JP3984184B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物、炭素材料などを負極活物質に用いた非水電解質二次電池は、高エネルギー密度電池として期待され、盛んに研究開発が進められている。これまでに、正極活物質としては、LiCoO2、LiMn24などを用い、負極活物質としてはリチウムを吸蔵・放出する炭素材料を用いたリチウムイオン電池が広く実用化されている。
【0003】
一方、リチウム合金を負極に用いた二次電池としては、例えば、特開平9−63651号公報に開示されたものなどがある。
【0004】
この特開平9−63651号公報には、結晶構造がCaF2型構造、ZnS型構造及びAlLiSi型構造のいずれかからなり、かつ4B族元素、P及びSbのうちの少なくとも一種類の元素を含む金属間化合物を負極に用いることにより、金属間化合物の格子間空隙率を広げ、Liの固体内拡散及びLi吸蔵量を良好にし、二次電池の充放電サイクル寿命を向上させることが記載されている。また、CaF2型構造、ZnS型構造及びAlLiSi型構造の結晶構造が得られる金属間化合物の組成は、前記公開公報の段落[0046]の表1に示されている通り一義的に定まり、例えば、結晶構造がCaF2型構造であるMg2SiのSi原子比が0.33から外れると、CaF2型構造とは異なる結晶構造になる。よって、特開平9−63651号公報には、本願発明で用いる合金組成が記載されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−63651号公報(特許請求の範囲、段落[0039]、段落[0041]、段落[0046])
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放電容量が高く、かつ充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極と、下記(1)式で表されると共にリチウムイオンを吸蔵・放出する合金を含む負極と、非水電解質とを具備することを特徴とするものである。
【0008】
Mg1- x (1)
但し、xは0<x≦0.3を示し、Mは、Al、Zn、Ag、Ni、Cu及びThよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態について説明する。この非水電解質二次電池は、正極と、下記(1)式で表される合金を含む負極と、前記正極及び前記負極の間に配置されるセパレータと、非水電解質とを具備する。
【0010】
Mg1- x (1)
但し、xは0<x≦0.3を示し、Mは、Al、Zn、Ag、Ni、Cu及びThよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である
【0011】
以下、正極、負極、セパレータ及び非水電解質について説明する。
【0012】
1)負極
この負極は、前述した(1)式で表される合金を含む負極活物質を備える。
【0013】
元素Mの原子比xを0.3以下にするのは、元素Mの原子比xが0.3を超えると、その分、Mg含有量が不足するため、放電容量が低下するからである。また、十分な充放電サイクル寿命を得るためには、元素Mの原子比xを0.05以上、0.3以下にすることが望ましい。xのさらに好ましい範囲は、0.1≦x≦0.25である。
【0014】
元素Mは、Al、Zn、Ag、Ni、Cu及びThよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である。これにより、合金の塑性変形に対する強度を向上することができるため、リチウム吸蔵時の膨張を抑制することができ、合金の微粉化を抑制することができ、二次電池の充放電サイクル寿命をより向上することができる。中でも、Al,Zn、Agが好ましい。
【0015】
前述した(1)式で表わされる合金は、六方晶系の結晶相を含むことが望ましい。六方晶系の結晶相を含む合金は、六方晶系の結晶相からなる単相でも、六方晶系の結晶相と第2の相を含む複合相でも良い。第2の相は、結晶相でも、非晶質相でも良い。
【0016】
前述した(1)式で表される合金は、例えば、高周波溶解法、アーク溶解法、焼結法、超急冷法、ストリップキャスト法、アトマイズ法、めっき法、CVD法、スパッタ法、メカニカル処理法、圧延法、あるいはゾル・ゲル法などにより作製される。中でも、好ましい製造法は、超急冷法、ストリップキャスト法、高周波溶解法である。
【0017】
超急冷法、ストリップキャスト法、高周波溶解法では、予め量りとった各素材を不活性雰囲気中にてるつぼ内で溶解する過程までは共通で、その後の冷却過程がそれぞれ異なる。すなわち、超急冷法では、高速回転する冷却体上に合金溶湯を射出することによって、板厚10〜50μmのフレーク状試料を得る。ストリップキャスト法では、冷却体への単位時間あたりの溶湯供給量を超急冷法に比べて増やして、板厚100〜500μmのフレーク状試料を得る。条件によっては超急冷法で100μmまでの板厚のものも得ることができる。また、高周波溶解法では、鋳造する際に回転する冷却板上に溶湯を流し込めばよく、堆積する厚さを溶湯供給量と冷却板の移動速度で冷却速度を制御することができる。得られたこれらの試料は、熱処理により組織、組成の均質化が実現でき、特にこれは鋳造した試料で顕著であり、ストリップキャスト法あるいは超急冷法で得た試料は熱処理を行わなくても良い。また、特にストリップキャスト法で得られた試料では柱状晶組織が得られやすく、寿命の観点からこの組織は好ましい。
【0018】
前述した(1)式で表される合金においては、元素Mの原子比xが小さい方が、結晶構造が六方晶系である単相合金を得られやすい傾向がある。このため、元素Mの原子比xが小さい場合には、六方晶系の結晶相を含む合金を鋳造法により作製することが可能である。一方、元素Mの原子比xが大きい場合には、超急冷法によると、六方晶系結晶相を含む合金を得ることができる。
【0019】
なお、前述した(1)式で表される合金には、酸素が濃度1000ppm以下の範囲内で含まれていても良い。
【0020】
負極は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤からなる負極合剤を適当な溶媒に懸濁させて混合し、塗液としたものを集電体の片面もしくは両面に塗布し、乾燥することにより作製される。
【0021】
また、負極活物質として、アルカリ金属の吸蔵能の高い炭素材料を添加し、前述した(1)式で表される合金と、この炭素材料との混合物とすることで、リチウムのようなアルカリ金属の吸蔵量を向上させることができる。このような負極活物質に用いる炭素材料としては黒鉛系の炭素材料が好ましく、より具体的にはメソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)などが好ましい。
【0022】
さらに、負極には使用される導電剤としては、通常炭素材料が使用される。前述した負極活物質に用いる炭素材料として、アルカリ金属の吸蔵性と導電性との両特性の高いものがあれば、負極活物質として用いる前述の炭素材料を導電剤と兼用させることが可能であるが、例示したメソフェーズピッチカーボンファイバーなどのアルカリ金属吸蔵性の高い黒鉛のみでは導電性が低くなるため、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック等の炭素材料を導電剤として併用することが好ましい。
【0023】
結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、エチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。
【0024】
前記負極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質70〜95重量%、導電剤0〜25重量%、結着剤2〜10重量%の範囲にすることが好ましい。
【0025】
2) 正極
正極は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物をアルミニウム箔などの集電体に塗布し、乾燥し、プレスして帯状電極にすることにより作製される。
【0026】
前記正極活物質は、種々の酸化物、硫化物が挙げられる。例えば、二酸化マンガン(MnO2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn24またはLiMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-xCox2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnxCo1-x2)、バナジウム酸化物(例えばV25) などが挙げられる。また、導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料などの有機材料も挙げられる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn24)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi0.8Co0.22)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnxCo1-x2)などが、高電圧が得られるため、好ましい。
【0027】
導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
【0028】
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
【0029】
正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
【0030】
3) セパレータ
セパレータは、正極および負極が接触するのを防止するためのものであり、絶縁性材料で構成される。さらに、正極および負極の間を電解質が移動可能な形状のものが使用される。具体的には、例えば合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムなどを挙げることができる。
【0031】
4) 非水電解質
前記非水電解質は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される液体状電解質または、高分子材料に前記非水溶媒と前記電解質を含有した高分子ゲル状電解質、前記電解質を含有し、かつ前記非水溶媒が無添加の高分子固体電解質、リチウムイオン伝導性を有する無機固体電解質が挙げられる。
【0032】
液状非水電解質としては、例えば、非水溶媒に電解質としてリチウム塩を溶解したものなどを挙げることができる。非水溶媒には、公知の非水溶媒を用いることができ、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)などの環状カーボネートや、環状カーボネートと環状カーボネートより低粘度の非水溶媒(以下、第2の溶媒と称す)との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いることが好ましい。
【0033】
第2の溶媒としては、例えばジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、環状エーテルとしてテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなど、鎖状エーテルとしてジメトキシエタン、ジエトキシエタンなどが挙げられる。中でも、環状カーボネート及び鎖状カーボネートのうちの少なくとも一方を含む非水溶媒によると、リチウムの吸蔵・放出反応が円滑に進むため、高い放電容量と長い充放電サイクル寿命を得ることができる。なお、γ−ブチロラクトンを含む非水溶媒を用いる際には、非水溶媒中のγ−ブチロラクトンの比率が高くなると長い充放電サイクル寿命を得られない恐れがあることから、非水溶媒中のγ−ブチロラクトンの含有量を30〜70体積%の範囲内にすることが望ましい。
【0034】
電解質としては、アルカリ塩が挙げられるが、とくにリチウム塩が挙げられる。リチウム塩として、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ素リチウム(LiAsF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)などが挙げられる。とくに、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)及び四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)のうち少なくとも一方を含む電解質が好ましい。これらによると、リチウムの吸蔵・放出反応が円滑に進むため、高い放電容量と長い充放電サイクル寿命を得ることができる。なお、過塩素酸リチウム(LiClO)を含む電解質は、二次電池の充放電サイクル寿命の低下を招く恐れがある。
【0035】
電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2モル/Lとすることが好ましい。
【0036】
ゲル状非水電解質は、前記溶媒と前記電解質を高分子材料に溶解しゲル状にしたもので、高分子材料としてはポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PECO)などの単量体の重合体または他の単量体との共重合体が挙げられる。
【0037】
固体非水電解質は、前記電解質を高分子材料に溶解し、固体化したものである。高分子材料としてはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキシド(PEO)などの単量体の重合体または他の単量体との共重合体が挙げられる。また、無機固体電解質として、リチウムを含有したセラミック材料が挙げられる。なかでもLiN、LiPO−LiS−SiSガラスなどが挙げられる。
【0038】
本発明に係る非水電解質二次電池は、円筒形、角形、薄型等の種々の形態に適用することができる。そのうちの円筒形非水電解質二次電池の一例を図1に示す。
【0039】
例えば、ステンレスからなる有底円筒状の容器1内の底部には、絶縁体2が配置されている。電極群3は、前記容器1内に収納されている。前記電極群3は、正極4と負極6をその間にセパレータ5を介在して渦巻き状に捲回することにより作製される。
【0040】
前記容器1内には、非水電解液が収容されている。中央部が開口された絶縁紙7は、前記容器1内の前記電極群3の上方に配置されている。絶縁封口板8は、前記容器1の上部開口部にかしめ加工により固定されている。正極端子9は、前記絶縁封口板8の中央に嵌合されている。正極リード10の一端は、前記正極4に、他端は前記正極端子9にそれぞれ接続されている。前記負極6は、図示しない負極リードを介して負極端子である前記容器1に接続されている。
【0041】
なお、容器内に収納される電極群は、渦巻形に限らず、偏平形状や、正極、セパレータ及び負極をこの順序で複数積層した形態にしてもよい。さらに、電極群が収納される容器には、前述した図1に示すような金属缶の代わりに、ラミネートフィルム製の容器を用いることができる。
【0042】
以上説明した本発明によれば、前述した(1)式で表される合金を含む負極活物質を用いるため、放電容量が高く、かつ充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池を実現することができる。
【0043】
非水電解質二次電池では、非水電解質中の非水溶媒が溶媒和したリチウムイオンが正極及び負極に吸蔵・放出されることによって充放電反応が生じる。リチウムの原子半径は水素の原子半径よりも大きいことから、溶媒和したリチウムイオンの大きさは水素原子に比べて極めて大きくなる。合金に吸蔵・放出されるイオンの大きさが大幅に異なることから、ニッケル水素二次電池の負極で使用されている水素吸蔵合金が非水電解質二次電池の負極活物質として機能することは、通常、ありえないことであるが、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、前述した(1)式で表される水素吸蔵合金を非水電解質二次電池の負極に用いることによって、放電容量が高く、かつ充放電サイクル寿命の長い非水電解質二次電池が得られることを見出したのである。
【0044】
前述した(1)式で表される合金が六方晶系の結晶相を含むことによって、非水電解質二次電池の充放電サイクル寿命をさらに向上することができる。
【0045】
すなわち、結晶構造が立方晶系(例えば、CaF2型構造、ZnS型構造、AlLiSi型構造)である金属間化合物では、リチウムの拡散経路が等方的であるため、高いリチウム吸蔵・放出速度を得られない可能性がある。また、この金属間化合物では、リチウム吸蔵・放出時の変形が三方向(全方向)に亘るが、リチウム吸蔵・放出時の変形が完全に元に戻ることは難しいため、変形が全方向で生じる分、歪みやすく、充放電を繰り返した際に微粉化が起こりやすい。
【0046】
六方晶系の結晶相を含む前述した(1)式で表される合金は、結晶のc軸方向の層間にリチウムが吸蔵・放出され、リチウムの拡散経路に異方性があるため、リチウム吸蔵・放出速度を高くすることができる。また、この合金は、リチウム吸蔵・放出時に結晶のc軸方向に沿って膨張・収縮が生じ、リチウム吸蔵・放出時の変形にも異方性があるため、歪みを抑制することができる。従って、充放電サイクルを繰り返した際の合金の微粉化を抑制することができるため、二次電池の充放電サイクル寿命をより向上することができる。
【0047】
また、前述した(1)式で表される合金において、元素MとしてAl、Zn、Ag、Ni、Cu及びThよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を用いることによって、合金の微粉化を抑制することができるため、充放電サイクル寿命をより向上することができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図1を参照して詳細に説明する。
【0049】
参考例1)
<正極の作製>
正極活物質であるリチウムコバルト酸化物(LiCoO)粉末を91重量%と、アセチレンブラックを2.5重量%と、グラファイトを3重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3.5重量%と、N−メチルピロリドン(NMP)溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の集電体に塗布し、乾燥後、プレスすることにより電極密度3.0g/cmの正極を作製した。
【0050】
<負極の作製>
下記表1に示す組成比率で所定量の元素を混合し、高周波溶解にて鋳造後、不活性ガス雰囲気中で融点直下(参考例1の場合、500℃、4時間)にて熱処理を施すことにより合金を得た。
【0051】
次いで、得られた合金粉末85重量%に導電剤としてのグラファイト5重量%、同じく導電剤としてのアセチレンブラック3重量%、PVdF7重量%とNMP溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。得られたスラリーを厚さ11μmの銅箔からなる集電体に塗布し、乾燥し、プレスすることにより負極を作製した。
【0052】
<電極群の作製>
前記正極、ポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、前記負極、及び前記セパレータをそれぞれこの順序で積層した後、前記負極が最外周に位置するように渦巻き状に捲回して電極群を作製した。
【0053】
<非水電解液の調製>
さらに、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒に(混合体積比率1:2)に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/L溶解して非水電解液を調製した。
【0054】
前記電極群及び前記電解液をステンレス製の有底円筒状容器内にそれぞれ収納して前述した図1に示す構造を有する円筒形非水電解質二次電池を組み立てた。
【0055】
参考例2)
下記表1に示す組成比率で所定量の元素を混合し、高周波溶解にて水冷円盤鋳型上に厚さ約20mmで一度鋳造後、さらに高周波溶解を行い、得られた溶湯を30m/sの速度で回転する冷却ロール上に射出することにより、板厚10〜30μmのフレーク状合金を作製し、負極活物質を得た。
【0056】
この負極活物質を用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0057】
(実施例3)
組成を下記表1に示すように変更すること以外は、前述した参考例2で説明したのと同様な条件での超急冷法(QM)によりフレーク状合金を作製し、得られたフレーク状合金を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0058】
(参考例4及び参考例5)
下記表1に示す組成比率で所定量の元素を混合し、高周波溶解にて鋳造後、不活性ガス雰囲気中で融点直下にて熱処理を施すことにより合金を得た。得られた合金の粉末を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0059】
参考例6,7,9,10及び実施例8
下記表1に示す組成を有する合金を鋳造法もしくは超急冷法により作製し、得られた合金の粉末を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。なお、鋳造法の条件は、前述した参考例1で説明したのと同様な条件にし、一方、超急冷法の条件は、前述した参考例2で説明したのと同様の条件とした。
【0060】
(比較例1)
炭素質物を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0061】
(比較例2)
Mg金属を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0062】
(比較例3)
組成がMg2Siで表わされ、かつCaF2型構造の結晶相からなる単相合金を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0063】
(比較例4)
組成がLaNi5で表わされ、かつCaCu5型構造の結晶相からなる単相合金を負極活物質として用いること以外は、前述した参考例1で説明したのと同様な構成の円筒形非水電解質二次電池を製造した。
【0064】
得られた実施例3,及び参考例1,2,4,5〜7,9,10の二次電池の負極活物質にCuKα線の粉末X線回折測定を行ったところ、下記表1に示すMg型の六方晶系結晶相に基づくピークが観測され、各負極活物質が六方晶系結晶相を含むことを確認した。
【0065】
また、実施例3,、参考例1,2,4,5〜7,9,10及び比較例1〜4の二次電池について、測定環境温度を35℃と設定し、充電電流1Cで4.2Vまで3時間充電後、3.0Vまで1Cで放電する試験において、単位体積当たりの初期容量(mAh/cc)、およびこの充放電を500回繰り返した時の容量維持率(初期容量を1とした時の500サイクル目の容量)を測定した。その結果を表1に示す。なお、単位体積当たりの初期容量(mAh/cc)については、比較例1の結果を1として表わした。
【0066】
【表1】
Figure 0003984184
【0067】
表1から明らかなように、前述した(1)式で表わされる組成を有する合金を備えた実施例3,の二次電池は、炭素質物を負極活物質として用いる比較例1に比較して体積当りの放電容量が高く、かつ500サイクル時の容量維持率が比較例1〜3の二次電池に比較して優れていることが理解できる。なお、LaNi5合金を負極活物質として用いた比較例4の二次電池は、充放電を行うことができなかった。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、放電容量が高く、かつ充放電サイクル寿命が長い非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる非水電解質二次電池の一実施形態である円筒形非水電解質二次電池を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…容器、3…電極群、4…正極、5…セパレータ、6…負極、8…封口板。

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極と、下記(1)式で表されると共にリチウムイオンを吸蔵・放出する合金を含む負極と、非水電解質とを具備することを特徴とする非水電解質二次電池。
    Mg1- x (1)
    但し、xは0<x≦0.3を示し、Mは、Al、Zn、Ag、Ni、Cu及びThよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である
  2. 前記合金は、六方晶系の結晶相を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
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