JP7011198B2 - 非水系二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、非水系二次電池用電極の製造方法に関する。
非水系二次電池の正極活物質として用いられるリチウム遷移金属複合酸化物として、リチウムニッケル酸化物におけるニッケルの一部をコバルトおよびマンガンで置換したリチウム-ニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物の開発が行われている。充電状態のリチウム-ニッケル-コバルト-マンガン複合酸化物は、電池が外部からの強い衝撃を受けて正極内部で急激な発熱が起きる場合に、ニッケル等の還元が起こり、酸素脱離によるガスが発生する場合があり、複合酸化物自体の安定性が求められている。例えば特許文献1では、ストロンチウム原子とチタン原子を含有するリチウム遷移金属複合酸化物を用いることで正極の熱安定性を向上させることが提案されている。
特開2013-182757号公報
本開示の一態様は、安全性とサイクル特性に優れる非水系二次電池を構成可能な非水系二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
第一態様は、リチウムを含む化合物と、ニッケルを含む化合物と、チタン酸バリウムとを混合して、混合原料を得ることと、前記混合原料を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を含む第1組成物を得ることと、前記第1組成物と、導電助剤と、結着剤とを含む電極組成物を得ることと、前記電極組成物を集電体上に付与し、加圧して、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下である活物質層を前記集電体上に形成することと、を含む非水系二次電池用電極の製造方法である。
第二態様は、前記非水系二次電池用電極の製造方法で得られる電極である。
本開示の一態様によれば、安全性とサイクル特性に優れる非水系二次電池を構成可能な非水系二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。更に粒子の平均粒径は、レーザー散乱法によって得られる粒度分布の小径側からの体積累積50%に対応する中心粒径である体積平均粒径を意味する。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、非水系二次電池用電極の製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示す非水系二次電池用電極の製造方法に限定されない。
非水系二次電池用電極の製造方法
非水系二次電池用電極の製造方法は、リチウムを含む化合物と、ニッケルを含む化合物と、チタン酸バリウムとを混合して、混合原料を得る混合工程と、混合原料を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を含む第1組成物を得る熱処理工程と、第1組成物と、導電助剤と、結着剤とを含む電極組成物を得る電極組成物準備工程と、電極組成物を集電体上に付与し、加圧して、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下である活物質層を前記集電体上に形成する活物質層形成工程と、を含む。
チタン酸バリウムの存在下に合成されるリチウム遷移金属複合酸化物を含む第1組成物用いて、特定の密度を有する活物質層を形成して製造される電極を用いて構成される非水系二次電池は、安全性とサイクル特性に優れる。非水系二次電池用正極材料である第1組成物は、チタン酸バリウム(例えば、BaTiO)に由来するチタン又はチタン化合物を含むリチウム遷移金属複合酸化物を含む。リチウム遷移金属複合酸化物は、非水系二次電池において、非水系二次電池用正極材料の主成分であり、例えば、正極活物質として機能する。本開示の製造方法では、チタン酸バリウムの一部が熱分解することで生成するチタン化合物とリチウム化合物とが、ニッケルを含む化合物内部へ一緒に拡散することでリチウム遷移金属複合酸化物が合成されるので、チタン成分がリチウム遷移金属複合酸化物粒子の表面近傍だけでなく、粒子の中心部まで固溶すると考えられる。続いて、チタン成分が粒子の中心部まで固溶したことにより、表面近傍にだけ固溶した場合と比べてチタン成分の結晶安定化効果がより強く作用することにより、熱に起因するリチウム遷移金属酸化物に含まれるニッケルの還元を抑制できると考えられる。従って、本開示の製造方法で得られる電極を備える二次電池においては、電極に熱が発生した場合において、リチウム遷移金属酸化物に含まれるニッケルの還元に伴う酸素の脱離により発生するガスの量を抑制することができるので、優れた安全性を有すると考えられる。また、熱分解しなかったチタン酸バリウム、チタン酸バリウムの熱分解に由来するバリウム化合物及びチタン化合物のうち、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子に固溶しなかった成分は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒界または表面に存在することにより、リチウム遷移金属複合酸化物の表面及び粒界の構造の安定性に寄与する。そのため、電極の活物質層の密度が特定の範囲であっても、その電極を備える二次電池におけるサイクル特性を維持することができる。
混合工程
混合工程では、リチウムを含む化合物と、ニッケルを含む化合物と、チタン酸バリウムとを混合して、非水系二次電池用正極材料を合成するための混合原料を得る。リチウムを含む化合物としては、リチウムの酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等を用いることができる。リチウムを含む化合物として具体的には、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム等を挙げることができる。
ニッケルを含む化合物としては、ニッケルの酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等を用いることができるほか、後述するようなニッケルとニッケル以外の金属とを含むニッケル複合酸化物を用いることができる。混合原料は、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等を更に含んでいてもよい。ニッケル以外の金属としては、コバルト、チタン、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、タンタル等を挙げることができる。コバルトを含む化合物としては、酸化コバルト、三酸化二コバルト、四酸化三コバルト、水酸化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト等を挙げることができる。チタンを含む化合物としては、酸化チタンを挙げることができる。マンガンを含む化合物としては、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、四酸化三マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン等を挙げることができる。アルミニウムを含む化合物としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミにウム、硫酸アルミニウム等を挙げることができる。マグネシウムを含む化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等を挙げることができる。タングステンを含む化合物としては、酸化タングステン、タングステン酸リチウム、タングステン酸アンモニウム、タングステンの有機化合物等を挙げることができる。ニオブを含む化合物としては、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム、ニオブの有機化合物等を挙げることができる。ジルコニウムを含む化合物としては、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム等を挙げることができる。モリブデンを含む化合物としては、酸化モリブデンを挙げることができる。タンタルを含む化合物としては、酸化タンタル等を挙げることができる。
混合原料がニッケルを含む化合物として、ニッケルとニッケル以外の金属とを含むニッケル複合酸化物を含む場合、ニッケル複合酸化物は、例えば、ニッケル(Ni)と、コバルト(Co)と、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)及びマグネシウム(Mg)からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mとを含んでいてよい。ニッケル複合酸化物は、具体的には以下のようにして調製されてよい。
まず、上述したニッケルを含む化合物、コバルトを含む化合物、および元素Mを含む化合物を用いて、所望の組成比のニッケルイオン、コバルトイオン、及び元素Mのイオンを含有する混合水溶液を調製する。調製した混合水溶液とアルカリ溶液とを接触させることで、ニッケル、コバルト及びMを含む沈殿物を得る。なお、アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液を用いることができる。
つぎに、得られる沈殿物を水洗し、80℃以上400℃以下の酸素含有気流中で攪拌しながら熱処理を行う。これにより、ニッケル、コバルト及びMを含む複合酸化物が得られる。複合酸化物の体積平均粒径は、例えば、2μm以上20μm以下であってよく、3μm以上20μm以下であってよく、又は10μm以上20μm以下であってよい。複合酸化物の比表面積は、例えば10m/g以上であってよく、50m/g以上であってよく、又は70m/g以上であってよい。また複合酸化物の比表面積は、例えば100m/g以下であってよい。なお、比表面積はBET法を用いる窒素ガス吸着法により測定される。
複合酸化物は、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)及びモリブデン(Mo)からなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを更に含んでいてもよい。元素Mを含む複合酸化物は、所望の比率で元素Mのイオンをも含む混合水溶液から、沈殿を得てこれを熱処理することで得られる。また、元素Mは、複合酸化物とは別の元素Mを含む化合物として混合原料を構成してもよい。さらに、コバルト、元素M及びMは、ニッケルを含む化合物とは別の化合物として混合原料を構成してもよい。その場合、ニッケルを含む化合物に、コバルトを含む化合物、元素Mを含む化合物、及び元素Mを含む化合物を所望の比率で添加して混合原料を構成すればよい。なおニッケル、コバルト及びMを含む沈殿物および複合酸化物の製法の詳細については、特開2003-292322号公報、特開2011-116580号公報、特開2017-202971号公報等を参照することができる。
混合原料を構成するチタン酸バリウムは、市販のチタン酸バリウム(例えば、BaTiO)をそのまま用いてもよいし、バリウム源とチタン源とを用いて合成して用いてもよい。バリウム源としては、炭酸バリウム等を挙げることができ、チタン源としては、酸化チタン等を挙げることができる。チタン酸バリウムの体積平均粒径は、例えば0.01μm以上20μm以下であってよく、0.05μm以上10μm以下であってよく、又は0.1μm以上5μm以下であってよい。
混合原料におけるチタン酸バリウムの含有量は、ニッケルを含む化合物に対して例えば、0.1mol%以上であり、好ましくは0.1mol%以上、0.3mol%以上、又は0.5mol%以上であり、また例えば、2mol%以下であり、好ましくは1.75mol%以下、又は1.5mol%以下である。混合原料におけるチタン酸バリウムの含有率が0.1mol%以上であると、ガス発生の抑制効果が十分に得られる。一方、添加量が2mol%以下であると、充放電容量の低下が抑制される。
熱処理工程
熱処理工程では、混合原料を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を含む第1組成物を得る。熱処理は含酸素雰囲気下で行ってよく、大気下で行ってよい。
熱処理温度は、例えば650℃以上1100℃以下の範囲であり、好ましくは700℃以上900℃以下の範囲、800℃以上900℃以下、又は850℃以上890℃以下であってよい。熱処理温度が650℃以上であると、未反応の原料が正極活物質中に残留することが抑制され、単位質量当たりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、作動電圧の低下等が抑制される。焼成温度が1100℃以下であると、副生成物の生成が抑制され、単位質量当たりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、作動電圧の低下等が抑制される。熱処理時間は、例えば5時間以上であり、好ましくは10時間以上であり、また例えば、30時間以下であり、好ましくは20時間以下である。熱処理時間が5時間以上であれば、混合原料の粒子間の拡散反応が十分に進行する。また、熱処理時間が30時間以下であれば、生産性の低下を抑制できる。
熱処理後、必要に応じて、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕する粉砕工程を設けて、目的とする粒度の粉体を得てもよい。得られる第1組成物(正極材料)の体積平均は、例えば2μm以上20μm以下であり、好ましくは3μm以上10μm以下、又は4μm以上8μm以下であってよい。また、第1組成物(正極材料)の比表面積は、例えば0.2m/g以上1.5m/g以下であり、好ましくは0.3m/g以上0.8m/g以下であってよい。
第1組成物に含まれるリチウム遷移金属複合酸化物は、層状構造を有し、少なくともリチウムとニッケルとを含む複合酸化物である。リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルトを更に含んでいてよく、アルミニウム、マンガン及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを更に含んでいてもよい。また、リチウム遷移金属複合酸化物は、チタン酸バリウムに由来するチタンを更に含んでいてよく、これらに加えてジルコニウム、タングステン、タンタル、ニオブ及びモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを更に含んでいてもよい。
リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム以外の金属の総モル数に対するニッケルのモル比が、例えば1未満であり、また例えば0.2以上又は0.33以上であり、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.55以上であり、上限は例えば、0.98以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。ニッケルのモル比が上述した範囲であると、非水系二次電池において、高電圧時の充放電容量とサイクル特性の両立を達成することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がコバルトを含む場合、リチウム以外の金属の総モル数に対するコバルトのモル比は、例えば、0.02以上であり、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上であり、上限は例えば、1未満であり、好ましくは0.6以下又は0.33以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.25以下である。コバルトのモル比が上述した範囲であると、非水系二次電池において、高電圧時における充分な充放電容量を達成することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がマンガンを含む場合、リチウム以外の金属の総モル数に対するマンガンのモル比は、例えば、0.01以上であり、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上であり、上限は例えば、0.33以下であり、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下である。マンガンの含有比が上述した範囲内であると、非水系二次電池において、充放電容量と安全性の両立を達成することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がチタンを含む場合、リチウム以外の金属の総モル数に対するチタンのモル比は、例えば、0.0001以上であり、好ましくは0.0002以上、より好ましくは0.00031以上であり、上限は例えば、0.02以下であり、好ましくは0.015以下、又は0.01以下である。
リチウム遷移金属複合酸化物における、リチウム以外の金属の総モル数に対するリチウムのモル比は、例えば、1.0以上であり、好ましくは1.03以上、より好ましくは1.05以上であり、上限は例えば、1.5以下であり、好ましくは1.25以下である。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルに加えて、コバルト及びマンガンを含む場合、ニッケル、コバルト及びマンガンのモル比は、例えば、ニッケル:コバルト:マンガン=(0.33から0.95):(0.02から0.33):(0.01から0.33)であり、好ましくは(0.55から0.6):(0.15から0.25):(0.15から0.3)である。
リチウム遷移金属複合酸化物を組成として表すと、例えば下式(1)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であってよい。
LiNiCo Ti (1)
ここで、p、x、y、z、v、wは以下の条件を満たしている。0.95≦p≦1.50<x<1、0≦y<1、0≦z≦0.35、0.0001≦v≦0.02、0≦w≦0.05、x+y+z+v+w≦1である。MはAl、Mn及びMgからなる群より選択される少なくとも1種であり、MはZr、W、Ta、NbおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種である。
リチウム遷移金属複合酸化物において、リチウムの量が多いと出力特性が向上する傾向にあるが、リチウム遷移金属複合酸化物の合成が困難になる傾向がある。この点を考慮し、リチウム遷移金属複合酸化物の組成式(1)におけるp値の範囲は、例えば0.95≦p≦1.5であり、好ましくは0.98≦p≦1.25であり、より好ましくは1≦p≦1.15である。
リチウム遷移金属複合酸化物は遷移金属として少なくともニッケルを含み、コバルトを更に含むことが好ましい。充放電容量の観点から、リチウム遷移金属複合酸化物の組成式(1)におけるxの範囲は0<x<1、yの範囲は0≦y<1に設定できる。また、遷移金属複合酸化物中のニッケルの組成比が高いほうが、ニッケルの還元によるガス発生が起こりやすく、チタン酸バリウムの効果がより発現しやすい。よって好ましいxおよびyの範囲は、0.3≦x≦0.95且つ0.05≦y≦0.45であり、より好ましくは、0.45≦x≦0.90且つ0.1≦y≦0.4である。
リチウム遷移金属複合酸化物は、アルミニウム、マンガンおよびマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mを更に含んでいてもよい。充放電容量とリチウム遷移金属酸化物の構造の安定性の観点から、リチウム遷移金属複合酸化物の組成式(1)におけるzの範囲は、例えば0≦z≦0.35であり、好ましくは0.01≦z≦0.25であり、より好ましくは0.05≦z≦0.15である。
リチウム遷移金属複合酸化物は、チタン酸バリウムに由来するチタンを少なくとも含み得るが、別のチタン化合物に由来するチタンを含んでいてもよい。結晶構造の安定性と充放電容量の観点から、リチウム遷移金属複合酸化物の組成式(1)におけるvの範囲は、例えば0.0001≦v≦0.02、好ましくは0.0001≦v≦0.015、0.0002≦v≦0.015であり、より好ましくは、0.0003≦v≦0.015である。
リチウム遷移金属複合酸化物はさらにジルコニウム、タングステン、タンタル、ニオブ及びモリブデンからなる群から選択される少なくとも1種の元素Mを含んでいてもよい。元素Mの含有量は、非水系二次電池に求められる特性を考慮して、適宜決定し得る。但し、元素Mは容量が低下するので含有量はあまり多くないことが好ましい。この点を考慮し、リチウム遷移金属複合酸化物の組成式(1)におけるwの範囲は、例えば0≦w≦0.05であり、各種特性のバランスを考慮すると、好ましいwの範囲は0≦w≦0.02である。
電極組成物準備工程
電極組成物準備工程では、第1組成物と、導電助剤と、結着剤とを含む電極組成物を得る。電極組成物は、例えば、第1組成物と、導電助剤と、結着剤とを液媒体に分散・溶解することで調製することができる。
電極組成物における第1組成物の含有量は、電極組成物の全固形分に対して、例えば70質量99質量%以下であり、好ましくは80質量%以上98質量%以下である。
導電助剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラック等のカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素材料;フッ化カーボン;アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもちいてもよい。電極組成物における導電助剤の含有量は、電極組成物の全固形分に対して、例えば0.5質量%10質量%以下であり、好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
結着剤は、例えば電極活物質と導電助剤などとの付着、及び集電体に対する電極活物質の付着を助ける材料である。結着剤の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。結着剤含有量は、電極組成物の全固形分に対して、例えば0.5質量%以上25質量%以下であり、好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
電極組成物は、液媒体として有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤の例としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等を挙げることができる。
電極組成物は、必要に応じて充填剤を含んでいてよい。充填剤は、例えば電極活物質層の膨脹を抑制する材料である。充填剤の例としては、炭酸リチウムやポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質等が挙げられる。
活物質層形成工程
活物質層形成工程では、電極組成物を集電体上に付与し、加圧して、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下の活物質層を前記集電体上に形成する。第1組成物を含む電極組成物を用い、特定の密度を有する活物質層が形成されてなる電極は、これを用いて構成される非水系二次電池において、優れた安全性とサイクル特性とを両立させることを可能にする。
集電体としては、例えば、板状又は箔状のアルミニウムを用いることができる。集電体の厚みとしては、例えば3μm以上500μm以下とすることができる。
電極組成物は、例えば、流動性を有するスラリーとして調製される。得られるスラリーを集電体上に塗布し、乾燥した後、ロールプレス機等によって加圧することで、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下の活物質層が形成されてよい。また、電極組成物は固体状に調製され、集電体上に圧着されて、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下の活物質層が形成されてもよい。活物質層の密度は、例えば、2.7g/cm以上3.4g/cm以下、又は2.8g/cm以上3.3g/cm以下であってよい。なお、活物質層の密度は、活物質層の質量を活物質層の体積で除して算出される。
集電体上に、第1組成物を含み、所定の密度を有する活物質層が形成されて、非水系二次電池用電極が製造される。集電体には必要に応じてリードが配置されて、非水系二次電池の製造に供される。
本開示に係る第二態様は、上述した製造方法で製造される非水系二次電池用電極である。すなわち、リチウム化合物、ニッケル化合物及びチタン酸バリウムを含む混合原料の熱処理物と、導電助剤と、結着剤とを含み、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下である活物質層と、前記活物質層を保持する集電体とを備える非水系二次電池用電極である。
非水系二次電池
非水系二次電池は、正極としての前記非水系二次電池用電極と、リチウムを吸蔵・放出可能な負極と、リチウム塩を電解質として含む非水電解質とを備える。非水系二次電池は、必要に応じて、正極と負極との間に配置され、非水電解質を保持するセパレータとを備えていてもよい。
負極は通常、負極集電体上に負極活物質層を形成して構成される。負極活物質としては、金属リチウム、リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、リチウムの吸蔵及び放出が可能な炭素材料等が挙げられる。通常は安全性の高さの面から、リチウムを吸蔵、放出できる炭素材料が用いられる。負極活物質の炭素材料としては、例えば、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、人造黒鉛が挙げられる。これら炭素材料の他に、リチウムの吸蔵及び放出が可能な化合物を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化錫、酸化チタン、酸化ケイ素等の金属酸化物が挙げられる。
電解質としては、作動電圧で変質したり、分解したりしない化合物であれば特に限定されない。電解質は、非水電解液として構成されてよい。非水電解液の溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルホルメート、γ-ブチロラクトン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
電解液のリチウム塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。上述した溶媒とリチウム塩とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸液性を有するポリマーに吸収させて使用してもよい。リチウム塩は電解液中に、通常0.5mol/L以上1.5mol/L以下となるように含有させる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔性膜が挙げられる。また、非水電解質として、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
非水系二次電池は、前述の正極と、負極と、電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造される。更に、必要に応じて外装ケース等の他の構成要素を用いることも可能である。
本開示は第三態様として、非水系二次電池用正極材料の製造方法を包含する。非水系二次電池用正極材料の製造方法は、リチウムを含む化合物と、ニッケルを含む化合物と、チタン酸バリウムとを混合して、混合原料を得る混合工程と、前記混合原料を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極材料を得る熱処理工程とを含む。混合工程及び熱処理工程の詳細については、既述の通りである。
本開示は第四態様として、前記非水系二次電池用正極材料の製造方法で製造される非水系二次電池用正極材料を包含する。すなわち、非水系二次電池用正極材料は、リチウム化合物、ニッケル化合物及びチタン酸バリウムを含む混合原料の熱処理物であり、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極材料である。
非水系二次電池用正極材料の製造方法で製造される非水系二次電池用正極材料は、非水系二次電池を構成する場合に、優れた安全性を達成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、体積平均粒径は、レーザー散乱法によって得られる体積粒度分布における小粒径側からの体積積算値が50%となる値を用いた。具体的にはレーザー回折式粒径分布装置(MALVERN Inst. MASTERSIZER 2000)を用いて体積平均粒径を測定した。比表面積は、BET比表面積測定装置(マウンテック社製:Macsorb)を用い、窒素ガスを用いたガス吸着法(1点法)で測定した。
(1)正極材料の製造
[実施例1]
反応槽に、硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンから調製したニッケルイオン、コバルトイオン及びマンガンイオンを含有する水溶液を用意した。水溶液中のニッケル、コバルト及びマンガンのモル比(ニッケル:コバルト:マンガン)が、55:20:25となるように、硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガンの量を調整した。水溶液温度を50℃に維持しながら、水溶液のpHが9から12となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。これにより、ニッケル、コバルト及びマンガンを含む沈殿物を得た。その後、沈殿物をろ過、水洗した。水洗した沈殿物を、300℃の酸素含有気流中で18時間、熱処理することにより、ニッケルとコバルトとマンガンを含む複合酸化物((Ni0.55Co0.2Mn0.25)を得た。複合酸化物の体積平均粒径は18.5μmであり、比表面積は75m/gであった。
得られた複合酸化物に、チタン酸バリウム(BaTiO)及び炭酸リチウム(LiCO)を混合した。炭酸リチウムの添加量は、ニッケル、コバルト及びマンガンのモル総和に対するモル比が、リチウム換算で、1.07となるように調整した。また、チタン酸バリウムの添加量は、複合酸化物に対して、0.5mol%となるように調整した。複合酸化物、チタン酸バリウム及び炭酸リチウムを、ミキサーで混合して、混合原料を得た。
混合原料を大気中にて870℃で15時間、熱処理した。熱処理後、粉砕し、篩いにかけて分級した。以上の工程より、正極材料E1を得た。
(2)非水系二次電池の作製
(正極の作製)
得られた正極材料E1を用いて正極を作製した。92質量部の正極活材料E1と、3質量部のアセチレンブラックと、結着材として5質量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF)とをN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーをアルミニウム箔の片面に塗布し、乾燥後、プレス機で正極活物質層の密度が2.8g/cmになるように圧縮成形し、サイズが15cmとなるように裁断して、実施例1の正極を得た。なお、正極活物質層の密度は、正極活物質層の厚みをマイクロメーターで測定して得られる正極活物質層の体積で、正極活物質層の質量を除して算出した。
(負極の作製)
97.5質量部の天然黒鉛と、結着材として1.5質量部のカルボキシメチルセルロース(CMC)及び1.0質量部のスチレンブタジエンゴム(SBR)とを純水に分散させてスラリーを調製した。得られたスラリーを銅箔に塗布し、乾燥後、プレス機で負極活物質層の密度が1.6g/cmになるように圧縮成形した後、サイズが16.64cmとなるように裁断して、負極を得た。
(非水電解質の調製)
エチレンカーボネイト(EC)とメチルエチルカーボネイト(MEC)を体積比率3:7で混合して混合溶媒を得た。得られた混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)をその濃度が、1mol/Lになるように溶解させて、非水電解質を調製した。
(電池の組み立て)
作製した正極および負極の集電体に、それぞれリード電極を取り付けたのち120℃で真空乾燥を行った。次いで、正極と負極との間に上記セパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。収納後60℃で真空乾燥して各部材に吸着した水分を除去した。真空乾燥後、ラミネートパック内に、上記非水電解液を注入、封止し、評価用電池としてのラミネートタイプの非水系二次電池を得た。
(3)評価
(c軸長、結晶性の測定)
正極材料E1についてCuKα線によりX線回折スペクトル(管電流200mA、管電圧45kV)を測定した。c軸長は、得られたX線回折スペクトルに基づいて、Rietan2000ソフトウェアを用いたリートベルト解析により求めた。なお、リートベルト解析時、空間群はR3-mを使用し、S値が2.1以下になるようにフィッティングを行った。また、結晶性は、測定したX線回折スペクトルより得られる格子面(104)面起因のピーク位置と積分幅をシェラー式に代入して算出した。得られた結果を表1に示す。
(ガス脱離評価)
作製した評価用電池について、充放電試験装置(TOSCAT-3100、東洋システム株式会社製)を用いて、2.75Vから4.3Vの条件にて3回充放電を行った充放電後の各非水系二次電池について、上記充放電試験装置を用いて25℃にて、充電速度0.2Cでの4.3V定電流定電圧充電を15時間行った。その後、各非水系二次電池を充放電試験装置から取り出し、グローブボックス内で解体し、正極を取り出してその一部を切り出した(5mg)。取り出した正極について昇温脱離ガス光イオン化質量分析装置(リガク社製、型番TPD type R)を用いて発生する酸素量を測定した。得られた結果を表1に示す。なお表1に示された脱離酸素量の値は、後述の比較例1で得られた正極の脱離酸素量を100とした相対値である。
(電池寿命評価)
作製した評価用電池について、充放電試験装置(TOSCAT-3100、東洋システム株式会社製)を用いて、2.75Vから4.3Vの条件にて3回充放電を行った。充放電後の各非水系二次電池を、上記充放電試験装置を用いて45℃にて、充放電速度1C、上限電圧4.3V、下限電圧2.75Vの条件にて400回充放電を繰り返した。1回目の放電容量を400回目の放電容量で除し、更に100を掛けた値を容量維持率(%)とした。得られた結果を表1に示す。
[実施例2、3]
正極作製時の活物質層の密度が表1に示す値となるようにプレス条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして、正極を得た。得られた正極について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
正極材料を作製するにあたり、チタン酸バリウムを添加しなかったこと、及び熱処理温度を895℃にしたこと以外は実施例1と同様に行い、正極材料C1を得た。以降の工程について、得られた正極材料C1を用いたこと以外は実施例1と同様に行って、比較例1の正極を得た。得られた正極について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例2、3]
正極作製時の活物質層の密度が表1に示す値となるようにプレス条件を変更したこと以外は比較例1と同様にして、正極を得た。得られた正極について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
正極材料を作製するにあたり、チタン酸バリウムを添加しなかったこと、及び熱処理温度を905℃にしたこと以外は実施例1と同様に行い、正極材料C2を得た。以降の工程について、得られた正極材料C2を用いたこと以外は実施例1と同様に行って、比較例4の正極を得た。得られた正極について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例5、6]
正極作製時の活物質層の密度が表1に示す値となるようにプレス条件を変更したこと以外は比較例4と同様にして、正極を得た。得られた正極について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007011198000001
表1から分かるように、実施例1から3の非水系二次電池は、比較例1から6の非水系二次電池と比べて、脱離酸素量を低減でき、高い容量維持率であったことから安全性とサイクル特性について両立ができることを確認した。なお比較例1から3については、熱処理温度を変更することにより正極材料の結晶性を実施例1から3の正極材料の結晶性にそろえたところ、高い容量維持率を示したものの、脱離酸素量を低減することができず安全性が不十分であった。比較例4から6の正極材料については、熱処理温度を変更することにより実施例1から3の正極材料と比べて結晶性を大きくしたところ、脱離酸素量を低減することができなかった。また、正極活物質層を特定の密度とした場合に、容量維持率が低かった。したがって比較例4から6の正極を備える非水系二次電池では、安全性とサイクル特性ともに不十分であった。

Claims (8)

  1. リチウムを含む化合物と、ニッケルを含む化合物と、チタン酸バリウムとを混合して、混合原料を得ることと、
    前記混合原料を熱処理して、リチウム遷移金属複合酸化物を含む第1組成物を得ることと、
    前記第1組成物と、導電助剤と、結着剤とを含む電極組成物を得ることと、
    前記電極組成物を集電体上に付与し、加圧して、密度が2.4g/cm以上3.6g/cm以下の活物質層を前記集電体上に形成することと、
    を含む非水系二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム以外の金属の総モル数に対するニッケルのモル比が、1未満である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、コバルトを含み、リチウム以外の金属の総モル数に対するコバルトのモル比が、1未満である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、アルミニウム、マンガンおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含み、リチウム以外の金属の総モル数に対するアルミニウム、マンガンおよびマグネシウムの総モル比が、0.35以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記リチウム遷移金属複合酸化物は、下式で表される組成を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
    LiNiCo Ti
    (0.95≦p≦1.5、0<x<1、0≦y<1、0≦z≦0.35、0.0001≦v≦0.02、0≦w≦0.05、x+y+z+v+w≦1、MはAl、MnおよびMgからなる群より選択される少なくとも1種であり、MはZr、W、Ta、NbおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種である)
  6. 前記混合原料におけるチタン酸バリウムの含有量は、ニッケルを含む化合物に対し、0.1mol%以上である請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記混合原料におけるチタン酸バリウムの含有量は、ニッケルを含む化合物に対し、2mol%以下である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記熱処理の温度が、700℃以上900℃以下である請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
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