JP4530844B2 - 非水電解質二次電池及びその充電方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及びその充電方法 Download PDF

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Description

本発明は、放電容量及びサイクル特性の向上を目的とする非水電解質二次電池の改良に関する。
携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源として、高いエネルギー密度を有し、高容量である非水電解質二次電池が広く利用されている。
近年では電池のさらなる高容量化が求められており、より高い電位となるまで充電して使用することにより、正極活物質の利用率を高めることが試みられている。
しかし、従来より正極活物質として用いられているコバルト酸リチウム(リチウム含有コバルト複合酸化物)を、リチウム基準で4.3Vよりも高い電位まで充電すると、化合物としての安定性の低下を招き、化合物が劣化し、サイクル特性が低下するという問題がある。
この問題を解決するため、ジルコニウム、マグネシウム等の異種金属をコバルト酸リチウムに添加することにより、化合物の高い電位での安定性を高めることが提案されている。しかし、この技術は、高電位での熱安定性が十分ではない。
このような非水電解質二次電池のセパレータとしては、非水電解質との反応性の低いポリオレフィン製の微多孔膜が用いられている。このセパレータとしては、放電特性を高めるために、リチウムイオンの透過性が高いものが用いられている。
そして、セパレータのイオン透過性の指標としては、透気度(100mlの空気を透過させるために要する時間)や気孔率(セパレータ単位体積に占める気孔体積の割合)が用いられており、透気度の値が小さいほど、また気孔率の値が大きいほど、優れたイオン透過性を示し、高い放電特性が得られる。
ところで、非水電解質二次電池のセパレータに関する技術としては、特許文献1〜3が提案されている。
特開2000−348703号公報(特許請求の範囲、段落0011−0013) 特開2001−319695号公報(特許請求の範囲、段落0005−0007) 特開2002−237330号公報(特許請求の範囲、段落0004−0007)
特許文献1は、極大孔径0.02〜3μm、空孔率30〜85%、膜厚5〜100μm、透気度30〜2000秒/100cc、105℃で2時間処理した際のフィルム幅方向の熱収縮率が+3%以下であるセパレータを用いる技術であり、この技術によると、低い温度領域で迅速に熱閉塞することにより、ヒューズ機能を高めることができるとされる。
特許文献2は、透気度が25℃において200秒/100cc以下のセパレータを用いる技術であり、この技術によると、出力特性及び高率放電特性を向上できるとされる。
特許文献3は、厚みが20μm以下、透気度が200秒以下、平均孔径が0.1μm以上のセパレータを用いる技術であり、この技術によると、過充電時の安全性を高めることができるとされる。
本発明者らは、非水電解質二次電池の電池容量を更に大きくするために、正極活物質の電位を上げて活物質の利用率を高める手段について鋭意研究を行った。その結果、高電位の正極活物質を有する正極には、従来と異なる特性のセパレータを組み合わせるのがよいことを知った。
本発明は、この知見に基づき完成されたものであって、高容量で、サイクル特性及び高温での安全性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための非水電解質二次電池に係る本発明は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、前記正極活物質が、LiCo1−x−y−zZrMg(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0a≦1.1、0.0001≦x、0.0001≦y、x+y+z≦0.03)で表されるジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物と、LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0b≦1.1、0.1≦s≦0.5、0.1≦t≦0.5、0.95≦s/t≦1.05、v=0または0.0001≦v≦0.03、s+t+u+v=1)で表される層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物と、が質量比で51:49〜90:10の割合で混合されてなり、前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜4.6Vであり、前記セパレータの透気度が60秒/100ml以上400秒/100ml以下であり、前記セパレータの気孔率が60%未満であることを特徴とする。
上記構成では、正極活物質としてジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物を有しており、この化合物は高電位(リチウム基準で4.4〜4.6V)での安定性に優れる。さらに、この化合物とともに、高電位での熱安定性に優れた層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物が配合されているため、高電位での熱安定性にも優れる。
上記ジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物は、LiaCo1−x−y−zZrMg2(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0a≦1.1、0.0001≦x、0.0001≦y、x+y+z≦0.03)で示されるものである。また、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0b≦1.1、0.1≦s≦0.5、0.1≦t≦0.5、0.95≦s/t≦1.05、v=0または0.0001≦v≦0.03、s+t+u+v=1)で示されるものである。これらの化合物には、コバルト・ニッケル・マンガン等の合計モル数に対するリチウムのモル数を大きくできるので、充放電に寄与するリチウム量を十分に大きくすることができる。
上記構成では、セパレータの透気度が60秒/100ml以上400秒/100ml以下に規制されている。充放電サイクルを行うと、非水電解質が電極等と反応して、分解、重合するのであるが、この反応による生成物がセパレータの孔の一部を閉塞し、セパレータのイオン透過性を低下させる。ここで、透気度が400秒/100mlより大きい(イオン透過性が低い)と、この影響が極めて大きくなるため、サイクル特性が大きく劣化する。
また、セパレータの透気度が60秒/100ml未満である場合においても、サイクル劣化が生じる。この理由は定かではないが、高電位での充放電サイクルにより、正極活物質である層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物から遷移金属元素が溶出し、該溶出遷移金属元素が透気度の低い(イオン透過性の高い)セパレータを通過し、負極に析出することにより、負極での充放電反応が阻害されるためと考えられる。
また、セパレータの気孔率が60%以上である場合においても、サイクル劣化が生じる。この理由もまた定かではないが、セパレータの透気度が60秒/100ml未満である場合と同様の理由によるものと考えられる。このため、セパレータの気孔率は60%未満であることが好ましい。
なお、本願発明の効果を十分に得るためには、ジルコニウムの添加量、LiaCo1−x−y−zZrMgにおいて、0.0001≦xとする。また、本願発明の効果を十分に得るためには、マグネシウムの添加量は、0.0001≦yとする。また、ジルコニウム、マグネシウム以外に、Al,Ti,Snが0.0002≦zの割合で添加されていてもよいが、添加金属の合計x+y+zが0.03より大きくなると、電池容量が低下するため好ましくない。
また、本願発明の効果を十分に得るためには、LiMnNiCoにおいて、ニッケルの含有量0.1≦s≦0.5とし、マンガンの含有量0.1≦t≦0.5とする。また、高い熱安定性を得るためには、ニッケルとマンガンとの比s/t0.95〜1.05の範囲内とする。また、化合物の熱安定性をさらに高めるために、Zr,Mg,Al,Ti,Sn等の異種元素が、0.0001≦v≦0.03の割合で添加されていてもよい。
また、正極活物質中のリチウムコバルト複合酸化物の含有量が51質量%より少ないと、電池容量、サイクル特性、保存特性が低下するおそれがあり、また、層状構造のリチウムニッケルマンガン複合酸化物の含有量が10質量%未満であると、正極活物質の高電位での熱安定性の向上効果が十分に得られない。このため、リチウムコバルト複合酸化物と、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物の質量比は、51:49〜90:10とし、より好ましくは70:30〜80:20とする。
上記構成においては、前記負極活物質が、炭素質物からなるもの、とすることができる。
電池電圧は、正極の電位と負極の電位との差で示されるが、電池電圧を大きくすることにより、電池の容量を大きくすることができるが、負極活物質として電位の低い炭素質物(リチウム基準で約0.1V)を用いると、電池電圧が高く、正極活物質の利用率の高い電池が得られる。
上記炭素質物としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、またはこれらの焼成体の一種あるいは複数種混合したものが使用できる。
また、上記構成においては、前記非水電解質にさらに、ビニレンカーボネートを0.5〜5質量%含めることができる。
ビニレンカーボネートを非水電解質に添加すると、サイクル特性が向上する。しかし、添加量が過小であると十分な効果が得られない一方、過大であると初期容量の低下と高温時に、特に角形電池において電池厚みの膨れをまねく。このため、添加量は非水電解質全質量に対し、好ましくは0.5〜5質量%とし、より好ましくは1〜3質量%とする。
また、上記構成においては、前記リチウムニッケルマンガン複合酸化物が、その結晶構造中にコバルトを含むものとすることができる。
リチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶構造中にコバルトが含まれると、このコバルトが放電特性を向上させるように作用する点で好ましい。その添加量は、上記化学式において好ましくは0.1≦u≦0.8とする。
また、上記課題を解決するための非水電解質二次電池の充電方法に係る本発明は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、前記両電極間に介在するセパレータと、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備え、前記正極活物質が、LiCo1−x−y−zZrMg(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0a≦1.1、0.0001≦x、0.0001≦y、x+y+z≦0.03)で表されるジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物と、LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0b≦1.1、0.1≦s≦0.5、0.1≦t≦0.5、0.95≦s/t≦1.05、v=0または0.0001≦v≦0.03、s+t+u+v=1)で表される層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物と、が質量比で51:49〜90:10の割合で混合されてなり、前記セパレータの透気度が60秒/100ml以上400秒/100ml以下であり、前記セパレータの気孔率が60%未満である非水電解質二次電池の充電方法であって、前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜4.6Vとなるまで充電することを特徴とする。
上記方法を採用することにより、容量が高く、高電位でのサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を充電することができる。
上記に説明したように、本発明によると、リチウム基準で4.4〜4.6Vの高い電位で安定的に機能し、且つ高い電位における高温サイクル劣化を抑制でき得た、高容量で安全性に優れた非水電解質二次電池を提供できるという顕著な効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
〈正極の作製〉
コバルト(Co)に対して0.2mol%のジルコニウム(Zr)と、コバルトに対して0.5mol%のマグネシウム(Mg)とを共沈させ、熱分解反応させて、ジルコニウム、マグネシウム含有四酸化三コバルトを得た。この四酸化三コバルトと炭酸リチウムとを混合し、空気雰囲気中で850℃で24時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が14μmとなるまで粉砕して、ジルコニウム、マグネシウム含有リチウムコバルト複合酸化物(正極活物質A)を得た。
炭酸リチウムと、Ni0.33Mn0.33Co0.34(OH)2で示される共沈水酸化物とを混合し、空気雰囲気中で1000℃で20時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が5μmとなるまで粉砕して、コバルト含有リチウムニッケルマンガン複合酸化物(正極活物質B)を得た。なお、この正極活物質BのX線結晶構造回析を行ったところ、層状構造であることが確認された。
正極活物質Aと正極活物質Bとを質量比7:3で混合した正極活物質94質量部と、導電剤としての炭素粉末3質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量部と、N−メチルピロリドンとを混合して正極活物質スラリーとした。この正極活物質スラリーをアルミニウム製の正極集電体(厚み15μm)の両面に塗布し、乾燥・圧延して正極を作製した。
〈負極の作製〉
負極活物質としての黒鉛95質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース3質量部と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム2質量部と、水とを混合して負極活物質スラリーとした。この負極活物質スラリーを銅製の負極集電体(厚み8μm)の両面に塗布し、乾燥・圧延して負極を作製した。
なお、黒鉛の電位はリチウム基準で0.1Vである。また、正極及び負極の活物質充填量は、設計基準となる正極活物質の電位(本実施例ではリチウム基準で4.4Vであり、電池電圧は4.3V)において、正極と負極の充電容量比(負極充電容量/正極充電容量)を1.1となるように調整した。
〈セパレータの作製〉
ポリエチレン混合物と、無機微粉体と、可塑剤と、を混練・加熱溶融しながら、シート状に成形した後、上記無機微粉体及び上記可塑剤を抽出除去した後、乾燥させた。この後、延伸して、透気度が60秒/100ml、気孔率が50%であるセパレータを作製した。
〔透気度の測定〕
透気度の測定は、東洋精機社製ガーレ式デンソメータを用いて、JIS P−8117に準じて、100mlの空気が通過する時間(秒)を測定した。
[気孔率の測定]
セパレータを10cm角に切り出し、その厚みtと重さWを測定した。そして、セパレータ材料の密度をpとして、気孔率(%)を下記式により算出した。(ポリエチレンの場合、p=0.95g/cm3
気孔率(%)={1−(W/p)/(10×10×t)}×100
〈電極体の作製〉
上記正極及び負極を、上記セパレータを介して巻回することにより、電極体を作製した。
〈非水電解質の調整〉
非水溶媒としてのエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比20:30:50(25℃)で混合し、電解質塩としてのLiPF6を1M(モル/リットル)となるように溶解して、電解液を調整した。この電解液100質量部に対してビニレンカーボネートを2質量部添加して、非水電解質となした。
〈電池の組み立て〉
外装缶に上記電極体を挿入した後、上記非水電解質を注液し、外装缶の開口部を封口することにより、実施例1に係る非水電解質二次電池(幅34mm×高さ43mm×厚み5mm、放電容量800mAh)を作製した。
(実施例2)
透気度が200秒/100ml、気孔率が44%のセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
透気度が400秒/100ml、気孔率が45%のセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
透気度が50秒/100ml、気孔率が55%のセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
透気度が500秒/100ml、気孔率が48%のセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記実施例2と同様にして、比較例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例6)
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記比較例2と同様にして、比較例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例8)
透気度が60秒/100ml、気孔率が60%のセパレータを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例
正極活物質として正極活物質A単独で用いたこと以外は、上記比較例8と同様にして、比較例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
なお、セパレータの物性は、無機微粉体の添加量・粒径や延伸条件を変更することによって制御した。
〔電池特性試験〕
上記各電池について、下記の条件で高温サイクル特性試験及び加熱試験を行った。この結果を下記表1に示す。
〔高温サイクル特性試験〕
充電条件:定電流 1It(800mA)で4.4Vまで、定電圧4.4Vで1/50It(16mA)まで、25℃
放電条件:定電流 1It、終止電圧 3.0V、45℃
高温サイクル特性(%):(200サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量)×100
[加熱試験]
充電条件:定電流 1It(800mA)で4.4Vまで、定電圧4.4Vで1/50It(16mA)まで、25℃
加熱条件:オーブンで25℃から5℃/分の速度で150℃となるまで、その後150℃で10分放置
評価:電池が全て燃焼したものを不可(×)、全て燃焼しなかったものを良(○)
n(検体数)=3。
Figure 0004530844
上記表1から、正極活物質としてジルコニウム、マグネシウム添加リチウムコバルト複合酸化物(正極活物質A)のみを用いた比較例3〜7、比較例9では、加熱試験結果が全て不可であるのに対し、正極活物資として、正極活物質Aと層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物(正極活物質B)との混合物を用いた実施例1〜3、比較例1、比較例2、比較例8では、加熱試験結果が全て良であることがわかる。
このことは、次のように考えられる。ジルコニウム、マグネシウム添加リチウムコバルト複合酸化物は、高電位での熱安定性が十分ではなく、高電位(リチウム基準で4.5V)で且つ150℃という異常な高温条件での保存によって活物質が劣化する。これにより、非水電解質と正極との反応が促進され、電池内部での発熱量が増大して、比較例3〜7、比較例9に係る電池は燃焼する。
他方、正極活物質に層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物(正極活物質B)を含ませると、この化合物が、高電位での熱安定性を飛躍的に向上させるように作用する。このため、実施例1〜3、比較例1、比較例2、比較例8では、活物質の劣化が起こらず、電池内部の発熱が抑制され、燃焼することがない。
また、正極活物質Aのみを用い、且つ気孔率が60%未満のセパレータを用いた比較例3〜7では、セパレータの透気度が小さくなるに伴い、サイクル特性が向上する傾向にあることがわかる。
他方、正極活物質として、正極活物質Aと正極活物質Bとを混合したものを用い、且つ気孔率が55%以下のセパレータと用いた実施例1〜3、比較例1、比較例2においては、透気度が60〜500秒/100mlの範囲内では、比較例3〜7と同様の傾向が見られるものの、透気度が50秒/100mlとなると高温サイクル特性が43%(比較例1)と、透気度が60〜400秒/100mlの範囲内での63〜68%(実施例1〜3、比較例2)よりも劣化していることがわかる。
このことは次のように考えられる。ジルコニウム、マグネシウム含有リチウムコバルト複合酸化物は、高電位での高温充放電サイクルにより結晶中から遷移金属元素が溶出しにくいが、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、高電位での高温充放電サイクルにより、遷移金属元素(Co、Ni、Mn)が結晶から抜けやすくなる。ここで、セパレータの透気度が50秒/100mlであると、透気度が低くイオン透過性が高いために、溶出遷移金属元素もまたセパレータの孔を通過し、負極に移動して負極表面に析出する。これにより充放電反応が阻害され、サイクル劣化が起こる。
また、透気度が60秒/mlのセパレータを用いた実施例1、比較例4、比較例8、比較例9では、正極活物質として正極活物質Aと正極活物質Bとを混合したものを用い、気孔率が60%のセパレータを用いた比較例8の高温サイクル特性が32%と、気孔率が50%以下のセパレータ及び/又は正極活物質として正極活物質Aのみを用いた実施例1、比較例4、比較例9の68〜79%よりも大きく劣化していることがわかる。
このことは、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物では、高電位での高温充放電サイクルにより、セパレータの気孔率が60%以上である場合においても、透気度が50秒/100ml以下である場合と同様に、遷移金属元素が結晶から抜けやすくなり、上述した問題が生じるためと考えられる。
(その他の事項)
本発明においては、電池形状は限定されないので、角型外装缶以外に、円筒型外装缶、コイン型外装体、ラミネート外装体を用いることができる。
また、非水溶媒としてはジエチルカーボネート(DEC)以外に、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を用いることができる。
また、電解質塩としては、上記LiPF6以外に、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO22、LiClO4、LiBF4等の一種または複数種の混合物が使用できる。
また、上記実施例ではセパレータ材料としてポリエチレンを用いたが、他のオレフィン系材料(例えばポリプロピレン)を用いてもよい。また、ポリマーアロイや複数種のポリマーの積層体を用いてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、高電位での正極活物質の安定性が高く、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (5)

  1. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記正極活物質が、LiCo1−x−y−zZrMg(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0a≦1.1、0.0001≦x、0.0001≦y、x+y+z≦0.03)で表されるジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物と、
    LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0b≦1.1、0.1≦s≦0.5、0.1≦t≦0.5、0.95≦s/t≦1.05、v=0または0.0001≦v≦0.03、s+t+u+v=1)で表される層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物と、
    が質量比で51:49〜90:10の割合で混合されてなり、
    前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜4.6Vであり、
    前記セパレータの透気度が60秒/100ml以上400秒/100ml以下であり、
    前記セパレータの気孔率が60%未満である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記非水電解質が、ビニレンカーボネートを0.5〜5質量%含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解質二次電池において、
    前記負極活物質が、炭素質物からなる、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 請求項1、2または3に記載の非水電解質二次電池において、
    前記リチウムニッケルマンガン複合酸化物が、その結晶構造中にコバルトを含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備え、
    前記正極活物質が、LiCo1−x−y−zZrMg(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0a≦1.1、0.0001≦x、0.0001≦y、x+y+z≦0.03)で表されるジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物と、
    LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0b≦1.1、0.1≦s≦0.5、0.1≦t≦0.5、0.95≦s/t≦1.05、v=0または0.0001≦v≦0.03、s+t+u+v=1)で表される層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物と、
    が質量比で51:49〜90:10の割合で混合されてなり、
    前記セパレータの透気度が60秒/100ml以上400秒/100ml以下であり、
    前記セパレータの気孔率が60%未満である非水電解質二次電池の充電方法であって、
    前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜4.6Vとなるまで充電する、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の充電方法。
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