JP2013142878A - 導電性エンドレスベルト - Google Patents

導電性エンドレスベルト Download PDF

Info

Publication number
JP2013142878A
JP2013142878A JP2012004497A JP2012004497A JP2013142878A JP 2013142878 A JP2013142878 A JP 2013142878A JP 2012004497 A JP2012004497 A JP 2012004497A JP 2012004497 A JP2012004497 A JP 2012004497A JP 2013142878 A JP2013142878 A JP 2013142878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
belt
parts
endless belt
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012004497A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Urakawa
達也 裏川
Ryuta Tanaka
隆太 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2012004497A priority Critical patent/JP2013142878A/ja
Publication of JP2013142878A publication Critical patent/JP2013142878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】長期の使用によっても摩擦係数が上昇しない導電性エンドレスベルトを提供する。
【解決手段】少なくともベルト基層と表層樹脂層とを内側から順次備える積層構造を有する導電性エンドレスベルトである。表層樹脂層が表層樹脂100質量部に対してフッ素系樹脂を3〜5質量部、2硫化モリブデンを1〜7質量部、シリコーンオリゴマーを0.8〜1.5質量部含有し、かつ、フッ素系樹脂と2硫化モリブデンの合計が10質量部以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンター等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、紙等の記録媒体へと転写する際に用いられる導電性エンドレスベルト(以下、単に「ベルト」とも称する)に関する。
従来から、複写機、プリンター等における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
この場合、カラープリンターやカラー複写機においても、基本的には前記プロセスに従ってプリントが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視化する際に、前記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を構成することが可能であるが、この方式では階調の制御が非常に難しく、高画質が得られないという問題点がある。
第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラムの潜像を夫々マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるものの、4つの感光ドラムと、各感光ドラムごとに設けられた帯電機構および現像機構が1列に並べられた状態となり、装置が大型化するとともに高価なものとなる。
図5にタンデム方式の画像形成装置の印字部構成例を示す。感光体ドラム1、帯電ロール2、現像ロール3、現像ブレード4、トナー供給ロール5およびクリーニングブレード6で構成する印字ユニットをイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBの各トナーに対応して4個並べており、駆動ローラ(駆動部材)9により循環駆動されて転写搬送ベルト10で搬送した用紙上に、トナーを順次転写しカラー画像を形成する。転写搬送ベルトの帯電および除電は夫々帯電ロール7および除電ロール8で行う。また、用紙をベルトへ吸着させるための用紙帯電には吸着ローラ(図示せず)が使用される。これらの対応により、オゾンの発生を抑えることができる。吸着ローラでは、用紙を搬送路から転写搬送ベルトに乗せるとともに、転写搬送ベルトへの静電吸着を行う。また、転写後の用紙分離は、転写電圧を低くすることにより用紙と転写搬送ベルトの吸着力を弱くして、曲率分離のみで行うことができる。
転写搬送ベルト10の材料としては抵抗体と誘電体があり、夫々に長所、短所を持っている。抵抗体ベルトは電荷の保持が短時間であるため、タンデム型の転写に用いた場合、転写での電荷注入が少なく4色の連続する転写でも比較的電圧の上昇が少ない。また、次の用紙の転写に繰り返して使用されるときも電荷が放出されており、電気的なリセットは必要としない。しかし、環境変動により抵抗値が変化するため、転写効率に影響すること、用紙の厚さや幅の影響を受けやすいこと等が短所となっている。
一方、誘電体ベルトの場合は注入された電荷の自然放出はなく、電荷の注入、放出とも電気的にコントロールしなければならない。しかし、安定に電荷が保持されるので、用紙の吸着が確実で高精度な紙搬送が行える。誘電率は温湿度への依存性も低いため、環境に対しても比較的安定な転写プロセスとなる。欠点は、転写が繰り返されるごとにベルトに電荷が蓄積されるため、転写電圧が高くなることである。
第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻き付けてこれを4回転させ、周回ごとに感光体上のマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉書等の厚紙である場合には、これを前記転写ドラムに巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されるという問題点がある。
前記多重現像方式、タンデム方式および転写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が特に制限されるようなこともない方式として、中間転写方式が提案されている。
即ち、この中間転写方式は、感光体上のトナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整するものであるから、高画質を得ることが可能であり、かつタンデム方式のように感光体を1列に並べる必要がないので装置が特に大型化することもなく、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が制限されることもないものである。
中間転写方式によりカラー画像の形成を行う装置として、中間転写部材として無端ベルト状の中間転写部材を用いた画像形成装置を図6に例示する。
図6中、11はドラム状の感光体であり、図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体11と接触しながら循環回転する中間転写部材20に転写される。この場合、感光体11から中間転写部材20への転写は、感光体11と中間転写部材20とのニップ部において、中間転写部材20に電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、前記感光体11はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成される。なお、図6の装置にあっては、感光体11の周回ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
次に、前記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。
また、タンデム方式と中間転写方式とを組み合わせた中間転写方式もある。図7に、無端ベルト状の中間転写部材を用いてカラー画像の形成を行う中間転写方式の画像形成装置を例示する。
図示する装置においては、感光体ドラム52a〜52d上の静電潜像を夫々イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックにより現像する第1現像部54a〜第4現像部54dが、中間転写部材50に沿って順次配置されており、この中間転写部材50を図中の矢印方向に循環駆動させて、各現像部54a〜54dの感光体ドラム52a〜52d上に形成された4色のトナー像を順次転写することにより、この中間転写部材50上にカラーのトナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録媒体53上に転写することにより、プリントアウトを行う。ここで、上記いずれの装置においても、現像に用いるトナーの配列順は特に制限されるものではなく、任意に選択可能である。
なお、図中、符号55は、中間転写部材50を循環駆動するための駆動ローラ若しくはテンションローラを示し、符号56は2次転写ローラ、符号57は記録媒体送り装置、符号58は記録媒体上の画像を加熱等により定着させる定着装置を示す。
タンデム方式および中間タンデム方式のカラーレーザープリンターの転写ベルトとして使用されているシームレスベルトにおいて、表層にコーティングをして転写性能の改善および耐久性を改善することは知られている。さらにこの表層の摩擦係数を下げるために、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、グラファイト等のフィラーや、シリコーン系の表面改質剤を添加することが行われている(例えば、特許文献1および2)。
特開2009−251253号公報 特開2010−243621号公報
近年プリンターの高速印字化および小型化に伴いベルトの回転速度は上昇し、ベルトと当接する部材との摺動により様々な問題が生じている。例えば、クリーニングブレードと転写ベルトが当接すると、長期の使用によりクリーニングブレードが摩耗してしまい、不要トナーのクリーニング不良が起こり、画像不具合となる。また、感光体と転写ベルトとの摩擦により色ずれが発生してしまう。すなわち、特許文献1および2の手法によれば、初期の摩擦係数を低下させることができるが、長期の使用によって摩擦係数が上昇してしまうという問題を有しており、実用性に乏しかった。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題を解消して、長期の使用によっても摩擦係数が上昇しない導電性エンドレスベルトを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ベルト基層と表層樹脂層とを有する導電性エンドレスベルトにおいて、表層樹脂層に特定成分を特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性エンドレスベルトは、少なくともベルト基層と表層樹脂層とを内側から順次備える積層構造を有する導電性エンドレスベルトにおいて、
前記表層樹脂層が表層樹脂100質量部に対してフッ素系樹脂を1〜5質量部、2硫化モリブデンを3〜7質量部、シリコーンオリゴマーを0.8〜1.5質量部含有し、かつ、前記フッ素系樹脂と前記2硫化モリブデンの合計が10質量部以下であることを特徴とするものである。
本発明の導電性エンドレスベルトにおいては、前記フッ素系樹脂はポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
本発明によれば、長期の使用によっても摩擦係数が上昇しない導電性エンドレスベルトを実現することが可能となる。これにより、クリーニングブレードの摩耗が抑制され長期に用にも耐えることができ、また、色ズレを抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係る導電性エンドレスベルトの幅方向断面図である。 表層樹脂層の表面粗さRaに対するフッ素系樹脂の添加量の影響を表したグラフである。 表層樹脂層の表面粗さRaに対する2硫化モリブデンの添加量の影響を表したグラフである。 表層樹脂層の表面粗さRaに対するシリコーンオリゴマーの添加量の影響を表したグラフである。 画像形成装置の一例としての転写搬送ベルトを用いたタンデム方式の画像形成装置を示す概略図である。 画像形成装置の他の例としての中間転写部材を用いた中間転写装置を示す概略図である。 画像形成装置のさらに他の例としての中間転写部材を用いた他の中間転写装置を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
導電性エンドレスベルトには、一般に、ジョイントありのものとジョイントなしのもの(いわゆるシームレスベルト)とがあるが、本発明においてはいずれのものであってもよく、好ましくはシームレスベルトである。本発明の導電性エンドレスベルトは、前述したように、タンデム方式および中間転写方式の転写部材等として用いることができるものである。
本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図5に参照符号10で示す転写搬送ベルトの場合、駆動ローラ9等の駆動部材により駆動され、これに伴い搬送される記録媒体上にトナーが順次転写され、カラー画像が形成される。
また、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図6に参照符号20で示す中間転写部材の場合、これを駆動ローラ30等の駆動部材により循環駆動させ、感光体ドラム(潜像保持体)11と紙等の記録媒体26との間に配設することで、前記感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体26へと転写する。なお、図6の装置は、上述したように、中間転写方式によりカラー印刷を行うものである。
さらに、本発明の導電性エンドレスベルトが、例えば、図7に参照符号50で示す中間転写部材の場合、感光体ドラム52a〜52dを備える現像部54a〜54dと紙等の記録媒体53との間に配設されて、駆動ローラ55等の駆動部材により循環駆動され、各感光体ドラム52a〜52dの表面に形成された4色のトナー像を一旦転写保持し、次いでこれを記録媒体53へと転写することで、カラー画像を形成する。なお、上記ではトナーが4色の場合について説明しているが、いずれの装置においても、トナーの色数が4色に限られないことは言うまでもない。
図1は本発明の一実施の形態に係る導電性エンドレスベルト100の幅方向断面図であり、図示する様に、少なくともベルト基層101と表層樹脂層102とを内側から順次備える積層構造を有する。本発明においては、表層樹脂層102が表層樹脂100質量部に対してフッ素系樹脂を1〜5質量部、2硫化モリブデンを3〜7質量部、シリコーンオリゴマーを0.8〜1.5質量部、を含有し、かつ、フッ素系樹脂と2硫化モリブデンの合計が10質量部以下である。表層樹脂層101の摩擦係数を安定して低く保つためには、(1)最大摩擦係数、(2)摩擦係数変化率、(3)表面粗さRa、(4)接触角、が重要なファクターとなる。上記3種類の添加剤を上記範囲で添加することにより、上記(1)〜(4)のバランスをとることが可能となり、長期の使用によっても摩擦係数が上昇しない導電性エンドレスベルトを得ることができる。
ここで、最大摩擦係数とはJIS B 0601に基づき測定した摩擦係数の最大値であり、摩擦係数変化率とは、(株)レスカ社製摩擦摩耗試験機であるフリクションプレーヤ(CSR−2100)を用いて、測定子:ウレタンボール(ショアA硬度90°)、荷重:50g、ラインスピード:200mm/sec、測定時間:3600秒の条件で、初期および3600秒後のそれぞれの摩擦係数μinitialおよびμ3600を測定し、下記式、
摩擦係数変化率=(μ3600−μinitial)/μinitial×100
で算出される値である。また、表面粗さRaはJIS算術平均粗さRaであり、接触角とはJIS R 3257に準じた、n−ドデカンに対する接触角を意味する。
従来から表層樹脂層102の摩擦係数μを低下させるために、フッ素系樹脂、2硫化モリブデンまたはシリコーンオリゴマーを添加することが行われてきた。これによれば、最大摩擦係数を1.5程度まで低下させることができる。しかしながら、最大摩擦係数を1.5以下にしようとすると、上記添加剤の添加量を増やさなければならず、これによりベルトの他の物性に悪影響を及ぼしてしまう。そこで、表層樹脂層102の表層樹脂100質量部に対してフッ素系樹脂を1〜5質量部、2硫化モリブデンを3〜7質量部と、シリコーンオリゴマーを0.8質量部以上とすることにより、ベルトの物性を低下させることなく、最大摩擦係数を1.5以下にすることができる。なお、最大摩擦係数が1.5より大きいと、クリーニングブレードとの接触によりビビり音が発生し、場合によってはベルトが裏返しになってしまう等の問題が生じる。
また、従来のベルトの表層樹脂層の平均的な表面粗さRaは0.1程度であるが、上記関係に加えて、フッ素系樹脂と2硫化モリブデン樹脂の合計を10質量部以下とすることによって、ベルトの表層樹脂層の表面粗さRaを0.1以下に維持することができる。好適には、フッ素系樹脂を3〜5質量部、2硫化モリブデンを5〜7質量部、フッ素系樹脂と2硫化モリブデンの合計を8〜10質量部とする。なお、表面粗さが0.1を超えると、初期から前面においてクリーニング不良が発生する。
さらに、シリコーンオリゴマーの添加量が0.8質量部未満であると、最大摩擦係数を1.5以下にすることができないばかりでなく、摩擦係数変化率を0.3以下にすることができず、ベルトの長期の使用により摩擦係数が上昇してしまう。そこで、本発明においてはシリコーンオリゴマーの配合量は0.8以上とする必要がある。一方、シリコーンオリゴマーの添加量が1.5質量部を超えると、摩擦係数変化率を0.3以下に維持することはできても、接触角が30°未満となってしまい、やはり本発明の効果を得ることができない。好適には、0.8〜1.5質量部である。なお、摩擦係数変化率が0.3を超えると、摩擦係数の変化が大きいためベルトユニットにかかるトルク変動が大きくなりすぎるため、トルクの大きいモーターが必要になる。また、接触角が30°未満になると、トナー離型性が悪化し、これによりトナー転写性が悪化する。その結果、画質不良をもたらす。
本発明の導電性エンドレスベルト100に用いることができるフッ素系樹脂としては、例えば、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレンとエチレンとの共重合体(ECTFE)、ビニリデンフルオライド(VDF)とテトラフルオロエチレン(TFE)との共重合体、および、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)とビニリデンフルオライドとの3元共重合体(THV)等を挙げることができる。上記フッ素樹脂は市場で容易に入手可能であり、例えば、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体としては、ダイキン工業(株)製、商品名:ネオフロンVT100等、THVとしては、住友スリーエム(株)製、商品名:ダイニオンTHV220G、THV500G等を代表的に挙げることができる。また、PTFEを効率よくフィブリル化し、樹脂へ分散させやすくするために、PTFEを特殊アクリル樹脂で変性したものも好適に使用することができ、例えば、三菱レーヨン(株)製、商品名:メタブレンA3000等を代表的に挙げることができる。
上記フッ素樹脂は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよいが、好適にはPTFEである。PTFEは、耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、難焼性等の汎用フッ素樹脂の特長に加え、優れた加工性や溶解性、架橋性、柔軟性、接着性、透明性等を併せ持つ樹脂材料だからである。
本発明の導電性エンドレスベルトに用いることができるシリコーンオリゴマーとしては、取り扱い性等の観点から、シリコーンオイルが好適である。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪族エステル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル等を挙げることができ、分子量としては500〜50000の範囲であることが好ましい。特には、下記する表層樹脂層102のバインダー樹脂と反応する気を有しているものが好ましく、具体的には、信越化学工業(株)社製の両末端メタクリル変性シリコーンオイルX−22−164や、片末端メタクリル変性シリコーンオイルX−22−2475等を好適に用いることができる。
本発明の導電性エンドレスベルトにおいては、表層樹脂層102のバインダー樹脂としては特に制限はないが、表層樹脂層102はベルト基層101上に紫外線硬化樹脂(UV硬化樹脂)を紫外線で硬化させるUV塗装にて、好適に作製することができるため、UV硬化樹脂が好ましい。UV硬化樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、(メタ)アクリル酸オリゴマーおよびイタコン酸オリゴマーのように水酸基あるいはカルボキシル基等の官能基を有するオリゴマーを挙げることができる。
表層樹脂層102のバインダー樹脂としてUV硬化樹脂を用いる場合は、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフエノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン、2−ヒドロキシメチルフエニルプロパン等を挙げることができる。これらの内の少なくとも1種を粘着剤中に添加することによって、硬化反応を効率良く進行させることができる。
本発明においては、ベルト基層101の基材となる樹脂材料としては、ベルト材料として従来公知の汎用の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびこれらのブレンドやアロイ等のうちから適宜選択して用いることができる。本発明においては、低コストで汎用の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーをベルトの基材として用いることで、安価なベルトとすることが可能である。
熱可塑性樹脂としては、具体的には例えば、熱可塑性ポリアルキレンナフタレート樹脂(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂等)や熱可塑性ポリアルキレンテレフタレート樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、グリコール変性PET(PETG)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等)等のポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド(PA)(例えば、PA11,PA12,PA6,PA66,PA610,PA612,PA46,芳香族ナイロン(ナイロン6T,9T,MXD6等)等)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、熱可塑性ポリアセタール(POM)、熱可塑性ポリアリレート(PAR)、熱可塑性ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE樹脂)等を挙げることができる。
また、熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、スチレン系、アクリル系、ポリジエン系等の各種のものを挙げることができ、中でも、熱可塑性ポリエステル系エラストマーが好適である。かかる熱可塑性ポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントおよびソフトセグメントにポリエステルを用いたポリエステル−ポリエステル型のもの、並びに、ハードセグメントにポリエステル、ソフトセグメントにポリエーテルを用いたポリエステル−ポリエーテル型のものの双方を好適に用いることができる。なお、ポリエステル系エラストマーのハードセグメントは、一般的にPBTまたはPBNが主成分として用いられているが、本発明においては、いずれも使用可能である。
特には、上記のうちでも、PBT、PBN、PEN、PET、PC、PARや、ポリエステル系エラストマー等のポリエステル系樹脂が好適である。
また、ベルトの各層には、導電性を調整するために、導電性材料を適宜配合することができる。かかる導電性材料としては、特に制限されるものではなく、公知の電子導電剤やイオン導電剤等を適宜用いることができる。このうち電子導電剤としては、具体的には例えば、ケッチェンブラック,アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー、カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカー等が挙げられる。また、イオン導電剤としては、具体的には例えば、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等のアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウ弗化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。
また、高分子イオン導電剤としては、例えば、特開平9−227717号公報、特開平10−120924号公報、および、特開2000−327922号公報、特開2005−60658号公報等に記載されているものを用いることができるが、特に限定されない。
具体的には、(A)有機ポリマー材料、(B)イオン導電可能なポリマーまたはコポリマー、および、(C)無機または低分子量有機塩、からなる混合物を挙げることができ、ここで、成分(A)は、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアミド6、ポリアミド12等のポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステルであり、成分(B)は、オリゴエトキシ化アクリレートもしくはメタクリレート、芳香族環についてオリゴエトキシ化されたスチレン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテル尿素、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミドまたはポリエステル−エーテルブロックコポリマーであり、また、成分(C)は、無機または低分子量有機プロトン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛またはアンモニウム塩であり、好ましくは、LiClO、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaBF、KBF、NaCFSO、KClO、KPF、KCFSO、KCSO、Ca(ClO、Ca(PF、Mg(ClO、Mg(CFSO、Zn(ClO、Zn(PFまたはCa(CFSO等である。
これらの中でも、成分(B)として、ポリエーテルアミド成分、ポリエーテルエステルアミド成分またはポリエステル−エーテルブロックコポリマー成分を含有する高分子イオン導電剤が好適であり、さらに、これに加えて成分(C)として低分子イオン導電剤成分を含有することが好ましい。また、かかるポリエーテルアミド成分およびポリエーテルエステルアミド成分としては、ポリエーテル成分が(CH−CH−O)を含有し、ポリアミド成分がポリアミド12またはポリアミド6を含有するものが特に好ましく、さらに、成分(C)の低分子イオン導電剤成分としてはNaClOを含有する高分子イオン導電剤が特に好適である。かかる高分子イオン導電剤は、例えば、Irgastat(登録商標)P18およびIrgastat(登録商標)P22(共に、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド製)として市場で容易に入手可能である。
また、ポリオレフィンのブロックと、親水性ポリマーのブロックとが、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合等を介して繰り返し交互に結合してなるブロック共重合体も、本発明における高分子イオン導電剤として好適に用いることができる。かかるポリオレフィンとしては、ポリマーの両末端にカルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を有するポリオレフィンが挙げられ、特には、ポリプロピレンおよびポリエチレンが好適である。
また、親水性ポリマーとしては、官能基として水酸基を有するポリオキシアルキレン等のポリエーテルジオール、両末端カルボキシル基のポリアミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステルアミド、ポリアミドイミドとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルアミドイミド、ポリエステルとポリエーテルジオールとから構成されるポリエーテルエステル、ポリアミドとポリエーテルジアミンとから構成されるポリエーテルアミド等が使用でき、中でも、水酸基を有するポリオキシアルキレンが好ましい。例えば、両末端水酸基のポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール)等である。
本発明において高分子イオン導電剤として使用できるかかるブロック共重合体は、ペレスタット230,300,303(三洋化成(株)製)等として市場で容易に入手可能である。また、上記ブロック共重合体にリチウム化合物LiCFSOを含有させることで添加量を少なくしても帯電防止効果を維持する効果を得ることができ、かかるブロック共重合体とリチウム化合物との混合物として、サンコノールTBX−310(三光化学工業(株)製)が市販されている。
なお、導電性材料として高分子イオン導電剤を用いる場合には、基材樹脂と高分子イオン導電剤との相溶性を高めるために、相溶化剤を添加してもよい。
これら導電性材料は、1種を単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、例えば、電子導電剤とイオン導電剤とを組み合わせて用いることもでき、この場合、印加される電圧の変動や環境の変化に対しても安定して導電性を発現させることができる。
ベルトの各層における導電性材料の配合量は、電子導電剤については、樹脂成分100質量部に対し、通常100質量部以下、例えば1〜100質量部、特には1〜80質量部、とりわけ5〜50質量部である。また、イオン導電剤については、樹脂成分100質量部に対し、通常0.01〜10質量部、特には0.05〜5質量部の範囲である。さらに、高分子イオン導電剤については、樹脂成分100質量部に対し、通常1〜500質量部、好ましくは10〜400質量部である。本発明においては特に、導電性材料としてカーボンブラックを用いて、これを樹脂成分100質量部に対し、5〜30質量部にて添加することが好ましい。本発明においては、各層における導電性材料の配合量を上記範囲内で適宜調整することにより、本発明に係る上記表面抵抗値に係る条件を満足するものとする。特には、ベルト表面側の層に導電性を付与して表面抵抗値を低くすることで、基層側の表面抵抗値との差を所望の範囲内にすることができる。
また、本発明のベルトの各層には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分に加えて他の機能性成分を適宜添加することも可能であり、例えば、各種充填材、補強材、難燃剤、酸化防止剤、相溶化剤、カップリング剤、酸化防止剤、滑剤、表面処理剤、顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤等を適宜配合することができる。さらに、着色剤を添加して着色を施してもよい。
本発明のベルトは、少なくともベルト基層101および表層樹脂層102を含む積層構造からなるが、ベルト基層−表層樹脂層間またはベルト基層の内層側に、他の層を含んでもよい。かかる他の層としては、例えば、最外層と同様の構成の層を、基層の内層側に積層して用いることができる。また、基層と最外層との間に接着層を設けてもよい。なお、各層の厚みについては、各層に担保させる機能や使用する材料等により適宜決定することができ、特に制限されないが、通常は、ベルト基層101を積層構造のうち最も厚い層とする。
また、本発明のベルトの総厚さは、転写搬送ベルトまたは中間転写部材等の形態に応じて適宜選定されるものであるが、好ましくは50〜200μmの範囲内である。また、体積抵抗率としては、10Ω・cm〜1013Ω・cmの範囲内に調整することが好ましい。
また、本発明の導電性エンドレスベルトには、図1に一点鎖線で示すように、図5の画像形成装置における駆動ローラ9または図6の駆動ローラ30等の駆動部材と接触する側の面に、該駆動部材に形成した嵌合部(図示せず)と嵌合する嵌合部を形成してもよく、本発明の導電性エンドレスベルトは、このような嵌合部を設け、これを駆動部材に設けた嵌合部(図示せず)と嵌合させて走行させることにより、導電性エンドレスベルトの幅方向のずれを防止することができる。
この場合、前記嵌合部は、特に制限されるものではないが、図1に示すように、ベルトの周方向(回転方向)に沿って連続する凸条とし、これを駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した溝に嵌合させるようにすることが好ましい。
なお、図1(a)では、1本の連続する凸条を嵌合部として設けた例を示したが、この嵌合部は多数の凸部をベルトの周方向(回転方向)に沿って一列に並べて突設してもよく、また嵌合部を2本以上設けたり(図1(b))、ベルトの幅方向中央部に設けてもよい。更に、嵌合部として図1に示した凸条ではなく、ベルトの周方向(回転方向)に沿った溝を設け、これを前記駆動ローラ等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した凸条と嵌合させるようにしてもよい。
本発明の導電性エンドレスベルト100の製造方法としては特に制限はなく既知の手法を採用することができるが、表層樹脂層102のバインダー樹脂としてUV硬化性樹脂を用いた、UV塗装法が好適である。すなわち、上記熱可塑性樹脂で作製したベルト基層101上に、表層樹脂層のバインダー樹脂としてのUV硬化樹脂100質量部に対して、フッ素系樹脂を1〜5質量部、2硫化モリブデンを3〜7質量部、シリコーンオリゴマーを0.8〜1.5質量部含有し、かつ、フッ素系樹脂と2硫化モリブデンの合計が10質量部以下となるような組成物を溶媒にとかして、ベルト基層101上に塗布し、溶媒を乾燥させて表層樹脂層を形成し、次いで、表面樹脂層に紫外線を照射して硬化させ表面樹脂層102を形成することできる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<最大摩擦係数に対する添加剤の影響>
まず、PTFE、2硫化モリブデンおよび片末端メタクリル変性シリコーンオイルを用いて、表層樹脂層の最大摩擦係数に対するフッ素系樹脂、2硫化モリブデンおよびシリコーンオリゴマーの添加量の影響を図2〜4に示す。図示するように上記各種添加剤を添加しない場合は、最大摩擦係数は2.5程度の値をとるが、上記3種の添加剤をそれぞれ加えると最大摩擦係数が低下していることがわかる。なお、ベルト基層の配合は、ポリフェニレンスルファイド(フォートロン0220C9:ポリプラスチックス(株)社製)100質量部に対して、滑材(サンワックス171P:三洋化成工業(株)社製)(0.25_)質量部、カーボンブラック(デンカブラック:電気化学工業(株)社製)(13)質量部とした。また、表層樹脂層を形成する紫外線硬化塗料の配合は、ウレタンアクリレート(UAH:共栄社化学(株)社製)100質量部に対して、光重合開始剤(Irgacure184d:チバスペシャリティーケミカルズ)3質量部、PTFE粒子(KTL−2N:(株)喜多村化学)0〜2.5質量部、二硫化モリブデン粒子(M5パウダー:ダイソー(株)社製)0〜2.0質量部、片末端メタクリル変性シリコーンオイル(X22−2458:信越化学工業(株)社製)0〜2.0質量部、溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA))233.3質量部とした。摩擦係数は、摩擦摩耗試験機:フリクションプレーヤ(CSR−2100:(株)レスカ社製)を用いて測定した。
<表面粗さRaに対するフッ素系樹脂および2硫化モリブデンの添加量の影響>
次に、表層樹脂層の表面粗さRaに対するフッ素系樹脂および2硫化モリブデンの添加量の影響について表1〜4に示す。表1〜4から、フッ素系樹脂の添加量を5質量部以下、2硫化モリブデンの添加量を7質量部以下、かつ、フッ素系樹脂と2硫化モリブデンの添加量の合計が10質量部以下とすることにより、表面粗さRaを0.1未満とすることができることがわかる。なお、表面粗さRaはJIS算術平均粗さRaとして算出した。
<摩擦係数変化率および接触角に対するシリコーンオリゴマーの添加量の影響>
次に、摩擦係数変化率および接触角とシリコーンオリゴマーの添加量の関係について説明する。下記の表5はフッ素系樹脂と2硫化モリブデンの添加量を一定にして、シリコーンオリゴマーの添加量を変化させた場合の摩擦係数と接触角の関係をまとめたものである。表5にあるとおり、シリコーンオリゴマーの添加量が0.8質量部未満では、摩擦係数変化率を0.3以下にすることができなかった。一方、シリコーンオリゴマーの添加量が1.5質量部を超えると、接触角が30°以下となってしまった。なお、ベルト基層の配合はおよび表層樹脂層の配合は、最大摩擦係数に対する添加剤の影響の評価に用いた配合と同様とし、接触角はn−ドデカン(関東化学(株)社、鹿特級)を用いJIS R 3257に準じて、n−ドデカンに対する接触角である。
※1:片末端メタクリル変性シリコーンオイル
※2:最大摩擦係数
※3:摩擦係数変化率
<実施例1〜6、比較例1〜13および従来例>
下記表1に示す添加剤をベルト基層と表層樹脂層とからなるベルトの表層樹脂層に添加して各種ベルトを作製した。得られたベルトについて、上記と同様の手法で最大摩擦係数、摩擦係数変化率、表面粗さRaおよび接触角を測定した。その後、各ベルトを図6に示す中間転写ベルトを用いた中間転写方式のカラーレーザープリンター(ヒューレットパッカード社製 Color Laser Jet CP3525dn)に装着し、100000枚の印字試験を行った。100000枚印字後に画像不良または色ズレが発生しなかったものを○、発生したものを×とした。ベルト基層の配合はおよび表層樹脂層の配合は、最大摩擦係数に対する添加剤の影響の評価に用いた配合と同様とした。
表6からわかるように、本発明の導電性エンドレスベルトは最大摩擦係数、摩擦係数変化率、表面粗さRaおよび接触角が従来のエンドレスベルトより優れており、長期の使用によっても摩擦係数が上昇しないことがわかる。
1、11、52a〜52d 感光体ドラム
2、7 帯電ロール
3 現像ロール
4 現像ブレード
5 トナー供給ロール
6 クリーニングブレード
8 除電ロール
9、30、55 駆動ローラ(駆動部材)
10 転写搬送ベルト
12 一次帯電器
13 画像露光
14、35 クリーニング装置
19 給紙カセット
20、50 中間転写部材
25 転写ローラ
26、53 記録媒体
29、61 電源
41、42、43、44 現像器
54a〜54d 第1現像部〜第4現像部
56 記録媒体送りローラ
57 記録媒体送り装置
58 定着装置
100 導電性エンドレスベルト
101 ベルト基層
102 表層樹脂層

Claims (2)

  1. 少なくともベルト基層と表層樹脂層とを内側から順次備える積層構造を有する導電性エンドレスベルトにおいて、
    前記表層樹脂層が表層樹脂100質量部に対してフッ素系樹脂を1〜5質量部、2硫化モリブデンを3〜7質量部、シリコーンオリゴマーを0.8〜1.5質量部含有し、かつ、前記フッ素系樹脂と前記2硫化モリブデンの合計が10質量部以下であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
  2. 前記フッ素系樹脂がポリテトラフルオロエチレンである請求項1記載の導電性エンドレスベルト。
JP2012004497A 2012-01-12 2012-01-12 導電性エンドレスベルト Pending JP2013142878A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004497A JP2013142878A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 導電性エンドレスベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004497A JP2013142878A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 導電性エンドレスベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013142878A true JP2013142878A (ja) 2013-07-22

Family

ID=49039448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012004497A Pending JP2013142878A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 導電性エンドレスベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013142878A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9933713B2 (en) 2014-06-06 2018-04-03 Canon Kabushiki Kaisha Electro-conductive belt and electrophotographic apparatus
WO2019230316A1 (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 株式会社ブリヂストン 導電性エンドレスベルト
JP2020201317A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 株式会社ブリヂストン 導電性エンドレスベルト及び画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9933713B2 (en) 2014-06-06 2018-04-03 Canon Kabushiki Kaisha Electro-conductive belt and electrophotographic apparatus
WO2019230316A1 (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 株式会社ブリヂストン 導電性エンドレスベルト
JP2020201317A (ja) * 2019-06-06 2020-12-17 株式会社ブリヂストン 導電性エンドレスベルト及び画像形成装置
JP7330769B2 (ja) 2019-06-06 2023-08-22 株式会社アーケム 導電性エンドレスベルト及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009075154A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2007328165A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP5182915B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP5004274B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2007156424A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4489810B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP5137181B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2013142878A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP5013766B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP5121272B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4222562B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP5164314B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2009025786A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4172953B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4942119B2 (ja) 導電性エンドレスベルト
JP4197480B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2007286433A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2008292842A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2009145557A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2008268910A (ja) 導電性エンドレスベルト
JP2005292649A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP4222555B2 (ja) 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2007052118A (ja) 導電性エンドレスベルトおよびそれを用いた画像形成装置
JP2007206435A (ja) 導電性エンドレスベルト
WO2013151132A1 (ja) 導電性エンドレスベルト