JP2012017440A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】トレッドのようなタイヤ用部材に適用した際、転がり抵抗と耐摩耗性との両立を充分に図ることのできるゴム組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)、及びインクボトル状細孔指数(IB)が特定の関係を満たし、かつ灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)、及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が特定の関係を満たす含水ケイ酸を、ゴム成分に配合してなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用部材に適用した際、転がり抵抗と耐摩耗性との両立を充分に図ることのできるゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤは、複数の性能を同時に満たし得る高い性能を有することが要求される。なかでも、トレッドのようなタイヤ用部材には、タイヤの転がり抵抗と耐摩耗性を両立することが強く望まれるが、これらは二律背反の関係にあるため、従来より多くの試行錯誤が行われている。
タイヤのトレッドに適用するゴム組成物においては、補強用充填剤の一つとして含水ケイ酸が用いられているが、一般に補強用充填剤の配合量を増加させると、タイヤの耐摩耗性はある程度向上できるものの転がり抵抗は低下するおそれがあり、また場合によっては、未加硫ゴムの粘度が必要以上に上昇して加工性が悪化するおそれもある。
こうしたなか、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸を使用することによって、ゴム成分への含水ケイ酸粒子の分散性を向上させ、タイヤにおける転がり抵抗の向上を図る技術が開発されている。その一方で、例えば特許文献1には、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸の使用が貯蔵弾性率の低下を引き起こし得る点に着目し、良好な分散性を保持しつつ、貯蔵弾性率と低発熱性との改善を図るべく、凝集力等が制御された含水ケイ酸を使用する技術も開示されている。
特開2007−138069号公報
しかしながら、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸を使用した場合、タイヤの転がり抵抗の向上はある程度図れるものの、上述のように貯蔵弾性率が低下するおそれがあるばかりか、タイヤの耐摩耗性が低下するおそれもある。また、かかる含水ケイ酸の代わりに上述のような凝集力等が制御された含水ケイ酸を使用した場合であっても、タイヤの転がり抵抗と耐摩耗性との両立を図るという観点からすれば、依然として改善の余地がある。
一方、含水ケイ酸の粒子は、一般にその外表面に開口部を具えた多数の細孔を有しており、かかる細孔はゴム分子鎖の吸着に関与するが、細孔の形状も密接に関係して転がり抵抗や耐摩耗性の向上に寄与するものと推定されるため、こうした含水ケイ酸の細孔の形状に関する規定も望まれる。
そこで、本発明は、トレッドのようなタイヤ用部材に適用した際、転がり抵抗と耐摩耗性との両立を充分に図ることのできるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性を有する含水ケイ酸を配合したゴム組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、インクボトル状細孔指数(IB)が、
直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1・・・(X)
で求められる値であって、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(I)及び(II);
IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140)・・・(I)
IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB)・・・(II)
を満たし、かつ
灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(III);
灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%)・・・(III)
を満たす含水ケイ酸を、ゴム成分に配合してなることを特徴とする。
前記含水ケイ酸のセチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)は、50〜300m/gであるのが望ましい。
また、前記ゴム成分が天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなり、かつ
前記ゴム成分100質量部に対し、前記含水ケイ酸を10〜150質量部の量で配合してなるものであってもよい。
前記含水ケイ酸100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を1〜20質量部の量で配合してなるものであってもよい。
また、前記シランカップリング剤は、下記式(IV);
3−mSi−(CH−S−(CH−SiA3−m・・・(IV)
[式(IV)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数である。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物、下記式(V);
3−mSi−(CH−Y・・・(V)
[式(V)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物、下記式(VI);
3−mSi−(CH−S−Z・・・(VI)
[式(VI)中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、Bは互いに同一であっても異なっていてもよく、mが2又は3の時、Aは互いに同一であっても異なっていてもよい。]で表される化合物及び下記式(VII);
1 x2 y3 zSi−R4−S−CO−R5・・・(VII)
[式(VII)中、R1は、R6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67NO−、R67N−及び−(OSiR67)n(OSiR567)から選択され、かつ炭素数が1〜18であり(但し、R6及びR7は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり、nは0〜10である);
2は、水素、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され;
3は、−[O(R8O)]0.5−(但し、R8は、アルキレン基及びシクロアルキレン基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり、mは1〜4である)であり;
x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たし;
4は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択され、かつ炭素数が1〜18であり;
5は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択され、かつ炭素数が1〜18である。]で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であるのが望ましい。
前記ゴム100質量部に対し、さらにカーボンブラックを80質量部以下の量で配合してなり、かつ前記含水ケイ酸と前記カーボンブラックとの総配合量が120質量部以下であってもよい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を、タイヤ用部材に適用したことを特徴とする。
本発明のゴム組成物によれば、粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性を有する含水ケイ酸が配合されてなるため、タイヤに用いた際に優れた転がり抵抗と耐摩耗性とを兼ね備えることができる。したがって、かかるゴム組成物をタイヤ用部材として用いることにより、高性能な空気入りタイヤを実現することが可能となる。
含水ケイ酸の粒子における内心方向断面図(部分拡大図)である。 水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定による、含水ケイ酸の水銀の圧入排出曲線(概略図)である。縦軸は、水銀の圧入曲線Cでは微分水銀圧入量(−dV/d(log d))を示し、水銀の排出曲線Dでは微分水銀排出量(−dV/d(log d))を示す。なおVは、水銀の圧入曲線Cでは水銀圧入量(cc)、水銀の排出曲線Dでは水銀排出量(cc)を意味し、dは含水ケイ酸の細孔における開口部の直径(nm)を意味する。横軸はこのd(nm)を示す。
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しつつ具体的に説明する。
本発明のゴム組成物は、インクボトル状細孔指数(IB)が、
直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1・・・(X)
で求められる値であって、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(I)及び(II);
IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140)・・・(I)
IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB)・・・(II)
を満たし、かつ
灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(III);
灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%)・・・(III)
を満たす含水ケイ酸を、ゴム成分に配合してなることを特徴としている。
本発明のゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム又はジエン系合成ゴムを単独で、或いは天然ゴムとジエン系合成ゴムを併用して用いることができる。かかるジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。なかでも、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が好ましい。なお、これらジエン系合成ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分に対し、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び水銀ポロシメータによって求められるインクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(I)及び(II);
IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140)・・・(I)
IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB)・・・(II)
を満たす含水ケイ酸を配合してなる。
ここで、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とは、ASTM D3765−92に準拠して測定された値を意味する。ただし、ASTM D3765−92はカーボンブラックのCTABを測定する方法であるため、本明細書では、標準品であるIRB#3(83.0m2/g)の代わりに、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、上記含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から算出される比表面積(m/g)をCTABの値とする。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるためである。
また、インクボトル状細孔指数(IB)とは、直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際における水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1・・・(X)
で求められる値を意味する。水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定は、従来より細孔の形態を評価するのに多く採用される電子顕微鏡を用いた測定よりも簡便であり、かつ定量性に優れるので有用な方法である。
一般に、含水ケイ酸の粒子は、その外表面に開口部を具えた凹状を呈した細孔を多数有している。図1に、含水ケイ酸の粒子における内心方向断面でのこれら細孔の形状を模した概略図を示す。粒子における内心方向断面でかかる凹状を呈した細孔は、様々な形状を呈しており、粒子の外表面における開口部の直径Maと粒子内部における細孔径(内径)Raとが略同一の形状、すなわち粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔Aもあれば、粒子内部における細孔径(内径)Rbよりも粒子の外表面における開口部の直径Mbの方が狭小である形状、すなわち粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bもある。しかしながら、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bであると、粒子の外表面から内部へとゴム分子鎖が侵入しにくいため、含水ケイ酸をゴム成分に配合した際にゴム分子鎖を充分に吸着させることができず、転がり抵抗性が低下するおそれがあるとともに補強性が不充分となって耐摩耗性の向上を図るのが困難となるおそれがある。したがって、かかるインクボトル状を呈する細孔B数を低減し、粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔A数を増大させれば、ゴム分子鎖の侵入を効率的に促進することができ、転がり抵抗性を低下させることなく、充分な補強性を発揮して耐摩耗性の向上に寄与することが可能となる。
上記観点から、本発明では、ゴム成分に配合する含水ケイ酸に関し、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔B数を低減すべく、上記インクボトル状細孔指数(IB)を規定する。上述のように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を上昇させた際、略円筒状を呈する細孔Aは外表面の開口部が開放的であるために細孔内部に水銀が圧入されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは外表面の開口部が閉鎖的であるために細孔内部に水銀が圧入されにくい。一方、圧力を下降させた際には、同様の理由により、略円筒状を呈する細孔Aは細孔内部から細孔外部へ水銀が排出されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは細孔内部から細孔外部へ水銀がほとんど排出されない。
したがって、図2に示すように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定では、水銀の圧入排出曲線C−Dにヒステリシスが生じる。すなわち、比較的低圧力下では略円筒状を呈する細孔A内に徐々に水銀が圧入されるが、ある圧力に達した時点で、それまで水銀が侵入しにくかったインクボトル状を呈する細孔Bを含む、略円筒状を呈する細孔以外の細孔内にも一気に水銀が圧入され、急激に圧入量が増大して、縦軸を微分水銀圧入量(−dV/d(log d))、横軸を含水ケイ酸の細孔における開口部の直径M(nm)とした場合に圧入曲線Cを描くこととなる。一方、圧力を充分に上昇させた後に圧力を下降させていくと、比較的高圧力下では水銀が排出されにくい状態が継続するものの、ある圧力に達した時点で、細孔内に圧入されていた水銀が細孔外に一気に排出され、急激に排出量が増大して、縦軸を微分水銀排出量(−dV/d(log d))、横軸を含水ケイ酸の細孔における開口部の直径M(nm)とした場合に排出曲線Dを描くこととなる。一旦細孔内に圧入された水銀は、圧力の下降時には細孔外に排出されにくい傾向にあるため、圧力の下降時では上昇時における圧入量の増大を示す直径(M1)の位置よりも大きい値を示す直径(M2)の位置で排出量の増大が見られ、これらの直径の差(M2−M1)が図2のIBに相当する。特にインクボトル状を呈する細孔Bにおいては、圧入された水銀が排出されにくい傾向が顕著であり、圧力上昇時には細孔B内に水銀が圧入されるものの、圧力下降時には細孔B外に水銀がほとんど排出されない。
こうした測定方法を採用し、細孔の性質に起因して描かれる水銀圧入排出曲線C−Dを活用して、上記式(X)に従い、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)と、圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)との差IBを求めれば、係る値が見かけ上はこれらの直径の差(長さ:nm)を示すものの、実質的には含水ケイ酸に存在するインクボトル状を呈する細孔Bの存在割合を示す細孔指数を意味することとなる。すなわち、充分に狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が小さいほど、水銀圧入量と水銀排出量とがほぼ同量に近づき、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が短縮してIB値が小さくなる。一方、インクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が大きいほど、水銀圧入量よりも水銀排出量が減少し、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が拡大してIB値が大きくなる。
こうしたIBは、上記CTABの値によっても変動し得る性質を有しており、CTABが増大するにつれ、IB値が低下する傾向にある。したがって、本願で用いる含水ケイ酸は、CTABが140(m/g)である場合を境にして、下記式(I)及び(II);
IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140)・・・(I)
IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB)・・・(II)
を満たし、下記式(I−1)及び(II−1)
IB≦−0.48×CTAB+97.2 (但し、CTAB≦140)・・・(I−1)
IB≦−0.20×CTAB+58.0 (但し、140<CTAB)・・・(II−1)
を満たすのが好ましい。IB及びCTABが上記式(I)〜(II)、好ましくは(I−1)〜(II−1)を満たす含水ケイ酸であると、狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔B数が有効に低減され、略円筒状を呈する細孔Aが占める存在割合が増大するため、ゴム分子鎖を充分に侵入させて吸着させることができ、充分な補強性を発揮して、タイヤにおける転がり抵抗を低下させることなく耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
上記含水ケイ酸は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が好ましくは50〜300m/g、より好ましくは90〜220m/gであるのが望ましい。CTABが50m/g未満であると、得られるタイヤの耐摩耗性が著しく低下するおそれがある。一方、300m/gを超えると、含水ケイ酸がゴム成分中で良好に分散できず、ゴムの加工性が著しく低下するおそれがあり、ひいては耐摩耗性等の物性が低下する傾向にある。
上記含水ケイ酸は、上記式(I)〜(II)を満たすほか、さらに灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)、及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(III);
灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%)・・・(III)
を満たす。さらに上記式(III)は、下記式(III−1)であるのが好ましい。
灼熱減量−加熱減量≧ 3.0(質量%)・・・(III−1)
上記「灼熱減量−加熱減量」は、含水ケイ酸表面にあるシラノール基密度の指数であり、含水ケイ酸とゴム分子鎖との相互作用の観点から、含水ケイ酸が式(I)及び(II)に加えて上記(III)を満たすことにより、転がり抵抗と耐摩耗性との良好なバランスを発揮するのに大きく寄与することとなる。
上記含水ケイ酸の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは30〜100質量部の量であるのが望ましい。含水ケイ酸の配合量が10質量部未満であると、ゴム組成物の低発熱性が損なわれるおそれがあり、150質量部を超えると、ゴムの加工性が低下するとともに得られるタイヤの耐摩耗性をも低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、上記含水ケイ酸100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を1〜20質量部、好ましくは3〜16質量部、より好ましくは5〜12質量部の量で配合されてなるのが望ましい。シランカップリング剤を含水ケイ酸100質量部に対して1質量部以上の量で配合することで、含水ケイ酸配合の効果をさらに向上させ、ゴム組成物の低発熱性及び貯蔵弾性率等の物性をさらに向上させることができる一方、20質量部を超えた量で配合しても、低発熱性及び貯蔵弾性率等をさらに向上させることができず、コスト高となるおそれがある。
上記シランカップリング剤としては、下記式(IV);
3−mSi−(CH−S−(CH−SiA3−m・・・(IV)
[式(IV)中、A、B、m、a、及びbは上記で定義した通りである]で表される化合物、下記式(V);
3−mSi−(CH−Y・・・(V)
[式(V)中、A、B、Y、m、及びcは上記で定義した通りである]で表される化合物、下記式(VI);
3−mSi−(CH−S−Z・・・(VI)
[式(VI)中、A、B、Z、m、a、及びbは上記で定義した通りである]で表される化合物、及び下記式(VII);
1 x2 y3 zSi−R4−S−CO−R5・・・(VII)
[式(VII)中、R1、R2、R3、R4、R5、x、y及びzは上記で定義した通りである]で表される化合物が好ましく、これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記式(IV)で表される化合物としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(V)で表される化合物としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、エボニック・デグッサ社製の商品名「VP Si363」が挙げられる。
さらに、上記式(VI)で表される化合物としては、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(VII)で表される化合物については、式(VII)中、R2、R5、R6及びR7において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。また、アルケニル基も、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタニル基等が挙げられる。さらに、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が、シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基等が、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられる。またさらに、R5において、アラルキル基としては、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(VII)中、R4及びR8において、アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基等が挙げられる。またさらに、R4において、アルケニレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。また、シクロアルキルアルキレン基としては、シクロヘキシルメチレン基等が、アリーレン基としては、フェニレン基等が、アラルキレン基としては、キシリレン基等が挙げられる。
上記式(VII)中、R3において、−[O(R8O)m]0.5−基としては、1,2-エタンジオキシ基、1,3-プロパンジオキシ基、1,4-ブタンジオキシ基、1,5-ペンタンジオキシ基、1,6-ヘキサンジオキシ基等が挙げられる。
上記式(VII)で表される化合物は、特表2001−505225号に記載の方法と同様に合成することができ、また、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名「NXT」(式(VII)のR1=C25O、R4=C36、R5=C715、x=3、y=0、z=0:3−オクタノイルチオ−プロピルトリエトキシシラン)等の市販品を利用することもできる。
なかでも、上記式(IV)、(V)、(VI)又は(VII)で表される化合物のうち、上記式(V)で表される化合物、又は上記式(VII)で表される化合物が好ましい。
また、前記シランカップリング剤として、分子内に、窒素原子(N)及びケイ索原子(Si)を含む環状構造と、一つ以上の硫黄原子(S)とを有する所定の有機ケイ素化合物を用いることができる。
前記有機ケイ素化合物は、シリカ等の無機充填剤の表面との親和性が高いアミノ基、イミノ基、置換アミノ基、置換イミノ基等の含窒素官能基を含むため、窒素原子の非共有電子対が、有機ケイ棄化合物と無機充填剤の反応に関与でき、カップリング反応の速度が速い。しかし、窒素原子(N)とケイ素原子(Si)とを含む環状構造が二環性の構造の場合、ケイ素原子(Si)周辺の立体障害が大きいため、無機充填剤との反応性が低く、カップリング効率が大幡に低下してしまう。本発明で使用する有機ケイ素化合物は、立体障害の小さな基が一つ以上ケイ素原子に結合している部位を有するため、シリカ等の無機充填剤との反応性が高い。そのため、従来のシランカップリング剤に代えて、この有機ケイ素化合物を無機充填剤配合ゴム組成物に添加することで、カップリング効率が向上し、その結果として、ゴム組成物のヒステリシスロスを大幅に低下させつつ、耐摩耗性を大幅に向上させることが可能となる。また、本発明の有機ケイ素化合物は、添加効率が高いため、少量でも高い効果が得られ、配合コストの低減にも寄与する。
前記立体障害の小さな基としては、水素原子(−H)、メチル基(−CH)及びヒドロキシル基(−OH)等が好ましい。水素原子、メチル基又はヒドロキシル基がケイ素原子(Si)に結合している場合、有機ケイ素化合物と無機充填剤との反応性が特に高く、カップリング効率を大幅に向上させることができる。また、前記有機ケイ素化合物は、ケイ素−酸素結合(Si−O)を1〜6個有することが好ましい。有機ケイ素化合物がケイ素−酸素結合(Si−O)を1〜6個有する場合、シリカ等の無機充填剤との反応性が高く、カップリング効率が更に向上するためである。
本発明で使用する有機ケイ素化合物として、具体的には、下記一般式(XI)で表わされる化合物が好ましい。該有機ケイ素化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2012017440
[式中、Aは硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基であり、R及びRはそれぞれ独立して−M−C2l−(ここで、Mは−O−又は−CH−で、lは0〜10である)で表わされ、但し、R及びRの一つ以上はMが−O−であり、Rは水素原子、メチル基又はヒドロキシル基、Rは−CnH2n+1であり、nは0〜20である。]
一般式(XI)において、Aは、硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基である。式(XI)で表わされる有機ケイ素化合物は、環状構通部分がシリカ等の無機充填剤と反応するため、分子内に更にゴム成分と反応する基を有することで、ゴム成分と無機充填剤とのカップリング能力を有することとなる。ここで、硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基は、ポリサルファイド基、チオエステル基、チオール基、ジチオカーボネート基、ジチオアセタール基、ヘミチオアセタール基、ビニルチオ基、α−チオカルボニル基、β−チオカルボニル基、S−CO−CH−O部分、S−CO−CO部分(チオジケトン基)、及びS−CH−Si部分からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、ポリサルファイド基及びチオエステル基の少なくとも一方を含むことが特に好ましい。
一般式(XI)において、R及びRはそれぞれ独立して−M−C2l−で表され、ここで、Mは−O−又は−CHであり、lは0〜10である。但し、R及びRの一つ以上は、Mが−O−である。−C2l−は、lが0〜10であるため、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基杜、直鎖状でも分岐状でもよい。
一般式(XI)において、Rは、水素原子、メチル基又はヒドロキシル基である。該Rは、立体障害が小さいため、ゴム成分と無機充填剤とのカップリング反応の向上に大きく寄与する。
−般式(XI)において、Rは−C2n+1で、nは0〜20である。
−C2n+1は、nが0〜20であるため、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル墓、ドデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
上記一般式(XI)中のAは、下記一般式(XII)、(XIII)又は(XIV)で表わされことが好ましい。
Figure 2012017440
Figure 2012017440
Figure 2012017440
[式(XII)中のR、R、R及びRは上記と同義であり、式(XII)及び式(XIII)中のR6は下記一般式(XV)又は(XVI)
Figure 2012017440
Figure 2012017440
(式中、M及びlは上記と同義、mは0〜10であり、X及びYはそれぞれ独立して−O、−NR−又は−CH2−で、R12は−OR、−NR又は−Rで、R13は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、但し、Rは上記と同義、RはC2q+1で、qは1〜10である)或いは−M−C2l−(M及び1は上記と同義である)で表わされ、
式(XIII)中のRは下記一般式(XVII)又は(XVIII)、
Figure 2012017440
Figure 2012017440
(式中、M、X、Y、R13、l及びmは上記と同義、R14は−NR、−NRNR、−N=NRである)或いは−C2l−R15(R15は−NR、−NR−NR、−N=NR4又は−M−C2m+1或いは炭素6〜20の芳香族炭化水素基であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、
式(XII)及び(XIII)中のxは1〜10であり、
式(XIV)中のR、R及びR10はそれぞれ独立して−M−C2p−(ここで、Mは−O−又は−CHであり、pは0〜20である)、R11はH,OH又はメチル基である]
で表わされることが好ましい。式(XII)及び式(XIII)中のxは1〜10であるが、好ましくは2〜4である。
上記式(XV)及び(XVI)において、Mは−O−又は−CH−であり、l及びmは0〜10である。また、上記式(V)おいて、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−であり、R12は−OR、−NR又は−Rであり、ここで、Rは−C2n+1で、RはC2q+1である。更に、上記式(XVI)において、R13は、−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、ここで、Rは−C2n+1である。
−C2n+1については、上述の通りであり、−C2m−は、mが0〜10であるため、単結合又は炭素教1〜10のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基臆、直鏡状でも分岐状でもよい。
また、−Cq2q+1は、qが0〜10であるため、水素又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は直鎖状でも、分岐状でもよい。
上記式(XIII)中のRは、上記一般式(XVII)又は式(XVIII)、或いは−C2l−R16で表わされ、特には−C2l+1で表わされることが好ましい。但し、M、X、Y、R12、R14、l及びmは上記と同義である。ここで、R15は−NR、−NR、−N=NR又は−M-C2m+1或いは炭素6〜20の芳香族炭化水素基であり、R、R、M、l及びmは上記と同義である。
なお、−C2l-については、上述の通りであり、また、−C2m+1mが0〜10であるため水素又は炭素数1〜10のアルキル基であり、炭素数1〜10のアルキル基としてメチル基、エチル基、プロビル基、プチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は直鎖状でも、分岐状でもよい。また、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチレン基、トリレン基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
また、式(XVI)中の−C2p+1−は、pが0〜20であるため、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、デカメチレン寒、エイコサメチレン基等が挙げられ、該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。
上記式(XI)の化合物において、Mは−O−(酸素)であることが好ましい。この場合、Mが−CH−である化合物と比べてシリカ等の無機充項剤との反応性が高い。
また、式(XI)において、R及びRはそれぞれ独立して−O−C2l−で表わされることが好ましく、Rは水素原子、メチル基又はヒドロキシル基であり、上記Rは−O−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは、−O−C2l−で表わされる直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
前記有機ケイ素化合物、例えば、(C2l+1O)2Si−A[式中、l、R及びAは上記と同義である]で表わされる化合物に対し、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のアミン化合物を加え、さらに触媒としてp−トルエンスルホン酸、塩酸等の酸や、チタンテトラn−ブトキシド等のチタンアルコシドを添加し、加熱して、2つのC2l+1O−を−R−NR−R−で表わされる二価の基で置換することで合成できる。
前記有機ケイ素化合物は、窒素原子(N)とケイ素原子(Si)とを含む環状構造を有し、該環状構造は、ケイ素−酸素結合(Si−O)を含む場合であっても、安定である。そのため、ケイ素−酸素結合(Si−O)が加水分解してアルコール成分が発生することがなく、使用中の揮発性有機化合物(VOC)ガスを低減できる点で有効である。
本発明のゴム組成物には、さらに補強用充填剤としてカーボンブラックを配合してもよく、該カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下、好ましくは60質量部以下の量であるのが望ましい。カーボンブラックの配合量が上記ゴム成分100質量部に対して80質量部を超えると、ゴム組成物の低発熱性が悪化するおそれがある。また、この場合、該カーボンブラックと上記含水ケイ酸との総配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下、好ましくは100質量部以下の量であるのが望ましい。カーボンブラックと含水ケイ酸との総配合量を上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、ゴム組成物の低発熱性を実現して転がり抵抗性を充分に向上させることができる。
本発明のゴム組成物には、通常のゴム組成物に配合する添加剤を本発明の効果を損なわない程度に配合することができ、例えば、ゴム工業で通常使用されている老化防止剤、加硫促進剤、硫黄、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤を適宜配合することができる。なお、本発明のゴム組成物は、ロール等の開放式混練機や、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後に加硫を行い、各種ゴム製品に適用可能である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ用部材のいずれかに適用したことを特徴とする。かかるタイヤ用部材のなかでもトレッドが特に好ましく、上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、該ゴム組成物が転がり抵抗が低く、また耐摩耗性にも優れる。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスが挙げられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、含水ケイ酸の物性は、下記の方法で評価した。
《インクボトル状細孔指数(IB)の測定》
水銀ポロシメータ POREMASTER-33(Quantachrome社製)を用いて、上述したように、水銀圧入法に基づき、まず圧力を1〜32000PSIまで上昇させて、含水ケイ酸の外表面において開口部の直径1.2×105nm〜6nmである細孔について水銀圧入量を測定し、図2に示したように圧入量のピークに位置する直径(M1)を求めた。次に、圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させて、水銀を細孔内から排出した。このときの排出曲線から得られた排出量のピークに位置する直径(M2)を求めた。これらM1及びM2の値から上記式(X)によりIBを算出した。
《CTABの測定》
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。この際、上述したように、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から比表面積(m/g)を算出した。
《灼熱減量及び加熱減量の測定》
含水ケイ酸サンプルを秤量し、灼熱減量の場合は750℃でサンプルを3時間加熱した後に減少分の質量を測定し、加熱減量の場合は105℃でサンプルを2時間加熱した後に減少分の質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を加熱前の質量に対して百分率(%)で表した。
[製造例1:含水ケイ酸Aの製造]
撹拌機を備えた180リットルのジャケット付きステンレス反応槽に、水65リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.25リットルを入れ、96℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量750ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量33ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、30分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は85g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥し、湿式法含水ケイ酸Aを得た。
[製造例2:含水ケイ酸Bの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.70リットルを入れ、75℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を75℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、46分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Bを得た。
[製造例3:含水ケイ酸Cの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水65リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.25リットルを入れ、85℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を85℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量750ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量33ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、31分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は85g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Cを得た。
[製造例4:含水ケイ酸Dの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水65リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.25リットルを入れ、80℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を80℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量750ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量33ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、31分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は85g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Dを得た。
[製造例5:含水ケイ酸Eの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.70リットルを入れ、85℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を85℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、45分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Eを得た。
[製造例6:含水ケイ酸Fの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.70リットルを入れ、80℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を80℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、45分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Fを得た。
[製造例7:含水ケイ酸Gの製造]
製造例1と同じステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.70リットルを入れ、70℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を70℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、46分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Gを得た。
[比較例1〜4、実施例1〜7]
表1に示す配合処方により各々表2〜3に示す含水ケイ酸を用いたゴム組成物を常法に従って調製し、さらにかかる該ゴム組成物をトレッドゴムに適用した、サイズ:195/65R15のタイヤを常法に従って試作して、耐摩耗性及び転がり抵抗を下記の方法により評価した。結果を表2〜3に示す。
[比較例5、実施例8〜10]
表4に示す配合処方により各々表5に示す含水ケイ酸を用いたゴム組成物を常法に従って調製し、さらにかかる該ゴム組成物をトレッドゴムに適用した、サイズ:195/65R15のタイヤを常法に従って試作して、耐摩耗性及び転がり抵抗を下記の方法により評価した。結果を表5に示す。
《耐摩耗性》
供試タイヤを車両に装着して2万km走行した後の残溝量を測定し、比較例1及び比較例5の残溝量を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性に優れることを示す。
《転がり抵抗》
供試タイヤに対し、室内の一軸転がり抵抗測定ドラム試験機により、80km/hでの転がり抵抗を測定し、比較例1及び比較例5の転がり抵抗を100として指数表示した。指数値が大きい程、転がり抵抗が小さいことを示す。
Figure 2012017440
※1:#1500、JSR社製
※2:登録商標シーストKH(N339)、東海カーボン社製
※3:表2に示す含水ケイ酸
※4:NXT(登録商標)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
※5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ノラック6C、大内新興化学工業製
※6:ジフェニルグアニジン、ノクセラーD、大内新興化学工業製
※7:ベンゾチアジルジスルフィド、ノクセラーDM−P、大内新興化学工業製
※8:N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ノクセラーNS−P、大内新興化学工業製
Figure 2012017440
※9:Nipsil AQ、東ソー・シリカ社製
※10:VN2、デグッサ社製
※11:Ultrasil7000GR、デグッサ社製
※12:TOKUSIL255G、OSC社製
Figure 2012017440
Figure 2012017440
※1:#1500、JSR社製
※2:登録商標シーストKH(N339)、東海カーボン社製
※3:表2に示す含水ケイ酸
※13:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグッサ社製、Si69
※5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ノラック6C、大内新興化学工業製
※6:ジフェニルグアニジン、ノクセラーD、大内新興化学工業製
※7:ベンゾチアジルジスルフィド、ノクセラーDM−P、大内新興化学工業製
※8:N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ノクセラーNS−P、大内新興化学工業製
Figure 2012017440
※9:Nipsil AQ、東ソー・シリカ社製
※13:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグッサ社製、Si69
表2〜3及び5の結果によれば、上記式(I)〜(III)を満たす含水ケイ酸を配合したゴム組成物を適用した実施例1〜7及び8〜10は、比較例1〜5に比して、優れた転がり抵抗性及び耐摩耗性をバランスよく発揮することがわかる。
A:略円筒状を呈する細孔
B:インクボトル状を呈する細孔
a:粒子の外表面における細孔Aの開口部の直径
b:粒子の外表面における細孔Bの開口部の直径
a:粒子内部における細孔Aの細孔径(内径)
b:粒子内部における細孔Bの細孔径(内径)
C:水銀の圧入曲線
D:水銀の排出曲線
M1:水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径
M2:水銀排出量の最大値を示す開口部の直径
IB:インクボトル状細孔指数

Claims (3)

  1. インクボトル状細孔指数(IB)が、
    直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
    IB=M2−M1・・・(X)
    で求められる値であって、
    セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(I)及び(II);
    IB≦−0.56×CTAB+110.4 (但し、CTAB≦140)・・・(I)
    IB≦−0.20×CTAB+60.0 (但し、140<CTAB)・・・(II)
    を満たし、かつ
    灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少分)(質量%)及び加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少分)(質量%)が、下記式(III);
    灼熱減量−加熱減量≧ 2.5(質量%)・・・(III)
    を満たす含水ケイ酸を、ゴム成分に配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記含水ケイ酸のセチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が、50〜300m/gであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1に記載のゴム組成物を、タイヤ用部材に適用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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