(C)とを用い、また、有機溶剤として粘度調整添加剤を含むブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)を用い撹拌と脱泡を同時に行った後、混練して表1に示す接合材料を調製した。
次に、第1被接合部材として、厚み0.4mm×縦5mm×横5mmの大きさのダミーチSiチップを用い、その一方の面にスパッタ法により合計厚みが1.1μmのTi/Ni/Au膜を形成し、第1被接合面とした。また、第2被接合部材として、厚み1mm×縦20mm×横20mmの大きさの銅基板に合計厚み5μmのNi/Auめっきを施して第2被接合面とした。
上記の各実施例及び比較例の接合材料を、上記の第1被接合部材の被接合面(第1被接合面)にスキージ法により塗布し、次いで、この第1被接合部材の第1被接合面上には、先に塗布された接合材料を挟み込むようにして、第2被接合部材の被接合面(第2被接合面)を重ね合わせ、5MPaの加圧下、ピーク温度300℃、保持時間30min、3%H+97%Nの還元雰囲気の条件下に加熱し、接合材料中の粒子を加熱して焼結させ、第1被接合部材と第2被接合部材との間に接合層を形成させ、常温まで冷却して各実施例及び比較例の接合構造体を形成した。
ここで、得られた各実施例の接合構造体は図1に示す通りであり、また、各比較例の接合構造体については比較例1が図7に、比較例2が図8に、また、比較例3が図9に示す通りである。なお、図7〜図9において、図1の場合と同じ部分については同じ符号が用いられている。
〔接合強度試験〕
各実施例及び比較例で得られた接合材料を用いて作製された直後の各実施例及び比較例の接合構造体について、ボンドテスター(デイジ社製シリーズ4000)を用い、ダイ・シェアモードにてダミーSiチップのせん断強度(n=10)を測定し、算術平均によりせん断強度を求め、初期接合強度を評価した。
〔温度サイクル試験〕
上記接合を完了して作製された直後の各実施例及び比較例の接合構造体について、気相式冷熱衝撃試験機(エスペック社製TSA-ES72-W)を使用し、−40℃と175℃との間で1サイクル60分の温度サイクル試験を行って信頼性を評価し(信頼性1)、また、−40℃と250℃との間で1サイクル60分の温度サイクル試験を行って信頼性を評価した(信頼性2)。この温度サイクル試験の間、100サイクル経過後に接合構造体を取り出し、超音波映像装置(日立パワーソリューションズ社製FineSAT)により、第1被接合部材と接合層との接合面積(%)を調査した。
〔評価方法〕
ペースト性:上記の各実施例及び比較例の接合材料を製造した際に、接合材料として容易に製造できたものを◎、製造はできたが、得られた接合材料の取扱が難かったものを○、製造できなかったものを×とする基準で評価した。
塗布性:接合材料をスキージ法により塗布する際に、塗布作業の作業性が良かったものを◎、塗布直前にペーストを混練することにより作業性が向上したものを○、作業性が悪く塗布できなかったものを×とする基準で評価した。
塗布状態:接合材料をスキージ法により塗布した際に、所定のサイズに塗布できたものを◎、所定のサイズに満たなかったり越えたりしたが、許容できるサイズに収まったものを○、許容できる範囲外になったものを×とする基準で評価した。
初期接合強度:各実施例及び比較例の接合構造体に対して前記接合強度試験を実施して測定された接合強度について、強度が10MPa以上のものを◎、1MPa以上10MPa未満のものを○、1MPa未満のものを×とする基準で評価した。
〔総合評価方法〕
信頼性1:前記温度サイクル試験において、100サイクル後に超音波映像装置により接合面積(%)を測定し、この接合面積が60%以上のものを◎、接合面積が60%未満のものを×として評価した。
信頼性2:前記温度サイクル試験において、100サイクル後に超音波映像装置により接合面積(%)を測定し、この接合面積が60%以上のものを◎、接合面積が60%未満のものを×として評価した。
結果を表1に示す。
比較例1のNiナノ粒子のみの場合、及び比較例3のNiナノ粒子と低熱膨張材料粉(ZrB)のみの場合にはいずれも初期接合強度が1MPa未満(評価×)であり、また、比較例2のNiナノ粒子と金属粉(Ni粉)のみの場合には、温度サイクル試験において、100サイクルまでにSiチップと接合層の界面近傍での剥離面積の増加係数が20%以上となって、信頼性の評価が×であったのに対し、本発明の各実施例においては、ペースト性、塗布性、及び塗布状態の評価も含めて、初期接合強度及び信頼性が共に◎又は〇の評価であった。
そして、図3は、実施例9で得られた接合構造体における接合層の断面を示すSEM画像であり、このSEM画像において、その接合層にNiナノ粒子由来のNi相、金属粉(Ni粉)由来のNi相、及び低熱膨張材料粉(ZrB粉)由来の低熱膨張相(ZrB相)が観察される。
また、図4は実施例9の接合構造体の接合層におけるNiを標的とした図3に対応したEDX分析像であり、図5は実施例9の接合構造体の接合層におけるZrを標的とした図3に対応したEDX分析像であり、また、図6は実施例9の接合構造体の接合層におけるBを標的とした図3に対応したEDX分析像であり、実施例9の接合構造体の接合層中にそれぞれNiナノ粒子由来のNi相、金属粉(Ni粉)由来のNi相、及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相(ZrB相)が確認される。
Figure 2017172029
1…第1被接合部材、1a…第1被接合面、2…第2被接合部材、2a…第2被接合面、3,3d…接合層、3a…Ni相、3b…金属粉由来の金属相、3c…低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相。

Claims (11)

  1. Niナノ粒子、金属粉、低熱膨張材料粉、及び有機溶剤を含む接合材料であって、
    前記低熱膨張材料粉の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNiの線熱膨張係数よりも低いことを特徴とする接合材料。
  2. 前記Niナノ粒子は、平均粒径が10nm以上300nm未満であることを特徴とする請求項1に記載の接合材料。
  3. 前記金属粉は、平均粒径が0.5μm以上20μm未満であり、また、前記低熱膨張材料粉は、平均粒径が0.5μm以上20μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合材料。
  4. 前記金属粉が、Ag、Au、Cu、及びNiからなる純金属、並びに前記純金属を総計50質量%以上の割合で含む合金からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3に記載の接合材料。
  5. 前記金属粉がNi粉であることを特徴とする請求項4に記載の接合材料。
  6. 前記低熱膨張材料粉が、W、Mo、Cr、TiB、及びZrBからなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の接合材料。
  7. 第1被接合部材と第2被接合部材とが、請求項1〜6のいずれかに記載の接合材料中のNiナノ粒子、金属粉、及び低熱膨張材料粉の焼結体からなる接合層を介して、互いに接合されていることを特徴とする接合構造体。
  8. 前記接合層が、Niナノ粒子由来のNi相、金属粉由来の金属相、及び低熱膨張材料粉由来の低熱膨張相を有し、前記低熱膨張相の線熱膨張係数が5×10−6/K以上の差を有してNi相の線熱膨張係数よりも低いことを特徴とする請求項7に記載の接合構造体。
  9. 前記金属相が、Ag、Au、Cu、及びNiからなる純金属、並びに前記純金属を総計50質量%以上の割合で含む合金からなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物に由来する金属相であることを特徴とする請求項8に記載の接合材料。
  10. 前記金属相がNi粉由来のNi相であることを特徴とする請求項9に記載の接合材料。
  11. 前記低熱膨張相が、W、Mo、Cr、TiB、及びZrBからなる群から選ばれたいずれか1種又は2種以上の混合物に由来する低熱膨張相であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の接合構造体。

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