JP2012014851A - 電気化学素子用電極および非水二次電池 - Google Patents

電気化学素子用電極および非水二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 充放電サイクル特性に優れ、かつ高温貯蔵時における膨れが抑制された電気化学素子を構成し得る電極、および該電極を有する非水二次電池を提供する。
【解決手段】 一般組成式Li1+xMO[ただし、−0.15≦x<0であり、かつ、Mは、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含む4種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、MnおよびMgの割合(mol%)を、それぞれa、b、cおよびdとしたときに、50≦a≦97、b≦49、c≦49、d≦3および3≦b+c+d≦50である]で表されるリチウム含有複合酸化物を活物質とする電極合剤層を有することを特徴とする電気化学素子用電極、および前記電気化学素子用電極を正極として有する非水二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池、キャパシタなどの電気化学素子に用い得る電極と、該電極を有する非水二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量で且つ高容量の二次電池やキャパシタが必要とされるようになってきた。現在、この要求に応え得る高容量二次電池やキャパシタには、一般に、LiCoO、LiNiO、LiMnなどが正極活物質として用いられている。
特に高容量の電池やキャパシタを構成し得る正極活物質として、LiNiOが挙げられるが、これは充電状態での結晶構造の安定性がLiCoOよりも低く、そのままでは電池やキャパシタの安全性を満足することが困難であった。また。LiNiOは、充放電サイクル寿命についても、結晶構造の可逆性の低さから、満足のいくものではなかった。
このような事情を受けて、LiNiOの充電状態の結晶構造を保持させるために、Co、Al、Mgなどの元素でNiの一部を置換したリチウム含有複合酸化物が提案されており、これにより、安全性や可逆性の改良が試みられている(例えば、特許文献1)。
特開2007−273108号公報
ところが、特許文献1に記載されているリチウム含有複合酸化物のように、Niを多く含むリチウム含有複合酸化物には、その合成の際にLi原料に由来するアルカリ成分(LiOHやLiCO)が不純物として多量に残存しやすい。リチウム含有複合酸化物中に含まれるこれらのアルカリ成分は、電池の高温貯蔵時にガス発生を引き起こすため、アルカリ成分を多く含むリチウム含有複合酸化物を正極活物質に用いた電池では、高温貯蔵時に膨れが生じてしまう。
本発明者らは検討を重ねた結果、Niを多く含むリチウム含有複合酸化物において、Liとその他の金属元素との比率を制御することで、リチウム含有複合酸化物中に含まれるアルカリ成分量を低減できることを見出した。しかしながら、このようにアルカリ成分量を低減できるようにしたリチウム含有複合酸化物を用いた電池は、充放電サイクル寿命が低下することも判明した。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、充放電サイクル特性に優れ、かつ高温貯蔵時における膨れが抑制された電気化学素子を構成し得る電極、および該電極を有する非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電気化学素子用電極は、下記一般組成式(1)
Li1+xMO (1)
[ただし、−0.15≦x<0であり、かつ、Mは、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含む4種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、MnおよびMgの割合(mol%)を、それぞれa、b、cおよびdとしたときに、50≦a≦97、b≦49、c≦49、d≦3および3≦b+c+d≦50である]で表されるリチウム含有複合酸化物を活物質とする電極合剤層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の非水二次電池は、正極と負極と非水電解質とを含む非水二次電池であって、前記正極が、本発明の電気化学素子用電極であることを特徴とするものである。
本発明によれば、充放電サイクル特性に優れ、かつ高温貯蔵時における膨れが抑制された電気化学素子を構成し得る電気化学素子用電極と、該電極を有する非水二次電池とを提供することができる。本発明の非水二次電池は、充放電サイクル特性が優れており、かつ高温貯蔵時における膨れも抑制されている。
本発明の非水二次電池の一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)断面図である。 図1の斜視図である。
本発明の電気化学素子用電極(以下、単に「電極」という場合がある。)は、例えば、集電体の片面または両面に、活物質などを含有する電極合剤層が形成されることで構成されている。
本発明の電気化学素子用電極は、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を活物質とする電極合剤層を有することを特徴としている。本発明の電極は、例えば、電気化学素子の正極として使用される。
すなわち、前記リチウム含有複合酸化物は、非水二次電池などの電気化学素子の正極活物質として作用する。本発明の電極を正極に用いることで、充放電サイクル特性に優れ、高温貯蔵時における膨れが抑制された電気化学素子を得ることができる。
本発明の電極に係る前記リチウム含有複合酸化物は、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含む4種以上の元素群Mを含有している。Niは、リチウム含有複合酸化物の容量向上に寄与する成分である。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、高容量化を達成するにはNiの比率をより大きくすることが好ましいが、Niの比率が大きすぎると、NiがLiサイトに導入されて非化学量論組成になりやすくなる。また、前記リチウム含有複合酸化物では、その組成によってNiの平均価数が変化する。前記一般組成式(1)に示される範囲では、例えばNiの平均価数が2.2〜2.9価と、2価と3価が共存するが、3価のNiは不安定であることから、Niの平均価数はその組成本来の平均価数から低下しやすく、例えば大気中での焼成によってNiの酸化数を制御することが困難となる(リチウム含有複合酸化物の合成法に関しては後述する。)。なお、Niの価数が低下した場合には、通常、容量が低下したり、可逆性が失われたりする。
よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、リチウム含有複合酸化物の容量向上を図る観点から、50mol%以上とし、また、Niの割合が多すぎることによる前記の問題を回避する観点から、97mol%以下とする。本発明の電極では、活物質として使用する前記リチウム含有化合物において、Niの割合を前記のように調整し、かつNiが前記割合を満たす範囲で、Co、MnおよびMg(更にはTi)を含有させることで、例えば、容量が180mAh/g以上(リチウム金属基準で、駆動電圧が2.5〜4.3Vの場合。)のリチウム含有複合酸化物の、安定な製造を可能としている。
なお、Niの平均価数が小さくなるほど、リチウム含有複合酸化物の電気伝導性が低下する。よって、前記リチウム含有複合酸化物は、Niの平均価数が2.2〜2.9価であることが好ましい。また、これにより、大気中でも安定して合成することが可能であり、生産性および熱的安定性に優れる高容量のリチウム含有複合酸化物とすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物は、元素群Mとして、Ni以外に、少なくともCo、MnおよびMgを含有している。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Coの割合bを49mol%以下として、結晶格子中にCoを存在させると、非水二次電池の充放電でのLiの脱離および挿入によるリチウム含有複合酸化物の相転移から起こる不可逆反応を緩和でき、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、充放電サイクル寿命の長い電気化学素子を構成することが可能となる。なお、Coを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Coの割合bを1mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物におけるCoは、その平均価数が2.5〜3.2価であることが好ましい。また、Niの価数が必要以上に低下することを防ぐために、Coは3価以下であることがより好ましい。これによりリチウム含有複合酸化物の可逆性をより高めることができる。
また、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合cを49mol%以下として、結晶格子中にMnを存在させると、2価のNiとともに層状の構造を安定化させ、リチウム含有複合酸化物の熱的安定性を向上させ得ることから、より安全性の高い電気化学素子を構成することが可能となる。なお、Mnを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合cを1mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物におけるMnは、その平均価数が3.5〜4価であることが好ましく、このように4価近傍にすることで、2価のNiの安定性が向上して、前述の効果がより良好に確保される。
また、前記リチウム含有複合酸化物にMgを含有させることで、一次粒子の成長を促して成長したリチウム含有複合酸化物の粒子の構造を安定化させることができ、その熱的安定性を向上させ得るため、より安全性の高い非水二次電池を構成することが可能となる。また、電気化学素子の充放電でのLiの脱離および挿入によってリチウム含有複合酸化物の相転移が起こる際、MgがLiサイトに転位することによって不可逆反応を緩和し、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、充放電サイクル寿命の長い電気化学素子を構成することができる。
ただし、Mgは充放電反応への関与が小さいため、リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合dを3mol%以下とする。一方、Mgを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合dを0.02mol%以上とすることが好ましい。
また、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、Mは、Ni、Co、MnおよびMgに加えて、Tiも含む5種以上の元素群であることが好ましい。前記リチウム含有複合酸化物において、MgとともにTiを含有させることで相乗効果が発現し、電気化学素子の充放電サイクル特性および安定性を更に向上させることができ、しかも、電極における電極合剤層の密度をより高めることができるため、更なる高容量化を達成することもできる。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合eは、前記の効果を良好に確保する観点から、0.01mol%以上とすることが好ましく、0.1mol%以上とすることがより好ましい。ただし、Tiの含有量が多くなると、Tiは充放電に関与しないために容量低下を引き起こしたり、LiTiOなどの異相を形成しやすくなったりして、特性低下を招く虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合eは、3mol%以下とすることが好ましい。
なお、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bと、Mnの割合cと、Mgの割合dとの合計は、3mol%以上50mol%以下とすればよい。また、元素群MがTiも含む場合には、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bと、Mnの割合cと、Mgの割合dと、Tiの割合eとの合計を、3mol%以上50mol%以下とすることが好ましい。
なお、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mは、Ni、Co、Mn、MgおよびTi以外の元素を含んでいてもよく、例えば、Al、Cr、Fe、Cu、Zn、Ge、Sn、Ca、Sr、Ba、Ag、Ta、Nb、Mo、B、P、Zr、W、Gaなどの元素を含んでいても構わない。ただし、本発明の効果を十分に得るためには、元素群Mの全元素数を100mol%としたときの、Ni、Co、Mn、MgおよびTi以外の元素の割合は、10mol%以下とすることが好ましく、3mol%以下とすることがより好ましい。元素群MにおけるNi、Co、Mn、MgおよびTi以外の元素は、リチウム含有複合酸化物中に均一に分布していてもよく、また、粒子表面などに偏析していてもよい。
前記の組成を有するリチウム含有複合酸化物は、その真密度が4.55〜4.95g/cmと大きな値になり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。なお、Mnを一定範囲で含むリチウム含有複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、前記のような狭い組成範囲では構造が安定で、比較的容易に高純度な化合物が得られるため、例えばLiCoOの真密度に近い大きな値となるものと考えられる。また、リチウム含有複合酸化物の質量当たりの容量を大きくすることができ、可逆性に優れた材料とすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物は、特に化学量論比に近い組成のときに、その真密度が大きくなるため、前記一般組成式(1)において、x≧−0.15とする。また、前記リチウム含有複合酸化物におけるLi量をより高めることで、電気化学素子の充放電容量をより向上させ得ることから、前記一般組成式(1)において、x≧−0.10とすることが好ましい。
なお、前記リチウム含有複合酸化物の合成時に、Li源となるLi含有化合物を過剰に仕込むと、LiCOやLiOHといったアルカリ成分が残存しやすい。詳しくは後述するが、本発明の電極は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物と、結着剤や導電助剤、溶剤とを混合して調製した電極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を、集電体の表面に塗布し、乾燥する工程を経て製造される。しかし、リチウム含有複合酸化物中に、LiCOやLiOHなどが多量に含まれている場合、前記電極合剤含有組成物が増粘したりゲル化したりして、電極の製造が困難となる虞がある。
また、LiCOが多量にある場合、電池の高温貯蔵時のガス発生による膨れが増大する虞があり、LiOHは大気下でLiCOに変化し得るため、LiOHが多量にある場合も、この膨れの問題が生じる虞がある。更に、前記電極合剤含有組成物が増粘すると、塗布工程において均一に塗布することが困難になる虞がある。前記電極合剤含有組成物が不均一に塗布されて製造された電極では、電流が不均一にかかるため、この電極を用いた電気化学素子の充放電サイクル特性が低下したり、安全性の低下を起こす虞がある。
よって、前記リチウム含有複合酸化物は、その合成時において、Li源となるLi含有化合物の使用量を減らし、前記一般組成式(1)において、x<0となるようにする。
なお、リチウム含有複合酸化物では、Li量が少ないと、リチウム含有複合酸化物の合成時に層状構造中のLi層にNiが入り込み、構造不整を生じやすい。リチウム含有複合酸化物に生じた構造不整は、電気化学素子の充放電容量の低下を引き起こし、充放電サイクル特性を悪化させる。しかし、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物では、Mgの存在によって、例えばこれが結晶構造中に固溶することで、Li層の形成を助け結晶構造を安定化する。そのため、前記一般組成式(1)において、x<0としても安定に充放電が可能で、充放電サイクル特性に優れた電気化学素子を構成できる。
前記リチウム含有複合酸化物は、粒子表面の活性を適度に抑えることで、本発明の電極を用いた電気化学素子(本発明の非水二次電池などの電気化学素子)において、ガス発生を更に抑制し、特に角形(角筒形)の外装体を有する電池とした場合に外装体の変形を抑えて、貯蔵性や寿命をより向上させることができる。このような効果を確保する観点から、前記リチウム含有複合酸化物は、以下の形態を有することが好ましい。まず、前記リチウム含有複合酸化物は、粒子状で、体積基準で表した一次粒子の粒度分布において0.7μm以下の頻度積算値が、30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積が、0.4m/g以下であることが好ましく、0.25m/g以下であることがより好ましい。
すなわち、リチウム含有複合酸化物において、一次粒子の粒度分布において0.7μm以下の頻度積算値が大きすぎたり、BET比表面積が大きすぎる場合には、反応面積が大きく活性点が多くなるため、大気中の水分や、電極合剤層の形成に用いる結着剤、電池の非水電解質との不可逆な反応が起こりやすくなり、電気化学素子内でのガス発生を抑制する効果が小さくなったり、電極合剤層の形成に使用する前記電極合剤含有組成物のゲル化を引き起こす虞がある。
なお、前記リチウム含有複合酸化物は、粒径が0.7μm以下の一次粒子を全く含まなくてもよい(すなわち、体積基準で表した一次粒子の粒度分布において0.7μm以下の頻度積算値が0%であってもよい)。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積は、その反応性が必要以上に低下するのを防ぐために、0.1m/g以上であることが好ましい。更に、前記リチウム含有複合酸化物は、体積メジアン径が、5〜25μmであることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物中に含まれる、粒径が700nm以下の一次粒子の割合、およびリチウム含有複合酸化物の体積メジアン径(更には、後記の他の活物質の体積メジアン径)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」などにより測定することができる。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積は、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定、計算したもので、リチウム含有複合酸化物の表面と微細孔の比表面積である。具体的には、窒素吸着法による比表面積測定装置(Mountech社製「Macsorb HM modele−1201」)を用いて、BET比表面積として得た値である。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、電極合剤層の密度を高め、電極の容量、ひいては電気化学素子の容量をより高める観点から、その形状が、球状または略球状であることが好ましい。これにより、電極作製時のプレス工程(詳しくは後述する。)において、プレス処理によってリチウム含有複合酸化物の粒子を移動させて電極合剤層の密度を高める際に、粒子の移動が無理なく行われ、粒子がスムーズに再配列されるようになる。そのため、プレス荷重を小さくすることができることから、プレスに伴う集電体のダメージを軽減でき、電極の生産性を高めることが可能となる。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子が、球状または略球状の場合には、粒子がより大きなプレス圧にも耐えることができるため、電極合剤層をより高密度とすることも可能となる。
更に、前記リチウム含有複合酸化物は、電極合剤層における充填性を高める観点から、タップ密度が、2.4g/cm以上であることが好ましく、2.8g/cm以上であることがより好ましい。また、前記リチウム含有複合酸化物のタップ密度は、3.8g/cm以下であることが好ましい。すなわち、タップ密度が高く、粒子内部に空孔を有さないか、粒子の断面観察から測定される1μm以下の微小な空孔の面積比率が10%以下であるような、空孔の割合の少ない粒子とすることで、電極合剤層でのリチウム含有複合酸化物の充填性を高めることができる。
リチウム含有複合酸化物のタップ密度は、ホソカワミクロン製「パウダテスタPT−S型」を用い、以下の測定により求められる値である。測定用カップ100cmに粒子をすり切り一杯入れ、体積が減少した分を適宜補充しながら180回タッピングを行う。タッピング終了後、余分な粒子をブレードですり切った後、質量(A)(g)を測定し、次式にてタップ密度を求める。
タップ密度=(A)/100
前記リチウム含有複合酸化物を合成するにあたっては、Li含有化合物、Ni含有化合物、Co含有化合物、Mn含有化合物、Mg含有化合物などの原料化合物を単純に混合して焼成するだけでは、高い純度で得ることが非常に困難である。これは、NiやMnなどは、固体中での拡散速度が遅いため、リチウム含有複合酸化物の合成反応時に、これらを均一に拡散させることが困難であり、生成したリチウム含有複合酸化物中にNiや、Mnなどが均一に分布し難いことが原因であると考えられる。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物を合成する際には、少なくともNi、Co、MnおよびMgを構成元素として含有する複合化合物と、Li含有化合物とを焼成する方法を採用することが好ましく、このような方法によって、前記リチウム含有複合酸化物を、高い純度で比較的容易に合成できる。すなわち、あらかじめ、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含有する複合化合物を合成しておき、これをLi含有化合物と共に焼成することにより、酸化物形成反応において、Ni、Co、MnおよびMgが均一に分布し、リチウム含有複合酸化物がより高純度で合成される。
なお、前記リチウム含有複合酸化物に係る元素群Mが、更にTiも含有する場合、少なくともNi、Co、Mn、MgおよびTiを構成元素として含有する複合化合物と、Li含有化合物とを焼成する方法で合成することもできるが、少なくともNi、Co、MnおよびMgを構成元素として含有する複合化合物と、Ti含有化合物(TiOなどのTi酸化物など)と、Li含有化合物とを焼成する方法によっても合成することができる。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物の合成方法は、前記の方法に限定されるものではないが、どのような合成過程を経るかによって、生成する複合酸化物の物性、すなわち、構造の安定性や充放電の可逆性、真密度などが大きく変化するものと推測される。
ここで、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含有する複合化合物としては、例えば、Ni、Co、MnおよびMgを含む共沈化合物、水熱合成された化合物、メカニカル合成された化合物、およびそれらを熱処理して得られる化合物などが挙げられ、Ni0.9Co0.05Mn0.03Mg0.02(OH)などの、NiとMnとMgとCoとの酸化物、炭酸塩、または水酸化物が好ましい。
なお、元素群Mの一部に、Ni、Co、Mn、MgおよびTi以外の元素(例えば、Al、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Ag、Ta、Nb、Mo、B、P、ZrおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素。以下、これらを纏めて「元素M’」という。)を含有する前記リチウム含有複合酸化物を製造する場合には、少なくともNi、Co、MnおよびMg(必要に応じて更にTi)を含有する複合化合物と、Li含有化合物と、元素M’含有化合物とを混合して焼成することにより合成できるが、少なくともNi、Co、MnおよびMg(必要に応じて更にTi)を含有する複合化合物と元素M’含有化合物に代えて、少なくともNi、Co、Mn、Mgおよび元素M’(必要に応じて更にTi)を含有する複合化合物を用いることが好ましい。また、前記複合化合物におけるNi、Co、Mn、MgおよびM’の量比や、Ni、Co、Mn、Mg、TiおよびM’の量比は、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成に応じて適宜調整すればよい。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子の合成に用い得るLi含有化合物としては、種々のリチウム塩を用いることができ、例えば、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどが挙げられ、それらの中でも、炭酸ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物などの環境に悪影響を及ぼすガスが発生しない点で、水酸化リチウムが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物を合成するには、まず、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含有する複合化合物(更にはTiや元素M’を含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用されるTi含有化合物および元素M’含有化合物とを、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成にほぼ応じた比率で混合する。そして、得られた原料混合物を、例えば、600〜1000℃で1〜24時間焼成することで、前記リチウム含有複合酸化物を得ることができる。
前記原料混合物の焼成に際しては、一度に所定温度まで昇温するよりも、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましく、また、焼成環境の酸素濃度を一定に保つことが好ましい。
これは、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物の生成過程において、3価のNiが不安定であるために非化学量論組成となりやすいことから、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含有する複合化合物(更にはTiや元素M’を含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用されるTi含有化合物および元素M’含有化合物との反応を段階的に生じさせて、生成するリチウム含有複合酸化物の均質性を高め、また、生成したリチウム含有複合酸化物を安定して結晶成長させるためである。すなわち、一度に焼成温度まで昇温した場合や、焼成環境の酸化濃度が焼成途中に低下するような場合には、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含有する複合化合物(更にはTiや元素M’を含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用されるTi含有化合物および元素M’含有化合物とが不均一反応しやすく、組成の均一性が損なわれやすい。
なお、前記予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。
また、前記原料混合物の焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。ただし、リチウム含有複合酸化物の製造コストを低減して、その生産性、ひいては電極の生産性を高める観点からは、大気フロー中で前記原料混合物の焼成を行うことが、より好ましい。通常、高純度のリチウム含有複合酸化物を合成するためには、Ni比率が大きいほど高い酸素濃度を必要とする。
前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり2dm/分以上とすることが好ましい。ガスの流量が少なすぎる場合、すなわちガス流速が遅すぎる場合には、前記リチウム含有複合酸化物の組成の均質性が損なわれる虞がある。なお、前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり5dm/分以下とすることが好ましい。
また、前記原料混合物を焼成する工程では、乾式混合された混合物をそのまま用いてもよいが、原料混合物をエタノールなどの溶媒に分散させてスラリー状にし、高速攪拌型ミキサーなどの混合機で30〜60分間程度混合し、これを乾燥させたものを用いることが好ましく、このような方法によって、合成されるリチウム含有複合酸化物の均質性を更に高めることができる。また、焼成後の粉体は解砕機で解砕した後、150〜200メッシュ程度の篩で粗大な粒子を除いておくことが好ましい。粗大な粒子があると、電極表面に凹凸ができるため、電気化学素子における正負極間の間隔が開き充放電反応を不均一にさせたり、セパレータを傷つけ微短絡を起こしたりする虞がある。
前記の製造方法によって、Ni、CoおよびMnの平均価数が前記の範囲を満足し、また、前記の粒度やBET比表面積、体積メジアン径、タップ密度を満足するリチウム含有複合酸化物を得ることができる。
本発明の電極は、前記リチウム含有複合酸化物を活物質として含有する電極合剤層を有しているが、電極合剤層は、他の活物質も含んでいてもよい。前記リチウム含有複合酸化物以外の他の活物質としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;LiCo1−xNiOなどの層状構造のリチウム含有複合酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などを用いることができる。なお、他の活物質を用いる場合、本発明の効果を明確にするために、他の活物質の割合は質量基準で活物質全体の30%以下とすることが望ましい。
なお、前記他の活物質のうち、リチウムコバルト酸化物としては、前記例示のLiCoOの他、LiCoOのCoの一部をTi、Cr、Fe、Ni、Mn、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、MgおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換した酸化物(ただし、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物は除く)が好ましい。これらのリチウムコバルト酸化物は、その導電率が1.0×10−3S・cm−1以上と高く、電極の負荷特性をより高め得るからである。
また、前記他の活物質のうち、スピネル構造のリチウム含有複合酸化物としては、前記例示のLiMnおよびLi4/3Ti5/3の他、LiMnのMnの一部を、Ti、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、MgおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換した酸化物(ただし、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物は除く)が好ましい。これらのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は、過充電時などの安全性に優れており、電気化学素子の安全性を更に高めることができるからである。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物と、他の活物質とを併用する場合には、これらを単に混合して用いてもよいが、これらの粒子を造粒などにより一体化した複合粒子として使用することがより好ましく、この場合には、電極合剤層における活物質の充填密度が向上し、活物質粒子相互間の接触をより確実にすることができる。そのため、電極を用いた電気化学素子(本発明の非水二次電池などの電気化学素子)の容量および負荷特性を更に高めることができる。
前記複合粒子とする場合、本発明に係るリチウム含有複合酸化物と他の活物質のいずれか一方の、個数基準の平均粒子径(以下、「数平均粒子径」という)が、他方の数平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。このように、大きな数平均粒子径の粒子(以下、「大粒子」という。)と、小さな数平均粒子径の粒子(以下、「小粒子」という。)とを組み合わせて複合粒子を形成する場合には、小粒子が、大粒子の周囲に分散、定着しやすくなり、より均一な混合比の複合粒子を形成することができる。そのため、電極内での不均一な反応を抑えることができ、電気化学素子の充放電サイクル特性や安全性を更に高めることが可能となる。
なお、前記のように大粒子と小粒子とを使用して複合粒子を形成する場合、大粒子の数平均粒子径は、10〜30μmであることが好ましく、また、小粒子の数平均粒子径は、1〜15μmであることが好ましい。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物と他の活物質との複合粒子は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物の粒子と他の活物質の粒子とを、一般的な一軸混練機や二軸混練機などの種々の混練機を用いて混合し、粒子同士を摺り合せてシェアをかけることで複合化して得ることができる。また、前記の混練は、複合粒子の生産性を考慮すれば、原料を連続的に供給する連続混練方式が好ましい。
前記混練の際には、前記の各活物質粒子に、更に結着剤を加えることが好ましい。これにより、形成される複合粒子の形状を強固に保つことができる。また、導電助剤も加えて混練することがより好ましい。これにより、活物質粒子間の導電性を更に高めることができる。
前記複合粒子の製造時に添加する結着剤としては、電気化学素子内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、または、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびそれら共重合体のNaイオン架橋体などが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気化学素子内での安定性や電気化学素子の特性などを考慮すると、PVDF、PTFE、PHFPが好ましく、また、これらを併用したり、これらのモノマーにより形成される共重合体を用いたりしてもよい。
前記複合粒子を形成する場合の結着剤の添加量は、複合粒子を安定化できれば少ないほど好ましく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.03〜2質量部であることが好ましい。
前記複合粒子の製造時に添加する導電助剤としては、電気化学素子内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
前記複合粒子を形成する場合の導電助剤の添加量は、導電性と吸液性が良好に確保できればよく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.1〜2質量部であることが好ましい。
また、前記複合粒子の空孔率は、5〜15%であることが好ましい。このような空孔率を有する複合粒子であれば、非水電解質(非水電解液)との接触や、非水電解質の複合粒子への浸透が適度となるからである。
更に、前記複合粒子の形状も、本発明に係るリチウム含有複合酸化物と同様に、球状または略球状であることが好ましい。これにより、電極合剤層の更なる高密度化が可能となる。
本発明の電極は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物や前記複合粒子を活物質として含む電極合剤層を、集電体の片面または両面に形成することにより製造することができる。
電極合剤層は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物や前記複合粒子、結着剤および導電助剤を溶剤に添加してペースト状やスラリー状の電極合剤含有組成物を調製し、これを種々の塗工方法によって集電体表面に塗布し、乾燥し、更にプレス工程によって電極合剤層の厚みや密度を調整することにより形成することができる。
電極合剤含有組成物を集電体表面に塗布する際の塗工方法としては、例えば、ドクターブレードを用いた基材引き上げ方式;ダイコータ、コンマコータ、ナイフコータなどを用いたコータ方式;スクリーン印刷、凸版印刷などの印刷方式:などを採用することができる。
電極合剤含有組成物の調製に用い得る結着剤および導電助剤としては、前記複合粒子の形成に用い得るものとして例示した各種結着剤および各種導電助剤が挙げられる。
電極合剤層においては、前記リチウム含有複合酸化物を含む全活物質を、80〜99質量%とし、結着剤(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とし、導電助剤(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とすることが好ましい。
また、プレス処理後において、電極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、15〜200μmであることが好ましい。更に、プレス処理後において、電極合剤層の密度は、3.4g/cm以上であることが好ましく、3.52g/cm以上であることがより好ましい。このような高密度の電極合剤層を有する電極とすることで、より高容量化を図ることができる。ただし、電極合剤層の密度が大きすぎると、空孔率が小さくなって、非水電解質の浸透性が低下する虞があることから、プレス処理後における電極合剤層の密度は、4.0g/cm以下であることが好ましい。なお、プレス処理としては、例えば、1〜100kN/cm程度の線圧でロールプレスすることができ、このような処理によって、前記の密度を有する電極合剤層とすることができる。
また、本明細書でいう電極合剤層の密度は、以下の方法により測定される値である。電極を所定面積に切り取り、その質量を最小目盛0.1mgの電子天秤を用いて測定し、集電体の質量を差し引いて電極合剤層の質量を算出する。一方、電極の全厚を最小目盛1μmのマイクロメーターで10点測定し、これらの測定値から集電体の厚みを差し引いた値の平均値と、面積とから、電極合剤層の体積を算出する。そして、前記電極合剤層の質量を前記体積で割ることにより電極合剤層の密度を算出する。
電極の集電体の材質は、構成された電気化学素子において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好ましい。これらは、軽量で電子伝導性が高いからである。電極の集電体には、例えば、前記材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用される。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
なお、本発明の電極は、前記の製造方法により製造されたものに限定されず、他の製造方法により製造されたものであってもよい。例えば、前記複合粒子を活物質として使用する場合には、電極合剤含有組成物を用いずに、前記複合粒子を、そのまま集電体表面に定着させて電極合剤層を形成する方法によって得られた電極であってもよい。
また、本発明の電極には、必要に応じて、電気化学素子内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の電気化学素子用電極を正極として用いることにより、電池(非水一次電池、非水二次電池)、キャパシタなどの電気化学素子を構成することができる。
すなわち、本発明の非水二次電池は、前記本発明の電気化学素子用電極を正極として有するものであり、その他の構成、構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成、構造を適用することができる。
負極には、例えば、負極活物質および結着剤、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤からなる負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)またはその合金、Li3/4Ti5/3、SiO、SiOなどのシリコン酸化物などが挙げられる。また、結着剤および導電助剤には、本発明の電極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
負極の集電体の材質は、構成された電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅、銅合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、銅または銅合金が特に好ましい。これらは、リチウムと合金化せず、電子伝導性も高いからである。負極の集電体には、例えば、前記の材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用できる。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
負極は、例えば、負極活物質および結着剤、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤を溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物(結着剤は溶剤に溶解していてもよい)を、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することにより得ることができる。なお、負極は前記の製造方法により得られたものに限定されず、他の方法により製造したものであってもよい。負極合剤層の厚みは、集電体の片面当たり10〜300μmであることが好ましい。
セパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などで構成された多孔質膜であることが好ましい。なお、セパレータは、100〜140℃において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、セパレータは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜140℃の熱可塑性樹脂を成分とするものがより好ましく、ポリエチレンを主成分とする単層の多孔質膜であるか、ポリエチレンとポリプロピレンとを2〜5層積層した積層多孔質膜などの多孔質膜を構成要素とする積層多孔質膜であることが好ましい。ポリエチレンとポリプロピレンなどのポリエチレンより融点の高い樹脂を混合または積層して用いる場合には、多孔質膜を構成する樹脂としてポリエチレンが30質量%以上であることが望ましく、50質量%以上であることがより望ましい。
このような樹脂多孔質膜としては、例えば、従来から知られている非水二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された多孔質膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜を用いることができる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であって、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
また、セパレータの特性としては、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜500secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。更に、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。
なお、非水二次電池内部が150℃以上となった場合でも、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、安全性を保つことができる。
非水電解質には、電解質塩を有機溶媒に溶解させた溶液(非水電解液)を使用することができる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。また、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。これらの中でも、ECとMECとDECとの混合溶媒が好ましく、この場合、混合溶媒の全容量に対して、DECを15容量%以上80容量%以下の量で含むことがより好ましい。このような混合溶媒であれば、電池の低温特性や充放電サイクル特性を高く維持しつつ、高電圧充電時における溶媒の安定性を高めることができるからである。
非水電解質に係る電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩などの含フッ素化合物の塩、またはイミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO)3、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基を表す。〕などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。これらの中でも、LiPFやLiBFなどが、充放電特性が良好なことからより好ましい。これらの含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン分離しやすいので前記溶媒に溶解しやすいからである。溶媒中における電解質塩の濃度は特に限定されないが、通常0.5〜1.7mol/Lである。
また、前記の非水電解質に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。なお、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物はMnを含んでいるため、硫黄元素を含む添加剤を非水電解質に加えておくことが特に好ましく、これにより、前記リチウム含有複合酸化物の表面活性を安定にできる。
本発明の非水二次電池は、例えば、本発明の電極と前記の負極とを、前記のセパレータを介して積層した電極積層体や、更にこれを渦巻状に巻回した電極巻回体を作製し、このような電極体と、前記の非水電解質とを、常法に従い外装体内に封入して構成される。電池の形態としては、従来から知られている非水二次電池と同様に、筒形(円筒形や角筒形)の外装缶を使用した筒形電池や、扁平形(平面視で円形や角形の扁平形)の外装缶を使用した扁平形電池、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることができる。また、外装缶には、スチール製やアルミニウム製のものが使用できる。
本発明の非水二次電池は、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器などの各種電子機器の電源用途を始めとして、安全性が重視される電動工具、自動車、自転車、電力貯蔵用などの用途にも適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
<リチウム含有複合酸化物の合成>
水酸化ナトリウムの添加によってpHを約11に調整したアンモニア水を反応容器に入れ、これを強攪拌しながら、この中に、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンおよび硫酸マグネシウムを、それぞれ、1.79mol/dm、0.597mol/dm、0.597mol/dm、0.015mol/dmの濃度で含有する混合水溶液と、25質量%濃度のアンモニア水とを、それぞれ、23cm/分、5.2cm/分の割合で、定量ポンプを用いて滴下して、NiとCoとMnとMgとの共沈化合物(球状の共沈化合物)を合成した。なお、この際、反応液の温度は50℃に保持し、また、反応液のpHが11付近に維持されるように、3.0mol/dmの濃度の水酸化ナトリウム水溶液の滴下も同時に行い、更に窒素ガスを0.3dm/分の流量でバブリングした。
前記の共沈化合物を水洗、濾過および乾燥させて、NiとCoとMnとMgとを59.4:19.8:19.8:0.5のモル比で含有する水酸化物を得た。この水酸化物1molと、1.00molのLiOH・HOと、0.005molのTiOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合して混合物を得た。次いで、前記混合物をアルミナ製のるつぼに入れ、2dm/分のドライエアーフロー中で600℃まで加熱し、その温度で2時間保持して予備加熱を行い、更に900℃に昇温して12時間焼成することにより、リチウム含有複合酸化物を合成した。得られたリチウム含有複合酸化物は、解砕機で解砕した後、200メッシュの篩を掛け、デシケーター中で保存した。
前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.594Co0.198Mn0.198Mg0.005Ti0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=59.4mol%、b=19.8mol%、c=19.8mol%、d=0.5mol%、e=0.5mol%で、b+c+d+e=40.6mol%]であることが判明した。
前記リチウム含有複合酸化物粉体のBET比表面積は0.33m/gであり、また、粉体を一次粒子になるまで解砕した後に粒度分布を測定したところ、粒径が0.7μm以下の粒子の割合は22体積%であった。
<正極の作製>
前記リチウム含有複合酸化物100質量部と、結着剤であるPVDFを10質量%の濃度で含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記の正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、正極合剤層の厚みおよび密度を調節し、アルミニウム箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ375mm、幅43mmの帯状の正極を作製した。なお、得られた正極における正極合剤層は、片面あたりの厚みが55μmであった。
<負極の作製>
負極活物質である数平均粒子径が10μmの天然黒鉛97.5質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを厚みが8μmの銅箔の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、銅箔の両面に負極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、負極合剤層の厚みおよび密度を調節し、銅箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ380mm、幅44mmの帯状の負極を作製した。なお、得られた負極における負極合剤層は、片面あたりの厚みが65μmであった。
<非水電解質の調製>
ECとMECとDECとの容積比2:3:1の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度で溶解させて、非水電解質を調製した。
<電池の組み立て>
前記帯状の正極を、厚みが16μmの微孔性ポリエチレンセパレータ(空孔率:41%)を介して前記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極巻回体とし、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が厚さ4.0mm、幅34mm、高さ50mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに前記電極巻回体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解質を注入し、1時間静置した後注入口を封止して、図1に示す構造で、図2に示す外観の非水二次電池を得た。なお、前記非水二次電池の設計電気容量は、1000mAhとした。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図1(b)に示すように、正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の電極巻回体6として、角形(角筒形)の電池ケース4に非水電解質と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や非水電解質などは図示していない。
電池ケース4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはポリエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状電極巻回体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋板9に非水電解質注入口14が設けられており、この非水電解質注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図1および図2の電池では、実際には、非水電解質注入口14は、非水電解質注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、非水電解質注入口14として示している)。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池ケース4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
実施例1と同様に合成した水酸化物1molと、0.852molのLiOH・HOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合した以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.852Ni0.597Co0.199Mn0.199Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.148、a=59.7mol%、b=19.9mol%、c=19.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=40.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例3
実施例1と同様に合成した水酸化物1molと、0.995molのLiOH・HOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合した以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.597Co0.199Mn0.199Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=59.7mol%、b=19.9mol%、c=19.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=40.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例4
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンおよび硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.09mol/dm、0.447mol/dm、0.447mol/dm、0.015mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして共沈化合物を合成し、これを水洗、濾過および乾燥させて、NiとCoとMnとMgとを69.7:14.9:14.9:0.5のモル比で含有する水酸化物を得た。この水酸化物を用いた以外は実施例3と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.697Co0.149Mn0.149Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=69.7mol%、b=14.9mol%、c=14.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=30.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例5
水酸化ナトリウムの添加によってpHを約12に調整したアンモニア水を反応容器に入れ、25質量%濃度のアンモニア水を、1.3cm/分の割合で定量ポンプを用いて滴下した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成し、これを水洗、濾過および乾燥させて水酸化物を得た。そして、この水酸化物を用いた以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.594Co0.198Mn0.198Mg0.005Ti0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=59.4mol%、b=19.8mol%、c=19.8mol%、d=0.5mol%、e=0.5mol%で、b+c+d+e=40.6mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例1
実施例1と同様に合成した水酸化物1molと、0.82molのLiOH・HOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合した以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.820Ni0.597Co0.199Mn0.199Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.18、a=59.7mol%、b=19.9mol%、c=19.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=40.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例2
実施例1と同様に合成した水酸化物1molと、1.02molのLiOH・HOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合した以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li1.02Ni0.597Co0.199Mn0.199Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=0.02、a=59.7mol%、b=19.9mol%、c=19.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=40.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例3
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンを、それぞれ、1.80mol/dm、0.600mol/dm、0.600mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして共沈化合物を合成し、これを水洗、濾過および乾燥させて、NiとCoとMnとを60.0:20.0:20.0のモル比で含有する水酸化物を得た。そして、この水酸化物を用いた以外は実施例3と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.6Co0.2Mn0.2で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=60.0mol%、b=20.0mol%、c=20.0mol%、b+c=40.0mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例4
比較例3と同様に合成した水酸化物を用いた以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li0.995Ni0.597Co0.199Mn0.199Ti0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=−0.005、a=59.7mol%、b=19.9mol%、c=19.9mol%、e=0.5mol%で、b+c+e=40.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
比較例5
実施例4と同様に合成した水酸化物1molと、1.02molのLiOH・HOとを高速攪拌型ミキサーで40分間均一に混合した以外は実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を得た。前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、ICP発光分析装置で組成を測定したところ、Li1.02Ni0.697Co0.149Mn0.149Mg0.005で表される組成[前記一般組成式(1)において、x=0.02、a=69.7mol%、b=14.9mol%、c=14.9mol%、d=0.5mol%、b+c+d=30.3mol%]であることが判明した。
前記のリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして非水二次電池を作製した。
実施例および比較例の非水二次電池について、以下の各評価を行った。
<放電容量測定>
実施例および比較例の各電池を、60℃で7時間保存した後、25℃で放電容量測定および電池特性評価を行った。充電は200mAの定電流で行い、充電電圧が4.2Vに達した後、電流が1/10になるまで定電圧で行った。次に定電流200mAで電池電圧が2.5Vに達するまで放電を行い、このときの容量をこの電池の放電容量とした。なお、放電容量は各電池とも100個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例の放電容量とした。
<充放電サイクル試験>
実施例および比較例の放電容量測定後の電池について、25℃で充放電サイクル試験を以下の様に行った。まず、充電を電流値1000mAの定電流で行い、電池電圧が4.2Vに達した後は定電圧で保つ方法で計3時間充電した。次に1000mAの定電流で電池電圧が3Vに低下するまで放電した。この充放電サイクルを1サイクルとし、500サイクル充放電を繰り返した。そして、500サイクル目の容量維持率を以下の式で算出した。
容量維持率(%)
=100×(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)
容量維持率が大きいほど充放電サイクル特性に優れているといえる。なお、充放電サイクル試験は各電池とも10個の電池について行い、その容量維持率の平均値を各実施例、比較例の容量維持率とした。
<高温貯蔵試験>
また、実施例および比較例の放電容量測定後の電池について、高温貯蔵試験を以下の様に行った。25℃で充放電サイクル試験と同じ条件の定電流−定電圧充電で各電池を充電した(電流値:1000mA、電圧:4.2V、時間:3時間)。また、この充電状態の各電池の厚みを測定した。その後、各電池を85℃に保った恒温槽へ入れ、24h静置した。その後、恒温槽から取り出して3h冷却した各電池の厚みを測定し、以下の式に従って試験前後での各電池の膨れを算出した。
膨れ(mm) = 試験後の電池厚み(mm) − 試験前の電池厚み(mm)
表1に、実施例および比較例の正極に用いたリチウム含有複合酸化物の組成を、表2に、実施例および比較例の正極に用いたリチウム含有複合酸化物の、体積基準で表した一次粒子の粒度分布おける0.7μm以下の頻度積算値(表2では、「一次粒子の粒度分布における0.7μm以下の頻度積算値」と記載する。)、BET比表面積、LiOH量およびLiCO量、並びに正極合剤層の密度と、前記の電池特性の各評価結果とを示す。
Figure 2012014851
Figure 2012014851
組成が好適なリチウム含有複合酸化物を含有する正極を備えた実施例1〜5の非水二次電池は、充放電サイクル試験時の容量維持率が高く、充放電サイクル特性が良好であり、また、高温貯蔵時における膨れも抑制されている。
これに対し、Li量が少ないリチウム含有複合酸化物を含む正極を備えた比較例1の非水二次電池は、充放電サイクル試験時の容量維持率が低く、充放電サイクル特性が劣っており、また、放電容量も小さい。Li量が多いリチウム含有複合酸化物を含む正極を備えた比較例2および比較例5の非水二次電池は、高温貯蔵時の膨れ量が大きい。Mgを含有しないリチウム含有複合酸化物を含む正極を備えた比較例3の非水二次電池は、充放電サイクル試験時の容量維持率が低く、充放電サイクル特性が劣っている。Mgを含有しない一方でTiを含有するリチウム含有複合酸化物を含む正極を備えた比較例4の非水二次電池は、例えば比較例3の非水二次電池に比べると充放電サイクル試験時の容量維持率が高く、ある程度の充放電サイクル特性向上は認められるものの、実施例の非水二次電池に比べると劣っており、また、高温貯蔵時の膨れも大きい。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (8)

  1. 下記一般組成式(1)
    Li1+xMO (1)
    [ただし、−0.15≦x<0であり、かつ、Mは、少なくともNi、Co、MnおよびMgを含む4種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、MnおよびMgの割合(mol%)を、それぞれa、b、cおよびdとしたときに、50≦a≦97、b≦49、c≦49、d≦3および3≦b+c+d≦50である]
    で表されるリチウム含有複合酸化物を活物質とする電極合剤層を有することを特徴とする電気化学素子用電極。
  2. リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、Mは、更にTiを含む5種以上の元素群であり、Mを構成する各元素中で、Tiの割合(mol%)をeとしたときに、e≦3および3≦b+c+d+e≦50である請求項1に記載の電気化学素子用電極。
  3. リチウム含有複合酸化物は、粒子状であり、体積基準で表した一次粒子の粒度分布において0.7μm以下の頻度積算値が30%以下で、かつBET比表面積が0.4m/g以下である請求項1または2に記載の電気化学素子用電極。
  4. リチウム含有複合酸化物のタップ密度が、2.4g/cm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  5. 電極合剤層の密度が、3.4g/cm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  6. 電極合剤層が結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロエチレンまたはポリテトラフルオロエチレンを含有している請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子電極。
  7. 電極合剤層が導電助剤として、黒鉛、カーボンブラックまたは繊維状カーボンを含有している請求項1〜6のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  8. 正極と負極と非水電解質とを含む非水二次電池であって、
    前記正極が、請求項1〜7のいずれかに記載の電気化学素子用電極であることを特徴とする非水二次電池。
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