JP2012013757A - カラーフィルタおよびカラー表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】白色発光有機EL素子を光源として用いたカラー表示装置において、高い明度と広い色再現領域を可能にする、カラーフィルタを形成できるカラーフィルタ用青色着色組成物、およびこれを用いたカラーフィルタを提供すること、さらにはこのカラーフィルタを装備したカラー表示装置を提供することである。
【解決手段】上記課題は、基板上に、少なくとも赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有するカラーフィルタであって、
該青色フィルタセグメントが、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料からなる着色剤とバインダー樹脂とを含有する青色着色組成物から形成されることを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタによって解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、白色発光有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子(以下、「有機EL素子」ということがある。)を用いたカラー表示装置に好ましく用いられる有機EL表示装置用カラーフィルタ、および該カラーフィルタと有機EL素子を備えたカラー表示装置に関する。なお、白色とは、擬似白色を含めた広い概念を意味する。
カラーフィルタを使用するカラー表示装置としては、たとえば(i)光源としてのバックライト、光シャッターとしての液晶、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる液晶表示装置、(ii)合成白色有機EL光源、色調整機能(色変換機能、色分解機能、色補正機能など)を有するカラーフィルタの組み合わせからなる有機EL表示装置などが挙げられる。
現在フラットパネルディスプレイは(i)の液晶ディスプレイが主流となっており、低消費電力、省スペース等の利点から、パソコンのモニター、携帯電話のディスプレイや、ノート型パーソナルコンピューター、携帯情報端末等の様々な用途で使用され、また近年は、従来のブラウン管テレビに替わり液晶テレビの用途にも使用されている。液晶テレビの用途では、色再現性が重要視される。カラー液晶表示装置の色再現性は、赤、緑、青のフィルタセグメントから放射される光の色で決まり、それぞれのフィルタセグメントの色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積で評価され、アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比(単位は%、以下NTSC比と略す。)として表現される。この値は、一般のノートパソコンで40〜100%、パソコン用のモニターで50〜100%、液晶テレビでは70%〜100%となっている。
(i)の液晶表示装置におけるバックライトとしては、冷陰極管タイプバックライト、無機材料を用いた発光ダイオードや有機EL素子を用いた、2波長ピークの擬似白色バックライトと3波長ピークのバックライトなどがある。液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置であり、VAモード、IPSモード等があり、中でもTN(ツイストネマチック)モード型液晶を用いるタイプが主流となっている。しかしながら、これら液晶表示装置においては、黒表示でもバックライトユニットは白表示と同じ発光をし続けているため、エネルギーの無駄が大きいという問題点を有している。
(ii)の有機EL表示装置の合成白色光源としては、2波長ピークを有する光源や3波長ピークを有する光源および可視光領域に多数のピークを有するものがあり、各色に発光する有機EL材料を混ぜるか層状に重ねるなどして合成白色光を得ている。
有機EL素子以外のバックライトは、液晶表示装置としての表示性能やカラーフィルタとのマッチング、さらにバックライトの耐久性などの側面から、輝線スペクトルが設計されてきた。従来のバックライトと、バックライトあるいは白色光源として用いられている有機EL素子とは具体的なスペクトルや構造において違いがある。(例えば非特許文献1、2参照)
有機EL表示装置は、TFT(薄膜トランジスタ)などにより直接画素の光源をオン/オフコントロールすることが出来るため、指定画素の発光を消すことで黒表示を行うことが可能である。したがって、発光装置内に液晶表示装置において用いられる偏向板が不要となり、かつ液晶体によりコントロールを行う必要も無くなる。このため、表示装置における透過光の光量が増大するとともに、黒表示において発光装置を消すことにより、エネルギーの消費を大幅に減少させることができる。また真の暗闇の黒を再現することが可能となり、コントラスト比を大きくすることができる。このような液晶表示装置における問題点が解決された有機ELカラー表示装置として、例えばSONY社製「XEL−1」などの製品が既に上市されてきた。(例えば特許文献1参照)
しかしながら、このような有機EL素子を用いた発光装置は、上記したように、従来用いられている光源の発光スペクトルと発光スペクトルが異なっている。例えば従来の光源では420〜430nm付近にピークを有しているが、有機EL素子を用いた光源では、材料の特性から420〜430nm近辺にピークは無く、460nm付近にピークを有している。また有機EL素子を用いた光源の発光スペクトルは、従来の光源と比較して全体的にブロードなピークを有しているため、460nm近辺のピークを過ぎた後においても、500nm付近まで従来の光源よりスペクトルが高くなっている。これらの理由から、有機EL素子を用いた光源を使用した表示装置に、現在使用されているカラーフィルタをそのまま用いることができないのが現状である。このため有機EL素子を用いた光源に使用できる、最適な色相や透過率特性を持つカラーフィルタ材料の選択、開発が必要となっている。
このような光源を有する有機EL表示装置においても、液晶表示装置と同様、NTSC比を高くすることが求められる。NTSC比を大きくするためには、それぞれのフィルタセグメントの色純度を高くする必要があるが、色純度を高くすると光源の光の利用効率(明度Y値で表す。)が低くなるため、消費電力が多くなるという問題点があった。携帯情報端末や、携帯電話等の主にバッテリーを用いて駆動する製品用途の場合、消費電力を重視するために、従来のカラー液晶表示装置は、NTSC比が30〜50%と低かった。しかし最近は、携帯情報端末や携帯電話で写真やテレビを見る機会が多くなっているため、携帯情報端末や携帯電話のディスプレイでもNTSC比を大きくする要求が高まっている。
有機EL表示装置において、従来青色フィルタセグメントの形成に用いられる着色組成物には、一般に耐性および色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられることが多い。このフタロシアニン顔料には、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも、銅フタロシアニンは、最も色調が鮮明であることから、広く用いられているが、銅フタロシアニン以外の、メタルフリーフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン等の異種金属フタロシアニンも実用化されている。また、フタロシアニン顔料は、α型、β型、δ型、ε型等の異なる結晶型を持ち、それぞれが鮮明で着色力も高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用顔料として優れている。また従来のカラーフィルタにおいては、これらの銅フタロシアニン顔料をジオキサジン系顔料のC.I.ピグメント バイオレット23等と組み合わせることで、広い色表示領域を達成することができていた。
一方、顔料と染料とを併用した着色剤をカラーフィルタに用いることも従来からなされており、青色フィルタセグメントとして、銅フタロシアニン顔料と油溶性染料、分散性染料、塩基性染料を用いることが提案されている。(例えば特許文献2、3参照)
またカラーフィルタ画素として、キサンテン染料を用いることも提案されており、さらにアシッドローダミン(C.I.アシッド レッド 52)とポリイミド系樹脂や感光性アクリル樹脂とともに用いることで耐熱性に優れるカラーフィルタが得られることが知られている。(例えば特許文献4参照)
有機EL素子を用いたカラー表示装置は、優れた表示性能から近年注目されているが、表示色(赤色、緑色、青色)ごとにそれぞれ発光層を形成する構成では、これら有機EL発光層は、通常RGBの塗り分けで形成されており、このため素子の構造が複雑となり、素子作成時のマスクアライメントが困難であった。製造が複雑になるとコストが高くなり、また、高精密化、大画面化が困難である。これらの問題を解決する構成として発光層を白色発光層とし、カラーフィルタにより所望の発光色を得る構成が提案されている(特許文献5、6、7参照)。
特開2005−100921号公報 特開平11−242109号公報 特開2001−124915号公報 特開平6−59114号公報 特開2004−47469号公報 特開2008−518400号公報 特開平07−220871号公報
T.K.Hatwar et al.,IMID '07 DIGEST 15−1 赤星治著「有機エレクトロニクスの展開」情報機構 2007/09/27
そこで、本発明は、白色発光有機EL素子を光源として用いる有機EL表示装置において、色再現性が良好な有機EL表示装置用カラーフィルタ、およびこれを用いた有機EL表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、高い明度と広い色表示領域の2つの特性が満足できる有機EL表示装置用カラーフィルタ、およびこれを用いたカラー表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、カラーフィルタの青色フィルタセグメントにおいて、着色剤としてカチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料を組み合わせて使用することにより、白色発光有機EL素子を光源として用いる発光装置をバックライトとして用いる場合において、高い明度と広い色再現領域が可能となること見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、基板上に、少なくとも赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有するカラーフィルタであって、
該青色フィルタセグメントが、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料を含む着色剤とバインダー樹脂とを含有する青色着色組成物から形成されることを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、造塩化合物(A)中の有効色素成分の含有量が、青色顔料100重量部に対して5〜150重量部であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、カチオン性基を有する化合物(a)が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)及び/または下記一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
一般式(1)
Figure 2012013757
[一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立にアルキル基またはベンジル基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
また本発明は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)が、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
一般式(2)
Figure 2012013757
[一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
また本発明は、一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)のR1〜R4が、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、かつ少なくとも2つが炭素数5〜20であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、青色顔料が、フタロシアニン系顔料であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、キサンテン系酸性染料が、C.I.アシッド レッド52、C.I.アシッド レッド87、C.I.アシッド レッド92、C.I.アシッド レッド289、およびC.I.アシッド レッド388からなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.4以上0.9以下である発光スペクトルをもつ白色発光有機EL素子を用いた場合に、CIE表色系における色度点(xB、yB)がxB≦0.160、yB≦0.100を満たすことを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色発光有機EL素子を用いた場合に、前記赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントのCIE表色系における色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して85%以上であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、赤色フィルタセグメントが、C.I.ピグメント レッド 177およびC.I.ピグメント レッド 179から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、緑色フィルタセグメントが、C.I.ピグメント グリーン 7、C.I.ピグメント グリーン 36、およびC.I.ピグメント グリーン 58から選ばれる少なくとも1種の緑色顔料と、C.I.ピグメント イエロー 139、C.I.ピグメント イエロー 150、およびC.I.ピグメント イエロー 185から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料とを含有することを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
また本発明は、前記カラーフィルタと、白色発光有機EL素子を光源として有する発光装置とを備えたカラー表示装置に関する。
本発明のカラーフィルタは、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)と青色顔料とを用いることで高い明度と広い色再現領域をカバーすることができるとともに、キサンテン系酸性染料の形態を造塩化合物とすることで耐性にも優れた有機EL用カラーフィルタを得ることが出来る。
またこの前記青色着色組成物を含む青色フィルタセグメントに加えて、特定の顔料を用いた赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメントとを組み合わせてカラーフィルタとすることで、白色の明度(Y)とNTSC比を高くすることができる。
さらには特定の白色発光有機EL素子の光源と組み合わせることで、白色の明度(Y)、NTSC比の高いカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子1(EL−1)の発光スペクトル図である。 有機EL素子2(EL−2)の発光スペクトル図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明のカラーフィルタにおける青色フィルタセグメントは、バインダー樹脂、およびカチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)と青色顔料とを含む着色剤を含有する青色着色組成物から形成される。
造塩化合物(A)と青色顔料とを併用、混合することで、450nm付近において、分光スペクトルが高い透過率を有することが可能になり、従来の銅フタロシアニン系顔料とジオキサジン系顔料を組み合わせたカラーフィルタより、広い色再現性とその色特性において高い分光透過率を得ることができる。
特に造塩化合物(A)中の有効色素成分の含有量が、青色顔料100重量部に対して5〜150重量部の範囲とすることでさらに好ましいものとなる。
さらに酸性染料を造塩化することで、高い耐熱性、耐光性、有機溶剤溶解性を併せて持つことが出来る。
<<青色着色組成物>>
本発明に用いる青色着色組成物は、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)、青色顔料、バインダー樹脂を含むものである。また必要に応じて、以下に詳述する、有機溶剤、分散助剤、光重合性単量体、光重合開始剤、その他の添加剤を含むものである。
また本発明においては、着色剤は、顔料成分と造塩化合物(A)とから構成されるものである。
<造塩化合物(A)>
造塩化合物(A)は、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物である。
(カチオン性基を有する化合物(a))
カチオン性基を有する化合物としては、少なくとも1つのオニウム塩基を有する化合物であれば、特に制限はないが、好ましいオニウム塩基を有する化合物としては、アンモニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、及びホスホニウム塩化合物であることが好ましい。
中でも好ましいカチオン性基を有する化合物としては、樹脂の形態を取る、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)や、下記一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)であることを特徴とする前記有機EL表示装置用カラーフィルタに関する。
一般式(1)
Figure 2012013757
[一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立にアルキル基またはベンジル基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
カチオン性基を有する化合物(a)の好ましい形態は、無色、または白色を呈するものである。ここで無色、または白色とはいわゆる透明な状態を意味し、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が95%以上、好ましくは98%以上となっている状態と定義されるものである。すなわち染料成分の発色を阻害しない、色変化を起こさないものである必要がある。
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有する樹脂であれば特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
造塩化合物(A)を含有する青色着色組成物を調製し、カラーフィルタとしての特性を発現させる場合は、青色着色組成物を構成するバインダー樹脂と同種の樹脂を使用することが望ましい。本発明では、カラーフィルタ用着色組成物にアクリル系樹脂が好ましく用いられることから、造塩化合物(A)を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としてはアクリル系樹脂であることが望ましい。
また、本発明のカラーフィルタに用いる側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂が用いられる。
一般式(2)
Figure 2012013757
[一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
一般式(2)中、R5は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。R1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
5で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R5としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、R6〜R8としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
ここで、R6〜R8におけるアルキル基としては、例えば、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
6〜R8におけるアルケニル基としては、例えば、直鎖又は分岐のアルケニル基(ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル及び2−メチル−2−プロぺニル等)、シクロアルケニル基(2−シクロヘキセニル及び3−シクロヘキセニル等)が挙げられる。該アルケニル基としては、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基である。
6〜R8におけるアリール基としては、例えば、単環式アリール基(フェニル等)、縮合多環式アリール基(ナフチル、アントラセニル、フェナンスレニル、アントラキノリル、フルオレニル及びナフトキノリル等)及び芳香族複素環炭化水素基(チエニル(チオフェンから誘導される基)、フリル(フランから誘導される基)、ピラニル(ピランから誘導される基)、ピリジル(ピリジンから誘導される基)、9−オキソキサンテニル(キサントンから誘導される基)及び9−オキソチオキサンテニル(チオキサントンから誘導される基)等)が挙げられる。
6〜R8で表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びフェニル基等から選択される置換基が挙げられる。該置換基としては、中でも、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、フェニル基が特に好ましい。
6〜R8としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
一般式(1)中、アクリル部位とアンモニウム塩基を連結するQの成分はアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R9−、−COO−R9−を表し、R5はアルキレン基を表すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R9−、−COO−R5−であることが好ましい。また、R9がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
当該樹脂の対アニオンを構成する一般式(2)中におけるY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
本発明の好ましい様態である一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るには、アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合する方法だけでなく、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体を単量体成分として共重合したアミノ基を有するアクリル系樹脂を得た後、オニウム塩化剤を反応させ、アンモニウム塩化する方法により得ても良い。
以下に、本発明の好ましい様態である一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得るために使用可能なエチレン性不飽和単量体の具体例を示す。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」、のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」、と記載することがある。同様に、「アクリロイル、メタクリロイル」のいずれか或いは双方を示す場合、「(メタ)アクリロイル」と記載することがある。
4級アンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドが挙げられ、ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ジアリルメチルアミン、ジアリルアミン等のジアリルアミン化合物、N−ビニルピロリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等のアミノ基含有芳香族ビニル系単量体が挙げられる。
オニウム塩化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、またはジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−トルエンスルホン酸メチル、またはベンゼンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル、メチルクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、またはオクチルクロライド等のアルキルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、プロピルブロマイド、またはオクチルクロブロマイド等のアルキルブロマイド、あるいは、ベンジルクロライド、またはベンジルブロマイド等が挙げられる。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とオニウム塩化剤との反応は、通常はアミノ基に対して等モル以下のオニウム塩化剤を、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体溶液に滴下することによって行うことができる。アンモニウム塩化反応時の温度は90℃程度以下であり、特にビニルモノマーをアンモニウム塩化する場合には30℃程度以下が好ましく、反応時間は1〜4時間程度である。
別に、オニウム塩化剤として、アルコキシカルボニルアルキルハライドを使用することもできる。アルコキシカルボニルアルキルハライドは下記一般式(3)で表される。
一般式(3)
Z−R10−COOR11
[一般式(3)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R10は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、
11は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。]
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR10を加水分解してカルボキシレートイオン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(3)式で示すカルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
その他、一般式(2)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。
このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
その他、一般式(2)で表される構造単位以外で用いることができるエチレン性不飽和単量体は、更に、酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含んでもよい。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
本発明に好適な一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に用いる側鎖にカチオン性基を有する樹脂中に存在するカチオン性基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のカチオン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。カチオン塩価とは、オニウム塩価、四級アンモニウム塩価、アミン塩価として表されるものである。
また、中でも本発明に好適な一般式(1)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基、アミン塩基の量は、樹脂のアンモニウム塩価、アミン塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
10mgKOH/gよりも小さいと、キサンテン系酸性染料に由来する色素の濃度が低く、樹脂成分が多くなってしまい着色剤成分として機能しない。また200mgKOH/gよりも大きくなってしまうと、染料成分が多くなり溶剤溶解性が低下してしまう。
本発明に好適な一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂中に存在するアンモニウム塩基の量は、特に限定されるものではないが、樹脂のアンモニウム塩価が10〜200mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることがより好ましい。
本発明に使用される一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した換算重量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることがより好ましい。
また、本発明に好適な一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂は、カラーフィルタ用着色組成物に広く使用される溶剤に溶解する特性を有することが好ましい。これにより異物発生のない塗膜を得ることができる。特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して用いることがより好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)において、上記一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、特に制限はないが、側鎖にカチオン性基を有する樹脂に含有される全構造単位を100重量%とした場合に、造塩化合物の溶剤溶解性と着色力の点から、上記一般式(2)で表される構造単位の総含有量は、5重量%以上であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。
[一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)]
一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)は、アミノ基を有することで酸性染料のカチオン成分のカウンタになるものである。
一般式(1)
Figure 2012013757
[一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立にアルキル基またはベンジル基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
なかでも一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)のR1〜R4が、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、かつ少なくとも2つが炭素数5〜20であることが好ましい。
1〜R4 の少なくとも2つの炭素数が5〜20であることで、溶剤に対する溶解性が良好なものとなる。炭素数が5より小さいアルキル基が3つ以上になると溶剤に対する溶解性が悪くなり、塗膜異物が発生しやすくなってしまう。また炭素数が20を超えてしまうアルキル基が存在すると造塩化合物(A)の発色性が損なわれてしまう。
四級アンモニウム塩化合物のカチオン成分であるカウンタ部分の分子量は190〜900の範囲であることが好ましい。ここでカチオン部分とは、下記一般式(1)中の(NR1234)+の部分に相当する。分子量が190よりも小さいと耐光性、耐熱性が低下してしまい、さらに溶剤への溶解性が低下してしまう。また分子量が900よりも大きくなると分子中の発色成分の割合が低下してしまい、発色性が低下し、明度も低下してしまう。より好ましくはカウンタ部分の分子量が240〜850の範囲である。特に好ましいのは、カウンタ部分の分子量が350〜800の範囲である。
ここで分子量は構造式を基に計算を行ったものであり、Cの原子量を12、Hの原子量を1、Nの原子量を14とした。
具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が74)、テトラエチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が122)、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が312)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が550)、トリステアリルモノメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が788)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が284)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が368)、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が270)、モノラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が228)、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が382)、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が536)、トリアミルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が318)、トリヘキシルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が360)、トリオクチルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が444)、トリラウリルベンジルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が612)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が388)、及びベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロライド(カチオン部分の分子量が248)、ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(硬化牛脂)(カチオン部分の分子量が438〜550)等を用いることが好ましい。
アニオンを構成するY-の成分は、無機または有機のアニオンであればよいが、ハロゲンであることが好ましく、通常は塩素である。
具体的な四級アンモニウム塩化合物の製品としては、花王社製のコータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、サニゾールC、サニゾールB−50等、ライオン社製のアーカード210−80E、2C−75、2HT−75、2HTフレーク、2O−75I、2HP−75、2HPフレーク等があげられ、中でもコータミンD86P(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド)、アーカード2HT−75(ジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド)が好ましいものである。
(キサンテン系酸性染料)
次に、造塩化合物(A)を得るためのキサンテン系酸性染料について説明する。
キサンテン系酸性染料は、赤色、紫色、を呈するものであり、染料の形態を有するものである。赤色、紫色を呈するとは、C.I.アシッド レッド、C.I.アシッド バイオレット等の酸性染料、C.I.ダイレクト レッド、C.I.ダイレクト バイオレット等の直接染料に属するものである。ここで直接染料は、スルホン酸基を有することから本発明においては酸性染料と同義とみなす。
さらに造塩化合物(A)は、これらのキサンテン系酸性染料(直接染料も含む)とカウンタイオンとしてはたらくカチオン成分であるカチオン性基を有する化合物(a)とで造塩、変性した造塩染料に属するものである。
具体的なキサンテン系染料の酸性染料としては、C.I.アシッド レッド 51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッド レッド 52(アシッドローダミン)、C.I.アシッド レッド 87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッド レッド 92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット 9、C.I.アシッド バイオレット 30を用いることが好ましい。
中でもC.I.アシッド レッド 52、C.I.アシッド レッド 87、C.I.アシッド レッド 92、C.I.アシッド レッド 289、C.I.アシッド レッド 388を用いることが好ましい。
本発明に用いるキサンテン系酸性染料は、透過スペクトルにおいて650nmの領域で透過率が90%以上であり、600nmの領域で透過率が75%以上、550nmの透過率が5%以下、400nmの領域で透過率が70%以上であるものが好ましい。より好ましくは、650nmの領域で透過率が95%以上であり、600nmの領域で透過率が80%以上、550nmの透過率が10%以下、400nmの領域で透過率が75%以上である。
またキサンテン系酸性染料としては、発色性の優れる点でローダミン系酸性染料を用いることが好ましい。
(造塩化処理)
[側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)とキサンテン系酸性染料との塩形成]
本発明に用いる造塩化合物(A)は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と、キサンテン系酸性染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液とキサンテン系酸性染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基とキサンテン系酸性染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンとキサンテン系酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、およびキサンテン系酸性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
塩形成時に使用する水溶液として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)、およびキサンテン系酸性染料を溶解させるため、水と水溶性有機溶剤との混合溶液を使用してもよい。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4メチルペンタノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、水溶液の全重量を基準(100重量%)として、5〜50重量%用いることが好ましく、5〜20重量%用いることが最も好ましい。
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)と、キサンテン系酸性染料との比率は、樹脂の全カチオンユニットとキサンテン系酸性染料の全アニオン性基とのモル比が10/1〜1/4の範囲であれば本発明の造塩化合物(A)を好適に調整でき、2/1〜1/2の範囲であればより好ましい。
[四級アンモニウム塩化合物(a2)とキサンテン系酸性染料との塩形成]
キサンテン系酸性染料と四級アンモニウム塩化合物(a2)との造塩化合物は、従来知られている方法により合成することができる。特開平11−72969号公報などに具体的な手法が開示されている。
一例をあげると、キサンテン系酸性染料を水に溶解した後、四級アンモニウム塩化合物を添加、攪拌しながら造塩化処理を行なえばよい。ここでキサンテン系酸性染料中のスルホン酸基(−SO3H)の部分と四級アンモニウム塩化合物のアンモニウム基(NH4+)の部分が結合した造塩化合物が得られる。また水の代わりに、メタノール、エタノールも造塩化時に使用可能な溶媒である。
(造塩化合物(A)中に含まれる有効色素成分の含有量)
造塩化合物(A)中のキサンテン系酸性染料に由来する有効色素成分の含有量は、造塩化合物(A)100重量%に対して、10〜90重量%の範囲に調整でき、特に15〜85重量%の範囲とすることが好ましい。この範囲に制御することで、溶剤溶解性に優れる造塩化合物(A)を得ることができる。
また造塩化合物(A)に含まれるキサンテン系酸性染料の有効色素成分の重量%は、同濃度に調整した造塩化合物(A)溶液とキサンテン系酸性染料溶液の分光スペクトルを測定し、極大吸収波長の分光強度比を求めることによって算出することができる。
造塩化合物(A)とキサンテン系酸性染料の両方を良く溶解させることができる溶媒(N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて、造塩化合物(A)溶液およびキサンテン系酸性染料溶液をある一定濃度で調製し、吸光度測定にて得られた造塩化合物(A)溶液およびキサンテン系酸性染料溶液の極大吸収波長における吸光度をそれぞれXaおよびXbとする。キサンテン系酸性染料にはアルカリ金属イオンなどの対イオンを含むものが多く、その場合、1分子中に存在する対イオンの個数をNa個、その対イオンの原子量をMaとし、キサンテン系酸性染料の分子量をMbとすると、キサンテン系酸性染料中の有効色素成分の重量%は、下記式にて与えられる。
(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
そしてこの式を用いて、造塩化合物(A)に含まれるキサンテン系酸性染料中の有効色素成分の重量%は、下記式より算出することができる。
(Xa/Xb)×(1−Ma×Na/Mb)×100 [重量%]
<青色顔料>
本発明に用いる着色剤を構成する青色顔料としては、フタロシアニン系顔料が用いられる。フタロシアニン系顔料としては、銅フタロシアニンブルー顔料を用いることが好ましいものである。
銅フタロシアニンブルー顔料としては、C.I.ピグメント ブルー 15、C.I.ピグメント ブルー 15:1、C.I.ピグメント ブルー 15:2、C.I.ピグメント ブルー 15:3、C.I.ピグメント ブルー 15:4、C.I.ピグメント ブルー 15:6、等の顔料が挙げられ、中でも、ε型、α型の構造を有する銅フタロシアニンブルー顔料が好ましい。このような好ましい顔料は、具体的にはC.I.ピグメント ブルー 15:6およびC.I.ピグメント ブルー 15:1である。
これらの中でも青色顔料としてC.I.ピグメント ブルー 15:6を用いることが好ましいものである。
(顔料の微細化)
本発明のカラーフィルタに使用する青色顔料、さらに調色等の理由で用いる顔料は、ソルトミリング処理を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。
なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、100個以上の顔料粒子について、個々の顔料の、一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。このとき顔料粒子をグリッドメッシュ上にサンプリングし、TEM観察用の試料を作製した。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量を基準(100重量%)として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜200重量%の範囲であることが好ましい。
青色顔料と造塩化合物(A)との配合割合は、青色顔料100重量部に対し造塩化合物(A)が1〜800重量部であることが好ましい。より好ましくは5〜400重量部である。造塩化合物(A)の添加量が1重量部よりも少ないと再現可能な色度領域が狭くなり、また800重量部を越えると色相が変化してしまうため好ましくない。
また色構成を考慮すると、造塩化合物(A)中の有効色素成分の含有量が、青色顔料100重量部に対して1〜400重量部の範囲であることが好ましい。より好ましくは、造塩化合物(A)中の有効色素成分の重量が、青色顔料100重量部に対して5〜150重量部の範囲である。
造塩化合物(A)は、特にキサンテン系酸性染料としてC.I.アシッド レッド 289を用いることで、溶剤溶解性に優れ、青色顔料と併用した場合に、耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れたものとなる。また造塩化合物(A)が青色顔料と併用することで良好なものとなるのは、溶剤中に溶解、分散しながら青色顔料に吸着することによるものである。
<その他の着色剤>
また本発明のカラーフィルタに使用する青色着色組成物には、前記着色剤の成分に加えて、調色の目的で、効果に支障を来たさない範囲でその他の有機顔料を添加することができる。
有機顔料の場合は、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料を併用することが好ましい。中でもジオキサジン系顔料を併用することが好ましい。ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 23を用いることが好ましい。本発明のカラーフィルタにジオキサジン系顔料を併用することで、さらに耐熱性、耐光性、耐溶剤性に優れ、安定した高品質なカラーフィルタとすることができる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をカラーフィルタ用アルカリ現像型レジストに用いることで、造塩化合物(A)を塗布した後の塗膜異物が発生せず、レジスト材中の造塩化合物(A)の安定性が改善され好ましいものである。これは、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有さない直鎖状の樹脂を用いた場合は、樹脂と染料の混在する液中で染料が樹脂にトラップされにくく自由度を持っていることで染料成分が凝集・析出しやすいが、側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることで、樹脂と染料の混在する液中で染料が樹脂にトラップされ易いため、染料成分が凝集・析出しにくく、また、さらに活性エネルギー線で露光し膜を形成する際に樹脂が3次元架橋されることで染料分子が固定され、その後の現像工程で溶剤が除去されても染料成分が凝集・析出しにくくなると推定される。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、30重量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量%以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)
アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併
用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、
シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上
を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2
種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレ
ート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用し
てもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテ
ルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラク
トン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステル
モノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチ
ルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用するこ
ともできる。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
<有機溶剤>
本発明に用いる青色着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、顔料、造塩化合物(A)の分散、溶解が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。特に、安全衛生面と低粘度化の観点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が65〜95重量%含有されていることが好ましい。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全重量を基準(100重量%)にして、800〜4000重量%の量で用いることが好ましい。
<分散>
本発明のカラーフィルタは、青色顔料と、側鎖にカチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)とを含む着色剤とバインダー樹脂と有機溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造した着色組成物を使用することができる。また、本発明のカラーフィルタは、青色顔料、造塩化合物(A)、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物(A)は、顔料の分散助剤としての役割を果たすこともでき好ましい組み合わせである。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
本発明に用いる青色着色組成物に使用する場合は、色素誘導体として、特にフタロシアニン顔料に塩基性置換基を導入した銅フタロシアニンの塩基性化合物を用いることが好ましい。銅フタロシアニンの塩基性化合物としては、銅フタロシアニンのアミン化合物が好ましく、銅フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩化合物、銅フタロシアニン3級アミン化合物、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物が挙げられる。
銅フタロシアニンの塩基性化合物、特に銅フタロシアニンのアミン化合物を本発明に用いる青色着色組成物中に用いることで、青色のカラーフィルタとした場合に高明度、高コントラスト比を達成することができる。これは銅フタロシアニンの塩基性化合物が、青色顔料の分散を向上させながら、キサンテン系酸性染料に由来する蛍光の発生を抑制することによるものである。特に青色着色組成物中にキサンテン系酸性染料を有する造塩化合物(A)と銅フタロシアニンの塩基性化合物とが共存していることの意義が大きいものである。
銅フタロシアニンの塩基性化合物は、単独でも使用可能であるが、2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。銅フタロシアニンの塩基性化合物の配合量は、青色顔料の全量を基準(100重量%)として、0.01〜200重量%であることが好ましく、1〜100重量%であることがより好ましい。
また本発明に用いる青色着色組成物において、銅フタロシアニンの塩基性化合物の配合量は、造塩化合物(A)との重量比率(銅フタロシアニンの塩基性化合物/造塩化合物(A))が0.3〜1.5であることが好ましい。
この範囲を満足することで青色顔料の分散を向上させながら、造塩化合物(A)から生ずる蛍光を抑制することができ、その結果カラーフィルタとして高明度、高コントラスト比を達成できる青色着色組成物とすることができる。
また0.3未満では蛍光の抑制および銅フタロシアニンの塩基性化合物の分散性が不十分であるためコントラストが低くなり、1.5を超えると色特性に影響が発生し低明度となる場合がある。より好ましい重量比率(銅フタロシアニンの塩基性化合物/造塩化合物(A))は0.4〜1.2であり、最も好ましい重量比率(銅フタロシアニンの塩基性化合物/造塩化合物(A))は0.5〜1.1である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、着色剤の全量を基準(100重量%)とし、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
<光重合性単量体>
本発明のカラーフィルタに用いる青色着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性青色着色組成物として使用することが出来る。
光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤>
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の着色剤(顔料成分と造塩化合物(A))の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明に用いるカラーフィルタ用青色着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明に用いる青色着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明に用いる青色着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、青色着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、青色着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明に用いる青色着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15重量%が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明に用いる青色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、青色着色組成物中の着色剤の全量を基準(100重量%)として、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタに用いる青色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブ
レンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<<カラーフィルタ>>
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備し、少なくとも1つの青色フィルタセグメントが前記述べたカチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料を含有する青色着色組成物からなるものである。
また赤色フィルタセグメントを形成する赤色着色組成物は、赤色顔料に置き換えることで、前記述べた青色着色組成物と同様に作製できる。緑色フィルタセグメントを形成する緑色着色組成物についても同様である。
赤色フィルタセグメントは、赤色顔料と着色剤担体を含む通常の赤色着色組成物を用いて形成することができる。赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用いられる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。また橙色及び/または黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また、本発明において、赤色フィルタセグメントが白色有機EL光源との最適化を考慮し高い明度と広い色表示領域を実現するためには、少なくともC.I.ピグメント レッド、177、C.I.ピグメント レッド 179からなる郡から選ばれる少なくとも1種類以上の赤色顔料を含むことが好ましい。赤色フィルタセグメントにおいて、これら顔料を用いることが好ましい理由としては、これらの顔料の持つ高い着色力が広い色表示領域発現に効果的であることが挙げられる。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と着色剤担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を併用することもできる。
また、本発明において、緑色フィルタセグメントが白色有機EL光源との最適化を考慮し高い明度と広い色表示領域を実現するためには、少なくともC.I.ピグメント グリーン7、C.I.ピグメント グリーン36から選ばれる少なくとも1種類以上の緑色顔料と、C.I.ピグメント エロー 139、C.I.ピグメント エロー 150、C.I.ピグメント エロー 185から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料を含有することが好ましい。緑色フィルタセグメントにおいて、これら顔料の組み合わせが好ましい理由としては、それぞれの顔料の持つ高い着色力が広い色表示領域発現に効果的であることが挙げられる。
基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法、電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができるが、本発明に用いる着色組成物はいずれの方法にも適用することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
また電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板または反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板または反射基板上に薄膜トランジスタ(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜、などが形成される。
<<カラー表示装置>>
本発明におけるカラー表示装置は、バインダー樹脂と、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料を含有する着色剤とを含む青色着色組成物により形成される青色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタと、白色発光有機EL素子(以下有機EL素子とする)を光源として有する発光装置とからなる。
(有機EL素子(白色発光有機EL素子))
本発明に用いられる有機EL素子としては、波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲とに発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が、0.4以上0.9以下である発光スペクトルを有していることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5以上0.7以下である。
さらに波長530nm〜650nmの範囲に、発光強度の極大値またはショルダーを有していることが好ましい。
波長430nm〜485nmの範囲は、前記カラーフィルタを具備するカラー表示装置が色再現性のよい青色を表示する際に好ましいものである。より好ましくは430nm〜475nmの範囲である。
これらの構成を満足する有機EL素子と前記カラーフィルタとを用いることで、色再現領域が広く、高明度、高コントラスト比を有するカラー表示装置を得ることができる。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成される。ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指し、一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が挙げられる。しかし、本発明で用いられる有機EL素子がこれらに限定されるものではない。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されてもよく、いくつかの層が繰り返し積層されていてもよい。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法が挙げられる。
まず、これら各層に用いることのできる材料を具体的に例示する。但し、本発明に使用出来る材料はこれ等に限定されるものではない。
正孔注入層に用いることができる材料としては、フタロシアニン系化合物が有効であり、銅フタロシアニン(略:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略:VOPc)等を用いることが出来る。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリエチレンジオキシチオフェン(略:PEDOT)にポリスチレンスルフォン酸(略:PSS)をドープした材料や、ポリアニリン(略:PANI)などを用いることもできる。また、酸化モリブデン(略:MoOx)、酸化バナジウム(略:VOx)、酸化ニッケル(略:NiOx)などの無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウム(略:Al23)などの無機絶縁体の超薄膜も有効である。また、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略:MTDATA)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略:α−NTPD)、4,4’−ビス[N−(4−(N,N−ジ−m−トリル)アミノ)フェニル−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略:DNTPD)などの芳香族アミン系化合物も用いることができる。さらに、それら芳香族アミン系化合物に対してアクセプタ性を示す物質を芳香族アミン系化合物に添加してもよく、具体的にはVOPcにアクセプタである2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略:F4−TCNQ)を添加したものや、α−NPDにアクセプタであるMoOxを添加したものを用いてもよい。
正孔輸送層に用いることができる材料としては、芳香族アミン系化合物が好適であり、正孔注入材料で記述したTDATA、MTDATA、TPD、α−NPD、DNTPDなどを用いることができる。
電子輸送層に用いることができる電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略:p−EtTA Z)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略:BPhen)、バソキュプロイン(略:BCP)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
電子注入層に用いることができる材料としては、先に記述したAlq3、Almq3、BeBq2、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2、PBD、OXD−7、TA
Z、p−EtTAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のよう
なアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄
膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略:Li(acac))や8−キノリノラト−リチウム(略:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。また、これら電子注入材料に対してドナー性を示す物質を電子注入材料に添加してもよく、ドナーとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などを用いることができる。具体的にはBCPにドナーであるリチウムを添加したものや、Alq3にドナーであるリチウムを添加したものを用いることができる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナ−ト)(4−フェニルフェノラ−ト)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略:BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。
白色の発光を得る発光層としては特に制限はないが、例えば、下記のものを用いることができる。すなわち、有機EL積層構造体の各層のエネルギー準位を規定し、トンネル注入を利用して発光させるもの(欧州特許第0390551号公報)、同じくトンネル注入を利用する素子で実施例として白色発光素子が記載されているもの(特開平3−230584号公報)、二層構造の発光層が記載されているもの(特開平2−220390号公報および特開平2−216790号公報)、発光層を複数に分割してそれぞれ発光波長の異なる材料で構成されたもの(特開平4−51491号公報)、青色発光体(蛍光ピ−ク380〜480nm)と緑色発光体(480〜580nm)とを積層させ、さらに赤色蛍光体を含有させた構成のもの(特開平6−207170号公報)、青色発光層が青色蛍光色素を含有し、緑色発光層が赤色蛍光色素を含有した領域を有し、さらに緑色蛍光体を含有する構成のもの(特開平7−142169号公報)等が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる発光材料は、従来発光材料として公知の材料が用いられればよい。下記に青色、緑色、橙色から赤色発光のために好適に用いられる化合物を例示する。しかし、発光材料が以下の具体的に例示したものに限定されるものではない。
青色の発光は、例えば、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略:TBP)、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略:DPVBi)などのスチリルアリーレン誘導体や、9,10−ジ−2−ナフチルアントラセン(略:DNA)、9,10−ビス(2−ナフチル)−2−tert−ブチルアントラセン(略:t−BuDNA)などのアントラセン誘導体から得ることもできる。また、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表1に示す。
Figure 2012013757
緑色の発光は、クマリン30、クマリン6などのクマリン系色素や、ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト]ピコリナトイリジウム(略:FIrpic)、ビス(2−フェニルピリジナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(ppy)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。また、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(略:Alq3)、BAlq、Zn(BTZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム(略:Ga(mq)2Cl)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表2に示す。
Figure 2012013757
橙色から赤色の発光は、ルブレン、4−(ジシアノメチレン)−2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−6−メチル−4H−ピラン(略:DCM1)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(9−ジュロリジル)エチニル−4H−ピラン(略:DCM2)、4−(ジシアノメチレン)−2,6−ビス[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−4H−ピラン(略:BisDCM)、ビス[2−(2−チエニル)ピリジナト]アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(thp)2(acac))、ビス(2−フェニルキノリナト)アセチルアセトナトイリジウム(略:Ir(pq)(acac))などをゲスト材料として用いることによって得られる。ビス(8−キノキリノラト)亜鉛(略:Znq2)やビス[2−シンナモイル−8−キノリノラト]亜鉛(略:Znsq2)などの金属錯体からも得ることができる。また、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)等のポリマーを用いてもよい。
さらに好ましい具体例を、表3に示す。
Figure 2012013757
さらに、本発明に用いる有機EL素子の陽極に使用される材料は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、ITO、SNO2、ZNO等の導電性材料が挙げられる。この陽極を形成するには、これらの電極物質を、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることができる。この陽極は、上記発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくなるような特性を有していることが望ましい。また、陽極のシ−ト抵抗は、数百Ω/cm2以下としてあるものが好ましい。さらに、陽極の膜厚は、材料にもよるが通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
また、本発明に用いる有機EL素子の陰極に使用される材料は、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニウム、アルミニウム・リチウム合金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。この陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。ここで、発光層からの発光を陰極から取り出す場合、陰極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましい。また、陰極としてのシ−ト抵抗は数百Ω/cm2以下が好ましく、さらに、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましく
は50〜200Nmである。
本発明に用いる有機EL素子を作製する方法については、上記の材料および方法により陽極、発光層、必要に応じて正孔注入層、および必要に応じて電子注入層を形成し、最後に陰極を形成すればよい。また、陰極から陽極へ、前記と逆の順序で有機EL素子を作製することもできる。
この有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。この透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、その透光性については、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上、好ましくは90%以上であるものが望ましく、さらに平滑な基板を用いるのが好ましい。
これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラス板、合成樹脂板などが好適に用いられる。ガラス板としては、特にソ−ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などで成形された板が挙げられる。また、合成樹脂板としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルサルファイド樹脂、ポリサルフォン樹脂などの板が挙げられる。
本発明に用いる有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビ−ム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレ−ティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコ−ティング、ディッピング、フローコーティング、インクジェット法等の湿式成膜法、発光体をドナーフイルム上に蒸着する方法、また、特表2002−534782号公報やS.T.Lee,et al.,Proceedings of SID’02,p.784(2002)に記載されているLITI(Laser Induced Thermal Imaging、レーザー熱転写)法や、印刷(オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷)、インクジェット等の方法を適用することもできる。
有機層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。また特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコ−ト法等により薄膜化することによっても、有機層を形成することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホ−ル等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしてもよい。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
本発明に用いる有機EL素子に印加する電流は、通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれば特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率よく発光させることが望ましい。
本発明に用いる有機EL素子の駆動方法は、パッシブマトリクス法のみならず、アクティブマトリックス法での駆動も可能である。また、本発明の有機EL素子から光を取り出す方法としては、陽極側から光を取り出すボトム・エミッションという方法のみならず、陰極側から光を取り出すトップ・エミッションという方法にも適用可能である。これらの方法や技術は、城戸淳二著、「有機ELのすべて」、日本実業出版社(2003年発行)に記載されている。
本発明に用いる有機EL素子のフルカラー化方式の主な方式は、カラーフィルタ方式である。カラーフィルタ方式では、白色発光の有機EL素子を使って、カラーフィルタを通して3原色の光を取り出す方法であるが、これら3原色に加えて、一部白色光をそのまま取り出して発光に利用することで、素子全体の発光効率をあげることもできる。
さらに、本発明に用いる有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を採用しても構わない。これは、有機EL素子は、発光層が陽極と陰極との間に挟持された構造であり、発光した光は陽極と陰極との間で多重干渉を生じるが、陽極および陰極の反射率、透過率などの光学的な特性と、これらに挟持された有機層の膜厚とを適当に選ぶことにより、多重干渉効果を積極的に利用し、素子より取り出される発光波長を制御するという技術である。これにより、発光色度を改善することも可能となる。この多重干渉効果のメカニズムについては、J.Yamada等によるAM−LCD Digest of Technical Papers, OD−2,p.77〜80(2002)に記載されている。
上記の様にしてガラス基板等に並置してRGBのカラーフィルタ層を作製し、そのカラーフィルタ層上に、ITO電極層と上記有機EL素子を用いて作製された発光層(バックライト)を載せることでカラー表示が可能となり、カラー表示装置が得られることになる。その際。発光時の電流の流れをTFTによりコントロールすることで高コントラスト比をもつカラー表示装置を実現することが可能となる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
また、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
まず、実施例および比較例に用いた有機EL素子の製造例、アクリル樹脂溶液、微細化顔料、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a)、造塩化合物(A)、キサンテン系化合物、顔料分散体、造塩化合物含有樹脂溶液、キサンテン系化合物含有樹脂溶液、青色レジスト材、赤色レジスト材、緑色レジスト材の製造方法を説明し、さらに本発明の実施例、比較例を詳述する。
<有機EL素子の製造例>
以下に白色光源として使用する有機EL素子の製造例を具体的に示す。有機EL素子の製造例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中で、基板加熱、冷却等の温度制御なしの条件下で行った。また、素子の発光特性評価においては、電極面積2mm×2mmの有機EL素子の特性を測定した。
(有機EL素子1(EL−1)の製造)
洗浄したITO電極付きガラス板を酸素プラズマで約1分間処理した後、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着して、膜厚150nmの正孔注入層を得た。この正孔注入層の上に、さらに、表3の化合物(R−2)と化合物(R−3)とを100:2の組成比で共蒸着して膜厚10nmの第1発光層を形成した。さらに、表1の化合物(B−1)と化合物(B−4)とを100:3の組成比で共蒸着して膜厚20nmの第2発光層を形成した。この発光層の上に、さらに、α−NPDを5nm、表2の化合物(G−3)を20nm蒸着して第3発光層を形成した。さらに、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚35nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでアルミニウムを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子1を得た。
さらに、この有機EL素子を、周囲環境から保護するために、純窒素を充填したドライグローボックス内で気密封止をした。この素子は、直流電圧5Vで発光輝度950(cd/m2)、最大発光輝度55000(cd/m2)、発光効率3.9(lm/W)の白色発光が得られた。図1に、得られた機EL素子EL−1の発光スペクトルを示す。
(有機EL素子2(EL−2)の製造)
有機EL素子の製造例1と同様に処理したITO電極付きガラス板に、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着して、膜厚50nmの正孔注入層を得た。この正孔注入層の上に、表3の化合物(R−2)と化合物(R−3)を100:0.5の組成比で真空蒸着して、膜厚20nmの第1発光層を作成し、さらに、表1の化合物(B−3)と化合物(B−4)とを100:2の組成比で共蒸着して膜厚40nmの第2発光層を形成した。この発光層の上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚30nmの第3発光層を形成し、さらに、α−NPDを5nm、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体を真空蒸着して膜厚20nmの電子注入層を作成し、その上に、フッ化リチウムを膜厚1nm、さらにアルミニウムを300nm蒸着して電極を形成して有機EL素子2を得た。
さらに、この有機EL素子を、周囲環境から保護するために、純窒素を充填したドライグローボックス内で気密封止をした。この素子は、直流電圧5Vで発光輝度1500(cd/m2)、最大発光輝度68000(cd/m2)、発光効率3.1(lm/W)の白色発光が得られた。図2に、得られた有機EL素子2の発光スペクトルを示す。
有機EL素子(EL−1、2)の430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲それぞれにおいて発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)と、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)を表4に示す。
Figure 2012013757
<アクリル樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
<微細化顔料の製造方法>
(青色微細顔料の作製)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細顔料を得た。
(紫色微細顔料の作製)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫色微細顔料を得た。
(赤色微細顔料1の作製)
赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(チバ・ジャパン社製「CROMOPHTAL RED A2B」)152部、表5に示す色素誘導体A−2を8部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール(東京化成社製)190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。次に、この混合物を約5リットルの温水に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除き、80℃で24時間乾燥し、156部の赤色微細顔料1を得た。
(赤色微細顔料2の作製)
赤色顔料C.I.ピグメント レッド 179顔料(BASFジャパン株式会社社製「パリオゲン マルーン L−3920」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の赤色微細顔料2を得た。
(緑色微細顔料1の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 7(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン YS−07」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色微細顔料1を得た。
(緑色微細顔料2の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 36(東洋インキ製造株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム500部、およびジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で4時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の緑色微細顔料2を得た。
(黄色微細顔料1の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 7をイソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)に変え、混練時間を4時間から8時間に変えた以外は、緑色微細顔料1の調製と同様にして、490部の黄色微細顔料1を得た。
(黄色微細顔料2の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 7をイソインドリノン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139(チバ・ジャパン社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)に変え、混練時間を4時間から8時間に変えた以外は、緑色微細顔料1の調製と同様にして、490部の黄色微細顔料2を得た。
(黄色微細顔料3の作製)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 7をイソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 185(BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)に変え、混練時間を4時間から8時間に変えた以外は、緑色微細顔料1の調製と同様にして、490部の黄色微細顔料3を得た。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)の調製方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
ここで、側鎖にカチオン性基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を示す。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂2の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート32.1部、n−プロピルメタクリレート25.1部、ラウリルメタクリレート25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂2を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂3の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、イソプロピルメタクリレート27.5部、ベンジルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルアクリレート27.5部、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン20.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.7部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6770である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化ベンジル15.7部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が50重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂3を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は60mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂4の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート25.0部、ステアリルメタクリレート25.0部、シクロヘキシルメタクリレート20.0部、ブレンマーPE90(日油社製、ジエチレングリコールモノメタクリレート)を15.0部、Nービニルピロリドン20.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を4.7部、およびイソプロピルアルコール15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7550である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル9.0部、イソプロピルアルコール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールを50部加え、樹脂成分が44重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂4を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は92mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂5の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン82.0 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート23.5部、t−ブチルメタクリレート26.0部、ラウリルメタクリレート25.0部、カヤマーPM−21(日本化薬社製、ε−カプロラクロン1mol付加2−ヒドロキシエチルメタクリレートのリン酸エステル)を10.0部、ジエチルアミノプロピルメタクリレート17.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.0部、およびメチルエチルケトン25.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7010である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして樹脂成分が48重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂5を得た。得られた樹脂のアミン塩価は49mgKOH/gであった。
ここで、側鎖にカチオン性基を有する樹脂のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。
<造塩化合物の製造方法>
(造塩化合物(A−1))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−1)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−1)を得た。このとき造塩化合物(A−1)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は29重量%であった。
(造塩化合物(A−2))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物(A−2)を製造した。
10%のメタノール水溶液2000部に88部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂2を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、43部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂2との造塩化合物(A−2)を得た。このとき造塩化合物(A−2)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は22重量%であった。
(造塩化合物(A−3))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂3とからなる造塩化合物(A−3)を製造した。
10%のN,N−ジメチルホルムアミド水溶液2000部に46.7部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂3を添加し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、70℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂3との造塩化合物(A−3)を得た。このとき造塩化合物(A−3)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
(造塩化合物(A−4))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂4とからなる造塩化合物(A−4)を製造した。
1000部の水に20.0部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂4を溶解させた溶液を調製し、十分に攪拌混合を行った後、70℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、19部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂4との造塩化合物(A−4)を得た。このとき造塩化合物(A−4)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は53重量%であった。
(造塩化合物(A−5))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂5とからなる造塩化合物(A−5)を製造した。
20%酢酸2000部に63.2部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂5を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱し、側鎖の3級アミノ基のアンモニウム塩化を行う。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどのアンモニウム塩化された樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、38部のC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂5との造塩化合物(A−5)を得た。このとき造塩化合物(A−5)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は23重量%であった。
(造塩化合物(A−6))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とDisperbyk−2000(ビック・ケミージャパン社製、変性アクリル系ブロック共重合物、アンモニウム塩価61mgKOH/g)とからなる造塩化合物(A−6)を製造した。
水2000部に50.9部のDisperbyk−2000を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 289を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、31部のC.I.アシッド レッド 289とDisperbyk−2000との造塩化合物(A−6)を得た。このとき造塩化合物(A−6)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は33重量%であった。
(造塩化合物(A−7))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−7)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−7)を得た。このとき造塩化合物(A−7)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
(造塩化合物(A−8))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 87と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−8)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 87を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 87と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−8)を得た。このとき造塩化合物(A−8)中のC.I.アシッド レッド 87に由来する有効色素成分の含有量は28重量%であった。
(造塩化合物(A−9))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 92と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−9)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 92を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 92と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−9)を得た。このとき造塩化合物(A−9)中のC.I.アシッド レッド 92に由来する有効色素成分の含有量は29重量%であった。
(造塩化合物(A−10))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 388と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物(A−10)を製造した。
水2000部に51部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱する。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 388を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、32部のC.I.アシッド レッド 388と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1との造塩化合物(A−10)を得た。このとき造塩化合物(A−10)中のC.I.アシッド レッド 388に由来する有効色素成分の含有量は30重量%であった。
(造塩化合物(A−11))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂5とからなる造塩化合物(A−11)を製造した。
20%酢酸2000部に63.2部の側鎖にカチオン性基を有する樹脂5を添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱し、側鎖の3級アミノ基のアンモニウム塩化を行う。一方、90部の水に10部のC.I.アシッド レッド 52を溶解させた水溶液を調製し、先ほどのアンモニウム塩化された樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、60℃で120分攪拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、38部のC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂5との造塩化合物(A−11)を得た。このとき造塩化合物(A−11)中のC.I.アシッド レッド 52に由来する有効色素成分の含有量は22重量%であった。
(造塩化合物(A−12))
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライド(アーカード2HT−75)(カチオン部分の分子量が438〜550)とからなる造塩化合物(A−12)を作製した。
7〜15モル%の水酸化ナトリウム溶液中に、C.I.アシッド レッド 289を溶解させ十分に混合・攪拌を行い、70〜90℃に加熱した後、アーカード2HT−75を少しずつ滴下していく。またアーカード2HT−75は水に溶解し水溶液として用いても良い。アーカード2HT−75を滴下した後、70〜90℃で60分攪拌し十分に反応を行う。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたことと判断できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、C.I.アシッド レッド 289とジアルキル(アルキルがC14〜C18)ジメチルアンモニウムクロライドとの造塩化合物、造塩化合物(A−12)を得た。このとき造塩化合物(A−12)中のC.I.アシッド レッド 289に由来する有効色素成分の含有量は57重量%であった。
<キサンテン系化合物の製造方法>
(キサンテン系化合物(C−1))
C.I.アシッド レッド 289 を常法によりスルホニルクロリド化後、ジオキサン中で理論当量のドデシルアミンと反応させてC.I.アシッド レッド 289のスルホンアミド化合物、キサンテン系化合物(C−1)を得た。(特開平6−194828号公報の記載に基づく。)
(キサンテン系化合物(C−2))
C.I.アシッド レッド 52 を常法によりスルホニルクロリド化後、ジオキサン中で理論当量のドデシルアミンと反応させてC.I.アシッド レッド 52のスルホンアミド化合物、キサンテン系化合物(C−2)を得た。(特開平6−194828号公報の記載に基づく。)
<顔料分散体の製造方法>
[顔料分散体(BP−1、BP−2、VP−1、RP−1、RP−2、GP−1、GP−2、YP−1、YP−2、YP−3)の作製]
表5記載の色素誘導体、顔料、アクリル樹脂溶液1、樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」)および有機溶剤の混合物を表6記載の組成、配合量で均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した。その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記することがある)を30.0部加えた後、5μmのフィルタで濾過し、それぞれの顔料分散体を作製した。
Figure 2012013757
Figure 2012013757
<造塩化合物含有樹脂溶液の製造方法>
(造塩化合物含有樹脂溶液(DA−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し造塩化合物含有樹脂溶液(DA−1)を作製した。
造塩化合物(A−1) :11.0部
アクリル樹脂溶液1 :40.0部
シクロヘキサノン :49.0部
(造塩化合物含有樹脂溶液(DA−2〜12)、キサンテン系化合物含有樹脂溶液(DC−1、2)の作製)
以下、造塩化合物(A−1)を表7に示す造塩化合物(A)またはキサンテン系化合物に変更した以外は、上記の造塩化合物含有樹脂溶液(DA−1)と同様にして、造塩化合物含有樹脂溶液(DA−2〜12)、キサンテン系化合物含有樹脂溶液(DC−1、2)を作製した。またこのときの色素成分の含有量を表7に示す。
ここで色素含有量Aは、造塩化合物(A)またはキサンテン系化合物中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわし、また色素成分含有量Bは、着色剤含有樹脂溶液中の有効色素成分含有量(重量%)をあらわす。
Figure 2012013757
<青色レジスト材(青色着色組成物)(BR−1〜21)の作製>
(青色レジスト材(BR−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型青色レジスト材(BR−1)を得た。
着色剤分散体 (計60部)
造塩化合物含有樹脂溶液(DA−1) :21.0部
顔料分散体(BP−1) :39.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :23.2部
以下、着色剤分散体を表8に示す着色剤分散体(顔料分散体または造塩化合物含有樹脂溶液)の種類および配合量に変えた以外は青色レジスト材(BR−1)と同様にしてアルカリ現像型青色レジスト材(BR−2〜21)を得た。青色レジスト材では着色剤分散体(顔料分散体または造塩化合物含有樹脂溶液)を併用しているが着色剤分散体の全量は全ての青色レジスト材において60部である。
Figure 2012013757
(レジスト材の特性)
得られたレジスト材(BR−1〜21)の塗膜の色度、異物の各試験を下記の方法で行った。
(青色フィルタセグメントの作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで表9に示す青色レジスト材を用いて有機EL素子(EL−1、2)において、表9記載のx、yの値になるような膜厚にそれぞれ塗布し、青色着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて150mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで炭酸ナトリウム0.15重量% 炭酸水素ナトリウム0.05重量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)0.1重量%及び水99.7重量%からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、表9に示す青色フィルタセグメントを形成した。
(色度)
青色フィルタセグメントについて、有機EL素子(EL−1、2)と組み合わせたときの色度を表9に示す。
(塗膜異物試験方法)
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるように青色レジスト材を塗布し、全面紫外線露光を行った後、オーブン顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で確認可能な粒子の数をカウントする。下記の評価結果において、◎、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベルであり、×は異物による塗工ムラが発生してしまう。
◎:5個未満
○:5個以上、20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表9にその結果を示す。
Figure 2012013757
青色レジスト材(BR−1〜14)から形成された青色フィルタセグメントは、青色レジスト材(BR−15)から形成された青色フィルタセグメントと比較して明度Yが良好な結果であった。青色レジスト材(BR−16、17)から形成された青色フィルタセグメントについては、明度Yは良好な結果であったが塗膜異物が非常に多い結果であった。
また、EL素子をEL−1とは異なる揮線のEL−2とした場合でも、青色顔料と造塩化合物(A)を含有したレジスト材により作製した青色フィルタセグメントは高い明度Yを示した。
<赤色レジスト材(RR−1)、緑色レジスト材(GR−1〜4)の製造方法>
(赤色レジスト材(RR−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(RR−1)を得た。
着色剤分散体 (計60部)
顔料分散体(RP−1) :30.0部
顔料分散体(RP−2) :30.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :23.2部
(緑色レジスト材(GR−1〜4)の作製)
以下、着色剤分散体を表10に示す着色剤分散体の種類および配合量に変えた以外は赤色レジスト材(RR−1)と同様にして緑色レジスト材(GR−1〜4)を得た。レジスト材では着色剤分散体を併用しているが着色剤分散体の全量は全てのレジスト材において60部である。
Figure 2012013757
[実施例1]
(カラーフィルタ(CF−1)の作製)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色レジスト材(RR−1)を有機EL素子(EL−1、2)において(以下、緑色、青色にも用いる)表12記載のx、yの値になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱することにより、赤色フィルタセグメントを形成した。
同様の方法により、緑色レジスト材(GR―1)、青色レジスト材(BR―1)を用いて表12記載のx、yの値になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
[実施例2〜19、比較例1〜4]
(カラーフィルタ(CF−2〜23)の作製)
実施例と比較例に用いた赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントそれぞれに使用した赤色レジスト材、緑色レジスト材、青色レジスト材の組み合わせを表11に示す。
Figure 2012013757
[カラーフィルタの色相評価]
各実施例および比較例で作製したカラーフィルタに、表11に示す組み合わせで有機EL素子1(EL−1、2)を用いて光を照射したときのカラーフィルタの色特性を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。各色フィルタセグメントのCIE表色系における色度点(x、y)、NTSC比(アメリカNational Television System Committee(NTSC)により定められた標準方式の3原色、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対する比率)、白色表示の明度(Y値)を表12に示す。
Figure 2012013757
実施例1〜16と比較例1を比較すると、従来用いられていた銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料を含有する着色組成物によって形成されたカラーフィルタに比べ、青色顔料と造塩化合物(A)とを含有したカラーフィルタにおいて白色表示の明度を維持しながら、高NTSC比で色再現性の良いカラーフィルタを作製することができた。また、比較例2、3は白色表示の明度が高いものの、前述のとおり異物が多く発生するため実用的に使用することは困難である。
また、実施例17〜19、比較例4より有機EL素子をEL−1と異なる揮線のEL−2に変更した場合でも、カラーフィルタの明度Yは銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料を含有する着色組成物によって形成された場合に比べ、青色顔料と造塩化合物(A)とを含有した場合の方が良好な結果であった。

Claims (13)

  1. 基板上に、少なくとも赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有するカラーフィルタであって、
    該青色フィルタセグメントが、カチオン性基を有する化合物(a)とキサンテン系酸性染料とを反応させて得られた造塩化合物(A)および青色顔料を含む着色剤とバインダー樹脂とを含有する青色着色組成物から形成されることを特徴とする有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  2. 造塩化合物(A)中の有効色素成分の含有量が、青色顔料100重量部に対して5〜150重量部であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  3. カチオン性基を有する化合物(a)が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)及び/または下記一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
    一般式(1)
    Figure 2012013757
    [一般式(1)中、R1〜R4 は、それぞれ独立にアルキル基またはベンジル基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
  4. 側鎖にカチオン性基を有する樹脂(a1)が、下記一般式(2)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
    一般式(2)
    Figure 2012013757
    [一般式(2)中、R5は水素原子、または置換もしくは無置換のアルキル基を表す。R6〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、R6〜R8のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。Qはアルキレン基、アリーレン基、―CONH−R9−、―COO−R9−を表し、R9はアルキレン基を表す。Y-は無機または有機のアニオンを表す。]
  5. 一般式(1)で表される四級アンモニウム塩化合物(a2)のR1〜R4が、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基またはベンジル基を示し、かつ少なくとも2つが炭素数5〜20であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  6. 青色顔料が、フタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  7. キサンテン系酸性染料が、C.I.アシッド レッド52、C.I.アシッド レッド87、C.I.アシッド レッド92、C.I.アシッド レッド289、およびC.I.アシッド レッド388からなる群から選択されるいずれかであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  8. さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  9. 波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)それぞれを有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.4以上0.9以下である発光スペクトルをもつ白色発光有機EL素子を用いた場合に、CIE表色系における色度点(xB、yB)がxB≦0.160、yB≦0.100を満たすことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  10. 波長400nm〜700nmの範囲内で2つ以上の極大値を有する分光特性を有し、少なくとも波長430nm〜485nmの範囲と波長580nm〜620nmの範囲に発光強度が極大となるピーク波長(λ1)、(λ2)それぞれを有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.4以上0.9以下である分光特性をもつ白色発光有機EL素子を用いた場合に、前記赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメントおよび青色フィルタセグメントのCIE表色系における色度点をそれぞれ(xR,yR)、(xG,yG)、(xB,yB)としたとき、x−y色度図上のこれらの3点で囲まれる三角形の面積が、赤(0.67,0.33)、緑(0.21,0.71)、青(0.14,0.08)により囲まれる面積に対して85%以上であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  11. 赤色フィルタセグメントが、C.I.ピグメント レッド 177およびC.I.ピグメント レッド 179から選ばれる少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  12. 緑色フィルタセグメントが、C.I.ピグメント グリーン 7、C.I.ピグメント グリーン 36、およびC.I.ピグメント グリーン 58から選ばれる少なくとも1種の緑色顔料と、C.I.ピグメント イエロー 139、C.I.ピグメント イエロー 150、およびC.I.ピグメント イエロー 185から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料とを含有することを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の有機EL表示装置用カラーフィルタ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のカラーフィルタと、白色発光有機EL素子を光源として有する発光装置とを備えたカラー表示装置。
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