JP4919771B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、特にリチウム基準で4.4〜5.1Vという高電位で充放電を繰り返す正極活物質を用いてもサイクル特性と高温充電保存特性の両立を可能とする非水電解質二次電池に関する。
携帯型の電子機器の急速な普及に伴い、それに使用される電池への要求仕様は、年々厳しくなり、特に小型・薄型化、高容量でサイクル特性が優れ、性能の安定したものが要求されている。そして、二次電池分野では他の電池に比べて高エネルギー密度であるリチウム系非水電解質二次電池が注目され、このリチウム系非水電解質二次電池の占める割合は二次電池市場において大きな伸びを示している。
ところで、この種の非水電解質二次電池が使用される機器においては、電池を収容するスペースが角形(扁平な箱形)であることが多いことから、発電要素を角形外装缶に収容して形成した角形の非水電解質二次電池が使用されることが多い。このような角形の非水電解質二次電池は一般的には以下のようにして作製される。
すなわち、細長いシート状の銅箔等からなる負極芯体(集電体)の両面に負極活物質を含有する負極合剤を塗布した負極極板と、細長いシート状のアルミニウム箔等からなる正極芯体の両面に正極活物質を含有する正極合剤を塗布した正極極板との間に、微多孔性ポリエチレンフィルム等からなるセパレータを配置し、負極極板及び正極極板をセパレータにより互いに絶縁した状態で円柱状の巻き芯に渦巻状に巻回して、円筒形の巻回電極体を作製する。次いで、この円筒状電極体をプレス機で押し潰し、角形の電池外装缶に挿入できるような偏平状の巻回電極体に成型した後、これを角形外装缶に収容し、電解液を注液して角形の非水電解質二次電池としている。
このような従来の角形の非水電解質二次電池の構成を図面を用いて説明する。図1は下記特許文献1に開示されている角形の非水電解質二次電池を縦方向に切断して示す斜視図である。この非水電解質二次電池10は、正極極板11と負極極板12とがセパレータ13を介して巻回された扁平状の巻回電極体14を、角形の電池外装缶15の内部に収容し、封口板16によって電池外装缶15を密閉したものである。
巻回電極体14は、正極極板11が最外周に位置して露出するように巻回されており、露出した最外周の正極極板11は、正極端子を兼ねる電池外装缶15の内面に直接接触し、電気的に接続されている。また、負極極板12は、封口板16の中央に形成され、絶縁体17を介して取り付けられた負極端子18に対して集電体19を介して電気的に接続されている。
そして、電池外装缶15は、正極極板11と電気的に接続されているので、負極極板12と電池外装缶15との短絡を防止するために、巻回電極体14の上端と封口板16との間に絶縁スペーサ20を挿入することにより、負極極板12と電池外装缶15とを電気的に絶縁状態にしている。
この角形の非水電解質二次電池は、巻回電極体14を電池外装缶15内に挿入した後、封口板16を電池外装缶15の開口部にレーザ溶接し、その後電解液注液孔21から非水電解液を注液して、この電解液注液孔21を密閉することにより作製される。このような角形の非水電解質二次電池は、使用時のスペースの無駄が少なく、しかも電池性能や電池の信頼性が高いという優れた効果を奏するものである。
このような非水電解質二次電池においては、正極活物質として、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFeO等のリチウム複合酸化物を有する正極と負極活物質が炭素材料からなる負極とを組み合わせることにより高エネルギー密度の4V級の非水電解質二次電池が得られることが知られている。このうち、正極活物質としては、特に各種電池特性が他のものに対して優れていることから、LiCoOが多く使用されている。また、負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素などの炭素質材料が一般的に使用されている。また、非水電解質二次電池に使用される非水溶媒(有機溶媒)には、電解質を電離させるために誘電率が高い必要があること、及び、広い温度範囲でイオン伝導度が高い必要があるということから、カーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、その他、エーテル類、ケトン類、エステル類などの有機溶媒が使用されている。
また、上述の非水電解質二次電池に用いられるセパレータは、電池特性及び安全性に大きな影響を与えることが知られている。すなわち、このセパレータは、非水電解質二次電池の通常の使用状態においては正極及び負極の短絡を防止するとともにその多孔構造により電気抵抗を低く抑えて高負荷状態でも電池電圧を維持できることが必要であるが、外部短絡や誤接続等により非水電解質二次電池に大電流が流れて電池温度が上昇した場合においては、予め決定した長さ及び幅寸法を維持しながらも実質的に無孔状態となして電気抵抗を増大させ、電池反応を停止させることにより電池の過度の温度上昇を抑えるシャットダウン機能が必要である。そのため、非水電解質二次電池用のセパレータとしては、ポリエチレン樹脂を主体とする微多孔膜や、ポリプロピレン樹脂を主体とする微多孔膜が多く使用されている(下記特許文献2及び3参照)。
一方、これらの非水電解質二次電池においても、近年の携帯機器の高性能化に伴い、二次電池のさらなる電池容量向上が期待されている。このような要望に応えるための手法としては、電極材料の高密度化や、集電体、セパレータ等の薄膜化、及び電池電圧の高充電電圧化が一般的に知られている。この中でも電池電圧の高充電電圧化は電池の構成を変更することなく高容量化を実現できる手法として有用な技術であり、高容量化には必須の技術である。
例えば上述のようなコバルト酸リチウムLiCoOなどのリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用い、炭素材料を負極活物質として用いた非水電解質二次電池においては、黒鉛等炭素材料の負極活物質と組み合わせたとき、一般に充電電圧は4.1〜4.2V(正極活物質の電位はリチウム基準で4.2〜4.3V)となっている。このような充電条件では、正極は理論容量に対して50〜60%しか利用されていないことになる。したがって、充電電圧をより高くすることができれば、正極の容量を理論容量に対して70%以上で利用することが可能となり、電池の高容量化及び高エネルギー密度化が可能となる。
本出願人は、安定して高充電電圧を達成できる正極活物質を得るべく種々検討を重ねた結果、正極活物質として異種元素を添加したコバルト酸リチウムと層状マンガンニッケル酸リチウムを混合したものを使用した新規な非水電解質二次電池を開発し、既に下記特許文献4に開示している。この下記特許文献5に開示されている非水電解質二次電池の正極活物質は、コバルト酸リチウムに少なくともZr、Mgの異種元素を添加することで高電圧(〜4.5V)での構造安定性を向上させ、更に高電圧で熱安定性の高い層状マンガンニッケル酸リチウムを混合することで安全性を確保するようになしたものである。この正極活物質を使用した正極と炭素材料からなる負極活物質を有する負極とを組み合わせて、充電電圧が4.3V以上5.0V以下(充電終止電位がリチウム基準で4.4V以上5.1V以下)の高電圧で充電可能な非水電解質二次電池が得られている。
特開2001−273931号公報(特許請求の範囲、段落[0003]〜[0004]、図1) 特開平 8−244152号公報(特許請求の範囲、段落[0006]〜[0008]、[0023]〜[0034]) 特開2002−279956号公報(特許請求の範囲) 特開2005−317499号公報(特許請求の範囲、段落[0027]〜[0044]) 特開2001− 35471号公報(特許請求の範囲、段落[0004]〜[0005]、図1) 特開2002− 15720号公報(特許請求の範囲、段落[0005]) 特開2006− 4873号公報(特許請求の範囲、段落[0008]〜[0010])
ところで、従来の非水電解質二次電池は、充放電サイクルを繰り返していくと徐々に負荷特性が低下するとともに電池容量も低下することが知られている。これは充放電を繰り返すことによって、電解液などの分解物、重合物などがセパレータの孔を塞ぎ、セパレータが十分なイオン電導性を保てなくなり、容量劣化が生じているものと考えられる。また、非水電解質二次電池の正極極板及び負極極板は、その充放電過程において極板の厚み方向に膨張と収縮を繰り返しているが、正極極板及び負極極板の膨張は、一般的には正極極板よりも負極極板の方がより膨張する。
更に、正極極板及び負極極板の膨張はそれぞれの電極で用いられている活物質の充填密度が高いほど大きい。また、電池外装缶内の電極体の占有率が大きいほど、充放電の際にセパレータにかかる力は大きくなる。そのため、セパレータは充放電過程において極板の膨張時に圧縮されるため、充放電サイクルが繰り返されるに従ってセパレータの内部が目詰まりを起こし、セパレータのイオン導電性が低下し、結果としてサイクル特性の低下として現われるものである。このようなセパレータの内部の目詰まりは、上述のような充電終止電位がリチウム基準で4.4V以上5.1V以下という高電圧で充電可能な非水電解質二次電池の場合においては特に顕著に表れる。
従来から、このような非水電解質二次電池のセパレータの有する問題点を解決することを目的として、セパレータを正極側と負極側とで異なる物性の層となすことが行われている。たとえば、上記特許文献5には、セパレータとして気孔率の小さい正極側の層と気孔率の大きい負極側の層とが互いに張り合わされたものを用いることにより、充電保存時の負極活物質上の不活性被膜の成長による充電保存特性の劣化を抑制した非水電解質二次電池の発明が開示されている。
また、上記特許文献6には、セパレータとして超高分子量ポリエチレン微多孔質膜層からなる正極側の層と高空孔率ポリエチレン微多孔質膜層からなる負極板側の層とが互いに張り合わされたものを用いることにより、高温でのサイクル寿命を改善した非水電解質二次電池の発明が開示されている。さらに、上記特許文献7には、セパレータとして空孔率を変えることにより負極側の層の厚み方向の弾性率を厚み方向の弾性率が最も小さい層よりも大きくしたものを使用し、サイクル特性及び保存特性を改善した非水電解質二次電池の発明が開示されている。
しかしながら、上記特許文献5〜7に開示されている非水電解質二次電池は、正極活物質として充電終止電位がリチウム基準で4.3V以下であるコバルト酸リチウム等を用いたものであって、リチウム基準で4.4V以上5.1V以下という激しい電気化学反応が生起する正極活物質を用いた場合には、所定の効果が得られないという問題点が存在している。
発明者等は、上述の従来技術のセパレータの有する問題点を解決すべく従来から非水電解質二次電池に使用されていたセパレータの物性を検討した結果、セパレータとして所定の透気度のセパレータを貼り合わせたものを使用すると、充電終止電位がリチウム基準で4.4V以上5.1V以下という激しい電気化学反応が生起する正極活物質を用いた場合においても、電池の充放電サイクル時に目詰まりを起こし難く、従来から使用されていたセパレータを用いた電池よりもサイクル特性が劇的に改善されるとともに高温充電保存特性も良好となることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、リチウム基準で4.4〜5.1Vという高電位で充放電を繰り返す正極活物質を用いてもサイクル特性及び高温充電保存特性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、セパレータと、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vであり、前記セパレータはそれぞれ透気度の異なる二層を貼り合わせたものであり、正極側の層の透気度は250sec/100ml以上400sec/100ml以下であり、かつ、負極側の層の透気度は60sec/100ml以上200sec/100ml以下であることを特徴とする。
なお、本発明における「透気度」とは、JIS P8117により規定されている測定方法に従って測定されたものであり、所定体積の気体がセパレータを透過するのに必要な時間(sec)として測定される。従って、目詰まりが小さいものは気体が通りやすいために透気度は小さくなり、目詰まりが大きいものは気体が通り難いために透気度は大きくなる。
なお、本発明の非水電解質二次電池で使用し得る有機溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、エステル類などが挙げられる。これら溶媒の2種類以上を混合して用いることもできる。具体例としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、ジエチルカーボネートなどを挙げることができ、充放電効率を高める点から、ECとDMC、DEC、EMC等の鎖状カーボネートの混合溶媒が好適に用いられる。更に、一般に環状カーボネートは高電位において酸化分解されやすいので、例えば非水電解液中にECを含む場合、ECの含有量を5体積%以上35体積%以下とすることが好ましい。
更に、非水溶媒に溶解させる電解質塩としては、非水電解質二次電池において一般的に用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。これらの中でも、LiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が好ましく用いられる。高い充電電圧で充電する場合、正極の集電体であるアルミニウムが溶解しやすくなるが、LiPFの存在下では、LiPFが分解することにより、アルミニウム表面に被膜が形成され、この被膜によってアルミニウムの溶解を抑制することができる。従って、リチウム塩としては、LiPFを用いることが好ましい。前記非水溶媒に対する溶質の溶解量は、0.5〜2.0mol/Lとするのが好ましい。
また、本発明は、上記非水電解質二次電池において、前記正極活物質は、LiCoOに少なくともジルコニウムとマグネシウムの両方を含有するリチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有し、少なくともマンガンとニッケルの両方を含有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物とを混合したものであり、前記負極活物質は炭素質材料であることを特徴とする。
本発明は上記のような構成を備えることにより、以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、本発明の非水電解質二次電池によれば、正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vというような高電位で作動するものであっても、サイクル特性及び高温充電保存特性のバランスが良好な非水電解質二次電池が得られる。
また、正極側のセパレータの透気度は、250sec/100ml未満であると高温充電保存試験結果が悪化し、また400sec/100mlを超えるとサイクル特性が悪化するので好ましくない。また、負極側のセパレータの透気度は、60sec/100ml未満であると高温充電保存特性が悪化し、また200sec/100mlを超えるとサイクル特性が悪化するので好ましくない。
また、本発明の非水電解質二次電池によれば、正極活物質としてLiCoOに少なくともジルコニウムとマグネシウムの両方を含有するリチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有し、少なくともマンガンとニッケルの両方を含有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物とを混合したものを使用すると共に、負極活物質として炭素質材料を用いると、正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vというような高電位でも安定した充放電サイクルを行うことができる非水電解質二次電池が得られる。
特に、LiCo(1−x−y−z)ZrMg(ただし、0≦a≦1.1、x>0、y>0、z≧0、0<x+y+z≦0.03、M=Al、Ti、Snである。)で表されるリチウム含有コバルト複合酸化物と、LiMnNiCo(ただし、0≦b≦1.2、0<s≦0.5、0<t≦0.5、u≧0、s+t+u=1、0.95≦s/t≦1.05である。)で表される層状リチウムマンガンニッケル複合酸化物とを混合した正極活物質を用いると、熱安定性の高い正極活物質が得られ、炭素系負極活物質と組み合わせて用いた場合に、充電電圧が4.3V以上5.0V以下(Li基準で4.4V以上5.1V以下)の高電圧で充電可能な非水電解質二次電池が得られるために好ましい
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例、比較例及び参考例を用いて詳細に説明する。なお、本実施例及び比較例において用いた非水電解質二次電池の構成は図1に示した従来例の非水電解質二次電池と実質的に同様となるので、必要に応じて図1を参照しながら説明することとする。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための非水電解質二次電池として角形の非水電解質二次電池の一例を例示するものであって、本発明をこの実施例に特定することを意図するものではなく、本発明は円筒形の非水電解質二次電池など特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
最初に、実施例、比較例及び参考例に共通する非水電解質二次電池の具体的製造方法及び各種特性の測定方法について説明する。
[正極極板の作製]
異種元素添加コバルト酸リチウムは次のようにして作製した。出発原料としては、リチウム源には炭酸リチウム(LiCO)を用い、コバルト源には炭酸コバルト合成時に異種元素としてZrをコバルトに対して0.2mol%及びMgを0.5mol%添加した水溶液から共沈させ、その後、熱分解反応によって得られたZr及びMg添加四酸化三コバルト(Co)を用いた。これらを所定量秤量して混合した後、空気雰囲気下において850℃で24時間焼成し、Zr及びMg添加コバルト酸リチウムを得た。これを乳鉢で平均粒径14μmまで粉砕し、正極活物質Aとした。
層状マンガンニッケル酸リチウムは次のようにして作製した。出発原料としては、リチウム源にはLiCOを、遷移金属源にはNi0.33Mn0.33Co0.34(OH)で表される共沈水酸化物を用いた。これらを所定量秤量して混合した後、空気雰囲気下において1000℃で20時間焼成し、LiMn0.33Ni0.33Co0.34で表されるコバルト含有層状マンガンニッケル酸リチウムを得た。これを乳鉢で平均粒径5μmまで粉砕し、正極活物質Bとした。
以上のようにして得られた正極活物質A及び正極活物質Bを質量比が7:3になるように混合し、次に、混合した正極活物質と正極導電剤としての炭素材料粉末を質量比が9:1となるように混合して正極合剤を調製した。この正極合剤とポリフッ化ビニリデン(PVdF)粉末をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に5質量%溶かした結着剤溶液とを固形分質量比95:5となるような割合で混練してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔製の正極集電体の両面にドクターブレード法により塗布した後、乾燥させて、正極集電体の両面に活物質層を形成した。その後、圧縮ローラを用いて圧縮し、短辺の長さが36.5mmの正極極板を作製した。この正極極板は実施例1〜3及び比較例1〜7において共通に使用した。
一方、参考例1及び2において使用する正極極板は別途次のようにして作製した。LiCoO粉末が92質量%、正極導電剤としての炭素材料粉末が3質量%、結着剤としてPVdFが5質量%となるように混合し、NMP溶液と混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔製の正極集電体の両面にドクターブレード法により塗布して、正極集電体の両面に活物質層を形成した。その後、圧縮ローラを用いて圧縮し、短辺の長さが36.5mmの参考例1及び2用の正極極板を作製した。
[負極極板の作製]
黒鉛粉末とスチレンブタジエンゴム(SBR)(スチレン:ブタジエン=1:1)のディスパージョンを水に分散させ、更に、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加して負極活物質合剤スラリーを調製した。なお、この負極活物質合剤スラリーの乾燥質量比は、炭素材料:SBR:CMC=95:3:2となるように調製した。この負極活物質合剤スラリーを厚みが10μmの銅箔製の負極集電体の両面にドクターブレード法により塗布し、乾燥した後、圧縮ローラーで圧縮し、短辺の長さが37.5mmの負極極板を作製した。この負極極板は実施例1〜3、比較例1〜7、参考例1及び2において共通に使用した。
[電解質の作製]
ECとDECとMECを体積比20:30:50(25℃)で混合した混合溶媒を調製し、これにLiPFを1mol/Lとなるように溶解して非水電解液とした。
[セパレータの作製]
ポリエチレン混合物と、無機微粉体と、可塑剤とを混練し、加熱・溶融しながらシート状に成形した後、上記無機微粉体及び可塑剤を抽出除去した後、乾燥させた。この後、延伸の程度を調整して任意の透気度にした樹脂シートを積層することによりセパレータを作製した。
[透気度の測定]
透気度の測定は、東洋精機社製ガーレ式デンソメータを用いて、JIS P−8117に準じて、100mlの空気が通過する時間(秒)を測定した。
[電池の作製]
上記の正極極板及び負極極板を用い、下記表1に示した仕様の透気度を有するセパレータを介在させて巻回することにより渦巻電極体となし、その後に押し潰して偏平状巻回電極体とした。この偏平渦巻状電極体を金属製角形外装缶内に収納した後、上記の非水電解液を注液し、5.5mm×34mm×43mmの角形リチウムイオン二次電池を作製した。なお得られた各電池の設計容量は800mAhである。
[充放電条件]
上述のようにして作製した各種電池について、以下に示した充放電条件下で各種充放電試験を行った。なお、充放電試験は25℃に維持された恒温槽中で行った。
[サイクル特性の測定]
実施例1〜3及び比較例1〜7の電池においては、最初に、各電池について、1It=800mAhの定電流で充電し、電池電圧が4.4Vに達した後は4.4Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電し、その後、1Itの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで放電することを1サイクルとし、1サイクル目の放電容量と300サイクル目の放電容量を求めた。そして、各電池について以下の計算式に基いて300サイクル後の容量維持率(%)を求めた。
容量維持率(%)
=(300サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
また、参考例1及び2の電池においては、最初に、各電池について、1It=800mAhの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電し、その後、1Itの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで放電することを1サイクルとし、1サイクル目の放電容量と300サイクル目の放電容量を求めた。そして、各電池について上記の計算式に基いて300サイクル後の容量維持率(%)を求めた。
[高温充電保存特性の測定]
上述のようにして1サイクル目の容量を測定した各電池について、実施例1〜3及び比較例1〜7の電池においては、1It=800mAhの定電流で充電し、電池電圧が4.4Vに達した後は4.4Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電を行った。また、参考例1及び2の電池においては、1It=800mAhの定電流で充電し、電池電圧が4.2Vに達した後は4.2Vの定電圧で電流値が20mAになるまで充電を行った。その後、全ての電池について60℃の恒温槽内において10日間保存した。10日間保存後に25℃まで冷却した後、1It=800mAの定電流で電池電圧が3.0Vになるまで放電を行い、このときの放電容量と保存前の電池の放電容量(1サイクル目の放電容量)との比を高温充電保存時の容量残存率とした。結果をまとめて表1に示した。
Figure 0004919771
表1に示した結果から、以下のことが分かる。すなわち、実施例1〜3では、300サイクル後の容量残存率及び高温充電保存後の容量残存率はいずれも75%以上となっており、サイクル特性と高温充電保存特性が両立している。これに対し、比較例1〜7では300サイクル後の容量残存率及び高温充電保存後の容量残存率の少なくとも一方が75%未満となっており、サイクル特性と高温充電保存特性が両立できていない。
セパレータの構成が同じである参考例1の電池と比較例3の電池、及び、参考例2の電池と実施例2の電池を比較すると、参考例1及び2の電池では300サイクル後の容量残存率及び高温充電保存後の容量残存率ともに比較例3及び実施例2の電池よりも良好な結果が得られている。したがって、従来の4.2Vで充電する非水電解質二次電池ではセパレータの透気度を正極側と負極側とで変えることの利点はないことが分かる。
また、比較例5の電池と実施例1の電池とを比較すると、セパレータの正極側の層の透気度を250sec/100ml以上にすることにより高温充電保存後の容量残存率を75%以上に向上させることができる。また、実施例2の電池と比較例6の電池とを比較すると、セパレータの正極側の層の透気度が500sec/ml以上になると300サイクル後の容量残存率及び高温充電保存後の容量残存率ともに低下傾向になることから、セパレータの正極側の層の透気度は250sec/100ml以上400sec/100mlが好ましいことが分かる。
更に、比較例7の電池と実施例3の電池とを比較すると、300サイクル後の容量残存率を75%以上とするには、セパレータの負極側の層の透気度を200sec/100ml以下とすることが好ましいことが分かる。また、実施例1ないし2及び比較例2の電池と比較例1の電池を比較すると、セパレータの負極側の層の透気度は60sec/100ml以上であれば300サイクル後の容量残存率が75%以上を期待し得ることから、セパレータの負極側の層の透気度は60sec/100ml以上とすることが好ましいことが分かる。なお、比較例5においては、負極側の層の透気度は100sec/100mlと60sec/100ml以上であるが、正極側の層の透気度が高すぎるのが影響して300サイクル後の容量残存率が低くなったものと考えられる。したがって、リチウム基準で4.4〜5.1Vという高電位で電池の充放電を繰り返す非水電解質二次電池において、セパレータの正極側の層の透気度が250sec/100ml以上400sec/100ml以下であり、かつ、負極側の層の透気度が60sec/100ml以上200sec/100ml以下であれば、サイクル特性と高温充電保存特性の両方に優れていることがわかる。
従来例の角形の非水電解質二次電池を縦方向に切断して示す斜視図である。
符号の説明
10 非水電解質二次電池
11 正極極板
12 負極極板
13 セパレータ
14 巻回電極体
15 電池外装缶
16 封口板
17 絶縁体
18 負極端子
19 集電体
20 絶縁スペーサ
21 電解液注液孔

Claims (2)

  1. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、セパレータと、非水溶媒中に電解質塩を有する非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、
    前記正極活物質の電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vであり、
    前記セパレータはそれぞれ透気度の異なる二層を貼り合わせたものであり、正極側の層の透気度は250sec/100ml以上400sec/100ml以下であり、かつ、負極側の層の透気度は60sec/100ml以上200sec/100ml以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記正極活物質は、LiCoOに少なくともジルコニウムとマグネシウムの両方を含有するリチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有し、少なくともマンガンとニッケルの両方を含有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物とを混合したものであり、前記負極活物質は炭素質材料であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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