JP2012026528A - フリクションダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にすること。
【解決手段】 歯車軸2と、前記歯車軸2にベアリング3を介して相対回転可能に保持された歯車4と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に介挿係止されるスナップリング9と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に挿入されるフリクションダンパ5を備える変速機において、前記フリクションダンパ5が、弾性体50と芯金54によって構成され、前記芯金54が前記弾性体50内に介挿固着されるとともに、前記芯金54の一部が、前記スナップリング9の少なくとも一部に係止されるフリクションダンパ
【選択図】図1
【解決手段】 歯車軸2と、前記歯車軸2にベアリング3を介して相対回転可能に保持された歯車4と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に介挿係止されるスナップリング9と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に挿入されるフリクションダンパ5を備える変速機において、前記フリクションダンパ5が、弾性体50と芯金54によって構成され、前記芯金54が前記弾性体50内に介挿固着されるとともに、前記芯金54の一部が、前記スナップリング9の少なくとも一部に係止されるフリクションダンパ
【選択図】図1
Description
本発明は、歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止されるフリクションダンパに関する。
第1の従来のフリクションダンパにおいては、図7に示されるように、変速機において、歯車軸GSと、前記歯車軸GSと軸受Bを介して相対回転可能に保持された歯車Gとの間にフリクションダンパFDが挿入され、当該フリクションダンパFDが、前記歯車軸GSの外周面に圧入して嵌着される芯金Sと、当該芯金Sの外周面に当該芯金Sと一体的に成形され、前記歯車Gの内周面と摺接する弾性体Rによって構成されるものであった。
また、第2の従来のフリクションダンパにおいては、図8に示されるように、フリクションダンパFDが、前記第1の従来のフリクションダンパと同様に、芯金Sと弾性体Rで構成されるものの、当該芯金Sの長手方向に、前記第1の従来のフリクションダンパとは異なり、凸形状爪SNを設け、クラッチハブCHの内周面の複数箇所に配設された凹形状溝Hに係合させることにより、フリクションダンパFDを固定するものであった。
図9は、前記凸形状爪SNと前記凹形状溝Hの係合状態を示す説明図であり、図10は、図8におけるA−A線に沿う断面図である。
図9は、前記凸形状爪SNと前記凹形状溝Hの係合状態を示す説明図であり、図10は、図8におけるA−A線に沿う断面図である。
上記第1および第2の従来のフリクションダンパにおいては、当該フリクションダンパの変速機への組付けにあたり、前記芯金Sを歯車軸GSへ圧入、または芯金Sの一部をクラッチハブに設けられた溝部に係合させることにより、フリクションダンパを固定し、芯金Sと一体成形された弾性体Rにより歯打音を防止するフリクショントルクを発生させるものであった。
なお、当該従来技術は特許公報等により公知となったものではないため、先行技術文献情報の記載を省略する。
上記第1のフリクションダンパにおいては、上述したように、前記フリクションダンパFDの変速機への組付けに際し、圧入により組付けを行うものであるため、当該フリクションダンパFDを圧入するための設備が別途必要になるという問題があった。
さらに、かかる圧入により、図11に示されるように、当該フリクションダンパFDの芯金Sと歯車軸GSの外周面とが金属接触することとなり、当該金属接触部分、すなわち、ニードルベアリングに代表される軸受NBの転動面において、当該金属接触により金属粉、すなわち異物が発生するとともに、転動面の面荒れが生じるという問題があった。
また、上記第2のフリクションダンパにおいては、上述したように、芯金Sの長手方向に凸形状爪SNを設け、クラッチハブCHの内周面の複数箇所に配設された凹形状溝Hに係合させることにより、フリクションダンパFDを固定するものであるため、図12に示されるように、歯車軸とクラッチハブの係合部とフリクションダンパ配設部との間にスナップリングSRを設ける態様においては、当該スナップリングSRに遮られ、前記芯金Sの凸形状爪SNを前記クラッチハブCHの内周面の複数箇所に配設された凹形状溝Hに係合させることができず、フリクションダンパFDを固定することができないという問題があった。
そこで本発明者らは、歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止されるという本発明の技術的思想に着眼して、さらに研究開発を重ねた結果、フリクションダンパのスナップリングへの係止を可能にするという目的を達成する本発明に到達した。
本発明(請求項1に記載の第1発明)のフリクションダンパは、
歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、
前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、
前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止される
ものである。
歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、
前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、
前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止される
ものである。
本発明(請求項2に記載の第2発明)のフリクションダンパは、
前記第1発明において、
前記スナップリングが、前記歯車軸およびクラッチハブの少なくともいずれか一つに係止されている
ものである。
前記第1発明において、
前記スナップリングが、前記歯車軸およびクラッチハブの少なくともいずれか一つに係止されている
ものである。
本発明(請求項3に記載の第3発明)のフリクションダンパは、
前記第2発明において、
前記歯車軸に係止された前記スナップリングの一部に配設された第1の係合手段と前記フリクションダンパの前記芯金の前記一部に配設された第2の係合手段とが互いに係合することにより、前記フリクションダンパが前記歯車軸に係止されるように構成されている
ものである。
前記第2発明において、
前記歯車軸に係止された前記スナップリングの一部に配設された第1の係合手段と前記フリクションダンパの前記芯金の前記一部に配設された第2の係合手段とが互いに係合することにより、前記フリクションダンパが前記歯車軸に係止されるように構成されている
ものである。
本発明(請求項4に記載の第4発明)のフリクションダンパは、
前記第3発明において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの厚さ方向の一部に形成された凹部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記フリクションダンパの前記芯金の一端に形成された凸部で構成されている
ものである。
前記第3発明において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの厚さ方向の一部に形成された凹部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記フリクションダンパの前記芯金の一端に形成された凸部で構成されている
ものである。
本発明(請求項5に記載の第5発明)のフリクションダンパは、
前記第4発明において、
前記凸部が、前記フリクションダンパの前記芯金の軸方向端部に突出して形成された凸形状爪により構成され、少なくとも一つ配設されている
ものである。
前記第4発明において、
前記凸部が、前記フリクションダンパの前記芯金の軸方向端部に突出して形成された凸形状爪により構成され、少なくとも一つ配設されている
ものである。
本発明(請求項6に記載の第6発明)のフリクションダンパは、
前記第5発明において、
前記フリクションダンパが、複数の凸形状爪を備え、前記スナップリングの円周上の異なった部位に係止される
ものである。
前記第5発明において、
前記フリクションダンパが、複数の凸形状爪を備え、前記スナップリングの円周上の異なった部位に係止される
ものである。
本発明(請求項7に記載の第7発明)のフリクションダンパは、
前記第2発明において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの一部から突出して形成された凸部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記芯金の前記一部に形成された凹部で構成されている
ものである。
前記第2発明において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの一部から突出して形成された凸部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記芯金の前記一部に形成された凹部で構成されている
ものである。
上記構成より成る第1発明のフリクションダンパは、歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止されるので、前記フリクションダンパの前記スナップリングへの係止を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第2発明のフリクションダンパは、前記第1発明において、前記スナップリングが、前記歯車軸およびクラッチハブの少なくともいずれか一つに係止されるので、前記フリクションダンパを前記歯車軸および前記クラッチハブへの係合を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第3発明のフリクションダンパは、前記第2発明において、前記歯車軸に係止された前記スナップリングの一部に配設された第1の係合手段が、前記フリクションダンパの前記芯金の前記一部に配設された第2の係合手段と互いに係合することにより、前記フリクションダンパが前記スナップリングに係止されるので、前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第4発明のフリクションダンパは、前記第3発明において、前記スナップリングの厚さ方向の一部に形成された凹部としての前記第1の係合手段が、前記フリクションダンパの前記芯金の一端に形成された凸部としての前記第2の係合手段と係合するので、新しい部品を追加すること無く前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第5発明のフリクションダンパは、前記第4発明において、前記フリクションダンパの前記芯金の軸方向端部に突出して形成された凸形状爪としての前記凸部が、少なくとも一つ配設されているので、前記芯金の部分的形状変更により前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第6発明のフリクションダンパは、前記第5発明において、 複数の凸形状爪を備えた前記フリクションダンパが、前記スナップリングの円周上の異なった部位に係止されるので、複数箇所の係合により前記フリクションダンパの前記歯車軸への確実な係止を可能にするという効果を奏する。
上記構成より成る第7発明のフリクションダンパは、前記第2発明において、前記第1の係合手段を構成する前記スナップリングの一部から突出して形成された凸部が、前記第2の係合手段を構成する前記芯金の前記一部に形成された凹部
に係合することにより、前記フリクションダンパの前記歯車軸への係合を可能にするという効果を奏する。
に係合することにより、前記フリクションダンパの前記歯車軸への係合を可能にするという効果を奏する。
以下本発明の最良の実施の形態について実施例に基づき、図面を用いて具体的に説明する。
本第1実施例のフリクションダンパは、図1に示されるように、歯車軸2と、前記歯車軸2にベアリング3を介して相対回転可能に保持された歯車4と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に介挿係止されるスナップリング9と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に挿入されるフリクションダンパ5を備える変速機において、前記フリクションダンパ5が、弾性体50と芯金54によって構成され、前記芯金54が前記弾性体50内に介挿固着されるとともに、前記芯金54の一部が、前記スナップリング9の少なくとも一部に係止されるものである。
手動変速機1は、本発明のフリクションダンパ5を備えており、図1は、その一部を示すものである。
歯車軸2は、前記変速機1に備えられ、前記ベアリング3を介して前記歯車4を回転可能に支持するものである。前記ベアリング3は、転動体としての、例えばニードルローラベアリングに代表されるものであり、前記の通り、前記歯車軸2と前記歯車4の間に介装され、前記歯車4を転動自在に支持するものである。歯車4は、図示しないエンジンのクランクシャフトに前記歯車軸2を介して回転連結して回転するものである。
歯車軸2は、前記変速機1に備えられ、前記ベアリング3を介して前記歯車4を回転可能に支持するものである。前記ベアリング3は、転動体としての、例えばニードルローラベアリングに代表されるものであり、前記の通り、前記歯車軸2と前記歯車4の間に介装され、前記歯車4を転動自在に支持するものである。歯車4は、図示しないエンジンのクランクシャフトに前記歯車軸2を介して回転連結して回転するものである。
前記歯車4は、図1に示されるように内周面41および外周面42を備えた環状の部材40によって構成され、前記外周面42の軸方向の一端に幅広の歯車部43が形成され、該歯車部43に対して軸方向において一定の間隔を隔てて幅の狭いスプライン部44が形成されるとともに、該スプライン部44に対して軸方向に連続して小径のテーパー面によって構成される摩擦面45が形成されている。
前記歯車軸2には、図1に示されるように前記歯車4に対して、軸方向において対向してクラッチハブ6が配設され、該クラッチハブ6の外周部には軸方向移動可能なカップリングスリーブ7が配設されている。
前記クラッチハブ6上の前記カップリングスリーブ7と前記歯車4の前記スプライン部44との間には、内周面81が前記歯車4のテーパー面によって構成される前記摩擦面45に当接して相対回転可能であって軸方向に移動可能なシンクロナイザリング8が介挿されている。
前記歯車軸2の外周面21には、スナップリングの厚さにより大きな幅に亘り他の部分に比べて径が小さな矩形断面形状の溝部であって、スナップリング9が配設される小径部20と、前記クラッチハブ6の内周面に形成されたスプライン60と係合するスプライン23が配設されている。
フリクションダンパ5は、当該フリクションダンパ5を備えた変速機1の要部拡大図である図2に示されるように、前記歯車軸2の外周面21と、前記歯車4の内周面41との間に同軸的に挿入されている環状のベアリング3の図中右方の環状のスペースに介挿されるものである。前記フリクションダンパ5は、前記弾性体50に介挿固着される前記芯金54の内径が、前記歯車軸2の外径に対して1mm〜2mm程度のゆとりを持って設計されているため、前記歯車軸2に圧入設備等を用いることなく装着可能に構成されている。
前記弾性体50は、図3(A)に示されるように略リング状部材によって構成され、図3(A)中のA−A線に沿う縦断面図を示す図3(B)に示されるように、略コの字状の縦断面形状を有し、フリクショントルク発生部としてのリップ部52と、前記芯金54と前記リップ部52とを連結する連結部53と、前記連結部53に連結して前記芯金54が介挿されるベース部55とから成るゴム状弾性体の一体成形品より成るもので、前記芯金54の外周面に接触して配設されているものである。
前記芯金54は、図3(B)に示されるように略L字状の縦断面形状を有するリング状の金属部材により構成されるものである。
さらに、前記芯金54の短手部分である屈曲部542は、前記芯金54の長手部分である直線状部分541から外周方向に折り曲げられ、前記弾性体50の前記連結部53内に介挿配置されるものである。
一方、前記芯金54の長手部分である凸部543は、図3(A)および図3(B)に示されるように、前記芯金54の円周方向複数箇所(本第1実施例においては略円周方向120度間隔の3箇所)において、前記芯金54の前記直線状部分541から軸方向に突出形成され、凸形状爪として後述する前記スナップリング9の3箇所との係合を可能にするように構成されている。
前記弾性体50の前記リップ部52は、図3(B)に示されるように前記連結部53の上端から延在形成されるものであり、自由状態においては前記連結部53の上端から遠ざかるにつれ半径方向外方に広がるように傾斜して形成されているものであり、前記歯車軸2の外周面21と前記歯車4の内周面41との間の環状のスペースに前記フリクションダンパ5が挿入されると、前記リップ部52の先端は、図2に示されるように前記歯車4の内周面41に圧縮当接して、お辞儀した状態に成るものである。
前記スナップリング9は、前記クラッチハブ6の抜け出しを防止するために前記歯車軸2の前記外周面21に設けられた溝部である前記小径部20に介挿装着されるものであって、図4、図5(A)および図5(B)に示されるように略円周方向120度の範囲に亘り延在する略馬蹄形状の可撓性のある金属部材によって構成されている。
また前記スナップリング9は、図4および図5(A)に示されるように、図中上部略中央部に設けられた前記芯金54の凸形状爪543の幅より大きな一定の幅の薄肉部90dと、その両端に左右対称に伸びるアーム部91a,91bによって構成され、前記薄肉部90dの内側には、前記フリクションダンパ5の前記芯金54の前記凸部543と係合するための矩形断面形状の凹部90を備えるものである。
前記スナップリング9の前記アーム部91a,91bは、図4ないし図6に示されるように前記芯金54の凸部543の先端部と当接するように略ハの字状の傾斜面の先端部92aおよび92bが形成されている。
前記フリクションダンパ5と前記スナップリング9は、図6に示されるように前記芯金54の前記凸部543と前記スナップリング9の前記凹部90との係合により係合され、さらには前記スナップリング9の前記アーム部91a,91bの先端部92a,92bと前記芯金54のその他の前記凸部543の側面とが当接することにより係合および位置決めがなされるものである。
以下上記構成より成る本第1実施例のフリクションダンパの作用および効果について説明する。
上記構成より成る本第1実施例のフリクションダンパは、前記歯車軸2と、前記歯車軸2にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車4と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に介挿係止されるスナップリング9と、前記歯車軸2と前記歯車4との間に挿入されるフリクションダンパ5を備える変速機において、前記フリクションダンパ5が、前記弾性体50と前記芯金54によって構成され、前記芯金54が前記弾性体50内に介挿固着されるとともに、前記芯金54の一部である前記凸部543が、前記スナップリング9の一部である前記凹部90に係止されるので、前記フリクションダンパの前記スナップリングへの係止を可能にするという効果を奏する。
また本第1実施例のフリクションダンパは、前記スナップリング9が、前記歯車軸2の前記小径部20に係止されるので、前記フリクションダンパを前記前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏する。
さらに本第1実施例のフリクションダンパは、前記芯金54の前記歯車軸2に係止された前記スナップリング9の一部に配設された第1の係合手段としての前記凹部90が、前記フリクションダンパ5の前記芯金54の前記一部に配設された第2の係合手段としての前記凸部543と互いに係合することにより、前記フリクションダンパが前記スナップリングに係止されるので、前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏する。
また本第1実施例のフリクションダンパは、前記クラッチハブ6の抜け出し防止のための前記スナップリング9の厚さ方向の一部に形成された前記凹部90が、前記フリクションダンパ5の前記芯金54の一端に形成された前記凸部543と係合するので、既存の部品を有効活用し新しい部品を追加すること無く前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏するとともに、前記歯車軸へのフリクションダンパの圧入嵌着が制限され、歯車軸およびクラッチハブへの連結固定が困難な場合に有効であるという効果を奏する。
さらに本第1実施例のフリクションダンパは、前記凸部543が、前記フリクションダンパ5の前記芯金54の軸方向端部に突出して形成されたものであるので、前記芯金の部分的形状変更により前記フリクションダンパの前記歯車軸への係止を可能にするという効果を奏するとともに、既存の歯車伝達装置にフリクションダンパを追加設置する場合も簡易な手法によりフリクションダンパを固定できるという効果を奏する。
また本第1実施例のフリクションダンパは、複数の凸形状爪としての前記凸部543を備えた前記フリクションダンパ5が、前記スナップリング9の円周上に配設された前記凹部90と前記アーム部91a,91bの先端部92a,92bと係止されるので、複数箇所の係合および位置決めにより前記フリクションダンパの前記歯車軸への確実な係止を可能にするととともに、前記フリクションダンパの姿勢を安定させることができるという効果を奏する。
さらに本第1実施例のフリクションダンパは、前記弾性体50に介挿固着される前記芯金54の内径が、前記歯車軸2の外径に対して1mm〜2mm程度のゆとりを持って設計されているため、前記歯車軸2に圧入設備等を用いることなく装着可能であり、組付工程を容易なものにするとともに、圧入嵌着を回避することで組付時の異物の発生を防止し、転動面としての歯車軸2の外周面21の面荒れを回避するという効果を奏する。
また本第1実施例のフリクションダンパは、前記弾性体50の前記リップ部52が、前記歯車4の内周面41に圧縮当接することで、その接触面において、両者が摺動する際の摩擦によって所定のフリクショントルクが発生することにより、エンジンのクランク軸の不整振動による歯車における歯打音の発生を防止するという効果を奏する。
さらに本第1実施例のフリクションダンパは、前記芯金54の前記凸部543が、前記フリクションダンパ5の芯金54の一部を軸方向に延在形成したものであるので、芯金54とは別個の部材を用いることなく、当該芯金54の一部を利用することによりフリクションダンパ5を歯車軸2に係合させることができ、部材数の低減、装置の簡素化及び製造コストの削減を可能にするという効果を奏する。
本第2実施例のフリクションダンパは、前記第1実施例のフリクションダンパが、前記芯金54の凸部543を前記スナップリング9の凹部90に係合させることによりフリクションダンパ5を固定していたのに対して、図13に示されるように前記芯金54の軸方向端部に形成された断面略矩形形状の切欠部544と、前記スナップリング9の軸方向端部に突出形成した凸部93との係合によりフリクションダンパ5を固定する点が相違点であり、以下相違点を中心に説明する。
本第2実施例は、フリクションダンパ5が、前記第1実施例のフリクションダンパとは異なり、前記凸部543の代わりに前記芯金54の軸方向端部に円周方向90度間隔で4個の略矩形断面形状の切欠部544を備えるものである。
また本第2実施例は、スナップリング9が、その軸方向の図中前記フリクションダンパ5側の端部であって図13中左方に円周方向90度間隔で突出形成された4個の矩形形状の凸部93を備え、前記フリクションダンパ5の前記芯金54の軸方向端部に形成された前記切欠部544と係合するように構成されているものである。
本第2実施例においては、前記芯金54の前記切欠部544および前記スナップリング9の前記凸部93をそれぞれ4個ずつ備えるものであるが、必要に応じて1個ないし3個または5個以上等複数個備えるものであってもよい。
上記構成より成る本第2実施例のフリクションダンパは、上述の変速機1において、図13に示されるように、前記フリクションダンパ5を前記歯車軸2に組み付けるに際して、前記芯金54の軸方向端部の内周面に配設された前記切欠部544および前記スナップリング9の前記凸部93とを係合させることによりフリクションダンパ5を係止するため、従来技術とは異なり、歯車軸2の外周面21と芯金54の内周面との圧入嵌着を回避することができるものである。
したがって、フリクションダンパ5の変速機1への組付時の圧入設備を不要なものとし、組付工程を容易なものにするとともに、圧入嵌着を回避することで組付時の異物の発生を防止し、転動面としての歯車軸2の外周面21の面荒れを回避するという効果を奏する。
また前記リップ部52が、前記歯車4の内周面41に圧縮当接することで、その接触面において、両者が摺動する際の摩擦によって所定のフリクショントルクが発生することにより、エンジンのクランク軸の不整振動による歯車における歯打音の発生を防止するという効果を奏する。
また、フリクションダンパ5の固定を、前記芯金54の前記切欠部544に前記スナップリング9の前記凸部93を係合させることにより行うので、図1及び図2に示すように、歯車軸2の小径部20にスナップリング9を配設しフリクションダンパ5とクラッチハブ6との連結固定が困難な場合においても、フリクションダンパの固定を可能にするとともに、前記芯金54が前記凸部543を有する前記第1実施例に比べて前記芯金の軸方向の長さを短くできるという効果を奏する。
さらに本第2実施例のフリクションダンパは、前記クラッチハブ6の抜け出し防止用の前記スナップリング9の一部を設計変更した前記凸部93が、前記スナップリング9の軸方向端部を軸方向に延在形成したものであるので、スナップリング9とは別個の部材を用いることなく、当該スナップリング9の一部を利用することによりフリクションダンパ5を歯車軸2に係合させることができ、部材数の低減、装置の簡素化及び製造コストの削減を可能にするという効果を奏する。
上述の実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
また上述の第1実施例においては、一例として、前記芯金54の前記凸部543を3個備え、前記スナップリング9の前記凹部90と前記アーム部91a,91bの先端部92a,92bと係合および当接させてフリクションダンパ5を固定する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じて前記凸部543および前記凹部90の数を増減させる態様や、図16に示されるように、前記スナップリング9の略円周方向120度間隔の位置に3個の凹部90,94,95を備え、前記芯金54の前記凸部543とそれぞれ係合する態様も適宜採用可能である。
さらに上述の第1実施例および第2実施例において、前記スナップリング9を前記歯車軸2に固定する態様について説明したが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、前記フリクションダンパ5の一部と前記スナップリング9の一部とが係合することによりフリクションダンパ5を固定する態様であれば、必要に応じて当該フリクションダンパ5を係止するためのスナップリング9が、例えば歯車4やクラッチハブ6等のその他の部材に係止される態様も適宜採用可能である。
また上述の第1実施例および第2実施例においては、図3および図4に示されるように一例として、連結部53から遠ざかるにつれ半径方向外方に広がるように傾斜して形成されたリップ部52について説明したが、本発明としてはそれに限定されるものではなく、必要に応じて、かかるリップ部は、前記歯車4の内周面41に圧縮当接することで、その接触面において、両者が摺動する際の摩擦によってフリクショントルクを発生させるものであればいかなる形状および構成とすることも可能である。
さらに上述の第1実施例および第2実施例においては、前記スナップリング9が前記歯車軸2に係止される態様について説明したが、本発明としてはそれに限定されるものではなく、前記スナップリング9が歯車4やクラッチハブ6の所定の箇所に係止される態様にも適用可能である。
歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止され、前記フリクションダンパの前記スナップリングへの係止を可能にする用途に適用できる。
1 手動変速機
2 歯車軸
3 ニードルベアリング
4 歯車
5 フリクションダンパ
50 弾性体
52 リップ部
53 連結部
54 芯金
2 歯車軸
3 ニードルベアリング
4 歯車
5 フリクションダンパ
50 弾性体
52 リップ部
53 連結部
54 芯金
Claims (7)
- 歯車軸と、前記歯車軸にベアリングを介して相対回転可能に保持された歯車と、前記歯車軸と前記歯車との間に介挿係止されるスナップリングと、前記歯車軸と前記歯車との間に挿入されるフリクションダンパを備える変速機において、
前記フリクションダンパが、弾性体と芯金によって構成され、
前記芯金が前記弾性体内に介挿固着されるとともに、前記芯金の一部が、前記スナップリングの少なくとも一部に係止される
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項1において、
前記スナップリングが、前記歯車軸およびクラッチハブの少なくともいずれか一つに係止されている
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項2において、
前記歯車軸に係止された前記スナップリングの一部に配設された第1の係合手段と前記フリクションダンパの前記芯金の前記一部に配設された第2の係合手段とが互いに係合することにより、前記フリクションダンパが前記歯車軸に係止されるように構成されている
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項3において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの厚さ方向の一部に形成された凹部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記フリクションダンパの前記芯金の一端に形成された凸部で構成されている
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項4において、
前記凸部が、前記フリクションダンパの前記芯金の軸方向端部に突出して形成された凸形状爪により構成され、少なくとも一つ配設されている
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項5において、
前記フリクションダンパが、複数の凸形状爪を備え、前記スナップリングの円周上の異なった部位に係止される
ことを特徴とするフリクションダンパ。 - 請求項2において、
前記第1の係合手段が、前記スナップリングの一部から突出して形成された凸部で構成され、
前記第2の係合手段が、前記芯金の前記一部に形成された凹部で構成されている
ことを特徴とするフリクションダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010167088A JP2012026528A (ja) | 2010-07-26 | 2010-07-26 | フリクションダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010167088A JP2012026528A (ja) | 2010-07-26 | 2010-07-26 | フリクションダンパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012026528A true JP2012026528A (ja) | 2012-02-09 |
Family
ID=45779700
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2010167088A Pending JP2012026528A (ja) | 2010-07-26 | 2010-07-26 | フリクションダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012026528A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117780896A (zh) * | 2024-02-23 | 2024-03-29 | 南京航空航天大学 | 一种附加非线性能量阱的阻尼环及采用阻尼环的旋转件 |
CN117780896B (zh) * | 2024-02-23 | 2024-06-07 | 南京航空航天大学 | 一种附加非线性能量阱的阻尼环及采用阻尼环的旋转件 |
-
2010
- 2010-07-26 JP JP2010167088A patent/JP2012026528A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117780896A (zh) * | 2024-02-23 | 2024-03-29 | 南京航空航天大学 | 一种附加非线性能量阱的阻尼环及采用阻尼环的旋转件 |
CN117780896B (zh) * | 2024-02-23 | 2024-06-07 | 南京航空航天大学 | 一种附加非线性能量阱的阻尼环及采用阻尼环的旋转件 |
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