JP2011076918A - 導電膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種表示装置の透光性電磁波シールド膜、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜を製造するにあたって、導電膜の導電性を向上させることができる導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に導電性物質とバインダーとを含有する導電性金属部を形成する導電性金属部形成工程と、前記導電性物質とバインダーの体積比率が1/4以上であり、さらに前記導電性金属部に通電処理を行う通電工程を有する。前記導電性金属部を平滑化処理する平滑化処理工程を有してもよい。この場合、通電処理は、導電性金属部形成工程と平滑化処理工程との間で行うようにしてもよいし、平滑化処理工程の後で行うようにしてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種表示装置の透光性電磁波シールド膜、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜の製造方法に関する。
近時、各種表示装置の透光性電磁波シールド膜、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜として、金属等の導電層の細線を透明基板上にメッシュパターン状に形成したものが知られており、以下のような製造方法が知られている。
透明基材表面に設けたハロゲン化銀感光層をパターン状に露光してパターン状に現像銀を形成し、これにめっきを施しパターン状の導電層を形成する方法(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
上述したハロゲン化銀を用いる方法は、カレンダーロールによって平滑化処理を行うことで、導電膜の表面抵抗を十分に低減できる。しかも、所望のパターンで、均一な形状の金属銀部を形成することができ、導電膜の生産性をさらに向上させることができる、という効果もある(例えば特許文献3参照)。
また、支持体上に形成された導電性金属部を蒸気に接触させて高い導電性を有する導電膜を得る方法が提案されている(特許文献4)。この特許文献4では、100℃以上140℃以下の蒸気を使用することが記載されている。
国際公開第01/51276号パンフレット 特開2004−221564号公報 特開2008−251417号公報 特開2008−277249号公報
ところで、カレンダーロールによる平滑化処理、飽和蒸気への接触処理によって、導電膜の導電性を向上させることができるが、さらなる導電性の向上が望まれている。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、各種表示装置の透光性電磁波シールド膜、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜を製造するにあたって、通電処理を行うことで、製造される導電膜の導電性を向上させることができる導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る導電膜の製造方法は、支持体上に導電性物質とバインダーとを含有する導電性金属部を形成する導電性金属部形成工程を有する導電膜の製造方法において、前記導電性物質とバインダーの体積比率が1/4以上であり、前記導電性金属部に通電処理を行う通電工程を有することを特徴とする。
[2] 本発明において、前記導電性金属部を平滑化処理する平滑化処理工程をさらに有することを特徴とする。
[3] 本発明において、前記通電処理は、前記導電性金属部形成工程と前記平滑化処理工程との間で行われることを特徴とする。
[4] 本発明において、前記通電処理は、前記平滑化処理工程の後で行われることを特徴とする。
[5] 本発明において、前記平滑化処理工程後に、前記導電性金属部を飽和蒸気に接触させる飽和蒸気接触工程を有することを特徴とする。
[6] 本発明において、前記通電処理は、前記飽和蒸気接触工程の後で行われることを特徴とする。
[7] 本発明において、前記導電性金属部を、過熱蒸気に接触させる過熱蒸気接触工程を有し、前記通電処理は、前記過熱蒸気接触工程の前で行われることを特徴とする。
[8] 本発明において、前記導電性金属部を、0.1MPaよりも高い圧力の飽和蒸気(加圧蒸気)に接触させる加圧蒸気接触工程を有し、前記通電処理は、前記加圧蒸気接触工程の前で行われることを特徴とする。
[9] 本発明において、前記導電性金属部形成工程は、前記支持体上に銀塩を含有する乳剤層を形成して感光材料を作製し、その後、前記感光材料を露光し、現像処理することにより、前記支持体上に前記導電性金属部を形成することを特徴とする。
[10] 本発明において、前記乳剤層は、銀/バインダーの体積比率が1/1以上であることを特徴とする。
[11] 本発明において、導電性金属部形成工程は、前記支持体上に導電性物質とバインダーとを含有するペーストを印刷することにより、前記支持体上に前記導電性金属部を形成することを特徴とする。
[12] 本発明において、前記平滑化処理工程は、前記導電性金属部に対する平滑化処理を、線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行うことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る導電膜の製造方法によれば、各種表示装置の透光性電磁波シールド膜、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜を製造するにあたって、通電処理を行うことで、製造される導電膜の導電性を向上させることができる。
通電処理装置の一例を示す構成図である。
以下、本発明の導電膜の製造方法について説明する。なお、本発明の製造方法にて製造された導電膜は、車両のデフロスタ(霜取り装置)、窓ガラス等の一部として使用可能で、電流を流すことで発熱し発熱シートとしても機能し、また、タッチパネル用電極、無機EL素子、有機EL素子あるいは太陽電池の電極、又はプリント基板としても使用することができる。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
〈導電膜製造用感光材料〉
[支持体]
本発明の製造方法に用いられる感光材料の支持体としては、プラスチックフイルム、プラスチック板、及びガラス板等を用いることができる。上記プラスチックフイルム及びプラスチック板の原料については、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
[銀塩含有層]
本発明の製造方法に用いられる感光材料は、支持体上に、光センサとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有する。銀塩含有層は、銀塩のほか、バインダー、溶媒等を含有することができる。また、疑義がない場合には、銀塩を含む乳剤層(あるいは銀塩含有層)を単に「乳剤層」と呼ぶこともある。乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。以下、乳剤層に含まれる各成分について説明する。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれていてもよい。染料は、フィルタ染料としてもしくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料については、上述した特許文献7にその記載があるため、ここではその詳細説明を省略する。上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止等の効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
<銀塩>
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。
本発明においては、光センサとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
本発明に用いられる乳剤層用塗布液であるハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著 Chimieet Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Dufin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Forcal Press刊、1966年)、V.L.Zelikmanほか著 Making and Coating Photographic Emulsion(The Forcal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。
<バインダー>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、且つ、乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、後述の蒸気に接触させる処理により除去される水溶性バインダーの比率が多いことが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、カラギーナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
好ましくはゼラチンが使用される。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、その他(アミノ基、カルボキシル基を修飾したフタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することができるが、銀塩調製工程において使用するゼラチンはアミノ基の正の電荷を無電荷あるいは負の電荷に変えたゼラチンを用いることが好ましいが、さらにフタル化ゼラチンを用いるのがより好ましい。
乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。乳剤層中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比率が1/4以上であることが好ましく、1/2以上であることが好ましく、1/1以上であることがより好ましく、1.5/1以上であることがさらに好ましく、2/1以上であることが特に好ましい。上限値は20/1が好ましく、10/1がより好ましい。なお、銀/バインダー体積比率は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
ここで、製造コストを低減させながら導電性を向上させる方法としては、(1)乳剤層中の銀量を低下させてめっき処理を効率的に行う方法、(2)乳剤層中の銀量を増加させてめっき処理を減らす/なくす方法が挙げられる。従来、(1)の乳剤層中の銀量を低下させてめっき処理を効率的に行う方法に通電処理は利用されており、通電処理は銀量が少ないタイプの感材に実施することが常識的であり、銀量が多いタイプの感材には通電処理がなされることはなかった。しかしながら、本発明では、銀量が多いタイプの感材に通電処理を行うことで導電性が飛躍的に向上することがわかった。これにより、従来よりもめっき処理を減らす/なくすことがより進み、製造コストを低減させながら導電性を向上させることが可能となった。本発明の製造方法は、めっき処理を行わない又はめっき処理を実質的に行わない場合に特に優れている。めっき処理を実質的に行わないとは、めっき処理により導電膜の表面抵抗の下げ幅が1/4以上である態様やめっき処理が色味の調整のために行われる場合である。
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトン等、ケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
[非感光性中間層]
ゼラチン又はゼラチン及びSBRを含む層であり、その他に架橋剤や界面活性剤等の添加剤を含有することができる。
[その他の層構成]
乳剤層の上に保護層を設けてもよい。本発明において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層上に形成される。その厚みは0.3μm以下が好ましい。上記保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
〈導電膜の製造方法〉
上記の感光材料を用いて、導電膜を製造する方法について説明する。
本発明の導電膜の製造方法では、先ず、支持体上に銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施す。その後、現像処理により形成された金属銀部を平滑化処理(例えば、カレンダー処理)する。なお、金属銀部を形成する際には、金属銀部と光透過性部又は金属銀部と絶縁性部を形成してもよく、全面露光することでフイルムの全面に金属銀部を形成することもできる。なお、本発明によって得られる導電膜は、パターン露光によって金属が支持体上に形成されたものであるが、パターン露光は走査露光方式であっても面露光方式であってもよい。また、金属銀部は露光部に形成される場合と、未露光部に形成される場合とがある。
パターンの例としては、電磁波シールド膜の製造用にはメッシュ状のパターンであり、プリント基板の製造には、配線パターンであり、パターンの形状の更なる詳細は目的に応じて適宜調整することができる。
本発明の導電膜の製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2)物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理を行う態様も可能である)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、及び拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Prosess,第4版」等に解説されている。
[露光]
本発明の製造方法では、支持体上に設けられた銀塩含有層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。照射光のパターン化の形態としては、電磁波シールド膜の製造用にはメッシュ状のパターンであり、プリント基板の製造には、配線パターンである。
[現像処理]
本発明の製造方法では、銀塩含有層を露光した後、さらに現像処理が施される。上記現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもできる。市販品としては、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトールや、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、Dsd−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。リス現像液としては、KODAK社処方のD85等を用いることができる。
本発明の製造方法では、上記の露光及び現像処理を行うことにより露光部に金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。また、上記現像処理に続き、必要によりサンプルを水洗し、脱バインダー処理を行うことにより、さらに導電性の高いフイルムを得ることができる。なお、本発明では、現像温度、定着温度及び水洗温度は25℃以下で行うことが好ましい。
本発明の製造方法における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明の製造方法において、定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
現像処理で用いられる現像液には、画質を向上させる目的で、画質向上剤を含有することができる。上記画質向上剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等の含窒素へテロ環化合物を挙げることができる。また、リス現像液を利用する場合は、特にポリエチレングリコールを使用することも好ましい。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得やすいため好ましい。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀部は銀及び、非導電性の高分子からなり、銀/非導電性高分子の体積比率が2/1以上であることを好ましく、3/1以上であることがさらに好ましい。
本発明における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透明性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
[酸化処理]
本発明の製造方法では、現像処理後の金属銀部は、好ましくは酸化処理が行われる。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
上記酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理等、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。酸化処理は、銀塩含有層の露光及び現像処理後に行うことができる。
本発明では、さらに露光及び現像処理後の金属銀部を、Pdを含有する溶液で処理することもできる。Pdは、2価のパラジウムイオンであっても金属パラジウムであってもよい。この処理により金属銀部の黒色が経時変化することを抑制できる。
なお、本発明の製造方法においては、線幅、開口率、銀含有量を特定したメッシュ状の金属銀部を、露光・現像処理によって直接支持体上に形成するため、十分な表面抵抗率を有することから、さらに金属銀部に物理現象及び/又はメッキ処理を施してあらためて導電性を付与する必要がない。このため、簡易な工程で透光性の導電膜を製造することができる。
上述の通り、本発明の透光性の導電膜は、車両のデフロスタ(霜取り装置)、窓ガラス等の一部として使用可能で、電流を流すことで発熱し発熱シートとしても機能し、また、タッチパネル用電極、無機EL素子、有機EL素子あるいは太陽電池の電極、又はプリント基板としても使用することができる。
[導電性金属部のその他の形成方法]
上述の例では、支持体上に銀塩を含有する乳剤層を形成して感光材料を作製し、その後、前記感光材料を露光し、現像処理することにより、支持体上に前記導電性金属部を形成するようにしたが、その他、以下の方法で、支持体上に導電性金属部を形成するようにしてもよい。すなわち、支持体上に導電性物質(例えば銀)とバインダーとを含有する金属ペーストを印刷することにより、支持体上に導電性金属部を形成する。あるいは、支持体上に導電性金属部(金属薄膜)をスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷して形成するようにしてもよい。
(印刷方式によるパターン状導電体層)
印刷方式によるパターン状導電体層は、透明基材上に金属ペーストをパターン状に印刷し、溶剤乾燥、あるいは硬化反応等により固化して得た、金属微粒子がバインダー樹脂によって結着された、好ましくは多孔質の金属微粒子結着体に、無電解ニッケルめっき処理及びエッチング処理を施すことにより製造される。
(金属微粒子結着体)
ここで、金属微粒子結着体の空隙率は、20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましい。空隙率が20%を下回ると金属微粒子結着体において露出金属微粒子が少なくなって結着体内部における被めっき部位が少なくなり、結着体内部へのめっき金属イオンの供給も困難になる。一方、空隙率が80%を超えるとめっき処理後のパターン状導電体層は強度が弱く、もろくなる。
本発明の金属微粒子結着体において、金属微粒子(導電性物質)、バインダー樹脂の構成比率は、上述した本発明の範囲である。
(金属ペースト)
上記金属微粒子結着体の製造に用いる金属ペーストは、流動状態(液状)のバインダー樹脂に金属微粒子を均一分散させたものであり、これを固化することにより金属微粒子結着体(層)が形成される。
金属微粒子としては、金、銀、白金、銅、鉄、錫、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子あるいは複合金属粒子が使用できる。これらは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。ここで、金、銀、ニッケル等の金属はパターン印刷直後に通電可能な導電性が発現するが、銅、鉄、アルミニウム等、空気中で酸化されやすい金属はパターン印刷後に通電処理を行うことで導電性を向上させることができる。なお、通電処理に加えて、薬品処理を併用してもよい。薬品処理としては、塩酸、希硫酸等の酸浴あるいは、酸性のめっき浴等を通過させるだけでよい。
金属微粒子の粒子サイズは、ペースト化できる程度に小さいのが好ましく、100μm以下の粒径が好ましいが、通常は10μm以下であることがより好ましい。なお、粒径は、球以外の形状の場合は、回転楕円体の場合は最大長径、多面体の場合は外接球の直径、あるいは最大の対角線長、繊維状ないし針状の場合は長手方向(長軸方向)の長さ等で評価する。
バインダー樹脂としては、金属微粒子及び透明基材に接着性を有し、めっき液に対して安定した塗膜を保てる樹脂であればよく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。バインダー樹脂に流動性を賦与し、そしてこれを固化する方法としては、代表的には、固体状のバインダー樹脂を溶剤に溶解又は分散せしめて流動状態にして、かかる溶剤を乾燥することにより固化せしめる方法、あるいは未硬化状態において流動状態を呈する樹脂単量体又はプレポリマーを架橋乃至重合による硬化反応によって固化せしめる方法が挙げられる。
溶剤としては、バインダー樹脂を溶解するものであって、沸点が100〜250℃程度の有機溶剤を用いることができる。
空隙率が20〜80%である金属微粒子結着体を得るためには、金属微粒子100質量部に対し、バインダー樹脂が1〜50質量部とからなる固形分60〜90質量%の金属ペーストであることが好ましい。
(印刷法)
金属ペーストを透明基材上にパターン状に印刷する印刷法は本発明の効果を特に制限するものではなく、金属ペーストの性状により適宜選択して用いればよい。
ナノメートルサイズの金属微粒子を用いる場合は一般に金属ペーストの粘度が低く、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等が適しており、サブミクロン〜ミクロン程度の金属微粒子を用いる場合は一般に金属ペーストの粘度が高く、グラビア印刷等の凹版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷やディスペンサー等が適している。
印刷後、例えば金属ペーストが固体樹脂の溶剤溶液乃至分散液からなる場合は80〜150℃程度で熱風乾燥して、溶剤を揮散させることで、また、金属ペーストが固体樹脂のモノマー(単量体)乃至はプレポリマー(オリゴマー)の未硬化物からなる場合は紫外線照射、加熱等の適宜手段により硬化反応を生起せしめることによって、金属ペーストを固化せしめ、透明基材上にパターン状に形成された金属微粒子結着体を得る。
[平滑化処理]
本発明の製造方法では、支持体上に導電性金属部が形成されて構成された導電膜前駆体の前記導電性金属部に平滑化処理を施す。これによって導電性金属部の導電性が顕著に増大する。さらに、導電性金属部と光透過性部の面積を好適に設計することで、高い電磁波シールド性と高い透光性とを同時に有し、且つ、メッシュ部が黒色の透光性電磁波シールド膜や、各種電子デバイスの透明電極、透明面状発熱体等として有用な導電膜が得られる。
平滑化処理は、例えばカレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは、通常、一対のロールからなる。以下、カレンダーロールを用いた平滑化処理をカレンダー処理と記す。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の下限値は1960N/cm(200kgf/cm)、面圧に換算すると699.4kgf/cm)以上、さらに好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm2)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
[通電処理]
本発明の製造方法は、めっき物質を含まない電解液中で導電性金属部をカソード(陰極)として被めっき材料を通電する通電工程を含んでいる。
この通電工程は、前記導電性金属部を還元するために行う工程であり、これにより導電性金属部の導電性を高めることができる。
以下、通電方法、めっき物質を含まない電解液について詳述する。
<通電方法>
本発明における通電工程は、導電膜前駆体の導電性金属部に金属電極を接触させて通電する。
前記金属電極は、導電膜前駆体の搬送の観点から、金属製の給電ローラであることが好ましく、給電ローラの直径は1cm〜20cmが好ましい。また、金属製の給電ローラは導電膜前駆体の水素過電圧に対して大きい材質を用いることが好ましい。水素化電圧は0Vvs.NHEからの絶対値で表される。
給電ローラを経た導電膜前駆体は後述の電解質溶液中で通電されるが、給電ローラから電解質溶液液面までの距離は導電膜前駆体の抵抗値等を考慮して調整してもよい。導電膜前駆体の抵抗が高い場合は、給電ローラと電解質液面は近いほうが好ましく、金属ローラから電解液面までの距離は0.5cm〜30cmであることが好ましい。
導電膜前駆体の抵抗が非常に高い場合やパターンが連続していない場合、液面上のローラからの給電では、電解液中で十分に通電できない場合が生じる。このような場合には給電ローラを電解液に没するとよい。電解液中に給電ローラを没する場合の給電ローラの材質も、導電膜前駆体の導電性金属部よりも大きい水素化電圧を有する材質とすることで水素発生による電流ロスを避けることができる。導電性金属部が銀の場合、給電ローラの材質はニッケル、銅、カドミウム、錫、鉛、亜鉛が好ましく、水素過電圧を大きくするために合金を用いてもよい。
また、電解質液中の導電膜前駆体と対極(アノード)との距離が幅方向で一定であると、導電性をより面内均一にすることが可能となる。
通電時における電流は、0.001A/dm2〜10A/dm2であることが好ましく、0.005A/dm2〜5A/dm2であることがより好ましく、0.01A/dm2〜1A/dm2であることが特に好ましい。通電時間は、0.1秒〜360秒が好ましく、0.5秒〜120秒がさらに好ましく、最も好ましくは1秒〜60秒である。
〔実質的にめっき物質を含まない電解液〕
本発明における「めっき物質を含まない電解液」の「めっき物質を含まない」とは、実質的にめっき反応により導電膜前駆体に所定膜厚のめっき層が生じない液を意味する。具体的には、1A/dm2の電流を60秒間通電した際に電解液から電極上に析出する物質が10mg/dm2以下であり、好ましくは1mg/dm2以下であることを表す。
本発明における電解液は、陽極と陰極の間の溶液抵抗を下げる観点から、電解質を含むことが好ましい。
電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩等である。好ましくは硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、ホウ酸、過塩素酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム等であり、特に好ましい電解質としては硫酸ナトリウムが挙げられる。
溶媒としては水、非水溶媒(非水系有機溶媒)いずれでもよいが、水(純水)が最も優れている。非水系有機溶媒としては、アミド、ピロリドン、二トリル、ケトン及びテトラヒドロフランが挙げられる。アミドとして、具体的には、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミドがあり、ピロリドンとして具体的にはN−メチルピロリドンがあり、ニトリルとして具体的にはアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルがあり、ケトンとして具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトンがある。
溶媒中での電解質濃度は、10-3mol〜3mol/Lが好ましく、10-3mol〜1mol/Lがより好ましく、10-2mol〜0.5mol/Lが最も好ましい。なお、電解質濃度は、導電膜前駆体の表面抵抗値、通電時間、対極との電極間距離(導電膜前駆体と対極アノードとの距離)等により適宜調整して構わない。但し、電解質濃度を10-3mol/Lよりも下げると陽極と陰極の間の溶液抵抗が高くなり、設定電流値を通電するための印加電圧が上昇すると共に、本発明の効果が得られ難くなる。電解質濃度が3molよりも高い場合は、導電膜前駆体の膜面上に電解質の析出が起こる場合があり注意が必要である。
<通電処理装置10>
図1に示すように、通電処理装置10は、露光・現像を施され、表面に導電性金属部が形成された導電膜前駆体12に対し、通電処理を施し、導電性金属部を還元処理することにより活性化するものである。
具体的には、通電処理装置10は、例えば図1に示すように、導電膜前駆体12の導電性金属部に接触しながら給電を行う給電ローラ14を有する。導電膜前駆体12を挟んで給電ローラ14と対向する位置には、導電膜前駆体12の導電性金属部を給電ローラ14に押圧する弾性ローラ16が給電ローラ14に対してほぼ水平方向に配設されている。
弾性ローラ16は、回転可能に支持されたシャフト18と、表面の弾性体層20とを備えている。弾性体層20としてウレタンゴム等が用いられる。弾性ローラ16を構成するシャフト18の両端部には、シャフト18の回転を阻害しないように押圧装置22が配設されている。押圧装置22には、筐体24の内部にバネ材26が配設されており、バネ材26がシャフト18に当接する当接部材28をシャフト18側に押圧している。また、バネ材26の背面側には、筐体24に設けられた調整ねじ30が当接しており、この調整ねじ30の螺合位置を調整することで、導電膜前駆体12を給電ローラ14に押圧する押圧力が調整されるようになっている。
また、通電処理装置10は、給電ローラ14よりも導電膜前駆体12の搬送方向下流側に、電解液32で満たされた通電処理槽34を備えている。
電解液32として、めっき物質を含まない電解液が用いられる。めっき物質を含まないとは、実質的にめっき反応が生じない液を意味し、好ましくは1A/dm2の電流を60秒間通電した際に電解液から電極上に析出する物質が10mg/dm2以下であり、さらに好ましくは1mg/dm2以下である。
通電処理装置10では、給電ローラ14に接触させた導電膜前駆体12の導電性金属部を通電処理槽34の電解液32中で液中ローラ36により搬送する。通電処理槽34内の電解液32中には、アノード電極38が配設されており、給電ローラ14をカソード電極として、直流電源40により給電する。これによって、導電膜前駆体12の導電性金属部を還元するための通電処理が行われる。すなわち、この通電処理により、導電膜前駆体12の導電性金属部に形成された酸化物等が除去され(例えばAg2O、Ag2Sが還元されてAgとなり)、導電性金属部が活性化される。この通電処理により、導電性金属部の導電性が向上することとなる。
給電ローラ14は金属電極を設けていることが好ましい。また、給電ローラ14の直径は1cm以上20cm以下であることが好ましく、2cm以上10cm以下であることが特に好ましい。さらには、給電ローラ14を電解液32の液面から5mm以上30cm以下の距離に配置することが好ましく、1cm以上5cm以下であることが特に好ましい。これらの範囲にあると、導電膜前駆体12と給電ローラ14との接点から電解液32の液面までの距離Laを小さくすることができるため、電解液32に浸漬されるまでの間に導電膜前駆体12の導電性金属部の酸化等を抑制することができる。特に好ましい態様としては、給電ローラ14の位置が液面から1cm未満であってもよく、電解液32の液面中に配置してもよく、電解液32の液中に配置するものでもよい。この場合、導電膜前駆体12に給電した後、導電膜前駆体12の導電性金属部の酸化をさらに抑制することができる。
給電ローラ14の表面粗さは、導電膜前駆体12の保持力とキズ付きの観点から、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜20μmであることが特に好ましい。
さらに、通電処理装置10は、導電膜前駆体12に付着した処理後の電解液32等を洗浄するため、洗浄装置を有していてもよい。
給電ローラ14は、材質をSUS316、SUS316J1、SUS317、もしくはSUS317Lとしたもの、又はこれらの材質表面に銅材を被覆したものを用いている。また、給電ローラ14は、表面が放電加工されている。給電ローラ14の表面粗さRyは5μm以上、30μm未満が好ましく、10〜25μm未満がより好ましい。また、表面粗さRaは0.5〜5μmが好ましく、1〜2.5μmがより好ましい。ここで、Ry、Raは、JIS B 0601−1994に規定される表面粗さである。上記の表面粗さRy、Raの測定は、ミツトヨ製SJ−400で行った。
弾性ローラ16の弾性体層20は、硬度が10〜70度、肉厚が約5mmの導電性ゴムからなる。弾性体層20の硬度は、高分子計器株式会社製 ASKER C型で測定した。
弾性ローラ16のバネ材26の背面側に取り付けられた調整ねじ30の螺合位置を調整することで、導電膜前駆体12を給電ローラ14に押圧する圧力を所定の値に設定することができる。給電ローラ14と弾性ローラ16とのニップ部の圧力は、0.2〜0.6MPaが好ましく、0.3〜0.5MPaがより好ましい。この圧力は、ツーシートタイプの極超低圧用の富士プレスケール(富士フイルム株式会社製)を用いて測定した。
弾性ローラ16を給電ローラ14側に押圧することで、導電膜前駆体12と給電ローラ14とをほぼ均一に接触させることができる。給電ローラ14と弾性ローラ16とのニップ部の圧力が0.2MPaより小さいと、導電膜前駆体12と給電ローラ14とをほぼ均一に接触させることが困難となる。また、ニップ部の圧力が0.6MPaより大きいと、給電ローラ14と弾性ローラ16との間の導電膜前駆体12の搬送抵抗が大きくなり、導電膜前駆体12を安定して搬送させることが困難となる。
〔飽和蒸気に接触させる処理〕
そして、本発明の方法では、平滑化処理された導電性金属部を飽和蒸気に接触させるようにしている(飽和蒸気接触工程)。もちろん、この飽和蒸気接触工程を省略してもよい。本工程は、現像処理後に実施できるが、平滑化処理後に行うことも可能であるが望ましい。
導電性金属部に接触させる水蒸気の温度は、1気圧で97℃前後である。飽和蒸気への接触時間は、使用する水溶性バインダーの種類によって異なるが、支持体のサイズが60cm×1mの場合、約10秒〜約5分程度が好ましく、約1分〜約5分がさらに好ましい。
[過熱蒸気に接触させる処理]
飽和蒸気に接触された導電性金属部にさらに過熱蒸気を接触させる。これにより短時間で簡便に導電性及び透明性を向上させることができる。水溶性バインダーの一部が除去されて金属(導電性物質)同士の結合部位が増加しているものと考えられる。過熱蒸気としては、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10秒以上70秒以下の範囲で導電性金属部に接触させることが好ましい。供給時間が10秒よりも短いと、導電率の向上の効果がそれほど期待できない。その意味で10秒以上であることが好ましい。また、70秒あたりから導電性の向上が飽和状態となるため、70秒よりの長い時間の設定は無駄になる。
また、過熱蒸気は、供給量が500g/m3〜600g/m3の範囲で導電性金属部に接触させることがよく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100℃以上160℃以下に制御されることが好ましい。
飽和蒸気に接触された導電性金属部にさらに過熱蒸気を接触させることにより、あるいは飽和蒸気に代えて過熱蒸気を接触させることにより、通電処理を終えた導電膜前駆体であれば、該導電膜前駆体の表面抵抗をさらに低下させることができ、導電性を大幅に向上させることができる。
[加圧蒸気(加圧された飽和蒸気)に接触させる処理]
飽和蒸気に接触された導電性金属部にさらに加熱蒸気を接触させる。これにより短時間で簡便に導電性及び透明性を向上させることができる。加圧蒸気としては、水蒸気でよいし、水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
飽和蒸気に接触された導電性金属部にさらに加圧蒸気を接触させることにより、あるいは飽和蒸気に代えて加圧蒸気を接触させることにより、通電処理を終えた導電膜前駆体であれば、該導電膜前駆体の表面抵抗をさらに低下させることができ、導電性を大幅に向上させることができる。飽和水蒸気の圧力は、絶対圧力で、101kPaA以上、361kPaA以下であることが好ましい。また、導電膜前駆体上の導電性金属部を加圧された飽和水蒸気に接触させる時間は20〜120秒程度であることが好ましい。
<オートクレーブ>
上述した過熱蒸気や加圧蒸気を導電膜前駆体上の導電性金属部に接触させる方法として、例えば縦60mm×横1m等の長方形状(枚葉式)の導電膜前駆体に対しては、例えばオートクレーブを使用することができる。一般的なオートクレーブは、例えば円筒状の容器と該容器の上面開口を開閉する蓋とを有し、蓋には排気口、温度計、圧力計が設置され、容器の底部には排水バルブが設置されている。そして、このオートクレーブを使用するときは、先ず、排水バルブを閉めた状態で、容器内に水を入れ、さらに、容器内の水の上方に導電膜前駆体を設置し、蓋を閉める。その後、排気口を開け、容器を加熱していくと、当初は排気口から容器内の空気が出てくるが、次第に湯気が噴き出すようになる。容器内に水蒸気が充満した段階で、排気口を閉じ、その後、温度と圧力を調整しながら加熱を続ける。所定時間が経過した段階で、加熱を止め、冷却後、容器内の導電膜前駆体を取り出す。加熱は、例えばガスバーナー等が用いられる。オートクレーブとしては、上述した一般的なもののほか、例えば特開平6−134283号公報に記載のオートクレーブも好ましく使用することができる。
[水洗処理]
本発明の方法では、導電性金属部を過熱蒸気又は加圧蒸気に接触させた後に水洗処理することが好ましい。蒸気接触処理後に水洗することで、過熱蒸気又は加圧蒸気で溶解又は脆くなったバインダーを洗い流すことができ、これにより、導電性を向上させることができる。
[めっき処理]
本発明においては、上記平滑化処理を行えばよいが、金属銀部に対してめっき処理を行ってもよい。めっき処理により、さらに表面抵抗を低減でき、導電性を高めることができる。平滑化処理は、めっき処理の前段又は後段のいずれで行ってもよいが、めっき処理の前段で行うことで、めっき処理が効率化され均一なめっき層が形成される。めっき処理としては、電解めっきでも無電解めっきでもよい。まためっき層の構成材料は十分な導電性を有する金属が好ましく、銅が好ましい。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
Figure 2011076918
Figure 2011076918
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔第1実施例〕
現像処理後に通電処理を行った場合と行わなかった場合の導電膜前駆体の表面抵抗の違いをみたものである。
<実施例1、比較例1>
[乳剤の調製]
・1液:
水 750ml
フタル化処理ゼラチン 8g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
・2液
水 300ml
硝酸銀 150g
・3液
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005%KCl 20%水溶液)及びヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001%NaCl 20%水溶液)は、それぞれの錯体粉末をそれぞれKCl20%水溶液、NaCl20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱して調製した。
38℃、pH4.5に保たれた1液に、2液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了した。
・4液
水 100ml
硝酸銀 50g
・5液
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従ってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀を70モル%、沃化銀を0.08モル%含む平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。最終的に乳剤として、pH=6.4、pAg=7.5、電導度=4000μS/cm、密度=1.4×103kg/m3、粘度=20mPa・sとなった。
[塗布試料の作製]
上記乳剤に下記化合物(Cpd−1)8.0×10-4モル/モルAg、1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAgを添加しよく混合した。次いで、膨潤率調製のため必要により、下記化合物(Cpd−2)を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
Figure 2011076918
長さ120mm、幅35mm、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)上に下塗り層を形成した後、乳剤を用いて上記のように調製した乳剤層塗布液を、下塗り層上に塗布し、その後、乾燥させたものを塗布試料とした。
得られた塗布試料は、乳剤層の塗布銀量を16g/m2とし、乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を2/1とした。
[露光、現像処理]
次いで、乾燥させた塗布膜にライン/スペース=20μm/280μmの現像銀像を与えうる格子状のフォトマスクライン/スペース=280μm/20μm(ピッチ300μm)の、スペースが格子状であるフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光し、引き続き現像、定着、水洗、乾燥という工程を含む処理を行った。現像処理後の表面抵抗を測定した。この場合、ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値を表面抵抗値とした。このときの表面抵抗値は25.46オーム/sq.であった。
(現像液の組成)
現像液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 15g/L
亜硫酸ナトリウム 30g/L
炭酸カリウム 40g/L
エチレンジアミン・四酢酸 2g/L
臭化カリウム 3g/L
ポリエチレングリコール2000 1g/L
水酸化カリウム 4g/L
pH 10.5に調整
(定着液の組成)
定着液1リットル中に、以下の化合物が含まれる。
チオ硫酸アンモニウム(75%) 300ml
亜硫酸アンモニウム・一水塩 25g/L
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8g/L
酢酸 5g/L
アンモニア水(27%) 1g/L
ヨウ化カリウム 2g/L
pH 6.2に調整
[通電処理]
現像処理を終えたサンプル(導電膜前駆体)に対して、図1に示す通電処理装置10を用いて通電処理を行った。この通電処理では、電解液を硫酸ナトリウム(10wt%)水溶液とし、通電時における電流を、0.1A/dm2、通電時間を60秒とした。
[カレンダー処理]
上記のように現像処理したサンプル(導電膜前駆体)に対してカレンダー処理を行った。カレンダーロールは一対の金属ロールからなり、線圧4900N/cm(500kgf/cm)をかけて一対の金属ロール間にサンプルを通してカレンダー処理を行った。カレンダー処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表3に示すように1.38オーム/sq.であった。
(比較例1)
現像処理後に通電処理を行わなかった点以外は実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。そして、カレンダー処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表3に示すように2.45オーム/sq.であった。
[評価]
下記表3から実施例1は通電処理によって2.48オーム/sq.まで低下し、現像処理後の表面抵抗値25.46オーム/sq.から約90%も低下している。また、カレンダー処理後においては、実施例1は1.38オーム/sq.まで低下し、比較例1は2.45オーム/sq.まで低下しており、実施例1の方が比較例1に対して44%程度も低下している。従って、通電処理を行うことで導電膜前駆体の導電性が大幅に向上することがわかる。
Figure 2011076918
[第2実施例]
カレンダー処理後に通電処理を行った場合と行わなかった場合の導電膜前駆体の表面抵抗の違いをみたものである。
(実施例2)
現像処理後ではなく、カレンダー処理後に通電処理を行った点以外は実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。そして、カレンダー処理後並びに通電処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表4に示すように、カレンダー処理後が2.36オーム/sq.、通電処理後が1.10オーム/sq.であった。
(比較例2)
カレンダー処理後に通電処理を行わなかった点以外は実施例2と同様にして導電膜前駆体を作製した。そして、カレンダー処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表4に示すように2.36オーム/sq.であった。
[評価]
下記表4から実施例2は1.10オーム/sq.まで低下し、比較例2は2.36オーム/sq.まで低下しており、実施例2の方が比較例2に対して53%程度も低下している。従って、通電処理を行うことで導電膜前駆体の導電性が大幅に向上することがわかる。
Figure 2011076918
[第3実施例]
飽和蒸気接触処理後に通電処理を行った場合と行わなかった場合の導電膜前駆体の表面抵抗の違いをみたものである。
(実施例3)
カレンダー処理を終えたサンプル(導電膜前駆体)に対して、飽和水蒸気を接触させ、その後、水洗処理を行った点以外は実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。飽和水蒸気は、温度97℃とし、処理時間(飽和水蒸気に接触させる時間)は60秒とした。通電処理は、現像処理後やカレンダー処理後ではなく、飽和蒸気接触処理後に行った。そして、飽和蒸気接触後並びに通電処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表5に示すように、飽和蒸気接触後が0.56オーム/sq.、通電処理後が0.49オーム/sq.であった。
(比較例3)
飽和蒸気接触処理後に通電処理を行わなかった点以外は実施例3と同様にして導電膜前駆体を作製した。そして、飽和蒸気接触処理後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表5に示すように0.56オーム/sq.であった。
[評価]
下記表5から実施例3は0.49オーム/sq.まで低下し、比較例3は0.56オーム/sq.まで低下しており、実施例3の方が比較例3に対して13%程度低下している。従って、通電処理を行うことで導電膜前駆体の導電性が大幅に向上することがわかる。
Figure 2011076918
[第4実施例]
現像処理後に通電処理を行った場合と行わなかった場合において、飽和蒸気接触処理並びに加圧蒸気接触処理まで行った後の導電膜前駆体の表面抵抗の違いをみたものである。
(実施例4)
カレンダー処理を終えたサンプル(導電膜前駆体)に対して、飽和水蒸気を接触させた後、一般のオートクレーブを用いて、加圧水蒸気を接触させ、その後、水洗処理を行った点以外は実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。加圧水蒸気は、圧力198.67kPaAとし、処理時間(加圧水蒸気に接触させる時間)は60秒とした。通電処理は、現像処理後に行った。そして、現像処理後、カレンダー処理後、飽和蒸気接触後並びに加圧蒸気接触後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表6に示すように、現像処理後が24.52オーム/sq.、カレンダー処理後が1.38オーム/sq.、飽和蒸気接触後が0.75オーム/sq.、加圧蒸気接触後が0.30オーム/sq.であった。
(比較例4)
現像処理後に通電処理を行わなかった点以外は実施例4と同様にして導電膜前駆体を作製した。そして、現像処理後、カレンダー処理後、飽和蒸気接触後並びに加圧蒸気接触後の表面抵抗を上述と同様にして測定した。このときの表面抵抗値は下記表6に示すように、現像処理後が24.52オーム/sq.、カレンダー処理後が2.45オーム/sq.、飽和蒸気接触後が0.52オーム/sq.、加圧蒸気接触後が0.35オーム/sq.であった。
[評価]
下記表6から実施例4は最終的に0.30オーム/sq.まで低下し、比較例4は0.35オーム/sq.まで低下しており、実施例4の方が比較例4に対して14%程度低下している。従って、通電処理を行うことで導電膜前駆体の導電性が大幅に向上することがわかる。なお、飽和蒸気接触後の表面抵抗についてみると、比較例4の方が実施例4よりも低くなっている。これは、現像処理後の通電処理でAg(銀)の融解温度が上昇することから、飽和蒸気接触処理での融着が進みにくくなったことが原因と考えられる。しかし、その後の加圧蒸気接触処理にてAgの融着が急激に進行し、その結果、表面抵抗が比較例4よりも低下していることがわかる。
Figure 2011076918
[第5実施例]
通電処理による導電性の向上の効果が、乳剤層中の銀/バインダーの体積比率によってどのように変化するかをみたものである。
(比較例11、12)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率をそれぞれ7/100及び1/6としたこと以外は上述した実施例1と同様にして比較例11及び比較例12に係る導電膜前駆体を作製した。
(実施例11)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1/1としたこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例12)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1.5/1としたこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例13)
実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例14)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を3/1としたこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(比較例13、14)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率をそれぞれ7/100及び1/6とし、カレンダー処理後に通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして比較例13及び14に係る導電膜前駆体を作製した。
(実施例15)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1/1とし、カレンダー処理後に通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例16)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1.5/1とし、カレンダー処理後に通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例17)
カレンダー処理後に通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例18)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を3/1とし、カレンダー処理後に通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(比較例15、16)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率をそれぞれ7/100及び1/6とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理を行い、その後、通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして比較例15及び16に係る導電膜前駆体を作製した。
(実施例19)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理を行い、その後、通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例20)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1.5/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理を行い、その後、通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例21)
カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理を行い、その後、通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例22)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を3/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理を行い、その後、通電処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(比較例17、18)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率をそれぞれ7/100及び1/6とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして比較例17及び18に係る導電膜前駆体を作製した。
(実施例23)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例24)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を1.5/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例25)
カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
(実施例26)
乳剤層中の銀/バインダーの体積比率を3/1とし、カレンダー処理後に飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を行ったこと以外は上述した実施例1と同様にして導電膜前駆体を作製した。
[評価]
比較例11、12、実施例11〜14については、上述した実施例1及び比較例1と同様に、カレンダー処理後の表面抵抗値を測定し、通電処理を行っていない比較例1に対してどの程度表面抵抗が低下しているかを評価した。評価基準は、以下の通りである。評価結果及び内訳は下記表7に示す。
(評価基準)
△:比較例1に対して3%以下の低下
○:比較例1に対して5%以上の低下
◎:比較例1に対して10%以上の低下
比較例13,14、実施例15〜18については、上述した実施例2及び比較例2と同様に、カレンダー処理後に行われた通電処理後の表面抵抗値を測定し、通電処理を行っていない比較例2に対してどの程度表面抵抗が低下しているかを評価した。評価基準は、以下の通りである。評価結果及び内訳は下記表7に示す。
(評価基準)
△:比較例2に対して3%以下の低下
○:比較例2に対して5%以上の低下
◎:比較例2に対して10%以上の低下
比較例15、16、実施例19〜22については、上述した実施例3及び比較例3と同様に、飽和蒸気接触処理後に行われた通電処理後の表面抵抗値を測定し、通電処理を行っていない比較例3に対してどの程度表面抵抗が低下しているかを評価した。評価基準は、以下の通りである。評価結果及び内訳は下記表7に示す。
(評価基準)
△:比較例3に対して3%以下の低下
○:比較例3に対して5%以上の低下
◎:比較例3に対して10%以上の低下
比較例17、18、実施例23〜26については、上述した実施例4及び比較例4と同様に、現像処理後に通電処理を行い、さらに、飽和蒸気接触処理及び加圧蒸気接触処理を経た後の表面抵抗値を測定し、通電処理を行っていない比較例4に対してどの程度表面抵抗が低下しているかを評価した。評価基準は、以下の通りである。評価結果及び内訳は下記表7に示す。
(評価基準)
△:比較例4に対して3%以下の低下
○:比較例4に対して5%以上の低下
◎:比較例4に対して10%以上の低下
Figure 2011076918
比較例11〜18、実施例11〜26について、上述の評価基準に従って表面抵抗を評価したところ、比較例11〜18(銀/バインダーの体積比率が7/100及び1/6)は△、実施例11、15、19及び23(銀/バインダーの体積比率が1/1)は○、実施例12、16、20及び24(銀/バインダーの体積比率が1.5/1)は○、実施例13、17、21及び25(銀/バインダーの体積比率が2/1)並びに実施例14、18、22、26(銀/バインダーの体積比率が3/1)は共に◎であり、乳剤層中の銀/バインダーの体積比率が高いほど、通電処理による導電性の向上の効果が顕著であることがわかった。
なお、本発明に係る導電膜の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

Claims (12)

  1. 支持体上に導電性物質とバインダーとを含有する導電性金属部を形成する導電性金属部形成工程を有する導電膜の製造方法において、
    前記導電性物質とバインダーの体積比率が1/4以上であり、
    前記導電性金属部に通電処理を行う通電工程を有することを特徴とする導電膜の製造方法。
  2. 請求項1記載の導電膜の製造方法において、
    前記導電性金属部を平滑化処理する平滑化処理工程をさらに有することを特徴とする導電膜の製造方法。
  3. 請求項2記載の導電膜の製造方法において、
    前記通電処理は、前記導電性金属部形成工程と前記平滑化処理工程との間で行われることを特徴とする導電膜の製造方法。
  4. 請求項2記載の導電膜の製造方法において、
    前記通電処理は、前記平滑化処理工程の後で行われることを特徴とする導電膜の製造方法。
  5. 請求項2記載の導電膜の製造方法において、
    前記平滑化処理工程後に、前記導電性金属部を飽和蒸気に接触させる飽和蒸気接触工程を有することを特徴とする導電膜の製造方法。
  6. 請求項5記載の導電膜の製造方法において、
    前記通電処理は、前記飽和蒸気接触工程の後で行われることを特徴とする導電膜の製造方法。
  7. 請求項1記載の導電膜の製造方法において、
    前記導電性金属部を、過熱蒸気に接触させる過熱蒸気接触工程を有し、
    前記通電処理は、前記過熱蒸気接触工程の前で行われることを特徴とする導電膜の製造方法。
  8. 請求項1記載の導電膜の製造方法において、
    前記導電性金属部を、0.1MPaよりも高い圧力の飽和蒸気(加圧蒸気)に接触させる加圧蒸気接触工程を有し、
    前記通電処理は、前記加圧蒸気接触工程の前で行われることを特徴とする導電膜の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法において、
    前記導電性金属部形成工程は、前記支持体上に銀塩を含有する乳剤層を形成して感光材料を作製し、その後、前記感光材料を露光し、現像処理することにより、前記支持体上に前記導電性金属部を形成することを特徴とする導電膜の製造方法。
  10. 請求項9記載の導電膜の製造方法において、
    前記乳剤層は、銀/バインダーの体積比率が1/1以上であることを特徴とする導電膜の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法において、
    導電性金属部形成工程は、前記支持体上に導電性物質とバインダーとを含有するペーストを印刷することにより、前記支持体上に前記導電性金属部を形成することを特徴とする導電膜の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の導電膜の製造方法において、
    前記平滑化処理工程は、前記導電性金属部に対する平滑化処理を、線圧力1960N/cm(200kgf/cm)以上で行うことを特徴とする導電膜の製造方法。
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WO2015079626A1 (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 デクセリアルズ株式会社 透明導電膜の製造方法

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