JP2012019052A - n型拡散層形成組成物、n型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法 - Google Patents

n型拡散層形成組成物、n型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルの製造工程において、不要なn型拡散層を形成させることなく特定の部分にn型拡散層を形成可能で、分散安定性に優れるn型拡散層形成組成物、n型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法の提供。
【解決手段】n型拡散層形成組成物に、ドナー元素を含むガラス粉末と、重量平均分子量が5000以上500000以下であるバインダーと、溶剤と、を含有せしめる。このn型拡散層形成組成物を塗布し熱拡散処理を施すことで、n型拡散層、及びn型拡散層を有する太陽電池セルが製造される。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池セルのn型拡散層形成組成物、n型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、半導体基板である結晶シリコンの特定の部分にn型拡散層を形成することを可能とする技術に関するものである。
従来の結晶シリコン太陽電池セルの製造工程について説明する。
まず、光閉じ込め効果を促して高効率化を図るよう、テクスチャー構造を形成したp型シリコン基板を準備し、続いてオキシ塩化リン(POCl)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気において800〜900℃で数十分の処理を行って一様にn型拡散層を形成する。この従来の方法では、混合ガスを用いてリンの拡散を行うため、表面のみならず、側面、裏面にもn型拡散層が形成される。そのため、側面のn型拡散層を除去するためのサイドエッチング工程が必要であった。また、裏面のn型拡散層はp型拡散層へ変換する必要があり、裏面のn型拡散層の上にアルミニウムペーストを付与して、アルミニウムの拡散に
よってn型拡散層からp型拡散層に変換させていた。
一方で、半導体の製造分野では、五酸化リン(P)あるいはリン酸二水素アンモニウム(NHPO)等のリン酸塩を含有する溶液の塗布によってn型拡散層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では溶液を用いるために、上記混合ガスを用いる気相反応法と同様、リンの拡散が側面及び裏面にもおよび、表面のみならず、側面、裏面にもn型拡散層が形成される。
特開2002−75894号公報
上述のように、n型拡散層形成の際、オキシ塩化リンを用いた気相反応では、本来n型拡散層が必要となる片面(通常受光面、表面)のみならず、もう一方の面(非受光面、裏面)や側面にもn型拡散層が形成されてしまう。また、リン酸塩を含有する溶液を塗布して熱拡散させる方法でも、気相反応法と同様、表面以外にもn型拡散層が形成されてしまう。そのため、素子としてpn接合構造を有するためには、側面においてはエッチングを行い、裏面においてはn型拡散層をp型拡散層へ変換しなければならない。一般には、裏面に第13族元素であるアルミニウムのペーストを塗布、焼成し、n型拡散層をp型拡散層へ変換している。
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルの製造工程において、不要なn型拡散層を形成させることなく特定の部分にn型拡散層を形成することが可能で、分散安定性に優れるn型拡散層形成組成物、n型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法の提供を課題とする。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
<1> ドナー元素を含むガラス粉末と、重量平均分子量が5000以上500000以下であるバインダーと、溶剤と、を含有するn型拡散層形成組成物。
<2> 前記ガラス粉末は、ガラス成分物質とドナー元素含有物質とを含み、前記ドナー元素含有物質の含有比率が該ガラス粉末に対して1質量%以上75質量%以下である、前記<1>に記載のn型拡散層形成組成物
<3> pH(25℃)が2〜13の範囲である前記<1>又は<2>に記載のn型拡散層形成組成物。
<4> 前記ドナー元素が、P(リン)及びSb(アンチモン)から選択される少なくとも1種である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
<5> 前記ガラス粉末が、P、P及びSbから選択される少なくとも1種のドナー元素含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、SnO、ZrO、及びMoOから選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
<6> 更に、前記ガラス粉末と反応して結晶化する金属元素を含む前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
<7> 前記金属元素が、Ag(銀)、Si(珪素)、及びZn(亜鉛)から選択される少なくとも1種である前記<6>に記載のn型拡散層形成組成物。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物を塗布する工程と、熱拡散処理を施す工程と、を有するn型拡散層の製造方法。
<9> 半導体基板上に、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物を塗布する工程と、熱拡散処理を施して、n型拡散層を形成する工程と、を有する太陽電池セルの製造方法。
本発明によれば、結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルの製造工程において、不要なn型拡散層を形成させることなく特定の部分にn型拡散層を形成することが可能で、分散安定性に優れるn型拡散層形成組成物を提供することができる。また該n型拡散層形成組成物を用いるn型拡散層の製造方法、及び太陽電池セルの製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池セルの製造工程の一例を概念的に示す断面図である。 (A)は、太陽電池セルを表面から見た平面図であり、(B)は(A)の一部を拡大して示す斜視図である。
まず、本発明のn型拡散層形成組成物について説明し、次にn型拡散層形成組成物を用いるn型拡散層及び太陽電池セルの製造方法について説明する。
尚、本明細書において「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
本発明のn型拡散層形成組成物は、少なくともドナー元素を含むガラス粉末(以下、単に「ガラス粉末」と称する場合がある)と、重量平均分子量が5000以上500000以下であるバインダーの少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種と、を含有し、更に塗布性などを考慮してその他の添加剤を必要に応じて含有してもよい。
ここで、n型拡散層形成組成物とは、ドナー元素を含有し、シリコン基板に塗布した後にこのドナー元素を熱拡散することでn型拡散層を形成することが可能な材料をいう。本発明のn型拡散層形成組成物を用いることで、所望の部位にのみn型拡散層が形成され、裏面や側面には不要なn型拡散層が形成されない。
したがって、本発明のn型拡散層形成組成物を適用すれば、従来広く採用されている気相反応法では必須のサイドエッチング工程が不要となり、工程が簡易化される。また、裏面に形成されたn型拡散層をp型拡散層へ変換する工程も不要となる。そのため、裏面のp型拡散層の形成方法や、裏面電極の材質、形状及び厚さが制限されず、適用する製造方法や材質、形状の選択肢が広がる。また詳細は後述するが、裏面電極の厚さに起因したシリコン基板内の内部応力の発生が抑えられ、シリコン基板の反りも抑えられる。
なお、本発明のn型拡散層形成組成物に含有されるガラス粉末は焼成により溶融し、n型拡散層の上にガラス層を形成する。しかし従来の気相反応法やリン酸塩含有の溶液を塗布する方法においてもn型拡散層の上にガラス層が形成されており、よって本発明において生成したガラス層は、従来の方法と同様に、エッチングにより除去することができる。したがって本発明のn型拡散層形成組成物は、従来の方法と比べても不要な生成物を発生させず、工程を増やすこともない。
また、ガラス粉末は、リン酸塩含有の溶液とは異なり、焼成中でもドナー元素の揮散が抑制されるため、ドナー元素を含む揮散ガスの発生によって表面のみでなく裏面や側面にまでn型拡散層が形成されるということが防止される。
本発明に係るドナー元素を含むガラス粉末について、詳細に説明する。
ドナー元素とは、シリコン基板中にドーピングさせることによってn型拡散層を形成することが可能な元素である。ドナー元素としては第15族の元素が使用でき、例えばP(リン)、Sb(アンチモン)、As(ヒ素)等が挙げられる。安全性、ガラス化の容易さ等の観点から、P又はSbが好適である。
ドナー元素をガラス粉末に導入するために用いるドナー元素含有物質としては、P、P、Sb、Bi、及びAsが挙げられ、P、P及びSbから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
ガラス成分物質としては、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、V、SnO、ZrO、MoO、La、Nb、Ta、Y、TiO、ZrO、GeO、TeO及びLu等が挙げられ、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、SnO、ZrO、及びMoOから選択される少なくとも1種を用いることが、好ましい。
ドナー元素を含むガラス粉末の具体例としては、P−SiO系、P−KO系、P−NaO系、P−LiO系、P−BaO系、P−SrO系、P−CaO系、P−MgO系、P−BeO系、P−ZnO系、P−CdO系、P−PbO系、P−SnO系、P−GeO系、P−Sb系、P−TeO系、P−As系などのP系、Sb系ガラスが挙げられる。
上記では2成分を含む複合ガラスを例示したが、P−SiO−CaO等必要に応じて3種類以上の複合ガラスでもよい。
また、ガラス粉末は、必要に応じて成分比率を調整することによって、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性等を制御することが可能である。
ガラス粉末中のドナー元素含有物質の含有比率は、ドナー元素のシリコン基板中へのドーピング濃度、ガラス粉末の溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性を考慮して適宜設定することが好ましく、1質量%以上75質量%以下であることが好ましい。
ガラス粉末中のドナー元素含有物質の含有比率が1質量%以上であることで、ドナー元素のシリコン基板中へのドーピング濃度が低くなりすぎず、n型拡散層が充分に形成される。またPなどのドナー元素含有物質の含有比率が75質量%以下であることで、ガラス粉末中でドナー元素含有物質が吸湿し、例えば、ドナー元素含有物質がPの場合にはリン酸(HPO)を形成することを抑制できる。この結果、HPOなどの吸湿物質が熱拡散処理中に揮散してしまうことを抑制し、P(リン)などのドナー元素の拡散が側面及び裏面にも及び、表面のみならず、所望の部位以外の側面、裏面にもn型拡散層が形成されることを抑制できる。
また、n型拡散層が充分に形成されるドナー元素の量を勘案しつつ、n型拡散層形成組成物にドナー元素を一定量以上添加しても形成したn型拡散層を有する表面のシート抵抗は一定値以上には低下しなくなる点と、ドナー元素含有物質の揮散の影響を抑える必要がある点を考慮すると、ガラス粉末中におけるドナー元素含有物質の含有率は、2質量%以上75質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
特に、n型拡散層形成組成物を塗布した側の加熱処理後の表面のシート抵抗を変化させず、HPOなどの吸湿物質の揮散の影響を抑えることを考慮すると、ガラス粉末中のドナー元素含有物質の含有比率は30質量%以上70質量%以下であることがいっそう好ましい。
また、ガラス粉末中のガラス成分物質の含有比率は、溶融温度、軟化点、ガラス転移点、化学的耐久性を考慮して適宜設定することが望ましく、一般には、0.1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
具体的には、P−SiO系ガラスの場合には、SiOの含有比率は、1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、3質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
ガラス粉末の軟化点は、拡散処理時の拡散性、液だれの観点から、200℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜900℃であることがより好ましい。
またガラス粉末の粒径は、100μm以下であることが望ましい。100μm以下の粒径を有するガラス粉末を用いた場合には、平滑な塗膜が得られやすい。更に、ガラス粉末の粒径は50μm以下であることがより望ましい。
ドナー元素を含むガラス粉末は、以下の手順で作製される。
最初に原料を秤量し、るつぼに充填する。るつぼの材質としては白金、白金―ロジウム、イリジウム、アルミナ、石英、炭素等が挙げられるが、溶融温度、雰囲気、溶融物質との反応性等を考慮して適宜選ばれる。
次に、電気炉でガラス組成に応じた温度で加熱し均一な融液とする。このとき融液が均一となるよう攪拌することが望ましい。
続いて均一になった融液をジルコニア基板やカーボン基板等の上に流し出して融液をガラス化する。
最後にガラスを粉砕し粉末状とする。粉砕にはジェットミル、ビーズミル、ボールミル等公知の方法が適用できる。
n型拡散層形成組成物中のドナー元素を含むガラス粉末の含有比率は、塗布性、ドナー元素の拡散性等を考慮し決定される。一般には、n型拡散層形成組成物中のガラス粉末の含有比率は、0.1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、1質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
本発明のn型拡散層形成組成物は、重量平均分子量が5000以上500000以下のバインダーの少なくとも1種と、溶剤の少なくとも1種とを含有する。これらは前記ガラス粉末の分散媒となる。
バインダーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアミド類、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸類、ポリエチレンオキサイド類、ポリスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、セルロースエーテル類、セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、澱粉及び澱粉誘導体、アルギン酸ナトリウム類、キサンタン、グア及びグア誘導体、スクレログルカン及びスクレログルカン誘導体、トラガカント及びトラガカント誘導体、デキストリン及びデキストリン誘導体、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂及びこれらの共重合体、並びに二酸化珪素などを適宜選択しうる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明のn型拡散層形成組成物は、これに含まれるバインダーの重量平均分子量が5000以上500000以下である。これにより、n型拡散層形成組成物をシリコン基板上に均一に塗布可能な粘度に調整することができる。バインダーの分子量が5000より小さいと、n型拡散層形成組成物の粘度が増加してしまう場合がある。これは例えば、ガラス粒子に吸着させたときの立体的な反発作用が不足し、粒子同士が凝集してしまうためと考えることができる。
一方、バインダーの重量平均分子量が500000より大きいと、バインダー同士が溶剤中で凝集してしまい、結果としてn型拡散層形成組成物の粘度が増加する場合がある。
これに加え、バインダーの重量平均分子量が大きくなると、バインダーの燃焼温度が高くなり、熱拡散処理においてバインダーが完全に燃焼されず、ドナー元素の拡散が進行し難くなる他、バインダー中の不純物がシリコン基板に拡散してしまう可能性がある。
以上を考慮すると、バインダーの分子量は6000以上450000以下が好ましく、6500以上400000以下がより好ましい。
尚、バインダーの重量平均分子量は、GPCを用いる通常の方法で測定される。
前記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のエステル系溶媒、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート系溶剤、アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤、水等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
n型拡散層形成組成物中のバインダーおよび溶剤の含有比率は、塗布性、ドナー元素含有物質濃度等を考慮し、適宜選択される。本発明においてバインダーの含有比率としては例えば、n型拡散層形成組成物に対して0.01〜5質量%とすることができ、分散安定性の観点から、0.1〜3質量%であることが好ましい。また溶剤の含有比率としては、n型拡散層形成組成物に対して1〜60質量%とすることができ、分散安定性の観点から、5〜40質量%であることが好ましい。
またn型拡散層形成組成物の粘度は、塗布性を考慮して、10mPa・S以上1000000mPa・S以下であることが好ましく、50mPa・S以上500000mPa・S以下であることがより好ましい。
またn型拡散層形成組成物に、pH調整剤を少量添加することで、溶剤中のガラス粒子の分散性をさらに高めることも可能である。具体的には、pHを調整することで、ゼータ電位(粒子表面電位の近似)を変化させ、ガラス粒子間に静電反発を付与することができる。
pH調整剤としては、例えば、希塩酸、希硫酸、希硝酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、n型拡散層形成組成物のpHは、ガラス組成の等電位点(ゼータ電位が0となるpHで、粒子が凝集しやすくなる)、耐酸性、耐アルカリ性を考慮して適宜設定することが望ましく、一般には、pH(25℃)が2.0以上13.0以下であることが好ましく、3.0以上12.0以下であることがより好ましい。
尚、pHは25℃において、通常のpH測定装置を用いて測定される。
具体的には、P−SiO系ガラスの場合には、n型拡散層形成組成物のpH(25℃)は、3.0以上11.0以下であることが好ましく、5.0以上10.0以下であることがより好ましい。
更に、n型拡散層形成組成物は、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加物としては、例えば上記ガラス粉末と反応しやすい金属元素が挙げられる。
n型拡散層形成組成物は、半導体基板上に塗布され、高温で熱処理されることでn型拡散層を形成するが、その際に表面にガラスが形成される。このガラスは、ふっ酸等の酸に浸漬して除去されるが、ガラスの種類によっては除去し難いものがある。その場合に、ガラスと反応して結晶化しやすいAg、Mn、Cu、Fe、Zn、Si等の金属元素を添加しておくことにより、酸洗浄後に容易にガラスを除去することができる。これらのなかでも、Ag、Si、及びZnから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
ガラス粉末と反応しやすい金属元素の含有比率は、ガラスの種類や当該金属の種類によって適宜調整することが望ましく、一般的には上記ガラス粉末に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
またガラス粉末と反応しやすい金属元素は、金属単体、合金等の形態で用いることができる。
次に、本発明のn型拡散層及び太陽電池セルの製造方法について、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明にかかる太陽電池セルの製造工程の一例を概念的に表す模式断面図である。以降の図面においては、共通する構成要素に同じ符号を付す。
図1(1)では、p型半導体基板10である結晶シリコンにアルカリ溶液を付与してダメージ層を除去し、テクスチャー構造をエッチングにて得る。
詳細には、インゴットからスライスした際に発生するシリコン表面のダメージ層を20質量%苛性ソーダで除去する。次いで1質量%苛性ソーダと10質量%イソプロピルアルコールの混合液によりエッチングを行い、テクスチャー構造を形成する(図中ではテクスチャー構造の記載を省略する)。太陽電池セルは、受光面(表面)側にテクスチャー構造を形成することにより、光閉じ込め効果が促され、高効率化が図られる。
図1(2)では、p型半導体基板10の表面すなわち受光面となる面に、上記n型拡散層形成組成物を塗布して、n型拡散層形成組成物層11を形成する。本発明では、塗布方法には制限がないが、例えば、印刷法、スピン法、刷毛塗り、スプレー法、ドクターブレード法、ロールコーター法、インクジェット法などがある。
上記n型拡散層形成組成物の塗布量としては特に制限はないが、例えば、10g/m〜250g/mとすることができ、20g/m〜150g/mであることが好ましい。
なお、n型拡散層形成組成物の組成によっては、塗布後に、組成物中に含まれる溶剤を揮発させるための乾燥工程が必要な場合がある。この場合には、80〜300℃程度の温度で、ホットプレートを使用する場合は1〜10分、乾燥機などを用いる場合は10〜30分程度で乾燥させる。この乾燥条件は、n型拡散層形成組成物の溶剤組成に依存しており、本発明では特に上記条件に限定されない。
また、本発明の製造方法を用いる場合には、裏面のp型拡散層(高濃度電界層)14の製造方法はアルミニウムによるn型拡散層からp型拡散層への変換による方法に限定されることなく、従来公知のいずれの方法も採用でき、製造方法の選択肢が広がる。したがって、例えば、B(ボロン)などの第13族の元素を含む組成物13を付与し、高濃度電界層14を形成することができる。
次いで、上記n型拡散層形成組成物層11を形成した半導体基板10を、600〜1200℃で熱拡散処理する。この熱拡散処理により、図1(3)に示すように半導体基板中へドナー元素が拡散し、n型拡散層12が形成される。熱拡散処理には公知の連続炉、バッチ炉等が適用できる。また、熱拡散処理時の炉内雰囲気は、空気、酸素、窒素等に適宜調整することもできる。
熱拡散処理時間は、n型拡散層形成組成物に含まれるドナー元素の含有率などに応じて適宜選択することができる。例えば、1〜60分間とすることができ、2〜30分間であることがより好ましい。
形成されたn型拡散層12の表面には、リン酸ガラスなどのガラス層(不図示)が形成されているため、このリン酸ガラスをエッチングにより除去する。エッチングとしては、ふっ酸等の酸に浸漬する方法、苛性ソーダ等のアルカリに浸漬する方法など公知の方法が適用できる。
図1(2)及び(3)に示される、本発明のn型拡散層形成組成物11を用いてn型拡散層12を形成する本発明のn型拡散層の形成方法では、所望の部位にのみn型拡散層12が形成され、裏面や側面には不要なn型拡散層が形成されない。
したがって、従来広く採用されている気相反応法によりn型拡散層を形成する方法では、側面に形成された不要なn型拡散層を除去するためのサイドエッチング工程が必須であったが、本発明の製造方法によれば、サイドエッチング工程が不要となり、工程が簡易化される。
また、従来の製造方法では、裏面に形成された不要なn型拡散層をp型拡散層へ変換する必要があり、この変換方法としては、裏面のn型拡散層に、第13族元素であるアルミニウムのペーストを塗布、焼成し、n型拡散層にアルミニウムを拡散させてp型拡散層へ変換する方法が採用されている。この方法においてp型拡散層への変換を充分なものとし、更にp層の高濃度電界層を形成するためには、ある程度以上のアルミニウム量が必要であることから、アルミニウム層を厚く形成する必要があった。しかしながら、アルミニウムの熱膨張率は、基板として用いるシリコンの熱膨張率と大きく異なることから、焼成及び冷却の過程でシリコン基板中に大きな内部応力を発生させ、シリコン基板の反りの原因となっていた。
この内部応力は、結晶の結晶粒界に損傷を与え、電力損失が大きくなるという課題があった。また、反りは、モジュール工程における太陽電池セルの搬送や、タブ線と呼ばれる導線との接続において、セルを破損させ易くしていた。近年では、スライス加工技術の向上から、結晶シリコン基板の厚みが薄型化されつつあり、更にセルが割れ易い傾向にある。
しかし本発明の製造方法によれば、裏面に不要なn型拡散層が形成されないことから、n型拡散層からp型拡散層への変換を行う必要がなくなり、アルミニウム層を厚くする必然性がなくなる。その結果、シリコン基板内の内部応力の発生や反りを抑えることができる。結果として、電力損失の増大や、セルの破損を抑えることが可能となる。
また、本発明の製造方法を用いる場合には、裏面のp型拡散層(高濃度電界層)14の製造方法はアルミニウムによるn型拡散層からp型拡散層への変換による方法に限定されることなく、従来公知のいずれの方法も採用でき、製造方法の選択肢が広がる。
また後述するように、裏面の表面電極20に用いる材料は第13族のアルミニウムに限定されず、例えばAg(銀)やCu(銅)などを適用することができ、裏面の表面電極20の厚さも従来のものよりも薄く形成することが可能となる。
図1(4)では、n型拡散層12の上に反射防止膜16を形成する。反射防止膜16は公知の技術を適用して形成される。例えば、反射防止膜16がシリコン窒化膜の場合には、SiHとNHの混合ガスを原料とするプラズマCVD法により形成する。このとき、水素が結晶中に拡散し、シリコン原子の結合に寄与しない軌道、即ちダングリングボンドと水素が結合し、欠陥を不活性化(水素パッシベーション)する。
より具体的には、上記混合ガス流量比NH/SiHが0.05〜1.0、反応室の圧力が0.1〜2Torr、成膜時の温度が300〜550℃、プラズマの放電のための周波数が100kHz以上の条件下で形成される。
図1(5)では、表面(受光面)の反射防止膜16上に、表面電極用金属ペーストをスクリーン印刷法で印刷塗布乾燥させ、表面電極18を形成する。表面電極用金属ペーストは、(1)金属粒子と(2)ガラス粒子とを必須成分とし、必要に応じて(3)樹脂バインダー、(4)その他の添加剤などを含む。
次いで、上記裏面の高濃度電界層14上にも裏面電極20を形成する。前述のように、本発明では裏面電極20の材質や形成方法は特に限定されない。例えば、アルミニウム、銀、又は銅などの金属を含む裏面電極用ペーストを塗布し、乾燥させて、裏面電極20を形成してもよい。このとき、裏面にも、モジュール工程におけるセル間の接続のために、一部に銀電極形成用銀ペーストを設けてもよい。
図1(6)では、電極を焼成して、太陽電池セルを完成させる。600〜900℃の範囲で数秒〜数分間焼成すると、表面側では電極用金属ペーストに含まれるガラス粒子によって絶縁膜である反射防止膜16が溶融し、更にシリコン10表面も一部溶融して、ペースト中の金属粒子(例えば銀粒子)がシリコン基板10と接触部を形成し凝固する。これにより、形成した表面電極18とシリコン基板10とが導通される。これはファイアースルーと称されている。
表面電極18の形状について説明する。表面電極18は、バスバー電極30、及び該バスバー電極30と交差しているフィンガー電極32で構成される。図2(A)は、表面電極18を、バスバー電極30、及び該バスバー電極30と交差しているフィンガー電極32からなる構成とした太陽電池セルを表面から見た平面図であり、図2(B)は、図2(A)の一部を拡大して示す斜視図である。
このような表面電極18は、例えば、上述の金属ペーストのスクリーン印刷、又は電極材料のメッキ、高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着などの手段により形成することができる。バスバー電極30とフィンガー電極32とからなる表面電極18は受光面側の電極として一般的に用いられていて周知であり、受光面側のバスバー電極及びフィンガー電極の公知の形成手段を適用することができる。
上記では、表面にn型拡散層、裏面にp型拡散層を形成し、更にそれぞれの層の上に表面電極及び裏面電極を設けた太陽電池セルについて説明したが、本発明のn型拡散層形成組成物を用いればバックコンタクト型の太陽電池セルを作製することも可能である。
バックコンタクト型の太陽電池セルは、電極を全て裏面に設けて受光面の面積を大きくするものである。つまりバックコンタクト型の太陽電池セルでは、裏面にn型拡散部位及びp型拡散部位の両方を形成しpn接合構造とする必要がある。本発明のn型拡散層形成組成物は、特定の部位にのみn型拡散部位を形成することが可能であり、よってバックコンタクト型の太陽電池セルの製造に好適に適用することができる。
以下、本発明の実施例をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。なお、特に記述が無い限り、薬品は全て試薬を使用した。また「%」は断りがない限り「質量%」を意味する。
またバインダーの重量平均分子量は、市販品についてはカタログデータを採用し、不明なものについては、GPCを用いてポリエチレン換算の重量平均分子量として測定した。
[実施例1]
−SiO系ガラス(P含有量:10%)粉末20gと、バインダーとしてエチルセルロース(重量平均分子量140000)0.3g、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル7gを混合してペースト化し、n型拡散層形成組成物1を調製した。
得られたn型拡散層形成組成物のpHを25℃で、pHメーターを用いて測定したところ、pH(25℃)は5.6であった。
[実施例2]
実施例1において、バインダーを重量平均分子量が300000のエチルセルロースに代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物2を調製した。
[実施例3]
実施例1において、ガラス粉末をP−ZnO系ガラス粉末(P含有量:10%)に代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物3を調製した。
[実施例4]
実施例1において、バインダーをポリビニルアルコール(重量平均分子量250000)に代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物4を調製した。
[実施例5]
−SiO系ガラス(P含有量:10%)粉末19.7gと、Ag0.3gと、エチルセルロース(分子量140000)0.3gと、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル7gとを混合してペースト化し、n型拡散層形成組成物5を調製した。
[実施例6]
実施例1において、クエン酸を用いてpH=3.8に調整したこと以外は実施例1と同様にn型拡散層形成組成物6を調製した。
[実施例7]
実施例1において、炭酸水素ナトリウムを用いてpH=9.8に調整したこと以外は実施例1と同様にn型拡散層形成組成物7を調製した。
[実施例8]
実施例1において、バインダーを重量平均分子量が7000のエチルセルロースに代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物8を調製した。
[実施例9]
実施例1において、バインダーを重量平均分子量が450000のエチルセルロースに代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物9を調製した。
[比較例1]
実施例1において、バインダーを重量平均分子量が4500のエチルセルロースに代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物C1を調製した。
[比較例2]
実施例1において、バインダーを重量平均分子量が750000のエチルセルロースに代えたこと以外は、実施例1と同様にn型拡散層形成組成物C2を調製した。
[評価]
−分散安定性−
上記方法により調製したn型拡散層形成組成物について、調製してから1時間以内に測定した初期粘度と、20℃で6時間放置した後に測定した経時粘度とから、経持粘度と初期粘度との差の初期粘度に対する比率((経時粘度−初期粘度)/初期粘度)として粘度変化率を求めた。尚、粘度は、回転式粘度計を用いて20℃で測定した。
併せて目視により、経時後のn型拡散層形成組成物の状態を観察した。
粘度変化および目視観察の結果を、下記評価基準に従って評価した。その結果を表1に示す。
〜評価基準〜
A・・・粘度変化率が0.05未満で、ガラス粒子のゲル化及び凝集も認められなかった。
B・・・粘度変化率が0.05以上、0.10未満で、ガラス粒子のゲル化及び凝集も認められなかった。
C・・・粘度変化率が0.10以上、0.15未満で、ガラス粒子のゲル化及び凝集も認められなかった。
D・・・粘度変化率が0.15未満であったが、ガラス粒子がゲル化または凝集した。
E・・・粘度変化率が0.15以上であり、かつガラス粒子がゲル化または凝集した。
次に、実施例1〜実施例11で調製したn型拡散層形成組成物をスクリーン印刷によって塗布量が70g/mとなるように、p型シリコン基板表面に塗布し、150℃のホットプレート上で5分間乾燥させた。続いて、1000℃に設定した電気炉で10分間熱拡散処理を行い、その後ガラス層を除去するため基板をフッ酸に5分間浸漬し、流水洗浄を行い、その後、乾燥を行った。
尚、比較例1および比較例2で調製したn型拡散層形成組成物は分散安定性が低く、スクリーン印刷を行うことができなかった。
n型拡散層形成組成物を塗布した側の表面のシート抵抗及び裏面のシート抵抗を測定した。その結果を表1に示す。

本発明のn型拡散層形成組成物を用いて、熱拡散処理を行った結果、表面のシート抵抗は100Ω/□以下であり、P(りん)が拡散し、n型拡散層が形成されていた。一方、裏面のシート抵抗は1000000Ω/□以上で測定不能であり、n型拡散層は形成されていなかった。
また、ガラス粉末と反応して結晶化する金属元素としてAg(銀)が配合されていることで、熱拡散処理後に形成されたガラスの除去性に優れていた。また、基板の反りは発生していなかった。
10 p型半導体基板
12 n型拡散層
14 高濃度電界層
16 反射防止膜
18 表面電極
20 裏面電極(電極層)
30 バスバー電極
32 フィンガー電極

Claims (9)

  1. ドナー元素を含むガラス粉末と、重量平均分子量が5000以上500000以下であるバインダーと、溶剤と、を含有するn型拡散層形成組成物。
  2. 前記ガラス粉末は、ガラス成分物質とドナー元素含有物質とを含み、前記ドナー元素含有物質の含有比率が該ガラス粉末に対して1質量%以上75質量%以下である、請求項1に記載のn型拡散層形成組成物
  3. pH(25℃)が2〜13の範囲である請求項1又は請求項2に記載のn型拡散層形成組成物。
  4. 前記ドナー元素が、P(リン)及びSb(アンチモン)から選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
  5. 前記ガラス粉末が、P、P及びSbから選択される少なくとも1種のドナー元素含有物質と、SiO、KO、NaO、LiO、BaO、SrO、CaO、MgO、BeO、ZnO、PbO、CdO、SnO、ZrO、及びMoOから選択される少なくとも1種のガラス成分物質と、を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
  6. 更に、前記ガラス粉末と反応して結晶化する金属元素を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物。
  7. 前記金属元素が、Ag(銀)、Si(珪素)、及びZn(亜鉛)から選択される少なくとも1種である請求項6に記載のn型拡散層形成組成物。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物を塗布する工程と、
    熱拡散処理を施す工程と、
    を有するn型拡散層の製造方法。
  9. 半導体基板上に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のn型拡散層形成組成物を塗布する工程と、
    熱拡散処理を施して、n型拡散層を形成する工程と、
    を有する太陽電池セルの製造方法。
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