JP2012020305A - 薄型小断面積異形条の矯正方法及び矯正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向の板厚が異なる小断面異形条において、異形条の局部的な形状変形の発生を抑え、更に異形条表面の微細な凹凸を付けることなく連続して、残留ひずみの均一化を図る矯正が可能な方法及び装置を提供する。
【解決手段】異形条の引張り矯正方法において、最大引張り荷重が掛かるロール間では、ロールと接する異形条は平面側とし、異形条の凸面側と接触するロール表面には、ロール軸方向及び円周方向に無数のスリットを入れたことにより、ロール表面が若干変形することで、異形条の段差分を吸収し、ロールとの接触面積を増やすことで、異形条の局部的変形を抑える。異形条をロールに押し付ける押し付けロール及びラッパーを設けることで、ロールと異形条の間のスリップを防止し、異形条の局部的変形を効果的に抑える。
【選択図】図7

Description

本発明は、異形断面条材の矯正方法に係り、特に薄型小断面積異形条の連続矯正及び矯正装置に関する。
異形断面条材は、パワートランジスター、及びIC用リードフレーム材等に使用されており、幅方向に沿って厚さが異なる薄板部と厚板部とからなる断面形状を有し、その断面形状が長手方向に一様に連続するように形成されている。例えば図1の形状A〜Cに示すように、異形断面条材7の幅方向に1箇所または2箇所以上に厚板部(凸部)8と、薄板部9を有している。
異形断面条は、前述のようにパワートランジスターやIC用リードフレームに使用するため、打ち抜きプレス加工でチップ取り付け部やリード部が形成される。局部的な変形があると、この打ち抜きプレス加工に支障をきたす。また、異形条の残留応力状態によっては、打ち抜きプレス後にねじれ、そりなどの変形が発生し、リードフレーム材として使用できない場合が生じる。そのため、局部変形や残留応力のバランス改善のため、矯正を行い、打ち抜きプレスへの障害除去および、プレス後の変形発生の抑制を行っている。
一般的な異形断面条材の矯正方法としては、図2(a)に示すようなブライドルロール方式がある。図2(a)に示すように複数本で構成したブライドルロール2〜5に条材を巻きつけ、張力を与えることで矯正を行う方法である。図2(a)においてロール4、5が条材を引っ張るように作用し、ロール2、3がロール4、5に対してブレーキの働きをすることで、ロール3、4間で条材に引張り張力を付加し、矯正を行う。ロールと接する面が図2(b)のような異形条の平面側の場合、ロール2、3、4、5に接触しても著しい変形は発生し難い。しかし、図2(c)のように異形条の厚板部(凸部)がロール2、3、4、5に接する場合、形状変形が発生し易くなる。
図3(a)は、正常な状態の異形条を示す。図3(b)は矯正により生じる異形条の形状変形の例である。図3(b)に示すように薄板部9の平坦度が悪くなり、局部的に反り返った形状となる。特に図2(c)のように異形条の厚板部がロールに押し付けられることにより、局部的な反りが発生し、不良となる問題があった。
また、図4に示すように、千鳥状に配置したロールに異形条7を挿通させ、繰り返し曲げを与え、矯正する方法もある。しかし、外観上は平坦度が向上し、矯正された材料でも内部ひずみ評価では改善の効果が少なく、打ち抜きプレスなどの後工程で材料変形が発生するという問題がある。
他の矯正方法として、図5に示すクランプ式の引張り矯正がある。図5に示すように、所定の間隔を有して設けたクランプ部51、52、53、54により条材7をクランプし、条材7の長手方向(図中では左右方向)に引張り、その後、条材7を一方向に一定量送行させ、その後再度クランプし、引張りを繰り返す方法である。しかしながら、この直線的な引張を間欠的に行う方法では、引張りと条材7の送りを交互に繰り返さなければならず、加工効率が低いことが問題となる。
加工効率向上のために、クランプ間の距離を長くすることも考えられるが、矯正を施す前の条材7に、幅方向(図中では左右方向)のゆがみが無い場合は良いものの、幅方向のゆがみを有している場合(図示せず)、クランプされた部分に図3(b)に示したような局部的な反りが生じる。異形条7の矯正工程の次工程には、プレス加工などが施されるため、この局部的な反りがプレス加工などの障害となる。そのため、クランプ間距離を長くすることは、難しく、加工効率が向上し難いという問題があった。
この問題を解決するための解決方法として、特許文献1に連続矯正方法が記載されている。この矯正方法に使用する矯正装置は、図6に示すように異形条7を供給するための送り出し機1と、異形条7を巻取るための巻き取り機6と、引張矯正を行うための少なくとも2台以上(図中では2台)のキャタピラ形状の無限軌道帯式引出装置42で構成されるものである。各引出装置42a、42bに連続した異形条7を挿通すると共に、各引出装置42a、42bの送り速度に速度差をもたせることで矯正のための引張力を付与し、異形条7を矯正する。各引出装置42a、42bの送り速度を適宜コントロールすることにより、引張力を増減することができ、また、常に一定の引張力での連続矯正を高速に行うことを可能にしている。
特開平11−47863号公報
最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向の板厚が異なる小断面異形条においては、引張り張力を小さくする必要があり、特許文献1記載の無限軌道方式の連続矯正機50も低張力タイプにする必要があるため、小型化となる。そのため、無限軌道方式の連続矯正機50の圧力装置46に具備されたロール46bも小径タイプとなってくる。この小径ロールbにより、異形条7が板厚方向に圧力を受ける。この圧力により、異形条表面に微細な凹凸が発生し、表面の平坦度が損なわれるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みて最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向の板厚が異なる小断面異形条において、異形条の局部的な形状変形の発生を抑え、更に異形条表面の微細な凹凸を付けることなく連続して、残留ひずみの均一化を図る矯正が可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
前述のように、ブライドルロール方式の矯正方法において、異形条の凸部がロール表面と接するときに異形条の形状変形を防ぐことが大切であるため、本発明は、異形条の凸部とロールとの接触に注目し、改良された矯正方法及び矯正機とした。
本発明は、最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向で板厚が異なる小断面異形条を2個のロールで構成された2組のロールセットに異形条を通し、2組のロールセット間で異形条に引張り荷重を掛ける小断面異形条の矯正方法において、
最大引張り荷重を受けるロールを通過するときの異形条を、異形条の平面側をロールと接触させ、
当該ロールの前段もしくは後段のロールを通過するときの異形条を、異形条の凸面側をロールと接触させ、
前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、
押し付けロール及びラッパーにより、異形条をロールに押し付けること
を特徴とする矯正方法を提供する。
本発明は、また、前記異形条の凸面側を、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚との差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つ弾性体のロール表面と接触させること
を特徴とする矯正方法を提供する。
本発明は、また、前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚との差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つ弾性体の押し付けロールを
異形条に押し付けること
を特徴とする矯正方法を提供する。
本発明は、また、最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向で板厚が異なる小断面異形条を2個以上のロールで構成された2組のロールセットに異形条を通し、2組のロールセット間で異形条に引張り荷重を掛ける小断面異形条連続矯正機において、
最大引張り荷重を受け、異形条の平面側と接触するロールと、
当該ロールの前段もしくは後段に位置し、異形条の凸面側と接触するロールと、
を具備することを特徴とする小断面異形条連続矯正機を提供する。
本発明は、また、前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、
異形条をロールに押し付ける押し付けロール及びラッパー
を具備することを特徴とする小断面異形条連続矯正機を提供する。
本発明は、また、前記異形条の凸面側と接触するロール表面が弾性体からなり、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚の差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つこと
を特徴とする小断面異形条連続矯正機を提供する。
本発明は、また、前記押し付けロールが弾性体からなり、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚の差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つことを特徴とする小断面異形条連続矯正機を提供する。
本発明によれば、異形条の引張り矯正方法において、最大引張り荷重が掛かるロール間では、ロールと接する異形条は平面側とし、異形条の凸面側と接触するロール表面には、ロール軸方向及び円周方向に無数のスリットを入れたことにより、ロール表面が若干変形することで、異形条の段差分(凸部の厚さ分)を吸収し、ロールとの接触面積を増やすことで、異形条の局部的変形を抑えることができる。更に、異形条の凸面側がロールと接触するときに、異形条をロールに押し付ける押し付けロール及びラッパーを設けることで、ロールと異形条の間のスリップを防止し、異形条の凸面側と接触するロールの範囲を広げることで、異形条の局部的変形を効果的に抑えることができる。
本実施例の対象異形条の横断面図。 従来の連続矯正機と異形条の接触を示す図。 異形条の形状変形の例を示す図。 従来の千鳥状に配置したロール式矯機の概略図。 従来のクランプ式引張り矯正機の概略図。 従来のキャタピラ式連続矯正機の概略図。 本実施例の連続矯正機の概略図。 本実施例のロール表面の概略図。 シート状ラッパーが付いていない本実施例の連続矯正機の概略図。 押し付けロール及びシート状ラッパーが付いていない本実施例の連続矯正機の概略図。 サンプル1の残留ひずみの評価結果を示す図。 ロール外径と最大引張り応力比の実験結果を示す図。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図7は、本発明のブライドルロール連続矯正機の概略図である。本発明の対象の異形条
は、最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向の板厚が異なる小断面異形条である。送り出し装置(アンコイラー)1と巻き取り装置(リコイラー)6との間に、ブライドルロール2、3、4、5があり、アンコイラー1からリコイラー6に向かい異形条7が移動する。ロール4、5は異形条7をアンコイラー1から引っ張り出す方向で異形条7に作用する。ロール2、3はロール4、5の引張りに対して、ブレーキとなるように作用することで、ロール3、4間の異形条7は引張り矯正される。アンコイラー1、ロール2、3、4、5、リコイラー6を連続回転させることで、異形条7はロール3、4間で連続的に矯正されることになる。
ロール2〜5の外径は650mm前後とする。また、最大張力となるロール3、4と接する面は異形条7の平面側とする。その結果、前段ロール2、後段ロール5は異形条7の凸面側と接触することになる。
凸面側と接触するロール2、5は、ゴム等の弾性体で製作されている。図8に示すようにロール表面上にロール円周方向及びロール軸方向に無数の細かなスリット10、11があり、異形条7の凸面部と接触すると、無数のスリットを入れたことにより、異形条7の凸部に接触したロール表面が若干変形し、異形条の凸部がロール2、5内に若干食い込む形となる。対象の異形条7は、厚板部と薄板部の差が0.5mm以下のため、ロール2、5のスリット10、11の深さを0.5mm程度にすることにより、ロール2、5が異形条7に接触するときにロール異形条の段差分(凸部の厚さ分)を吸収し、ロールとの接触面積が増えることで、異形条の局部的変形を抑える。
異形条の凸部が接触するロール2、5に異形条の平面側から、異形条を押し付ける押し付けロール30a〜30d、31a〜31dがある。図7では押し付けロールが各4個付いている形態であるが、個数に制限はない。この押し付けロール30a〜30d、31a〜31dはゴム等の弾性体で製作され、表面上にロール円周方向及びロール軸方向に無数の細かなスリットを入れることで、異形条7の凸面部をロール2、5に押し付け、異形条7とロール2、5との間のスリップの発生を抑え、より安定した張力を付加できるようにしてある。また、押し付けロール30a〜30d、31a〜31dを押さえるシート状のラッパー40、41を設けることで、押し付けロール30a〜30d、31a〜31dが効果的に機能するようにした。
前述のように、本発明の小断面異形条矯正機は、最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向の板厚が異なる小断面異形条7を対象とし、ロール3、4の間で最大引張り荷重を受けるときに
異形条7の平面側をロールと接触するようにし、その前段ロール2もしくは後段ロール5では、異形条7の凸面側をロールと接触するようにした。異形条7の凸面側が接触するロール2、5はゴム等の弾性体からなり、表面上には異形条7の凸部(段差分)以上の深さのスリットを無数に入れることで、ロール2、5の表面が若干変形し、異形条の凸部がロール内に若干食い込む形となる。対象の異形条7は、厚板部と薄板部の差が0.5mm以下のため、ロール2、5のスリット10、11の深さを0.5mm程度にすることにより、ロール2、5が異形条7に接触するときにロール異形条の段差分を吸収し、ロールとの接触面積が増えることで、異形条の局部的変形を抑える。
図7に示すように異形条の凸部が接触するロール2、5に異形条の平面側から、異形条を押し付ける押し付けロール30a〜30d、31a〜31d及びこれらを押さえるシート状のラッパー40、41がある。この押し付けロール30a〜30d、31a〜31dはゴム等の弾性体で製作され、表面上にロール円周方向及びロール軸方向に無数の細かなスリットを入れることで、異形条7の凸面部をロール2、5に押し付け、異形条7とロール2、5との間のスリップの発生を抑え、より安定した張力を付加できるようにした。
図7では、連続矯正機に押し付けロール30a〜30d、31a〜31d及びシート状のラッパー40、41がついているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばシート状のラッパーがついていない連続矯正機や、押し付けロール及びシート状のラッパーがついていない連続矯正機も考えられ、それぞれ、図9、図10に示す。連続矯正機の構造は図7と同じであり、同一の構成には同一の番号が付してある。
本発明における実施例の具体例を説明する。具体例は押し付けロール及びシート状のラッパーがついている連続矯正機を用いた場合の具体例である。
図1に示すようなサンプル形状で、主な形状寸法を表1に示す。
Figure 2012020305
表1に示すサンプルを本発明の連続矯正機で矯正を行った。引張り張力はいずれも破断応力の92%程度を付加した。矯正後のサンプルは平坦度、カール、ねじれが改善されていた。また、残留ひずみも大幅に改善された。その1例としてサンプル1の残留ひずみの評価結果を示す。
サンプル1は長さ160mmの異形条を用意し、幅位置の6箇所に長手方向へワイヤーカットし、薄板部と厚板部を分割した。各分割された部分は、他の部分の残留ひずみの影響がなくなり、それぞれの分割部が長手方向に伸びる。その伸びの違いにより、伸びの大きい部分は浮き上がる。その浮き上がり量を測定し、残留ひずみの評価を行った。
図11にサンプル1の評価結果を示す。図11のX軸方向が異形条7の幅方向を表し、Y軸方向が残留ひずみの量を示す浮き上がり量を表す。図11に示すように矯正前は厚板部(X軸中央部付近)の浮き上がり量が大きく、その部分の残留ひずみによる伸びが大きい事を示している。矯正後はいずれの部分も浮き上がり量が低減され、残留ひずみによる伸びの差がなくなった事を表している。このように本発明の装置により、残留ひずみを均等化し、材料の変形を抑えることが可能である。
引張り張力で材料の残留ひずみを低下、均一化させるには、最低でも引張り応力は破断応力の90%前後掛ける必要がある。
そこで、ロール外径と、引張り応力に対して形状変形しない最大の引張り応力との関係を実験で求めた。テスト材として、厚板部1mm以下、厚板部と薄板部の差は0.4mm以下、断面積は9.8mmから27mmの範囲で4種類の異形条を用いて実験を行った。その結果の一例を図12に示す。
図12のX軸はロール外径を表し、Y軸は異形条が変形しない最大引張り応力の強さを破断応力に対する比率(応力比)で表している。形状Aは断面積が20mm、形状Bは断面積が10mmである。どちらも異形条の平面側がロールと接していると、ロール外径が300mmで、破断応力の94%を掛けても形状の変形が見られない。これに対し、異形条の凸面側がロールと接触する場合、ロール外径が大きくなるに従い、応力比は大きくなってくる。形状A、Bともに同等で、外形530mmでは応力比80パーセント前後であり、矯正に必要とされる90%前後に満たない。異形条の平面側が接触している場合と同等の引張り応力比にするには、ロール外径を最低でも650mm前後にする必要がある(図示せず)。
すなわち、ロール外径を650mm以上とすることで、凸面側がロールと接触しても、引張り応力比94%までは異形条は変形せず、矯正に必要な応力比も満たす結果となる。一般にブライドルロール径が大きくなると、設備制作費が高価になるため、ブライドルロール径は最低限の650mm前後が好ましい。
1…送り出し装置(アンコイラー)、6…巻き取り装置(リコイラー)、2,3,4,5,17…ブライドルロール、7…異形条、8…厚板部、9…薄板部、10,11…スリット、20a〜20c,21a〜21c,30a〜30d,31a〜31d…押し付けロール、51,52,53,54…クランプ部、50…キャタピラ式矯正機、41…無限軌道帯、42a,42b…無限軌道帯式引出装置、46…圧下装置、46a…ロールヘッド、46b…小型ロール、47…ロードセル、48…ベース、49a,49b…ドラム、49c…無限軌道帯材。

Claims (7)

  1. 最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向で板厚が異なる小断面異形条を2個のロールで構成された2組のロールセットに異形条を通し、2組のロールセット間で異形条に引張り荷重を掛ける小断面異形条の矯正方法において、
    最大引張り荷重を受けるロールを通過するときの異形条を、異形条の平面側をロールと接触させ、
    当該ロールの前段もしくは後段のロールを通過するときの異形条を、異形条の凸面側をロールと接触させ、
    前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、
    押し付けロール及びラッパーにより、異形条をロールに押し付けること
    を特徴とする矯正方法。
  2. 前記異形条の凸面側を、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚との差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つ弾性体のロール表面と接触させること
    を特徴とする請求項1記載の矯正方法。
  3. 前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚との差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つ弾性体の押し付けロールを
    異形条に押し付けること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の矯正方法。
  4. 最大板厚が1mm以下、最大板厚と最小板厚の差が0.5mm以下、幅80mm以下、断面積が30mm以下の幅方向で板厚が異なる小断面異形条を2個以上のロールで構成された2組のロールセットに異形条を通し、2組のロールセット間で異形条に引張り荷重を掛ける小断面異形条連続矯正機において、
    最大引張り荷重を受け、異形条の平面側と接触するロールと、
    当該ロールの前段もしくは後段に位置し、異形条の凸面側と接触するロールと、
    を具備することを特徴とする小断面異形条連続矯正機。
  5. 前記異形条の凸面側がロールと接触するときに、
    異形条をロールに押し付ける押し付けロール及びラッパー
    を具備することを特徴とする請求項4記載の小断面異形条連続矯正機。
  6. 前記異形条の凸面側と接触するロール表面は弾性体からなり、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚の差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つこと
    を特徴とする請求項4又は5記載の小断面異形条連続矯正機。
  7. 前記押し付けロールは、弾性体からなり、ロール軸方向に最大板厚と最小板厚の差以上の深さを持つ変形可能な複数のスリットと、円周方向に当該深さを持つ変形可能な複数のスリットを持つこと
    を特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の小断面異形条連続矯正機。
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