JP2012025898A - 塗料およびそれを用いた木質建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダニや花粉などのアレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好であり、また、着色を抑えることができ、加工性を向上させることが可能な塗料を提供する。
【解決手段】アレルゲン低減剤と硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物からなる塗料であって、前記アレルゲン低減剤は、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物を有効成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料およびそれを用いた木質建材に関する。
我が国では3人に1人がアトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を患っていると言われている。アレルギー疾患の原因としては、ダニ、花粉、カビ、ペットの毛などが挙げられる。特に室内から検出されるダニの70%以上を占めるチリダニのアレルゲン(以下「ダニアレルゲン」という)が問題となっている。このチリダニは、虫体、死骸、抜け殻、フンなどすべてがアレルゲンになると言われている。なかでもフン由来のアレルゲンはアレルゲン活性が高く、しかも非常に小さく舞い上がりやすく人体へ接触することが多いことから、最も問題とされている。
一般に、室内のフローリング床はカーペットや畳に比べ、ダニアレルゲンはほとんど存在しないと考えられている。しかし近年、フローリング床においても厚生労働省が示すガイドラインを大きく上回るダニアレルゲンが存在することが報告されている。また、フローリング床に存在するダニアレルゲンは、非常に舞い上がりやすいことから、微量でもダニで汚染されたカーペットと同じぐらい人体にとって危険であることが報告されており、フローリング床からアレルゲン粒子を除去することは、アレルギー疾患予防に大変有効である。
また、室内の壁面においても同様に、非常に小さく舞いやすいダニアレルゲンやペット由来のアレルゲン物質が付着しており、掃除時などに非常に舞い上がりやすいことから問題視されている。
フローリング床や壁面に集積・付着したダニアレルゲンを低減・駆除する方法としては、従来公知の掃除機やモップなどでダニアレルゲンを除去する方法が挙げられる。しかし、ダニアレルゲンは非常に小さく且つ舞い上がりやすいため、完全に除去することは事実上不可能である。
一方、室内に存在するアレルゲンを低減する方法として、建築材料中にジルコニウム塩などの抗アレルゲン剤を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、室内フローリング上に存在するアレルゲンを低減する方法として、アレルゲン低減化合物を含有する床用艶出し剤を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献1や特許文献2記載の方法によれば、定期的に抗アレルゲン剤や床用艶出し剤を塗布することでアレルゲンを低減することができる。しかし、抗アレルゲン剤および床用艶出し剤自体の、耐薬品性や耐汚染性が乏しく、ペットのし尿、アルコール、酢などの調味料、洗剤、漂白剤などが付着した場合、容易に剥離、溶出、白化現象などを起こしてしまうなど必ずしも十分な対策とは成り得ていない。
この問題を解決するために、最近では、アレルゲン低減化合物として側鎖にフェノール性水酸基を有する非水溶性高分子を含有する光硬化性塗料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−212806号公報 特開2001−214130号公報 特開2008−239721号公報
特許文献3記載の光硬化性塗料によれば、通常の使用環境におけるアレルゲン低減効果と耐薬品性、耐汚染性などは満足できるレベルに達している。しかしながら、用いるアレルゲン低減化合物は、線状高分子の側鎖に芳香族ヒドロキシ化合物を有する構造であるため、側鎖が熱や光による酸化劣化や薬品による加水分解を受けやすい。
通常の使用環境では耐熱性(耐熱黄変性)や耐薬品性は問題ない。しかしながら、床暖房対応が求められる床材、ペット対応やトイレ・キッチンを含めた水廻りで使用される木質建材などに適用する場合には非常に高い耐熱性(耐熱変色性)および耐薬品性が求められ、過酷な使用環境に耐え得る耐久性を確保することは容易ではない。また、線状高分子の側鎖に芳香族ヒドロキシ化合物を有するアレルゲン低減化合物は、着色が強く、白系デザインなど意匠性が強く要望される木質建材に対して適用した場合、意匠性の確保が難しい。さらにまた、このアレルゲン低減化合物は、極性が高く、相溶化する樹脂の組合せが制限される。そのため、塗料に配合した場合には、表面にアレルゲン低減化合物を配向させることが難しく、特に硬化が速い紫外線や電子線で硬化する塗料において困難であり、アレルゲン低減性能を安定して発現させることは容易ではない。また、極性の高い樹脂にしか相溶しないため、相溶しても塗料が増粘し、加工性が悪いなどの問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、ダニや花粉などのアレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好であり、また、着色を抑えることができ、加工性を向上させることが可能な塗料およびそれを用いた木質建材を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の塗料は、アレルゲン低減剤と硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物からなる塗料であって、前記アレルゲン低減剤は、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物を有効成分とすることを特徴とする。
この塗料において、前記化合物が、下記式
Figure 2012025898
(式中、Aは、2価の有機基または直接結合を示し、Rは、水素またはアルキル基を示し、Arは、ヒドロキシ基を1以上有する2価の芳香族炭化水素基を示し、nは正の整数を示す。)で表される構造を骨格中に有することが好ましい。
また、この塗料において、前記化合物が、テルペノイド類とフェノール類の反応物であることが好ましい。
そして、この塗料において、前記反応物の水酸基価が10〜250mgKOH/gであることが好ましい。
また、この塗料において、前記反応物が、環状テルペン化合物とフェノール類の共重合体であることが好ましい。
さらにまた、この塗料において、前記反応物のテルペノイド類由来の二重結合が、水素との反応により水素添加されていることが好ましい。
この塗料において、前記化合物が、塗料固形分100重量部に対して5〜20重量部含有されていることが好ましい。
この塗料において、前記硬化性樹脂が、活性エネルギー線硬化型樹脂であることが好ましい。
また、本発明の木質建材は、木質基材の表面に単一層または複数層からなる機能層を備え、前記機能層の最外表面を構成する層が、前記塗料の硬化塗膜であることを特徴とする。
本発明の塗料は、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物と硬化性樹脂を含有しているので、アレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好である。また、着色を抑えたり、加工性を向上させたりすることもできる。この塗料の硬化塗膜を有する木質建材についても、アレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性が良好であり、着色を抑えたり、加工性を向上させたりすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗料は、アレルゲン低減剤と硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物からなる。アレルゲン低減剤は、ヒドロキシ基を置換基として1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物、例えば、主鎖骨格にフェノール性水酸基を有する化合物を有効成分としている。この化合物の重量平均分子量は、例えば200〜100000程度の範囲とすることができる。
このヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物は、側鎖にフェノール性水酸基を有する有する化合物と比較して、塗料を硬化させた硬化塗膜表面に配向しやすくなっていると推定されるため、安定したアレルゲン低減効果を発揮させることが可能となる。
アレルゲン低減剤に有効成分として含まれる化合物は、主鎖に2価の芳香族炭化水素基を有し、芳香環上にヒドロキシ基を1個以上有している。芳香環上にはヒドロキシ基以外に、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基など炭素数1〜5の置換基などを1個以上有していてもよい。2価の芳香族炭化水素基は、単環式もしくは多環式の芳香族化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから2個の水素原子を除いた基である。具体例として、フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。
このような化合物は、例えば、上記式(1)で表される構造を骨格中に有する化合物が挙げられる。
上記式(1)中のAは、2価の有機基または直接結合を示す。2価の有機基は、例えば、アラルキレン基などが挙げられる。アラルキレン基は、下記式(2)
Figure 2012025898
で表される2価の有機基である。Rは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基を示し、炭素数1〜4が好ましい。Arは、フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基などのアリーレン基を示し、芳香環上にアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基など炭素数1〜5の置換基を1個以上有していてもよい。上記式(2)で表されるアラルキレン基の具体例としては、芳香環上にメチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基などの置換基を1個以上有していてもよい、ベンジレン基、フェネチレン基、ナフチルメチレン基、ビスベンジレン基、ビスフェネチレン基、ジフェニルジメチレン基、ナフチルジメチレン基などが挙げられる。
上記式(1)中のRは、水素またはアルキル基である。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよい。直鎖状のアルキル基の場合、炭素数が1〜5であることが好ましい。具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。分岐状のアルキル基の場合、炭素数が4〜10であることが好ましい。具体例として、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などが挙げられる。環状のアルキル基の場合、炭素数が3〜20であることが好ましい。具体例として、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンなどが挙げられる。
上記式(1)中のArは、2価の芳香族炭化水素基であり、芳香環上にヒドロキシ基を1個以上有する。また、芳香環上にはヒドロキシ基以外に、メチル基、エチル基、n−プロピル基など炭素数1〜5のアルキル基などの置換基を1個以上有していてもよい。2価の芳香族炭化水素基は、単環式もしくは多環式の芳香族化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから2個の水素原子を除いた基であり、フェニレン基、ナフチレン基、ジフェニレン基などが挙げられる。
上記式(1)で表される骨格を有する化合物は、例えば、フェノール・ノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、無置換フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニレン型フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などのアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂などのジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、パラキシリレンおよび/またはメタキシリレン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノールなどのフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られる。
アラルキル型フェノール樹脂は、例えば、上記したフェノール類および/または上記したナフトール類とジメトキシパラキシレンまたはビス(メトキシメチル)ビフェニルなどから合成される。
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂は、例えば、上記したフェノール類および/または上記したナフトール類とジシクロペンタジエンなどから共重合により合成される。
上記式(1)で表される構造を骨格中に有する化合物の具体例としては、下記式(3)
Figure 2012025898
で表されるフェノール・ノボラック樹脂や、下記式(4)
Figure 2012025898
で表されるフェノール・アラルキル樹脂が挙げられる。なお、式(3)および式(4)中のnは整数である。
ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物として、上記式(1)で表される構造を骨格中に有する化合物以外に、例えば、テルペノイド類とフェノール類の反応物が挙げられる。ここで、テルペノイド類とフェノール類の反応物とは、テルペノイド類由来のテルペノイド骨格とフェノール類由来のフェノール構造を有する化合物(テルペノイド骨格を有するフェノール性化合物)であり、例えば、テルペノイド類とフェノール類との共重合体である。
本発明において、テルペノイド類とは、(Cの分子式で表されるイソプレン則に基づく一連の化合物である。例えば、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトンなどが挙げられる。また、一般に炭素数により、モノテルペン(n=2)とセスキテルペン(n=3)があり、植物精油成分の大半がここに含まれるが、より高分子量のテルペンとしてジテルペン(n=4)、セスタテルペン(n=5)、トリテルペン(n=6)がある。広義においては精油や精製された化合物だけでなく、ロジンや天然ゴムも含まれる。テルペノイド類の炭素骨格は、鎖状のものや、単環、双環などの環状のものがある。なお、n=2または3が好ましく、n=2が特に好ましい。
テルペノイド類は、鎖状のテルペン化合物であってもよいし、単環のテルペン化合物であってもよいし、双環のテルペン化合物であってもよい。その具体的な例として、次のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
例えば、鎖状のテルペン化合物の具体例としては、シトロネロール、ネロール、ゲラニオール、シトロネラール、ペリラケトンなどが挙げられる。単環のテルペン化合物の具体例としては、ジペンテン、リモネン、α−フェランドレン、β−フェランドレン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、α−ターピネオール、β−ターピネオール、γ−ターピネオール、4−ターピネオール、サビネン、パラメンテン−1、パラメンテン−2、パラメンテン−3、パラメンテン−8、パラメンタジエン類などが挙げられる。双環のテルペン化合物の具体例としては、α−ピネン、β−ピネン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、カンフェン、トリシクレン、Δ2−カレン、Δ3−カレンなどが挙げられる。これらテルペン化合物の中で、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、パラメンテン−1、カンフェンが好ましく用いられる。また、これらのテルペン化合物は単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用してもかまわない。
フェノール類は、1個または2個以上のヒドロキシ基を芳香環に有する各種の単環式の芳香族化合物や、多核フェノール、縮合多環型などの多環式の芳香族化合物が挙げられる。その具体的な例として、次のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
例えば、単環式の芳香族化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、p−タ−シャリ−ブチルフェノ−ルなどのアルキル置換フェノール、クロロフェノール、ブロモフェノールなどのハロゲノフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノンなどのフェノール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物などが挙げられる。また、メトキシフェノールなども挙げられる。多環式の芳香族化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、ナフトール、ジヒドロキシナフタレンなどのナフトール類、ヒドロキシアントラセンなどが挙げられる。また、これら芳香族化合物の単量体の単独または2種以上の混合物をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、1,3−ジオキソラン、ジシクロペンタジエンなどで縮合し高分子化した芳香族高分子類が挙げられる。例えば、二官能性フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体が挙げられる。二官能性フェノールとしては、オルソクレゾール、パラクレゾール、パラtブチルフェノールなどフェノール核の水酸基に対しオルソまたはパラ位の水素が1つ他の置換基で置換されたものが挙げられ、単独または2種以上を混合して使用することができる。
これら芳香族化合物の単量体および縮重合体は単独のみならず、2種以上を混合して使用することができる。
また、フェノール類としては、1個以上のビニル基を有するフェノールも例示できる。例えば、ビニルフェノール、チロシン、1,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エテンなどが挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
上記したテルペノイド類とフェノール類との共重合体は、公知の方法によって得られる。例えば、環状テルペン化合物とフェノール類の共重合体は、環状テルペン化合物1モルに対してフェノール類を0.3〜12モル、好ましくは0.5〜6モル使用し、フリーデルクラフツ型触媒の存在下で0〜120℃の温度で1〜10時間反応させてテルペンフェノール樹脂として得られる。そのフリーデルクラフツ型触媒としては、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素もしくはその錯体などが挙げられる。このような共重合体の具体例としては、例えば、次式(5)で表される構造を骨格中に有する化合物(式中、mおよびnはそれぞれ整数である。)が挙げられる。なかでもmが1〜3の整数である化合物が好ましく用いられる。具体的にはヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターシリーズ、マイティエースシリーズなどが挙げられる。
Figure 2012025898
環状テルペン化合物の具体例としては、上記した単環または双環のテルペン化合物が挙げられ、これらの中から1種使用または2種以上併用することができる。なかでも、α−ピネン、β−ピネン、リモネンが好ましい。
環状テルペン化合物とともに使用されるフェノール類としては、上記したフェノール類のうち、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが好ましく用いられる。なかでもフェノール、クレゾール、ビスフェノールAなどが好ましく、特にフェノールが好ましい。この群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含んでいることが望ましいが、環状テルペン化合物との共重合が可能である他のフェノール類を使用または併用しても良い。
テルペノイド類として環状テルペン化合物を用いる場合、出発原料として用いるフェノール類の選択肢が広がる。例えば、高価で着色が大きいビニルフェノールを用いずに、安価で着色が少ない、ビニル基を有さないフェノール類を選択して反応させることが可能となる。そして共重合体の場合は、ビニル基を有さないフェノール類を選択して反応させることで、その反応物はフェノール性水酸基が側鎖ではなく主鎖に組み込まれた構造(式(5)参照)となるため、優れたアレルゲン低減機能がより安定して発現しやすくなる。また、着色が少なく、耐熱性(耐熱変色性)と耐薬品性に優れた化合物を容易に得ることができる。
また、テルペノイド類として、α−ピネン、β−ピネンまたはリモネンを、フェノール類としてフェノールを用いることで、その反応物の着色をより小さくでき、さらに耐光性を付与することができる。
また、軟化点と分子量のコントロールも容易で、目的に応じた軟化点と分子量を有する化合物を製造することが容易となる。
本発明においては、テルペノイド類とフェノール類の反応物の水酸基価は、10〜250mgKOH/gであることが好ましい。より好ましくは、50〜120mgKOH/gである。
一般に、水酸基価が高いと着色が小さくなり且つアレルゲン低減性能が向上する。水酸基価が、10〜250mgKOH/gの範囲であれば、アレルゲン低減性能を損ねずに耐熱性(耐熱変色性)、耐薬品性および意匠性(低着色)を達成できるとともに、幅広い極性をカバーすることが可能な相溶性に優れた材料となる。例えば、極性の低い硬化性樹脂に相溶させることも可能となる。また、極性の高い硬化性樹脂に相溶させても、テルペノイド類の構造を有するため、塗料粘度が上がりにくく、塗料粘度を下げることが容易である。そのため、加工性が非常に優れる。特に水酸基価が50〜120mgKOH/gの範囲であれば、特異的に非常に優れたアレルゲン低減性能を発現し、且つ耐熱性(耐熱変色性)、耐薬品性および意匠性(低着色)を達成できるとともに、幅広い極性をカバーすることが可能な相溶性に優れた材料となる。このような優れた効果が奏される理由としては、テルペノイド骨格の立体構造とフェノール性水酸基のバランスがアレルゲンに対して非常に良いためと推測される。
テルペノイド類とフェノール類の反応物は、テルペンフェノール樹脂であることが好ましい。テルペンフェノール樹脂は着色が小さく優れた耐光性を有するため、例えば、紫外線や電子線で塗料を硬化させた場合、初期黄変が小さく、木質建材の意匠性の低下をより効果的に抑えることができる。
また、本発明においては、テルペノイド類とフェノール類の反応物を触媒の存在下で水素と反応させ、水素添加させることが好ましい。テルペノイド類とフェノール類の共重合体の場合、反応物は、テルペノイド類由来の二重結合とフェノール類由来の二重結合を有しており、テルペノイド類由来の二重結合は、より低いエネルギーで核水添することができ好ましいが、フェノール類由来の二重結合まで水素添加させてもよい。
水素添加に使用される触媒としては、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの担体上に担持したものが挙げられる。
このようにテルペノイド類とフェノール類の反応物を水素添加することで、アレルゲン低減性能を損なわずに、着色が小さく、耐熱性(耐熱変色性)、耐薬品性、耐光性を向上させることができる。このような水素添加されたテルペノイド類とフェノール類の反応物の具体例としては、例えば、次式(6)で表される構造を骨格中に有する化合物(式中、mおよびnはそれぞれ整数である。)が挙げられる。なかでもmが1〜3の整数である化合物が好ましく用いられる。具体的には、ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターUH115やTH130などが挙げられる。
Figure 2012025898
また、上記の方法で得られたテルペノイド類とフェノール類の反応物に、アルカリ触媒の存在下、アルキレンオキサイドを加えながら60〜200℃の温度で付加反応させ、モノオキシアルキレンモノオールまたは、モノおよび/またはポリオキシアルキレンポリオールとしてもよい。アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられるがこれに限定されない。アルキレンオキサイドの付加モル数は、分子内に環状テルペン骨格を有するフェノール性化合物のフェノール性水酸基に対して、例えば、1〜15当量倍、好ましくは2〜10当量倍である。
また、テルペノイド類とフェノール類の反応物をアルカリ塩にし、20〜150℃の温度でアルキレンハロヒドリンを反応させることもできる。アルキレンハロヒドリンとしては、例えば、エチレンクロルヒドリン、プロピレンクロルヒドリン、ブチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、プロピレンブロムヒドリンなどが挙げられる。
上記したテルペノイド類とフェノール類の反応物にアルキレンオキサイドを付加反応させた化合物や、テルペノイド類とフェノール類の反応物のアルカリ塩にアルキレンハロヒドリンを反応させた化合物も、アレルゲン低減剤の有効成分して使用できる。これら化合物を含むアレルゲン低減剤についても、優れたアレルゲン低減機能を有し、耐熱性、耐薬品性、加工性が良好であり、着色を抑えることができる。
アレルゲン低減剤は、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物単独でもよいが、目的を害さない程度に必要に応じて他の公知のアレルゲン抑制剤や親水性高分子が含まれていてもよい。親水性高分子としては、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物に対して相互作用を起こし得る反応場を形成し得るものであるものが好ましい。アレルゲン低減剤に親水性高分子を含有することによって、通常の湿度条件下、例えば、絶対湿度50g/m以下の雰囲気下において、アレルゲンをさらに効果的に低減できる。
このような、上記のヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物は、塗料中、塗料固形分100重量部に対して、5〜20重量部含有していることが好ましい。5重量部未満であるとアレルゲン低減効果が不十分であったり、長期持続性が不十分の場合がある。一方、20重量部より多く配合しても、アレルゲン低減効果の向上がほとんどなく非経済的な上、塗装物表面の物性低下が著しくなる場合がある。
また、塗料を硬化させた塗膜中、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物を20重量%以下にすることにより、塗膜本来の機能、すなわち、基材表面の保護機能などを適切に得ることができる。
本発明の塗料において、アレルゲン低減剤とともに硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などが挙げられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
本発明では、短時間で容易に耐久性を有する緻密な硬化塗膜が得られる、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましく用いられる。
以下、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いた硬化性樹脂組成物について説明する。
この硬化性樹脂組成物は、上記したアレルゲン低減剤とともに、活性エネルギー線硬化型樹脂として反応性オリゴマーおよび反応性モノマーから選ばれる少なくとも1種を含有する。
上記の反応性オリゴマーは、これを硬化性樹脂組成物に配合することで、耐汚染性や耐擦傷性などの塗膜強度を向上させることができる。反応性オリゴマーは、好ましくは1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化性(メタ)アクリレートモノマーを重合して得られる樹脂である。反応性オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、アクリル酸エステル共重合体の側鎖にアクリロイル基またはメタクリロイル基を導入した共重合系(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、フッ素含有オレフィンから誘導されるユニット、重合性不飽和基含有シリコーンから誘導されるユニット、または水酸基含有不飽和エーテルから誘導されるユニットを含有する共重合体であってもよい。
上記の反応性オリゴマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有するウレタンアクリレートまたはエステル変性されたエポキシアクリレートが用いられる。
反応性オリゴマーの分子量(Mw)は、好ましくは500〜4000の範囲内である。分子量が小さ過ぎると、塗膜強度が不十分となる場合がある。分子量が大き過ぎると、硬化性樹脂組成物の粘度と、耐汚染性と、アレルゲン低減性能との良好なバランスを得ることが困難となる。
反応性オリゴマーの配合量は、硬化性樹脂組成物全量に対して好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%である。配合量が少な過ぎると、塗膜強度が不十分となる場合がある。配合量が多過ぎると、塗膜が硬過ぎて脆くなる場合がある。
上記の反応性モノマーは、反応性希釈剤や架橋剤として用いられる。反応性モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルホルムアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソボニルアクリレート、3−メトキシジブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(ヘキサ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の反応性モノマーの中でも、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有するTg(ガラス転移温度)100℃以上のモノマーは、これを硬化性樹脂組成物に配合することで、硬化性樹脂塗膜の耐汚染性、耐擦傷性、耐クラック性をともに向上させることができる。このようなTg100℃以上のモノマーとしては、例えば、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記の反応性モノマーの中でも、1〜2個の(メタ)アクリロイル基を有する脂肪族炭化水素系モノマーは、これを配合することで、アレルゲン低減性能を低下することなく硬化性樹脂組成物を低粘度化することができる。
アレルゲン低減剤は、水素結合能力の高い官能基を持つため、カルボニル基やエーテル基を有するポリマーとの間に相互作用が働く。アレルゲン物質を不活化する活性点である水素結合能力の高い官能基とポリマーとの間に水素結合による相互作用が働くと、十分なアレルゲン低減性能が発現しにくくなる場合がある。アレルゲン低減剤を分散可能な脂肪族炭化水素系モノマーを用いることにより、アレルゲン低減性能を低下することなく硬化性樹脂組成物を低粘度化することができる。
脂肪族炭化水素系モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族炭化水素系モノマーの配合量は、アレルゲン低減性能を低下することなく硬化性樹脂組成物の低粘度化を実現するとともに、他の塗膜物性も確保する点からは、硬化性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは3〜45重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
硬化性樹脂組成物には、アレルゲン低減剤、反応性オリゴマー、および反応性モノマーに加えて、本発明の効果を損なわない範囲内において光重合開始剤を配合することができる。
光重合開始剤としては、水素引き抜き型あるいは分子内開裂型のものを用いることができる。
水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン/アミン系、ミヒラーケトン/ベンゾフェノン系、チオキサントン/アミン系の光重合開始剤などが挙げられる。
分子内開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン型、アセトフェノン型、ベンゾフェノン型、チオキサントン型、アシルフォスフィンオキサイド型の光重合開始剤などが挙げられる。中でも、反応性が高いアセトフェノン型の2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、長波長まで吸収端が伸びているアシルフォスフィンオキサイド型のモノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤の配合量は、反応性を高め、且つ塗膜物性なども損なわないようにする点からは、硬化性樹脂組成物の固形分に対して好ましくは1〜10重量%、より好ましくは3〜6重量%である。
硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記したアレルゲン低減剤、反応性オリゴマー、反応性モノマー、および光重合開始剤以外の他の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば、ワックス、抗菌剤、防黴剤、非反応性希釈剤、重合禁止剤、艶消し材、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
塗料は、例えば、反応性オリゴマー、反応性モノマー、および光重合開始剤を溶剤に溶解させた後、アレルゲン低減剤を添加することで得られる。溶剤に溶解させる際には、必要に応じて熱を加えたり、上記のワックス、抗菌剤、防黴剤、非反応性希釈剤、重合禁止剤、艶消し材、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などを添加したりすることができる。
溶剤としては、塗料、インキなどに通常使用されるものが使用できる。具体例としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。なかでも、ケトン類、酢酸エステル類などの電子供与性の高い溶剤は、より溶解しやすく好適である。
このような溶剤は、塗料中、30重量%以下の範囲で用いることができる。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれば、乾燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下がない。
このようにして得られた塗料には、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に有する化合物を有効成分とするアレルゲン低減剤を含んでいる。例えばポリビニルフェノール樹脂等の側鎖にフェノール性水酸基を有する化合物は、極性を有するため硬化塗膜中では側鎖の部分は塗膜の内側の方に偏在しやすいと考えられる。そのため、このような側鎖にフェノール性水酸基を有する化合物を用いた塗膜は、有効に活用できないフェノール性水酸基が生じやすいと推定される。それに対し主鎖骨格にヒドロキシ基を1以上有する芳香環を有する化合物は、主鎖骨格で固定されてフェノール性水酸基が塗膜の内側の方に偏在することが起こりにくいため、側鎖にフェノール性水酸基を有する化合物と比較して、硬化塗膜表面に配向しやすくなり、安定したアレルゲン低減効果を発揮させることが可能となると推定される。例えば、硬化性の速い紫外線や電子線で硬化する塗料においても安定したアレルゲン低減性能を発揮させることが可能となる。また、室内塵中に多く存在するヒョウヒダニのアレルゲン(Der1、Der2)、主に春季に多量に空気中に浮遊するスギ花粉アレルゲン(Cryj1、CrIyj2)、ペット由来アレルゲンのイヌフケ(Canf1)、ネコフケ(Feld1)などのアレルゲンに対して、優れた低減効果を発現する。また、主鎖に芳香環を有するため、熱や光による酸化劣化や薬品に対する加水分解を受けにくく、耐熱性(耐熱変色性)や耐薬品性が良好である。したがって、この塗料を直接または間接に木質基材に塗布して硬化させることで、硬化塗膜表面に優れたアレルゲン低減機能を付与することができ、さらに耐熱性(耐熱変色性)や耐薬品性も良好にすることができる。
本発明の木質建材は、木質基材の表面に単一層または複数層からなる機能層を備え、前記機能層の最外表面を構成する層が、上記した塗料を塗布、硬化して形成された塗膜である。機能層はこの塗膜の単一層であってもよいが、この塗膜を含む複数層から機能層を構成することもできる。例えば、着色層と、この着色層の表面に積層された一層または複数層のクリア層が機能層を構成していてもよい。クリア層の最外表面を構成する層が上記した塗料の硬化塗膜である。また、機能層が単一層の場合には、例えば、上記した塗料の硬化塗膜がクリア層として木質基材の表面に形成されている。
このような形態の木質建材では、着色層で発現させる色彩感や木質基材の木質感が損なわれないように、クリア層はできる限り無色透明であることが好ましい。上記した塗料に含まれるアレルゲン低減剤は、主鎖骨格にヒドロキシ基を1以上有する芳香環を有する化合物を含んでおり、その種類によっては塗料の硬化塗膜の着色を効果的に抑えることができる。このような化合物を選択することにより、硬化塗膜が木質建材の仕上がり外観(色彩)に与える影響を小さくすることができるので、良好な塗膜物性およびアレルゲン低減効果を保ちつつも、木質建材の仕上がり外観をより一層良好にできる。また、主鎖骨格にヒドロキシ基を1以上有する芳香環を有する化合物は、耐熱性や耐薬品性を有しているため、木質建材に良好な耐熱性や耐薬品性を付与することができる。
また、木質建材は、木質基材と機能層の間に、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)などの合成樹脂からなる基材シートが配設されていてもよい。このような形態の木質建材は、例えば、基材シートとその表面側に形成される機能層とから化粧シートが形成され、この化粧シートの裏面側に木質基材が接着剤などで貼着されて構成されている。さらにまた、化粧シートの裏面側にPP樹脂などの合成樹脂からなるバッカー層が配設されていてよく、このバッカー層の裏面側に接着剤などで木質基材を貼着して木質建材を構成することもできる。
木質建材に用いられる木質基材としては、例えば、合板やパーティクルボード(Particle Board)、中密度繊維板(Medium Density Fiberboard)、木粉・樹脂の混合ボード(Wood Plastic Board)、またはこれらが複合された台板の上に、表面化粧材として木材単板や化粧シートが接着された構成が挙げられる。
木質建材が床材や壁材に適用される場合には、意匠性向上のために木質基材に溝加工や目地加工が行われていてもよい。また、木質基材の上に着色塗装や素地密着向上、割れ防止のための下塗り塗装が行われていてもよい。下塗り塗装後、中塗りが行われてもよい。
塗膜の厚さは、硬化時で、1〜100μm、好ましくは3〜15μm程度になるように塗布することが望ましい。クリア層の塗布回数は、特に制限はなく、一回または二回以上でもよい。塗布方式としては、従来公知のフローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法などが挙げられ、自動化してもよく、手動にて塗布してもよい。
塗膜の硬化は、硬化性樹脂組成物を構成する硬化性樹脂が活性エネルギー線硬化型樹脂の場合には従来公知の紫外線や電子線などの活性エネルギー線の照射により行うことができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<アレルゲン低減剤含有塗料>
アレルゲン低減剤としてテルペンフェノール樹脂YSポリスターT130(ヤスハラケミカル株式会社製、式(5)で表される構造を骨格中に有するm=1の化合物、水酸基価60mgKOH/g)10重量部、ウレタンアクリレート(商品名:紫光7550B、日本合成化学社製)30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(EO付加)(商品名:M310、東亞合成化学社製)16重量部、トリプロピレングリコール(商品名:M220、東亞合成化学社製)18重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名:L−9CA、第一工業製薬社製)18重量部、メトキシグリコールアクリレート(商品名:ME−3、第一工業製薬社製)18重量部、疎水性シリカ(商品名:サイロホッビク702、富士シリシア社製)5重量部、アクリルビーズ(商品名:GM0401S、ガンツ化成社製)5重量部、光重合開始剤(商品名:MBF,チバ社製)5重量部を加え撹拌し、アレルゲン低減剤含有塗料を得た。
<アレルゲン低減剤含有塗料を塗布してなる木質床材>
厚さ11.8mmのラワン合板に厚さ0.2mmのビーチ材の単板を接着し、V溝加工を行い、床用の木質基材を作製した。次に、木質基材に水性着色剤を塗布した後、80℃で1分間乾燥し、紫外線硬化型のウレタンアクリレート系下塗り塗料をスポンジロールで塗布した後、金属リバース回転ロールで掻きとって合計2g/尺塗布した。さらにゴムロールで1g/尺塗布した後、積算照度100mJ/cmで紫外線を照射して硬化させた。次に、1回目の中塗り塗装として、減摩材のホワイトアルミナを30部配合した紫外線硬化型のウレタンアクリレート系中塗り塗料をゴムロールを2回通して合計2g/尺塗布し、積算照度200mJ/cmで紫外線を照射して硬化させた。その後、#320サンドペーパーで研磨した。2回目の中塗り塗装として、紫外線硬化型のウレタンアクリレート系中塗り塗料をスポンジロールとゴムロールで合計2g/尺塗布した後、フローコーターにて7g/尺塗布し、積算照度100mJ/cmで紫外線を照射して硬化させた。
さらに、上記のアレルゲン低減剤含有塗料をゴムロールで1g/尺塗布し、積算照度350mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、木質床材を作製した。
(実施例2)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130の代わりに、テルペンフェノール樹脂マイティエースK145(ヤスハラケミカル株式会社製、式(5)で表される構造を骨格中に有するm=3の化合物、水酸基価200mgKOH/g)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例1と同様にして木質床材を作製した。
(実施例3)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130の代わりに、水添テルペンフェノール樹脂YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル株式会社製、式(6)で表される構造を骨格中に有するm=1の化合物、水酸基価60mgKOH/g)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例1と同様にして木質床材を作製した。
(実施例4)
0.06mm厚の着色ポリプロピレン(基材シート)に絵柄模様層(2μm)を印刷により形成した。次いで絵柄模様層の上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルムをウレタン系ドライラミネート用接着剤で接着して透明性樹脂層を形成した。次いで透明性樹脂層の上に、実施例1で作製したアレルゲン低減剤含有塗料をゴムロールで1g/尺塗布し、積算照度350mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、化粧シートを作製した。
次に、化粧シートの裏面にウレタン系接着剤を塗布し、PP樹脂バッカー層を貼り付けた。さらに、バッカー層の裏側に、ウレタン変性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて合板基材からなる木質基材を貼り合わせ、木質床材を作製した。
(実施例5)
<アレルゲン低減剤含有塗料>
アレルゲン低減剤としてテルペンフェノール樹脂YSポリスターT13010重量部、ウレタンアクリレート(商品名:紫光7550B、日本合成化学社製)30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(EO付加)(商品名:M310、東亞合成化学社製)20重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名:L−9CA、第一工業製薬社製)50重量部、疎水性シリカ(商品名:サイロホッビク702、富士シリシア社製)5重量部、アクリルビーズ(商品名:GM0401S、ガンツ化成社製)5重量部、を加え撹拌し、アレルゲン低減剤含有塗料を得た。
<アレルゲン低減剤含有塗料を塗布してなる木質床材>
0.06mm厚の着色ポリプロピレンシート(基材シート)に絵柄模様層(2μm)を印刷により形成した。次いで絵柄模様層の上に0.08mm厚の透明性ポリプロピレン系樹脂フィルムを、ウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて接着した。次いで透明性樹脂層の上に、上記アレルゲン低減剤含有塗料をゴムロールで1g/尺塗布し、加速電圧125eV、30kGyの電子線を照射して硬化させ、化粧シートを作製した。
次に、化粧シートの裏面にウレタン系接着剤を塗布し、PP樹脂バッカー層に貼り付けた。さらに、バッカー層の裏側に、ウレタン変性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて合板基材からなる木質基材を貼り合わせ、木質床材を作製した。
(比較例1)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130の代わりに、ポリビニルフェノール樹脂マルカリンカM(丸善石油化学株式会社製、下記式(7)
Figure 2012025898
で表される構造を骨格中に有する化合物(nは正の整数))を用いた以外は、実施例1と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例1と同様にして木質床材を作製した。
(比較例2)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130の代わりに、ポリビニルフェノール樹脂マルカリンカMを用いた以外は、実施例5と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例5と同様にして木質床材を作製した。
(比較例3)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130を配合しないこと以外は、実施例1と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例1と同様にして木質床材を作製した。
(比較例4)
テルペンフェノール樹脂YSポリスターT130を配合しないこと以外は、実施例5と同様にしてアレルゲン低減剤含有塗料を作製し、実施例5と同様にして木質床材を作製した。
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材の色相(着色性)、アレルゲン低減性能、耐熱性、耐光性、耐薬品性を測定した。結果を表1に示す。
<色相(着色性)の測定>
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材に対して、色差計で色差△Eを測定した。評価基準は下記の通りである。
△E≦1 :◎
1<△E<2:○
△E≧2 :×
<アレルゲン低減性能の測定>
1)アレルゲン溶液の調製
アレルゲンの冷結乾燥粉末(精製ダニ抗原;Der2、アサヒビール社製)をアレルゲンタンパク量20ng/mlになるようにリン酸バッファー(pH7.6)に溶解させてアレルゲン溶液を作製した。
2)反応の実施
操作1)で調製したアレルゲン溶液を、実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材に対し400μlづつ滴下し、反応6時間後のアレルゲンタンパク量をELISAキット(Indoor社)を用いて測定した。アレルゲン低減化率は、下記のとおり算出して求めた。
アレルゲン低減率(%)=100×(1−A/B)
A:実施例1〜5および比較例1〜2で得られた木質床材の6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
B:比較例3、4で得られた木質床材の6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
<耐熱性(耐熱変色性)の評価>
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材を80℃で96時間保持し、試験後、色差計で色差△Eを測定した。評価基準は下記の通りである。
△E≦1 :◎
1<△E<2:○
△E≧2 :×
<耐光性(耐光変色性)の評価>
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材をフェード試験(Xeランプ)で48時間照射し、試験後、色差計で色差△Eを測定した。評価基準は下記の通りである。
△E≦0.5 :◎
0.5<△E<1:○
△E≧1 :×
<耐薬品性の評価>
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた木質床材に、アルカリ洗剤(商品名:ドメスト、ユニリーバ)を滴下し、24時間保持し、外観を評価した。評価基準は下記の通りである。
外観異常なし :○
外観異常あり(黄変):×
Figure 2012025898
表1の結果から、実施例1〜5の木質床材は、比較例1〜4の木質床材に比べて、優れたアレルゲン低減性能を有し、且つ着色が少なく耐熱性(耐熱変色性)、耐光性、耐薬品性に優れていることが確認できた。
(実施例6)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3L(三井化学株式会社製、上記式(4)で表されるフェノール性化合物)10重量部、ウレタンアクリレート(商品名:紫光7640B、日本合成化学社製)25重量部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(商品名:L−9CA、第一工業製薬社製)75重量部、疎水性シリカ(商品名:サイロホッビク702、富士シリシア社製)5重量部、アクリルビーズ(商品名:GM0401S、ガンツ化成社製)5重量部を加え撹拌し、光硬化性塗料を得た。
次いで、得られた光硬化性塗料を、バーコーター#10で予めプレコート処理を施した白色のオレフィンシートに塗布し、電子線照射(125eV、50kGy)により硬化させて、化粧シートを得た。
次に、化粧シートの裏面にウレタン系接着剤を塗布し、PP樹脂バッカー層を貼り付けた。さらに、バッカー層の裏側に、ウレタン変性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を用いて合板基材からなる木質基材を貼り合わせ、木質床材を作製した。
(実施例7)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、フェノール・ノボラック樹脂H−1(明和化成株式会社、上記式(3)で表されるフェノール性化合物)を用いた以外は、実施例6と同様にして、光硬化性塗料を得ると共に、木質床材を作製した。
(比較例5)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lの代わりに、ポリビニルフェノール樹脂マルカリンカMを用いた以外は、実施例6と同様にして、光硬化性塗料を得ると共に、木質床材を作製した。
(比較例6)
フェノール・アラルキル樹脂XLC−3Lを配合しないこと以外は、実施例6と同様にして、光硬化性塗料を得ると共に、木質床材を作製した。
実施例6、7および比較例5、6で得られた木質床材のアレルゲン低減性能、耐熱性、耐薬品性を測定した。結果を表2に示す。
<アレルゲン低減性能の測定>
1)アレルゲン溶液の調製
アレルゲンの冷結乾燥粉末(精製ダニ抗原;Der2、アサヒビール社製)をアレルゲンタンパク量20ng/mlになるようにリン酸バッファー(pH7.6)に溶解させてアレルゲン溶液を作製した。
2)反応の実施
操作1)で調製したアレルゲン溶液を、実施例6、7および比較例5で得られた木質床材に対し400μlづつ滴下し、反応6時間後のアレルゲンタンパク量をELISAキット(Indoor社)を用いて測定した。アレルゲン低減化率は、下記のとおり算出して求めた。
アレルゲン低減率(%)=100×(1−A/B)
A:実施例6、7および比較例5で得られた木質床材の6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
B:比較例6で得られた木質床材の6時間後のアレルゲンタンパク量(ng/ml)
<耐熱性(耐熱変色性)の評価>
実施例6,7および比較例5,6で得られた木質床材を80℃で96時間保持し、試験後、色差計で色差△Eを測定した。評価基準は下記の通りである。
△E≦1 :◎
1<△E<2:○
△E≧2 :×
<耐薬品性の評価>
実施例6,7および比較例5,6で得られた木質床材に、アルカリ洗剤(商品名:ドメスト、ユニリーバ)を滴下し、24時間保持し、外観の異常の有無を確認した。
Figure 2012025898
表2の結果から、実施例6、7の木質床材は、比較例5、6の木質床材と比べて、優れたアレルゲン低減性能を有し、且つ耐熱性(耐熱変色性)、耐薬品性に優れていることが確認できた。

Claims (9)

  1. アレルゲン低減剤と硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物からなる塗料であって、前記アレルゲン低減剤は、ヒドロキシ基を1以上有する芳香環を主鎖骨格に含む化合物を有効成分とすることを特徴とする塗料。
  2. 前記化合物が、下記式
    Figure 2012025898
    (式中、Aは、2価の有機基または直接結合を示し、Rは、水素またはアルキル基を示し、Arは、ヒドロキシ基を1以上有する2価の芳香族炭化水素基を示し、nは正の整数を示す。)
    で表される構造を骨格中に有することを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  3. 前記化合物が、テルペノイド類とフェノール類の反応物であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
  4. 前記反応物の水酸基価が、10〜250mgKOH/gであることを特徴とする請求項3に記載の塗料。
  5. 前記反応物が、環状テルペン化合物とフェノール類の共重合体であることを特徴とする請求項3または4に記載の塗料。
  6. 前記反応物のテルペノイド類由来の二重結合が、水素との反応により水素添加されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の塗料。
  7. 前記化合物が、塗料固形分100重量部に対して5〜20重量部含有されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の塗料。
  8. 前記硬化性樹脂が、活性エネルギー線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の塗料。
  9. 木質基材の表面に単一層または複数層からなる機能層を備え、前記機能層の最外表面を構成する層が、請求項1から8のいずれかの塗料の硬化塗膜であることを特徴とする木質建材。
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