JP5405941B2 - 電気化学素子用電極および非水二次電池 - Google Patents

電気化学素子用電極および非水二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池、キャパシタなどの電気化学素子に用い得る電極と、該電極を有する非水二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量で且つ高容量の二次電池やキャパシタが必要とされるようになってきた。現在、この要求に応え得る高容量二次電池やキャパシタには、一般に、LiCoO、LiNiO、LiMnなどが正極活物質として用いられている。
しかしながら、これらの正極活物質は、以下のような欠点を抱えている。LiCoOは充電状態での熱的安定性が低い。また、LiNiOは、LiCoOに比べて高容量であるが、充電状態での熱的安定性がLiCoOよりも低い。更に、LiMnは充電状態での熱的安定性は高いが、LiCoOに比べて体積当たりの容量が小さい。
このような事情を受けて、LiMnの熱的安定性とLiNiOの高容量とを両立させるため、LiNiOの層状の結晶構造を保持させつつ、熱的安定性の高いMnでNiを所定量置換させたリチウム含有複合酸化物が提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、前記のリチウム含有複合酸化物は、初期充放電効率が低いために容量低下が大きくなりやすく、また、真密度が低いために電極としたときの容量を高め難いこともあり、電池の更なる高容量化の点で未だ改善の余地があった。
これに対し、最近では、高容量化と負荷特性の更なる向上を図るため、前記のリチウム含有複合酸化物にリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を混合した正極活物質が提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2003−221236号公報 国際公開第02/40404号公報 特開2005−19149号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術は、正極活物質中に含まれるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)の熱安定性が低いため、電池の安全性向上の点で未だ改善の余地を残している。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量で、熱安定性が高い電気化学素子用電極と、該電極を有する非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電気化学素子用電極は、一般組成式Li1+xNi(1−y−z+b)/2Mn(1−y−z−b)/2Co(ただし、MはTi、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、−0.15≦x≦0.15、0≦y≦0.4、0≦z≦0.03、−0.1≦b≦0.96および1−y−z−b>0である)で表され、Niの平均価数が2.2〜2.9価であり、全一次粒子中、粒径が1μm以下の一次粒子が30体積%以下であり、BET比表面積が0.3m/g以下のリチウム含有複合酸化物の粒子を活物質とする電極合剤層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の非水二次電池は、正極と負極と非水電解質とを含む非水二次電池であって、前記正極が、本発明の電気化学素子用電極であることを特徴とするものである。
本発明によれば、高容量で、熱安定性が高い電気化学素子用電極と、該電極を有する非水二次電池を提供することができる。すなわち、本発明の非水二次電池は、高容量で、高温環境下においても安全性が良好である。
本発明の非水二次電池の一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)断面図である。 図1の斜視図である。
本発明の電気化学素子用電極(以下、単に「電極」という場合がある。)は、例えば、集電体の片面または両面に、活物質などを含有する電極合剤層が形成されることで構成されている。
本発明の電極は、活物質として、一般組成式Li1+xNi(1−y−z+b)/2Mn(1−y−z−b)/2Co(ただし、MはTi、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、−0.15≦x≦0.15、0≦y≦0.4、0≦z≦0.03、−0.1≦b≦0.96および1−y−z−b>0である)で表され、Niの平均価数が2.2〜2.9価であり、全一次粒子中、粒径が1μm以下の一次粒子が30体積%以下であり、BET比表面積が0.3m/g以下のリチウム含有複合酸化物の粒子を有している。本発明の電極は、例えば、電気化学素子の正極に用いられる。
すなわち、前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、非水二次電池などの電気化学素子の正極活物質として作用する。本発明の電極を正極に用いて電気化学素子を構成することで、高容量であり、かつ高温環境下においても安全性の高い電気化学素子とすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、−0.1≦bであり、高容量化を達成するにはMnに対するNiの比率をより大きくすることが好ましいが、bが0.96より大きい値になると、NiがLiサイトに導入されて非化学量論組成になりやすくなる。また、3価のNiは不安定であることから、Niは3価よりも低い酸化数であることが好ましいが、bが0.96より大きい値になると、例えば、大気中での焼成によりNiの酸化数を制御することが困難になる(リチウム含有複合酸化物の合成法に関しては後述する。)。これらの理由から、前記一般組成式において、bが0.96より大きい値になると、十分な理論容量や充放電可逆性が得られなくなる。よって、前記リチウム含有複合酸化物では、−0.1≦b≦0.96となるようにNiの含有量を調整しており、より好ましくは0.6以下であり、これにより、容量が150mAh/g以上(リチウム金属基準で、駆動電圧が2.5〜4.3Vの場合。)のリチウム含有複合酸化物の粒子の、安価かつ安定な製造を可能としている。
また、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、1−y−z−b>0とし、結晶格子中に必ずMnを存在させることにより、リチウム含有複合酸化物の粒子の熱的安定性を高めることができるため、より安全性の高い電気化学素子を構成することが可能となる。すなわち、結晶格子中で、Mnが2価のNiとともに層状の構造を安定化させ、リチウム含有複合酸化物の熱的安定性を向上させる。
一方、Niの平均価数が低くなるほど、リチウム含有複合酸化物の電気伝導性が低下する。そのため、前記リチウム含有複合酸化物は、後記の実施例で示す方法により測定されるNiの平均価数が、2.2〜2.9価であることが好ましい。これにより、大気中でも安定して合成することが可能であり、生産性および熱的安定性に優れる高容量なリチウム含有複合酸化物とすることができる。
更に、前記リチウム含有複合酸化物において、Coおよび元素Mを含有させることによって、電気化学素子の充放電でのLiのドープおよび脱ドープに伴うMnの価数変動を抑制し、Mnの平均価数を4価近傍の値に安定させ、充放電の可逆性をより高めることができ、充放電サイクル特性に優れた電極とすることが可能となる。なお、前記リチウム含有複合酸化物における具体的なMnの平均価数は、後記の実施例で示す方法により測定される値で、3.5〜4価であることが好ましい。ただし、測定誤差を考慮すれば、上限値は4価を若干超える場合もあり、4.1価程度の値であってもよい。
また、Coはリチウム含有複合酸化物の容量に寄与し、リチウム含有複合酸化物の粒子の電極合剤層における充填密度向上にも働く一方で、多すぎるとコスト増大や安全性低下を引き起こす虞もある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、Coの量を示すyは、0≦y≦0.4とする。yは、0.05以上であることがより好ましく、また、0.35以下であることがより好ましい。なお、Coの平均価数は、後記の実施例で示す方法により求められる値で、2.5〜3.2価であることが好ましい。
更に、前記リチウム含有複合酸化物には、元素Mとして、Ti、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有させることができる。元素Mは、リチウム含有複合酸化物において添加元素の意味合いが強く、結晶構造の安定化や、反応性の制御に関与するが、多すぎると容量を低下させる虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、元素Mの量を示すzは、0≦z≦0.03である。zは、0.001以上であることがより好ましく、また、0.02以下であることがより好ましく、0.005以下であることが最も好ましい。なお、元素Mとしては、前記の効果がより得られやすくなることから、Al、Mg、Ti、ZrおよびGeがより好ましく、Ti、ZrまたはMgが特に好ましい。元素Mは、リチウム含有複合酸化物中に均一に分布していてもよく、また、粒子表面などに偏析していてもよい。
Mgは1次粒子の成長を促し、成長した粒子を構造安定化する、また、Li挿入脱離に伴う相転位による不可逆反応を抑制するため、電池のサイクル特性を向上させ、安全性を向上させる。
TiおよびZrは、酸素欠損等の結晶欠陥部に配し、結晶構造を安定化するため、不可逆反応を緩和し、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、サイクル寿命の高い非水二次電池を構成することが可能となる。特に、粒子表面や粒界に存在することで、界面でのLi脱離挿入における、結晶構造の乱れを抑制し、サイクル寿命に高い効果を発揮する。
特に、TiまたはZrと、Mgを両方含有させることで、相乗効果が発現し、さらなる電池のサイクル特性向上と安全性向上が発現し、さらには密度が向上するといった効果が得られる。
また、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、y>(1−y−z−b)/2として、Coの含有量をMnよりも過剰とした場合には、リチウム含有複合酸化物の粒子の成長を促して、電極合剤層での充填密度が高く、より可逆性の高いリチウム含有複合酸化物の粒子とすることができ、電気化学素子の容量の更なる向上が期待できる。
他方、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式において、y≦(1−y−z−b)/2として、Mnの含有量をCoと同じかCoよりも過剰とすることで、より熱安定性の高いリチウム含有複合酸化物とすることができ、電気化学素子の安全性の更なる向上が期待できる。
前記組成を有するリチウム含有複合酸化物は、その真密度が4.55〜4.95g/cmと大きな値になり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。なお、Mnを一定範囲で含むリチウム含有複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、前記のような狭い組成範囲では構造が安定化され、均一性を高めることができるため、例えばLiCoOの真密度に近い大きな値となるものと考えられる。また、活物質の質量当たりの容量を大きくすることができ、可逆性に優れた材料とすることができる。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、特に化学量論比に近い組成のときに、その真密度が大きくなるが、具体的には、−0.15≦x≦0.15とすることが好ましく、xの値をこのように調整することで、真密度および可逆性を高めることができる。xは、−0.05以上0.05以下であることがより好ましく、この場合には、リチウム含有複合酸化物の真密度を4.6g/cm以上と、より高い値にすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、粒子表面の活性を適度に抑えることで、本発明の電極を用いた電気化学素子において、ガス発生を抑制し、特に角形(角筒形)の外装体を有する電気化学素子(角形電池など)とした場合に外装体の変形を抑えて、貯蔵性や寿命を向上させる観点から、以下の形態を有するものとする。全一次粒子中、粒径が1μm以下の一次粒子の割合が、30体積%以下であり、15体積%以下であることが好ましい。また、粒子のBET比表面積は、0.3m/g以下であることが好ましく、0.25m/g以下であることがより好ましい。
すなわち、リチウム含有複合酸化物の粒子において、全一次粒子中における粒径が1μm以下の一次粒子の割合が大きすぎたり、BET比表面積が大きすぎる場合には、反応面積が大きく活性点が多くなるため、大気中の水分や、電極合剤層の形成に用いる結着剤、電気化学素子の非水電解質との不可逆な反応が起こりやすくなり、電気化学素子内でガスが発生して外装体が変形したり、電極合剤層の形成に使用する溶剤を含む組成物(ペースト、スラリーなど)がゲル化したりする問題が発生しやすくなる。
なお、前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、粒径が1μm以下の一次粒子を全く含まなくてもよい(すなわち、粒径が1μm以下の一次粒子の割合が0体積%であってもよい)。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子のBET比表面積は、その反応性が必要以上に低下するのを防ぐために、0.1m/g以上であることが好ましい。更に、前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、数平均粒子径が、5〜25μmであることが好ましい。
ここで、前記リチウム含有複合酸化物の粒子中に含まれる、粒径が1μm以下の一次粒子の割合、およびリチウム含有複合酸化物の粒子の数平均粒子径(更には、後記の他の活物質の数平均粒子径)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」などにより測定することができる。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子のBET比表面積は、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定、計算したもので、活物質の表面と微細孔の比表面積である。具体的には、窒素吸着法による比表面積測定装置(Mountech社製「Macsorb HM modele−1201」)を用いて、BET比表面積として得た値である。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、電極合剤層の密度を高め、電極の容量、ひいては電気化学素子の容量をより高める観点から、その形状が、球状または略球状であることが好ましい。これにより、電極作製時のプレス工程(詳しくは後述する。)において、プレス処理によってリチウム含有複合酸化物の粒子を移動させて電極合剤層の密度を高める際に、粒子の移動が無理なく行われ、粒子がスムーズに再配列されるようになる。そのため、プレス荷重を小さくすることができることから、プレスに伴う集電体のダメージを軽減でき、電極の生産性を高めることが可能となる。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子が、球状または略球状の場合には、粒子がより大きなプレス圧にも耐えることができるため、電極合剤層をより高密度とすることも可能となる。
更に、前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、電極合剤層における充填性を高める観点から、タップ密度が、2.6g/cm以上であることが好ましく、2.8g/cm以上であることがより好ましい。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子のタップ密度は、3.8g/cm以下であることが好ましい。すなわち、タップ密度が高く、粒子内部に空孔を有さないか、粒子の断面観察から測定される1μm以下の微小な空孔の面積比率が10%以下であるような、空孔の割合の少ない粒子とすることで、電極合剤層でのリチウム含有複合酸化物の充填性を高めることができる。
リチウム含有複合酸化物の粒子のタップ密度は、ホソカワミクロン製「パウダテスタPT−S型」を用い、以下の測定により求められる値である。測定用カップ100cmに粒子をすり切り一杯入れ、体積が減少した分を適宜補充しながら180秒間タッピングを行う。タッピング終了後、余分な粒子をブレードですり切った後、質量(A)(g)を測定し、次式にてタップ密度を求める。
タップ密度=(A)/100
前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、Li含有化合物、Mn含有化合物およびNi含有化合物などを単純に混合して焼成するだけでは、高い純度で得ることが非常に困難である。これは、NiおよびMnなどは、固体中での拡散速度が遅いため、リチウム含有複合酸化物の合成反応時に、これらを均一に拡散させることが困難であり、生成したリチウム含有複合酸化物中にNiやMnが均一に分布し難いことが原因であると考えられる。
そこで、本発明に係るリチウム含有複合酸化物の粒子を合成する際には、少なくともNiおよびMnを構成元素として含有する複合化合物と、Li含有化合物とを焼成する方法を採用することが好ましく、このような方法によって、前記リチウム含有複合酸化物の粒子を、高い純度で比較的容易に合成できる。すなわち、あらかじめNiおよびMnを含有する複合化合物を合成しておき、これをLi含有化合物と共に焼成することにより、酸化物形成反応において、NiおよびMnが均一に分布し、リチウム含有複合酸化物がより高純度で合成される。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物の粒子の合成方法は、前記の方法に限定されるものではないが、どのような合成過程を経るかによって、生成する複合酸化物の物性、すなわち、構造の安定性や充放電の可逆性、真密度などが大きく変化するものと推測される。
ここで、少なくともNiおよびMnを含有する複合酸化物としては、例えば、少なくともNiおよびMnを含む共沈化合物、水熱合成された化合物、メカニカル合成された化合物、およびそれらを熱処理して得られる化合物などが挙げられ、Ni0.8Mn0.2(OH)、NiMn、Ni0.6Mn0.4OOHなどの、NiとMnとの酸化物または水酸化物が好ましい。
なお、構成元素として、元素M(Ti、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素)を含有する前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、少なくともNiおよびMnを含有する複合化合物と、Li含有化合物と、元素M含有化合物とを混合して焼成することにより合成できるが、少なくともNiおよびMnを含有する複合化合物と元素M含有化合物に代えて、少なくともNi、Mnおよび元素Mを含有する複合化合物を用いることが好ましい。また、前記複合化合物におけるNi、MnおよびMの量比は、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成に応じて適宜調整すればよい。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子の合成に用い得るLi含有化合物としては、種々のリチウム塩を用いることができ、例えば、水酸化リチウム・一水和物、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどが挙げられ、それらの中でも、炭酸ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物などの環境に悪影響を及ぼすガスが発生しない点で、水酸化リチウム・一水和物が好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子を合成するには、まず、少なくともNiおよびMnを含有する複合化合物(更には元素Mを含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用される元素M含有化合物とを、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成にほぼ応じた比率で混合する。そして、得られた原料混合物を、例えば、800〜1050℃で1〜24時間焼成することで、前記リチウム含有複合酸化物の粒子を得ることができる。
前記原料混合物の焼成に際しては、一度に所定温度まで昇温するよりも、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましく、また、焼成環境の酸素濃度を一定に保つことが好ましい。
これは、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物の粒子の生成過程において、3価のNiが不安定であるために非化学量論組成となりやすいことから、少なくともNiおよびMnを含有する複合化合物(更には元素Mを含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用される元素M含有化合物との反応を段階的に生じさせて、生成するリチウム含有複合酸化物の均質性を高め、また、生成したリチウム含有複合酸化物を安定して結晶成長させるためである。すなわち、一度に焼成温度まで昇温した場合や、焼成環境の酸化濃度が焼成途中に低下するような場合には、少なくともNiおよびMnを含有する複合化合物(更には元素Mを含有する複合化合物)と、Li含有化合物と、必要に応じて使用される元素M含有化合物とが不均一反応しやすく、生成したリチウム含有複合酸化物がLiを放出しやすいなど、組成の均一性が損なわれやすい。
なお、前記予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。
また、前記原料混合物の焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。ただし、リチウム含有複合酸化物の粒子の製造コストを低減して、粒子の生産性、ひいては電極の生産性を高める観点からは、大気フロー中で前記原料混合物の焼成を行うことが、より好ましい。
前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり2dm/分以上とすることが好ましい。ガスの流量が少なすぎる場合、すなわちガス流速が遅すぎる場合には、前記リチウム含有複合酸化物の組成の均質性が損なわれる虞がある。なお、前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり5dm/分以下とすることが好ましい。
また、前記原料混合物を焼成する工程では、乾式混合された混合物をそのまま用いてもよいが、原料混合物をエタノールなどの溶媒に分散させてスラリー状にし、遊星型ボールミルなどで30〜60分間程度混合し、これを乾燥させたものを用いることが好ましく、このような方法によって、合成されるリチウム含有複合酸化物の均質性を更に高めることができる。
本発明の電極は、前記リチウム含有複合酸化物の粒子を活物質として含有する電極合剤層を有しているが、電極合剤層は、他の活物質も含んでいてもよい。前記リチウム含有複合酸化物の粒子以外の他の活物質としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;LiCo1−xNiOなどの層状構造のリチウム含有複合酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などを用いることができる。なお、他の活物質を用いる場合、本発明の効果を明確にするために、他の活物質の割合は質量比で活物質全体の30%以下とすることが望ましい。
なお、前記他の活物質のうち、リチウムコバルト酸化物としては、前記例示のLiCoOの他、LiCoOのCoの一部をTi、Cr、Fe、Ni、Mn、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、MgおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換した酸化物(ただし、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物は除く)が好ましい。これらのリチウムコバルト酸化物は、その導電率が1.0×10−3S・cm−1以上と高く、電極の負荷特性をより高め得るからである。
また、前記他の活物質のうち、スピネル構造のリチウム含有複合酸化物としては、前記例示のLiMnおよびLi4/3Ti5/3の他、LiMnのMnの一部を、Ti、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、MgおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で置換した酸化物(ただし、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物は除く)が好ましい。これらのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は、リチウムの引き抜き可能量が、コバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどのリチウム含有酸化物の1/2であるため、過充電時などの安全性に優れており、電気化学素子の安全性を更に高めることができるからである。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物の粒子と、他の活物質とを併用する場合には、これらを単に混合して用いてもよいが、これらの粒子を造粒などにより一体化した複合粒子として使用することがより好ましく、この場合には、電極合剤層における活物質の充填密度が向上し、活物質粒子相互間の接触をより確実にすることができる。そのため、電極を用いた電気化学素子の容量および負荷特性を更に高めることができる。
また、本発明に係るリチウム含有複合酸化物は必ずMnを含むものであるが、前記複合粒子を使用する場合、前記リチウム含有複合酸化物の表面に前記リチウム含有コバルト酸化物が存在することで、複合粒子から溶出したMnとCoとが、複合粒子の表面に速やかに析出して被膜を形成するため、複合粒子が化学的に安定化する。これにより、複合粒子による電気化学素子内の非水電解質の分解を抑制でき、また、更なるMnの溶出を抑えることができるため、貯蔵性および充放電サイクル特性がより優れた電気化学素子を構成することができるようになる。
前記複合粒子とする場合、本発明に係るリチウム含有複合酸化物と他の活物質のいずれか一方の数平均粒子径が、他方の数平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。このように、大きな数平均粒子径の粒子(以下、「大粒子」という。)と、小さな数平均粒子径の粒子(以下、「小粒子」という。)とを組み合わせて複合粒子を形成する場合には、小粒子が、大粒子の周囲に分散、定着しやすくなり、より均一な混合比の複合粒子を形成することができる。そのため、電極内での不均一な反応を抑えることができ、電気化学素子の充放電サイクル特性や安全性を更に高めることが可能となる。
なお、前記のように大粒子と小粒子とを使用して複合粒子を形成する場合、大粒子の数平均粒子径は、10〜30μmであることが好ましく、また、小粒子の数平均粒子径は、1〜15μmであることが好ましい。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物の粒子と他の活物質との複合粒子は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物の粒子と他の活物質の粒子とを、一般的な一軸混練機や二軸混練機などの種々の混練機を用いて混合し、粒子同士を摺り合せてシェアをかけることで複合化して得ることができる。また、前記の混練は、複合粒子の生産性を考慮すれば、原料を連続的に供給する連続混練方式が好ましい。
前記混練の際には、前記の各活物質粒子に、更に結着剤を加えることが好ましい。これにより、形成される複合粒子の形状を強固に保つことができる。また、導電助剤も加えて混練することがより好ましい。これにより、活物質粒子間の導電性を更に高めることができる。
前記複合粒子の製造時に添加する結着剤としては、電気化学素子内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、または、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびそれら共重合体のNaイオン架橋体などが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気化学素子内での安定性や電気化学素子の特性などを考慮すると、PVDF、PTFE、PHFPが好ましく、また、これらを併用したり、これらのモノマーにより形成される共重合体を用いたりしてもよい。
前記複合粒子を形成する場合の結着剤の添加量は、複合粒子を安定化できれば少ないほど好ましく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.03〜2質量部であることが好ましい。
前記複合粒子の製造時に添加する導電助剤としては、電気化学素子内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
前記複合粒子を形成する場合の導電助剤の添加量は、導電性と吸液性が良好に確保できればよく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.1〜2質量部であることが好ましい。
また、前記複合粒子の空孔率は、5〜15%であることが好ましい。このような空孔率を有する複合粒子であれば、非水電解質(非水電解液)との接触や、非水電解質の複合粒子への浸透が適度となるからである。
更に、前記複合粒子の形状も、本発明に係るリチウム含有複合酸化物の粒子と同様に、球状または略球状であることが好ましい。これにより、電極合剤層の更なる高密度化が可能となる。
本発明の電極は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物や前記複合粒子を活物質として含む電極合剤層を、集電体の片面または両面に形成することにより製造することができる。
電極合剤層は、例えば、前記リチウム含有複合酸化物の粒子や前記複合粒子、結着剤および導電助剤を溶剤に添加してペースト状やスラリー状の電極合剤含有組成物を調製し、これを種々の塗工方法によって集電体表面に塗布し、乾燥し、更にプレス工程によって電極合剤層の厚みや密度を調整することにより形成することができる。
電極合剤含有組成物を集電体表面に塗布する際の塗工方法としては、例えば、ドクターブレードを用いた基材引き上げ方式;ダイコータ、コンマコータ、ナイフコータなどを用いたコータ方式;スクリーン印刷、凸版印刷などの印刷方式:などを採用することができる。
電極合剤含有組成物の調製に用い得る結着剤および導電助剤としては、前記複合粒子の形成に用い得るものとして例示した各種結着剤および各種導電助剤が挙げられる。
電極合剤層においては、前記リチウム含有複合酸化物の粒子を含む全活物質を、80〜99質量%とし、結着剤(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とし、導電助剤(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とすることが好ましい。
また、プレス処理後において、電極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、15〜200μmであることが好ましい。更に、プレス処理後において、電極合剤層の密度は、3.4g/cm以上であることが好ましく、3.52g/cmであることがより好ましい。このような高密度の電極合剤層を有する電極とすることで、より高容量化を図ることができる。ただし、電極合剤層の密度が大きすぎると、空孔率が小さくなって、非水電解質の浸透性が低下する虞があることから、プレス処理後における電極合剤層の密度は、3.8g/cm以下であることが好ましい。なお、プレス処理としては、例えば、1〜100kN/cm程度の線圧でロールプレスすることができ、このような処理によって、前記の密度を有する電極合剤層とすることができる。
また、本明細書でいう電極合剤層の密度は、以下の方法により測定される値である。電極を所定面積に切り取り、その質量を最小目盛0.1mgの電子天秤を用いて測定し、集電体の質量を差し引いて電極合剤層の質量を算出する。一方、電極の全厚を最小目盛1μmのマイクロメーターで10点測定し、これらの測定値から集電体の厚みを差し引いた値の平均値と、面積とから、電極合剤層の体積を算出する。そして、前記電極合剤層の質量を前記体積で割ることにより電極合剤層の密度を算出する。
電極の集電体の材質は、構成された電気化学素子において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好ましい。これらは、軽量で電子伝導性が高いからである。電極の集電体には、例えば、前記材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用される。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
なお、本発明の電極は、前記の製造方法により製造されたものに限定されず、他の製造方法により製造されたものであってもよい。例えば、前記複合粒子を活物質として使用する場合には、電極合剤含有組成物を用いずに、前記複合粒子を、そのまま集電体表面に定着させて電極合剤層を形成する方法によって得られた電極であってもよい。
また、本発明の電極には、必要に応じて、電気化学素子内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の電気化学素子用電極を正極として用いることにより、電池(非水一次電池、非水二次電池)、キャパシタなどの電気化学素子を構成することができる。
すなわち、本発明の非水二次電池は、本発明の電気化学素子用電極を正極として有していればよく、その他の構成、構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成、構造を適用することができる。
負極には、例えば、負極活物質および結着剤、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤からなる負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、リチウムと合金化可能な金属(Si、Snなど)またはその合金などが挙げられる。また、結着剤および導電助剤には、本発明の電極に使用し得るものとして先に例示したものと同じものが使用できる。
負極の集電体の材質は、構成された電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅、銅合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、銅または銅合金が特に好ましい。これらは、リチウムと合金化せず、電子伝導性も高いからである。負極の集電体には、例えば、前記の材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用できる。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
負極は、例えば、負極活物質および結着剤、更には必要に応じて導電助剤を含有する負極合剤を溶剤に分散させたペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物(結着剤は溶剤に溶解していてもよい)を、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することにより得ることができる。なお、負極は前記の製造方法により得られたものに限定されず、他の方法により製造したものであってもよい。負極合剤層の厚みは、集電体の片面当たり10〜300μmであることが好ましい。
セパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などで構成された多孔質膜であることが好ましい。なお、セパレータは、100〜140℃において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、セパレータは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜140℃の熱可塑性樹脂を成分とするものがより好ましく、ポリエチレンを主成分とする単層の多孔質膜であるか、ポリエチレンとポリプロピレンとを2〜5層積層した積層多孔質膜などの多孔質膜を構成要素とする積層多孔質膜であることが好ましい。ポリエチレンとポリプロピレンなどのポリエチレンより融点の高い樹脂を混合または積層して用いる場合には、多孔質膜を構成する樹脂としてポリエチレンが30質量%以上であることが望ましく、50質量%以上であることがより望ましい。
このような樹脂多孔質膜としては、例えば、従来から知られている非水二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された多孔質膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜を用いることができる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であって、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
また、セパレータの特性としては、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜500secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。更に、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。
なお、非水二次電池内部が150℃以上となった場合でも、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、熱的安定性に優れているため、安全性を保つことができる。
非水電解質には、電解質塩を有機溶媒に溶解させた溶液(非水電解液)を使用することができる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。また、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。これらの中でも、ECとMECとDECとの混合溶媒が好ましく、この場合、混合溶媒の全容量に対して、DECを15容量%以上80容量%以下の量で含むことがより好ましい。このような混合溶媒であれば、電池の低温特性や充放電サイクル特性を高く維持しつつ、高電圧充電時における溶媒の安定性を高めることができるからである。
非水電解質に係る電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩などの含フッ素化合物の塩、またはイミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO)3、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここで、Rfはフルオロアルキル基を表す。〕などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。これらの中でも、LiPFやLiBFなどが、充放電特性が良好なことからより好ましい。これらの含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン分離しやすいので前記溶媒に溶解しやすいからである。溶媒中における電解質塩の濃度は特に限定されないが、通常0.5〜1.7mol/Lである。
また、前記の非水電解質に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。Mnを含む活物質の表面活性を安定にできることから、硫黄元素を含む添加剤を加えることが特に好ましい。
本発明の非水二次電池は、例えば、本発明の電極と前記の負極とを、前記のセパレータを介して積層した電極積層体や、更にこれを渦巻状に巻回した電極巻回体を作製し、このような電極体と、前記の非水電解質とを、常法に従い外装体内に封入して構成される。電池の形態としては、従来から知られている非水二次電池と同様に、筒形(円筒形や角筒形)の外装缶を使用した筒形電池や、扁平形(平面視で円形や角形の扁平形)の外装缶を使用した扁平形電池、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることができる。また、外装缶には、スチール製やアルミニウム製のものが使用できる。
本発明の非水二次電池は、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器などの各種電子機器の電源用途を始めとして、安全性が重視される電動工具、自動車、自転車、電力貯蔵用などの用途にも適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<リチウム含有複合酸化物の合成>
水酸化ナトリウムの添加によってpHを約12に調整したアンモニア水を反応容器に入れ、これを強攪拌しながら、この中に、硫酸ニッケル、硫酸マンガンおよび硫酸コバルトを、それぞれ、2.6mol/dm、0.6mol/dm、0.8mol/dmの濃度で含有する混合水溶液と、25質量%濃度のアンモニア水とを、それぞれ、23cm/分、6.6cm/分の割合で、定量ポンプを用いて滴下して、NiとMnとCoとの共沈化合物(球状の共沈化合物)を合成した。なお、この際、反応液の温度は50℃に保持し、また、反応液のpHが12付近に維持されるように、6.4mol/dm濃度の水酸化ナトリウム水溶液の滴下も同時に行い、更に窒素ガスを1dm/分の流量でバブリングした。
前記の共沈化合物を水洗、濾過および乾燥させて、NiとMnとCoとを65:15:20のモル比で含有する水酸化物を得た。この水酸化物0.196molと、0.204molのLiOH・HOとをエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得た。次いで、前記混合物をアルミナ製のるつぼに入れ、2dm/分のドライエアーフロー中で600℃まで加熱し、その温度で2時間保持して予備加熱を行い、更に900℃に昇温して12時間焼成することにより、リチウム含有複合酸化物を合成した。得られたリチウム含有複合酸化物は、乳鉢で粉砕して粉体とした後、デシケーター中で保存した。粉砕後の粉体のBET比表面積は0.22m/gであった。
前記リチウム含有複合酸化物の粉体について、原子吸光分析装置で組成を測定したところ、Li1.02Ni0.65Mn0.15Co0.20で表される組成(前記一般組成式において、x=0.02、b=0.5、y=0.2、z=0)であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物の状態分析を行うために、立命館大学SRセンターの超伝導小型放射光源「オーロラ(住友電工社製)」のBL4ビームポートを用いて、MnのX線吸収分光(XAS)を行った。得られたデータの解析は、文献[Journal of the Electrochemical Society,146 p2799−2809(1999)]に基づき、リガク電機社製の解析ソフト「REX」を用いて行った。
まず、前記リチウム含有複合酸化物のMnの平均価数を決定するために、標準サンプルとして、MnOおよびLiNi0.5Mn1.5(いずれも平均価数が4価のMnを含有する化合物の標準サンプル)、LiMn(平均価数が3.5価のMnを含有する化合物の標準サンプル)、LiMnOおよびMn(いずれも平均価数が3価のMnを含有する化合物の標準サンプル)、並びにMnO(平均価数が2価のMnを含有する化合物の標準サンプル)を用いてリチウム含有複合酸化物と同様の状態分析を行い、各標準サンプルのMnのK吸収端位置とMnの価数との関係を表す回帰直線を作成した。
そして、前記リチウム含有複合酸化物について前記の状態分析を行ったところ、MnのK吸収端位置が、MnOおよびLiNi0.5Mn1.5のK吸収端位置とほぼ同じであったことから、前記リチウム含有複合酸化物のMnの平均価数は、ほぼ4価であることが判明した。
また、Niの平均価数については、NiOおよびLiNi0.5Mn1.5(いずれも平均価数が2価のNiを含有する化合物の標準サンプル)、並びにLiNi0.82Co0.15Al0.03(平均価数が3価のNiを含有する化合物の標準サンプル)を用いて、Mnの平均価数と同様にして求めた。
また、「JIS R1622 ファインセラミックス原料粒子径分布測定のための試料調整通則」に従って、前記リチウム含有複合酸化物粉体を一次粒子になるまで解砕し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックHRA」)により粒度分布を測定したところ、粒径が1μm以下の粒子の割合は20体積%であった。ただし、誤差を低減するため、解砕回数は20回とした。
<正極の作製>
前記リチウム含有複合酸化物100質量部と、結着剤であるPVDFを10質量%の濃度で含むN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、更にNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記の正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、正極合剤層の厚みおよび密度を調節し、アルミニウム箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ375mm、幅43mmの帯状の正極を作製した。なお、得られた正極における正極合剤層は、片面あたりの厚みが55μmであった。
<負極の作製>
負極活物質である数平均粒子径が10μmの天然黒鉛97.5質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを厚みが8μmの銅箔の両面に塗布した後、120℃で12時間の真空乾燥を行って、銅箔の両面に負極合剤層を形成した。その後、プレス処理を行って、負極合剤層の厚みおよび密度を調節し、銅箔の露出部にニッケル製のリード体を溶接して、長さ380mm、幅44mmの帯状の負極を作製した。なお、得られた負極における負極合剤層は、片面あたりの厚みが65μmであった。
<非水電解質の調製>
ECとMECとDECとの容積比2:3:1の混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度で溶解させて、非水電解質を調製した。
<電池の組み立て>
前記帯状の正極を、厚みが16μmの微孔性ポリエチレンセパレータ(空孔率:41%)を介して前記帯状の負極に重ね、渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状巻回構造の電極巻回体とし、この電極巻回体をポリプロピレン製の絶縁テープで固定した。次に、外寸が厚さ4.0mm、幅34mm、高さ50mmのアルミニウム合金製の角形の電池ケースに前記電極巻回体を挿入し、リード体の溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解質を注入し、1時間静置した後注入口を封止して、図1に示す構造で、図2に示す外観の非水二次電池を得た。なお、前記非水二次電池の設計電気容量は、1000mAhとした。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図1(b)に示すように、正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の電極巻回体6として、角形(角筒形)の電池ケース4に非水電解質と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や非水電解質などは図示していない。
電池ケース4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この電池ケース4は正極端子を兼ねている。そして、電池ケース4の底部にはPEシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状電極巻回体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池ケース4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は電池ケース4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池ケース4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋板9に非水電解質注入口14が設けられており、この非水電解質注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図1および図2の電池では、実際には、非水電解質注入口14は、非水電解質注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、非水電解質注入口14として示している)。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって外装缶5と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池ケース4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
共沈化合物の合成に使用する混合水溶液中の原料化合物の濃度を調節して、NiとMnとCoとを65:20:15のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例3
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトおよび硫酸アルミニウムを、それぞれ、2.38mol/dm、0.78mol/dm、0.8mol/dm、0.02mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoとAlとを59.5:19.5:20:1のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。更に、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例4
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトおよび硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.38mol/dm、0.78mol/dm、0.8mol/dm、0.04mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoとMgとを59.5:19.5:20:1のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。更に、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例5
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルト、硫酸アルミニウムおよび硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.38mol/dm、0.78mol/dm、0.8mol/dm、0.01mol/dm、0.02mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoとAlとMgとを59.5:19.5:20:0.5:0.5のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。更に、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例6
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルト、硫酸アルミニウムおよび硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.78mol/dm、0.58mol/dm、0.6mol/dm、0.01mol/dm、0.02mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoとAlとMgとを69.5:14.5:15:0.5:0.5のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。更に、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例7
実施例1で合成したリチウム含有複合酸化物90質量部と、コバルト酸リチウムの粉末(数平均粒子径10μm)10質量部とを乾式混合した後、ここに、結着剤であるPVDFを10質量%の濃度で含むNMP溶液20質量部を加えて混合し、複合粒子を得た。
この複合粒子を、リチウム含有複合酸化物に代えて使用した以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例8
コバルト酸リチウムの粉末に代えてマンガン酸リチウムの粉末(数平均粒子径10μm)を用いた以外は、実施例7と同様にして複合粒子を調製し、この複合粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
実施例9
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトを、それぞれ、2.95mol/dm、0.64mol/dm、0.62mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoを70.6:14.6:15.2のモル比で含有する水酸化物を合成し、この水酸化物0.196molと、0.20molのLiOH・HOと、0.02molのTiOとを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、正極および非水二次電池を作製した。
実施例10
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルト、および硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.93mol/dm、0.63mol/dm、0.63mol/dm、0.02mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして共沈化合物を合成した。そして、前記の共沈化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、NiとMnとCoとMgとを69.8:14.6:15.1:0.5のモル比で含有する水酸化物を合成し、この水酸化物0.196molと、0.200molのLiOH・HOと、0.01molのTiOとを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、正極および非水二次電池を作製した。
実施例11
TiOに替えてZrOを用いた以外は、実施例9と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、正極および非水二次電池を作製した。
実施例12
TiOに替えてZrOを用いた以外は、実施例10と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、正極および非水二次電池を作製した。
比較例1
予備加熱なしに水酸化物を900℃で焼成した以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例2
水酸化物の焼成を、ドライエアーをフローせずに大気中で行った以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例3
水酸化物の焼成温度を700℃にした以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例4
水酸化物の焼成温度を1100℃にした以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成し、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例5
市販のLiNi0.80Co0.15Al0.05を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例6
共沈化合物の合成に使用する混合水溶液中の原料化合物の濃度を調節して、NiとMnとCoとを30:20:50のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。さらに、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例7
共沈化合物の合成に使用する混合水溶液中の原料化合物の濃度を調節して、NiとMnとCoとAlとを59.5:19.5:11:10のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。さらに、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
比較例8
共沈化合物の合成に使用する混合水溶液中の原料化合物の濃度を調節して、NiとMnとCoとを98:1:1のモル比で含有する水酸化物を合成し、これを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。さらに、このリチウム含有複合酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして正極および非水二次電池を作製した。
表1に、実施例1〜12および比較例1〜8の正極に用いたリチウム含有複合酸化物の組成を、表2に、実施例1〜12および比較例1〜8の正極に用いたリチウム含有複合酸化物のNiおよびMnの平均価数、全一次粒子中における粒径が1μm以下の一次粒子の割合(表1では、「1μm以下の粒子の割合」と記載する。)、BET比表面積およびタップ密度、並びに正極合剤層の密度を示す。なお、Li、AlおよびMgの価数をそれぞれ1価、3価および2価として求めた、実施例1〜12におけるリチウム含有複合酸化物のCoの平均価数は、いずれも2.5〜3.2価の範囲であった。
Figure 0005405941










Figure 0005405941
また、実施例1〜12および比較例1〜8の非水二次電池について、以下の各評価を行った。それらの結果を表3に示す。
<容量測定および負荷特性の評価>
実施例1〜12および比較例1〜8の各電池を、60℃で7時間保存した後、20℃で、200mAの電流値で5時間充電し、200mAの電流値で電池電圧が3Vに低下するまで放電する充放電サイクルを、放電容量が一定になるまで繰り返した。次いで、定電流−定電圧充電(定電流:500mA、定電圧:4.2V、総充電時間:3時間)を行い、1時間休止後に200mAの電流値で電池電圧が3Vとなるまで放電して標準容量を求めた。なお、標準容量は各電池とも100個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例の標準容量とした。
標準容量測定後、前記と同じ条件で定電流−定電圧充電を行い、1時間休止後に1Aの電流値で電池電圧が3Vとなるまで放電して1Cの放電容量を測定した。標準容量に対する1Cの放電容量の低下が小さい電池ほど、優れた負荷特性を有しているといえる。なお、1Cの放電容量は、各電池とも10個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例の1Cの放電容量とした。
<充放電サイクル特性>
実施例1〜12および比較例1〜8の各電池を標準容量測定時と同じ条件で定電流−定電圧充電した後、1分休止後に200mAの電流値で電池電圧が3Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が初度の放電容量の70%に低下するまでのサイクル数を求めて、各電池の充電サイクル特性を評価した。なお、充放電サイクル特性における前記のサイクル数は、各電池とも10個の電池について測定し、その平均値を各実施例、比較例のサイクル数とした。
<安全性の評価>
実施例1〜12および比較例1〜8の各電池を、定電流−定電圧充電(定電流:1C、定電圧:4.25V、総充電時間:3時間)を行った後に恒温槽に入れ、2時間休止後、30℃から170℃まで、毎分5℃の割合で昇温し、引き続き170℃で3時間放置して、電池の表面温度を測定した。このときの最高到達温度が180℃以下であった電池を○、180℃を超えた電池を×、と評価した。
Figure 0005405941
組成および形態が好適なリチウム含有複合酸化物の粒子を含有し、容量が大きく、熱安定性に優れた正極を備えた実施例1〜12の非水二次電池は、標準容量が大きく、安全性に優れており、また、1Cの放電容量が大きくて負荷特性が良好であり、更に充放電サイクル特性も良好である。
これに対し、全一次粒子中における1μm以下の粒子の割合が多く、かつBET比表面積が大きなリチウム含有複合酸化物の粒子を含有する正極を備えた比較例1の非水二次電池、全一次粒子中における1μm以下の粒子の割合が多く、かつBET比表面積が大きく、更にNiの平均価数が大きなリチウム含有複合酸化物の粒子を含有する正極を備えた比較例3の非水二次電池、およびMnを含有しないLiNi0.80Co0.15Al0.05を含有する正極を備えた比較例5の非水二次電池は、安全性、負荷特性および充放電サイクル特性が劣っている。また、Niの平均価数が小さいリチウム含有複合酸化物の粒子を含有する正極を備えた比較例2、4の非水二次電池は、標準容量が小さく、負荷特性および充放電サイクル特性が劣っている。
また、Coの量比yが大きすぎる比較例6および元素Mの量比zが大きすぎる比較例7は、標準容量が小さく負荷特性が劣っている。bが0.96より大きい比較例8は、Niの酸化数を制御することが困難になり、充放電サイクル特性が劣り安全性が低下した。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (13)

  1. 一般組成式Li1+xNi(1−y−z+b)/2Mn(1−y−z−b)/2Co(ただし、MはTi、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、−0.15≦x≦0.15、0≦y≦0.4、0≦z≦0.03、−0.1≦b≦0.96および1−y−z−b>0である)で表され、Niの平均価数が2.2〜2.9価であり、全一次粒子中、粒径が1μm以下の一次粒子が30体積%以下であり、BET比表面積が0.3m/g以下のリチウム含有複合酸化物の粒子を活物質とする電極合剤層を有することを特徴とする電気化学素子用電極。
  2. リチウム含有複合酸化物のMnの平均価数が、3.5〜4価である請求項1に記載の電気化学素子用電極。
  3. リチウム含有複合酸化物のCoの平均価数が、2.5〜3.2価である請求項1または2に記載の電気化学素子用電極。
  4. 前記一般組成式において、y>(1−y−z−b)/2である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  5. 前記一般組成式において、y≦(1−y−z−b)/2である請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  6. 前記一般組成式における元素Mが、AlおよびMgのうちの少なくとも一方を含む請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  7. 前記一般組成式における元素Mが、Tiを含む請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  8. 前記一般組成式における元素Mが、TiおよびMgを含む請求項7に記載の電気化学素子用電極。
  9. リチウム含有複合酸化物の粒子のタップ密度が2.6g/cm以上である請求項1〜8のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  10. 電極合剤層の密度が、3.4g/cm以上である請求項1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  11. 電極合剤層が結着剤として、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロエチレンまたはポリテトラフルオロエチレンを含有している請求項1〜10のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  12. 電極合剤層が導電助剤として、黒鉛またはカーボンブラックを含有している請求項1〜11のいずれかに記載の電気化学素子用電極。
  13. 正極と負極と非水電解質とを含む非水二次電池であって、
    前記正極が、請求項1〜12のいずれかに記載の電気化学素子用電極であることを特徴とする非水二次電池。
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