JP2012027378A - レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レンズ装置の光軸位置と撮像装置の撮像面の中心位置に位置ずれがある場合、撮像面の中心位置の被写体像が、ズームの望遠側と広角側間での変化により位置ずれが発生する。
【解決手段】 レンズ装置は、変倍時に光軸方向に移動する変倍レンズ群と、光軸と垂直な方向に移動可能である防振レンズ群と、該防振レンズ群を駆動する防振駆動手段と、該防振駆動手段による該防振レンズ群の駆動を制御する防振制御手段と、を有するレンズ装置であって、該防振制御手段は、像面上の所定の1点に結像する被写体の像の、該変倍レンズ群の移動による位置ずれを低減するように、該防振駆動手段を制御して該防振レンズ群を移動する、ことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レンズ装置に関し、特に、ズーム機構及び像ぶれ防止機構を有するレンズ装置とその制御方法に関する。
特許文献1では、デジタル式のビデオ撮像装置おいて、撮像素子の取り付け誤差によって起きる撮影像の望遠側と広角側のズーム位置による位置ずれを、像ぶれ防止用レンズを移動させて補正する技術が開示されている。またズーム中に起きる光学レンズの光軸の位置ずれも、像ぶれ防止用レンズを移動させて補正することが開示されている。
特開2000−221557号公報
従来の撮影装置では、以下に述べるような問題点が生じていた。
デジタルカメラやビデオカメラには、光学レンズを有するレンズ装置と撮像素子を有する撮像装置が着脱自在のマウント部で接続され、撮影状況に応じて様々な組み合わせが可能な撮影装置がある。レンズ装置と撮像装置は、それぞれ別々に製造元の組立で光軸位置は調整されおり、マウント部の接続方法が同一ならレンズ装置と撮像装置で製作元が異なっても接続可能である。そしてマウント部での着脱は、撮影者が撮影する状況に応じてレンズ装置や撮像装置を交換したり、運搬の時持ち運びやすいように個々に分離したりする時に行う。この時、別々に調整されたレンズ装置と撮像装置では、調整誤差や部品精度の誤差により互いの光軸の位置がずれて、接続するとズームの望遠側と広角側で撮影像の位置ずれが起きる場合がある。さらに、レンズ装置内でも調整誤差や部品精度の誤差によりズーム中に光軸の位置ずれがある場合は、原因の異なる位置ずれが2箇所で発生することになる。このような位置ずれが起きると、被写体をズーム操作する時に、画面内で被写体の配置位置がずれ、或いは、オートフォーカス機能を搭載している装置ではオートフォーカスの測距箇所と測距指標が合致せず、合焦動作に支障が生じる。
しかし、従来の撮影装置では、製造元を離れた後のレンズ装置と撮像装置が接続された時の位置ずれは抑制できない。特にマウント部の接続方法が同一の場合は、製作元が異なる装置同士も接続されるため、互いの光軸の情報が得られない場合があり困難である。
そこで本発明の例示的な目的は、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、取り付け誤差による光軸の位置ずれを簡易的に調整して補正でき、また不特定の組み合わせでもそれぞれに適した位置ずれの補正が可能なレンズ装置を提供することにある。
本発明のレンズ装置は、変倍時に光軸方向に移動する変倍レンズ群と、光軸と垂直な方向に移動可能である防振レンズ群と、該防振レンズ群を駆動する防振駆動手段と、該防振駆動手段による該防振レンズ群の駆動を制御する防振制御手段と、を有し、該防振制御手段は、像面上の所定の1点に結像する被写体の像の、該変倍レンズ群の移動による位置ずれを低減するように、該防振駆動手段を制御して該防振レンズ群を移動する、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施例等によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、取り付け誤差による光軸の位置ずれを簡易的に調整して補正でき、また不特定の組み合わせでもそれぞれに適した位置ずれの補正が可能なレンズ装置を提供することができる。
本発明のレンズ装置の概要を表した概要図である。 本発明のレンズ装置の防振ユニットの概要を表した概要図である。 本発明の実施例3乃至5に係るレンズ装置の切替ユニットの構成を表したブロック図である。 本発明のレンズ装置に係る操作部の構成を表した図である。 本発明におけるレンズ装置、撮像装置、周辺装置の制御ブロックの構成を表したブロック図である。 レンズ装置と撮像装置を接続したときの光軸の位置ずれがある状態を表した説明図である。 レンズ装置と撮像装置を接続した後、十字形状の被写体に合焦したときの波形モニタの映像である。 レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれがある場合の望遠端と広角端における指標中心の動きを示す図である。 本発明の実施例1に係る、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例1に係る補正後のフロー図である。 レンズ装置のズーム中に光軸の位置ずれがある場合の、望遠端から広角端における指標中心の軌跡を示す図である。 本発明の実施例2に係る、レンズ装置のズーム中に光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例2に係る、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例2に係る補正後のフロー図である。 切替光学ユニットの各光学レンズの光路への挿入により光軸の位置ずれがある場合の、望遠端から広角端までの指標中心の軌跡を示す図である。 本発明の実施例3に係る、切替光学ユニットの各光学レンズの光路への挿入により光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例3に係る、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例3に係る補正後のフロー図である。 レンズ装置のズーム中に光軸の位置ずれがある場合であって、切替光学ユニットの各光学レンズの光路への挿入で位置ずれがある場合の、望遠端から広角端までの指標中心の軌跡を示す図である。 本発明の実施例4に係る、レンズ装置の切替光学ユニットの光学レンズが切替わったときの、ズーム中の光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例4に係る、レンズ装置の切替光学ユニットの光学レンズが切替わったときの、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれがある場合の補正のフロー図である。 本発明の実施例5に係る撮影装置の概要を表した概要図である。 本発明の実施例5に係る補正リストを表した概要の表である。 本発明の実施例5に係る補正のフロー図である。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の構成を有するレンズ装置内の概略を示す概要図である。
図1に示すように、レンズ装置100内には、フォーカスレンズ群1、ズームレンズ群2、アイリス機構3、防振レンズ群4、複数の光学レンズ群を有する切替光学ユニット5、リレーレンズ群6の各光学手段が前方から順次配置されている。
フォーカスレンズ群1は、モータ7、及び直進駆動機構8によってレンズ光軸O1方向に移動してフォーカスを調節する。またモータ7には、フォーカスレンズ群1の位置を測定するフォーカス位置センサ9が設けられている。
ズームレンズ群2は、焦点距離を可変とするレンズ群で光軸方向に可動である。このズームレンズ群は、変倍時(ズーミング時)に光軸方向に移動する前後2群(バリエーター(前側)とコンペンセーター(後側))のレンズ群を備えている。これらのレンズ群は変倍駆動手段であるモータ10によってカム軸11を介して光軸方向に駆動される。またモータ10には、ズームレンズ群2の位置を測定するズーム位置センサ12が設けられている。
アイリス機構3は、複数枚の絞り羽(図示せず)で構成されており、絞り羽で形成された絞り径を駆動機構(図示せず)で調整することにより絞り径が変更される。
そして防振レンズ群4は、後述する防振駆動手段である駆動機構により光軸O1に対して垂直方向に移動可能で、レンズ装置100が装置外部から振動の影響を受けた時に、撮影像の振れを抑制する方向に移動する。また切替光学ユニット5は、変倍率の異なる複数のレンズ群を有するユニットで、後述する回転機構により撮影光路にそれぞれのレンズ群が挿脱可能に取り付けられており、撮影光路に挿入されたレンズ群の変倍率に応じて所定倍に拡大される。
レンズ装置100は、撮像素子13を内包する撮像装置200と、マウント部14で接続されている。マウント部14は、レンズ交換式の一眼レフカメラやビデオカメラなどで採用されている既知のレンズマウントで、レンズ装置100と撮像装置200を着脱自在に接続する。接続時は、レンズ光軸O1と撮像素子走査中心のカメラ光軸O2とが互いに同軸上になるよう接続され、撮像素子13はレンズ装置100の各光学レンズを介して被写体からの光を受光する。なおマウント部14は、マウントの形状が同一の他のレンズ装置や撮像装置も組み合わせて接続することが可能である。
次に図2で防振レンズ群4の構成について説明する。
図2は、防振レンズ群4、及びその周囲の機構を図1の紙面右側から見た図である。防振レンズ群4は、保持枠15に保持されており、そして保持枠15はガイドアーム16に対して、2箇所のピッチ方向摺動部17を介してY方向のピッチ方向に摺動可能に接続されている。さらにガイドアーム16は、基台18に対して2箇所のヨー方向摺動部19を介してX方向のヨー方向に摺動可能に接続されている。また保持枠15には、コイル20とコイル21が設けてあり、それぞれが着磁したマグネット22、23と対向している。マグネット22、23は、ヨークとして基台18に取り付けられている。コイル20、21に通電すると磁界が発生し、対向するマグネット22、23との磁界の組み合わせで電磁力が発生する。コイル20とマグネット22では、コイル20の電流値の方向応じて上下Y方向のピッチ方向の電磁力が作用し、防振レンズ群4、及び保持枠15がピッチ方向摺動部17を介してピッチ方向に駆動される。同様にコイル21とマグネット23では、コイル21の電流値の方向応じて左右X方向のヨー方向の電磁力が作用し、防振レンズ群4、及び保持枠15がヨー方向摺動部19を介してヨー方向に駆動される。また保持枠15には、保持枠15の移動位置を検出するヨー方向位置センサ24と、ピッチ方向位置センサ25が設けられている。そして基台18には、ピッチ方向、ヨー方向それぞれの方向の振動による角速度を検出するジャイロ26、27が設けられている。
次に図3で切替光学ユニット5の内部構成について説明する。
図3は、切替光学ユニット5を図1の紙面右側から見た図である。回転板28上には、変倍光学系である変倍レンズ群29,30と、それぞれのレンズ群と略同等の質量を有するウエイト31がそれぞれ回転板28の中心に対して略120°等分に配置されている。図3では、変倍レンズ群29が撮影光路に移動した(挿入された)状態となっている。回転板28の円周には、回転板28を回転するための切替駆動部32と、回転板28の回転位置を検出する回転位置センサ33が配置されている。切替駆動部32により回転板28の回転動作を行うと、回転板28の中心を回転中心として回転し、正逆両方に回転することで変倍レンズ群29,30がそれぞれ撮影光路に挿入される。この時、ウエイト31は回転中心を重心とするバランサーとして機能し、回転時の回転むらを抑制する。
続いて図4で、レンズ装置100の操作部の構成について説明する。
図4(a)、図4(b)は、本発明の構成を有するレンズ装置100のズーム操作部300を、上面側と側面側から見た概要図である。図4(a)において、ズーム操作リング34、変倍切替スイッチ35、防振起動スイッチ36、及び操作棒37が設けられている。また図4(b)では、補正起動スイッチ38、プリセットスイッチ39、方向切替スイッチ40が設けられている。ズーム操作リング34は、レンズ装置100のズーム操作(変倍操作)を行うため、図4中に一点鎖線で示す中心線を回転軸として回転可能で、回転に応じてズームレンズ群2がモータ10、カム軸11を介して駆動され、焦点距離が変化する。変倍切替スイッチ35は、切替光学ユニット4の変倍レンズ群29、30のうちどちらを撮影光路に挿入するかを選択する。選択されると、回転板28が切替駆動部32を介して回転して、所望する変倍レンズ群が撮影光路に挿入される。防振起動スイッチ36は、図2の防振レンズ群4の機構で振動を防振するか否かを選択する。そして操作棒37は、レンズ装置100、及び撮像装置200をパン、チルト操作する時に使用する。
補正起動スイッチ38は、レンズ装置100で発生する光軸の位置ずれや、レンズ装置100と撮像装置200との光軸の位置ずれを補正する時に、補正制御を起動するスイッチとして使用する補正起動手段として使用される。補正起動スイッチ38をONにすると、ズーム操作リング34は防振レンズ群4を移動操作する防振レンズ駆動操作手段としての操作リングに切り替わる。プリセットスイッチ39は、位置ずれ補正時に防振レンズ群5の位置を記憶するためのトリガ信号を与える記憶操作手段として使用される。そして方向切替スイッチ40は、ズーム操作リング34による防振レンズ群5の移動方向を変更する時に使用する。なおズーム操作部300は、レンズ装置100、及び撮像装置200を載置するパン、チルト可能な操作台(図示せず)から伸びた操作棒の先端に取り付けられている。尚、ここでの光軸の位置ずれとは、ズームレンズ群2(意図に反してチルトしていたりシフトしていたりするレンズを含むズームレンズ群2)の光軸方向への移動に起因して、撮像面中心の被写体像が光軸と垂直な方向に移動することを示す。
次に、図5でレンズ装置100、撮像装置200、及びそれらの周辺装置の制御ブロックの構成を説明する。
図5において、レンズCPU41は、レンズ装置100の動作をコントロールする制御部である。レンズCPU41では、フォーカス、ズーム、アイリス、防振の各駆動制御と、撮像装置200やズーム操作部300、フォーカス操作部400と通信して指令伝達や各種の情報の処理を行う。
フォーカス位置センサ9で得られたフォーカスレンズ群1の光軸方向の位置を示す電気信号は、A/D変換器42を通して、レンズCPU41に入力される。フォーカス位置センサ9は、フォーカスレンズ群1の光軸方向の位置を電圧に変換し、該電圧はその後A/D変換器42でデジタル信号に変換され、レンズCPU41に入力される。また、ズーム位置センサ12は、ズームレンズ群2の光軸方向の位置を電圧に変換し、該電圧はその後A/D変換器42でデジタル信号に変換され、レンズCPU41に入力される。またアイリスの絞り開口径は、不図示の検出センサで検出され、A/D変換器42を介してレンズCPU41に入力される。
次に防振について、レンズ装置100が受ける振動をジャイロ26、27が検出すると、ジャイロ26、27は振れによる角速度を電圧に変換し、該電圧はA/D変換器42を介してデジタル信号に変換され、レンズCPU41に入力される。また防振レンズ群4のヨー、ピッチそれぞれの方向の位置を検出するヨー方向位置センサ24、ピッチ方向位置センサ25も、位置を電圧に変換し、該電圧はその後A/D変換器42でデジタル信号に変換され、レンズCPU41に入力される。さらに切替光学ユニットでは、回転位置センサ33で変倍レンズ群29、30の回転位置が検出され、回転位置を電圧に変換し、該電圧はその後A/D変換器42でデジタル信号に変換され、レンズCPU41に入力される。
上記したそれぞれの入力情報に応じて、レンズCPU41ではソフトウェア処理を行い、フォーカス、ズーム、アイリス、防振、及び切替光学ユニットの各駆動の制御信号を生成する。これらの制御信号はD/A変換器43でアナログ信号に変換され、その後フォーカス駆動回路44、ズーム駆動回路45、アイリス駆動回路(図示せず)、防振レンズ駆動回路46、及び切替駆動回路47に伝達される。フォーカスについては、フォーカス駆動回路44からの駆動制御によりモータ7が回転し、直進駆動機構8を介してフォーカスレンズ群1を光軸O1の方向に駆動する。ズームについては、ズーム駆動回路45からの駆動制御によりモータ10が回転し、カム軸11を介して光軸O1の方向にズームレンズ群2を駆動する。またアイリスについては、アイリス駆動回路からの駆動制御によりアイリス機構3が絞りの開口径を変更する。そして防振については、防振レンズ駆動回路46からの駆動制御によりコイル20、マグネット22でピッチ方向の、コイル21、マグネット23でヨー方向の電磁力を発生してそれぞれの方向に防振レンズ群4を駆動する。さらに切替光学ユニットについては、切替駆動回路47からの駆動制御により切替駆動部32で回転板28を回転する。
メモリ48は、防振レンズ群4の位置を記憶する記憶部で、ヨー方向位置センサ24、及びピッチ方向位置センサ25からレンズCPU41に得られた位置情報を記憶する。メモリ48は、レンズCPU41より一時書き込みや読み出し、消去の制御がなされる。
次にカメラ情報入力手段であるカメラNo.入力49は、レンズ装置100と接続される撮像装置の機体情報を入力する入力部で、機体情報を入力するとレンズCPU41に伝達され、メモリ48に機体情報が記憶される。図1や図5では、撮像装置200がレンズ装置100と接続しているので、この場合撮像装置200の機体情報を入力すればメモリ48に記憶される。
レンズCPU41は、撮像装置200と接続された状態ではカメラCPU50と通信可能となり、指令や各種制御信号の通信を行う。レンズ装置100からはフォーカス、ズーム、アイリス、防振、及び切替光学のそれぞれの位置や設定の情報を提供し、撮像装置200からは撮像素子13の受光状態に応じたアイリス開口径の指令などを受けてレンズ側の駆動を行う。また、ズーム操作部300やフォーカス操作部400と接続された状態では、操作部側のCPUとも通信を行い、各操作部からの入力信号を受信する。
次に撮像装置200について説明する。撮像装置200では、レンズ装置100の光学系を介して得た光学像が、撮像素子13で光電変換により電圧に変換され、A/D変換器51で走査した素子毎にデジタル信号に変換される。その後信号処理部52でフレーム処理や階調処理等が行われ、映像信号が生成される。そしてカメラCPU50を介してD/A変換器43で映像信号がアナログ信号に変換され、映像処理部54で周波数帯のフィルター処理等を行った後にモニタ55に出力される。波形モニタ56は、後述する光軸の位置ずれ補正時に使用する映像走査線の波形を出力可能な映像モニタで、撮像装置200の映像処理部54を介して波形モニタ56へ映像信号が送られる。
続いてズーム操作部300について説明する。撮影者がズーム操作リング34を操作すると、リングに設けられた回転センサ(図示せず)がズーム操作リング34の回転角を検出し、検出された電圧がA/D変換57でデジタル信号に変換される。そして操作部CPU58から入力指令信号としてレンズCPU41に伝達される。入力指令を受けたレンズCPU41は、ズーム操作部300の入力値とズーム位置センサ12から得られるズームレンズ群2の初期位置に応じて移動する目標位置を設定し、D/A変換器43、ズーム駆動回路45を介してズームレンズ群2を駆動する。またズーム操作部300に設けられた変倍切替スイッチ35、防振起動スイッチ36、補正起動スイッチ38、プリセットスイッチ39、方向切替スイッチ40の各種スイッチからの入力も、A/D変換57でデジタル信号に変換される。そして各種設定変更を行う入力指令信号として操作部CPU58に伝達され、その後レンズCPU41へ送られる。
なお、フォーカス操作部400についても、ズーム操作部300と同様にフォーカス操作部材(図示せず)で焦点調整操作された操作量をセンサ(図示せず)で検出し、検出された電圧がA/D変換(図示せず)でデジタル信号に変換される。そしてフォーカス操作部400のCPU(図示せず)から入力指令信号としてレンズCPU41に伝達される。指令を受けたレンズCPU41は、操作部の入力値とフォーカス位置センサ9から得られるフォーカスレンズ群1の初期位置に応じて移動する目標位置を設定し、D/A変換器43、フォーカス駆動回路44を介してフォーカスレンズ群1を駆動する。
ところで、図5のカメラNo.入力49はレンズ装置100に構成されているが、ズーム操作部300やフォーカス操作部400に構成し、各操作部のCPUを介してレンズCPU41に入力情報を伝達しても良い。更に、後述するカメラCPUとのコマンド通信により、撮像装置側に構成して情報入力しても良い。また、ズーム操作リング34は光軸の位置ずれの補正時にも使用するが、ズーム操作リング34と同様の調整量が得られるフォーカス操作部400のフォーカス操作部材で補正を行っても良い。このとき、ズーム操作部300に構成した図5の各種スイッチもフォーカス操作部400に設けることも出来る。
図6乃至10を参照しながら、本発明の実施例1のレンズ装置について説明する。
レンズの光軸上にある被写体の像点は理想的な条件においては像面上の所定の1点にとどまり、ズームの倍率に依存して変位することはない。したがって、レンズの光軸が撮像面の中心に一致している場合は、撮像面の中心に結像する被写体の像はズームの倍率に依らず移動することはない。しかし、レンズの光軸が撮像面の中心に一致していない場合は、撮像面内のレンズの光軸位置を中心として、ズームの倍率(画角)に対応した画界が撮像面で撮像されるため、ズームの倍率変化(変倍群の移動による焦点距離の変化)により、撮像面の中心に結像する被写体の像は移動し、撮影者が意図しない不自然な像の動き(位置ずれ)が発生してしまう。本実施例においては、レンズ装置と撮像装置との接続が、レンズ装置の光軸位置が撮像装置の撮像面中心に一致しない接続となってしまった場合でも、撮像倍率の変化に依らず、撮像面中心の被写体の像が変位しないレンズ装置を提供することを目的とする。
図6は、レンズ装置100と撮像装置200を接続した後、十字形状の指標59を合焦した状態で撮影した時のモニタ55の映像である。この時、撮影者は、レンズのズーム位置が望遠端の時に、モニタ55に表示された縦(Y方向)と横(X方向)のカメラの撮影画面の中心線上に指標59の位置が合致するよう操作棒37を操作(パンチルト操作)して、指標59と撮像装置200の撮像素子の中心とを位置合わせする。図7の縦横の各中心線の交点は、撮像素子13の走査中心を示している。次に撮影者がズーム操作リング34を操作してズーム位置を広角側に焦点距離の位置を変えていくと、図6のように指標59の位置がカメラ中心(撮像面の中心)よりずれてしまい、広角端で最大のずれとなる場合がある。逆に撮影者が、広角端で指標59とカメラ中心の位置を合わせ、望遠側へズーム位置を変えていくと、画角が狭くなるため、光学レンズは一般的に望遠側の方が光軸の位置ずれ敏感度が高くなり、望遠端から広角端に移行した時より位置ずれ量は大きくなる。この現象は、レンズ装置100のズーム中の位置ずれが影響していない場合には、撮像装置200との取り付け誤差により図1の光軸O1とO2が合致せず起きている位置ずれである。この位置ずれは、レンズ装置と撮像装置の間で予め調整されていれば起きない。また、仮に位置ずれが起きていても、従来の撮影装置のように予め像ぶれ防止用レンズで補正されていれば位置ずれを抑制できる。しかし、着脱自在のマウント部14で接続されるレンズ装置100が、必ず撮像装置200と接続されるとは限らず、特定の組み合わせで位置を補正しても意味がない。
図7以降では、このような問題に鑑みて、レンズ装置と撮像装置が着脱可能な構成において位置ずれを好適に補正するためのフローについて説明する。
図7は、レンズ装置100と撮像装置200を接続した後、被写体の十字形状の指標59を合焦した状態で撮影した時の波形モニタ56の映像である。モニタの表示は縦(Y方向)と横(X方向)それぞれで分かれており、カメラ中心近辺にある特定の走査線の映像出力をそれぞれの方向に表示している。図7では、指標59がカメラ中心からずれており、この時XY各方向で指標59の線幅の波形とカメラ中心線の線幅の波形が出力されている。撮影者は、操作棒37を操作し、または、後述する補正動作で防振レンズ群4を移動させて、指標59の線幅の波形とカメラ中心線の線幅が合致するよう位置合わせを行う。なお、正確な位置合わせを行うために波形モニタ56を使用するが、もしモニタ55の解像力が高く、正確な位置合わせが可能な場合はモニタ55で代用しても良い。また、位置合わせには十字形状の指標59を使用しているが、形状に限定されるものではなく、コントラストの差から縦(Y方向)と横(X方向)の中心位置が読み取れるものであれば良い。
次に図8の説明図と図9のフローチャートを用いて、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による位置ずれがある場合の、補正動作と防振制御手段であるレンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
図9において、レンズ装置100と撮像装置200に電源が供給されると、レンズCPU41は、防振レンズ群4を予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)に移動する。基準位置への移動は、ヨー方向位置センサ24、ピッチ方向位置センサ25より防振レンズ群4の位置を読み取り、目標となる基準位置を設定してコイル20、21、及びマグネット22、23により駆動して行う(STEP101)。起動後、レンズCPU41は補正起動スイッチ38がONの状態か確認する(STEP102)。ONの場合は、補正モードに切り替わったと判断して次のステップへ進み、OFFの場合は補正しないと判断して後述する図10の動作へ進む。次にレンズCPU41は、ズーム位置センサ12よりレンズのズーム位置Znを取得する(STEP103)。Znの値が望遠端の値Ztであれば、そのまま次のステップへ進む(STEP104)。Znの値がZtで無ければ、レンズCPU41はズーム駆動回路45を介してズームレンズ群2を望遠端の位置に駆動する(STEP105)。そしてSTEP103で再度Znを読み取り、STEP104でZn=Ztとなったことを確認後、次のステップへ進む。ここで撮影者は、フォーカス操作部400でフォーカスレンズ群1を駆動して指標59に対して焦点合わせを行う。そして被写体である指標59の中心位置がカメラ中心(撮影画面(撮像面)の中心)になるように、操作棒37を操作してレンズ装置100、及び撮像装置200のパン及びチルトの方向を調整する。この時、図7の波形モニタ56を使用すると位置合わせが容易になる。
図8は、望遠端で指標中心がカメラ中心と合致するようにパン・チルト方向等を調整した状態で、広角端までズーム操作した時の指標中心の変位を例示した図である。撮影者がズーム操作部300のプリセットスイッチ39を押すと、その時点の防振レンズ群4の位置を記憶することができる。レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を確認すると、ズーム位置Ztと、ヨー方向位置センサ24、ピッチ方向位置センサ25の出力値(xt,yt)(防振レンズ群4の位置)を読み取り、メモリ48に記憶する(STEP106)。望遠端においては、防振レンズ群4は電源投入後の基準位置にあるので、x0=xt,y0=ytである。次にレンズCPU41は、ズーム駆動回路45を介してズームレンズ群2を広角端の位置に駆動する(STEP107)。この時ズーム位置Znは、広角端のZwとなる。図8では、広角端における指標中心は撮影画面の中心からずれている。ここで撮影者は、指標59の中心位置が撮影画面の中心になるように、ズーム操作リング34を操作して防振レンズ群4を移動させて位置合わせする。ズーム操作リング34を操作すると、図8のX方向に防振レンズ群4が移動し、方向切替スイッチ40を押しながらズーム操作リング34を操作すると、Y方向に防振レンズ群4が移動する。位置合わせ終了後、撮影者がズーム操作部300のプリセットスイッチ39を押すことにより、この状態における防振レンズ群4の位置が記憶される。レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を確認した後、ズーム位置Zwと、防振レンズ群4の位置である、ヨー方向位置センサ24及びピッチ方向位置センサ25の出力値(xw,yw)を読み取り、メモリ48に記憶する(STEP108)。次にレンズCPU41では、メモリ48に記憶された望遠端と広角端における防振レンズ群4の移動位置(出力値)の差分値(xt-xw, yt-yw)(補正シフト量)を算出する(STEP109)。そしてその差分値と、ズーム位置Znのサンプリング点の総数Zより、以下の式において補正係数k1(kx1,ky1)を得る(STEP110)。
kx1=(xt-xw)/ Z ---(1)
ky1=(yt-yw)/ Z ---(2)
kx1,ky1はそれぞれX方向、Y方向に対する補正係数である。次に以下の式より、ズーム位置Znにおける防振レンズ群4の補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)を得る(STEP111)。
Dx1n=kx1×Zn ---(3)
Dy1n=ky1×Zn ---(4)
Dx1n,Dy1nはそれぞれズーム位置Znにおける防振レンズ群4のX方向、Y方向の移動量(補正シフト量)である。そしてレンズCPU41は、得られた補正係数kx1,ky1と補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)の設定式をメモリ48に記憶する(STEP112)。最後にレンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り当てを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影操作であるズームレンズ群2の移動に戻す(STEP113)。
続いて図10のフローチャートを用いて、位置ずれ補正のための補正係数k1(kx1,ky1)と補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)の式が設定された後の、通常撮影時における防振制御手段であるレンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
図10において、レンズ装置100と撮像装置200に電源供給されると、レンズCPU41は、図9のSTEP101と同様の動作で防振レンズ群4を予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)に移動する(STEP201)。次にズーム位置センサ12よりレンズのズーム位置Znを取得する(STEP202)。次にレンズCPU41は、メモリ48よりズーム位置Znにおける補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)を読み出す(STEP203)。ここで、補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)は、ズーム位置Znに対する値としてテーブルとして記録されている場合であれば、ズーム位置Znに対応する補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)を読み出してもいいし、ズーム位置Znの関数として補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)が式で記録されている場合であれば、補正シフト量D1nを算出してもよい。続いてD1n(Dx1n,Dy1n)でシフトされる防振レンズ群4の移動目標座標を設定する(STEP204)。そして防振レンズ駆動回路46を介して防振レンズ群4を目標座標まで駆動する(STEP205)。その後、撮影者のズーム操作によりズーム位置Znが変更されなければ動作は終了する(STEP206)。ズーム位置が変更された場合は、STEP202に戻り再びZnを取得し、そのZnの位置におけるシフト量D1nに応じて再び防振レンズ群4を補正駆動する。
以上のような動作手順により、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差(光軸の位置ずれ)に起因する、撮影画面の中心の被写体像のズーム操作中の移動を低減することができるという効果が得られる。補正の操作は撮影に使用する操作部で行い、また使用する被写体の指標は形状に依存せず中心が判断できるもので良いため、撮影現場など限られた環境でも容易に行うことができる。また、異なるレンズ装置と撮像装置が接続される場合は、その組み合わせが使用される撮影現場で補正動作を行って新たな補正シフト量を得ればよい。なお、図9では望遠端と広角端の2箇所の変倍位置を使用して補正係数を設定したが、2箇所以上の変倍位置、例えば、ズーム途中の位置でSTEP107からSTEP108を繰り返す動作を行って各位置における防振レンズ群4の移動位置を記憶し、それらを用いて補正係数を設定しても良い。また図9では、防振レンズ群4の移動範囲や大きく移動した時の光学性能の低下を考慮して、補正時は位置ずれ敏感度の高い望遠端を基準位置としたが、範囲や性能低下の影響が無ければ他のズーム位置を基準としても支障はない。
次に図11の説明図と図12、図13のフローチャートを用いて、レンズ装置の光軸位置がズーム操作中にずれる場合の、撮像面中心位置の被写体像がズーム位置によって移動しないようにする補正と、レンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
図12に示したズーム中の光軸の位置ずれを補正するためのフローチャートのSTEP301からSTEP308までの動作は、図9に示したレンズ装置と撮像装置の装着に起因する光軸の位置ずれを補正するためのフローチャートのSTEP101からSTEP108までの動作と同様である。つまり、補正起動スイッチ38がONの時に、望遠端における防振レンズ群4の位置を基準位置(xt,yt)として記憶し、ズーム位置を広角端に移動した後、防振レンズ群4を移動して指標とカメラ中心が位置合わせされた後の防振レンズ群4の移動位置(xw,yw)を記憶する。ここで補正起動する操作は、次の図13の動作と区別するため、異なる操作で行ってもよい。例えば、方向切替スイッチ40を押しながら補正起動スイッチ38をONにするなど、通常は撮影者が操作せず、且つレンズCPU41が異なる補正起動と識別できる操作であれば良い。これでレンズCPU41は、図12の動作を行うか、後述する図13のレンズ装置と撮像装置との取り付け誤差を補正する動作を行うか起動の方法で識別できる。また図12の補正動作で使用する撮像装置は、レンズ装置100のマウント部14に対して光軸が正確に調整されている装置を使用すると、ズーム中の位置ずれのみを補正対象として抽出できるため望ましい。
図11に示すように、レンズ装置自体の製造誤差等の影響により、望遠端で撮影画面中心に指標中心を合わせた後、広角端に移動すると指標は図のような位置にずれている。図8で説明したレンズ装置と撮像装置の取り付けによる位置ずれがある場合では、ほぼ直線の軌跡で指標の位置ずれが生じるが、レンズ装置自体に起因するズーム中の位置ずれは、図11のようにズーム途中で円弧の軌跡を描いたりして軌跡が単純でない場合がある。これは、構成するレンズ同士の配置や機構部などレンズ装置内で位置ずれする箇所が複合して起きているためである。このため、レンズ装置自体に起因するズーム中の位置ずれはズーム途中の位置も考慮する必要がある。したがってSTEP308で広角端の防振レンズ群4の移動位置を記憶した後に、レンズCPU41は予め定められたズーム位置Znに、ズーム駆動回路45を介してズームレンズ群2を駆動する(STEP309)。ここで操作者は、図9と同様の操作で防振レンズ群4を移動して位置合わせを行う。そして操作者がプリセットスイッチ39を押すことにより、この状態における防振レンズ群4の位置が記憶される。レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を確認した後、ズーム途中の防振レンズ群4の移動位置(xn,yn)を取得し、メモリ48に記憶する(STEP310)。そしてSTEP309からSTEP310の動作を、ズーム位置を変えながら繰り返して各々の防振レンズ群4の移動位置を記憶し、その動作をn回数繰り返した後に次のステップへ進む(STEP311)。次に各移動位置の座標を読み出して、望遠端(xt,yt)と広角端(xw,yw)を通り、且つ各ズーム位置Znにおける座標(xn,yn)に近接する位置を通る近似多項式の補正式f1(Zn)(=(fx1(Zn),fy1(Zn)))を算出する(STEP312)。算出された補正式f1は、メモリ48に記憶する(STEP313)。最後にレンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り当てを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影動作のズームレンズ群2の移動に戻す(STEP314)。
次に図13のフローチャートを用いて、図12のフローチャートによるズーム中の光軸位置ずれを補正するための補正式f1を有するレンズ装置と、撮像装置の取り付け誤差による光軸位置ずれの補正動作について説明する。
図13に示すフローチャートにおいて、STEP401からSTEP411までの動作は、図9のSTEP101からSTEP110までの動作とほぼ同様である。つまり、補正起動スイッチ38がONの時に、望遠端における防振レンズ群4の位置を基準位置(xt,yt)として記憶し(STEP407)、ズームを広角端に移動(STEP408)した後、防振レンズ群4を移動して指標と撮影画面の中心を位置合わせした後の防振レンズ群4の移動位置(xw,yw)を記憶する(STEP409)。もし補正起動スイッチ38がOFFの場合は,補正しないと判断して後述する動作モード(図14)へ進む。続いて望遠端と広角端における防振レンズ群4の移動位置の差分値(xt-xw, yt-yw)を算出し(STEP410)、その差分値とズーム位置Znのサンプリング点の総数Zより、X方向、Y方向の補正係数kx1,ky1を、
kx1=(xt-xw)/Z ---(1)
ky1=(yt-yw)/Z ---(2)
によって得る(STEP411)。補正係数を得たことで、レンズ装置100と撮像装置200の取り付け誤差による位置ずれを補正する補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)が、
Dx1n=kx1×Zn ---(3)
Dy1n=ky1×Zn ---(4)
により求められる。
図13に示したSTEP401からSTEP411までの処理において、図9のSTEP101からSTEP110までの処理と異なる点は、STEP402(STEP102)での補正起動の確認後すぐに、STEP403でCPU41が、メモリ48に記憶された補正式(f1(Zn)=(fx1(Zn),fy1(Zn)))を読み出すことである。そして、図13のSTEP404以後の処理において、補正式f1によって示されるズーム位置(望遠端、広角端)に応じた補正量だけ防振レンズ群4を変位させ、変位後の防振レンズ群4の位置を基準として、望遠端における防振レンズ群4の移動位置(xt,yt)、及び、広角端における防振レンズ群4の移動位置(xw,yw)を求めることが、図9で示した処理と異なる点である。すなわち、レンズ装置自体に起因するズーム操作中の光軸の変位を補正式f1で補正した状態で、図13のSTEP401〜411までの補正処理をして、レンズ装置と撮像装置の接続に起因する光軸ずれのみを分離して補正対象とする。
補正式f1より、レンズ装置100のズーム中における位置ずれを補正する防振レンズ群4の補正シフト量L1n(Lx1n,Ly1n)を得る。
Lx1n=fx1(Zn) ---(5)
Ly1n=fy1(Zn) ---(6)
Lx1n, Ly1nはそれぞれ防振レンズ群4のX方向、Y方向の補正シフト量で、またfx1, fy1はX方向、Y方向の補正式である。続いて(3),(4)式と(5),(6)式より、ズーム位置Znにおける防振レンズ群4の最終補正シフト量D2n(Dx2n,Dy2n)を得る(STEP412)。
Dx2n= Lx1n+Dx1n ---(7)
Dy2n= Ly1n+Dy1n ---(8)
Dx2n,Dy2nはそれぞれX方向、Y方向の補正シフト量である。そしてレンズCPU41は、得られた補正係数k1(kx1,ky1)と補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)とL1n(Lx1n,Ly1n)、及び最終補正シフト量D2n(Dx2n,Dy2n)の設定式をメモリ48に記憶する(STEP413)。最後にレンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令を、防振レンズ群4の移動からズームレンズ群2の移動に戻す(STEP414)。
続いて図14のフローチャートを用いて、位置ずれ補正のための補正係数k1(kx1,ky1)と補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)とL1n(Lx1n,Ly1n)、及び最終補正シフト量D2n(Dx2n,Dy2n)の式が設定された後の、通常撮影時における防振制御手段であるレンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
図14において、STEP501からSTEP502までの動作は、図10のSTEP201からSETP202までの動作と同じである。つまり、防振レンズ群4を、予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)の位置に移動後に、レンズのズーム位置Znを取得する。次にレンズCPU41は、メモリ48よりズーム位置Znにおける補正シフト量D2n(Dx2n,Dy2n)を読み出す(STEP503)。続いてD2n(Dx2n,Dy2n)でシフトされる防振レンズ群4の移動目標座標を設定する(STEP504)。D2n(Dx2n,Dy2n)は、レンズ装置100自体に起因するズーム中の位置ずれ補正シフト量L1n(Lx1n,Ly1n)と、レンズ装置100と撮像装置200の相対的な位置ずれに起因する補正シフト量D1n(Dx1n,Dy1n)を含んでおり、ズーム位置Znにおけるそれぞれの位置ずれを補正した移動目標座標が設定される。そして防振レンズ駆動回路46を介して、防振レンズ群4を目標座標まで駆動する(STEP505)。その後、撮影者のズーム操作によりズーム位置Znが変更されなければ、動作は終了する(STEP506)。ズーム位置が変更された場合は、STEP502に戻り再びZnを取得し、そのZnの位置におけるシフト量D2nに応じて防振レンズ群4を補正駆動する。
以上のような動作手順により、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、レンズ装置のズーム中における光軸の位置ずれと、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による位置ずれをそれぞれ補正して低減することができる。レンズ装置自体に起因するズーム中の光軸の位置ずれは、そのレンズ装置の固有特性として用いられるものである。したがって、図12に示したズーム中の光軸のずれの補正をレンズ装置の工場組立時に行えば、撮影者は撮影現場で図13の補正を行うのみで済む。もし図12と図13の補正動作を同時に行いたい場合は、図12のSTEP312で補正式f1を算出後、図13のSTEP412で得た(5),(6)式のL1n(Lx1n,Ly1n)を補正シフト量として補正駆動に使用する。なお、防振レンズ群4の移動範囲や光学性能低下の影響が無ければ、実施例1と同様に望遠端以外のズーム位置を基準としても支障はない。
次に図15の説明図と図16のフローチャートを用いて、切替光学ユニット5の各光学レンズを撮影光路への挿脱することに起因する光軸の位置ずれがある場合と、レンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。その後は図17でレンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による位置ずれがある場合の補正動作について説明する。
図16において、STEP601からSTEP602までの動作は、図9のSTEP101からSTEP102までの動作と同じある。つまり、防振レンズ群4を予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)の位置に移動した後に、補正起動スイッチ38がONの時に次のステップへ進む。ここで補正起動する操作は、次の図17の動作と区別するため、異なる操作で行ってもよい。通常の撮影処理時等には撮影者が操作せず、且つレンズCPU41が異なる補正起動と識別できる操作であれば良い。これでレンズCPU41は、図16の動作を行うか、後述する図17のレンズ装置と撮像装置との取り付け誤差を補正する動作を行うか起動の方法で識別できる。また図16の補正動作で使用する撮像装置は、レンズ装置100のマウント部14に対して光軸が正確に調整されている装置を使用すると、切替光学ユニットの光学レンズ切替による位置ずれのみを補正対象として抽出できるため望ましい。
補正起動の入力指令を得て、レンズCPU41は切替光学ユニット5の回転位置センサ33より切替光学ユニットの回転位置を取得する。切替光学ユニット5には、2つの異なる変倍率の光学ユニットの変倍レンズ群29と変倍レンズ群30を有する為、レンズCPU41はどちらのレンズ群が撮影光路に挿入された時の回転位置か([1]又は[2])を取得する(STEP603)。回転位置の値が、変倍レンズ群29が撮影光路に挿入された状態の値[1]であれば、そのまま次のステップSTEP606へ進む(STEP604)。回転位置の値が[1]で無ければ、レンズCPU41は切替駆動回路47を介して回転板28を回転し、変倍レンズ群29を撮影光路に挿入するよう駆動する(STEP605)。そしてSTEP603で再度回転位置を読み取り、STEP604で[1]の状態となったことを確認後、次のステップSTEP606へ進む。
続いてレンズCPU41は、ズーム位置センサ12よりレンズのズーム位置Znを取得する(STEP606)。Znの値が望遠端の値Ztであれば、そのまま次のステップSTEP609へ進む(STEP607)。Znの値がZtでなければ、レンズCPU41はズーム駆動回路45を介してズームレンズ群2を望遠端の位置に駆動する(STEP608)。そしてSTEP606で再度Znを読み取り、STEP607でZn=Ztとなったことを確認後、次のステップSTEP609へ進む。
ここで操作者は、フォーカス操作部400でフォーカスレンズ群1を駆動して指標59に対して焦点合わせを行う。そして指標59の中心位置が撮影画面の中心に位置するように、操作棒37を操作してレンズ装置100及び撮像装置200の位置合わせ(パン/チルト等の操作)を行う。図15は、変倍レンズ群29が撮影光路に挿入された時の望遠端での指標中心が撮影画面の中心と合致している状態である。この時、操作者がプリセットスイッチ39を押すことにより、この状態における防振レンズ群4の位置が記憶される。レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を確認した後、この状態における防振レンズ群4の位置を記憶する(STEP609)。この時レンズCPU41では、プリセットスイッチ39の入力指令を得て、ズーム位置Ztと、防振レンズ群4の位置である、ヨー方向位置センサ24及びピッチ方向位置センサ25の出力値(xt,yt)を読み取り。メモリ48に記憶する。望遠端においては防振レンズ群4を移動させていない(基準位置としている)ので、x0=xt,y0=ytである。
次にレンズCPU41は、切替駆動回路47を介して回転板28を回転し、変倍レンズ群30を撮影光路の挿入位置に駆動する(STEP610)。この時、回転位置は[2]となる。図15では、[2]の時の指標中心が、望遠側と広角側どちらもカメラ中心とずれている。次にレンズCPU41は、[2]の状態のレンズのズーム位置Znを取得する(STEP611)。Znの値が望遠端の値Ztであれば、そのまま次のステップへ進む(STEP612)。Znの値がZtで無ければ、レンズCPU41はズームレンズ群2を望遠端の位置に駆動する(STEP613)。そしてSTEP611で再度Znを読み取り、STEP612でZn=Ztとなったことを確認後、次のステップへ進む。ここで操作者は、指標59の中心位置が撮影画面の中心になるように、ズーム操作リング34を操作して防振レンズ群4を移動させて位置合わせする。位置合わせ後に再びプリセットスイッチ39を押すことにより、この状態における防振レンズ群4の位置が記憶される。レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を確認した後、[2]の状態における防振レンズ群4の移動位置([2]xt,[2]yt)を記憶する(STEP614)。
次にレンズCPU41では、メモリ48に記憶された[1]の望遠端と[2]の望遠端とのそれぞれ出力値の差分値(xt-[2]xt, yt-[2]yt)を算出する(STEP615)。そしてその差分値をメモリ48に記憶する(STEP616)。最後に操作者は、補正起動スイッチ38をOFFにして補正モードを終了する(STEP617)。最後にレンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り当てを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影動作のズームレンズ群2の移動に戻す。
続いて図17のフローチャートを用いて、図16の補正動作を行った後における、切替光学ユニット5が[2]の状態の時のレンズ装置100と撮像装置200の取り付け誤差による位置ずれ補正の動作を説明する。なお、[1]の状態の時の位置ずれ補正の動作は、図9の動作と同様のため説明は省略する。
図17において、STEP701からSTEP703までの動作は、図16のSTEP601からSTEP603までの動作と同じある。つまり、防振レンズ群4を予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)の位置に移動後、補正起動スイッチ38がONの時に切替光学ユニットの回転位置を取得する。回転位置の値が[2]であれば、そのまま次のステップへ進む(STEP704)。回転位置の値が[2]で無ければ、レンズCPU41は切替駆動回路47を介して回転板28を回転し、変倍レンズ群30を撮影光路に挿入するように駆動する(STEP705)。そしてSTEP703で再度回転位置を読み取り、STEP704で[2]の状態となったことを確認後、次のステップへ進む。次のSTEP706からSTEP712までの動作は、切替光学ユニット5が[2]の状態に切り替わった以外は図9のSTEP103からSTEP109までの動作と同じである。つまり、[2]の状態で望遠端Ztにズーム位置を駆動し、指標中心と撮影画面の中心の位置合わせをレンズ装置と撮像装置を操作して行った後に、望遠端の防振レンズ群4の位置([2]xt,[2]yt)を記憶する。そしてズーム位置を広角端Zwとして、防振レンズ群4を移動させて撮影画面の中心との位置合わせ後の防振レンズ群4の位置([2]xw,[2]yw)を記憶する。その後に、メモリ48に記憶された望遠端と広角端のそれぞれ出力値の差分値([2]xt-[2]xw, [2]yt-[2]yw)を算出する。次に、その差分値とズーム位置Znのサンプリング点数の総数Zより、以下の式において[2]の状態の中心位置の補正係数k2を得る(STEP713)。
kx2=([2]xt-[2]xw)/ Z ---(9)
ky2=([2]yt-[2]yw)/ Z ---(10)
kx2,ky2はそれぞれX方向、Y方向の補正係数である。
続いてレンズCPU41は、図16で算出した[1]と[2]の差分値(xt-[2]xt, yt-[2]yt)をメモリ48から読み出す(STEP714)。そして(9),(10)式と差分値より、ズーム位置Znにおける[2]の状態の防振レンズ群4の補正シフト量D3nを得る(STEP715)。
Dx3n= kx2×Zn+(xt-[2]xt) ---(11)
Dy3n= ky2×Zn+(yt-[2]yt) ---(12)
Dx3n,Dy3nはそれぞれX方向、Y方向の補正シフト量である。そしてレンズCPU41は、得られた補正係数k2(kx2,ky2)と補正シフト量D3n(Dx3n,Dy3n)の設定式をメモリ48に記憶する(STEP716)。最後レンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り付けを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影動作であるズームレンズ群2の移動に戻す(STEP717)。
続いて図18のフローチャートを用いて、位置ずれ補正後の通常撮影時における防振制御手段であるレンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
図18において、図9のSTEP101と同様に、レンズ装置100と撮像装置200に電源供給後、防振レンズ群4は予めメモリ48に記憶された光軸O1に合致する基準位置(x0,y0)の位置に移動する(STEP801)。次にレンズCPU41は、切替光学ユニット5の変倍レンズ群29と変倍レンズ群30のどちらのレンズ群が撮影光路に挿入された状態かを判別するため、回転位置[1]、又は[2]を取得する(STEP802)。回転位置の値が、変倍レンズ群29が撮影光路に挿入された状態の値[1]であれば、そのまま次のステップへ進む(STEP803)。回転位置の値が[1]で無ければ、[2]のステップへ進む。ここで値[1]のSTEP804からSTEP808までの動作は、図10のSTEP202からSTEP206の動作と同じである。つまり、ズーム位置Znを取得した後に補正シフト量D1nを読み出し、D1nでシフトされる防振レンズ群4の移動目標座標を設定して防振レンズ群4を目標座標まで駆動する。そしてズーム位置Znが変更されなければ動作は終了し、変更された場合は、再びZnを取得して、そのZnの位置におけるシフト量D1nに応じて補正駆動する。STEP803で[1]の状態でなければ、[2]の状態のズーム位置Znを取得する(STEP809)。そしてレンズCPU41は、[1]と[2]の切り替えによる位置ずれと、[2]の状態でのレンズ装置100と撮像装置200の取り付け誤差による位置ずれを補正した補正シフト量D3n(Dx3n,Dy3n)をメモリ48より読み出す(STEP810)。続いてD3n(Dx3n,Dy3n)でシフトされる防振レンズ群4の移動目標座標を設定する(STEP811)。そして防振レンズ駆動回路46を介して防振レンズ群4を目標座標まで駆動する(STEP812)。その後、撮影者のズーム操作によりズーム位置Znが変更されなければ動作は終了する(STEP813)。ズーム位置が変更された場合は、STEP809に戻り再びZnを取得し、そのZnの位置におけるシフト量D3n(Dx3n,Dy3n)に応じて再び防振レンズ群4を補正駆動する。
以上のような動作手順により、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、レンズ装置の切替光学ユニットの光軸の位置ずれと、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による位置ずれをそれぞれ補正して低減することができる。変倍レンズ群を挿脱することによって生じる光軸の位置ずれは、そのレンズの固有特性として用いられるものであって、レンズ装置単体に起因するものである。したがって、例えば図16に示した変倍レンズ群を挿脱することによって生じる光軸の位置ずれの補正をレンズ装置の工場組立時に行えば、撮影者は撮影現場で図17の補正を行うのみで済む。ところで図16、図17では、2つの変倍率の異なるレンズ群に応じて補正を行っているが、切替光学ユニットが単一の変倍レンズの挿脱するにより倍率を切り替える場合は、変倍レンズの挿入有無に応じて補正動作を行う。なお、防振レンズ群4の移動範囲や光学性能低下の影響が無ければ、実施例1と同様に望遠端以外のズーム位置を基準としても支障はない。
次に図19の説明図と図20、図21のフローチャートを用いて、レンズ装置自信に起因するズーム中の光軸の位置ずれと、切替光学ユニットの各光学レンズの撮影光路への挿入で光軸の位置ずれがある場合の補正動作と、レンズCPU41のソフトウェア処理について説明する。
先に図20で、切替光学ユニット5の光学レンズが[2]に切り替わった時の、ズーム中の光軸の位置ずれを補正するためのフローチャートを説明する。なお、[1]の状態のズーム中の位置ずれ補正の動作は、図12の動作と同様のため説明は省略する。
図20において、STEP901からSTEP911までの動作は、図17のSTEP701からSTEP711までの動作と同様である。つまり、補正起動スイッチ38をONの時、[2]の状態で望遠端を基準位置([2]xt,[2]yt)として位置を記憶する。そして広角端に切り替えて広角端での移動位置([2]xw,[2]yw)を記憶する。ここで補正起動する操作は、次の図21の動作と区別するため、異なる操作で行ってもよい。通常は撮影者が操作せず、且つレンズCPU41が異なる補正起動と識別できる操作であれば良い。これでレンズCPU41は、図20の動作を行うか、後述する図21のレンズ装置と撮像装置との取り付け誤差を補正する動作を行うか起動の方法で識別できる。また図20の補正動作で使用する撮像装置は、レンズ装置100のマウント部14に対して光軸が正確に調整されている装置を使用すると、ズーム中の位置ずれのみを補正対象として抽出できるため望ましい。
図19では、レンズ装置自体にズーム中の光軸ずれがある場合は、望遠端で指標の中心と撮影画面の中心とを合わせた後に広角端に移動すると、広角端では図のような位置に指標がずれる。続くSTEP912からSTEP917までの動作は、[2]の状態での図12のSTEP309からSTEP314までと同様の動作である。つまり[2]の状態で、予め定められたズーム位置Znで防振レンズ群4を移動して、レンズCPU41はプリセットスイッチ39の入力信号を得て位置合わせ後の移動位置を記憶する。その動作をn回繰り返して各移動位置の座標を読み出し、[2]の状態における望遠端([2]xt, [2]yt)と広角端([2]xw, [2]yw)を通り、且つ各ズーム位置における座標([2]xn, [2]yn)に近接する位置を通る近似多項式の補正式f2を算出する。算出された補正式はメモリ48に記憶され、最後にレンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り付けを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影動作であるズームレンズ群2の移動に戻す。
続いて、切替光学ユニット5の光学レンズが[2]に切り替わった時の、[1]と[2]の位置ずれの差分値を取得する補正動作を行うが、動作は図16と同様のため説明は省略する。補正起動する操作は、図20や図21の補正フローと区別するため図20や図21と異なる操作で行い、通常撮影者が行わない操作で起動しても良い。ここで、図16の時と同じく使用する撮像装置は、レンズ装置100のマウント部14に対して光軸が正確に調整されている装置を使用すると、切替光学ユニットの光学レンズ切替による位置ずれのみを補正対象として抽出できるため望ましい。
次に、図21のフローチャートを用いて、図20、及び図16の補正動作を行った後における、切替光学ユニット5の光学レンズが[2]の状態の時の、レンズ装置100と撮像装置200の取り付け誤差による光軸位置ずれ補正の動作を説明する。なお、切替光学ユニット5の光学レンズが[1]の状態の時の位置ずれ補正の動作は、図13の動作と同様のため説明は省略する。
図21において、STEP1001からSTEP1014までの動作は、図17のSTEP701からSTEP713までの動作とほぼ同様である。つまり、補正起動スイッチ38がONの時、切替光学ユニット5の光学レンズが[2]の状態で望遠端における防振レンズ群4の位置を基準位置([2]xt,[2]yt)として記憶する。そして広角端に移動(STEP1011)した後に、防振レンズ群4を移動して指標と撮影画面の中心を合わせた後の防振レンズ群4の移動位置([2]xw,[2]yw)を記憶する(STEP1012)。その後にメモリ48に記憶された望遠端と広角端における防振レンズ群4の移動位置の差分値([2]xt-[2]xw, [2]yt-[2]yw)を算出し(STEP1013)、その差分値とズーム位置Znのサンプリング点の総数Zより、図17のように(9),(10)式より切替光学ユニット5の光学レンズが[2]の状態の中心位置の補正係数k2(kx2, ky2)を得る(STEP1014)。そして、図16の補正動作で算出した[1]と[2]の差分値(xt-[2]xt, yt-[2]yt)をメモリ48から読み出す(STEP1015)。次に(9),(10)式と差分値より、(11),(12)式のようにズーム位置Znにおける[2]の状態の防振レンズ群4の補正シフト量D3n(Dx3n,Dy3n)を得る。
図21に示したSTEP1001からSTEP1014までの処理において、図17のSTEP701からSTEP713までの処理と異なる点は、STEP1002(STEP702)での補正起動の確認後すぐに、STEP1003でCPU41が、メモリ48に記憶された補正式(f2(Zn)=(fx2(Zn),fy2(Zn)))を読み出すことである。そして、図21のSTEP1004以後の処理において、補正式f2によって示されるズーム位置(望遠端、広角端)に応じた補正量だけ防振レンズ群4を変位させ、変位後の防振レンズ群4の位置を基準として、望遠端における防振レンズ群4の移動位置[2](xt,yt)、及び、広角端における防振レンズ群4の移動位置[2](xw,yw)を求めることが、図17で示した処理と異なる点である。
補正式f2より、レンズ装置100のズーム中における位置ずれを補正する防振レンズ群4の補正シフト量L2n(Lx2n,Ly2n)を得る。
Lx2n=fx2(Zn) ---(13)
Ly2n=fy2(Zn) ---(14)
Lx2n, Ly2nはそれぞれX方向、Y方向の補正シフト量で、またfx2, fy2はX方向、Y方向の補正式である。続いて(11),(12)式と(13),(14)式より、ズーム位置Znにおける防振レンズ群4の最終補正シフト量D4n(Dx4n,Dy4n)を得る。(STEP1016)
Dx4n= Lx2n+Dx3n ---(15)
Dy4n= Ly2n+Dy3n ---(16)
Dx4n,Dy4nはそれぞれX方向、Y方向の補正シフト量である。そしてレンズCPU41は、得られた補正係数k2と補正シフト量Dx3n,Dy3nとLx2n, Ly2n、及び最終補正シフト量Dx4n,Dy4nの設定式をメモリ48に記憶する(STEP1017)。最後レンズCPU41は、補正起動スイッチ38のOFFの入力指令を受けて、ズーム操作リング34による操作指令の割り付けを、防振レンズ群4の移動から通常の撮影動作のズームレンズ群2の移動に戻す(STEP1018)。
図20と図21、及び図16の位置ずれ補正後のレンズCPU41のソフトウェア処理は、図18のフローチャートのSTEP810で、読み出す補正シフト量をD4nに置き換えれば同様の動作ができるため詳しい説明は省略する。
以上のような動作手順により、着脱自在なレンズ装置と撮像装置の組み合わせにおいて、レンズ装置のズーム中と各切替光学ユニット切替時の光軸の位置ずれと、撮像装置との取り付け誤差による位置ずれをそれぞれ調整することにより低減することができる。それぞれの補正動作を分けて行うことで、例えば図20と図16の補正をレンズ装置の工場組立時に行えば、撮影者は撮影現場で図21の補正を行うのみで済む。なお、防振レンズ群4の移動範囲や光学性能低下の影響が無ければ、実施例1と同様に望遠端以外のズーム位置を基準としても支障はない。
次に、レンズ装置と撮像装置が複数の組み合わせで接続される場合ついて説明する。図22は、レンズ装置が複数の撮像装置と接続される場合の概要図である。レンズ装置500と撮像装置a 600は、着脱自在なマウント部60で接続されている、接続方法が同一の装置なら、互いの装置の組み合わせを変更することができる。したがって、レンズ装置500は接続方法が同じ別の撮像装置b 700とも接続可能である。図22のレンズ装置500は、撮像装置a 600と接続されている時は共に装置台800上に取り付けられており、この状態で撮影を行う時は、装置台800の操作棒の末端付近に取り付けられた操作部900で操作する。レンズ装置500を撮像装置b 700と接続する時は、撮像装置a 600と装置台800から分離して、撮影者(図示せず)が担いで撮影を行い、レンズ装置500の外周に設けられた操作リング(図示せず)を操作して撮影される。レンズ装置500は、図1のレンズ装置100と同じ内部構成を形成しており、また実施例1から実施例4で示した、レンズ装置と撮像装置の取り付け誤差による光軸の位置ずれを補正する機能やソフトウェアを有している。また操作部900は、図4のズーム操作部300と同じく位置ずれ補正に使用する操作部材を有している。さらに、レンズ装置500と撮像装置a 600、及び撮像装置b 700は、接続された時に互いの内部CPU(図示せず)の間でシリアル通信などの通信リンクで情報伝達が可能な通信手段を有し、要求する指令や情報を送受信する。レンズ装置500は、複数の撮像装置と接続されることを考慮して、接続される撮像装置に応じた位置ずれの補正式をカメラ情報記憶手段である内部メモリ(図示せず)に複数記憶している。各補正式の記憶は、各撮像装置とレンズ装置500が接続された時に実施例1から実施例4で示した補正動作で得られる。補正動作で記憶する時は、後述する識別情報である識別ナンバーを撮像装置から受信するか、図5のカメラNo.入力49から識別ナンバーを入力してどの撮像装置と接続しているか識別する。
図23は、レンズ装置500の内部メモリに記憶された各撮像装置の補正式のリストである。レンズ装置500の内部CPUは、撮像装置a 600と接続された時は補正式D(a)を選択し、撮像装置b 700と接続された時は補正式D(b)を選択する。それ以降の撮像装置と接続された時も、それぞれの撮像装置との接続に応じて補正式を選択する。
続いて補正式が選択されるフローチャートを図24で説明する。
先ずレンズ装置500の内部CPUは、どの撮像装置と接続されているか識別するため、撮像装置の内部CPUにカメラ情報入力手段であるシリアルポートを介してカメラ識別信号を要求する指令コマンドを送る(STEP1101)。コマンドを受信した撮像装置の内部CPUは、レンズ装置500の内部CPUへシリアルポートを介してカメラ識別信号を送信し、レンズ装置500側でその識別ナンバーを読み出す(STEP1102)。そして識別ナンバーより撮像装置を識別し、図23のリストより識別した撮像装置の補正式を選択する(STEP1103)。選択された補正式は、実施例1から実施例4までのそれぞれの補正動作に使用される。
以上のような動作手順により、レンズ装置と撮像装置の組み合わせが着脱自在で特定できなくても、事前に撮像装置毎の補正式を記憶しておけばそれぞれの組み合わせに応じて補正できる。なお、図24では撮像装置の識別ナンバーを撮像装置より取得しているが、そのような通信手段を持たない場合は、図5のカメラNo.入力49から識別ナンバーを入力し、入力したナンバーに応じた補正式を図23のリストより選択する。
2 ズームレンズ群
4 防振レンズ群
41 レンズCPU
45 ズーム駆動回路
46 防振レンズ駆動回路

Claims (8)

  1. 変倍時に光軸方向に移動する変倍レンズ群と、
    光軸と垂直な方向に移動可能である防振レンズ群と、
    該防振レンズ群を駆動する防振駆動手段と、
    該防振駆動手段による該防振レンズ群の駆動を制御する防振制御手段と、
    を有するレンズ装置であって、
    該防振制御手段は、像面上の所定の1点に結像する被写体の像の、該変倍レンズ群の移動による位置ずれを低減するように、該防振駆動手段を制御して該防振レンズ群を移動する、
    ことを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記レンズ装置は、前記位置ずれが発生しないように、前記防振レンズ群を駆動する移動量である補正シフト量を、少なくとも2箇所以上の変倍位置で検出して記憶する記憶手段を有し、
    前記防振制御手段は、前記位置ずれが発生しないように、該記憶手段に記憶された該補正シフト量に基づいて前記防振レンズ群を移動するよう前記防振駆動手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 前記レンズ装置は、
    少なくとも1つ以上の変倍光学系を含む切替光学ユニットと、
    該切替光学ユニットを該レンズ装置の光軸と垂直方向に駆動し、該変倍光学系を該レンズ装置の光路に対して挿脱する切替駆動部と、
    をさらに有し、
    前記記憶手段は、該切替光学ユニットが該光学系の光路に挿入されていない場合、及び、各該切替光学ユニットが光路に挿入された場合の、前記補正シフト量を記憶し、
    前記防振制御手段は、該記憶手段に記憶された該補正シフト量に基づいて、該防振レンズ群を駆動する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
  4. 前記像面上の所定の1点は、前記レンズ装置が装着される撮像装置の撮像面の中心である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  5. 前記レンズ装置は、前記補正シフト量を設定するために前記防振レンズ群を駆動する操作手段を有し、該操作手段は、該レンズ装置の変倍操作、又は焦点調整操作に使用する操作部に設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  6. 前記操作手段は、
    前記操作部の変倍操作をするための変倍操作手段又は焦点調整操作をするための焦点調整操作手段を、前記補正シフト量を設定するために前記防振レンズ群を駆動する防振レンズ駆動操作手段として使用するための補正起動手段と、
    該防振レンズ駆動操作手段により駆動された該防振レンズ群の位置を前記記憶手段に記憶するためのトリガを与える操作手段である記憶操作手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレンズ装置。
  7. 前記レンズ装置は、
    接続される撮像装置の識別情報を入力するカメラ情報入力手段と、
    前記カメラ情報入力手段より入力された該識別情報と該識別情報に対応する、前記防振レンズ群の前記補正シフト量を記憶するカメラ情報記憶手段と、
    を有し、
    前記防振制御手段は、該カメラ情報入力手段より入力された該識別情報に対応する、前記防振レンズ群の該補正シフト量を選択し、該補正シフト量に基づいて前記防振レンズ群の位置を移動する、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のレンズ装置。
  8. 前記レンズ装置は、
    該レンズ装置に接続される撮像装置と通信する通信手段と、
    該通信手段を介して該撮像装置より取得するカメラの識別情報に対応する、前記防振レンズ群の前記補正シフト量を記憶するカメラ情報記憶手段と、
    を有し、
    前記防振制御手段は、該識別情報に対応する前記防振レンズ群の該補正シフト量を選択し、該補正シフト量に基づいて前記防振レンズ群の位置を変更する、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のレンズ装置。
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