JP2012014956A - 透明導電性フイルム及び発熱ガラスの製造方法 - Google Patents

透明導電性フイルム及び発熱ガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円弧等の周期や振幅、あるいは第1金属細線と第2金属細線との交差角度を最適化することで、光芒の強度を低下させてぎらつきを低減し、しかも、明るい環境下でもメッシュパターンが認識されにくい、すなわち、視認性の向上を図ることができる透明導電性フイルムを提供する。
【解決手段】複数の導電性の金属細線によるメッシュパターン18を有する透明導電性フイルム10において、メッシュパターン18は、第1方向(x方向)に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線22aと、第2方向(y方向)に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線22bとを有し、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの振幅をh1及びh2とし、周期をc1及びc2としたとき、0.011<(h1/c1)<0.085、且つ、0.011<(h2/c2)<0.085を満足する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のデフロスタ(霜取り装置)、窓ガラス等の一部として使用可能で、電流を流すことで発熱し発熱シートとしても機能し、また、例えば窓ガラス等に設置された色素増感型太陽電池の電極等としても使用することができる透明導電性フイルムと、該透明導電性フイルムを有する発熱ガラス(電熱窓ガラス)の製造方法に関する。
従来、窓ガラス内に設置する透明導電性フイルムとして、電極(バスバー)間に配線した多数の直線状の金属細線で構成した例(特許文献1参照)や、金属細線ではなく、膜状の導電膜を場所に応じて膜厚を変えて形成した例(特許文献2参照)、交差部間に1つの円弧が配置されるように形成したメッシュパターンを有する例(特許文献3参照)等がある。
また、電流を流すことで発熱シートとして使用する場合に、発熱効率を向上させることができると共に車両用灯具や外灯等による光のぎらつきを防止することができ、車両灯具用前面カバー専用、窓ガラス専用というように、汎用性を持たせることができる透明導電性フイルムが提案されている(特許文献4参照)。
この特許文献4記載の透明導電性フイルムにおけるメッシュパターンは、交差部間が少なくとも1つの円弧を有し、且つ、円弧の向きが互い違いにして配列された波線形状に形成され、特に、メッシュパターンを構成する第1金属細線及び第2金属細線の交差角度がほぼ90度とされている。
また、透明導電性フイルムを窓ガラス(例えば車両のフロントガラス)に設置する場合は、フロントガラスを構成する2枚の貼合せガラスの間に透明導電性フイルムを設置する方法が好ましく採用され、例えば特許文献5に記載の方法等が挙げられる。
特表2006−523601号公報 特開2002−20142号公報 特表2010−500729号公報 特開2009−302035号公報 特表2004−520186号公報
ところで、特許文献1記載の透明導電性フイルムは、電極間に直線状の金属細線を多数形成して構成していることから、断線した金属細線は全く機能しなくなるという問題がある。直線状の金属細線でメッシュパターンを形成することで、断線による不都合を回避することができるが、夜間の車両用灯具や外灯等からの光による光芒が十字状に現れ、しかも、光芒の強度が強く、ぎらつきとして認識されるという問題がある。
特許文献2記載の透明導電性フイルムは、窓ガラスほぼ全面に導電膜が形成されることから、光透過性が悪く、背景が曇って見えるという問題がある。
特許文献3及び4記載の透明導電性フイルムは、メッシュパターンとして、多数の円弧が配列された第1金属配線と第2金属配線を交差させて構成しているため、夜間の車両用灯具や外灯等からの光による光芒は、弱い光が広く分布した形状となるため、特許文献1よりもぎらつきは軽減される。
しかしながら、円弧の周期や振幅、あるいは第1金属細線と第2金属細線との交差角度によって、光芒の強度がどのように変化するか、明るい環境下(昼間等)においてメッシュパターンが認識されるか否かについて検討がなされていない。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、円弧等の周期や振幅、あるいは第1金属細線と第2金属細線との交差角度を最適化することで、光芒の強度を低下させてぎらつきを低減し、しかも、明るい環境下でもメッシュパターンが認識されにくい、すなわち、視認性の向上を図ることができる透明導電性フイルムを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、上述の本発明に係る透明導電性フイルムを用いることで、ぎらつきを低減でき、しかも、明るい環境下でもメッシュパターンが認識されにくい発熱ガラスを製造することができる発熱ガラスの製造方法を提供することにある。
[1] 第1の本発明に係る透明導電性フイルムは、複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有する透明導電性フイルムにおいて、前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅をh1及びh2とし、周期をc1及びc2としたとき、
0.011<(h1/c1)<0.085
且つ
0.011<(h2/c2)<0.085
を満足することを特徴とする。
[2] 第2の本発明に係る透明導電性フイルムは、複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有する透明導電性フイルムにおいて、前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、前記第1金属細線の中心線と前記第2金属細線の中心線の交差角度をβとしたとき、
0°<β≦60°
を満足することを特徴とする。
[3] 第3の本発明に係る透明導電性フイルムは、対向して配置された第1電極及び第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極間に配置された透明導電部とを有する透明導電性フイルムであって、前記透明導電部は、透明支持体上に形成された複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有し、前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅をh1及びh2とし、周期をc1及びc2としたとき、
0.011<(h1/c1)<0.085
且つ
0.011<(h2/c2)<0.085
を満足することを特徴とする。
[4] 第4の本発明に係る透明導電性フイルムは、対向して配置された第1電極及び第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極間に配置された透明導電部とを有する透明導電性フイルムであって、前記透明導電部は、透明支持体上に形成された複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有し、前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、前記第1金属細線の中心線と前記第2金属細線の中心線の交差角度をβとしたとき、
0°<β≦60°
を満足することを特徴とする。
[5] 第1又は第3の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
0.016≦(h1/c1)≦0.079
且つ
0.016≦(h2/c2)<0.079
を満足することを特徴とする。
[6] 第1又は第3の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
0.022≦(h1/c1)≦0.055
且つ
0.022≦(h2/c2)<0.055
を満足することを特徴とする。
[7] 第1又は第3の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
0.03≦(h1/c1)≦0.06
且つ
0.03≦(h2/c2)<0.06
を満足することを特徴とする。
[8] 第2又は第4の本発明において、前記交差角度は10°〜45°であることを特徴とする。
[9] 第1〜第4の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線は、交差部間が少なくとも1つの円弧を有し、且つ、前記円弧の向きが互い違いにして配列された波線形状に形成されていることを特徴とする。
[10] 第1〜第4の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の線幅が共に3μm以上10μm以下で、且つ、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の配列ピッチが共に150μm以上1000μm以下であることを特徴とする。
[11] 第1〜第4の本発明において、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の線幅が共に3μm以上10μm以下で、且つ、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の配列ピッチが共に200μm以上500μm以下であることを特徴とする。
[12] 第5の本発明に係る発熱ガラスの製造方法は、少なくとも1層の可撓性安全フイルムと上述した第1〜第4の本発明のいずれかに係る透明導電性フイルムとを貼り合わせて複合フイルムを作製する工程と、前記複合フイルムを2枚のガラス板の間に挟んで一体化する工程とを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る透明導電性フイルムによれば、円弧等の周期や振幅、あるいは第1金属細線と第2金属細線との交差角度を最適化することで、光芒の強度を低下させてぎらつきを低減し、しかも、明るい環境下でもメッシュパターンが認識されにくい、すなわち、視認性の向上を図ることができる。従って、電流を流すことで発熱シートとして使用する場合に、発熱効率を向上させることができると共に車両用灯具や外灯等による光のぎらつきを防止することができ、しかも、例えば車両のフロントガラスに設置した際に、透明性を損なうことがなく、特に、運転者の視線が向けられる部分での透明性を十分に確保することができる。
また、本発明に係る発熱ガラスの製造方法によれば、上述の本発明に係る透明導電性フイルムを用いることで、ぎらつきを低減でき、しかも、明るい環境下でもメッシュパターンが認識されにくい発熱ガラスを製造することができる。これにより、例えば車両のフロントガラスに設置した際に、透明性を損なうことがなく、特に、運転者の視線が向けられる部分での透明性を十分に確保することができる。
透明導電性フイルムの一構成例を示す平面図である。 透明導電性フイルムを一部省略して示す断面図である。 透明導電性フイルムのメッシュパターンを一部省略して示す平面図である。 図4A〜図4Eは透明導電性フイルムの第1の製造方法を示す工程図である。 図5A及び図5Bは透明導電性フイルムの第2の製造方法を示す工程図である。 図6A及び図6Bは透明導電性フイルムの第3の製造方法を示す工程図である。 透明導電性フイルムの第4の製造方法を示す工程図である。 発熱ガラスの第1製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る透明導電性フイルム及び発熱ガラスの製造方法の実施の形態例を図1〜図8を参照しながら説明する。なお、本明細書において、数値範囲「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
先ず、本実施の形態に係る透明導電性フイルムは、車両のデフロスタ(霜取り装置)や、窓ガラス等の一部として使用可能な透明導電性フイルムである。この透明導電性フイルムは、電流を流すことで発熱する透明発熱体としても機能する。さらに、LCD、EL、PDP等の表示装置のヒーターや電磁波遮蔽フィルターとして使ったり、タッチパネルや電子ペーパーの面電極として使用したときも、画面との干渉縞をほとんど発生せず良好に使用することができる。
そして、この透明導電性フイルム10は、図1に示すように、上下に対向して配置された第1電極12a及び第2電極12bと、これら第1電極12a及び第2電極12b間に配置された透明導電部14とを有する。図1では、自動車のフロントガラス等の窓ガラス15(投影形状を二点鎖線で示す)内に透明導電性フイルム10を設置した例(発熱ガラス)を示し、窓ガラス15の上部に第1電極12aが配置され、下部に第2電極12bが配置された例を示している。なお、窓ガラス15内に透明導電性フイルム10を設置する方法としては、例えば窓ガラス15を構成する2枚のガラス板の間に透明導電性フイルム10を設置することが好ましく採用される。
そして、透明導電部14は、図2に示すように、1つの透明フイルム基材16上に形成された複数の導電性の金属細線22によるメッシュパターン18を有する。メッシュパターン18は、図3に示すように、第1方向(図3においてx方向)に第1ピッチL1で並ぶ複数の第1金属細線22aと、第2方向(図3においてy方向)に第2ピッチL2で並ぶ複数の直線状の第2金属細線22bとがそれぞれ交差して形成されている。メッシュパターン18における交差部24間の第1金属細線22a及び第2金属細線22bは、少なくとも1つの湾曲を有する波線形状に形成されている。
特に、このメッシュパターン18は、湾曲が円弧状であって、交差部24間に2つの円弧26がそれぞれ山谷の方向を逆にして連続形成された形状を有する。各円弧26はそれぞれ中心角θが0°より大きく、且つ、75°未満とされている。
また、上述の波線形状は、一定の周期を有する。周期は、円弧26の配列周期をいう。すなわち、2つの円弧26がそれぞれ山谷の方向を逆にして連続配列された長さを1周期(c1及びc2)としている。図3の例では、交差部24間を2周期とした例を示している。1周期は、50μm〜2000μmが好ましい。ここで、交差部24の第1金属細線22a及び第2金属細線22bに沿った配列ピッチを、波線形状の周期で表すことも可能である。図3では、交差部24の配列ピッチは波線形状の2周期に相当することになる。従って、「交差部24の配列ピッチを、波線形状のn周期(nは実数)に規定する」として製造することも可能となる。このようなことから、上述の波線形状は、一定の周期を有するようにしているが、平行に隣接する波線形状の周期をそれぞれ異ならせてメッシュパターン18を形成するようにしてもよい。
第1ピッチL1及び第2ピッチL2は、150μm以上6000μm以下から選択可能である。第1ピッチL1という表現は、全ての第1金属細線22aが一定間隔で並ぶことを示すが、一部の第1金属細線22aについて、第1ピッチL1の長さを変えてもよい。この場合、隣り合う第1金属細線22aの間隔と表現した方が適切となる。これは、第2金属細線22bについても同様である。従って、隣り合う第1金属細線22aの間隔並びに隣り合う第2金属細線22bの間隔は、150μm以上6000μm以下が好ましく、明所での視認性を重視する場合は150μm以上600μm以下が好ましく、夜間の光芒低減を重視する場合は600μm以上6000μm以下が好ましく、透過率を重視する場合は150μm以上600μm以下が好ましく、低抵抗を重視する場合は150μm以上600μm以下が好ましく、さらに好ましくは、300μm以上1000μm以下である。
第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dは、3μm以上200μmから選択可能である。透明性を向上させたい場合は、3μm以上50μm以下が好ましく、明所視認性及び夜間の光芒低減を重視する場合は3μm以上10μm以下が好ましく、低抵抗を重視する場合は20μm以上200μm以下が好ましい。線幅を3μm以上10μm以下、且つ、ピッチを200μm以上500μm以下の組み合わせにすると、明所視認性と夜間の光芒を共に最適にできるので視覚的には特に好ましい。なお、透明導電性フイルム10の可視光透過率は85%以上99%以下である。
また、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの波線形状は、一定の振幅を有する。振幅は、互いに隣接する2つの交差部24を結んだ中心線m1及びm2を考えたとき、第1金属細線22aの振幅h1は、波線形状の山の頂上から中心線m1に垂線を引いたとき、山の頂上と交点(垂線と中心線m1との交点)間の距離を指し、第2金属細線22bの振幅h2は、波線形状の山の頂上から中心線m2に垂線を引いたとき、山の頂上と交点(垂線と中心線m2との交点)間の距離を指す。振幅h1及びh2は、10μm〜500μmが好ましい。本実施の形態では、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの波線形状は、一定の振幅を有するようにしているが、交差部24間に並ぶ2つの円弧26の各振幅をそれぞれ異ならせてもよいし、平行に隣接する波線形状の各円弧26の振幅を異ならせてもよい。
そして、本実施の形態においては、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの振幅h1及びh2、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの周期c1及びc2が、0.011<(h1/c1)<0.085、且つ、0.011<(h2/c2)<0.085を満足するように形成されている。好ましくは、0.016≦(h1/c1)≦0.079、且つ、0.016≦(h2/c2)<0.079であり、さらに好ましくは、0.022≦(h1/c1)≦0.055、且つ、0.022≦(h2/c2)<0.055であり、より好ましくは、0.03≦(h1/c1)≦0.06、且つ、0.03≦(h2/c2)<0.06である。
第1金属細線22a及び第2金属細線22bの波線を構成する円弧26の中心角θが75°のとき(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.085であり、中心角θが90°のとき(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.104である。
そして、(h1/c1)及び(h2/c2)を小さくすると、光芒の広がりは少なくなるが強度が大きくなる。しかし、実際目視で、対向車ランプによる光芒を観察したところ、(h1/c1)及び(h2/c2)を大きくすると、対向車ランプ周縁に大きな光の輪ができることが分かった。従って、(h1/c1)及び(h2/c2)には最適範囲があり、それが上述の範囲である。
また、本実施の形態においては、メッシュパターン18は、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2の交差角度をβとしたとき、0°<β≦60°を満足するように形成されている。好ましくは、10°≦β≦45°であり、さらに好ましくは、30°≦β≦45°である。
メッシュパターン18を構成する向きの異なる第1金属細線22a及び第2金属細線22b間の交差角度βが90°からずれるほど、光芒の広がりは少なくなる。交差角度βが0°又は180°の場合、交差角度θが90°のときの半分の広がりである。つまり、交差角度βと光芒広がりの関係はβ=0°の時が最も小さく、90°に近づくほど大きくなる。しかし、交差角度βが0°又は180°では、断線すると、その1本は全く機能しなくなるという問題がある。従って、上述の範囲にすることで、断線による弊害並びに光芒の広がりを抑えることができる。
上述の例では、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの波線を円弧26で構成したが、サイン曲線(sinカーブ)でも自由曲線でもよい。また、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの周期や振幅はランダムでもよいが、その場合、h1及びh2、並びにc1及びc2はそれぞれ平均的な値とする。
また、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dは、狭いほうが光芒、明るい場所での視認性(明所視認性)、透過率に優れるが、導電性は低下する。第1金属細線22aの第1ピッチL1及び第2金属細線22bの第2ピッチL2を広くすると、光芒、透過率はよくなるが、明所視認性及び導電性は低下する。従って、上述の線幅dと第1ピッチL1及び第2ピッチL2は要求される透過率と導電性から最適な範囲を選べばよい。
この透明導電性フイルム10を透明発熱体として使用する場合は、例えば第1電極12aから第2電極12bに電流を流す。これにより、透明導電部14が発熱し、透明導電性フイルム10の透明導電部14に接する又は透明導電性フイルム10を組み込んだ加熱対象物(例えば、建物の窓ガラス、車両用の窓ガラス、車両用灯具の前面カバー等)が加熱される。その結果、加熱対象物に付着していた雪等が取り除かれることになる。
本実施の形態は、第1金属細線22a及び第2金属細線22bにおける波線形状の振幅と周期、並びに第1金属細線22aと第2金属細線22bの交差角度β(第1方向と第2方向の交差角度)を上述のように特定したので、透明導電性フイルム10を窓ガラス15に設置した場合に、環境光(車両用灯具や外灯等)による光芒の強度を低下させてぎらつきを低減することができ、しかも、明るい環境(昼間等)下でもメッシュパターン18が認識されにくい、すなわち、明所視認性の向上を図ることができる。
なお、従来のように、線状発熱体をジグザグに引き回す構成の場合は、隣接する導線間で電位差が生じ、マイグレーションの原因になるという問題があったが、メッシュ形状であれば、隣接する金属細線間は初めから短絡状態であるためマイグレーションがあっても問題にならない。
また、メッシュパターン18を、展性、延性に優れた金属細線等で構成することができるため、最小曲率半径が300mm以下の三次元曲面に沿って形成することも可能である。
次に、透明導電性フイルム10の製造方法について図4A〜図7を参照しながら説明する。
第1の製造方法は、透明フイルム基材16上に設けられた銀塩感光層を露光し、現像、定着することによって形成された金属銀部と、該金属銀部に担持された導電性金属にてメッシュパターン18を形成する。
具体的には、図4Aに示すように、ハロゲン化銀36(例えば臭化銀粒子、塩臭化銀粒子や沃臭化銀粒子)をゼラチン38に混ぜてなる銀塩感光層40を透明フイルム基材16上に塗布する。なお、図4A〜図4Cでは、ハロゲン化銀36を「粒々」として表記してあるが、あくまでも本発明の理解を助けるために誇張して示したものであって、大きさや濃度等を示したものではない。
その後、図4Bに示すように、銀塩感光層40に対してメッシュパターン18の形成に必要な露光を行う。ハロゲン化銀36は、光エネルギーを受けると感光して「潜像」と称される肉眼では観察できない微小な銀核を生成する。この場合、このメッシュパターン18を形成するための露光は、いわゆるロール・トゥ・ロールによる連続露光がコスト的に有利である。
その後、潜像を肉眼で観察できる可視化された画像に増幅するために、図4Cに示すように、現像処理を行う。具体的には、潜像が形成された銀塩感光層40を現像液(アルカリ性溶液と酸性溶液のどちらもあるが通常はアルカリ性溶液が多い)にて現像処理する。この現像処理とは、ハロゲン化銀粒子ないし現像液から供給された銀イオンが現像液中の現像主薬と呼ばれる還元剤により潜像銀核を触媒核として金属銀に還元されて、その結果として潜像銀核が増幅されて可視化された銀画像(現像銀42)を形成する。
現像処理を終えたあとに銀塩感光層40中には光に感光できるハロゲン化銀36が残存するのでこれを除去するために図4Dに示すように定着処理液(酸性溶液とアルカリ性溶液のどちらもあるが通常は酸性溶液が多い)により定着を行う。
この定着処理を行うことによって、露光された部位には金属銀部44が形成され、露光されていない部位にはゼラチン38のみが残存し、光透過性部46となる。すなわち、透明フイルム基材16上に金属銀部44と光透過性部46との組み合わせが形成されることになる。
ハロゲン化銀36として臭化銀を用い、チオ硫酸塩で定着処理した場合の定着処理の反応式は以下の通りである。
AgBr(固体)+2個のSイオン → Ag(S
(易水溶性錯体)
すなわち、2個のチオ硫酸イオンSとゼラチン38中の銀イオン(AgBrからの銀イオン)が、チオ硫酸銀錯体を生成する。チオ硫酸銀錯体は水溶性が高いのでゼラチン38中から溶出されることになる。その結果、現像銀42が金属銀部44として定着されて残ることになる。
従って、現像工程は、潜像に対し還元剤を反応させて現像銀42を析出させる工程であり、定着工程は、現像銀42にならなかったハロゲン化銀36を水に溶出させる工程である。詳細は、T.H.James, The Theory of the Photographic Process, 4th ed., Macmillan Publishing Co.,Inc, NY,Chapter15, pp.438−442. 1977を参照されたい。
なお、現像処理は多くの場合アルカリ性溶液で行われることから、現像処理工程から定着処理工程に入る際に、現像処理にて付着したアルカリ溶液が定着処理溶液(多くの場合は酸性溶液である)に持ち込まれるため、定着処理液の活性が変わるといった問題がある。また、現像処理槽を出た後、膜に残留した現像液により意図しない現像反応がさらに進行する懸念もある。そこで、現像処理後で、定着処理工程に入る前に、酢酸(酢)溶液等の停止液で銀塩感光層40を中和もしくは酸性化することが好ましい。
そして、図4Eに示すように、例えばめっき処理(無電解めっきや電気めっきを単独ないし組み合わせる)を行って、金属銀部44のみに導電性金属48を担持させることによって、透明フイルム基材16上に金属銀部44と、該金属銀部44に担持された導電性金属48にて第1金属細線22a及び第2金属細線22bによるメッシュパターン18が形成されることになる。
そして、銀塩感光層40に対する露光にて使用されるマスクは、メッシュパターン18、すなわち、交差部24間の金属細線が少なくとも1つの湾曲を有する波線形状に形成されたメッシュパターン18に対応したマスクパターンを有するようにしてもよい。あるいは、銀塩感光層40に対するデジタル書込み露光によって、銀塩感光層40に、メッシュパターン18を露光するようにしてもよい。
その他の製造方法(第2の製造方法)としては、図5Aに示すように、例えば透明フイルム基材16上に形成された銅箔50上のフォトレジスト膜52を露光、現像処理してレジストパターン54を形成し、図5Bに示すように、レジストパターン54から露出する銅箔50をエッチングすることによって、メッシュパターン18を形成するようにしてもよい。この場合、フォトレジスト膜52に対する露光にて使用されるマスクは、メッシュパターン18に対応したマスクパターンを有するようにしてもよい。あるいは、フォトレジスト膜52に対するデジタル書込み露光によって、フォトレジスト膜52に、メッシュパターン18を露光するようにしてもよい。
また、第3の製造方法としては、図6Aに示すように、透明フイルム基材16上に金属微粒子を含むペースト56を印刷し、図6Bに示すように、ペースト56に金属めっき58を行うことによって、メッシュパターン18を形成するようにしてもよい。
あるいは、第4の製造方法として、図7に示すように、透明フイルム基材16に、メッシュパターン18をスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る透明導電性フイルム10を用いた発熱ガラスの製造方法について図8を参照しながら説明する。この製造方法は、2枚のガラス板間に透明導電性フイルム10を挟み込んで作製する方法である。
先ず、図8のステップS1において、少なくとも1層の可撓性保護フイルム(ガラス板への接着と透明導電性フイルムの保護を兼ねたフイルム)と透明導電性フイルムとを貼り合わせて複合フイルムを作製する。可撓性保護フイルムとしては、ポリビニルブチラール(PVB)フイルム等が挙げられる。
その後、ステップS2において、複合フイルムを、設置されるガラス板の大きさに対応した長さに切断する。
その後、ステップS3において、切断後の複合フイルムを2枚のガラス板の間に挟んで一体化する。これにより、発熱ガラスが完成する。
ステップS1での複合フイルムを作製する方法としては、特許文献5に記載の方法が好ましく使用される。
ここで、特許文献5を使用した複合フイルムの作製方法について簡単に説明する。なお、部材名の参照符号は特許文献5の参照符号を使用し、括弧書きにて示す。
先ず、特許文献5の図1に示すように、1層の可撓性保護フイルムを供給ロール(1)からピンチローラ(4,5)によって繰り出す。このとき、可撓性保護フイルムを赤外線ヒータ(3)の前面を通過させることで、可撓性保護フイルムを加熱し、その状態でスパイラルローラ(6)上を通過させる。このスパイラルローラ(6)は可撓性保護フイルムがピンチローラ(4,5)からスパイラルローラ(6)にかけて通過する間に、可撓性保護フイルムにいかなる伸展も生じないように動作する。加熱した可撓性保護フイルムは、スパイラルローラ(6)を経てニップローラ(7,8)を通過する。
一方、透明導電性フイルム10は、供給ロール(2)から繰り出され、ニップローラ(7,8)を通過する。従って、可撓性保護フイルム及び透明導電性フイルム10は、ニップローラ(7,8)間で押し合わされ、2層構造の複合フイルムとなる。この複合フイルムは、アイドルローラ(9)、及び冷却ローラ(10,11,12,13)を通過し、アイドルローラ(14,15)を経て収集ロール(16)に巻き取られる。
可撓性保護フイルムの幅は、透明導電性フイルム10の幅、すなわち、第1電極12aの端面から第2電極12bの端面までの距離よりも短く、且つ、透明導電部14の幅よりも長く設定してもよいし、透明導電性フイルム10の幅よりも長く設定してもよい。そして、ニップローラ(7,8)での透明導電性フイルム10と可撓性フイルムとの貼り合わせにおいては、透明導電性フイルム10の長手方向に沿った中心線と、可撓性保護フイルムの長手方向に沿った中心線が一致するように位置決めされて貼り合わされるようになっている。
なお、種々のローラの動作速度は、可撓性保護フイルムがピンチローラ(4,5)からスパイラルローラ(6)に通過するとき、可撓性保護フイルに張力が加わらないように調整する。赤外線ヒータ(3)は、可撓性保護フイルムがスパイラルローラ(6)に達するとき、可撓性保護フイルムの温度が70℃〜80℃の範囲となるよう動作させることが好ましい。
その他の例としては、特許文献5の図2に示すように、第1可撓性保護フイルムを供給ロール(1)からピンチローラ(4,5)によって繰り出し、第2可撓性保護フイルムをピンチローラ(18,19)によって繰り出す。なお、第1可撓性保護フイルムについては、上述と同様の動作を行うので、その説明を省略する。このとき、第2可撓性保護フイルムを赤外線ヒータ(20)の前面を通過させることで、第2可撓性保護フイルムを加熱し、その状態でスパイラルローラ(21)上を通過させる。このスパイラルローラ(21)は第2可撓性保護フイルムがピンチローラ(18,19)からスパイラルローラ(21)にかけて通過する間に、第2可撓性保護フイルムにいかなる伸展も生じないように動作する。加熱した第2可撓性保護フイルムは、スパイラルローラ(21)を経てニップローラ(7,8)を通過する。従って、第1可撓性保護フイルム、透明導電性フイルム10及び第2可撓性保護フイルムは、ニップローラ(7,8)間で押し合わされ、3層構造の複合フイルムとなる。この複合フイルムは、アイドルローラ(9)、及び冷却ローラ(10,11,12,13)を通過し、アイドルローラ(14,15)を経て収集ロール(16)に巻き取られる。第1可撓性保護フイルム及び第2可撓性保護フイルムの幅は、透明導電性フイルム10の幅、すなわち、第1電極12aの端面から第2電極12bの端面までの距離よりも短く、且つ、透明導電部14の幅よりも長く設定してもよいし、透明導電性フイルム10の幅よりも長く設定してもよい。そして、ニップローラ(7,8)での透明導電性フイルム10と第1可撓性フイルム及び第2可撓性保護との貼り合わせにおいては、透明導電性フイルム10の長手方向に沿った中心線と、第1可撓性保護フイルム及び第2可撓性保護フイルムの長手方向に沿った中心線が一致するように位置決めされて貼り合わされるようになっている。種々のローラの動作速度は、第2可撓性保護フイルムがピンチローラ(18,19)からスパイラルローラ(21)に通過するとき、第2可撓性保護フイルに張力が加わらないように調整する。ヒータ(20)は、第2可撓性保護フイルムがスパイラルローラ(21)に達するとき、第2可撓性保護フイルムの温度が70℃〜80℃の範囲となるよう動作させることが好ましい。
ステップS2の切断工程では、収集ロールを切断設備の供給ロールとして設置し、供給ロールから複合フイルムをピンチローラによって繰り出す。繰り出された複合フイルムは、1以上の案内ローラによって切断装置の方向に搬送され、該切断装置によって、所定長さ、例えば設置される窓ガラスの大きさに対応した長さに切断する。
ステップS3の一体化工程では、切断後の複合フイルムを2枚のガラス板間に挟み込み、余分な部分をトリミングする。そして、通常の技術、例えば、ニップ転動又は真空ガス抜きを使用して複合フイルムからガス抜きをし、さらに、ガラス板に複合フイルムをラミネートするために、オートクレーブ内で加熱する。これによって、2枚のガラス板間に複合フイルムが一体化された発熱ガラスが完成する。透明導電性フイルム10に貼り合わされる可撓性保護フイルムとして、PVBフイルムを使用したので、ガラス板への複合フイルムのラミネートの際に、複合フイルムのしわの発生が抑制される。
ところで、可撓性保護フイルムの幅を、透明導電性フイルム10の幅よりも長く設定して、複合フイルムを作製した場合は、例えば特許文献1に示すように、可撓性保護フイルムの表面のうち、第1電極12a及び第2電極12bと対向する部分に目隠し用のフイルムを貼着してもよい。
第1電極12a及び第2電極12bは、銅、アルミ、銀等からなる金属箔あるいは導電性インクの塗布あるいは印刷で作成する。電極の厚さは25〜600μmが好適であり、75〜500μmが一層好適であり、100〜400μmが最も好適であり、250μmが最適である。第1電極12a及び第2電極12bの幅は5〜25mmが好適であり、7〜15mmが一層好適であり、9〜12mmが最も好適である。また、第1電極12a及び第2電極12bは、少なくとも20A以上の電流を流すことができることが好ましい。電気的に加熱された透明導電性フイルム10は例えば600〜900W/mのような高い電流密度を生ずる。第1電極12a及び第2電極12bにとって、例えば車輌で使用できる電圧が低電圧であることを考えても、大きな電流容量を有することが重要である。
また、第1電極12a及び第2電極12bは内部に導電粒子を有している重合体材料で構成されていることが好ましい。ここで、重合体材料は導電性を最大にするように、抵抗率は5.0×10−4オーム・cmより小さいのが好適であり、さらに好ましくは1.0×10−4オーム・cmより小さく、4.5×10−5オーム・cmより小さいことがより好ましい。従って、抵抗率が例えば約4.3×10−5オーム・cmの重合体材料を使用することができる。重合体材料は、テープの形で供給され、巻きほぐされて、細長い形状で被着されるか、又はペーストの状態で形成される。重合体材料は、熱可塑性材料が好適であり、その中でもポリウレタンが好ましい。透明導電性フイルム10を可撓性保護フイルムに貼り合わせる際、あるいは第1電極12a及び第2電極12bをガラス板に貼着する際に、ポリウレタンが粘着剤として機能するからである。導電粒子は、通常、金属銀の粒子であり、薄片(フレークの形状)として添加することができる。
重合体材料を加熱する温度は50℃〜150℃の間に維持するのが好適であり、60℃〜120℃の間に維持するのが一層好適であり、約85℃に維持するのが最も好適である。テープ形状の重合体材料を使用する際、加熱する温度は、特に重要であり、重合体材料が余りにも高温になると、一層、裂け易く、すなわち、切れ易くなるからである。ペースト状の重合体材料を使用する際は、ペーストを加熱する温度は、ペーストから溶剤を蒸発させるために必要な加熱時間と相互依存の関係にある。
可撓性保護フイルムに透明導電性フイルム10を貼り合わせる際、あるいは第1電極12a及び第2電極12bをガラス板に貼着する際に、0〜100kPaの間に維持された圧力を重合体材料に加えるのが好適である。圧力を20〜80kPaの間に維持されら圧力を加えるのが一層好適であり、約50kPaが最も好適である。上述した温度の場合と同様に、これらの圧力は重合体材料の物理的状態、及び化学的状態の両方を制御する役割を果たす。特に、可撓性保護フイルムやガラス板の表面に第1電極12a及び第2電極12bを被着する際、第1電極12a及び第2電極12bの形状、幅、及び厚さを特定するために、圧力を使用することができる。また、加えた圧力は重合体材料の密度を変えることから、内部の導電粒子の分散、つまり、第1電極12a及び第2電極12bの導電性を制御することができる。なお、可撓性フイルム又はガラス板への重合体材料の接着は少なくとも30分間で確実になる。
次に、本実施の形態に係る透明導電性フイルム10において、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いる導電性金属薄膜の作製方法を中心にして述べる。
本実施の形態に係る透明導電性フイルム10は、上述したように、透明フイルム基材16上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって露光部及び未露光部に、それぞれ金属銀部44及び光透過性部46を形成し、さらに金属銀部44に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部44に導電性金属48を担持させることで製造することができる。
本実施の形態に係る透明導電性フイルム10の形成方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部44を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部44を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部44を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に電磁波シールドフイルムや光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に透光性電磁波シールド膜や光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面は小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に電磁波シールドフイルムや光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Process, 4th ed.」(Macmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
(感光材料)
[透明フイルム基材16]
本実施の形態の製造方法に用いられる感光材料の透明フイルム基材16としては、プラスチックフイルム等を用いることができる。
上記プラスチックフイルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、PVB等のビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
本実施の形態においては、透光性、耐熱性、取り扱い易さ及び価格の点から、上記プラスチックフイルムはポリエチレンテレフタレートフイルム又はトリアセチルセルロース(TAC)であることが好ましい。
窓ガラス用の透明発熱体では透光性が要求されるため、透明フイルム基材16の透光性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフイルムの全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また、本発明では、前記プラスチックフイルムとして本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本実施の形態におけるプラスチックフイルムは、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フイルムとして用いることも可能である。
[保護層]
用いられる感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けていてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層に形成される。上記保護層はめっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方が好ましい。その厚みは0.2μm以下が好ましい。上記保護層の塗布方法の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
[乳剤層]
本実施の形態の製造方法に用いられる感光材料は、透明フイルム基材16上に、光センサとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有することが好ましい。本実施の形態における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダ、溶媒等を含有することができる。
<銀塩>
本実施の形態で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩が好ましく、特に銀塩がハロゲン化銀写真感光材料用ハロゲン化銀粒子の形で用いられるのが好ましい。ハロゲン化銀は、光センサとしての特性に優れている。
ハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤の形で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。
本実施の形態では、光センサとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本実施の形態においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
なお、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
<バインダ>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、且つ、乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダを用いることができる。本発明において、上記バインダとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層中に含有されるバインダの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダ等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
次に、メッシュパターン18を形成するための各工程について説明する。
[露光]
本実施の形態では、透明フイルム基材16上に設けられた銀塩乳剤層40を有する感光材料への露光が行われる。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
パターン像を形成させる露光方式としては、均一光をマスクパターンを介して感光面に照射してマスクパターンを像様形成させる面露光方式と、レーザ光等のビームを走査してパターン状の照射部を感光性面上に形成させる走査露光方式とがある。コンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザを用いて行うことが最も好ましい。
[現像処理]
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
リス現像液としては、KODAK社処方のD85等を用いることができる。本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより露光部に金属銀部44、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に上述した光透過性部46が形成される。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
[物理現像及びめっき処理]
本実施の形態では、上述した露光及び現像処理により形成された金属銀部44の導電性を向上させる目的で、金属銀部44に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本実施の形態では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部44に担持させることが可能であるが、さらに物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部44に担持させることもできる。
[カレンダー処理]
現像処理済みの金属銀部44にカレンダー処理を施して平滑化するようにしてもよい。これによって金属銀部44の導電性が顕著に増大する。カレンダー処理は、カレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは通常一対のロールからなる。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の上限値は1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると699.4kgf/cm)以上、さらに好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダ種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
[蒸気接触処理]
カレンダー処理の直前あるいは直後に蒸気に接触させるとカレンダー処理による効果をより引き出すことができる。すなわち、導電性を著しく向上させることができる。使用する蒸気の温度は80℃以上が好ましく、100℃以上140℃以下がさらに好ましい。蒸気への接触時間は10秒から5分程度が好ましく、1分から5分がさらに好ましい。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
Figure 2012014956
Figure 2012014956
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
この実施例では、実施例1〜7、比較例1及び2についての光芒及び明所視認性(明るい場所での視認性)を評価した。
[実施例1]
<銀塩写真フイルム(タイプ1)の作製>
水媒体中のAg(銀)60gに対してゼラチン7.5gを含む球相当径平均0.05μmの沃臭化銀粒子(I=2モル%)を含有する乳剤を調製した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/1とし、ゼラチン種としては平均分子量2万の低分子量ゼラチンを用いた。
また、この乳剤中にはKRhBr及びKIrClを濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNaPdClを添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/mとなるようにポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム上に塗布し乾燥して銀塩写真フイルム(タイプ1)を作製した。PETフイルムは、塗布前に予め親水化処理したものを用いた。
<パターン露光>
露光は、特開2004−1224号公報に記載されているDMD(デジタルミラーデバイス)を用いた露光ヘッドを25cm幅になるように並べ、感光材料の感光層上にレーザー光が結像するように露光ヘッド及び露光ステージを湾曲させて配置し、銀塩写真フイルム(タイプ1)を走行させながら行った。露光波長は400nm、ビーム形は12μmの略正方形、及びレーザー光源の出力は100μJであった。露光幅は930mm、露光パターンは波線メッシュで、波線は半径375μmの円弧の向きを交互に逆に繋ぎ合わせた形状とし、第1金属細線用の波線の中心線m1とフイルム端とのなす角を75°、第2金属細線用の波線の中心線m2とフイルム端とのなす角を105°とし、中心線m1とm2とが交差する角度(交差角度β)を30°とした。このフイルムを露光済みフイルムとする。なお、銀塩写真フイルム(タイプ1)に対応する露光済みフイルムを露光済みフイルム(タイプ1)とし、銀塩写真フイルム(タイプ2)に対応する露光済みフイルムを露光済みフイルム(タイプ2)という。
<透明導電性フイルム(タイプ1)の作製>
下記組成の現像液中にて露光済みフイルム(タイプ1)を現像し、さらに定着液(スーパーフジフィックス:富士フイルム社製)を用いて定着処理を行った後、純水でリンスし乾燥した。
[現像液の組成]
現像液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/リットル
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/リットル
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/リットル
水酸化ナトリウム 0.360mol/リットル
臭化ナトリウム 0.031mol/リットル
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/リットル
<めっき処理>
現像・定着により形成された金属銀部に銅を電解めっきして、銅めっき層を形成した。さらに銅めっき層の上にニッケルをめっきして黒化層を形成した。このようにして長尺の透明導電性フイルムを得た。但し、露光ライン幅の両端部分(50μm幅)の電極区域にはニッケルめっきを施さなかった。ニッケルめっき後の透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22aの線幅dは31μmであり、ピッチは1000μmであった。また、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの振幅h1及びh2、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの周期c1及びc2との比(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.052であった。
その後、この長尺の透明導電性フイルムを幅930mm、長さ1400mmに裁断し、透明導電部14(発熱区域)のサイズは幅900mmとし、第1電極12a及び第2電極12bが形成される電極区域はそれぞれ長さ方向に1400mm、幅15mmとした。電極区域の上に太陽インキ製造株式会社製の銀ペースト(ECM−100 AF4820)を塗布し、120℃で30分間熱処理し、銀ペースト層(導電性ペースト層)を形成して透明導電性フイルム(タイプ1)とした。この透明導電性フイルム(タイプ1)の透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は0.34オーム/sq.であった。なお、表面抵抗は三菱化学株式会社製MCP−T610の表面抵抗計を使用して測定した。以下同じである。
<発熱ガラス(タイプ1)の作製>
投影形状が台形状(上辺1100mm、下辺1500mm、高さ950mm)の2枚のガラス板と、ガラス板と同じサイズのポリビニルブチラールフイルム(以降、PVBフイルムという)を2枚を用意する。一方のガラス板の内面に透明導電性フイルムの導電面を上にして重ね、この透明導電性フイルムの銀ペースト層上に幅15mmの銅箔テープ(第1電極12a及び第2電極12b)を重ね、さらにPVBフイルム、他方のガラス板をこの順番で重ねてオートクレーブ装置中のゴム袋に入れ、ゴム袋の中を脱気して真空にし、真空を保ったままオートクレーブの温度を110℃に加熱する。その後、オートクレーブの温度を140℃に昇温すると共に、圧縮空気で8気圧に加圧する。このようにして、内部に透明導電性フイルムをラミネートした発熱ガラス(タイプ1)を作製した。
[実施例2]
<銀塩写真フイルム(タイプ2)の作製>
[乳剤の調製]
最初に下記3種の液を調整する。
・1液:
水 750ml
フタル化処理ゼラチン 20g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
・2液
水 300ml
硝酸銀 150g
・3液
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005%KCl 20%水溶液)及びヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%NaCl 20%水溶液)は、それぞれの錯体粉末をそれぞれKCl20%水溶液、NaCl20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱して調製した。
38℃、pH4.5に保たれた1液に、2液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了した。
・4液
水 100ml
硝酸銀 50g
・5液
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従ってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀を70モル%、沃化銀を0.08モル%含む平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。最終的に乳剤として、pH=6.4、pAg=7.5、電導度=4000μS/cm、密度=1.4×10kg/m、粘度=20mPa・sとなった。
上記乳剤に下記Cpd−1を8.0×10−4モル/モルAg、1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10−4モル/モルAgを添加しよく混合した。次いでクエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
Figure 2012014956
厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フイルム上に下塗り層を形成した後、乳剤を用いて上記のように調製した乳剤層塗布液を、下塗り層上にAg5g/m、ゼラチン0.4g/mになるように塗布し、その後、乾燥させたものを銀塩写真フイルム(タイプ2)とした。このとき、塗布試料は、乳剤層の銀/バインダ体積比率(銀/GEL比(vol))は1/1である。
<パターン露光>
実施例1と同様にしてパターン露光を行って露光済みフイルム(タイプ2)を得た。
<透明導電性フイルム(タイプ2)の作製>
下記組成の現像液中にて露光済みフイルム(タイプ2)を現像し、さらに下記組成の定着液を用いて定着処理を行った後、純水でリンスし乾燥した。
(現像液の組成)
現像液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 15g/L
亜硫酸ナトリウム 30g/L
炭酸カリウム 40g/L
エチレンジアミン・四酢酸 2g/L
臭化カリウム 3g/L
ポリエチレングリコール2000 1g/L
水酸化カリウム 4g/L
pH 10.5に調整
(定着液の組成)
定着液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
チオ硫酸アンモニウム(75%) 300ml
亜硫酸アンモニウム・一水塩 25g/L
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8g/L
酢酸 5g/L
アンモニア水(27%) 1g/L
ヨウ化カリウム 2g/L
pH 6.2に調整
〔蒸気・カレンダー処理〕
上記のように現像処理することにより、透明フイルム基材16上に金属銀部によるメッシュパターン18が形成された透明導電性フイルム前駆体に対してカレンダー処理を行った。すなわち、樹脂製ロール(鉄芯+エポキシ樹脂コート、ロール直径250mm)を第1カレンダーロールに、金属製ロール(鉄芯+ハードクロムメッキ、鏡面加工、ロール直径250mm)を第2カレンダーロールに使用した一対のロールのニップ間に透明導電性フイルム前駆体を線圧が3920N/cmの条件下で通過させた。このとき、透明フイルム基材16が第1カレンダーロールと接し、金属銀部によるメッシュパターン18を有する層が第2カレンダーロールと接するように通過させた。さらにカレンダー処理後に100℃の水蒸気に1分間接触させた。このようにして長尺の透明導電性フイルムを得た。このとき、透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dは約22μmであり、ピッチは1000μmであった。また、第1金属細線22a及び第2金属細線22bの振幅h1及びh2、比(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.052であった。
その後、この長尺の透明導電性フイルムを幅630mm、長さ900mmに裁断し、透明導電部14(発熱区域)のサイズは幅600mmとし、第1電極12a及び第2電極12bが形成される電極区域はそれぞれ長さ方向に900mm、幅15mmとした。電極区域の上に太陽インキ製造株式会社製の銀ペースト(ECM−100 AF4820)を塗布し、120℃で30分間熱処理し、銀ペースト層(導電性ペースト層)を形成して透明導電性フイルム(タイプ2)とした。この透明導電性フイルム(タイプ2)の透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は3.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
投影形状が台形状(上辺800mm、下辺1000mm、高さ650mm)の2枚のガラス板を用いた点以外は、実施例1(発熱ガラス(タイプ1)の作製参照)と同様にして、実施例2に係る発熱ガラスを作製した。
[実施例3]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを9μm、ピッチを700μmとし、透明導電部14(発熱区域)のサイズを幅900mm、第1電極12a及び第2電極12bの形成される電極区域をそれぞれ長さ方向に1400mm、幅15mmとした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は5.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラス(タイプ2)の作製>
一方のPVBフイルムの上に透明導電性フイルムを重ね、透明導電性フイルムの銀ペースト層上に幅15mmの銅箔テープを重ね、さらに他方のPVBフイルムを重ねる。この4層重ねたフイルムをラミネーターに供給し、一方のPVBフイルム/透明導電性フイルム/銅箔テープ/他方のPVBフイルムの4層構造の複合フイルムを作製した。この複合フイルムを上辺1100mm、下辺1500mm、高さ950mmの台形状に裁断し、上辺1100mm、下辺1500mm、高さ950mmの台形状の2枚のガラス板の間に重ねて、オートクレーブ装置中のゴム袋に入れ、ゴム袋の中を脱気して真空にし、真空を保ったままオートクレーブの温度を110℃に加熱する。その後、オートクレーブの温度を140℃に昇温すると共に、圧縮空気で8気圧に加圧する。このようにして、内部に透明導電性フイルムをラミネートした実施例4に係る発熱ガラスを作製した。
[実施例4]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを7μm、ピッチを1000μmとした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は10.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
投影形状が台形状(上辺800mm、下辺1000mm、高さ650mm)の2枚のガラス板を用いた点以外は、上述した実施例2と同様にして実施例3に係る発熱ガラスを作製した。
[実施例5]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを7μm、ピッチを1000μmとし、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2との交差角度βを45°とした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。比(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.033であり、透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は10.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
上述した実施例2と同様にして実施例5に係る発熱ガラスを作製した。
[実施例6]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを5μm、ピッチを300μmとし、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2との交差角度βを45°とした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は5.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
投影形状が台形状(上辺1100mm、下辺1500mm、高さ950mm)の2枚のガラス板を用いた点以外は、上述した実施例2と同様にして実施例6に係る発熱ガラスを作製した。
[実施例7]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを5μm、ピッチを300μmとし、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2との交差角度βを60°とした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は5.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
投影形状が台形状(上辺1100mm、下辺1500mm、高さ950mm)の2枚のガラス板を用いた点以外は、上述した実施例2と同様にして実施例7に係る発熱ガラスを作製した。
[比較例1]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを7μm、ピッチを1000μmであり、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2との交差角度βを90°とした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。比(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.01であり、透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は10.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
上述した実施例2と同様にして比較例1に係る発熱ガラスを作製した。
[比較例2]
<透明導電性フイルムの作製>
透明導電部14(発熱区域)の第1金属細線22a及び第2金属細線22bの線幅dを7μm、ピッチを1000μmとし、第1金属細線22aの中心線m1と第2金属細線22bの中心線m2との交差角度βを75°とした点以外は、上述した第2実施例と同様にして透明導電性フイルムを作製した。比(h1/c1)及び(h2/c2)は共に0.09であり、透明導電性フイルムの透明導電部14(発熱区域)の表面抵抗は10.0オーム/sq.であった。
<発熱ガラスの作製>
上述した実施例2と同様にして比較例2に係る発熱ガラスを作製した。
[評価]
実施例1〜7、比較例1及び2について、光芒、明所視認性及び温度上昇を評価した。実施例1〜7、比較例1及び2の銀塩写真フイルムのタイプ、透明導電性フイルムのタイプ、発熱ガラスのタイプ並びに発熱ガラスの外形を表3に示し、透明導電性フイルムのメッシュパターンの内訳並びに評価結果を表4に示す。
(光芒)
自動車用ハロゲンランプから18mはなれた位置に発熱ガラスを置いて、光芒を観察し、その強さと光芒の広がりを4段階で評価した。4段階の内訳は、以下の通りである。
1:ヒーターを組み込まない合せガラスと同等。
2:僅かに光芒が認められる。
3:明瞭な光芒が認められる。
4:強い光芒が認められる。
(明所視認性)
眼から60cmの距離を置いて発熱ガラスを目視観察し、金属細線の見えやすさを4段階で評価した。4段階の内訳は、以下の通りである。
1:全く見えない。
2:ほとんど見えない。
3:見える。
4:よく見え目立つ。
(温度上昇)
発熱ガラス右半分表面の9点に熱電対を貼着し、発熱開始後30分後の指示温度の平均と室温との差で表す。
Figure 2012014956
Figure 2012014956
表3及び表4から、比較例1及び2は、明所視認性はほとんど見えないという良好な結果であったが、光芒の強度が大きく、ぎらつきが目立った。一方、実施例1〜7は、いずれも光芒の評価が良好で、特に、実施例1〜4、6及び7は、ヒーターを組み込まない合せガラスと同等レベルであり、非常に良好であった。また、明所視認性も良好で、実施例3、6及び7は、全く見えない、という評価結果であった。
なお、本発明に係る透明導電性フイルム及び発熱ガラスの製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…透明導電性フイルム 12a…第1電極
12b…第2電極 14…透明導電部
16…透明フイルム基材 18…メッシュパターン
22a…第1金属細線 22b…第2金属細線
24…交差部 26…円弧
40…銀塩感光層 44…金属銀部
46…光透過性部 48…導電性金属

Claims (12)

  1. 複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有する透明導電性フイルムにおいて、
    前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅をh1及びh2とし、周期をc1及びc2としたとき、
    0.011<(h1/c1)<0.085
    且つ
    0.011<(h2/c2)<0.085
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  2. 複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有する透明導電性フイルムにおいて、
    前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、
    前記第1金属細線の中心線と前記第2金属細線の中心線の交差角度をβとしたとき、
    0°<β≦60°
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  3. 対向して配置された第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極間に配置された透明導電部とを有する透明導電性フイルムであって、
    前記透明導電部は、透明支持体上に形成された複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有し、
    前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅をh1及びh2とし、周期をc1及びc2としたとき、
    0.011<(h1/c1)<0.085
    且つ
    0.011<(h2/c2)<0.085
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  4. 対向して配置された第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極間に配置された透明導電部とを有する透明導電性フイルムであって、
    前記透明導電部は、透明支持体上に形成された複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有し、
    前記メッシュパターンは、第1方向に配列された波線形状を有する複数の第1金属細線と、第2方向に配列された波線形状を有する複数の第2金属細線とを有し、
    前記第1金属細線の中心線と前記第2金属細線の中心線の交差角度をβとしたとき、
    0°<β≦60°
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  5. 請求項1又は3記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
    0.016≦(h1/c1)≦0.079
    且つ
    0.016≦(h2/c2)<0.079
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  6. 請求項1又は3記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
    0.022≦(h1/c1)≦0.055
    且つ
    0.022≦(h2/c2)<0.055
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  7. 請求項1又は3記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の振幅h1及びh2、並びに周期c1及びc2は、
    0.03≦(h1/c1)≦0.06
    且つ
    0.03≦(h2/c2)<0.06
    を満足することを特徴とする透明導電性フイルム。
  8. 請求項2又は4記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記交差角度は10°〜45°であることを特徴とする透明導電性フイルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線は、交差部間が少なくとも1つの円弧を有し、且つ、前記円弧の向きが互い違いにして配列された波線形状に形成されていることを特徴とする透明導電性フイルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の線幅が共に3μm以上10μm以下で、且つ、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の配列ピッチが共に150μm以上1000μm以下であることを特徴とする透明導電性フイルム。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の透明導電性フイルムにおいて、
    前記第1金属細線及び前記第2金属細線の線幅が共に3μm以上10μm以下で、且つ、前記第1金属細線及び前記第2金属細線の配列ピッチが共に200μm以上500μm以下であることを特徴とする透明導電性フイルム。
  12. 少なくとも1層の可撓性安全フイルムと請求項1〜11のいずれか1項に記載の透明導電性フイルムとを貼り合わせて複合フイルムを作製する工程と、
    前記複合フイルムを2枚のガラス板の間に挟んで一体化する工程とを有することを特徴とする発熱ガラスの製造方法。
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