JP2012022746A - 円盤状基板の製造方法および円盤状基板の保持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス基板の主表面を研削する研削工程と、ガラス基板の少なくとも外周端面を研削する端面研削工程と、研削工程および端面研削工程を経たガラス基板の主表面および外周端面を共に研磨する研磨工程と、を有し、研磨工程は、孔部34と孔部34の内周端面にガラス基板の外周端面を研磨するブラシ部36とを有する保持具30Bの孔部34にガラス基板を保持して研磨を行なうことを特徴とする円盤状基板の製造方法。
【選択図】図5
Description
また特許文献2には、円盤状のガラス基板を積層して円柱を構成し、ガラス基板の端面に回転ブラシを接触させ、研磨液を供給しながらガラス基板と回転ブラシを各々平行な軸心で同方向に回転させてガラス基板の端面の研磨を行う工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、研磨液温度制御手段を備え、研磨液の温度を調節しながら研磨を行うことが開示されている。
本発明は、円盤状基板の外周研磨を行なう工程を別途設ける必要がない、または別途設ける必要がある場合でもその研磨時間を短縮でき、円盤状基板の生産性を向上させることができると共に円盤状基板の製造費用を低減させることができる円盤状基板の製造方法等を提供することを目的とする。
また端面研削工程は、円盤状基板の外周端面を研削すると共に外周端面の面取りを更に行ない、研磨工程は、保持具を回転動作させることで円盤状基板の外周端面を研磨すると共に端面研削工程で面取りした部分の研磨を更に行なうことが好ましい。
図1−1(a)〜(c)、図1−2(d)〜(f)、図1−3(g)〜(h)は、本実施の形態が適用される円盤状基板の製造工程を示した図である。
図1−1(a)は1次ラップ工程を示している。この工程でまず、研削機(研削装置、ラッピングマシン)40により1回目の研削(ラッピング)を行い、円盤状基板の一例としてのガラス基板(ワーク)10の主表面11を平滑に研削する。なおここで主表面11とは、例えばガラス基板10を情報記録媒体として使用した場合、その表面のうち情報記録層を形成することになる面であり、ガラス基板10の表面の中で内周端面および外周端面を除く面である。
ここで図2は、研削機40の構造を説明した図である。
図2に示した研削機40は、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研削を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。
ここで、下定盤21aの外周部には歯部42が設けられ、下定盤21aの中央部には太陽歯車44が設けられている、さらに下定盤21aには、研削が行われる際にガラス基板10を位置決めする円盤状の保持具(キャリア)30Aが設置されている。
保持具30Aは、図2に示す研削機40では、5個設置されている。保持具30Aの外周部には歯部32が備えられ、下定盤21aの歯部42および太陽歯車44の双方に噛合している。また下定盤21aおよび上定盤21bには、これらを回転動作させるための回転軸46a,46bがそれぞれ中心部に設置されている。
図3は、研削機40で使用する保持具30Aを更に詳しく説明した図である。図3に示した保持具30Aには、上述の通り、外周部に歯部32が備えられている。また、研削を行う際にガラス基板10が内部に保持される円形形状の孔部34が複数開けられている。この孔部34の直径は、ガラス基板10の直径よりわずかに大きく開けられる。このようにすることで、研削を行う際にガラス基板10の外周端面の一部に余分な応力がかかるのを抑制することができるため、ガラス基板10の外周端面が損傷しにくくなる。本実施の形態において、孔部34の直径はガラス基板10の直径より、例えば、約1mm大きくなっている。また孔部34は、ほぼ等間隔で並んでおり、本実施の形態の場合、孔部34は、例えば、35個開けられている。
この際の研削機40の動作を図2を用いて説明する。研削機40を稼働する際には、図の上方の回転軸46bを一方向に回転させ、上定盤21bを、同様な一方向に回転させる。また、図の下方の回転軸46aを、回転軸46bの回転とは逆方向に回転させ、下定盤21aを回転軸46aと同様な方向に回転させる。これにより下定盤21aの歯部42も回転軸46aと同様な方向に回転する。また中央部の太陽歯車44も、回転軸46aと同様な方向に回転する。
このように上定盤21b、下定盤21a、太陽歯車44を回転動作させることにより、これらの歯車に噛み合う保持具30Aは回転動作を行なう。この回転動作は、自転運動と、公転運動が組み合わされたいわゆる遊星運動である。そして同様に、保持具30Aにはめ込まれたガラス基板10も遊星運動を行う。このようにすることによりガラス基板10の主表面11の研削をより精度よく、また迅速に行うことができる。
図1−1(b)は内外周研削工程を示している。この工程では、ガラス基板10の開孔12の内周端面および外周13の外周端面の荒削りである研削を行う。また本実施の形態では、内周端面と外周端面の研削を同時に行う。具体的には、ガラス基板10の中心に設けられた内周端面を内周砥石22によって研削し、ガラス基板10の外周端面を外周砥石23によって研削する。このとき、内周砥石22と外周砥石23でガラス基板10の内周端面と外周端面を挟み込んで同時加工する。これにより内径と外径の同心度を確保し易くすることができる。
本実施の形態において、内周砥石22および外周砥石23は、波状の表面を有している。そのため、ガラス基板10の開孔12の内周端面および外周13の外周端面を研削することができるだけでなく、内周端面および外周端面の面取りを併せて行うことが可能となる。
なお本実施の形態において、内外周研削工程は、ガラス基板10の少なくとも外周端面を研削する端面研削工程として把握することができる。
図1−1(c)は内周研磨工程を示している。この工程では、図1−1(b)に示した内外周研削工程において、荒削りである研削を行ったガラス基板10の開孔12の内周端面を更に平滑にする研磨を行う。
具体的には、まずガラス基板10を積層し、図示しないホルダにセットする。そして、このホルダにセットされたガラス基板10の開孔12の中心にブラシ24を挿入する。そして研磨液をガラス基板10の開孔12に流し込みながら、ブラシ24を高速で回転させることで、ガラス基板10の内周端面を研磨する。本実施の形態では、研磨に際してブラシ24を使用しているので、ガラス基板10の内周端面を研磨すると共に、上述した内外周研削工程において行った内周端面の面取りした部分も同様に研磨することができる。なお研磨液としては、例えば酸化セリウム砥粒を水に分散してスラリー化したものを用いることができる。
図1−2(d)は2次ラップ工程を示している。この工程では、図1−1(a)に示した1次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の主表面11を再度研削を行うことにより更に平滑に研削する。
2次ラップ工程において、研削を行う装置としては、図1−1(a)に示した研削機40を使用することができる。また研削の方法、条件等は、図1−1(a)で説明した場合と同様に行うことができる。なお本実施の形態において、1次ラップ工程および2次ラップ工程は、ガラス基板10の主表面11を研削する研削工程として把握することができる。
図1−2(e)は、研磨工程の一例としての1次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(d)に示した2次ラップ工程において、研削を行ったガラス基板10の主表面11を、研磨機(研磨装置、ポリッシングマシン)50を用いて研磨(ポリッシング)を行うことで研磨し、更に平滑度を上げていく。この研磨機50は、上述した研削機40とほぼ同様な構成を有する。即ち、ガラス基板10を載置する下定盤21aと、ガラス基板10を上部から押えつけ研磨を行うために必要な圧力を加えるための上定盤21bとを備えている。そして研磨機50の下定盤21aに詳しくは後述する保持具30Bを利用してガラス基板10を載置し、一対の定盤である上定盤21bおよび下定盤21aによりガラス基板10の主表面11を挟持する。そして、上定盤21b、下定盤21a、および太陽歯車44を回転動作させると共に保持具30Bを回転動作させることでガラス基板10の研磨を行なう。ただし、研磨を行うに際し、例えばウレタンにより形成された硬質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒等を水に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なう点で相違点を有する。
また本実施の形態において使用する保持具30Bは、1次ラップ工程および2次ラップ工程で使用した保持具30Aに対し、以下の点で相違点を有する。
図5(a)で示すように保持具30Bは、図3で説明した保持具30Aとほぼ同様の構成を有する。即ち、外周部に保持具30Bを回転動作させるための歯部32が備えられている。また、研磨を行う際にガラス基板10を保持するための円形形状の孔部34が複数開けられている。更に保持具30Bの全体の寸法、歯部32や孔部34の寸法や数、保持具30Bの材質は、図3で説明した保持具30Aと同様である。
しかしながら保持具30Bは、図5(b)で示すように孔部34の内周端面にガラス基板10の外周端面を研磨するための端面研磨手段の一例としてのブラシ部36を備える点で保持具30Aとは異なっている。このブラシ部36は、複数本のブラシ毛材を備える。このブラシ毛材としては、例えば、材質がナイロン(デュポン社の商品名)からなるものを用い、これを孔部34の内周端面に埋め込むことによりブラシ部36を形成することができる。
なおガラス基板10の種類によっては、この1次ポリッシュ行程において、ガラス基板10の外周端面を研磨するだけでは、研磨が不十分である場合がある。この場合は、外周研磨工程を別途設けることが必要となる。ただしこの場合でも、外周研磨工程における研磨時間を短縮することができる。そのため円盤状基板の生産性を向上させることができると共に円盤状基板の製造費用を低減させることができる。
図1−2(f)は、研磨工程の一例としての2次ポリッシュ工程を示している。この工程では、図1−2(e)に示した1次ポリッシュ工程において、研磨を行ったガラス基板10の主表面11を、精密研磨を行うことで更に研磨し、主表面11の最終的な仕上げを行う。
本実施の形態において、この研磨を行うに際し、例えばスエード状の軟質研磨布を用い、酸化セリウム砥粒若しくはコロイダルシリカ等を水等の分散媒に分散してスラリー化した研磨液を使用して行なうことができる。なおこの工程においても上述した保持具30Bを使用して、ガラス基板10の主表面11を研磨すると共にガラス基板10の外周端面を研磨してもよい。
図1−3(g)は最終洗浄・検査工程を示している。最終洗浄では、上述した一連の工程において、使用した研磨剤等の汚れの除去を行う。洗浄には超音波を併用した洗剤(薬品)による化学的洗浄などの方法を用いることができる。
また、検査工程においては、例えばレーザを用いた光学式検査器により、ガラス基板10の表面の傷やひずみの有無等の検査が行われる。
図1−3(h)は梱包工程を示している。梱包工程では、上記の検査工程において予め定められた品質基準に合格したガラス基板10の梱包が行なわれ、ガラス基板10の梱包体90となる。そして梱包体90は、磁気記録媒体(磁気ディスク)を製造する箇所まで輸送される。この梱包は、輸送の際にガラス基板10への塵埃等の異物の付着や表面の状態変化を抑制するために行なわれる。
Claims (5)
- 円盤状基板の主表面を研削する研削工程と、
前記円盤状基板の少なくとも外周端面を研削する端面研削工程と、
前記研削工程および前記端面研削工程を経た前記円盤状基板の前記主表面および前記外周端面を共に研磨する研磨工程と、を有し、
前記研磨工程は、孔部と当該孔部の内周端面に前記円盤状基板の外周端面を研磨する端面研磨手段とを有する保持具の当該孔部に当該円盤状基板を保持して研磨を行なうことを特徴とする円盤状基板の製造方法。 - 前記研磨工程は、前記円盤状基板の前記主表面を挟持する一対の定盤を回転動作させることで当該主表面を研磨すると共に、前記保持具を回転動作させることで当該円盤状基板の前記外周端面を研磨することを特徴とする請求項1に記載の円盤状基板の製造方法。
- 前記端面研削工程は、前記円盤状基板の前記外周端面を研削すると共に当該外周端面の面取りを更に行ない、
前記研磨工程は、前記保持具を回転動作させることで前記円盤状基板の前記外周端面を研磨すると共に前記端面研削工程で面取りした部分の研磨を更に行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の円盤状基板の製造方法。 - 円盤状基板の研磨を行なうために使用される円盤状基板の保持具であって、
前記円盤状基板を保持するための孔部と、
外周部に前記保持具を回転動作させるための歯部と、を有し、
前記孔部は、内周端面に前記円盤状基板の外周端面を研磨するための端面研磨手段を備えることを特徴とする円盤状基板の保持具。 - 前記端面研磨手段は、複数本のブラシ毛材を備えることを特徴とする請求項4に記載の円盤状基板の保持具。
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