JP2012023317A - 積層型光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の吸収効率が高められた積層型光電変換装置を提供する。
【解決手段】pin接合からなる光電変換ユニットを複数含む積層型光電変換装置であって、光入射側に近い側から第一の光電変換ユニット、n型シリコン複合層、および第二の光電変換ユニットにより順次構成された部分を少なくとも一つ以上含み、前記第一の光電変換ユニットのi型層の光入射側から遠い側にn型層を備え、前期n型層の少なくとも一部がn型シリコン複合層であり、前記n型シリコン複合層はシリコンと酸素の非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含み、40原子%以上60%原子以下の膜中酸素濃度を含み、600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有し、500nmの波長の光に対して0.06以下の消衰係数を有すると共に、20nmより大きく130nmより小さい厚さになるように形成されてなる積層型光電変換装置。
【選択図】 図4

Description

本発明は、薄膜光電変換装置の変換効率の改善に関し、特に光電変換ユニットが複数積層された薄膜光電変換装置の光電変換効率の改善に関するものである。なお、本願明細書における「結晶質」、「微結晶」との用語は、部分的に非晶質を含んでいるものも含んでいるものとする。また、本願明細書における「pin接合」の用語は、基板上への積層順がp型層、i型層、n型層の順番のものと、n型層、i型層、p型層の順番のものいずれも含んでいるものとする。また、本願明細書における「pin接合」の用語は、i型層に対して光入射側に近い層がp型層のものと、光入射側に近い層がn型層のものいずれも含んでいるものとする。
近年、光電変換装置の低コスト化、高効率化を両立するために資源面での問題もほとんど無い薄膜光電変換装置が注目され、開発が精力的に行われている。薄膜光電変換装置は、太陽電池、光センサ、ディスプレイなど、さまざまな用途への応用が期待されている。薄膜光電変換装置の一つである非晶質シリコン光電変換装置は、低温で大面積のガラス基板やステンレス基板上に形成できることから、低コスト化が期待できる。
薄膜光電変換装置は、一般に表面が絶縁性の基板上に順に積層された第一電極、1以上の半導体薄膜光電変換ユニット、及び第二電極とを含んでいる。そして1つの薄膜光電変換ユニットはp型層とn型層でサンドイッチされたi型層からなる。薄膜光電変換ユニットの厚さの大部分は、実質的に真性の半導体層であるi型層によって占められ、光電変換作用は主としてこのi型層内で生じる。従って、光電変換層であるi型層の膜厚は光吸収のためには厚いほうが好ましいが、必要以上に厚くすると、その堆積にコストと時間がかかることになる。
他方、p型やn型の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役目を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜光電変換装置の重要な特性の1つである開放端電圧の値が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換には寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与せず損失となる。したがって、p型とn型の導電型層の膜厚は、十分な拡散電位を生じさせる範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。
ここで、光電変換ユニットまたは薄膜太陽電池は、それに含まれるp型とn型の導電型層が非晶質か結晶質かにかかわらず、その主要部を占めるi型の光電変換層が非晶質のものは非晶質光電変換ユニットまたは非晶質薄膜太陽電池と称され、i型層が結晶質のものは結晶質光電変換ユニットまたは結晶質薄膜太陽電池と称される。
一般に光電変換層に用いられている半導体は、波長が長くなるに従い光吸収係数が小さくなる。特に、光電変換材料が薄膜である場合は、吸収係数の小さな波長領域において十分な光吸収が生じないために、光電変換量が光電変換層の膜厚によって制限されることになる。そこで、光電変換装置内に入射した光が外部に逃げにくい光散乱構造を形成することによって、実質的な光路長を長くし、十分な吸収を得、大きな光電流を発生させ得る工夫がなされている。例えば、光が基板側から入射する場合、光入射側電極として表面型状が凹凸であるテクスチャ透明導電膜が用いられている。
また、薄膜光電変換装置の変換効率を向上させる方法として、2つ以上の光電変換ユニットを積層した積層型光電変換装置にする方法が知られている。この方法においては、光電変換装置の光入射側に大きなバンドギャップを有する光電変換層を含む前方光電変換ユニット(本願では、相対的に光入射側に配置された光電変換ユニットを前方光電変換ユニット、相対的に光入射側から遠い側に配置された光電変換ユニットを後方光電変換ユニットと呼ぶ。)を配置し、その後ろに順に小さなバンドギャップを有する(例えばSi−Ge合金の)光電変換層を含む後方光電変換ユニットを配置することにより、入射光の広い波長範囲にわたって光電変換を可能にし、これによって装置全体としての変換効率の向上が図られている。積層型薄膜光電変換装置の中でも、非晶質光電変換ユニットと結晶質光電変換ユニットを積層したものはハイブリッド型光電変換装置と称される。ハイブリッド型光電変換装置においては、非晶質シリコンが光電変換し得る光の波長は長波長側において800nm程度であるが、結晶質シリコンはそれより長い約1100nm程度までの光を光電変換することが可能であるため、入射光のより広い範囲を有効に光電変換することが可能になる。
ところで、積層型光電変換装置では、各光電変換ユニットが直列に接続されているため、光電変換装置としての短絡電流密度(Jsc)は各光電変換ユニットで発生する電流値のうち最も小さな値で律速される。従って、各光電変換ユニットの電流値は均等であるほど好ましく、さらに電流の絶対値が大きいほど変換効率の向上が期待できる。積層型の薄膜光電変換装置では、積層された複数の薄膜光電変換ユニットの間に光透過性及び光反射性の双方を有し且つ導電性の中間反射層を介在させることがある。この場合、中間反射層に到達した光の一部が反射し、中間反射層よりも光入射側に位置する光電変換ユニット内での光吸収量が増加し、その光電変換ユニットで発生する電流値を増大させることができる。すなわち、見かけ上中間反射層よりも光入射側に位置する光電変換ユニットの実効的な膜厚が増加したことになる。例えば、非晶質シリコン光電変換ユニットと結晶質シリコン光電変換ユニットからなるハイブリッド型光電変換装置に中間反射層を挿入した場合、非晶質シリコン層の膜厚を増やすことなく非晶質シリコン光電変換ユニットによって発生する電流を増加させることができる。もしくは、同一の電流値を得るために必要な非晶質シリコン層の膜厚を薄くできることから、非晶質シリコン層の膜厚増加に応じて顕著となる光劣化による非晶質シリコン光電変換ユニットの特性低下を押さえることが可能となる。
中間反射層は、多結晶のITO、ZnOのような透明導電性金属酸化物層、特にZnOで構成されることが多い。しかしながら、ZnOはスパッタ、スプレーなどの手法で形成されるため、プラズマCVD法等で一般的に形成される半導体薄膜とは別設備を用いる必要があり、設備コストがかかり、生産タクトも長くなるという問題が発生する。さらに、特にZnOの形成にスパッタ法を用いる場合、下地半導体薄膜へのスパッタダメージによる性能低下を引き起こす可能性がある、という問題も発生する。
また、太陽電池の直列抵抗に与える影響を抑制するために、透明導電性金属酸化物層と半導体薄膜と界面で良好なオーミックコンタクトを取る必要がある。このために透明導電性金属酸化物層の暗導電率は、不純物をドープすることや酸化度を変化させることなどによって1.0×10S/cm〜1.0×10S/cmの高い値に調節する必要がある。特にZnOは、非晶質シリコンまたは結晶質シリコンとの界面でオーミックコンタクトを取ることが困難であることが一般に知られている。暗導電率がこの範囲よりも低いと、中間反射層と前方光電変換ユニット、および中間反射層と後方光電変換ユニットとの良好なオーミックコンタクトが取れなくなり、接触抵抗が増加してセルの曲線因子(FF)を低下させ、光電変換装置の特性が悪くなる。逆に、暗導電率がこの範囲より高いと透明導電性金属酸化物層の透過率が低下して短絡電流密度(Jsc)を低下させ、光電変換装置の特性が悪くなる。
ところで、大面積の薄膜光電変換装置は、通常、集積型薄膜光電変換モジュールとして形成される。集積型薄膜光電変換モジュールは、小面積に区切られた光電変換装置である光電変換セルを、複数個、ガラス基板上で相互に直列接続した構造を有している。それぞれの光電変換セルは、一般的には、ガラス基板上への透明電極層、1つ以上の薄膜半導体光電変換ユニット、及び裏面電極層の製膜とパターニングとを順次行うことにより形成されている。
図1は、積層型光電変換装置を複数直列接続した中間反射層のない従来の集積型薄膜光電変換モジュールの例を概略的に示す断面図である。図1に示す集積型薄膜光電変換モジュール101は、ガラス基板102上に、透明電極層103、非晶質シリコン光電ユニットである前方光電変換ユニット104a、結晶質シリコン光電変換ユニットである後方光電変換ユニット104b、及び裏面電極層106を順次積層した構造を有している。
図1に示すように、集積型薄膜光電変換モジュール101には、上記薄膜を分割する第1、第2の分離溝121、122と接続溝123とが設けられている。これら第1、第2の分離溝121、122及び接続溝123は、互いに平行であって、紙面に対して垂直な方向に延在している。なお、隣り合う光電変換セル110間の境界は、第1及び第2の分離溝121,122によって規定されている。
第1の分離溝121は、透明電極層103をそれぞれの光電変換セル110に対応して分割しており、透明電極層103と非晶質シリコン光電変換ユニット104aとの界面に開口を有し且つ透明基板102の表面を底面としている。この第1の分離溝121は、非晶質シリコン光電変換ユニット104aを構成する非晶質によって埋め込まれており、隣り合う透明電極膜103同士を電気的に絶縁している。
第2の分離溝122は、第1の分離溝121から離れた位置に設けられている。第2の分離溝122は、前方光電変換ユニット104a、後方光電変換ユニット104b、及び裏面電極層106をそれぞれの光電変換セル110に対応して分割しており、裏面電極層106の上面に開口を有し且つ透明電極層103と前方光電変換ユニットの界面を底面としている。この第2の分離溝122は、隣り合う光電変換セル110間で裏面電極層106同士を電気的に絶縁している。
接続溝123は、第1の分離溝121と第2の分離溝122との間に設けられている。接続溝123は、前方光電変換ユニット104a、後方光電変換ユニット104bを分割しており、後方光電変換ユニット104bと裏面電極層106との界面に開口を有し且つ透明電極層103と前方光電変換ユニット104aの界面を底面としている。この接続溝123は、裏面電極層106を構成する金属材料で埋め込まれており、隣り合う光電変換セル110の一方の裏面電極層106と他方の透明電極層103とを電気的に接続している。すなわち、接続溝123及びそれを埋め込む金属材料は、ガラス基板102上に並置された光電変換セル110同士を直列接続する役割を担っている。
図2に示すように、単純に、図1の構造に中間反射層として透明導電性金属酸化層を、前方光電変換ユニットと後方光電変換ユニットの間に挿入すると、以下に説明するようにリーク電流の問題が発生し、集積型薄膜光電変換モジュールの特性が著しく低下する。
図2のように、中間反射層105を設けると、接続溝123は、前方光電変換ユニット104a、中間反射層105、後方光電変換ユニット104bを貫通し、この接続溝123に裏面電極層106を構成する材料が埋め込まれる。すなわち、接続溝123に埋め込む金属と中間反射層105とは接触することとなる。
この中間反射層を透明導電性金属酸化層で形成した場合、前述のように1.0×10S/cm〜1.0×10S/cmの高い暗導電率を有しており、中間反射層の中で基板と平行な方向にも容易に電流が流れて、電極層の役割も果たしてしまう。すなわち、中間反射層105、接続溝123、裏面電極層106の電流経路で、後方光電変換ユニット104bが短絡してしまい、大きなリーク電流が流れる。そのため、図2の構造では、後方光電変換ユニットで生じた電力をほとんど取り出すことができない。
(先行例1)
このようなリーク電流の問題は、図3に示す本出願人による特許文献1に記載された新たに第3の分離溝を設けた構造を採用することにより解決され得るものと考えられる。特許文献1において、集積型薄膜光電変換モジュール101には、上記薄膜を分割する第1〜第3の分離溝121,122,124と接続溝123とが設けられている。
第3の分離溝124は、第1の分離溝121と接続溝123との間に設けられている。第3の分離溝124は、前方光電変換ユニット104a及び中間反射層105を分割しており、中間反射層105と後方光電変換ユニット104bとの界面に開口を有し且つ透明電極層103の表面を底面としている。この第3の分離溝124は、薄膜光電変換ユニット104bを構成する結晶質で埋め込まれており、中間反射層105のセル110内に位置する部分を、接続溝123を埋め込む金属などの導電性材料から電気的に絶縁している。なお、第3の分離溝124は、第1の分離溝121が第3の分離溝124と接続溝123との間に位置するように設けられてもよい。但し、図3に示すように、第3の分離溝を第1の分離溝121と接続溝123との間に設けたほうが、発電に有効な面積を広くすることが容易である。
以上説明した図3のモジュール101では、分離溝124が設けられているため、中間反射層105のセル110内に位置する部分と接続溝123を埋め込む金属との間にリーク電流が発生するのを防止することができる。しかしながら、図3の特許文献1の構造は、図1の構造に比べて分離溝が1本増えている。第1から第3の分離溝、あるいは接続溝は、一般にYAGレーザーなどによるパターニングによって行われる。すなわち、特許文献1の構造はパターニングの工程が1回増えることになり、YAGレーザーの台数の増加、またはパターニングのタクト時間が増加し、集積型薄膜光電変換モジュールの装置コスト、製造コストが増大する問題が発生する。
また、図1の構造を作製する場合、前方光電変換ユニット104aと後方光電変換ユニット104bをプラズマCVDで、連続して真空装置中で作製することが可能である。しかし、特許文献1の構造の場合、前方光電変換ユニット104aをプラズマCVDで、中間反射層105をスパッタなどで作製した後、いったん真空装置から取り出して、YAGレーザーでパターニングを行う必要がある。その後、もう1回真空装置に基板を入れて後方光電変換ユニット104bをプラズマCVDで作製する必要がある。したがって、図3の構造の場合、真空装置への搬入、基板の加熱、真空装置からの搬出が1回ずつ増えるので、集積型薄膜光電変換モジュールの製造時間が増加して、製造コストが増加することになる。
また、中間反射層105を作成後に1回大気中に基板を取り出すので、中間反射層105と後方光電変換ユニット104bの界面に大気中不純物が吸着し、集積型薄膜光電変換モジュールの特性の低下、剥離しやすいなど信頼性の低下の問題が発生する場合がある。
さらに、第3の分離溝124を設けたことにより、薄膜光電変換セルの面積ロスが増加するので、中間反射層有りの集積型薄膜光電変換モジュールの特性を十分発揮するに至らない問題がある。
以上から中間反射層を有する集積型薄膜光電変換モジュールのリーク電流の抑制のためには、第3の分離溝を必要とする。しかし、第3の分離溝を必要とするために、パターニングが1回増える、前方光電変換ユニット、中間反射層および後方光電変換ユニットを連続して形成できないので装置コストとタクト時間が増加する、中間反射層と後方光電変換ユニットの界面が大気暴露によって汚染される、面積ロスが増えるなど複数の問題点が有り、モジュールコストの増加と特性低下が起こり、中間反射層の特性を十分発揮できない。
(先行例2)
ところで、SiH、CO、PH、Hを含み、CO/SiH流量比を2以上10以下でガス分解することによって、600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有するn型シリコン複合層を製膜して集積型薄膜光電変換装置の中間反射層に適用する方法が特許文献2に開示されている。
中間反射層は、前方光電変換ユニットの屈折率と中間反射層の屈折率差を利用して前方光電変換ユニットに光を反射させると同時に後方光電変換ユニットにも光を透過させる役割がある。従って中間反射層の光吸収損失は低いほど後方光電変換ユニットへ透過する光が多くなる。
しかしながら、特許文献2に開示されている中間反射層であるn型シリコン複合層については、まだ、改善の余地が残されている。
特開2002−261308 特開2008−300872
本発明は、従来技術が有していた上記の課題を解決し、光電変換特性の優れた積層型薄膜光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明は、「pin接合からなる光電変換ユニットを複数含む積層型光電変換装置であって、該積層型光電変換装置は光入射側に近い側から第一の光電変換ユニット、n型シリコン複合層、および第二の光電変換ユニットにより順次構成された部分を少なくとも一つ以上含み、前記第一の光電変換ユニットのi型層の光入射側から遠い側にn型層を備え、前期n型層の少なくとも一部がn型シリコン複合層であって、前記n型シリコン複合層はシリコンと酸素の非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含み、40原子%以上60%原子以下の膜中酸素濃度を含んでおり、600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有していて、500nmの波長の光に対して0.06以下の消衰係数を有すると共に、20nmより大きく130nmより小さい厚さになるように形成されてなることを特徴とする積層型光電変換装置。」である。
本発明においては、特に、中間反射層であるn型シリコン複合層の光吸収損失に着目した結果、本発明を完成するに至った。本発明のn型シリコン複合層を、シリコンと酸素の非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含み、40原子%以上60%原子以下の膜中酸素濃度を含んでおり、600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有していて、500nmの波長の光に対して0.06以下の消衰係数を有すると共に、20nmより大きく130nmより小さい厚さとすることによって、中間反射層の吸収が低減され、第二の光電変化ユニットへ到達する光が増え出力電流が向上するという優れた効果を発揮する。
本発明は、また、「前記n型シリコン複合層を形成する工程は基板温度が150℃以上250℃以下、かつCOとSiHのガス流量比(CO/SiH)が2以上10以下、HとSiHのガス流量比(H/SiH)が250倍以上、電源周波数が10以上100MHz以下、放電パワー密度が50以上500mW/cm以下、製膜圧力が50以上2000Pa以下のプラズマCVD法であることを特徴とする請求項1記載の積層型光電変換装置の製造方法。」である。
本発明によれば、光入射側に近い側から第一の光電変換ユニット、一導電型のシリコン複合層、第二の光電変換ユニットより順次構成された部分を含む構造の積層型光電変換装置にすることによって、シリコン複合層の前後の界面で光が一部反射され、第一の光電変換ユニットの発電電流を増大すること、あるいは第一の光電変換ユニットのi形層の膜厚を薄くして同等の発電電流を発生させることができ、かつシリコン複合層の光吸収損失が低いため、第二の光電変換ユニットの発電電流を更に向上させることが出来る。
また、一導電型のシリコン複合層は、光電変換ユニットと同様にプラズマCVDで作製可能であるので、同様の装置で第一の光電変換ユニット、一導電型シリコン複合層、第二の光電変換ユニットを作製可能となる。したがって、従来の導電性酸化金属層の中間反射層で必要だった製膜のための別方式の設備が不要となり、装置コストを低減できる。あるいは、タクトタイムの短縮によって製造コストが低減できる。
さらに、シリコン複合層が第一の光電変換ユニットのn型層の一部を兼用することによって、反射効果によって第一の光電変換ユニットの発電電流を増大すると同時に、光吸収損失を低減して第二の光電変換ユニットの発電電流をも増大することが可能なり、積層型光電変換装置の変換効率が向上する。
従来技術の集積型薄膜光電変換モジュール1。 従来技術の集積型薄膜光電変換モジュール2。 従来技術の集積型薄膜光電変換モジュール3。 積層型光電変換装置。 比較例および実施例の集積型薄膜光電変換モジュール。 n型シリコン複合層製膜時のH/SiH流量比と消衰係数(500nm)の関係。 n型シリコン複合層の消衰係数(500nm)とモジュールIscの関係。
図4に、本発明の実施形態による積層型光電変換装置の断面図を示す。以下、図4を用いて本発明を詳細に説明する。透明基板であるガラス基板1上に、透明電極層2、第一の光電変換ユニット3として非晶質シリコン光電変換ユニット、一導電型のシリコン複合層層4、第二の光電変換ユニット5として結晶質シリコン光電変換ユニット、および裏面電極層6を形成している。
本発明において使用される透明基板には、図4のガラス以外にも透明樹脂フィルム等が用いられるが、光電変換層へより多くの太陽光を透過し吸収させるために、できるだけ透明であることが好ましい。同様の意図から、太陽光が入射する基板表面での光反射ロスを低減させるために、無反射コーティングを行うと、高効率化が図れる。
光入射側の電極である透明電極層2としては、透明導電性酸化物(TCO)が用いられ、そのTCOを構成する材料としては、酸化錫(SnO)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)などが使用できるが、特にSnOが好ましい。また、透明電極層2の光電変換ユニット側の界面に200〜900nmのピッチを有する凹凸が形成されていることが好ましく、この為に構成材料が200〜900nmの粒径で透明電極層2を形成していることが好ましい。(但し、ここで言う“ピッチを有する”とは、特定の値のピッチで規則正しく繰り返していることだけを示すのでなく、値を変えながらランダムに変化しているものを含むものとする。)
光電変換ユニットは図示した様に2つでもよいが、3つ以上積層してもよい。また、3つ以上の光電変換ユニットを積層した場合、一導電型のシリコン複合層4は各光電変換ユニット間に形成してもよいが、1層でもよい(1層以上であれば、任意の数が可能である)。
光電変換ユニットとしては、一導電型層、実質的に真性な光電変換層であるi型層および逆導電型層から構成したものが使用できる。一導電型層はp型層でもn型層でもよく、これに対応して逆導電型層はn型層またはp型層になる。ただし、光電変換装置では通常は光の入射側にp型層が配置されるので、図4の構造では一般的に一導電型層31、51はp型層、逆導電型層33、53はn型層である。p型層やn型層の導電型層は光電変換ユニット内に拡散電位を生じさせる役割を果たし、この拡散電位の大きさによって薄膜光電変換装置の特性の一つである開放端電圧(Voc)が左右される。しかし、これらの導電型層は光電変換には寄与しない不活性な層であり、導電型層にドープされた不純物によって吸収される光は発電に寄与しない。従って、p型層やn型層の導電型層の膜厚は、十分な拡散電位を生じさせる範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。i型層32、52は光を吸収し光電変換する役割を担うため、組合せる複数の光電変換ユニットは、真性光電変換層のバンドギャップが異なる組合せ、すなわち光の吸収波長領域の異なる材料の組合せであることが好ましく、全体として太陽光の主波長域(400〜1200nm)に吸収を有するものが好ましい。例えば、非晶質シリコン薄膜と非晶質シリコンゲルマニウム薄膜の組合せ、非晶質シリコン薄膜と結晶質シリコン薄膜の組合せ等が挙げられる。
図4の前方光電変換ユニット、すなわち第一の光電変換ユニット3として非晶質シリコン薄膜光電変換ユニットが形成される場合は、nipの順に積層することも可能であるが、図4のようにpinの順にプラズマCVD法により各半導体層を積層して形成されているほうが、変換効率がより高くなるので好ましい。この場合、例えば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型非晶質炭化シリコン層31、光電変換層となるi型非晶質シリコン層32、および導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層33をこの順に堆積すればよい。しかし、これら各層は上記に限定されず、例えばp型層は非晶質シリコン、微結晶シリコン、非晶質シリコンナイトライドを用いても良い。また、n型層に非晶質シリコンを用いても良い。なお、導電型(p型、n型)層の膜厚は3nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がさらに好ましい。
本発明の特徴となる一導電型のシリコン複合層4は、シリコン複合層4に到達した光の一部をシリコン複合層4よりも光入射側に位置する前方光電変換ユニット3へ反射させ、残りの光を後方光電変換ユニット5へ透過させる。光電変換層にシリコン系の材料を用いる場合は、光電変換層の600nmの光に対する屈折率が約4であるため、シリコン複合層4の屈折率は1.7以上2.5以下の範囲が好ましい。また、シリコン複合層4を介して電流が流れるため、シリコン複合層4は暗導電率が10−8S/cm以上10−1S/cm以下であることが好ましい。
前方光電変換ユニット3、シリコン複合層4は、後方光電変換ユニット5は、大気中に取り出すことなく、連続して形成することが好ましい。ここで、大気中に取り出すことなくとは、表面の汚染が防止できる環境に維持することを意味し、これが達成できるのであれば各種方法が可能である。
このような積層型光電変換装置に適用したシリコン複合層4の膜厚や形状は、断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)で測定することができる。
また、積層型光電変換装置のシリコン複合層中の酸素濃度、P濃度あるいはB濃度は既知の分析方法で検知可能である。例えば、ウェットエッチング、プラズマエッチング、イオンスパッタリングなどで検知する深さを変化させながら、SIMS、ESCA、EPMA、オージェ電子分光法などで組成を分析可能である。
さらに、積層型光電変換装置のシリコン複合層の屈折率は、裏面電極層をHClなどの酸で除去し、ウェットエッチング、プラズマエッチング、イオンスパッタリングなどでシリコン複合層を露出させて、分光エリプソメトリを測定することによって検知可能である。また、シリコン複合層の有無の判定は、ガラス基板から入射した光の反射率の差異でも簡便に検知することが可能である。
シリコン複合層4の上に第二の光電変換ユニット5として、例えば結晶質シリコン光電変換ユニットが形成される場合も、pin型の順にプラズマCVD法によって下地温度400℃以下の低温で形成することが好ましい。真性光電変換層52である結晶質シリコン系光電変換層は低温で形成することにより、結晶粒界や粒内における欠陥を終端させて不活性化させる水素原子を多く含ませることが好ましい。具体的には、光電変換層52の水素含有量は1〜30原子%の範囲内にあるのが好ましい。また、この層は、導電型決定不純物原子の密度が1×1018cm−3以下である実質的に真性半導体である薄膜として形成されることが好ましい。さらに、真性結晶質シリコン層に含まれる結晶粒の多くは、前面電極側から柱状に延びて成長しており、その膜面に平行に(110)の優先配向面を有することが好ましい。なぜなら、このような結晶配向を有する結晶質シリコン薄膜は、透明電極2の表面が実質的に平坦である場合でも、その上に堆積される光電変換ユニットの表面は微細な凹凸を含む表面テクスチャ構造を示す。従って、透明電極2の表面が凹凸を含む表面テクスチャ構造を有する場合、光電変換ユニットの表面は、透明電極2の表面に比べて凹凸の粒径の小さなテクスチャ構造が生じるため、広範囲の波長領域の光を反射させるのに適した光閉じ込め効果の大きな構造となるからである。また、真性結晶質シリコン層の膜厚は0.1μm以上10μm以下が好ましい。ただし、薄膜光電変換ユニットとしては、太陽光の主波長域(400〜1200nm)に吸収を有するものが好ましいため、真性結晶質シリコン層に代えて、合金材料である非晶質シリコンゲルマニウム層(例えば30原子%以下のゲルマニウムを含有する非晶質シリコンからなる非晶質シリコンゲルマニウム層)あるいは結晶質シリコンゲルマニウムを形成してもよい。
ところで、結晶質シリコン光電変換ユニットのp型結晶質シリコンの膜厚は3nmから25nmの範囲あることが好ましい。p型結晶質シリコンの膜厚が3nmよりも小さい場合は、p層としての働き、すなわち光照射により結晶質i型シリコン光電変換層内部で発生したキャリアを外部に取り出すために十分な内部電界を発生させることができない。また25nmよりも大きい場合は、p層自体の光吸収ロスが大きくなる。n型結晶質シリコンの膜厚は、p型結晶質シリコンの場合と同様に3nmから20nmの範囲にあることが好ましい。
裏面電極層6としては、Al、Ag、Au、Cu、PtおよびCrから選ばれる少なくとも一つの材料からなる少なくとも一層の金属層をスパッタ法または蒸着法により形成することが好ましい。また、光電変換ユニットと金属電極との間に、ITO、SnO、ZnO等の導電性酸化物からなる層を形成しても構わない(図示せず)。
例えば、裏面電極6は、10nmから150nmの厚みのZnOと、30nmから500nmの厚みの銀膜とを、この順に形成した複層膜とすることが好ましい。ZnOが10nmより薄い場合には結晶質シリコン光電変換ユニットと銀膜の密着性が悪くなり、逆に150nmより厚い場合はZnO自体の光吸収が大きくなり、光電変換装置特性を下げる要因となる。銀膜は、結晶質シリコン光電変換ユニットで吸収しにくい長波長側の光を反射し、再び結晶質シリコン光電変換ユニットに入射させる働きがある。銀膜の膜厚が30nm以下の場合には反射層としての効果が激減し、また500nm以上の場合には製造コストの増加に繋がる。
図4の例では透明基板を用いる実施形態を示したが、不透明基板上に、裏面電極層、後方光電変換ユニット、シリコン複合層、前方光電変換ユニット、透明電極層を順次積層した構成の積層型光電変換装置でも同様に前方光電変換ユニットの発電電流を増加させて変換効率を向上することができる。ただし、この場合は、後方光電変換ユニット、前方光電変換ユニットともにnip型層の順で積層することが好ましい。
なお、消衰係数は、例えば素ガラス上にn型シリコン複合層を厚み20nmから130nm程度製膜された形態のサンプルを用いて、分光エリプソメトリ法によって、測定することができる。例えば、J.A.Woolam社製のVASE(多入射角分光エリプソメータ)によって、測定することが可能である。以下に示す実施例では上記手法を用いてn型シリコン複合層の消衰係数を求めた。
これまで、結晶質シリコン光電変換ユニットの結晶質i型シリコン光電変換層においては、そのi型層製膜時のHとSiHのガス流量比(H/SiH)を高めるような・高水素希釈により結晶性が向上し、500倍までの水素希釈倍率を示す特許文献(特開2000−252489)は、有る。しかしながら、n型シリコン複合層は、以下の理由により、n型製膜時のHとSiHのガス流量比(H/SiH)を高めることには、以下の阻害要因が有った。すなわち、n型シリコン複合層は、第一の光電変換ユニットと第二の光電変換ユニットとを直列接続するに必要な導電性が得られる程度の結晶性を有していればよく、必要以上に水素希釈倍率を高めると製膜速度が下がり生産性の低下を招くことになる。これを示すかのように、200倍以上の水素希釈倍率でn型シリコン複合層を形成するという特許文献や、n型シリコン複合層を高水素希釈条件で形成することで光吸収損失が低減されるという概念の特許文献も無かった。
以下、本発明による実施例と、従来技術による比較例に基づいて詳細に説明する。各図において同様の部材には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明はその趣旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
積層型光電変換装置について従来技術による比較例1および本発明による実施例1〜3の積層型光電変換装置の特性を表1にまとめて示す。表1のIsc、Voc、FFおよびPmaxは比較例1の値で規格化して記載した。
なお、Iscは短絡電流であり、Vocは開放端電圧であり、FFは曲線因子(フィルファクター)であり、Pmaxは最大出力である。
Figure 2012023317
(比較例)
比較例として、図5に示すような積層型光電変換装置を作製した。厚み5mm、1200mm×998mmサイズのガラス基板102上に、透明電極層103として厚さ800nmのピラミッド状SnO膜を熱CVD法にて形成した。得られた透明電極層103のシート抵抗は12Ω/□であった。またC光源で測定したヘイズ率は12%であり、凹凸深さdは約100nmであった。この透明電極層103の上に、プラズマCVDを用いて、厚さ15nmのp型非晶質炭化シリコン層、厚さ0.3μmのi型非晶質シリコン層からなる前方光電変換ユニット104aと厚さ60nmのn型シリコン複合層107を形成し、続けて厚さ15nmのp型微結晶シリコン層、厚さ2.2μmのi型結晶質シリコン層、厚さ15nmのシリコン複合層、および厚さ8nmのn型微結晶シリコン層からなる後方光電変換ユニット104bを順次形成した。その後、裏面電極層106として厚さ90nmのAlドープされたZnOと厚さ300nmのAgをスパッタ法にて順次形成した。YAGレーザを用いたパターニングによって分割することにより53段直列接続が2並列繋がったモジュールを作製した。n型シリコン複合層107製膜時のガスの流量比はSiH/CO/PH/H=1.00/3.38/0.066/188である。電源周波数は27MHz、パワー密度268mW/cm、圧力750Pa、基板温度200℃で製膜した。このときn型シリコン複合層の屈折率は波長600nmの光に対して2.14、消衰係数は波長500nmの光に対して0.064であった。
(実施例1)
実施例1として、図5に示すような積層型光電変換装置を作製した。比較例1と異なるのはn型シリコン複合層107製膜時のガスの流量比はSiH/CO/PH/H=1.00/3.43/0.057/300で、電源周波数は27MHz、パワー密度321mW/cm、圧力750Pa、基板温度200℃で製膜したことである。このときn型シリコン複合層の屈折率は波長600nmの光に対して1.97、消衰係数は波長500nmの光に対して0.027であった。
(実施例2)
実施例2として、図5に示すような積層型光電変換装置を作製した。比較例1と異なるのはn型シリコン複合層107製膜時のガスの流量比はSiH/CO/PH/H=1.00/3.00/0.067/350で、電源周波数は27MHz、パワー密度321mW/cm、圧力750Pa、基板温度200℃で製膜したことである。このときn型シリコン複合層の屈折率は波長600nmの光に対して1.94、消衰係数は波長500nmの光に対して0.011であった。
(実施例3)
実施例3として、図5に示すような積層型光電変換装置を作製した。比較例1と異なるのはn型シリコン複合層107製膜時のガスの流量比はSiH/CO/PH/H=1.00/2.72/0.034/405で、電源周波数は13.56MHz、パワー密度167mW/cm、圧力850Pa、基板温度180℃で製膜したことである。このときn型シリコン複合層の屈折率は波長600nmの光に対して2.07、消衰係数は波長500nmの光に対して0.005であった。
比較例及び実施例1〜3において得られた積層型光電変換装置にAM1.5の光を100mW/cmの光量で照射して25℃で光電変換特性を測定した。
比較例のJscを1とした場合の実施例1のJscは1.010となり比較例に比べ高い出力電流が得られ、比較例のPmaxを1とした場合の実施例1のPmaxは1.012と、Pmaxが向上した。
比較例のJscを1とした場合の実施例2のJscは1.020となり比較例に比べ高い出力電流が得られ、比較例のPmaxを1とした場合の実施例2のPmaxは1.018と、Pmaxが向上した。
比較例のJscを1とした場合の実施例2のJscは1.030となり比較例に比べ高い出力電流が得られ、比較例のPmaxを1とした場合の実施例2のPmaxは1.030と、Pmaxが向上した。
n型シリコン複合層製膜時のH/SiH流量比と波長500nmでの消衰係数の関係を図6に示す。これよりH/SiH流量比が高いほど消衰係数が低下し、n型シリコン複合層の光吸収損失が減少することが分かる。
また、比較例と実施例1〜3において、波長500nmでの消衰係数とモジュールのIscの関係を図7にまとめる。
以上より、本発明における低光吸収n型シリコン複合層によりPmaxを向上させることが出来た。
1 ガラス基板、
2 透明電極層、
3 前方(第一の)光電変換ユニット、
31 p型非晶質炭化シリコン層、
32 i型非晶質シリコン層、
33 n型微結晶シリコン層、
34 第一n型層であるn型シリコン複合層、
35 第二n型層であるn型微結晶シリコン層、
36 第一n型層であるn型微結晶シリコン層、
37 第二n型層であるn型シリコン複合層、
38 第三n型層であるn型微結晶シリコン層、
39 n型非晶質酸化シリコン層、
4 n型シリコン複合層、
5 後方(第二の)光電変換ユニット、
51 p型微結晶シリコン層、
52 i型結晶質シリコン層、
53 n型微結晶シリコン層、
6 裏面電極層、
101 集積型薄膜光電変換モジュール、
102 ガラス基板、
103 透明電極層、
104a 前方(第一)光電変換ユニット、
104b 後方(第二)光電変換ユニット、
105 ZnOの中間反射層、
106 裏面電極層、
107 n型シリコン複合層、
121 第一の分離溝、
122 第二の分離溝、
123 接続溝、
124 第三の分離溝

Claims (2)

  1. pin接合からなる光電変換ユニットを複数含む積層型光電変換装置であって、該積層型光電変換装置は光入射側に近い側から第一の光電変換ユニット、n型シリコン複合層、および第二の光電変換ユニットにより順次構成された部分を少なくとも一つ以上含み、前記第一の光電変換ユニットのi型層の光入射側から遠い側にn型層を備え、前期n型層の少なくとも一部がn型シリコン複合層であって、前記n型シリコン複合層はシリコンと酸素の非晶質合金母相中に分散したシリコン結晶相を含み、40原子%以上60%原子以下の膜中酸素濃度を含んでおり、600nmの波長の光に対して1.7以上2.1以下の屈折率を有していて、500nmの波長の光に対して0.06以下の消衰係数を有すると共に、20nmより大きく130nmより小さい厚さになるように形成されてなることを特徴とする積層型光電変換装置。
  2. 前記n型シリコン複合層を形成する工程は基板温度が150℃以上250℃以下、かつCOとSiHのガス流量比(CO/SiH)が2以上10以下、HとSiHのガス流量比(H/SiH)が250倍以上、電源周波数が10以上100MHz以下、放電パワー密度が50以上500mW/cm以下、製膜圧力が50以上2000Pa以下のプラズマCVD法であることを特徴とする請求項1記載の積層型光電変換装置の製造方法。
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