JP2012027213A - 導電性無端ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で十分な強度があり、装置内での環境変化にも耐えて長期安定に使用できる耐久性に優れた導電性無端ベルトを提供する。
【解決手段】導電性の樹脂フィルムを無端状に形成してあるベルト基材10の少なくとも一面側の幅方向での端部で、ベルト周方向に補強部材12を配置した導電性無端ベルト1であって、前記ベルト基材10と、ポリアミド系の樹脂又はポリエステル系の樹脂で形成してある前記補強部材12とを、熱溶融型接着剤からなる接着層14で接着してある。前記ベルト基材10と前記接着層14との間、もしくは前記補強部材12と前記接着層14との間のうちの少なくとも一方に、更にプライマー層16を有する構造とするのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、継ぎ目が無い環状に形成してある導電性無端ベルトに関する。より詳細には、例えば複写機やプリンター、特にはカラーレーザープリンター等の電子写真装置や静電記録装置等において、転写ベルトや転写搬送ベルト等として好適に採用できる導電性無端ベルトに関する。
従来から、複写機、プリンター等における画像記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
かかる画像記録プロセスにおいては、トナー像の転写を行うための転写部材として、樹脂材料やゴムを基材として環状に形成した導電性無端ベルトが使用されている。かかる導電性無端ベルトは、通常、モータなどの駆動源に接続された駆動ローラと従動ローラ間に張架された状態で回転駆動されて、転写プロセスに供される。
上記のように使用される導電性無端ベルトは、ローラ間に張架されて回転駆動された際に蛇行して幅方向において位置ズレが生じると鮮明な像を形成できなくなる。特に、複数の画像を重ね合わせて形成されるカラー画像では、位置ズレは致命的となる。そこで、幅方向での位置ズレを防止するため、導電性無端ベルトのベルト本体を成す無端状に形成してある基材部分(以下、本明細書では、ベルト基材と称す)の内周側の周縁部に、ローラ側に設けた溝部と嵌合する、ガイドリブを設けて安定走行させる技術が従来において広く採用されていた(例えば、特許文献1)。しかし、このようにベルト基材にガイドリブを設ける導電性無端ベルトは、構造が複雑であり、また製造コストが増加してしまう。
上記に対して、特許文献2は、画像形成装置内のベルト位置規制部材に、導電性無端ベルトを押し当てることで導電性無端ベルトの蛇行を防止する技術を開示する。このような技術を採用すれば、ガイドリブを設ける必要が無くなるので、構造の簡素化、コスト低減を図ることができる。ただし、押し付けされる導電性無端ベルトの端部には、強い力が作用するのでヒビ割れなどの損傷が生じ易くなるので、何らかの補強部材を設けることが必要となる。引用文献2では、曲げ剛性率が所定値以下であり、かつ、ベルト基材の曲げ剛性率との関係が所定範囲にある高分子からなる補強部材を採用することを提案している。これにより、ベルト端部に力が作用したときに、補強部材の剛性がベルト端部の変形を抑えて、応力がベルト基材に集中するのを防止でき、また、補強部材の曲げ剛性が相対的に低く設定してあるのでヒビ割れが発生しにくくなるので導電性無端ベルトを長期に使用できるとされている。
特開2002−167021号公報 特開平8−63000号公報
上記引用文献2では、取り扱いの容易性などから、上記補強部材を粘着面を持つテープ材状に形成することが推奨されており、これで十分な接着強度が得られるとしている(引用文献2の段落[0013]、[0024]、[0025]、[0033]参照)。
しかしながら、粘着面を有する補強部材テープはベルト基材への接着作業をする場合の簡便性や補強部材の即装着性という利点がある反面、ベルト基材と補強部材とが物理的な粘着力で固定されているだけである。そのため、導電性無端ベルトが走行中に大きな斜行力を受けたり、装置内の温度が40〜60℃程度上昇するなどにより粘着層が軟化して接着の強度が低下したりしてベルト基材と補強部材との間に剥離が生じる可能性がある。また、低温環境下では、粘着層の脆化によりベルト基材との接着強度が低下するので、同様にベルト基材と補強部材との間に剥離が懸念される。
引用文献2で開示する技術は、無端状に形成されたベルト基材の周縁部に所定剛性の補強部材を設けることにより、ガイドリブを用いない構造の導電性無端ベルトを提案しているが、上記のように補強部材をベルト基材に接着固定するための構成において未だ改善の余地がある。
よって、本発明の目的は、簡易な構造で十分な強度があり、装置内での環境変化にも耐えて長期安定に使用できる耐久性に優れた導電性無端ベルトを提供することである。
上記目的は、導電性の樹脂フィルムを無端状に形成してあるベルト基材の少なくとも一面側の幅方向での端部で、ベルト周方向に補強部材を配置した導電性無端ベルトであって、
前記ベルト基材と、ポリアミド系の樹脂又はポリエステル系の樹脂で形成してある前記補強部材とを、熱溶融型接着剤からなる接着層で接着してある、ことを特徴とする導電性無端ベルトにより達成できる。
前記熱溶融型接着剤はポリエステル系ホットメルト接着剤、ウレタン系ホットメルト接着剤、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ホットメルト接着剤、ポリアミド(PA)系ホットメルト接着剤、及び、変性オレフィン系ホットメルト接着剤の群から選択されものを採用するのが好ましい。
そして、前記補強部材の表面にバフ加工が施されているのが望ましい。
本願発明の導電性無端ベルトは、ベルト基材と補強部材との接着を熱溶融型接着剤による接着層を設けること実現している。ここでの接着層は、物理的な粘着によりベルト基材と補強部材とを接着するのでなく、化学結合による強固な接着状態が得られるもので、強度に富むと共に、温度や湿度などが変動する環境下でも優れた耐久性を具える。よって、本願発明によると、十分な強度があり、装置内での環境変化にも耐えて長期安定に使用できる耐久性に優れた導電性無端ベルトを提供できる。
(a)は導電性無端ベルトの使用状況例を模式的に示した図である。(b)はベルト基材の表裏面に設けた補強部材について示した図である。(c)はベルト基材上に補強部材を接着するための構成を示した図である。 (a)は補強部材を形成する様子を示した図である。(b)は接着層付きの補強部材をベルト基材に接着し導電性無端ベルトを製造するベルト製造装置の概略を示した図である。(c)はベルト基材上の補強部材を拡大して示した図である。 導電性無端ベルトの耐久性を評価する耐久試験装置について示した図である。 (a)は本願発明の導電性無端ベルトの引裂き強度について示した図である。(b)は導電性無端ベルトについて確認した端部引裂き強度と耐久寿命との関係を示した図である。
以下、本発明にかかる一実施形態を、図を参照して詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は導電性無端ベルトについて示した図である。図1(a)は導電性無端ベルト1の使用状況例を模式的に示した図であり、この図で示すように、通常、導電性無端ベルト1は電子写真装置などの内部で所定位置に配置されているローラR−1、R−2間に張架されて使用される。
導電性無端ベルト1は、導電性の樹脂フィルムを無端状に形成してあるベルト本体となるベルト基材10、このベルト基材10の幅方向Wでの端部においてベルト周方向(幅方向Wと垂直)に補強部材12を環状に配備してある構造である。なお、図1(a)は、左端部の片側にだけ補強部材12を設ける場合を示すが、必要に応じて補強部材12を両側に設けた構造としてもよい。図1(a)にあって、補強部材12を設けた端部側は、装置内のベルト位置規制部材(図示を省略)に押し当てられる側となる。ここで図1(a)例示のように、左側だけに補強部材12を設けた構造では、左側への片当たりにより、蛇行を防止する走行制御が実現される。
そして、仮に、ベルト基材10の両側に補強部材12を設けた場合、両側で位置規制する構造や、片当たり状態による蛇行規制基準を左右意図的に切り替え可能による利便性があり、且つ、両端部に補強部材を設けることによりベルト基材の左右張力を均一化して、一端側のみへの当接負荷を軽減して、ベルト寿命を延命させる構造にすることもできる。
なお、補強部材12は、導電性無端ベルトの設計に応じて、図1(b)の上段で示すようにベルト基材10の表面側に設けてもよいし、下段で示すようにベルト基材10の裏面側に設けてもよい。また、補強部材12を樹脂製のシートとした場合、これを単層、或いは複数層として採用してもよい。
更に、図1(c)は、ベルト基材10上に、補強部材12を確実に接着して固定するための構成を明示している図である。本願発明による導電性無端ベルト1は、この図で示すように、ベルト基材10と補強部材12とを熱溶融型接着剤(以下、ホットメルト系接着剤)からなる接着層14で接着した構造を採用している点が、特徴の一つである。
ホットメルト系接着剤は、化学結合による強固な接着状態を形成することができるのでベルト基材10と補強部材12とを確実に接着固定し、温度や湿度などの環境変化に十分に耐えて接着部分を安定に保持できる。これにより、走行中にベルトにかかる斜行力や、温度や湿度の変動など外的環境の変化によっても剥離を生じない。これにより耐環境に優れた、高耐久の導電性無端ベルトを実現する。
なお、上記接着層14の接着力をより確実に得るため、ベルト基材10と接着層14との間、もしくは補強部材12と接着層14との間のうちの少なくとも一方に、プライマー層16を設けるのが望ましい(図1(c)は、ベルト基材10と接着層14との間の場合を例示)。プライマー層16を設けて接着することで、化学結合による接着状態をより強固にできる。
上記ベルト基材10は、基材樹脂に対し導電性材料等の添加剤が適宜配合された樹脂材料からなる。ベルト基材樹脂としては、特に制限されるものではなくが、例えば、ナイロン(ポリアミド(PA))樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリエステル樹脂、またポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)やポリブチレンナフタレート樹脂(PBN)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等、ポリカーボネート(PC)樹脂、その他ポリオレフィン系樹脂とその混合系等の各種樹脂を好適に用いることができ、これらのうちいずれか2種以上のポリマーアロイまたはポリマーブレンドなども用いることができる。
上記で最も好ましい基材樹脂は、ナイロン(ポリアミド系樹脂)である。ベルトの耐屈曲疲労特性に優れるという面と、汎用性があるという面から好ましい。ポリアミド系樹脂は分子構造上、大きな変形や屈曲に対して強い抵抗力を有する樹脂の1つであり、耐引張性においても良好だからである。
ベルトの導電性を調整するために用いられる導電性材料は、高分子イオン導電剤やカーボンブラックを好適に用いることができる。
高分子イオン導電剤としては、例えば、Irgastat(登録商標)P18およびIrgastat(登録商標)P22(共に、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド製)、ペレスタット300,303(三洋化成(株)製)、サンコノールTBX−310(三光化学工業(株)製)等が挙げられ、これらは市場で容易に入手可能である。また、カーボンブラックとしては、具体的には例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボンブラック、酸化カーボンブラック等のインク用カーボンブラック,熱分解カーボンブラック等を挙げることができる。高分子イオン導電剤の添加量は、基材樹脂100質量部に対し、通常1〜500質量部、好ましくは10〜400質量部程度であり、カーボンブラックの添加量は、基材樹脂100質量部に対し、5〜30質量部程度とすることができる。
また、その他の導電性材料として、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO)2等の周期律表第2族の金属塩;天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを用いることもできる。
また、ベルト基材10に用いる樹脂材料には、所望に応じ、他の機能性成分として、例えば、各種充填材、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することもでき、着色剤を添加して着色を施してもよい。
なお、ベルト基材10の厚さは、導電性無端ベルト1が採用される装置側の要求仕様に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは0.05〜0.2mmの範囲内である。
そして、ベルト基材10は、少なくとも、弾性率が1000Mpa以上で、引裂き強度が2N以上とするのが好ましい。
なお、ベルト基材10の外表面の表面粗さとしては、好適には、JIS10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3μm以下とするのが好ましい。
上記補強部材12としては、所定以上の強度を備えた樹脂フィルムを採用するのが好ましい。このような樹脂フィルムとしは、例えばポリアミド(PA)系の樹脂、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などで形成されたもので、少なくとも弾性率が500Mpa以上で、引裂き強度が2N以上であるものを採用するのが好ましい。これにより、ベルト基材10の強度を確実に補強できる。強度と共に、環境耐久性(耐温度、湿度)も考慮した場合、ポリアミド(PA)系の樹脂又はポリエステル系のポリエチレンテレフタレート樹脂で、補強部材12を形成するのが望ましい。
補強部材12の厚さは、補強すべきベルト基材10の素材、形状により適宜調整されるが、例えばベルト基材10の厚みが0.1mm〜0.2mmであるときに、好ましくは0.05mm〜0.3mmの範囲であり、より好ましくは0.1mm〜0.2mmの範囲である。
また、補強部材12の厚さを、ベルト基材10の厚みに対して、例えば100〜200%とするのが好ましい。
上記接着層14は、ホットメルト系接着剤により形成されている。ホットメルト系接着剤として、例えばポリエステル系ホットメルト接着剤、ウレタン系ホットメルト接着剤、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ホットメルト接着剤、ポリアミド(PA)系ホットメルト接着剤、及び、変性オレフィン系ホットメルト接着剤の群から選択されものを採用できる。特に、強固な接着を形成できると共に、温度や湿度の環境変化に強いとい点からポリエステル系ホットメルト接着剤を採用するのが望ましい。なお、接着層14の厚みは50μm〜150μm程度とするのが好適である。
上記プライマー層16は、多官能系のポリイソシアネート、モノイソシアネート、ジイソシアネート及びそれらの混合物の群から選択されものとすることができる。プライマー層16は例えばポリイソシアネートを主成分とし、イソシアネート成分を1%以上含有するプライマーを好適に用いることができ、イソシアネート成分に酢酸エチル、酢酸ビニルなどの合成樹脂を添加したプライマーとして、具体的には(株)ブリヂストン製のアストロボンド1号などを好適に用いることができる。かかるプライマー層16は、上記プライマーを0.0001〜0.005g/cm程度で、ベルト基材10と接着層14との間、もしくは補強部材12と接着層14との間のうちの少なくとも一方の間に塗布することにより形成することができる。
上記のように、本発明の導電性無端ベルト1は、具体的にはまず、ベルト基材1の端部で補強部材12を配置する接着面(表面又は裏面、或いは、その両面)にプライマーを塗布し、乾燥させて、プライマー層16を形成すればよい。なお、補強部材12と接着層14との間にもプライマー層16を設ける場合には、補強部材12の接合面にプライマーを塗布しておけばよい。また、加工環境や貼付加工性によって、他のポリイソシアネート系プライマーを用いてもよい。
更に、図を参照して、導電性無端ベルト1を製造するプロセスを説明する。図2は導電性無端ベルト1の製造工程について示しており、図2(a)は補強部材12を形成する様子を示した図である。補強部材12となる樹脂シートを準備し、その上にプライマー層16、ホットメルト系接着剤による接着層14を順に積層して、加熱圧着板を具備した貼付装置を用いて、加熱・加圧の加熱圧着処理をして、これらを熱溶着させる。これにより、接着層14を片面に具える補強部材12の母シート12Aを形成する。この母シート12Aは、実際に仕様する長尺の接着層付きの補強部材12が多数、幅方向に接続された状態である。よって、裁断装置により所定幅の補強部材12とする。
図2(b)は、上記のように準備された長尺の接着層付きの補強部材12をベルト基材10に接着して、導電性無端ベルト1を製造するベルト製造装置20の概略を示した図である。
このベルト製造装置20は、無端状に形成されているベルト基材10を張架する2つのローラ21R−1、21R−2が配置されている。一方のローラ11R−1は駆動源となりモータ(図示せず)に接続された駆動ローラであり、他方のローラ11R−2は従動ローラである。よって、ローラ21R−1、21R−2間に張架されたベルト基材10は、矢印AR方向へ回転される。
そして、ベルト製造装置20は、ベルト基材10上で補強部材12が接着される予定位置(ベルト基材10の幅方向端部)の周面に対向するようにヒータ22が配備されている。このヒータ22は支持構造体23により保持されており、この支持構造体23に組み込まれた駆動系(図示せず)により対向配置されたローラ21R−2に接触位置と離間位置との2位置への移動が可能に設定されている。ヒータ22として、高周波溶着機、電熱ヒータ溶着機、超音波溶着機などを好適に用いることができる。
そして、図2(a)により準備された接着層付きの補強部材12を接着層14を下側にして、ベルト基材10上の接着予定位置に誘導し、ローラ21R−1、21R−2を回転させながら、ヒータ22を押し当てることで接着層14により補強部材12をベルト基材10上の全周部に接着した。
なお、より確実に、ベルト基材10上に補強部材12を接着するという観点から、補強部材12の表面にバフ加工を施しておくのが望ましい。これにより補強部材表面の離型剤の除去と併せて、投錨効果(アンカー効果)により接着表面積を大きくできるので強い接着特性を保持するのに有効となる。
以上により、ベルト基材10と補強部材12を、熱溶融型接着剤(ホットメルト系接着剤)からなる接着層14で接着してある本発明の導電性無端ベルト1を製造できる。図2(c)はベルト基材10上の補強部材12を拡大して示した図である。
以下、更に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
ポリアミド樹脂(ナイロン12)100質量部と、導電性材料としてのカーボンブラック20質量部とを、二軸混練機により溶融混練して、得られた混練物を環状ダイスを用いて押出成形することにより、周長600mm、幅240mm、厚み0.1mm、の寸法を有する導電性無端ベルト用のベルト基材10を得た。このベルト基材10の外周面上で補強部材12を接着する予定領域に、プライマーとして多官能性のポリイソシアネートであるバイエル製デスモジュールREを0.002g/cm程度にて塗布し、乾燥させて、プライマー層16を形成した。
その一方で、図2(a)を示して説明したように、接着層付きの補強部材12を準備した。具体的には、補強樹脂シートとして、厚み0.1mm、引張強度1300Mpaのポリアミド樹脂(ナイロン12)に上記と同じプライマー(バイエル製デスモジュールRE)を塗布してプライマー層16とし、ホットメルト系接着剤として日本マタイ(株)製
エルファンUH203(ポリエステル系ホットメルト接着剤、厚み0.05mm)をその上に接着層14として配置し、この接着層14を熱溶融して接着層付きの補強部材12を作製した。
図2(b)で示す製造装置20を用いて、上記ベルト基材10上に接着層14を熱溶融することにより補強部材12を端部に具える実施例1の導電性無端ベルトを得た。なお、ベルト基材10上の補強部材12の幅5.0mm、突合わせ量0〜3.0mmとした。この導電性無端ベルトを、図3に示す耐久試験装置に装着して、耐久性を評価した。
図3に示す耐久試験装置100は、導電性無端ベルト1を張架する一対のローラ101R−1、101R−2を備えている。モータ102により矢印方向(図では、上面側が右方向)へ回転移動する。張架バネ103、103を備えて、導電性無端ベルト1に作用させる張架力を調整できる。図3では手前側の張架力を1kg、奥側の張架力を3kgに設定してある。よって、ここでは導電性無端ベルト1が奥側の位置規制部材104に片当たりすることで、蛇行防止した走行制御が実現されている。なお、ここでは図示していないが補強部材12は奥側の端部に配置されている。また、図中での符号105は、蛇行制御用のセンサである。
走行速度22m/分、試験環境として温度22℃、湿度50%で耐久走行試験を実施して、走行10万回での走行耐久、破損の回数、破損の形態を確認して評価した。
下記の表1〜表3で示すように、実施例1〜実施例13、及び比較例1〜比較例6に記載の条件で、それぞれの導電性無端ベルトを製造し、これを評価した。
例えば、実施例2は実施例1に対して、補強部材の厚みを0.05mm増して、0.10mmとした場合である。また、例えば、実施例5は実施例1に対して、補強部材の厚みを0.15mm増して0.20mmにすると共に、ホットメルト接着剤の厚みも0.05mm増して0.10mmと場合である。
なお、ベルト基材10としたポリアミド樹脂(ナイロン12)については、その厚みを実施例及び比較例の全てで0.1mm(100μm)とした。
Figure 2012027213
Figure 2012027213
Figure 2012027213
a)ナイロン12樹脂フィルム:宇部興産製 商品グレード 3030XA
b)ABS樹脂フィルム:宇部興産製 商品グレード UMG ABS(登録商標)
c)PET樹脂フィルム:東レ 商品グレード ルミラS10
d)PPS樹脂フィルム:東レ 商品グレード トレリナ75μ
e)エポキシ/ポリアミド:コニシ(株) 商品グレード ボンドE
f)UV硬化樹脂:アクリル/ウレタン系紫外線硬化樹脂 (株)ブリヂストン製
g)ホットメルト接着剤:日本マタイ(株) エルファン UH203
h)プライマー:バイエル製デスモジュールRE
上記表1に示すように、ベルト基材10と補強部材12との間に、ホットメルト系接着剤による接着層14を設けること、好ましくはプライマー層16を設けることで、耐久性に優れた導電性無端ベルトが得られていることが確かめられた。
また、ベルト基材および補強部材ともに、ポリアミド系樹脂を好適であることが確認できる。補強部材としてはポリエチレンテレフタレート(PET)も好適であることが確認できる。
なお、比較例1の場合は接着剤なしであるが、ここで用いたプライマーが硬化することによりナイロン12とベルト基材とを繋ぎ止めている。また、上記では比較例として示さないが、従来の粘着テープをベルト基材に貼り付けた場合を確認した。この場合は、貼り付けの際に気泡が混入するなどの不都合な事態が発生した。このような気泡は局所的な剥離の原因となる。これに対して、本願発明では部材間の接着に熱溶融型接着剤(ホットメルト系接着剤)を採用しているので、気泡の発生を防止できる。粘着テープでは、粘着層が半固体である為、粘着層に予め混入している気泡やベルト基材との接着界面に混入する気泡が経時的に変化して気泡同士が合併してより大きな気泡に発展して、接着強度の低下を招く場合がある。これに対して、ホットメルト系接着剤は固体状態であることより、気泡の変化が起きない特徴がある。
なお、図4(a)は本願発明の導電性無端ベルトの引裂き強度(N)について示した図である。は本願発明の導電性無端ベルトに用いた、ベルト基材(1)、ホットメルト系接着層付きの補強部材(2)、そして、導電性無端ベルト(3)の引裂き強度(N)を示している。単純に(1)と(2)を足した場合より、導電性無端ベルト(3)の引裂き強度の値が著しく増加しているのが確認できる。
これに対して、本願発明より強いベルト基材(A)を採用し、樹脂シートに粘着剤が塗布されている粘着テープ(従来において、広く採用されていたもの)(B)とし、製造された従来型の導電性無端ベルト(C)の引裂き強度(N)は、相対的に低いものとなった。これから、ホットメルト系接着剤が導電性無端ベルトの強度向上に寄与していることが確認できる。
また、図4(b)は導電性無端ベルトについて確認した端部引裂き強度(N)とLL(低温・低湿環境下)斜行耐久寿命(回数)との関係を示した図である。この図から、引裂き強度(N)のレベルがベルトほど、耐久寿命が長くなることが分る。
なお、LL斜行耐久寿命とは温度10℃、湿度15%の低温、低湿の環境の下で、ベルト片面側をガイド板に5Nの力で押付けた条件で連続的にベルトを回転させた場合の耐久寿命であって、導電性無端ベルトの耐久性を評価する指針である。
なお、補強部材に用いたポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、ポリイミド(PI)やポリアミドイミド(PAI)よりも可撓性及び低温、低湿度の環境下での耐久性に優れ、割れや、割けの発生を防止する性能が高いものである。本願発明では、これらを特に選定している。
以上で説明したように、本発明によると、ベルト基材と補強部材との接着を熱溶融型接着剤による接着層を設けた簡易な構成で、十分な強度があり、装置内での環境変化にも耐えて長期安定に使用できる耐久性に優れた導電性無端ベルトを提供できる。
以上の説明から明らかなように、この発明によれば簡易な構造で十分な強度があり、装置内での環境変化にも耐えて長期安定に使用できる耐久性に優れた導電性無端ベルトを提供できる。このような導電性無端ベルトは複写機、プリンター等の電子機器の耐久性向上に寄与する。
1 導電性無端ベルト
10 ベルト基材
12 補強部材
14 接着層
16 プライマー層
20 ベルト製造装置

Claims (3)

  1. 導電性の樹脂フィルムを無端状に形成してあるベルト基材の少なくとも一面側の幅方向での端部で、ベルト周方向に補強部材を配置した導電性無端ベルトであって、
    前記ベルト基材と、ポリアミド系の樹脂又はポリエステル系の樹脂で形成してある前記補強部材とを、熱溶融型接着剤からなる接着層で接着してある、ことを特徴とする導電性無端ベルト。
  2. 前記熱溶融型接着剤が、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ウレタン系ホットメルト接着剤、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系ホットメルト接着剤、ポリアミド(PA)系ホットメルト接着剤、及び、変性オレフィン系ホットメルト接着剤の群から選択されものである、ことを特徴とする請求項1に記載の導電性無端ベルト。
  3. 前記補強部材の表面にバフ加工が施されている、ことを特徴とする請求項1又2に記載の導電性無端ベルト。
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