JP3619702B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関するものであり、より詳細には、正極または負極に用いられる活物質材料が改良されたリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム二次電池の開発が盛んに行われている。リチウム二次電池は、用いられる電極活物質により、充放電電圧、充放電サイクル寿命特性、保存特性などの電池特性が大きく左右されることが知られている。例えば、TiS等の硫化物系の正極活物質を用いると、該活物質中にはフリーの硫黄が存在するため、それが負極と反応し、電池電圧の低下を引き起こすことが知られている。これを改善する方法として、特開昭60−175371号公報では、硫黄と反応し易い銅などの金属粉末を正極に添加する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、TiSを正極活物質として用いると、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった(Lawrence P.Klemann, J.Electrochem. soc, 128, No.1 (1981) 13−18)。
【0004】
本発明の目的は、上記の問題を解消することにあり、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウム二次電池は、正極と負極と非水電解質を備えるリチウム二次電池であり、組成がMTi1−X (式中、MはCu、Zn、Cr、Mn、Co及びNiの少なくとも1種であり、X及びYはそれぞれ0<X≦0.18及び1.65≦Y≦2.25を満足する値である。)で示される複合硫化物またはこれにLiを含有させた複合硫化物を正極または負極の活物質として用いることを特徴としている。
【0006】
本発明によれば、チタン硫化物の結晶格子中に、金属元素M(Cu、Zn、Cr、Mn、Co及びNiの少なくとも1種)が含有されることにより、活物質の結晶構造が安定化される。このため、これを正極または負極の活物質として用いた場合、リチウム二次電池の充放電サイクル特性を向上させることができる。
【0007】
本発明において用いている金属元素Mは、いずれもSと安定な化合物を形成することが知られており、その分解温度は1000℃以上であることが知られている(例えば、Binary Alloy Phase Diagrams, (1986), American Society for MetalsのM−S二元状態図を参照)。従って、これらの金属元素MはSとの間に比較的強い化学結合力が働き、TiS相の結晶格子の一部を占有し、その結晶構造を安定にする。従って、Sと化合物を形成する他の元素、例えば、Cd、In、La、Ce、Sm、W及びPtなどについても、本発明と同様にチタン硫化物中に固溶させることにより、充放電サイクル寿命特性を向上させる効果が期待できる。
【0008】
本発明においては、上記複合硫化物中の組成における金属元素Mの組成比Xを0.18以下に限定している。これは、金属元素Mがこれ以上に含有されると、金属元素Mを主体とする単体相もしくは硫化物相の析出によりサイクル寿命特性向上の効果が低下するおそれがあるからである。
【0009】
本発明において、正極または負極の活物質として用いられる上記複合硫化物は、TiSと類似の層状の結晶構造を有するものである。このような結晶構造は、X線回折(XRD)により確認することができる。
【0010】
本発明のリチウム二次電池の電解質の溶媒としては、リチウム二次電池の非水電解質の溶媒として一般的に用いられてるものを用いることができ、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネートとジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示される。また、上記環状カーボネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒との混合溶媒も例示される。また、溶質としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSOなどまたはそれらの混合物が例示される。さらに、電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質やLiI、LiNなどの無機固体電解質が例示される。
【0011】
本発明において用いる非水電解質は、イオン導電性を発現させる溶質としてのLi化合物を含み、溶質を溶解・保持する溶媒が電池の充電時や放電時または保存時において電圧によって分解しない限り、制約なく用いることができる。
【0012】
本発明において、上記チタン複合硫化物を正極活物質として用いる場合、負極活物質としては、Liを電気化学的に吸蔵・放出できる黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、コークス、有機物焼成体などの炭素材料や、Li−Al合金、Li−Mg合金、Li−In合金、Li−Al−Mn合金などのLi合金及びLi金属などを用いることができる。この場合、その充電電圧は約2.8Vとなり、放電電圧は約1.8Vとなる。上記負極活物質の中でも、炭素材料を負極活物質として用いた場合に、サイクル寿命特性の向上においてより大きな効果を得ることができる。これは、炭素材料を用いた場合、Li合金及びLi金属のように内部短絡の原因となる充放電に伴う樹枝状のデンドライト結晶成長が生じないこと、及び電解液に微量に溶解したイオウが負極のLi金属またはLi合金中のLiと反応して、不活性化の原因となるLi−S二元合金状態図に示されるLiS(例えば、Binary Alloy Phase Diagrams, Vol.2, p1500 (1986), American Society for Metals を参照)のような化合物を負極の表面に形成するおそれがないことによる。
【0013】
本発明において、上記チタン複合硫化物を負極活物質として用いる場合、正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、Li含有MnO、LiCo0.5 Ni0.5 、LiNi0.7 Co0.2 Mn0.1 、LiCo0.9 Ti0.1 、LiCo0.5 Ni0.4 Zr0.1 などのLi含有遷移金属複合酸化物を用いることができる。この場合、充電電圧は約2.3Vとなり、放電電圧は約1.3Vとなる。なお、これらの電池は、電池組み立て時に放電状態にあり、初回、電池を充電することにより、すなわち正極活物質中のLiを負極活物質中に移動させることにより放電可能な状態となるものである。このようにチタン複合硫化物を負極活物質として用いることにより、充放電サイクル寿命特性の向上において、さらに大きな効果を得ることができる。これは、充電電圧が低いため電解質の分解が抑制されるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0015】
(実施例1)
まず、正極に本発明における活物質材料であるM0.1 Ti0.9 (MはCu、Zn、Cr、Mn、Co及びNi)を用い、負極活物質として天然黒鉛を用いた扁平円盤型の電池を作製し、その充放電サイクル寿命を測定した。ここでは、複合化する金属元素Mを変えて充放電サイクル寿命への影響を検討した。
【0016】
〔正極の作製〕
出発原料として純度99.9%のCu、Ti、及びSの各試薬を、Cu:Ti:Sの原子比が0.1:0.9:2になるように秤量後、乳鉢で混合して直径17mmの金型を用い115kg/cmでプレス加圧成形した後、アルゴンガス雰囲気下において300℃で36時間焼成し、さらに600℃で48時間焼成し、Cu0.1 Ti0.9 の焼成体を得た。これを乳鉢で平均粒径10μmまで粉砕した。
【0017】
このCu0.1 Ti0.9 の粉末を85重量部、導電剤としての炭素粉末を10重量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン粉末を5重量部となるよう混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)溶液と混合してスラリーを調製した。
【0018】
このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム製の集電体の片面にドクターブレード法により塗布して活物質層を形成した後、150℃で乾燥して打ち抜き、直径が10mm、厚みが約100μmの円盤状の正極を作製した。
【0019】
〔正極へのLiの挿入〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPFを1mol/リットル溶解した電解液を準備し、この電解液中に、得られた正極とLi金属とをポリプロピレン製微多孔膜を介した状態で浸漬し、100μAの定電流で1.5V vs.Li/Liまで電解して、正極にLiを挿入した。このLiを挿入した電極を以下の電池作製に供した。
【0020】
〔負極の作製〕
天然黒鉛粉末95重量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末5重量部を混合し、これをNMP溶液に添加してスラリーを調製した。このスラリーを、厚さ20μmの銅製の集電体の片面にドクターブレード法により塗布して、活物質層を形成した後、150℃で乾燥して打ち抜き、直径が10mm、厚みが約60μmの円盤状の負極を作製した。得られた負極を、以下の電池の作製に供した。
【0021】
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPFを1mol/リットル溶解して電解液とし、これを以下の電池の作製に供した。
【0022】
〔電池の作製〕
上記の正極、負極及び電解液を用いて、図1に示す実施例1の扁平型リチウム二次電池A1を作製した。図1は、本実施例のリチウム二次電池の構造を示す断面図である。図1に示すように、正極1と負極7は、セパレータ8を介して対向している。セパレータ8としては、ポリプロピレン製微多孔膜を用いた。正極1、負極7及びセパレータ8は、正極缶3及び負極缶5から形成される電池ケース内に収納されている。正極1は正極集電体2を介して正極缶3に接続されており、負極7は負極集電体6を介して負極缶5に接続されている。正極缶3と負極缶5は、外周部においてポリプロピレン製の絶縁パッキング4により絶縁されている。以上のようにして、二次電池として充電及び放電が可能な構造となっている。
【0023】
さらに、充放電サイクル寿命への金属元素Mの影響を検討するため、〔正極の作製〕における出発原料としてCuに代えて、Zn、Cr、Mn、Co及びNiを用い、それ以外は上記と同様にして、実施例1に係る電池A2、A3、A4、A5、及びA6を作製した。
【0024】
(比較例1)
正極活物質としてTiSを用いる以外は、上記実施例1と同様にして比較例1に係る扁平円盤型電池B1を作製した。
【0025】
さらに、TiS100重量部に対し平均粒径5μmの銅粉5重量部を混合したもの(特開昭和60−175371号公報で開示されている活物質)を正極活物質に用いる以外は、上記実施例1と同様にして比較例1に係る扁平円盤型電池B2を作製した。
【0026】
〔充放電サイクル寿命特性の測定〕
各電池を、25℃において、電流値100μAで2.6Vまで充電した後、電流値100μAで1.5Vまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。各電池の1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比を容量維持率とした。結果を表1に示す。
【0027】
なお、実施例1に係る電池A1〜A6の放電電圧は平均で約1.8Vであり、初期容量は2.4〜2.6mAhであった。また、比較例1の電池B1及び電池B2の放電電圧は1.8Vであり、初期容量は2.0〜2.2mAhであった。
【0028】
【表1】
Figure 0003619702
【0029】
表1から明らかなように、本発明に従う電池A1〜A6は、容量維持率において比較例の電池B1及びB2よりも高い値を示している。従って、充放電サイクル寿命特性において優れていることがわかる。
【0030】
(実施例2)
正極活物質として、Cu0.1 Ti0.9 を用い、負極活物質としてLi金属及びLi−Al合金(Li20.6重量部、Al79.4重量部)を用い、実施例2に係る扁平円盤型電池A7及びA8を作製し、その充放電サイクル寿命を測定した。
【0031】
実施例1と同様にして、〔正極の作製〕、〔電解液の作製〕及び〔電池の作製〕を行ったが、〔正極へのLiの挿入〕は行っていない。また、負極の作製及び充放電サイクル寿命特性の測定は以下のようにして行った。
【0032】
〔負極の作製〕
Li金属及びLi−Al合金のシートをアルゴン雰囲気中でそれぞれ直径10mm、厚み1.0mmに打ち抜き加工して円盤状の負極を作製し、これを電池の作製に供した。
【0033】
(比較例2)
正極活物質としてTiS100重量部に対し平均粒径5μmの銅粉5重量部を混合したもの(特開昭和60−175371号公報で開示されている活物質)を用いる以外は、上記実施例2と同様にして比較例2に係る扁平円盤型電池B3及びB4を作製した。
【0034】
〔充放電サイクル寿命特性の測定〕
各電池を、25℃において、電流値100μAで1.5Vまで放電した。その後、電流値100μAで2.8Vまで充電した後、電流値100μAで1.5Vまで放電し、これを1サイクル目とした。
【0035】
以降、電流値100μAで2.8Vまで充電した後、電流値100μAで1.5Vまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。各電池の1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比を容量維持率とした。結果を表2に示す。
【0036】
なお、電池A7の放電電圧は1.8V、電池A8の放電電圧は1.4Vであった。また、初期容量は、電池A7及びA8ともに2.4mAhであった。比較例の電池B3及びB4の放電電圧は、ともに1.8Vであり、初期容量はともに2.0〜2.2mAhであった。
【0037】
【表2】
Figure 0003619702
【0038】
表2の結果から明らかなように、本発明に従う電池A7及びA8は、比較例の電池B3及びB4に比べ、高い容量維持率を示しており、優れた充放電サイクル寿命特性を有することが確認された。
【0039】
また、表1の結果と比較すると、負極活物質として黒鉛を用いた場合の方が容量維持率が大きくなっていることがわかる。これは、炭素材料を負極活物質とした場合、Li合金及びLi金属のように内部短絡の原因となる充放電に伴う樹枝状のデンドライト結晶成長が生じないことに加えて、電解液に微量に溶解したSが負極のLi金属もしくはLi合金中のLiと反応して、不活性化の原因となるLiSのような化合物を負極表面に形成しなかったためと考えられる。
【0040】
(実施例3)
負極活物質として、Cu0.1 Ti0.9 を用い、正極活物質として、Li含有遷移金属化合物であるLiCoO、LiNiO及びLiMn(例えば、T.Ohzuku, A.Ueda, Solid State Ionics, 69, p201 (1994) を参照)を用い、実施例3に係る扁平円盤型電池A9、A10及びA11を作製し、その充放電サイクル寿命を測定した。
【0041】
負極の作製については、実施例1の〔正極の作製〕において、集電体の材質を銅に代える以外は同様にして、Cu0.1 Ti0.9 を負極活物質とした負極を作製した。〔電解液の作製〕及び〔電池の作製〕は実施例1と同様であるが、ここでは、〔正極へのLiの挿入〕は行っていない。また、正極の作製及び充放電サイクル寿命特性の測定は以下のように行った。
【0042】
〔正極の作製〕
出発原料としてLiCO及びCoCOを用いてLi、Coの原子比が1:1になるように秤量して乳鉢で混合し、空気中において800℃で24時間焼成し、LiCoOの焼成体を得た。これを乳鉢で平均粒径10μmまで粉砕し正極活物質試料とした。
【0043】
このLiCoO粉末85重量部、導電剤としての炭素粉末10重量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン粉末5重量部を混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)溶液と混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム製の集電体の片面にドクターブレード法により塗布して活物質層を形成した後、150℃で乾燥して打ち抜き、厚みが約80μmの円盤状の正極を作製した。
【0044】
LiNiOについては、出発原料として、LiNO及びNiOを用いてLi、Niの原子比が1:1となるように秤量して乳鉢で混合し、酸素雰囲気下において700℃で48時間焼成してLiNiOの焼成体を得、これを上記と同様に粉砕し、上記と同様にスラリーを調製して、これを活物質とする正極を作製した。
【0045】
LiMnについては、出発原料として、LiOH・HO及びMnOを用いて、Li、Mnの原子比が1:2となるように秤量して乳鉢で混合し、これを空気中において650℃で48時間焼成してLiMnの焼成体を得、上記と同様に粉砕し、これを用いて上記と同様にスラリーを調製して、これを活物質とする正極を作製した。
【0046】
〔充放電サイクル寿命特性の測定〕
各電池を、25℃において、電流値100μAで2.8Vまで充電した。その後、電流値100μAで0.5Vまで放電し、これを1サイクル目とした。以降、電流値100μAで2.0Vまで充電した後、電流値100μAで0.5Vまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。各電池の1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の比を容量維持率とした。結果を表3に示す。
【0047】
なお、電池A9、A10及びA11の放電電圧は平均で1.2〜1.4Vであり、初期容量は2.4mAhであった。
【0048】
【表3】
Figure 0003619702
【0049】
表3から明らかなように、負極活物質として本発明のチタン複合硫化物を用い、正極にLi含有遷移金属複合酸化物を用いた場合、その容量維持率は、90〜96%であり、優れた充放電サイクル寿命特性を示すことが確認された。
【0050】
(実施例4及び比較例3)
正極活物質として本発明の複合硫化物であるCuTi1−X を用い、負極活物質として天然黒鉛を用いた扁平円盤型電池において、複合化する金属元素Cuの組成比Xを変えて充放電サイクル寿命に与える影響を検討した。Cu:Tiの原子比を変える以外は、実施例1と同様にして、活物質としてのCu0.01Ti0.99,Cu0.02Ti0.98,Cu0.04Ti0.96,Cu0.08Ti0.92,Cu0.12Ti0.88,Cu0.17Ti0.83、及びCu0.18Ti0.82を作製した。これらをそれぞれ正極活物質とし、天然黒鉛を負極活物質とした実施例4に係る扁平円盤型電池A12、A13、A14、A15、A16、A17及びA18を作製した。また、Cu:Tiの原子比を変えてCu0.19Ti0.81及びCu0.2 Ti0.8 を作製し、これらを正極活物質として用いた比較例3に係る扁平円盤型電池B5及びB6を作製した。
【0051】
これらの電池の容量維持率を実施例1と同様にして測定した。結果を図2に示す。なお、各電池の放電電圧は平均で1.8Vであり、初期容量は2.2〜2.6mAhであった。
【0052】
図2に示すように、Cuの組成比Xが0.18以下の場合に、高い容量維持率が得られている。これは、組成比Xが0.18以下であれば、Cuの単体相もしくはCuの硫化物相が析出することなく、結晶格子中に金属元素Cuが含有され、結晶構造の安定化の効果が得られたためと考えられる。
特にCuの組成比Xが0.01≦X≦0.18の範囲にあるときは、容量維持率が82〜90%の範囲内であり優れたサイクル寿命特性を示している。
【0053】
(実施例5及び比較例4)
本発明の複合硫化物であるCu0.1 Ti0.9 を正極活物質として用い、負極活物質として天然黒鉛を用いた扁平円盤型電池において、Sの組成比Yを変えて充放電サイクル寿命への影響を検討した。添加するSの原子比を変える以外は、実施例1と同様にして、活物質としてのCu0.1 Ti0.9 1.65、Cu0.1 Ti0.9 1.7 ,Cu0.1 Ti0.9 1.8 ,Cu0.1 Ti0.9 2.2 及びCu0.1 Ti0.9 2.25を作製した。これらをそれぞれ正極活物質とし、天然黒鉛を負極活物質とした実施例5に係る扁平円盤型電池A19、A20、A21、A22及びA23を作製した。また、Cu0.1 Ti0.9 1.5 ,Cu0.1 Ti0.9 1.6 ,Cu0.1 Ti0.9 2.3 及びCu0.1 Ti0.9 2.4 を作製し、これらを正極活物質として用いた比較例4に係る扁平円盤型電池B7、B8、B9及びB10を作製した。
【0054】
これらの電池の容量維持率を実施例1と同様にして測定した。結果を図3に示す。なお、各電池の放電電圧は平均で1.8Vであり、初期容量は2.2〜2.7mAhであった。
【0055】
図3から明らかなように、Sの組成比(量論比)Yが1.65≦Y≦2.25の範囲内にあるときに、高い容量維持率が得られており、優れたサイクル寿命特性を示している。特に、Sの組成比Yが1.7≦Y≦2.2の範囲内のとき、87〜90%の良好な容量維持率を示している。
【0056】
Sの組成比Yが1.65≦Y≦2.25の範囲にあれば、Liイオンと化学的に電気化学反応し活物質として機能するTiS相が、Ti−S二元状態図に示されるように安定して存在し、TiやSあるいはCu単体が析出することなく、TiS相の結晶格子中にCuが含有され、高い結晶構造の安定化効果が得られていると考えられる。
【0057】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池においては、正極または負極の活物質として、MTi1−X で表される複合硫化物もしくはこれにLiを含有させた複合硫化物を用いている。このような活物質を用いることにより、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。従って、このようなリチウム二次電池を用いることにより、これを駆動源とする機器の信頼性を高めることができる。
【0058】
本発明の電極活物質材料を、リチウム二次電池用の活物質として用いることにより、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例の扁平型リチウム二次電池の構造を示す断面図。
【図2】CuTi1−X におけるCuの組成比Xとこれを活物質として用いた電池における容量維持率との関係を示す図。
【図3】Cu0.1 Ti0.9 におけるSの組成比(量論比)Yとこれを活物質として用いた電池における容量維持率との関係を示す図。
【符号の説明】
1…正極
2…正極集電体
3…正極缶
4…絶縁パッキング
5…負極缶
6…負極集電体
7…負極
8…セパレータ

Claims (5)

  1. 正極と負極と非水電解質を備えるリチウム二次電池において、組成がMTi1−X (式中、MはCu、Zn、Cr、Mn、Co及びNiの少なくとも1種であり、X及びYはそれぞれ0<X≦0.18及び1.65≦Y≦2.25を満足する値である。)で示される複合硫化物またはこれにLiを含有させた複合硫化物を正極または負極の活物質として用いることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 上記組成式におけるXが0.01≦X≦0.18を満足する値であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 正極活物質が請求項1または2に記載された複合硫化物であり、負極活物質が炭素材料もしくは炭素材料にLiを含有させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 正極活物質がLi含有遷移金属酸化物であり、負極活物質が請求項1に記載の複合硫化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  5. リチウム二次電池用電極活物質材料であって、組成がMTi1−X (式中、MはCu、Zn、Cr、Mn、Co及びNiの少なくとも1種であり、X及びYはそれぞれ0<X≦0.18及び1.65≦Y≦2.25を満足する値である。)で示される複合硫化物またはこれにLiを含有させた複合硫化物であることを特徴とするリチウム二次電池用電極活物質材料。
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