JP2014007016A - 非水電解液二次電池用正極および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極および非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量であり、かつ負荷特性および安全性に優れた非水電解液二次電池と、該非水電解液二次電池を構成し得る正極を提供する。
【解決手段】 本発明の非水電解液二次電池用正極は、一般組成式Li1+xMO〔ただし、−0.15≦x≦0.15であり、かつ、Mは、少なくともNi、CoおよびMnを含む3種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、CoおよびMnの割合(mol%)を、それぞれa、bおよびcとしたときに、45≦a≦90、5≦b≦30、5≦c≦30および10≦b+c≦55である。〕で表されるリチウム含有複合酸化物と、アルカリ成分粒子を含有していないか、または吸湿によって生成したアルカリ成分とを含有する正極合剤層を有しており、正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量が7〜20mlである。本発明の非水電解液二次電池は、感圧式の安全手段と、本発明の非水電解液二次電池用正極とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高容量で、大電流放電時の温度上昇が抑制されており、安全性に優れた非水電解液二次電池と、該非水電解液二次電池を構成し得る正極とに関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型軽量で、かつ高容量の非水電解液二次電池が必要とされるようになってきた。
そして、非水電解液二次電池には、その適用機器の広がりなどに伴って、高容量化と共に安全性を高めることが求められている。
非水電解液二次電池の高容量化については、正極活物質の改良が検討されている。例えば、Ni含有量の多いリチウム含有複合酸化物は、従来から汎用されているコバルト酸リチウム(LiCoO)よりも容量が大きいため、これを正極活物質に使用する試みがなされている。
非水電解液二次電池の安全性の確保については、例えば、過充電状態のような異常な状態になった際に生じ得る電池内圧の上昇によって作動する感圧式の安全手段(電流遮断機構やベントなどの防爆手段など)を、外装体に設置することが一般に行われている。正極活物質であるリチウム含有複合酸化物は、通常、合成時の不純物として水酸化リチウムや炭酸リチウムといったアルカリ成分を含有しているが、非水電解液二次電池が過充電状態となると、これらが分解して炭酸ガスや水素ガスが発生し、電池内圧が上昇する。そこで、過充電状態となった電池内でアルカリ成分の分解による電池内圧の上昇を利用して、早期に破裂板などの電流遮断手段を作動させたり、また、早期にベントなどの防爆手段を作動させて上昇した電池内圧を下げることで、電池の熱暴走を防止したりして、非水電解液二次電池の安全性を確保している。
ところが、正極合剤層を形成するスラリー状の正極合剤含有組成物を作製する際、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)をバインダとして用いた場合においては、不純物としてのアルカリ成分(特に水酸化リチウム)が多すぎると、スラリー状の前記正極合剤含有組成物がゲル化してしまう。とりわけ、前述したNi含有量の多いリチウム含有複合酸化物を正極活物質として用いた場合、正極合剤含有組成物のゲル化現象が顕著に現れる。
正極合剤含有組成物のゲル化を抑制するために、合成工程の改良や、水洗などの精製工程を導入してアルカリ成分を減少させる工夫がなされているが、そうするとアルカリ成分の分解による電池内圧の上昇を利用した、過充電状態における感圧式の安全手段が早期に作動しなくなる可能性があり、安全性が十分に確保できない虞がある。
一方、電池が過充電となった際の感圧式の安全手段の作動速度を高めるために、正極活物質が不純物として含有しているアルカリ成分とは別に、正極に比較的正極合剤含有組成物のゲル化を起こしにくい炭酸リチウムを添加することも検討されている(特許文献1)。
特開2008−186792号公報
前記文献で使用する炭酸リチウムは粒子形状であり、反応面が粒子表面に限定されるので反応性は低い。そのため、こうした手法で正極合剤層に炭酸リチウムを含有させた場合には、電池の過充電時における炭酸リチウムの分解速度が遅くなることから、電池の有する感圧式の安全手段を早期に作動させるには、正極合剤層に多量の炭酸リチウム量を添加しなければならない。一方、炭酸リチウムは電池の充放電反応に寄与しない物質であるため、正極への添加量を多くすると、電池の容量の低下を引き起こし、また、特にサイズが比較的大きい粒子状の炭酸リチウムが正極合剤層中に多く存在していると、電池の抵抗値を増大させてしまい、その結果、例えば大電流で放電を行った際に電池の温度上昇を引き起こす虞がある。
こうしたことから、容量の大きな正極活物質を使用して非水電解液二次電池の高容量化を図るにあたっては、過充電時の安全性を高めつつ、大電流放電時の電池温度の上昇も抑制することが求められる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量で、大電流放電時の温度上昇が抑制されており、安全性に優れた非水電解液二次電池と、該非水電解液二次電池を構成し得る正極を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液二次電池用正極の第1の態様は、感圧式の安全手段を有する非水電解液二次電池に使用されるものであって、下記一般組成式(1)
Li1+xMO (1)
〔ただし、前記一般組成式(1)中、−0.15≦x≦0.15であり、かつ、Mは、少なくともNi、CoおよびMnを含む3種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、CoおよびMnの割合(mol%)を、それぞれa、bおよびcとしたときに、45≦a≦90、5≦b≦30、5≦c≦30および10≦b+c≦55である。〕で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を有しており、前記正極合剤層は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、5,000倍の倍率で視野範囲を縦15μm横20μmとして、10箇所の前記視野範囲を観察したときに、粒子径が0.5μm以上のアルカリ成分粒子が存在しておらず、記中和滴定法によって前記正極合剤層の中和に要する塩酸の滴定量が7〜20mlであることを特徴とするものである。
前記中和滴定法:正極から採取した正極合剤層20.0gを計り取り、これを100mlの純水(pHが7であって、電気伝導度が2μS/cm以下の水)に加え、窒素ガスを充満させてから密封し、マグネティックスターラで60分撹拌しながら浸潰させる。これをろ過して得られるろ液25.0mlを計り取り、0.1質量%濃度のメチルオレンジ溶液を数滴加えた後、滴定を続けて、溶液の色が黄色から橙色に変わったとき、これを終点とする。
また、本発明の非水電解液二次電池用正極の第2の態様は、感圧式の安全手段を有する非水電解液二次電池に使用される正極であって、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有し、かつ吸湿によって生成したアルカリ成分を含有する正極合剤層を有しており、前記中和滴定法によって前記正極合剤層の中和に要する塩酸の滴定量が7〜20mlであることを特徴とするものである。
更に、本発明の非水電解液二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水電解液二次電池であって、感圧式の安全手段を有しており、前記正極に、本発明の非水電解液二次電池用正極を使用したことを特徴とするものである。
本発明によれば、高容量で、大電流放電時の温度上昇が抑制されており、安全性に優れた非水電解液二次電池と、該非水電解液二次電池を構成し得る正極を提供することができる。
本発明の非水電解液二次電池の一例を模式的に表す縦断面図である。
本発明の非水電解液二次電池用正極(以下、単に「正極」という場合がある)は、感圧式の安全手段を有する非水電解液二次電池に使用されるものであり、正極活物質、導電助剤、バインダなどを含有する正極合剤層を、例えば、集電体の片面または両面に有する構造を有している。
本発明の正極では、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質に使用する。前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物は、高容量であり、熱安定性に優れていることから、これを正極活物質として使用することで、高容量であり、かつ安全性に優れた非水電解液二次電池を構成可能な正極とすることができる。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物において、Niは、その容量向上に寄与する成分である。
リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、リチウム含有複合酸化物の容量向上を図る観点から、45mol%以上、好ましくは50mol%以上とする。ただし、元素群M中のNiの割合が多すぎると、例えば、CoやMnの量が減って、これらによる効果が小さくなる虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、90mol%以下、好ましくは70mol%以下とする。
また、Coは前記リチウム含有複合酸化物の容量に寄与し、正極合剤層における充填密度向上にも作用する一方で、多すぎるとコスト増大を引き起こしたり、安全性の向上効果を小さくしたりする虞もある。よって、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bは、5mol%以上30mol%以下とする。
また、前記リチウム含有複合酸化物においては、前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Mnの割合cを、5mol%以上30mol%以下とする。前記リチウム含有複合酸化物に前記のような量でMnを含有させ、結晶格子中に必ずMnを存在させることによって、前記リチウム含有複合酸化物の熱的安定性を高めることができ、より安全性の高い電池を構成することが可能となる。
更に、前記リチウム含有複合酸化物において、Coを含有させることによって、電池の充放電でのLiのドープおよび脱ドープに伴うMnの価数変動を抑制し、Mnの平均価数を4価近傍の値に安定させ、充放電の可逆性をより高めることができる。よって、このようなリチウム含有複合酸化物を使用することで、より充放電サイクル特性に優れた電池を構成することが可能となる。
また、前記リチウム含有複合酸化物において、CoとMnとを併用することによる前記の効果を良好に確保する観点から、前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Coの割合bとMnの割合cとの和b+cを、10mol%以上55mol%以下(好ましくは50mol%以下)とする。
なお、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mは、Ni、CoおよびMn以外の元素を含んでいてもよく、例えば、Ti、Cr、Fe、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、Ag、Ta、Nb、B、P、Zr、Ca、Sr、Baなどの元素を含んでいても構わない。ただし、前記リチウム含有複合酸化物において、Ni、CoおよびMnを含有させることによる前記の効果を十分に得るためには、前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときの、Ni、CoおよびMn以外の元素の割合(mol%)の合計をfで表すと、fは、15mol%以下とすることが好ましく、3mol%以下とすることがより好ましい。
例えば、前記リチウム含有複合酸化物において、結晶格子中にAlを存在させると、リチウム含有複合酸化物の結晶構造を安定化させることができ、その熱的安定性を向上させ得るため、より安全性の高い非水電解液二次電池を構成することが可能となる。また、Alがリチウム含有複合酸化物粒子の粒界や表面に存在することで、その経時安定性や電解液との副反応を抑制することができ、より長寿命の非水電解液二次電池を構成することが可能となる。
ただし、Alは充放電容量に関与することができないため、前記リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Alの割合を10mol%以下とすることが好ましい。なお、Alを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Alの割合を0.02mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物において、結晶格子中にMgを存在させると、リチウム含有複合酸化物の結晶構造を安定化させることができ、その熱的安定性を向上させ得るため、より安全性の高い非水電解液二次電池を構成することが可能となる。また、非水電解液二次電池の充放電でのLiのドープおよび脱ドープによって前記リチウム含有複合酸化物の相転移が起こる際、MgがLiサイトに転位することによって不可逆反応を緩和し、前記リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、より充放電サイクル寿命の長い非水電解液二次電池を構成することができるようになる。特に、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、x<0として、リチウム含有複合酸化物をLi欠損な結晶構造とした場合には、Liの代わりにMgがLiサイトに入る形でリチウム含有複合酸化物を形成し、安定な化合物とすることができる。
ただし、Mgは充放電容量への関与が小さいため、前記リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合を10mol%以下とすることが好ましい。なお、Mgを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合を0.02mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物において粒子中にTiを含有させると、LiNiO型の結晶構造において、酸素欠損などの結晶の欠陥部に配置されて結晶構造を安定化させるため、前記リチウム含有複合酸化物の反応の可逆性が高まり、より充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を構成できるようになる。前記の効果を良好に確保するためには、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合を、0.01mol%以上とすることが好ましく、0.1mol%以上とすることがより好ましい。ただし、Tiの含有量が多くなると、Tiは充放電に関与しないために容量低下を引き起こしたり、LiTiOなどの異相を形成しやすくなったりして、特性低下を招く虞がある。よって、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Tiの割合は、10mol%以下とすることが好ましく、5mol%以下とすることがより好ましく、2mol%以下とすることが更に好ましい。
また、前記リチウム含有複合酸化物が、前記一般組成式(1)における元素群Mとして、Ge、Ca、Sr、Ba、B、ZrおよびGaより選ばれる少なくとも1種の元素M’を含有している場合には、それぞれ下記の効果を確保することができる点で好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物がGeを含有している場合には、Liが脱離した後の複合酸化物の結晶構造が安定化するため、充放電での反応の可逆性を高めることができ、より安全性が高く、また、より充放電サイクル特性に優れる非水電解液二次電池を構成することが可能となる。特に、リチウム含有複合酸化物の粒子表面や粒界にGeが存在する場合には、界面でのLiの脱離・挿入における結晶構造の乱れが抑制され、充放電サイクル特性の向上に大きく寄与することができる。
また、前記リチウム含有複合酸化物がCa、Sr、Baなどのアルカリ土類金属を含有している場合には、一次粒子の成長が促進されて前記リチウム含有複合酸化物の結晶性が向上するため、活性点を低減することができ、正極合剤層を形成するための塗料(後述する正極合剤含有組成物)としたときの経時安定性が向上し、非水電解液二次電池の有する非水電解液との不可逆な反応を抑制することができる。更に、これらの元素が、前記リチウム含有複合酸化物の粒子表面や粒界に存在することで、電池内でCOガスが発生しても、これをトラップできるため、より貯蔵性に優れ長寿命の非水電解液二次電池を構成することが可能となる。特に、前記リチウム含有複合酸化物がMnを含有する場合には、一次粒子が成長し難くなる傾向があるため、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属の添加がより有効である。
前記リチウム含有複合酸化物にBを含有させた場合にも、一次粒子の成長が促進されて前記リチウム含有複合酸化物の結晶性が向上するため、活性点を低減することができ、大気中の水分や、正極合剤層の形成に用いるバインダ、電池の有する非水電解液との不可逆な反応を抑制することができる。このため、正極合剤層を形成するための塗料としたときの経時安定性が向上し、電池内でのガス発生をより良好に抑制することができ、より貯蔵性に優れ長寿命の非水電解液二次電池を構成することが可能となる。特に、前記リチウム含有複合酸化物がMnを含有する場合には、一次粒子が成長し難くなる傾向があるため、Bの添加がより有効である。
前記リチウム含有複合酸化物にZrを含有させた場合には、前記リチウム含有複合酸化物の粒子の粒界や表面にZrが存在することにより、前記リチウム含有複合酸化物の電気化学特性を損なうことなく、その表面活性を抑制するため、より貯蔵性に優れ長寿命の非水電解液二次電池を構成することが可能となる。
前記リチウム含有複合酸化物にGaを含有させた場合には、一次粒子の成長が促進されて前記リチウム含有複合酸化物の結晶性が向上するため、活性点を低減することができ、正極合剤層を形成するための塗料としたときの経時安定性が向上し、非水電解液との不可逆な反応を抑制することができる。また、前記リチウム含有複合酸化物の結晶構造内にGaを固溶することにより、結晶格子の層間隔を拡張し、Liの挿入および脱離による格子の膨張収縮の割合を低減することができる。このため、結晶構造の可逆性を高めることができ、より充放電サイクル寿命の高い非水電解液二次電池を構成することが可能となる。特に、前記リチウム含有複合酸化物がMnを含有する場合には、一次粒子が成長し難くなる傾向があるため、Gaの添加がより有効である。
Ge、Ca、Sr、Ba、B、ZrおよびGaより選ばれる元素M’の効果を得られやすくするためには、その割合は、元素群Mの全元素中で0.1mol%以上であることが好ましい。また、これら元素M’の元素群Mの全元素中における割合は、10mol%以下であることが好ましい。
元素群MにおけるNi、CoおよびMn以外の元素は、前記リチウム含有複合酸化物中に均一に分布していてもよく、また、粒子表面などに偏析していてもよい。
また、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群M中のCoの割合bとMnの割合cとの関係をb>cとした場合には、前記リチウム含有複合酸化物の粒子の成長を促して、正極(その正極合剤層)での充填密度が高く、より可逆性の高いリチウム含有複合酸化物とすることができ、かかる正極を用いた電池の容量の更なる向上が期待できる。
他方、リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群M中のCoの割合bとMnの割合cとの関係をb≦cとした場合には、より熱安定性の高いリチウム含有複合酸化物とすることができ、これを用いた電池の安全性の更なる向上が期待できる。
前記の組成を有するリチウム含有複合酸化物は、その真密度が4.55〜4.95g/cmと大きな値になり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。なお、Mnを一定範囲で含むリチウム含有複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、前記のような狭い組成範囲では構造が安定化され、均一性を高めることができるため、例えばLiCoOの真密度に近い大きな値となるものと考えられる。また、リチウム含有複合酸化物の質量当たりの容量を大きくすることができ、可逆性に優れた材料とすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物は、特に化学量論比に近い組成のときに、その真密度が大きくなるが、具体的には、前記一般組成式(1)において、−0.15≦x≦0.15とすることが好ましく、xの値をこのように調整することで、真密度および可逆性を高めることができる。xは、−0.05以上0.05以下であることがより好ましく、この場合には、リチウム含有複合酸化物の真密度を4.6g/cm以上と、より高い値にすることができる。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物は、Li含有化合物(水酸化リチウム・一水和物など)、Ni含有化合物(硫酸ニッケルなど)、Co含有化合物(硫酸コバルトなど)、Mn含有化合物(硫酸マンガンなど)、および元素群Mに含まれるその他の元素を含有する化合物(硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウムなど)を混合し、焼成するなどして製造することができる。また、より高い純度で前記リチウム含有複合酸化物を合成するには、元素群Mに含まれる複数の元素を含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)とLi含有化合物とを混合し、焼成することが好ましい。
焼成条件は、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
また、正極活物質には、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物以外のリチウム含有複合酸化物を、前記一般組成式(1)と共に使用してもよい。前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物と併用し得る他のリチウム含有複合酸化物としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;LiCo1−xNiOなどの層状構造のリチウム含有複合酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を他のリチウム含有複合酸化物と併用する場合には、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物の使用による効果をより良好に確保する観点から、他のリチウム含有複合酸化物の割合は活物質全体の80質量%以下とすることが望ましい。
正極合剤層には、通常、導電助剤およびバインダを含有させる。正極合剤層に係る導電助剤としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などの黒鉛(黒鉛質炭素材料);アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカ−ボンブラック;炭素繊維;などの炭素材料などが挙げられる。正極合剤層に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
本発明の正極における第1の態様は、SEMを用いて前記方法によって観察した場合に、アルカリ成分粒子が存在していない正極合剤層を有しており、前記中和滴定法によって正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量が7〜20mlである。なお、正極合剤層のSEM観察では、正極集電体の両面に正極合剤層を有する場合には、いずれの面の正極合剤層とも、それぞれ10箇所の視野範囲を観察する。
本明細書でいうアルカリ成分粒子とは、正極活物質、バインダおよび導電助剤以外でアルカリ性を示す粒子形状の成分であり、主に水酸化リチウムや炭酸リチウムを指す。アルカリ成分の粒子形状は特に制限はなく、例えば球状、キュービック状、扁平状などの幾何学形状体や、一次粒子が凝集した二次粒子体などが挙げられる。
例えば、正極合剤層を形成するための正極合剤含有組成物中に炭酸リチウムを添加する方法によって正極合剤層にアルカリ成分を含有させる場合、アルカリ成分は粒子形状であり、反応面が粒子表面に限定されるので反応性は低い。そのため、こうした手法で正極合剤層にアルカリ成分を含有させた場合には、電池の過充電時におけるアルカリ成分の分解速度が遅くなることから、電池の有する感圧式の安全手段を早期に作動させるには、正極合剤層に添加するアルカリ成分を多くする必要がある。ところが、アルカリ成分は電池の充放電反応に寄与しない物質であるため、正極合剤層中の含有量を多くすれば、電池の容量を低下させたり、大電流放電時の温度上昇を引き起こしたりする。
これに対し、粒子形状以外のアルカリ成分を含有する正極合剤層を有する正極を使用した場合には、正極合剤層中のアルカリ成分含有量が少なくても、過充電時に感圧式の安全手段が早期に作動し得る非水電解液二次電池を構成できる。よって、本発明の正極の第1の態様では、前記の作用によって、過充電時の安全性を高めつつ、高容量で、大電流放電時の温度上昇が抑制された非水電解液二次電池を構成できる。
正極は、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダー処理を施す工程を経て製造される。ただし、正極の製造方法は、前記の方法に制限される訳ではなく、他の方法であってもよい。
粒子形状以外のアルカリ成分を正極合剤層に導入する方法としては、例えば前述の製造工程を経て作製された正極を、水蒸気含有雰囲気下(例えば、温度が35℃、相対湿度が80%に設定されたチャンバー内など)において一定時間保管し、雰囲気中の水分と正極活物質との反応により、水酸化リチウムや炭酸リチウムなどのアルカリ成分を生成させる手法(吸湿処理)が挙げられる。この手法により生成させたアルカリ成分は、正極活物質表面に微細な形態を有して生成されていると考えられ、粒子形状のアルカリ成分と比較して、その反応性は高く、このような正極を用いれば少量のアルカリ成分でも過充電時に感圧式の安全手段が早期に作動し得る非水電解液二次電池を構成できる。
すなわち、本発明の正極の第2の態様は、前記のような処理による正極合剤層の吸湿によって生成した炭酸リチウムなどのアルカリ成分を含有しており、前記中和滴定法によって正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量が7〜20mlである。本発明の正極の第2の態様に係る正極合剤層の吸湿によって生成したアルカリ成分は、前記の、アルカリ成分粒子とは異なるアルカリ成分に該当する。よって、本発明の正極の第2の態様においても、第1の態様の場合と同様の作用によって、過充電時の安全性を高めつつ、高容量で、大電流放電時の温度上昇が抑制された非水電解液二次電池を構成できる。
アルカリ成分を含有する正極合剤層においては、アルカリ成分の含有量は、電池の過充電時において、感圧式の安全手段の作動性を高める作用を良好に確保する観点から、正極合剤層の中和に必要な塩酸の滴定量で、7ml以上であり、10ml以上であることが好ましい。また、正極合剤層中のアルカリ成分による電池の容量低下や大電流放電時の温度上昇を抑制する観点から、正極合剤層の中和に必要な塩酸の滴定量は、20ml以下であり、14ml以下であることが好ましい。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物をはじめとする各種のリチウム含有複合酸化物は、不純物(未反応の合成原料や合成途中の副生成物)として炭酸リチウムや水酸化リチウムを含有している場合があるが、本明細書でいう「正極合剤層におけるアルカリ成分の含有量」は、これら不純物のアルカリ成分も含む量である。
なお、正極合剤層を吸湿させることでアルカリ成分を含有させる際の条件(吸湿環境の温度、湿度や吸湿時間など)については、正極合剤層における正極活物質の含有するアルカリ成分量に応じて変動する。よって、例えば、正極活物質の含有するアルカリ成分量と、採用する吸湿条件毎の吸湿後のアルカリ成分量(正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量)との関係を予め調べておき、実際に正極合剤層の形成に使用する正極活物質の含有するアルカリ成分量から、前記の関係に基づいて吸湿条件を選択すればよく、これにより、正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量を調節することができる。
一方、予めアルカリ成分量の多い正極活物質〔前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を含む〕を使用して、前記中和滴定法によって正極合剤層を中和するに要する塩酸の滴定量が前記の値となる正極合剤層を有する正極を製造しようとした場合、正極合剤含有組成物がゲル化して集電体への塗布ができず、正極の製造自体ができなくなる。
正極合剤層の厚みは、例えば、集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。また、正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質の量が60〜95質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜15質量%であることが好ましく、導電助剤の量が3〜20質量%であることが好ましい。
集電体には、従来から知られている非水電解液二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、例えば、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好ましい。
本発明の非水電解液二次電池(以下、単に「電池」という場合がある)は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、更に、感圧式の安全手段を有し、かつ正極に本発明の非水電解液二次電池用正極を使用したものである。
本発明の非水電解液二次電池に係る負極には、従来から知られている非水電解液二次電池で採用されている負極と同様のものが使用できる。具体的には、例えば、負極活物質やバインダなどを含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造の負極を使用することができる。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛、膨張黒鉛などの黒鉛材料;ピッチをか焼して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料;フルフリルアルコール樹脂(PFA)やポリパラフェニレン(PPP)およびフェノール樹脂を低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料;などの炭素材料が挙げられる。また、炭素材料の他に、リチウムやリチウム含有化合物も負極活物質として用いることができる。リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金や、Si、Snなどのリチウムとの合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。更にSn酸化物やSi酸化物などの酸化物系材料も用いることができる。
負極合剤層に係るバインダには、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種バインダと同じものが使用できる。
また、負極合剤層には、必要に応じて導電助剤を含有させることもできる。負極合剤層に係る導電助剤には、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種導電助剤と同じものが使用できる。
負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて使用される導電助剤を、NMPや水などの溶剤に分散させてペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を調製し(ただし、バインダは溶剤に溶解していてもよい)、これを集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてカレンダー処理を施す工程を経て製造される。ただし、負極の製造方法は、前記の方法に制限される訳ではなく、他の方法であってもよい。
負極合剤層の厚みは、例えば、集電体の片面あたり30〜80μmであることが好ましい。また、負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質の量が80〜95質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜20質量%であることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、その量が1〜10質量%であることが好ましい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
本発明の電池に係る非水電解液には、通常、非水系溶媒中にリチウム塩を溶解させた溶液が使用される。
非水電解液に係る溶媒には、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ-BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
非水電解液に係る無機イオン塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
非水電解液には、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−クロロ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−ブロモ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−ヨード−4−シクロヘキシルベンゼンなど)を含有するものを使用することが好ましい。
シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体は、アルカリ成分と同様に電池の過充電時に分解してガスを発生させる作用を有している。よって、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有する非水電解液を使用することで、電池の過充電時における感圧式の安全手段の作動性を更に高めることができる。
シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体は、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電池に使用する非水電解液に係るシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の含有量(これらのうちの1種のみを用いる場合は、その含有量であり、2種以上を併用する場合には、それらの合計量である。電池に使用する非水電解液に係るシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の含有量について、以下同じ。)は、これらの使用による前記の効果を良好に確保する観点から、非水電解液の溶媒全量中、1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。
ただし、非水電解液中のシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体は、電池の通常の使用時においても徐々に分解して、正極の抵抗増大やセパレータの目詰まりを引き起こす虞がある。よって、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の使用による前記の問題を回避する観点から、電池に使用する非水電解液におけるシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の含有量は、非水電解液の溶媒全量中、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましい。
また、電池に使用する非水電解液には、充放電サイクル特性の更なる改善や、高温貯蔵性や過充電防止などの安全性を更に向上させる目的で、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、ビニレンカーボネートおよびその誘導体、ハロゲン置換された環状カーボネート(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなど)などの添加剤(これらの誘導体も含む)を適宜加えることもできる。
更に、非水電解液にポリマーなどからなるゲル化剤を添加してゲル状(ゲル状電解質)として使用してもよい。
本発明の電池に係るセパレータには、例えば、大きなイオン透過度および所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以上(例えば100〜140℃)で構成材料の溶融によって孔が閉塞し、抵抗を上げる機能を有するもの(すなわち、シャットダウン機能を有するもの)が好ましい。このようなセパレータの具体例としては、耐有機溶剤性および疎水性を有するポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系ポリマー、またはガラス繊維などの材料で構成されるシート(多孔質シート)、不織布若しくは織布;前記例示のポリオレフィン系ポリマーの微粒子を接着剤で固着した多孔質体;などが挙げられる。セパレータの孔径は、正負極より脱離した正負極の活物質、導電助剤および結着剤などが通過しない程度であることが好ましく、例えば、0.01〜1μmであることが望ましい。セパレータの厚みは、8〜30μmとすることが一般的であるが、本発明の電池では、10〜20μmとすることが好ましい。また、セパレータの空孔率は、構成材料や厚みに応じて決定されるが、30〜80%であることが一般的である。
本発明の正極と、前記の負極とは、前記のセパレータを介して積層した積層電極体や、本発明の正極と前記の負極とを前記のセパレータを介して重ね、更に渦巻状に巻回した巻回電極体の形態で、本発明の電池に使用される。
電池の外装体は、感圧式の安全手段を有するものであればよく、例えば、スチール製やアルミニウム(アルミニウム合金)製の筒形(円筒形や角筒形など)の外装缶、金属を蒸着したラミネートフィルムからなるラミネート外装体などを用いることができる。
図1に、本発明に係る非水電解液二次電池の一例を表す縦断面図を示している。図1に示す非水電解液二次電池は、感圧式の安全手段として、電流遮断機構を含む防爆手段を備えた電池の例である。
図1に示す非水電解液二次電池では、正極1と負極2がセパレータ3を介して渦巻状に巻回され、巻回電極体として非水電解液4と共に電池ケース(外装体)5内に収容されている。なお、図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体などは図示していない。
電池ケース5(例えばステンレス鋼製)の底部には前記巻回電極体の挿入に先立って、絶縁体6(例えばPP)が配置されている。封口板7(例えばアルミニウム製)は円板状をしていて、その中央部に薄肉部7aが設けられ、かつ前記薄肉部7aの周囲に電池内圧を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成している。なお、前記の封口板7に設けた薄肉部7aや防爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすいように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aの溶接部分11も、図面上での理解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示している。
端子板8(例えば、表面にニッケルメッキが施された圧延鋼製)は周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この端子板8にはガス排出口8aが設けられている。防爆弁9(例えばアルミニウム製)は円板状をしており、その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられ、前記突出部9aの下面が、前記のように、封口板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構成している。絶縁パッキング10(例えばPP製)は環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防爆弁9とを絶縁する。環状ガスケット12は例えばPP製で、リード体13(例えばアルミニウム製)は前記封口板7と正極1とを接続し、巻回電極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケース5の底部とはリード体15(例えばニッケル製)で接続されている。
この電池においては、封口板7の薄肉部7aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されているので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分11によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能する。
そして、電池が過充電状態になったり、また、電池が高温にさらされたりするなど、電池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆手段が以下のように作動して、電池の破裂を防止することができるように設計されている。まず、電流遮断機構が、防爆弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変形し、それに伴って溶接部分11で一体化されている薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄肉部7aとの溶接部分11が剥離することで作動して電流が遮断され、続いて、この防爆弁9に設けられている薄肉部9bが開裂することでガスを端子板8のガス排出口8aから電池外部に排出させる。
特に電池が過充電状態になった場合には、正極合剤層の含有するアルカリ成分が分解してガス発生するため、前記の電流遮断機構や防爆手段が、より早期に作動して、電池の熱暴走や破裂が良好に抑制される。
本発明の非水電解液二次電池は、従来から知られている非水電解液二次電池と同様の用途に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
<正極合剤含有スラリーの調製>
PVDFをNMPに溶解して、PVDFの濃度が12質量%のPVDF溶液を調製した。
正極合剤層形成用スラリーの調製には、二軸混練押出機(栗本鉄工所製「KRCニーダ」)を使用した。二軸混練押出機の吐出口側から、前記PVDF溶液を投入したホッパー、定量フィーダの順に配置されており、二軸混練押出機内には、正極活物質および導電助剤、前記PVDF溶液の順に投入できるようにした。正極活物質である平均粒子径が15μmのLiNi0.5Co0.17Mn0.3Mg0.03:94.6質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:4.0質量部とを、粉体供給装置である定量フィーダ内に投入し、また、前記PVDF溶液を11.7質量部(PVDFのスラリー固形分中の比率が1.4質量%)、それぞれの定量ポンプ付きホッパーに投入した。なお、粉体と前記溶解可能なポリマー溶液が混練されるときのスラリーの固形分濃度(溶媒を除く成分の濃度)が92.2質量%となるようにした。
このような所定量比に調整した材料を、単位時間あたり所定の投入量となるように制御しつつ二軸混練押出機に投入し、回転数:100rpm、温度:32℃で混練を行って、ペースト状の混練物を得た。そして、得られた混練物をプラネタリーミキサー(特殊機化工業社製「TKハイビスディスパーミックス」)内に投入し、NMPを加えて混合し、塗布に適した粘度の正極合剤含有スラリー(溶媒を除く固形分濃度が83質量%)を調製した。
<正極の作製>
前記の正極合剤含有スラリーを、70メッシュの厚みを通過させて粗大なものを除去した後、厚みが20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、更にプレス処理を行って、集電体の両面に、厚み(集電体の片面あたりの厚み)が56μmの正極合剤層を有する正極を作製した。この正極を、幅55mmおよび長さ886mmになるように切断した。
<正極のアルカリ成分導入処理>
前記正極を、温度35℃、相対湿度80%の恒温槽内に48時間設置した。その後、得られた正極の正極合剤層について、前記の手法により中和滴定を行った。中和滴定に要した塩酸の滴定量を表1に示す。
<正極のSEM観察>
前記正極の正極合剤層を、SEMを用いて、5,000倍の倍率で視野範囲を縦15μm横20μmとして観察した。観察ポイントは、正極のいずれの面の正極合剤層ともランダムに10箇所ずつとした。その中から、平均粒子径が15μmの正極活物質と、一次粒子径が約30nmのアセチレンブラック以外で、粒子径が0.5μm以上の粒子をアルカリ成分粒子とみなし(計測はJIS1級の金尺で実施)、更に元素マッピングすることで、その粒子がNi、Co、MnおよびC以外の物質であることを調べて、アルカリ成分粒子の存在を確認した。
<負極の作製>
天然黒鉛:97.5質量%、SBR:1.5質量%、およびカルボキシメチルセルロース(増粘剤):1質量%を、水を用いて混合して負極合剤含有用スラリーを調製した。この負極合剤含有スラリーを、集電体である銅箔(厚み:10μm)の両面に塗布し、120℃で12時間真空乾燥を施し、更にプレス処理を施して、集電体の両面に、厚み(集電体の片面あたりの厚み)が62μmの負極合剤層を有する負極を作製した。この負極を、幅57mmおよび長さ1025mmになるように切断した。
<電極体の作製>
前記の正極(合剤層未形成部)に正極リードを、負極に負極リードをそれぞれ溶接した。リードを溶接したこれら正極および負極を、セパレータ(厚みが14μmで、透気度が300秒/100cmのポリエチレン製多孔膜)を介して重ね合わせ、渦巻状に巻回して巻回電極体を作製した。
<非水電解液の調製>
メチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(体積比 2:1:3)に、1.2mol/lの濃度でLiPFを溶解し、これにビニレンカーボネート(VC)2質量%とビニルエチレンカーボネート(V−EC)0.5質量%とシクロヘキシルベンゼン(CB2.0質量%を加えて非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記の巻回電極体を、円筒形の電池ケース5内に挿入し、負極リード体15を電池ケース5の底部に溶接した。端子板8、防爆弁9、絶縁パッキング10およびガスケット12と一体化した封口板7に、正極リード体13を溶接した。その後、前記非水電解液を電池ケース5内に注入して、端子板8を、ガスケット12を介して電池ケース5とかしめて封口し、図1に示す構成で、外径18mm、高さ65mmの円筒形の非水電解液二次電池を作製した。
<電池の容量測定>
実施例1の非水電解液二次電池について、0.75Aの定電流および電圧4.2Vの定電圧による定電流−定電圧充電(総充電時間:2.5時間)を行った後、1.5Aで定電流放電(放電終止電圧:2.5V)を行い、初期放電容量を測定した。
<大電流放電時の電池表面温度評価>
実施例1の非水電解液二次電池について、電池の容量測定時と同じ条件で定電流−定電圧充電を行った後、25A(放電レートは約16C)で定電流放電(放電終止電圧:2.0V)を行って大電流放電を行った。放電終止電圧に到達したときの電池の側面の表面温度を熱電対で測定した。
<過充電試験>
実施例1の非水電解液二次電池について、1.5Aの定電流で15Vになるまで充電し、防爆弁の作動の有無を調べた。
実施例2〜8、比較例1〜2
吸湿処理時間またはCBの濃度を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製し、実施例1の非水電解液二次電池と同様の評価を行った。
比較例3〜4
実施例1で調製したペースト状の混練物をプラネタリーミキサー内に投入し、NMPを加えて混合し、更に炭酸リチウム(平均粒子径3μm)を表1に示す量で添加し、塗布に適した粘度の正極合剤含有スラリー(溶媒を除く固形分濃度が83質量%)を調製した。以下、実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製し、実施例1の非水電解液二次電池と同様の評価を行った。
実施例および比較例の各非水電解液二次電池に使用した正極の構成、正極に係る正極合剤層の吸湿処理条件、および非水電解液におけるCB添加量を表1に示し、実施例および比較例の各非水電解液二次電池の評価結果を表2に示す。なお、表2では、非水電解液二次電池の過充電試験時に、防爆弁が作動した場合を「○」で示し、作動しなかった場合を「×」で示す。
Figure 2014007016
Figure 2014007016
表1に示す通り、実施例1〜8の非水電解液二次電池は、初期容量が高く、大電流放電をしても電池の表面温度の上昇が抑えられていると共に、過充電試験においても発火がなく、良好な安全性を示している。
これに対し、比較例1の電池は、正極合剤層へのアルカリ成分導入処理を施しておらず、正極合剤層を中和するに要した塩酸量が少なすぎるため、過充電試験において、CBの添加効果やPTCの作動により、発火こそ認められなかったものの、防爆弁は作動せず、安全性のマージンが十分とは言い難い結果となった。また、比較例2の電池は、過充電試験において防爆弁の作動は認められ安全性の確保はできた一方、初期容量が実施例の電池よりやや劣っている。更に、比較例3の電池は、実施例で最もアルカリ成分量の高い実施例4の電池と同量のアルカリ成分粒子を正極合剤層に導入した正極を備えているものの、過充電試験において防爆弁が作動していない。また、更に多くのアルカリ成分粒子を導入した正極合剤層を有する正極を備えた比較例4の電池は、防爆弁の作動は認められたものの、初期容量が大幅に低下しており、大電流放電時の電池表面温度の上昇が大きい。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
7 封口板
7a 封口板の薄肉部
8 端子板
8a 端子板のガス排出口
9 防爆弁
9a 防爆弁の突出部
9b 防爆弁の薄肉部

Claims (6)

  1. 感圧式の安全手段を有する非水電解液二次電池に使用される正極であって、
    下記一般組成式(1)
    Li1+xMO (1)
    〔ただし、前記一般組成式(1)中、−0.15≦x≦0.15であり、かつ、Mは、少なくともNi、CoおよびMnを含む3種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、CoおよびMnの割合(mol%)を、それぞれa、bおよびcとしたときに、45≦a≦90、5≦b≦30、5≦c≦30および10≦b+c≦55である。〕
    で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を有しており、
    前記正極合剤層は、走査型電子顕微鏡を用いて、5,000倍の倍率で視野範囲を縦15μm横20μmとして、10箇所の前記視野範囲を観察したときに、粒子径が0.5μm以上のアルカリ成分粒子が存在しておらず、
    下記中和滴定法によって前記正極合剤層の中和に要する塩酸の滴定量が7〜20mlであることを特徴とする非水電解液二次電池用正極。
    前記中和滴定法:
    正極から採取した正極合剤層20.0gを計り取り、これを100mlの純水に加え、窒素ガスを充満させてから密封し、マグネティックスターラで60分撹拌しながら浸潰させる。これをろ過して得られるろ液25.0mlを計り取り、0.1質量%濃度のメチルオレンジ溶液を数滴加えた後、マグネティックスターラで撹拌しながら、0.02mol/lの塩酸を間欠滴定し、溶液の色が黄色から橙色に変わったとき、これを終点とする。
  2. 正極合剤層は、吸湿によって生成したアルカリ成分を含有している請求項1に記載の非水電解液二次電池用正極。
  3. 感圧式の安全手段を有する非水電解液二次電池に使用される正極であって、
    下記一般組成式(1)
    Li1+xMO (1)
    〔ただし、前記一般組成式(1)中、−0.15≦x≦0.15であり、かつ、Mは、少なくともNi、CoおよびMnを含む3種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、CoおよびMnの割合(mol%)を、それぞれa、bおよびcとしたときに、45≦a≦90、5≦b≦30、5≦c≦30および10≦b+c≦55である。〕
    で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有し、かつ吸湿によって生成したアルカリ成分を含有する正極合剤層を有しており、
    下記中和滴定法によって前記正極合剤層の中和に要する塩酸の滴定量が7〜20mlであることを特徴とする非水電解液二次電池用正極。
    前記中和滴定法:
    正極から採取した正極合剤層20.0gを計り取り、これを100mlの純水に加え、窒素ガスを充満させてから密封し、マグネティックスターラで60分撹拌しながら浸潰させる。これをろ過して得られるろ液25.0mlを計り取り、0.1質量%濃度のメチルオレンジ溶液を数滴加えた後、マグネティックスターラで撹拌しながら、0.02mol/lの塩酸を間欠滴定し、溶液の色が黄色から橙色に変わったとき、これを終点とする。
  4. 正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有する非水電解液二次電池であって、
    感圧式の安全手段を有しており、
    前記正極に、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液二次電池用正極を使用したことを特徴とする非水電解液二次電池。
  5. シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有する非水電解液を使用した請求項4に記載の非水電解液二次電池。
  6. シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を、非水電解液の溶媒の全量中1.0〜3.0質量%の量で含有する非水電解液を使用した請求項5に記載の非水電解液二次電池。
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