JP2012031000A - 配列化ダイヤモンド膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒界を避けた素子配置を容易に形成させることにより、実質的に単結晶基板上と同等に高性能の素子を効率的に製造でき、更に粒界に沿って分割することで容易に素子を製造できる、大型の多角形ダイヤモンド結晶粒が配列した高配向ダイヤモンド膜を提供する。
【解決手段】異種材料の結晶基板上に、その結晶方位の情報を引き継いで成長を開始した高配向ダイヤモンド膜であって、表面において、多角形ダイヤモンド結晶粒が、重心間距離が20μm以上の二次元繰り返しパターンで配列していることを特徴とする配列化ダイヤモンド膜。
【選択図】なし
【解決手段】異種材料の結晶基板上に、その結晶方位の情報を引き継いで成長を開始した高配向ダイヤモンド膜であって、表面において、多角形ダイヤモンド結晶粒が、重心間距離が20μm以上の二次元繰り返しパターンで配列していることを特徴とする配列化ダイヤモンド膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、トランジスタ、ダイオード、発光素子、各種センサなどの電子デバイス、X線および光学関連材等に使用される高品質な配列化ダイヤモンド膜、並びにその製造方法に関するものである。
ダイヤモンドは耐熱性に優れ、また通常は絶縁体であるが、不純物ドーピングにより半導体にすることができるという特性を有する。またダイヤモンドは、絶縁破壊電圧や飽和ドリフト速度が大きい、誘電率が小さいという優れた電気的特性を有する。このような特性を有するダイヤモンドは、高温・高周波・高電界用の電子デバイスとして期待されている。
またダイヤモンドはそのバンドギャップが大きい(5.5eV)ことを利用して、紫外線などの短波長領域に対応する光センサや発光素子への応用、または高い光透過性・屈折率を利用したX線窓や光学材料への応用などが勧められている。
上記のような応用でダイヤモンドの特性を最大限に発揮させるためには、結晶欠陥が少ない高品質なダイヤモンド膜を製造することが必要である。
ダイヤモンドの気相合成法としては、マイクロ波プラズマ化学蒸着法(CVD)法(例えば特許文献1および2)、高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼法などが知られている。しかしシリコンなどの非ダイヤモンド基板に気相合成されたダイヤモンド膜は、一般に、ダイヤモンド結晶粒がランダムに凝集した多結晶であり、粒界が高密度に存在する。この粒界によってキャリア(電子やホールなどの荷電粒子)はトラップされたり、散乱されるため、粒界が高密度で存在するダイヤモンドは電気的特性が劣化する。また粒界で光が散乱されるため、粒界が高密度に存在するダイヤモンドは光透過性が低下する。
ダイヤモンド膜の品質を向上させるために、粒界を少なくし、且つダイヤモンド結晶粒がほぼ一定方向に揃った高配向ダイヤモンド膜を合成する技術が提案されている。
例えば特許文献3では、以下のような3段階で高配向ダイヤモンド膜を製造する技術(3段階気相合成法)が開示されている。(1)まずSi(100)などの基板に負のバイアス電圧を印加しながら炭素含有プラズマに曝すことによって核を生成させる(第1段階=バイアス核発生)。(2)次いでダイヤモンドの〈100〉方位の成長速度が速い条件で気相合成して、基板に垂直に〈100〉方位に配向したダイヤモンド結晶粒を成長させる(第2段階=配向成長)。この第2段階の成長を続けることによって、非配向ダイヤモンド結晶粒は、〈100〉方位に配向したダイヤモンド結晶粒に埋もれてゆく。(3)最後に、非配向ダイヤモンド結晶粒が埋もれた頃を見計らって、〈111〉方位の成長速度が速い条件に切り替えて気相合成することによって、水平方向に{100}面が広がるように、〈100〉方位に配向したダイヤモンド結晶粒を成長させる(第3段階=粒径拡大および平坦化成長)。この第3段階の成長によって、全面が平らなダイヤモンド膜が形成される。
また特許文献4は、第1のダイヤモンド膜上に複数の貫通孔を設けた金属膜を形成し、この上に第2のダイヤモンド膜を形成する技術を開示している。この技術では、金属膜の貫通孔から露出した第1のダイヤモンド膜を基にして、それと同じ面({100}面または{111}面)を持ったダイヤモンド結晶粒を成長させて、欠陥を低減した第2のダイヤモンド膜を形成できる。
一方、単結晶ダイヤモンドの種(種結晶)を並べて、この種に基づいてダイヤモンドの膜や板を生成する技術については、例えば非特許文献1にも提案されている。この技術では、例えば1つのSi基板に規則正しい凹みを設け、各凹み上に正八面体のダイヤモンド粒子を配置し、CVD法を適用することによって膜を生成させるものである。或は、正方形のダイヤモンド板を並べて配置し、CVD法によって一体化したダイヤモンド板を形成することも開示されている。
「Diamond Films」 Koji Kobashi,ELSEVIER Ltd.(英国)、2005年出版、P74−77、Fig.7.10,Fig.7.11,Fig.7.12
特許文献3のような3段階気相合成法では、第2段階で成長させたダイヤモンド層(配向成長層)に多くの粒界が形成される。この粒界は、光学散乱の要因になり、また粒界は内部応力を増大させ、ダイヤモンド膜全体が反る要因になる。また第2段階は{111}セクタ成長となるので、配向成長層は、{100}セクタ成長させた層に比べて、窒素やSiなどの不純物の取り込みが10倍も多く、また結晶欠陥も多い。
このような理由から、配向成長層は、用途に応じて、基板と共に除去する必要がある。そのためこの層は、なるべく薄いほうが好ましい。また製造コスト削減のためにも、第2段階の成長時間は短くしたいという要請がある。しかし第2段階の成長が不充分で、非配向結晶粒、特に〈111〉が基板にほぼ垂直な結晶粒が表面に残っている状態で、第3段階の成長を開始すると、〈111〉配向結晶粒が縦方向に成長し、〈100〉配向結晶粒で形成される平坦面から、〈111〉配向結晶粒が突き出た形状(いわゆるヒロック形状)になり、平坦なダイヤモンド膜を形成することができない。
尚、上記{100}セクタ成長とは、{100}面を保ちながら、結晶成長する様式を意味する。一般的には、{111}セクタ成長と{100}セクタ成長の両方が含まれる状態で成長するものであるが、上記特許文献3の第2段階では{111}セクタ成長のみ、第3段階は初期には{111}セクタ成長と{100}セクタ成長の両方が含まれ、{111}面が消滅したところから、{100}セクタ成長のみに移行することになる。
また特許文献2のように金属膜を使用する技術では、第2のダイヤモンド膜に非配向結晶粒が形成されることがある。詳しくは、第1のダイヤモンド膜表面(例えば{100}配向ダイヤモンド膜)に、非配向ダイヤモンド結晶粒(例えば〈111〉方位が基板にほぼ垂直であるダイヤモンド結晶粒)が存在し、貫通孔からその非配向結晶粒が露出してしまうと、この非配向結晶粒を基にして第2のダイヤモンド膜にも非配向結晶粒が形成される。
また図1に示すように、基板1および第1のダイヤモンド膜2上に貫通孔を有した金属膜3を形成し、ダイヤモンド結晶粒4を成長させる上記技術でも(図1(a))、表面に対向する上側から見て正方形の形状であって、その1辺が10μm程度であるダイヤモンド結晶粒5が相互に隣接するように配列された第2のダイヤモンド膜6を製造できる(図1(b))。しかしこの技術では、図2に示すように、1辺が20μm以上である正方形ダイヤモンド結晶粒を製造しようとすると、ダイヤモンド結晶粒4だけでなく、金属膜3上に不要な非配向ダイヤモンド結晶粒7が形成されてしまう(図2(a))。そのため1辺が20μm以上である正方形ダイヤモンド結晶粒が配列したダイヤモンド膜を製造することができない(図2(b))。
上記特許文献3および4に開示された技術の他に、高圧合成で製造したダイヤモンド結晶粒(種結晶)を、基板であるSiウェハ上に設けた複数の窪みに1個ずつ置き、そこから気相合成でダイヤモンド結晶粒を成長させて、ダイヤモンド膜を製造する技術がある。しかしこの技術では、ダイヤモンド粒子を1個ずつ置いていくことに手間がかかる。その上、高圧合成で製造されたダイヤモンド結晶粒は、通常、その大きさや形が不均一であるので、歩留まり良く、同じ結晶方位に揃えてダイヤモンド結晶粒を基板上に置くことは困難である。
電子デバイス等の分野では、粒界が少なく、ダイヤモンド結晶粒の配向が揃った高配向ダイヤモンド膜が求められている。またダイヤモンド膜は硬いため、分割(ダイシング)が困難である。そのため素子チップ並みに大型の多角形(好ましくは矩形)ダイヤモンド結晶粒を作ることができれば、その結晶粒界に沿って分割することで、容易に素子チップを大量生産できる。しかし一辺が20μm以上であり(正方形の場合)、且つ多角形のダイヤモンド結晶粒(多角形ダイヤモンド結晶粒の場合には、上記一辺は「重心点間距離」に相当)が相互に隣接するように配列した高配向ダイヤモンド膜は、これまでの技術では実用的に製造された例は見当たらない。
尚、正方形のダイヤモンド板を並べて配置し、CVD法によって一体化したダイヤモンド板を形成することは提案されているが(前記非特許文献1)、この方法は、結晶の成長方向が厚み方向のみであると共に(ホモエピタキシャル成長)、大きさ、方位の揃った単結晶ダイヤモンド板を必要な面積分必要とし、コスト低減は容易でないという問題がある。
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、粒界を避けた素子配置を容易に形成させることにより、実質的に単結晶基板上と同等に高性能の素子を効率的に製造でき、更に粒界に沿って分割することで容易に素子を製造できる、大型の多角形ダイヤモンド結晶粒が配列したダイヤモンド膜を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の配列化ダイヤモンド膜は、異種材料の結晶基板上に、その結晶方位の情報を引き継いで成長を開始した高配向ダイヤモンド膜であって、表面において、多角形ダイヤモンド結晶粒が、重心点間距離が20μm以上の二次元繰り返しパターンで配列している点に要旨を有する。
前記多角形ダイヤモンド結晶粒の形状が、表面において、略正方形であること(この場合は、「前記重心点間距離が20μm以上」は「一辺が20μm以上」に相当)が好ましい。
本発明は、前記の配列化ダイヤモンド膜の製造方法も提供する。本発明の製造方法は、複数の柱状高配向ダイヤモンドを20μm以上の等間隔で形成した基板を準備し、前記の柱状高配向ダイヤモンドを核として、気相合成でダイヤモンドを成長させることによって、表面において多角形のダイヤモンド結晶粒が相互に隣接するように配列させる点に要旨を有する。
前記柱状高配向ダイヤモンドの高さが、5μm以上、20μm以下であることが好ましい。また前記の柱状高配向ダイヤモンドの直径が、0.5μm以上、5μm以下であることが好ましい。更に、前記柱状高配向ダイヤモンドのアスペクト比(柱状高配向ダイヤモンドの高さ/柱状高配向ダイヤモンドの直径)が2以上、20以下であることが好ましい。
本発明の配列化・高配向ダイヤモンド膜は、大型の多角形ダイヤモンド結晶粒を、粒界を避けた素子配置を容易に形成させることにより、実質的に単結晶基板上と同等に高性能の素子を効率的に製造でき、更に粒界に沿って容易に分割することができる。分割した大型の多角形ダイヤモンド結晶粒を素子チップに利用できれば、粒界が存在しない高性能な素子チップを製造できる。
また本発明の製造方法によれば、高圧合成タイヤモンドの種結晶自体、およびそれを規則的に基板に置く作業が不要であり、このような種結晶を使用する技術に比べて、低コストで配列化・高配向ダイヤモンド膜を製造できる。
本発明の配列化ダイヤモンド膜は、表面において、略同型・同サイズの多角形ダイヤモンド結晶粒が、重心点間距離が20μm以上の二次元繰り返しパターンで配列(ダイヤモンド結晶粒が二次元的に相互に隣接するように配列)している。尚、「表面において多角形」とは、配列化ダイヤモンド膜の表面を、対向するその上側から見てダイヤモンド結晶粒子の形状が多角形であることを意味する。また、上記のような多角形ダイヤモンド結晶粒は、ほぼ同形、同サイズのものとなるが(その意味で「略同形・同サイズ」)厳密に完全に一致している必要はない。
また本発明の配列化ダイヤモンド膜は、ダイヤモンド結晶粒子が基本的に「高配向」なものとなるが、この「高配向」とは、相互に隣接するダイヤモンド結晶粒のオイラー角{α,β,γ}の差{Δα,Δβ,Δγ}が、|Δα|≦5°、|Δβ|≦10°、|Δγ|≦5°を同時に満足するものであることを意味する。更に、上記「重心点間距離」とは、正多角形の場合には、その平面方向中央位置の相互間距離を意味し、他の多角形の場合には、重心に相当する位置の相互間距離を意味する。
分割(ダイシング)をより一層容易にするため、前記ダイヤモンド結晶粒は、表面において矩形(直角四辺形)であることが好ましく、略正方形であることがより好ましい。
前記多角形ダイヤモンド結晶粒の重心点間距離は、20μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上である。上述した金属膜を利用するような従来技術では、重心点間距離が20μm以上である多角形(好ましくは矩形、より好ましくは略正方形)の結晶粒が配列したダイヤモンド膜は製造できない。またトランジスタなどの活性領域の重心点間距離は典型的に50μm以上である。そのため重心点間距離が50μm以上である多角形ダイヤモンド結晶粒が配列したダイヤモンド膜を製造できれば、粒界に沿って分割(ダイシング)することで、粒界が存在しない高性能な素子チップを容易に大量生産することができる。
前記多角形ダイヤモンド結晶粒の重心点間距離は、後述する製造方法の観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。
前記多角形ダイヤモンド結晶粒の形状およびその一辺の大きさは、例えば、以下のような方法で粒界を測定することによって、特定することができる。(1)ダイヤモンド膜表面をノマルスキー顕微鏡で観察することによって粒界を検出する。(2)電子線後方散乱回折像(EBSP)によって結晶方位の不連続(即ち結晶粒界)を検出する。(3)ダイヤモンド膜表面を研磨する前に、走査型電子顕微鏡(SEM)でその凹凸を観察することによって、結晶粒間のわずかな段差や結晶面の傾きを検出し、その不連続部分を粒界として特定する。(4)顕微カソードルミネッセンス像では粒界付近の発光強度が低いことを利用して、粒界を検出する。尚、1つの測定方法で粒界が不明確である場合、複数の方法を組み合わせて粒界を特定すればよい。
上述した本発明の配列化ダイヤモンド膜は、複数の柱状高配向ダイヤモンドを20μm以上の等間隔で形成した基板を準備し、前記の柱状高配向ダイヤモンドを核として、気相合成でダイヤモンドをエピタキシャル成長させることによって製造できる。
複数の柱状高配向ダイヤモンドを形成した基板は、(1)まず例えば特許文献3に記載されている方法(3段階気相合成法)や、特開平06−172088号公報、特開平07−69789号公報、特開平07−89793号公報に記載されている方法で、下地となる高配向ダイヤモンド膜を基板上に形成し、(2)次いでこの高配向ダイヤモンド膜を、例えば特開2002−75960号公報に開示されている方法でエッチングすることによって、準備できる。
エッチングマスクに特に限定はなく、例えば酸素プラズマを利用したエッチングを行う場合、それに耐性のあるAl2O3やSiO2などの酸化膜をマスクとして使用できる。エッチングマスクは、スパッタや蒸着、CVDなどの任意の方法で成膜した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィや電子線描画リソグラフィなどでドット状にパターニングすることで製造できる。
ドット状エッチングマスクの形状は、円形でも良く、矩形などの非円形でも良い。尚、矩形であるほうが、エッチングマスクの設計や電子線描画によるリソグラフィがやりやすい。このドット状エッチングマスクの形状は、柱状高配向ダイヤモンドの断面形状と対応する。そして柱状高配向ダイヤモンドの断面形状が非円形である場合、その直径は、断面形状の内接円の直径と外接円の直径との平均値を採用する。例えば図4のエッチングマスクを用いて垂直エッチングのみで形成された柱状高配向ダイヤモンドの場合、その断面形状は一辺2μmの正方形(非円形)であるので、その直径は、内接円の直径(2μm)および外接円の直径(2√2μm)から(1+√2)≒2.4μmと計算される。
柱状高配向ダイヤモンドの直径が大きすぎると、下地の高配向ダイヤモンド膜の粒界を含む確率が増大する。しかしこの直径が小さすぎると、ドット状エッチングマスクをパターニングする際の歩留まりが低下する。従って柱状高配向ダイヤモンドの直径は、好ましくは0.5μm以上(より好ましくは1μm以上)であり、好ましくは5μm以下(より好ましくは2μm以下)である。
尚、柱状高配向ダイヤモンドの形状(全体形状)は、円錐や角錐など異形状でも構わない。この場合には、柱状高配向ダイヤモンドの直径は、高さ(エッチング深さ)の1/2の位置での水平断面の直径を意味する(この位置での断面形状が円でない場合には、上記した方法に従う)。柱状高配向ダイヤモンドは、実際には完全な円柱や角柱にすることが困難であるので、むしろ裾広がりの形状になることが多い(後記図3(c)参照)。この柱状高配向ダイヤモンドの形状(全体形状)は、エッチングの条件にもよるが、異方性とまたは等方性或はそれらの中間の性質を示すものとなる。完全な異方性(垂直エッチングに相当)の場合には、マスク形状と同一断面の柱になるが、通常は完全異方性にはならないのである。
本発明の製造方法では、柱状高配向ダイヤモンドを核として気相合成によってダイヤモンドをエピタキシャル成長させていくので、重心点間距離が柱状高配向ダイヤモンドの間隔とほぼ等しい多角形ダイヤモンド結晶粒が得られる。そのためこの柱状高配向ダイヤモンドの間隔は、等間隔で、多角形ダイヤモンド結晶粒の重心点間距離と同様に、20μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上である。
柱状高配向ダイヤモンドを下地の高配向ダイヤモンド膜をエッチングして製造する場合、その間隔は、等間隔で、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下である。エッチングマスクの間隔(即ち柱状高配向ダイヤモンドの間隔)が広すぎると、好ましい深さ(即ち柱状高配向ダイヤモンドの高さ)までエッチングするのに時間がかかりすぎる。またこの間隔が広すぎると、この柱状高配向ダイヤモンドの間を、再成長ダイヤモンドで埋めて、多角形ダイヤモンド結晶粒が相互に隣接するようにするためには、膨大な時間がかかる。
ここで「柱状高配向ダイヤモンドの間隔」とは、本発明において、最近接の柱状高配向ダイヤモンドの間隔を意味する。例えば図4のエッチングマスクを用いて垂直エッチングのみで形成された柱状高配向ダイヤモンドの場合、即ち各柱状高配向ダイヤモンドが正方形を形作る格子の各頂点に配置されている場合、この「間隔」は、対角線上に位置する柱状高配向ダイヤモンド同士の間隔ではなく、例えば正方形の一辺を形成する柱状高配向ダイヤモンド同士の間隔を意味する。またこの「間隔」は「柱状高配向ダイヤモンドの始点」から「次の柱状高配向ダイヤモンドの始点」までの間隔を意味する。例えば図4での間隔は20μmである。
柱状高配向ダイヤモンドの高さ(即ちエッチングマスクの深さ)が大きいほど、プラズマCVDでダイヤモンドを成長させる場合、電界集中による成長速度を増大させる効果が大きい。そこで柱状高配向ダイヤモンドの高さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。しかし柱状高配向ダイヤモンドの高さが大きすぎても成長速度の増大効果は飽和し、逆に電界集中による温度上昇やイオン衝撃によってダイヤモンド結晶粒の品質が低下するおそれがある。そこで柱状高配向ダイヤモンドの高さは、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
柱状高配向ダイヤモンドのアスペクト比、即ち(柱状高配向ダイヤモンドの高さ)/(柱状高配向ダイヤモンドの直径)が大きいと、上述のように、ダイヤモンドの成長速度を増大させることができる。しかしこのアスペクト比が大きすぎても、上述の様に、成長速度の増大効果が飽和し、逆にダイヤモンド結晶粒の品質が低下するおそれがある。そこで柱状高配向ダイヤモンドのアスペクト比は、好ましくは2以上(より好ましくは4以上)であり、好ましくは20以下(より好ましくは10以下)である。
柱状高配向ダイヤモンドの高さと間隔の比、即ち(柱状高配向ダイヤモンドの高さ):(柱状高配向ダイヤモンドの間隔)は、好ましくは1/10以上(より好ましくは1/5以上)、好ましくは1/1以下(より好ましくは1/2以下)である。この比が1/10未満になる(即ち柱状高配向ダイヤモンドの高さに比べて、その間隔が広すぎる)と、金属膜を使用する従来技術(特許文献2)の場合と同様に、柱状高配向ダイヤモンドの間にあるエッチング箇所に非配向結晶粒が形成・成長して、この非配向結晶粒を、柱状高配向ダイヤモンドから成長した配向結晶粒で覆い隠せなくなるおそれがある。逆にこの比が1/1よりも大きくなっても、電界集中による速度増大効果が充分に得られない。またこの比が大きすぎるようなむやみに深いエッチングは、下地の高配向ダイヤモンド膜の厚さを大きくする必要があることや、エッチングマスク耐性の観点から好ましくない。
下地の高配向ダイヤモンド膜をエッチングして、柱状高配向ダイヤモンドを形成する際には、基板が露出するまでエッチングするか、またはエッチング箇所に被覆層を設けて、エッチング箇所に不要な非配向ダイヤモンド結晶粒が形成しないようにすることが望ましい。被覆層は、Pt等の触媒金属;Ir、Au、Os、Pd、Ru、Rh、Ag、Cu等の炭素固溶度が低い金属;或いはAl2O3やSiO2等の酸化物またはSiが望ましい。上述の触媒金属は、表面についた炭化水素を分解し、不要な結晶粒の成長を抑制する効果を有する。上述の炭素固溶度が低い金属は、表面についた炭化水素を柱状高配向ダイヤモンドへと移動(マイグレーション)させる効果を有する。上述のAl2O3やSiO2等の酸化物およびSiは、ダイヤモンド成長時の水素プラズマに対してある程度の耐性を有するが、その耐性は完全ではなくわずかながらエッチングされるため、表面に不要なダイヤモンド核が発生するのを抑制する効果がある。またAl2O3やSiO2等の酸化物およびSiには、少量の酸素を添加することによって、エッチング速度をコントロールしやすいという効果もある。
被覆層は、スパッタリング、蒸着、CVDなどの任意の方法で形成できる。尚、下地の高配向ダイヤモンド膜を、完全に垂直エッチングするのではなく、やや等方性成分を持たせるか、垂直エッチングの後に少し等方性エッチングを行うことによって、エッチングマスクが、柱状高配向ダイヤモンドから少し突き出た傘状にすることが好ましい。エッチングマスクを傘状にすることによって、被覆層を成膜する際、柱状高配向ダイヤモンドの側面に被覆層が形成されるのを防止できる。
上記のように下地の高配向ダイヤモンド膜をエッチングし、必要に応じて被覆層を形成した後、柱状高配向ダイヤモンドを核として気相合成でダイヤモンドをエピタキシャル成長させることによって、表面において多角形であるダイヤモンド結晶粒が二次元的に繰り返しパターンで配列した配列化ダイヤモンド膜を製造できる。
(100)面で配列した高配向ダイヤモンド膜を製造する場合、まずSi(100)、Pt(100)またはIr(100)などを基板に用いて、下地の高配向ダイヤモンド膜を形成する。そしてこの下地をエッチングすることによって、柱状高配向ダイヤモンドを形成する。例えば図4のように、1つの柱状高配向ダイヤモンドに対して最近接の柱状高配向ダイヤモンドが等間隔で4つあり、これらが4回対称方向に配置されている場合、気相合成でダイヤモンドを成長させると、表面において正方形のダイヤモンド結晶粒を形成できる。図4の場合では、一辺が20μmである正方形ダイヤモンド結晶粒が配列した配列化(高配向)ダイヤモンド膜を製造できる
上述した配置では、基本的に、正方形のダイヤモンド結晶粒が形成されるが、隣接する正方形ダイヤモンド結晶粒の結晶方位が一致する場合、これらは長方形のダイヤモンド結晶粒を形成する。例えば図4のような配置で隣接する正方形ダイヤモンド結晶粒の結晶方位が一致する場合、20μm×40μmである長方形ダイヤモンド結晶粒が形成される。但し、結晶方位が一致する箇所によって、ダイヤモンド結晶粒は様々な形態を呈することになる。
(111)面で配列した高配向ダイヤモンド膜を製造する場合、まずSi(111)、Pt(111)、Ir(111)、サファイア(0001)などを基板に用いて、(111)面で配向した下地の高配向ダイヤモンド膜を形成する。そしてこの下地をエッチングすることによって柱状高配向ダイヤモンドを形成する。この場合も、上記と同様に、柱状高配向ダイヤモンドの配置を図4のようにすれば、表面において正方形のダイヤモンド結晶粒を形成できる。また1つの柱状高配向ダイヤモンドに対して最近接の柱状高配向ダイヤモンドが等間隔で6つあり、これらが6回対称方向に位置するようにエッチングした後、気相合成すれば、表面において正六角形のダイヤモンド結晶粒を形成できる。
ダイヤモンド成長のための気相合成法としては、プラズマCVDが好ましい。プラズマCVDであれば、柱状高配向ダイヤモンドへの電界集中効果を利用して、配列化・高配向ダイヤモンド膜を高速に成膜できる。プラズマCVDとしては、例えば直流プラズマCVD、マイクロ波プラズマCVDなどが使用できる。特に無電極プラズマであるマイクロ波プラズマCVDが、配列化・高配向ダイヤモンド膜を高品質で製造できるため好ましい。
プラズマCVDの圧力は、100hPa以上、400hPa以下とすることが好ましい。100hPa以上とすることによって、ダイヤモンド成長速度が急激に向上し、10μm/時間以上の速度が得られる。一方、圧力が400hPaを超えると、プラズマを維持することが技術的に困難になる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(1)下地となる高配向ダイヤモンド膜の作製
特許文献3に記載する3段階気相合成法によって、下地となる高配向ダイヤモンド膜を合成した。詳しくは基板8としてSi(100)ウェハを用い、マイクロ波プラズマCVD装置で、表面炭化、バイアス核発生(第1段階)、配向成長(第2段階)および粒径拡大成長(第3段階)を下記表1に示す条件で行って、高配向ダイヤモンド膜9を合成した(図3(a))。
特許文献3に記載する3段階気相合成法によって、下地となる高配向ダイヤモンド膜を合成した。詳しくは基板8としてSi(100)ウェハを用い、マイクロ波プラズマCVD装置で、表面炭化、バイアス核発生(第1段階)、配向成長(第2段階)および粒径拡大成長(第3段階)を下記表1に示す条件で行って、高配向ダイヤモンド膜9を合成した(図3(a))。
下地の高配向ダイヤモンド膜9を走査型電子顕微鏡で観察したところ、高配向ダイヤモンド膜9は、配向成長層10および粒径拡大層11から構成されており、粒径拡大層11では粒界密度が低くなっているが、配向成長層10では粒界密度が高くなっていることを確認した。
(2)下地の高配向ダイヤモンド膜のエッチング(柱状高配向ダイヤモンドの作製)
高配向ダイヤモンド膜9の表面をスカイフ研磨して平坦にした後、特開2002−75960号公報に開示されている方法と同様にしてエッチングを行い、柱状高配向ダイヤモンドを作製した。
高配向ダイヤモンド膜9の表面をスカイフ研磨して平坦にした後、特開2002−75960号公報に開示されている方法と同様にしてエッチングを行い、柱状高配向ダイヤモンドを作製した。
詳しくは、まずCVD法によりエッチングマスク12となるSiO2膜を膜厚400nmで成膜した。次いでレジストを塗布し、フォトリソグラフィでパターニングしてレジストマスク13を形成した。次いでCF4と少量のArを用いた誘導結合プラズマでSiO2膜をエッチングして、エッチングマスク12を形成した(図3(b))。このエッチングマスク12の配置を図4に示す。
次いで、O2と少量のArを用いた誘導結合プラズマで、−1900Vのバイアス電圧を印加して高配向ダイヤモンド膜9を基板に対して垂直にエッチングして、柱状高配向ダイヤモンド14を形成した。尚、レジストマスク13はこのエッチング工程で消滅した。次いでバイアス電圧の印加を止めてエッチングを続けることで、柱状高配向ダイヤモンド側面を少しエッチング(等方性エッチング)した。この等方性エッチングによって、柱状高配向ダイヤモンドのアスペクト比が6となると共に、エッチングマスク12の状態を、柱状高配向ダイヤモンド14から少し突き出た傘状にした(図3(c))。この等方性エッチングのために、柱状高配向ダイヤモンドの大きさ(直径)は、図4に示すエッチングマスク12の大きさよりも、少し小さく、1.8μmになっていた。またその高さは10.8μmであった。
(3)被覆層の形成
電子ビーム蒸着によって、被覆層15としてAl2O3を膜厚300nmで成膜した。傘状のエッチングマスク12のために、柱状高配向ダイヤモンド14の側面には被覆層が形成されなかった(図3(d))。
電子ビーム蒸着によって、被覆層15としてAl2O3を膜厚300nmで成膜した。傘状のエッチングマスク12のために、柱状高配向ダイヤモンド14の側面には被覆層が形成されなかった(図3(d))。
(4)ダイヤモンドの気相合成
反応ガス(水素:1990sccm、CH4:20sccm、O2:2sccm)、圧力:190hPaおよび試料温度930℃の条件でマイクロ波プラズマCVDを行うことによって、柱状高配向ダイヤモンド14を核としてダイヤモンドを成長させた(図6(a)および(b))。エッチングマスク12は、このプラズマCVDの初期工程で剥離した。
反応ガス(水素:1990sccm、CH4:20sccm、O2:2sccm)、圧力:190hPaおよび試料温度930℃の条件でマイクロ波プラズマCVDを行うことによって、柱状高配向ダイヤモンド14を核としてダイヤモンドを成長させた(図6(a)および(b))。エッチングマスク12は、このプラズマCVDの初期工程で剥離した。
成長途中のダイヤモンド結晶粒16が、隣りの結晶粒と接した頃を見計らって(図6(c))、反応ガス中のO2量を10sccmに、試料温度を980℃に上げた。この条件でマイクロ波プラズマCVDを続けることによって、結晶粒の間がほとんど埋まって、表面において略正方形のダイヤモンド結晶粒17が(100)面で配向した配列化ダイヤモンド膜18を形成できた。
こうして作製した試料を光透過率によって比較するため、一辺が20μmの略正方形の粒が配列したもののSi基板をフッ硝酸で溶解除去し、ダイヤモンドのみの板とし、更に100μmの厚さとなるように両面をスカイフ研磨したもの(即ち、実施例)と、比較例として下地のみ[前記(1)によって作製]の高配向ダイヤモンド膜を、配向成長層10と粒径拡大層11の夫々が50μmの厚さとなるようにスカイフ研磨したものとを用いた。夫々スカイフ研磨後、200℃に熱したクロム酸濃硫酸溶解液に20分間浸漬処理し、表面のグラファイト成分を除去した。可視光(波長:380〜780nm)の透過率を測定したところ、可視光全域において、透過率は、比較例で1%未満、実施例では70%となった。比較例の透過率が低い原因は、粒界での散乱や吸収が多いためと考えられる。
また、電子素子特性の比較のため、一辺が20μmの略正方形の粒が配列したもの(即ち、実施例)と、比較例として一辺が10μmの略正方形の粒が配列したものを用い、以下の実験を行なった。まず表面をスカイフ研磨後、200℃に熱したクロム酸濃硫酸溶解液に20分間浸漬処理し、表面のグラファイト成分を除去した。両者とも、別途二次イオン質量分析法(SIMS)で、ホウ素、窒素濃度は1ppm以下であることを確認した。次に、電極間ギャップ長20μm、ギャップ総延長150mmの櫛形電極対を各試料の表面に形成した。このとき用いた櫛形電極対の形状を図5(概略説明図)に示す。電極は厚さ100nmのPt、パターニングにはフォトリソグラフィ、成膜にはマグネトロン・スパッタ法を用いた。両電極間に印加する電圧は、40Vの一定とし、暗室内と低圧水銀灯(いわゆるオゾンランプ)照射下の光電流を測定した。その結果、比較例では暗電流が4pA、光電流が9nAであった。これに対し、実施例のものでは、暗電流は0.8pAと1/5に減少し、光電流は270nAと30倍増加した。暗電流が減ったことは、膜内の漏れ電流の原因となる結晶欠陥が少なくなったものと考えられる。一方、光電流が増加したことも、膜内の結晶欠陥が少ないことで、移動度が高く、キャリア寿命も長くなったものと考えられる。
尚、光電流増加分をΔI、光照射により生成される電子−正孔対の単位時間当りの生成率をg、電子、正孔の夫々の移動度および寿命をμe,τe,μh,τhとすれば、下記(1)式で表されることが知られている。
ΔI=m・g・L・S(μeτe+μhτh)V/L2 …(1)
但し、m:素電子、L:ギャップ長、S:キャリア生成領域の断面積、Vは印加電圧、の夫々を示す。
ΔI=m・g・L・S(μeτe+μhτh)V/L2 …(1)
但し、m:素電子、L:ギャップ長、S:キャリア生成領域の断面積、Vは印加電圧、の夫々を示す。
1 基板
2 第1のダイヤモンド膜
3 貫通孔を有する金属膜
4 成長途中のダイヤモンド結晶粒
5 小型の正方形ダイヤモンド結晶粒
6 第2のダイヤモンド膜
7 不要な非配向ダイヤモンド結晶粒
8 基板
9 下地となる高配向ダイヤモンド膜
10 配向成長層
11 粒径拡大層
12 エッチングマスク
13 レジストマスク
14 柱状高配向ダイヤモンド
15 被覆層
16 成長途中のダイヤモンド結晶粒
17 略正方形のダイヤモンド結晶粒
18 配列化ダイヤモンド膜
2 第1のダイヤモンド膜
3 貫通孔を有する金属膜
4 成長途中のダイヤモンド結晶粒
5 小型の正方形ダイヤモンド結晶粒
6 第2のダイヤモンド膜
7 不要な非配向ダイヤモンド結晶粒
8 基板
9 下地となる高配向ダイヤモンド膜
10 配向成長層
11 粒径拡大層
12 エッチングマスク
13 レジストマスク
14 柱状高配向ダイヤモンド
15 被覆層
16 成長途中のダイヤモンド結晶粒
17 略正方形のダイヤモンド結晶粒
18 配列化ダイヤモンド膜
Claims (6)
- 異種材料の結晶基板上に、その結晶方位の情報を引き継いで成長を開始した高配向ダイヤモンド膜であって、表面において、多角形ダイヤモンド結晶粒が、重心間距離が20μm以上の二次元繰り返しパターンで配列していることを特徴とする配列化ダイヤモンド膜。
- 前記多角形ダイヤモンド結晶粒の形状が、表面において、略正方形であり、その一辺が20μm以上である請求項1に記載の配列化ダイヤモンド膜。
- 複数の柱状高配向ダイヤモンドを20μm以上の等間隔で形成した基板を準備し、前記柱状高配向ダイヤモンドを核として、気相合成でダイヤモンドをエピタキシャル成長させることによって、表面において多角形のダイヤモンド結晶粒が相互に隣接するように配列させることを特徴とする配列化ダイヤモンド膜の製造方法。
- 前記柱状高配向ダイヤモンドの高さが、5μm以上、20μm以下である請求項3に記載の製造方法。
- 前記柱状高配向ダイヤモンドの直径が、0.5μm以上、5μm以下である請求項3または4に記載の製造方法。
- 前記柱状高配向ダイヤモンドのアスペクト比(柱状高配向ダイヤモンドの高さ/柱状高配向ダイヤモンドの直径)が2以上、20以下である請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法。
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