JP2012007559A - スタータ - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの消費を抑えつつエンジンを速やかに再始動させることができる安価なスタータを提供する。
【解決手段】ピニオン6は、このピニオン6の回転力をリングギヤ23に伝達するとき、並びに、リングギヤ23が停止する直前の状態、およびリングギヤ23が停止している状態の何れか一方の状態のとき、リングギヤ23とピニオン6との噛合抵抗が、押圧力よりも大きくなるように形成されていると共に、エンジン始動後にリングギヤ23の回転数がピニオン6の回転数を上回ったとき、リングギヤ23とピニオン6との噛合力が、リングギヤ23からピニオン6が離脱する方向に向かって作用するように形成されており、エンジン始動後において、リングギヤ23からピニオン6が離脱する方向に向かって作用する力と、第2リターンスプリング21の押圧力との合力により、リングギヤ23からピニオン6が離脱する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動車に搭載されるスタータに関するものである。
従来から、自動車の始動用に用いられるスタータが知られている。このスタータとしては、回転力を発生するモータと、このモータの回転力が伝達されて回転する出力軸と、この出力軸上を軸方向に移動可能に設けられるピニオンギヤと、通電により電磁石を形成するスイッチコイルを有し、このスイッチコイルの吸引力を利用して前記モータの通電回路に設けられるメイン接点を開閉する電磁スイッチと、通電により電磁石を形成する励磁コイルを有し、この励磁コイルの吸引力を利用してピニオンギヤをエンジンのリングギヤ側へ押し出す働きを有するソレノイドとを備えている。
そして、励磁コイルに電流が供給されると、ソレノイドがピニオンギヤをリングギヤ側に押し出し、ピニオンギヤを介してモータの回転力がリングギヤに伝達され、エンジンが始動する(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−191843号公報
ところで、近年、自動車の燃費を向上させたり、排気ガスを低減したりするために、例えば信号待ち等のエンジンがアイドリング状態のとき、エンジンを停止させると共に、自動車を再発進させる際、エンジンを再始動させるアイドリングストップ機能を備えた自動車がある。
このような自動車の場合、エンジンを再始動させるたびにスタータを駆動することになる。このため、その都度ソレノイドがピニオンギヤをリングギヤ側に押し出し、このリングギヤにピニオンギヤを噛合わせているとエンジンの再始動までに時間がかかり、速やかに自動車を発進させることができない。
ここで、エンジンを停止させる際、予めリングギヤにピニオンギヤを噛合わせた状態で維持し、リングギヤとピニオンギヤとの噛合時間を短縮することで再発進の際、エンジンが始動するまでの時間を短縮することが考えられる。
しかしながら、上述の従来技術にあっては、励磁コイルに電流を供給することにより、ソレノイドがピニオンをリングギヤ側に押し出すので、アイドリングストップ中にバッテリの電力が消費されてしまう。このため、自動車の停車、再発進の頻度が多くなるとバッテリの消費が多くなりすぎる虞があるという課題がある。
また、ピニオンギヤの押し出し、および引き込みの両動作をソレノイドを用いて行うので、この分、制御が複雑になり、製造コストが増大するという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、バッテリの消費を抑えつつエンジンを速やかに再始動させることができる安価なスタータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、通電により回転力を発生するモータ部と、前記モータ部の回転力を受けて回転する出力軸と、前記出力軸の回転力を受けて前記出力軸に沿ってスライド移動し、エンジンの駆動力が伝達されるリングギヤに噛合されるピニオンと、前記ピニオンに前記リングギヤとは反対側に向かって押圧力を付勢するバネ部材とを備えたスタータであって、前記ピニオンは、このピニオンの回転力を前記リングギヤに伝達するとき、並びに、前記リングギヤが停止する直前の状態、および前記リングギヤが停止している状態の何れか一方の状態のとき、前記リングギヤと前記ピニオンとの噛合抵抗が、前記押圧力よりも大きくなるように形成されていると共に、エンジン始動後に前記リングギヤの回転数が前記ピニオンの回転数を上回ったとき、前記リングギヤと前記ピニオンとの噛合力が、前記リングギヤから前記ピニオンが離脱する方向に向かって作用するように形成されており、エンジン始動後において、前記リングギヤから前記ピニオンが離脱する方向に向かって作用する力と、前記バネ部材の押圧力との合力により、前記リングギヤから前記ピニオンが離脱することを特徴する。
このように構成することで、前記リングギヤが停止する直前の状態、および前記リングギヤが停止している状態の何れか一方の状態において、モータ部を短時間駆動させるだけでリングギヤとピニオンとを噛合わせることができると共に、これらリングギヤとピニオンとの噛合抵抗によって、エンジン停止時に電力を消費することなくリングギヤとピニオンとの噛合状態を維持できる。このため、バッテリの消費を抑えつつ、停止後のエンジンを速やかに再始動させることができる。
また、バネ部材の押圧力と、リングギヤからピニオンが離脱する方向に向かって作用する力との合力により、リングギヤからピニオンを離脱させるので、従来のソレノイドを用いてピニオンを引き込む場合と比較して制御の複雑化を抑制でき、製造コストを低減することができる。
請求項2に記載した発明は、前記ピニオンの歯部は、捩れ角を有するヘリカル歯形に形成されており、前記歯部の捩れ角は、前記噛合抵抗が前記押圧力よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする。
このように構成することで、リングギヤとピニオンとの噛合抵抗を、ピニオンに付勢されるバネ部材の押圧力よりも容易に大きくすることができる。このため、簡素な構造でバッテリの消費を抑えつつ、停止後のエンジンを速やかに再始動させることができる。
また、リングギヤの回転数が出力軸の回転数を上回り、リングギヤからピニオンに回転力が伝達されると、リングギヤの回転数が出力軸の回転数を下回っている場合とは反対側に向かう力がヘリカル歯形に作用する。このため、この力とバネ部材の押圧力とによって、リングギヤからピニオンを容易に離脱させることが可能になる。よって、リングギヤの回転力がモータ部に伝達され、このモータ部が損傷してしまうのを防止できる。
請求項3に記載した発明は、前記リングギヤが停止する直前とは、前記エンジンの停止後に前記リングギヤが逆回転し始めて完全停止するまでに揺動しているときであることを特徴とする。
このように構成することで、一旦リングギヤと噛合ったピニオンがエンジンの再始動前にリングギヤから離脱するのを確実に防止できる。
本発明によれば、前記リングギヤが停止する直前の状態、および前記リングギヤが停止している状態の何れか一方の状態において、モータ部を短時間駆動させるだけでリングギヤとピニオンとを噛合わせることができると共に、これらリングギヤとピニオンとの噛合抵抗によって、エンジン停止時に電力を消費することなくリングギヤとピニオンとの噛合状態を維持できる。このため、バッテリの消費を抑えつつ、停止後のエンジンを速やかに再始動させることができる。
また、バネ部材の押圧力を利用してリングギヤからピニオンを離脱させるので、従来のソレノイドを用いてピニオンを引き込む場合と比較して制御の複雑化を抑制でき、製造コストを低減することができる。
さらに、リングギヤからピニオンを離脱させる際、すなわち、エンジン始動後にリングギヤの回転数がピニオンの回転数を上回ったとき、リングギヤとピニオンとの噛合力が、リングギヤからピニオンが離脱する方向に向かって作用するので、容易、かつ確実にリングギヤからピニオンを離脱させることが可能になる。
本発明の実施形態におけるスタータの断面図である。 本発明の実施形態におけるピニオンの斜視図である。 本発明の実施形態におけるスタータの挙動について示す要部断面図である。 本発明の実施形態におけるスタータの挙動について示す要部断面図である。 本発明の実施形態におけるエンジン再始動させるためのタイミングチャートである。
(スタータ)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、スタータ1の断面図である。
同図に示すように、スタータ1は、不図示のエンジンの始動に必要な回転力を発生するためのものであって、モータ部3と、モータ部3に連結されている出力軸4と、出力軸4上に摺動自在に設けられたクラッチ5、およびピニオン6と、モータ部3に対する電源供給路を開閉するスイッチユニット7と、スイッチユニット7の可動接点板8、およびピニオン6を軸線方向に沿って移動させるための電磁装置9とを有している。
モータ部3は、ブラシ付直流モータ51と、ブラシ付直流モータ51の回転軸52に連結され、この回転軸52の回転力を出力軸4に伝達するための遊星歯車機構2とにより構成されている。
ブラシ付直流モータ51は、略円筒状のヨーク53と、ヨーク53の径方向内側に配置され、ヨーク53に対して回転自在に設けられているアーマチュア54とを有している。ヨーク53の内周面には、複数(例えば、この実施形態では6つ)の永久磁石57が周方向に磁極が順番となるように配設されている。
ヨーク53の遊星歯車機構2とは反対側の一端には、ヨーク53の開口部53aを閉塞するエンドプレート55が設けられている。エンドプレート55の径方向中央には、回転軸52の一端を回転自在に支持するための滑り軸受け56が設けられている。
アーマチュア54は、回転軸52と、回転軸52の永久磁石57に対応する位置に外嵌固定されているアーマチュアコア58と、回転軸52のアーマチュアコア58よりも遊星歯車機構2側(図1における左側)に外嵌固定されているコンミテータ61とにより構成されている。
アーマチュアコア58は、放射状に形成された複数のティース(不図示)と、周方向に隣接する各ティース間に形成された複数のスロット(不図示)とを有している。周方向に所定間隔をあけた2つのスロット間には、コイル59が例えば波巻により巻装されている。コイル59の端末部は、コンミテータ61に向かって引き出されている。
コンミテータ61には、複数枚(例えば、この実施形態では26枚)のセグメント62が周方向に沿って、かつ互いに絶縁されるように所定間隔をあけた状態で配設されている。
各セグメント62のアーマチュアコア58側端には、折り返すように曲折形成されたライザ63が設けられている。このライザ63にアーマチュアコア58に巻装されているコイル59の端末部が接続されるようになっている。
ヨーク53の他端には、有底筒状のトッププレート12が設けられており、このトッププレート12のアーマチュアコア58側の内面に、遊星歯車機構2が配置されている。
遊星歯車機構2は、回転軸52に外嵌固定されているサンギヤ13と、サンギヤ13に噛合され、サンギヤ13を中心に公転する複数のプラネタリギヤ14と、これらプラネタリギヤ14の外周側に設けられた環状の内歯リングギヤ15とにより構成されている。
複数のプラネタリギヤ14は、キャリアプレート16により連結されている。キャリアプレート16には、各プラネタリギヤ14に対応する位置に支持シャフト16aが立設されており、ここにプラネタリギヤ14が回転自在に支持されている。また、キャリアプレート16の径方向中央には、出力軸4の一端が接合されている。
内歯リングギヤ15は、トッププレート12の内周面に一体成形されている。トッププレート12の底面には、径方向中央に滑り軸受け12aが設けられている。この滑り軸受け12aは、回転軸52と同軸上に配置されている出力軸4の一端を回転自在に支持するためのものである。
また、トッププレート12には、不図示のエンジンにスタータ1を固定するためのハウジング17が接合されている。ハウジング17は有底筒状に形成されており、開口部17a側に、トッププレート12が開口部17aを閉塞するように接合されている。
ハウジング17の開口部17a側外周面には、軸線方向に沿うように雌ネジ部17bが刻設されている。
一方、ブラシ付直流モータ51のヨーク53の一端側(図1における右端側)に配置されたエンドプレート55には、雌ネジ部17bに対応する位置にボルト孔55aが形成されている。このボルト孔55aにボルト91を挿入し、雌ネジ部17bにボルト91を螺入することによって、モータ部3とハウジング17とが一体化される。
さらに、ハウジング17には、底部17cの径方向中央に出力軸4の一端を回転自在に支持するための滑り軸受け17dが設けられている。
出力軸4の一端には、回転軸52の他端を挿入可能な凹部4aが形成されている。この凹部4aの内周面には、滑り軸受け4bが圧入されており、出力軸4と回転軸52とが相対回転可能に連結されるようになっている。
出力軸4の軸線方向略中央には、外周面にヘリカルスプライン19が形成されている。このヘリカルスプライン19には、クラッチ5を構成する略円筒状のクラッチアウタ18が噛合されている。クラッチアウタ18には、モータ部3側に縮径形成されたスリーブ18aが一体成形されており、このスリーブ18aの内周面にヘリカルスプライン19に噛合うヘリカルスプライン18bが形成されている。
出力軸4のヘリカルスプライン19よりも他端側(図1における左側)には、ストッパプレート20が設けられている。ストッパプレート20とクラッチアウタ18のスリーブ18aとの間には、出力軸4を取り囲むように形成された第2リターンスプリング(バネ部材)21が圧縮変形した状態で設けられている。これにより、クラッチアウタ18は、常時モータ部3側へ向かって押し戻されるように付勢された状態になる。
ハウジング17の内壁には、クラッチアウタ18のモータ部3側への変位を規制するリング状のストッパ94が設けられている。このストッパ94は、樹脂やゴム等により形成され、クラッチアウタ18が当接した際の衝撃を緩和できるようになっている。
また、クラッチアウタ18には、クラッチ5を構成するクラッチインナ22がクラッチアウタ18に相対的に軸線方向に変位不能、かつ相対回転不能に係合されている。
ここで、クラッチ5は、クラッチアウタ18とクラッチインナ22との間に生じるトルク差、および回転速度差が所定値以内の場合、互いに回転力を伝達する一方、トルク差、および回転速度差が所定値を越えた場合、回転力の伝達が遮断されるように構成されている。
クラッチ5のクラッチインナ22は略円筒状に形成されており、出力軸4にスライド移動可能に外嵌されている。クラッチインナ22のストッパプレート20に対応する一端側には、ストッパプレート20との干渉を避けるように凹部22aが形成されている。
(ピニオン)
図2は、ピニオン6の斜視図である。
図1、図2に示すように、クラッチインナ22の他端側には、ピニオン6がクラッチインナ22に対してスライド移動可能、かつ相対回転不能に外嵌されている。ピニオン6は、不図示のエンジンのクランク軸と一体化されているリングギヤ23に噛合うことにより、モータ部3の回転力をリングギヤ23に伝達してエンジンを始動させるためのものである。
ピニオン6は、円筒部65のリングギヤ23側(図1における左側、図2における上側)の外周面に歯部66が形成されたものである。この歯部66は、捩れ角θを有する所謂ヘリカル歯形に形成されたものであって、歯部66の捩れ方向は、出力軸4の回転方向と同一方向に設定されている。つまり、例えば出力軸4の回転方向がモータ部3側からみて反時計回り方向である場合、歯部66の捩れ方向は左方向に設定されている。
また、円筒部65の外周面には、歯部66のモータ部3側(図1における右側、図2における下側)端に、外フランジ部67が形成されている。さらに、円筒部65の内周面には、軸方向略中央よりもややリングギヤ23側からモータ部3側端に至る間に、段差により拡径された拡径部6aが形成されている。この拡径部6aにより、クラッチインナ22とピニオン6との間に収納部6bが形成された状態になっている。
一方、クラッチインナ22の外周面には、収納部6bの開口部を閉塞するように段差により拡径された拡径部22bが形成されている。
図1に示すように、収納部6bには、クラッチインナ22の外周面を取り囲むように形成されたコイルスプリング11が収納されている。このコイルスプリング11は、ピニオン6とリングギヤ23との噛合い時に両者6,23の噛合わせ位相がずれている場合の衝撃を緩和するためのものである(詳細は後述する)。
コイルスプリング11は、収納部6bに収納された状態で、ピニオン6の拡径部6aの段差面と、クラッチインナ22の拡径部22bの段差面とにより圧縮変形されている。これによりピニオン6は、クラッチインナ22に対してリングギヤ23側に向かって付勢された状態になる。ここで、クラッチインナ22の外周面には、他端側にピニオン6の抜けを規制する止め輪22cが設けられている。
ハウジング17の内周面には、クラッチ5よりもモータ部3側に、略円筒状に形成された励磁コイル24が設けられている。この励磁コイル24は、径方向中央の大部分が大きく開口された有底筒状のヨーク25と、ヨーク25の底部25aとは反対側端に設けられた円環状のプランジャホルダ26とにより形成される収納凹部25bに収納されている。励磁コイル24は、スイッチユニット7に設けられたダイオード92、およびコネクタ93を介し、不図示のイグニションスイッチに電気的に接続されている。
励磁コイル24の内周面と出力軸4の外周面との間の空隙には、磁性材で形成された略円筒状のスイッチプランジャ27が励磁コイル24に対して軸線方向にスライド可能に設けられている。さらに、このスイッチプランジャ(外側プランジャ)27と出力軸4の外周面との間の空隙に略円筒状のギヤプランジャ(内側プランジャ)28が設けられている。
これらスイッチプランジャ27とギヤプランジャ28は、互いに同心円上に設けられ、軸線方向に相対移動可能に設けられている。
スイッチプランジャ27のモータ部3側端には、外フランジ部29が一体成形されている。この外フランジ部29の外周部側には、連結ロッド30が軸線方向に沿って立設されている。この連結ロッド30は、モータ部3のトッププレート12を貫通している。連結ロッド30のトッププレート12から突出した端部には、ブラシ付直流モータ51のコンミテータ61に隣接配置されたスイッチユニット7の可動接点板8が連結されている。
可動接点板8は、連結ロッド30に対して軸線方向に沿ってスライド移動可能に取り付けられていると共に、コイルバネ32によって浮動的に支持されている。そして、可動接点板8は、コンミテータ61の周囲に設けられたブラシステー33に固定されているスイッチユニット7の固定接点板34に対し、近接離反可能になっている。
固定接点板34は、連結ロッド30を挟んでコンミテータ61側である径方向内側に配置された第1固定接点板34aと、コンミテータ61とは反対側である径方向外側に配置された第2固定接点板34bとに分割構成されている。これら第1固定接点板34a、および第2固定接点板34bに可動接点板8が跨るように当接するようになっている。可動接点板8が第1固定接点板34a、および第2固定接点板34bに当接することにより、両者34a,34bが導通される。
また、スイッチプランジャ27は、外フランジ部29とハウジング17の内壁との間に圧縮した状態で設けられている第1リターンスプリング35によって、モータ部3側に向かって付勢された状態になっている。これにより、スイッチプランジャ27は、通常、接点間を開いた状態(図1の状態)で静止している。
ギヤプランジャ28は、樹脂で形成されたものであって、モータ部3側の外周面にリング状の鉄心28aが装着されている。また、ギヤプランジャ28のモータ部3側には、軸線方向平面視略円環状の凹部28bが形成されており、ここに出力軸4を取り囲むように形成されたシフトスプリング36が収納されている。
一方、スイッチプランジャ27の内周面にシフトスプリング36の端部に対応する位置に、軸線方向平面視略円環状の受け皿48が設けられている。この受け皿48とギヤプランジャ28の凹部28bの底面とにより、シフトスプリング36の軸線方向への移動が規制されている。
スイッチユニット7の固定接点板34が固定されているブラシステー33には、コンミテータ61の周囲に4つのブラシ41が進退可能に配置されている。
各ブラシ41の基端側には、コイルスプリング42が設けられている。このコイルスプリング42によって、各ブラシ41がコンミテータ61側に向かって付勢され、各ブラシ41の先端がコンミテータ61のセグメント62に摺接するようになっている。
4つのブラシ41は、2つの陽極側ブラシと2つの陰極側ブラシとで構成され、このうち2つの陽極側ブラシが不図示のピグテールを介して固定接点板34の第1固定接点板34aに接続されている。一方、固定接点板34の第2固定接点板34bには、ターミナルボルト44を介して不図示のバッテリの陽極が電気的に接続される。
すなわち、固定接点板34に可動接点板8が当接した際、ターミナルボルト44、固定接点板34、ピグテール(不図示)を介して4つのブラシ41のうちの2つの陽極側ブラシに電圧が印加され、コイル59に電流が供給されるようになっている。
ターミナルボルト44は、スタータ1に取り付けるためのカバー45を有している。カバー45は、ヨーク10、およびハウジング17に挟持された状態で固定されている。
また、4つのブラシ41のうち、2つの陰極側ブラシは、不図示のピグテールを介して後述のセンタープレート43に接続されている。そして、このセンタープレート43、ハウジング17、および不図示の車体を介して、バッテリの陰極に4つのブラシ41のうちの2つの陰極側ブラシが電気的に接続されるようになっている。
ブラシステー33とトッププレート12との間には、金属により形成されたリング状のセンタープレート43が介設されており、遊星歯車機構2とブラシ付直流モータ51との間を隔絶している。このセンタープレート43の径方向略中央には、円筒部43aがコンミテータ61側に向かって突設されている。
円筒部43aの内径は、回転軸52の直径よりもやや大きく設定されており、円筒部43aと回転軸52との間の微小間隙が形成されるようになっている。この円筒部43aの遊端は、コンミテータ61の端面に形成された凹部61aに臨まされ、遊星歯車機構2のグリスがコンミテータ61側へ漏洩することを防止している。
(スタータの動作)
次に、図1、図3、図4に基づいて、スタータ1の動作について説明する。
図3、図4は、スタータ1の挙動について示す要部断面図である。
図1に示すように、まず、励磁コイル24に電流を供給する前の静止状態にあっては、スイッチプランジャ27は、第1リターンスプリング35に付勢されてモータ部3側(図1における右側)へ一杯に移動し、外フランジ部29がトッププレート12に当接した状態で停止している。そして、外フランジ部29に立設されている連結ロッド30に設けられている可動接点板8は、固定接点板34に対して離間している。
これと同時に、第2リターンスプリング21に付勢されたクラッチアウタ18が、ピニオン6と一体化されているクラッチインナ22、およびギヤプランジャ28をモータ部3側へ一杯に移動している。そして、クラッチ5のクラッチアウタ18がストッパ94に当接した位置で停止しており、ピニオン6とリングギヤ23との結合が断たれている。
図2に示すように、この状態からイグニションスイッチをオンすると、励磁コイル24に電流が供給されて励磁される。すると、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28を磁束が通る磁路が形成され、これらスイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28がリングギヤ23側(図2における矢印Y1参照)へ向かって移動する。このとき、スイッチプランジャ27がギヤプランジャ28の鉄心28aよりもプランジャホルダ26とのギャップ(軸方向クリアランス)が小さく、吸引力が大きいので、ギヤプランジャ28に先行してスイッチプランジャ27が移動する。
ここで、シフトスプリング36のバネ力は、ピニオン6の静止状態にあってはクラッチアウタ18に設けられた第2リターンスプリング21のバネ力より弱く設定されている。また、ギヤプランジャ28よりも先に移動するスイッチプランジャ27による最大圧縮状態に至る途中で、第2リターンスプリング21のバネ力より強くなるように設定されている。
すなわち、シフトスプリング36のバネ力は、第2リターンスプリング21のバネ力より弱いため、スイッチプランジャ27の吸引移動の初期ではギヤプランジャ28の静止状態が保たれて、先にコイルばね36が圧縮変形される。
スイッチプランジャ27がリングギヤ23側へ向かって移動すると、外フランジ部29、および連結ロッド30を介して可動接点板8が固定接点板34側に向かって移動し、固定接点板34に接触する。このとき、スイッチプランジャ27のフルストロークに対して早めに可動接点板8が固定接点板34に接触し、かつ可動接点板8が連結ロッド30に対して軸線方向変位可能に浮動支持されているので、コイルばね32の押圧力が両接点板8,34間に加わることになる。
固定接点板34に可動接点板8が接触すると、4つのブラシ41のうちの2つの陽極側ブラシにバッテリの電圧が印加され、コンミテータ61のセグメント62を介してコイル59が通電される。すると、アーマチュアコア58に磁界が発生し、この磁界とヨーク10に設けられている永久磁石57との間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、アーマチュア54が継続的に回転する。
アーマチュア54が回転することにより、このアーマチュア54の回転軸52の回転力が遊星歯車機構2を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転する。出力軸4が回転することにより、出力軸4のヘリカルスプライン19に噛合うクラッチアウタ18が連れ回り、クラッチ5に慣性力が作用する。そして、慣性力によってクラッチ5がヘリカルスプライン19に沿うように第2リターンスプリング21のバネ力に抗してリングギヤ23側へ向かって押し出される。
ここで、ギヤプランジャ28には、リングギヤ23側へ向かう力が作用しているので、クラッチ5の移動に伴ってギヤプランジャ28もリングギヤ23側へ向かって移動する。
クラッチ5がリングギヤ23側へ向かって押し出されることにより、クラッチ5と一体化しているピニオン6がリングギヤ23側へと回転しながら押し出される。
このとき、ピニオン6とリングギヤ23との噛合わせ位相がずれていると、リングギヤ23にピニオン6が歯当たりして噛合わない。この場合、ピニオン6とクラッチ5のクラッチインナ22との間に設けられているコイルスプリング11が圧縮変形し、ピニオン6のリングギヤ23に対する歯当たりの衝撃を吸収しつつ、ピニオン6にリングギヤ23側に向かう付勢力を付与する。
すなわち、リングギヤ23にピニオン6が歯当たりして噛み合いに失敗しても、コイルスプリング11を圧縮変形させながら、ピニオン6がリングギヤ23により軸線方向への移動を止められた状態において、可動接点板8が固定接点板34への接触によりアーマチュア54が回転することにより、ピニオン6が回転し、ピニオン6は、リングギヤ23との噛合わせ位相が合ったところで、リングギヤ23に確実に噛合う。すると、出力軸4の回転力がヘリカルスプライン結合しているピニオン6を介してリングギヤ23に伝達され、これによってエンジンが始動する。
ここで、アーマチュア54の回転が安定し、加速が止まると、出力軸4の回転、およびヘリカルスプライン結合によるピニオン6をリングギヤ23側へ向かって移動させる慣性力が弱まることになる。しかしながら、ギヤプランジャ28にリングギヤ23側へ向かう力が作用するので、この力がピニオン6をリングギヤ23側へ向かって移動させる推進力を増大させる。このため、リングギヤ23に向かってより大きな突入力をもってピニオン6が噛み込む。
また、ピニオン6の歯部66がヘリカル歯形に形成されているので、リングギヤ23にピニオン6が噛合うと、この噛合力の軸方向の分力がリングギヤ23側に向かって作用する(図3におけるF1参照)。これに加え、出力軸4にヘリカルスプライン結合されているクラッチアウタ18に作用する慣性力(図3におけるF2参照)、およびシフトスプリング36によって、ギヤプランジャ28にリングギヤ23側へ向かう力(図3におけるF3参照)が作用するので、リングギヤ23にピニオン6が十分に噛合う位置まで移動する。
さらに、ギヤプランジャ28には、リングギヤ23側へ向かう力が作用しているので、この力、およびコイルばね36の復元力によって、リングギヤ23に対するピニオン6の噛合状態が確実に維持される。
そして、ピニオン6の噛み合い位置では、ストッパプレート20にクラッチアウタ18が当接するようになっている。ストッパプレート20によってクラッチアウタ18の軸線方向への移動が規制される。
続いて、エンジンが始動し、ピニオン6の回転数が出力軸4の回転数を上回ると、クラッチ5が作用してピニオン6が空転する。このような状態になると、不図示の制御機器からの信号に基づいて、イグニションスイッチがオフされ、励磁コイル24への通電が停止される。より具体的には、不図示の制御機器は、リングギヤ23の回転数が、例えば約400rpm以上になると励磁コイル24への通電を遮断する信号を出力する。なお、リングギヤ23の回転数は、車体に設けられた不図示の回転センサ等を用いて検出する。
ここで、励磁コイル24への通電を停止すると、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28を磁束が通る磁路が消磁され、励磁コイル24によるスイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28のリングギヤ23側への付勢力が作用しなくなる。さらに、クラッチアウタ18に対する第2リターンスプリング21の付勢力(図3におけるF4参照)、およびスイッチプランジャ27に対する第1リターンスプリング35の付勢力(図3におけるF5参照)が作用する。
これに加え、ピニオン6の回転数が出力軸4の回転数を上回ることは、換言するとリングギヤ23がピニオン6を回転させることになる。このため、リングギヤ23とピニオン6との噛合力の軸方向の分力がリングギヤ23に向かってピニオン6が押し出される場合とは逆に作用する。つまり、リングギヤ23からピニオン6を離脱させる方向に噛合力が作用する(図3におけるF6参照)。
これらの合力によって、ピニオン6がリングギヤ23から容易に離脱すると共に、可動接点板8が固定接点板34から離間してブラシ付直流モータ51が停止する。
(エンジン再始動方法)
次に、図5に基づいて、例えば信号待ち等にエンジンを停止し、この後、再度エンジンを始動する方法について説明する。
図5は、エンジン再始動させるためのタイミングチャートであって、時間経過に伴う自動車の車速、エンジン回転数、モータ部3への供給電流量、イグニションスイッチのオン/オフの変化を示している。
図5に示すように、例えば、信号待ち等で運転者がブレーキを踏むと自動車の車速が減速し、徐々にエンジンのリングギヤ23(クランクシャフト)の回転数が減少する。そして、リングギヤ23が停止する直前の状態、およびリングギヤ23が停止している状態の何れか一方の状態になったとき、励磁コイル24に電流を供給し、出力軸4を回転させる。すると、クラッチ5に作用する慣性力によってピニオン6が押し出され、リングギヤ23とピニオン6とが噛合される(噛合工程)。
この後、例えば、マニュアルトランスミッションのニュートラルポジション(Nセンサオン)でクラッチペダルを離す(クラッチオフ)操作をすると、イグニションスイッチがオフになり、リングギヤ23とピニオン6とが噛合った状態のままエンジンが停止する。
ここで、リングギヤ23が停止する直前とは、リングギヤ23の回転数が「0」に近づき、このリングギヤ23が逆転し始めるときのことをいう。つまり、リングギヤ23と一体となって回転するクランクシャフトは、このクランクピンが上死点、および下死点を通過しながら回転する。このため、自動車の車速が減速し続けると、クランクシャフトは、クランクピンが上死点を通過できなくなる回転数となる。このとき、クランクシャフトが逆回転を始め、振り子運動を始める。
なお、リングギヤ23の停止する直前の回転数は、例えば約200rpm以下である。
クランクシャフトがこのような状態のとき、またはクランクシャフトが完全に停止した状態のときにリングギヤ23にピニオン6を噛合わせることにより、ピニオン6にリングギヤ23から離脱する方向に向かう力(図3におけるF6参照)が大きく作用しないようになっている。
また、リングギヤ23の回転数は、不図示の車体に設けられている回転センサによって検出され、この検出結果に基づいて不図示の制御機器が励磁コイル24に電流を供給する信号を出力する。
励磁コイル24への電流の供給時間は、ピニオン6を押し出し可能な時間であればよいので、僅かな時間となる。例えば、約0.05秒程度励磁コイル24に電流を供給すればよい。通電時間は、制御機器に設けられているタイマ等により制御されている。
ここで、励磁コイル24への通電が遮断されると、スイッチプランジャ27、およびギヤプランジャ28にリングギヤ23側へ向かう力が作用しなくなり、固定接点板34に対して可動接点板8が離間する(図4における矢印Y2参照)。
すると、モータ部3への通電が遮断されて出力軸4の回転が停止し、この出力軸4にヘリカルスプライン結合されているクラッチアウタ18に作用する慣性力が作用しなくなる。これに加え、第2リターンスプリング21によって、リングギヤ23からピニオン6を離脱させる方向に力が作用する(図3、図4におけるF4参照)。
一方、ピニオン6の歯部66がヘリカル歯形に形成されているので、このピニオン6とリングギヤ23との噛合抵抗が第2リターンスプリング21の付勢力F4とは反対方向に向かって作用する(図4におけるF1’参照)。
ここで、歯部66の捩れ角θ(図2参照)は、
噛合抵抗F1’>付勢力F4・・・(1)
を満たすように設定される。
このため、エンジンが停止した状態であってもリングギヤ23とピニオン6との噛合い状態が維持される(噛合維持工程)。
続いて、例えば再びクラッチペダルを踏み込むとイグニションスイッチがオンし、励磁コイル24に電流が供給される。そして、出力軸4が回転し、エンジンが再始動する(始動工程)。
このとき、予めリングギヤ23にピニオン6が噛合わされているので、出力軸4の回転が速やかにリングギヤ23に伝達される。そして、エンジンが起動し、ピニオン6の回転数が出力軸4の回転数を上回り、リングギヤ23がピニオン6を回転させる状態になる。すると、ピニオン6の歯部66によってリングギヤ23からピニオン6を離脱させる方向に力が作用し(図3におけるF6参照)、ピニオン6が離脱する。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、リングギヤ23にピニオン6を噛合わせる際には、出力軸4の回転によって生じる慣性力、および励磁コイル24を通電することによる磁力を用いる一方、リングギヤ23からピニオン6を離脱させる際には、第1リターンスプリング35、および第2リターンスプリング21のバネ力を用いるように構成し、それぞれを別々の機構で構成しているので、リングギヤ23の歯部66をヘリカル歯形に形成することにより、イグニションスイッチをオフした状態でリングギヤ23とピニオン6との噛合状態を維持できたり、エンジン起動後にリングギヤ23からピニオン6を離脱させたりすることができる。
つまり、リングギヤ23が停止する直前の状態、およびリングギヤ23が停止している状態の何れか一方の状態において、励磁コイル24に僅かな時間電流を供給し、モータ部3を短時間駆動させるだけでリングギヤ23とピニオン6とを噛合わせることができると共に、これらリングギヤ23とピニオン6との噛合抵抗によって、エンジン停止時に電力を消費することなくリングギヤ23とピニオン6との噛合状態を維持できる。
このため、バッテリの消費を抑えつつ、停止後のエンジンを速やかに再始動させることができる。
また、各リターンスプリング35,21のバネ力と、リングギヤ23からピニオン6を離脱させる方向に作用する力(図3におけるF6参照)との合力により、リングギヤ23からピニオン6を離脱させるので、従来のソレノイドを用いてピニオンを引き込む場合と比較して制御の複雑化を抑制でき、製造コストを低減することができる。
さらに、ピニオン6の歯部66をヘリカル歯形に形成することにより、クラッチアウタ18に対する第2リターンスプリング21の付勢力(図3におけるF4参照)と、ピニオン6とリングギヤ23との噛合抵抗(図4におけるF1’参照)とを容易に式(1)を満たすように設定することができる。このため、簡素な構造でバッテリの消費を抑えつつ、停止後のエンジンを速やかに再始動させることができる。
そして、ピニオン6の歯部66をヘリカル歯形に形成することにより、リングギヤ23の回転数が出力軸4の回転数を上回り、リングギヤ23からピニオン6に回転力が伝達されると、リングギヤ23の回転数が出力軸4の回転数を下回っている場合とは反対側に向かう力がピニオン6に作用する。このため、この力と各リターンスプリング35,21の付勢力(押圧力)とによって、リングギヤ23からピニオン6を容易に離脱させることが可能になる。よって、リングギヤ23の回転力がクラッチ5、および出力軸4に継続的に作用するのを防止でき、この結果モータ部3の損傷を防止できる。
また、例えば信号待ち等で自動車が停止する場合、リングギヤ23(クランクシャフト)が停止する直前、および停止した状態の何れか一方の状態で、リングギヤ23にピニオン6を噛合わせるようにしているので、ピニオン6にリングギヤ23から離脱する方向に向かう力(図3におけるF6参照)が大きく作用することなく、エンジン停止時におけるリングギヤ23とピニオン6の噛合不良を防止できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ピニオン6の歯部66の捩れ方向が左方向に設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、歯部66の捩れ方向を右方向に設定してもよい。
この場合、歯部66の捩れ方向に対応するように、出力軸4の回転方向もモータ部3側からみて時計回り方向に設定することが望ましい。また、この場合、リングギヤ23とピニオンとの噛合力によって生じる軸方向への分力に基づいて、歯部の捩れ角θを設定する。
さらに、上述の実施形態では、スタータ1のモータ部3、電磁装置9、出力軸4、およびピニオン6が同軸上に配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、従来のように、電磁装置9がモータ部3の径方向外側に配置され、シフトレバーを用いてピニオンをスライド移動させるように構成したスタータにも、ピニオンにヘリカルギヤを適用することが可能である。この場合、出力軸側にピニオンを押し戻すリターンスプリングを設ける。
そして、上述の実施形態では、ピニオン6を押し戻す機構として、出力軸4を取り囲むように第2リターンスプリング21を配置した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ハウジング17内に、ピニオン6に押し戻す方向(図1における右方向)への付勢力を付与可能なバネ部材を設ければよい。
1 スタータ
3 モータ部
4 出力軸
6 ピニオン
21 第2リターンスプリング(バネ部材)
23 リングギヤ
51 ブラシ付直流モータ
52 回転軸
66 歯部

Claims (3)

  1. 通電により回転力を発生するモータ部と、
    前記モータ部の回転力を受けて回転する出力軸と、
    前記出力軸の回転力を受けて前記出力軸に沿ってスライド移動し、エンジンの駆動力が伝達されるリングギヤに噛合されるピニオンと、
    前記ピニオンに前記リングギヤとは反対側に向かって押圧力を付勢するバネ部材とを備えたスタータであって、
    前記ピニオンは、
    このピニオンの回転力を前記リングギヤに伝達するとき、並びに、前記リングギヤが停止する直前の状態、および前記リングギヤが停止している状態の何れか一方の状態のとき、前記リングギヤと前記ピニオンとの噛合抵抗が、前記押圧力よりも大きくなるように形成されていると共に、
    エンジン始動後に前記リングギヤの回転数が前記ピニオンの回転数を上回ったとき、前記リングギヤと前記ピニオンとの噛合力が、前記リングギヤから前記ピニオンが離脱する方向に向かって作用するように形成されており、
    エンジン始動後において、
    前記リングギヤから前記ピニオンが離脱する方向に向かって作用する力と、前記バネ部材の押圧力との合力により、前記リングギヤから前記ピニオンが離脱することを特徴するスタータ。
  2. 前記ピニオンの歯部は、捩れ角を有するヘリカル歯形に形成されており、
    前記歯部の捩れ角は、前記噛合抵抗が前記押圧力よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスタータ。
  3. 前記リングギヤが停止する直前とは、前記エンジンの停止後に前記リングギヤが逆回転し始めて完全停止するまでに揺動しているときであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタータ。
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