JP2010005798A - 撥水撥油性木質建材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の構造で示される構造単位を有し、ラジカル重合性不飽和結合を有するフッ素含有共重合体(A)、微粒化ワックスまたは表面がワックス処理された微粒子シリカ(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性オリゴマー(C)、反応性モノマー(D)、光重合開始剤(E)を含有し、かつ、上記フッ素含有共重合体(A)に占める上記特定の構造で示される構造単位の合計量が15〜60重量%である光硬化性樹脂組成物で形成される塗膜で被覆されたことを特徴とする撥水撥油性木質建材。
【選択図】なし
Description
本願請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の撥水撥油性木質建材において、上記フッ素含有共重合体(A)に占める式(1)および式(2)で示される構造単位の合計量が25〜50重量%である光硬化性樹脂組成物で形成される塗膜で被覆されたことを特徴としている。
本願発明において使用されるラジカル重合性不飽和結合を有するフッ素含有共重合体(A)は、塗膜に撥水撥油性、耐汚染性や耐熱性を付与するとともに、微粒化ワックスまたは表面がワックス処理された微粒子シリカ(B)と不相溶を起こし、木質基材の素材感や風合い感を活かした艶消し性を付与する目的で使用される。
上記式(1)中のR1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子を示す。例えば、−(CF2−CF2)−、−(CF2−CHF)−、−(CF2−CH2)−が挙げられる。これらの構造単位は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる微粒化ワックスまたは表面がワックス処理された微粒子シリカ(B)としては、公知の微粒子シリカ、微粒化ワックスなどを用いることができる。なかでも耐汚染性が高く、フッ素含有共重合体(A)と不相溶による木材の素材感や風合い感を活かした艶消し性の付与の点から微粒化ワックスまたは表面がワックスで処理された微粒子シリカが好ましい。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本願発明で用いられる2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性オリゴマー(C)は、光硬化性樹脂組成物の耐摩耗性や耐引っ掻き性など塗膜強度を向上する目的で使用される。2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性オリゴマー(C)は、1分子中に2個以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化性(メタ)アクリレートモノマーを重合して得られる樹脂である。例えば、公知のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリプタジエン(メタ)アクリレート、アクリル酸エステル共重合体の側鎖にアクリロイル基またはメタクリロイル基を導入した共重合系(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上併用して用いても良い。好ましくは、公知である軟質オリゴマーと硬質オリゴマーを組合せたものが用いられる。
本願発明で用いられる反応性モノマー(D)は、光硬化性樹脂組成物の塗料粘度や架橋密度をコントロールする目的で使用される。反応性モノマー(D)は、ラジカル重合性のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。光硬化性モノマー(D)は、単官能モノマー、2官能モノマー、多官能モノマーに分類される。
本発明で用いられる光重合開始剤(E)としては公知のものが用いられ、例えば、ベンゾフェノン型、ベンゾイン型、アセトフェノン型、ベンゾフェノン型、チオキサントン型、アシルフォスフィンオキサイド型の光重合開始剤が挙げられる。なかでも、反応性が高いアセトフェノン型の2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシー2−メチルー1−フェニルプロパンー1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシー2−メチルー1−プロパンー1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、長波長まで吸収端が伸びているアシルフォスフィンオキサイド型のモノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイドが好ましい。これらは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本願発明の光硬化性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)以外に必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で添加剤(F)などを含有してもよい。添加剤(F)としては、例えば、イソシアネート、消泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。
上記光硬化性樹脂組成物を木質基材に塗装する方法としては、塗料を塗装する際に通常採用されている塗装方法のいずれをも使用することが可能であり、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ロールコーター塗装、フローコーター塗装等を適宜選択することが可能である。建材形状への追従性や塗装処理速度から、ロールコーター塗装、フローコーター塗装が好適に使用できる。なお、塗装時における光硬化性樹脂組成物の液温が30〜60℃、塗装直前の木質建材表面板温度が30〜70℃に予熱されていることが、良好な塗膜を形成する上で有効である。
表面がワックス処理された微粒子シリカ(B):ミズカシルP−802Y(平均粒径5μm;水澤化学社製):微粒子シリカ:サイリシア350(平均粒径3.9μm;富士シリシア社製)
PMMA架橋ビーズ:GB−22S(平均粒径22μm;ガンツ化成社製)。
反応性モノマー(D):ライトアクリレートDPE−6E(共栄社化学社製)、アロニックスM−309(東亞合成社製)、アロニックスM−220(東亜合成社製)、L−C9A(第一工業社製)、ACMO(興人社製)、4−HBA(大阪有機化学社製)
光重合開始剤(E):IRGACURE184(Ciba社製)。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
N−3604UV(関東電化工業社製試作品)6.9部、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部、紫光UV−7550B(日本合成化学社製)7.6部、UA−122P(新中村化学社製)15.3部、ライトアクリレートDPE−6E(共栄社化学社製)3.8部、アロニックスM−309(東亞合成社製)11.4部、アロニックスM−220(東亞合成社製)7.6部、L−C9A(第一工業製薬社製)16.0部、ACMO(興人社製)7.6部、4−HBA(大阪有機化学社製)11.4部、IRGACURE184(Ciba製)4.4部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
厚さ12mmのラワン合板と、厚さ0.3mmのナラ材からなる突き板からなる木質基材表面に、着色ステインをロールコーターで塗布し、80℃で1分乾燥後、下塗り塗料および中塗り塗料を固形分換算で合計70g/m2塗布してUV硬化させた。次いで、上記下塗り塗装された木質基材に上塗り塗料として、上記のようにして得られた光硬化性樹脂組成物をロールコーターで、固形分換算で10g/m2塗布し、無電極紫外線照射ランプ(出力:120mW/cm、照射線量:350mJ/cm2)により硬化させて光硬化性樹脂組成物から形成される塗膜で被覆された木質建材を得た。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1において、N−3604UV(関東電化工業社製試作品)6.9部の代わりに、N−3696UV(関東電化工業社製試作品)6.9部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1において、N−3604UV(関東電化工業社製試作品)6.9部の代わりに、MD−7(関東電化工業社製試作品)6.9部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
MD−7(関東電化工業社製試作品)6.8部、CERAFLOUR988(BYK社製)8.7部、紫光UV−7550B(日本合成化学社製)7.6部、UA−122P(新中村化学社製)15.1部、ライトアクリレートDPE−6E(共栄社化学社製)3.8部、アロニックスM−309(東亞合成社製)11.3部、アロニックスM−220(東亞合成社製)7.6部、L−C9A(第一工業製薬社製)15.9部、ACMO(興人社製)7.6部、4−HBA(大阪有機化学社製)11.3部、IRGACURE184(Ciba製)4.3部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
MD−7(関東電化工業社製試作品)19.2部、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.5部、UA−122P(新中村化学社製)12.0部、アロニックスM−309(東亞合成社製)16.8部、L−C9A(第一工業製薬社製)28.0部、4−HBA(大阪有機化学社製)12.0部、IRGACURE184(Ciba製)4.4部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部、紫光UV−7550B(日本合成化学社製)8.3部、UA−122P(新中村化学社製)16.6部、ライトアクリレートDPE−6E(共栄社化学社製)4.1部、アロニックスM−309(東亞合成社製)12.4部、アロニックスM−220(東亞合成社製)8.3部、L−C9A(第一工業製薬社製)17.4部、ACMO(興人社製)8.3部、4−HBA(大阪有機化学社製)12.4部、IRGACURE184(Ciba製)4.4部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
N−3604UV(関東電化工業社製試作品)37.7部、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部、紫光UV−7550B(日本合成化学社製)4.7部、UA−122P(新中村化学社製)9.4部、アロニックスM−309(東亞合成社製)9.9部、L−C9A(第一工業製薬社製)16.5部、ACMO(興人社製)2.4部、4−HBA(大阪有機化学社製)7.1部、IRGACURE184(Ciba製)4.4部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
MCF−350SF(大日本インキ社製)4.2部、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部、紫光UV−7550B(日本合成化学社製)7.9部、UA−122P(新中村化学社製)15.8部、ライトアクリレートDPE−6E(共栄社化学社製)3.9部、アロニックスM−309(東亞合成社製)11.8部、アロニックスM−220(東亞合成社製)7.9部、L−C9A(第一工業製薬社製)16.6部、ACMO(興人社製)7.9部、4−HBA(大阪有機化学社製)11.8部、IRGACURE184(Ciba製)4.4部を加えて均一に混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1において、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部の代わりに、サイリシア350(富士シリシア社製)7.9部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1において、ミズカシルP−802Y(水澤化学社製)7.9部の代わりに、GB−22S(ガンツ化成社製)7.9部を用いた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>
実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>
実施例1において、上記のようにして得られた光硬化性樹脂組成物をロールコーターで、固形分換算で10g/m2塗布する代わりに、固形分換算で3g/m2塗布する以外は、実施例1と同様にして木質建材を製造した。
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
<木質建材の製造>
実施例1において、上記のようにして得られた光硬化性樹脂組成物をロールコーターで、固形分換算で10g/m2塗布する代わりに、固形分換算で100g/m2塗布する以外は、実施例1と同様にして木質建材を製造した。
光沢値:GM−60(コニカミノルタ製)で光沢値の測定を行った。なお、測定条件は、入射角60度、反射角60度とした。
木質感:触手や目視で木材の素材感や風合い感(ザラツキ感の有無など)があるか否かを判定した。
○…木材の素材感や風合い感あり。
×…木材の素材感や風合い感なし。
耐カレー染色性試験:木質基材に被覆された塗膜にカレー粉(ヱスビー製)をお湯で溶いたもの(濃度10%)を滴下し、水分が蒸発しないように時計皿を被せて24時間保持した。24時間後、水洗いし、色差計(CM2600:コニカミノルタ製)を用いて、試験前後の表面のLab値を測定し、色差△Eを算出した。
◎…△E≦1.0
○…1.0<△E≦3.0
×…3.0<△E。
◎…外観異常なし。
○…塗膜に僅かな艶変化があり。
×…塗膜に白化あり。
◎…外観異常なし。
○…塗膜に僅かな艶変化があり。
×…塗膜に白化あり。
耐摺動性試験:1.0kgの荷重で雑巾を往復10万回実施した後の外観の状態を目視で判定した。
◎…外観異常なし。
○…塗膜に僅かな艶変化があり。
×…塗膜に白化、傷あり。
Claims (5)
- 下記式(1)および式(2)で示される構造単位を有し、ラジカル重合性不飽和結合を有するフッ素含有共重合体(A)、微粒化ワックスまたは表面がワックス処理された微粒子シリカ(B)、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光重合性オリゴマー(C)、反応性モノマー(D)、光重合開始剤(E)を含有し、かつ、上記フッ素含有共重合体(A)に占める式(1)および式(2)で示される構造単位の合計量が15〜60重量%である光硬化性樹脂組成物で形成される塗膜で被覆されたことを特徴とする撥水撥油性木質建材。
- 上記フッ素含有共重合体(A)に占める式(1)および式(2)で示される構造単位の合計量が25〜50重量%である光硬化性樹脂組成物で形成される塗膜で被覆された請求項1記載の撥水撥油性木質建材。
- 上記微粒化ワックスまたは表面がワックス処理された微粒子シリカ(B)の平均粒径が1〜20μmである請求項1記載の撥水撥油性木質建材。
- 上記塗膜は光硬化性樹脂組成物が固形分換算で、5g〜40g/m2含有されてなる請求項1記載の撥水撥油性木質建材。
- 上記塗膜の光硬化性樹脂組成物で形成される塗膜の硬化が紫外線の照射により行われたものである請求項1記載の撥水撥油性木質建材。
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