JP2012007080A - 偏光板形成用光硬化性接着剤及び偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを簡便かつ強固に接着できる有機溶剤を実質的に含まず、低粘度で薄膜塗工性に優れる光硬化型接着剤、及びそれを用いて、従来の偏光板に比して打抜き加工性及び湿熱耐性、巻き癖に優れた偏光板を提供する。
【解決手段】多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含み、有機溶剤を含有せず、粘度が10〜150mPa・sである、ことを特徴とする光硬化性接着剤及びそれを用いた偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光板及び該偏光板形成用の光硬化性接着剤に関するものである
時計、携帯電話、個人用の携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光板が用いられる。特に、TV等の用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
液晶表示関連分野などに用いられる偏光板は、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光フィルムの両面にトリアセチルセルロース(TAC)系フィルムを水系接着剤で貼り合せるか、又は片面に保護フィルムもしくは光学補償フィルムとしてポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を、もう片面にTAC系フィルムを水系接着剤で貼り合せて製造されるのが一般的である。
TAC系フィルムは、透湿度が高いことから、水系接着剤を使用し、水分を揮発させることなくそのままPVA系偏光子フィルムに重ねた状態で、水を乾燥させつつ、接着できる。
一方、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂は、TACよりも疎水性であることや、透湿度が低いため、PVA系偏光子フィルムに重ねる前に水を十分乾燥する必要があるが、水が残り易く、水が残ると、接着強度不足や外観不良などの問題があった。
上記のような理由から、PVA系偏光子フィルムと透湿度が低い保護フィルムとを貼り合せる接着剤として、水系接着剤の代わりに紫外線硬化型接着剤を使用することが提案されている。
偏光板を工業的に生産する場合、偏光子の両面に保護フィルムを貼り合わせた長尺の積層体をロール状に巻き取る。その後、ロール状の積層体を巻き戻し、積層体液晶セルのガラス板に偏光板を固定するための粘着剤層が偏光板の一方の面に設けられたり、各種ディスプレイに応じた大きさに裁断されたり等の種々の加工が加えられる。
偏光板がロール状態で保管される時間は様々であるが、保管時に、巻き癖が発生すると、上記したその後の種々の加工の工程における生産性が著しく低下するため、巻き癖の少ない偏光板が求められる。
特開2008−63397号公報(特許文献1)には、多官能の脂肪族エポキシ化合物を主成分とする比較的低粘度の接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射によるカチオン重合による接着法が提案されている。
特許文献1記載の接着剤を用いると、長尺の硬化物を巻取りロール状にした場合、脂肪族エポキシ化合物は硬化性が良くないので、保管時に暗反応が進行し、巻き癖がつきやすいという問題があった。
ところで、PVA系偏光子と保護フィルムを貼り合わせる接着剤層の厚みは、光の透過率を上げるためや、コストを下げるためにできるだけ薄いことが求められる。具体的には接着剤層は、0.1〜6μmの厚みで平滑であることが求められる。
このような薄膜の接着剤層を工業的に設けるには、光学接着剤を塗工する際マイクログラビアコーターを用いることが好ましい。小径グラビアコーターは、より細かい凹版を用いることによって薄膜を形成できる。しかし、接着剤の粘度が高いと、可能な限り細かい凹版(例えば500線/インチ)を用いても、0.1〜6μmの厚みの接着剤層を形成できない。
従って、0.1〜6μmの厚みの接着剤層を形成するためには接着剤の粘度を150mPa・s以下にする必要がある。
特開2004−245925(特許文献2)には、芳香環を含まないエポキシ樹脂として水素化(水添ともいう)ビスフェノール型エポキシ樹脂を主成分とする接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射によるカチオン重合による接着法が提案されている。
しかし、特許文献2記載の接着剤は極めて高粘度であり、塗工性に難があった。さらに、水素化(水添ともいう)ビスフェノール型エポキシ樹脂は硬化性が良くないので、保管時に暗反応が進行し、巻き癖がつきやすいという問題もあった。
特開2008−257199号公報(特許文献3)には、分子内に1個以上の脂環式エポキシ基を有する多官能のエポキシ樹脂と、分子内に脂環式エポキシ基を有さない多官能のエポキシ樹脂を含む接着剤が開示されている。
一般的に脂環式エポキシ樹脂は、光硬化性が良い反面、粘度が200mPa・s以上と高い。
一方、脂環式エポキシ基を有しない多官能エポキシ樹脂は、光硬化性は低いが100mPa・s以下という低粘度のものがある。
そのため薄膜塗工をするために接着剤粘度を下げようとすると、脂環式エポキシ基を有しない多官能エポキシ樹脂含有量を増やさざるを得ない。しかし、その結果、硬化性が低下し、密着性不良や湿熱暴露するとPVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離が発生する。さらには、脂環式エポキシ基を有しない多官能エポキシ樹脂を増やすと、硬化物中に未反応のエポキシ基が残存するため、長尺の硬化物を巻取りロール状にした場合、保管時に暗反応が進行し、巻き癖がつきやすいという問題があった。
そこで、硬化性を維持しようとすると、脂環式エポキシ樹脂を増やさざるを得なくなる。しかし、この場合、接着剤粘度が上がり、その結果薄膜塗工ができなくなる。
なお、接着剤の粘度を低下させるために、有機溶剤を用いて希釈するという方法がある。しかし、有機溶剤を用いると、塗工設備を防爆仕様にしたり、特別な溶剤回収装置を設置したりしなければならなくなる。
そこで、偏光板形成用の光硬化性接着剤には、実質的に有機溶剤を含有しない状態で低粘度であることが求められる。
特開2008−63397号公報 特開2004−245925号公報 特開2008−257199号公報
本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを簡便かつ強固に接着できる有機溶剤を実質的に含まず、低粘度で薄膜塗工性に優れる光硬化型接着剤、及びそれを用いて、従来の偏光板に比して打抜き加工性、湿熱耐性及び巻き癖に優れた偏光板を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線硬化型接着性組成物により前記目標達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子の両面が、光硬化性接着剤を硬化してなる接着層を介して保護フィルムでそれぞれ被覆されてなる偏光板であって、
前記光硬化性接着剤が、
多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含み、
実質的に有機溶剤を含有せず、粘度が10〜150mPa・sである、ことを特徴とする光硬化性接着剤に関する。
また、本発明は、ポリビニルアルコール系偏光子の両面が、光硬化性接着剤を硬化してなる接着層を介して保護フィルムでそれぞれ被覆されてなる偏光板であって、
前記光硬化性接着剤が、
多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含み、
実質的に有機溶剤を含有せず、粘度が10〜150mPa・sである、ことを特徴とする偏光板に関する。
本発明により、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルムとを簡便かつ強固に接着できる光硬化型接着剤であって、実質的に有機溶剤を含まず、低粘度で薄膜塗工性に優れる光硬化型接着剤、及びそれを用いて、従来の偏光板に比して打抜き加工性、湿熱耐性及び巻き癖に優れた偏光板を提供することを目的とする。
本発明の偏光板の一例を示す断面図(イメージ)である。 本発明の偏光板の製造方法の一例を示すフロー図(イメージ)である。
本発明の偏光板を構成する接着層について説明する。
接着層は、光硬化性接着剤を硬化してなるものである。
本発明の光硬化性接着剤は、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、
前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含有する。
多官能脂環式エポキシ化合物(A)とは脂環構造に直接結合したエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物で、例えば、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートなどが挙げられる。
本発明における光硬化性接着剤は、これらの材料を適宜組み合わせて使うことができる。
本発明の光硬化性接着剤は、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを合計100重量%とした場合、前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含む。前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)は、50重量%〜95重量%であることが好ましく、55重量%〜85重量%であることがより好ましい。
多官能脂環式エポキシ化合物(A)が50重量%よりも少ないと、接着力を確保できないばかりでなく、打抜き加工性が悪くなってしまう。一方、多官能脂環式エポキシ化合物(A)が多くなりすぎると、光硬化性接着剤が高粘度となり、薄膜塗工性が確保できない。
なお、多官能脂環式エポキシ化合物(A)としては、粘度が2000mPa・s以上のものが多く、150〜1000mPa・sのものが多い。
単官能グリシジル化合物(B)とは、次式(1)に示すグリシジル基を1個有する化合物である。
Figure 2012007080
Rは、有機基を現す。
具体的には、Rは、芳香環、アルキル基、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、脂肪族エステル、芳香族エステルなどが挙げられる。
例えば、脂肪族アルコールのグリシジルエーテルやフェノール性水酸基含有化合物のグリシジルエーテル、グリコール化合物のグリシジルエーテル、アルキルカルボン酸のグリシジルエステル、芳香環含有カルボン酸のグリシジルエステルなどが挙げられる。
具体例としては、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、O‐sec‐ブチルフェニルグリシジルエーテル、2エチルヘキシルグリシジルエーテル、C1213混合アルキルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3‐メチル‐3,4‐エポキシブタン‐1‐オール、5,6‐エポキシ‐1‐ヘプタノール、7,8‐エポキシ‐1‐オクタノール、などが挙げられる。
本発明における光硬化性接着剤は、これらの材料を適宜組み合わせて使うことができる。
なお、単官能エポキシ化合物(B)としては、粘度が20mPa・s以下のものが好ましく、1〜10mPa・sのものが好ましい。
一般に、光カチオン重合反応は水酸基による反応阻害を受けると考えられている。したがって、本発明では前記単官能グリシジル化合物(B)のうち、水酸基を有さないものを使用することが好ましい。
また、エポキシ当量が大きくなると粘度が大きくなる傾向にあるので、単官能グリシジル化合物(B)としては、エポキシ当量が100〜300(g/eq)程度のものが好ましい。
単官能グリシジル化合物(B)は、カチオン重合性成分100重量%中に、単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基が0.01〜0.2個となる範囲で含まれ、エポキシ基が0.05〜0.2個となる範囲で含まれることが好ましい。
単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基が0.01個未満、即ち、単官能グリシジル化合物(B)がほとんど含まれていないと、粘度低下効果がほとんど期待できない。一方、単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基が0.2個よりも多い、即ち、単官能グリシジル化合物(B)の含有量が多すぎると、硬化性が低下し、巻き癖を満足できない。
光硬化性接着剤は、上記単官能グリシジル化合物(B)に加え、脂環式以外の多官能グリシジル化合物(D)を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。換言すると、脂肪族エポキシ化合物を併用することもできるが、その場合は、主剤(100重量%とする)中に30重量%未満程度、好ましくは5重量%未満程度に抑える必要がある。
なお、脂環式以外の多官能グリシジル化合物(D)の中には、多官能脂環式エポキシ化合物(A)に比して比較的低粘度のものもある。しかし、前記単官能グリシジル化合物(B)の代わりに前記多官能グリシジル化合物(D)を、前記多官能グリシジル化合物(D)エポキシ基が0.01〜0.2個となる範囲で用いても、粘度低下が不十分で薄膜塗工性が確保できなかったり、硬化性が低下し、巻き癖が大きくなったりする。
本発明における光硬化性接着剤は、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)に加え、粘度調整や硬化性を上げるためオキセタン化合物(C)を含むことができる。オキセタン化合物(C)は、分子内に4員環エーテル、すなわちオキセタン環を有する化合物である。オキセタン化合物(C)としては、粘度が300mPa・s以下のものが好ましく、1〜200mPa・sのものが好ましい。
本発明に用いるオキセタン化合物(C)としては、例えば、
3-エチル‐3‐ヒドロキシメチルオキセタン、1,4‐ビス[(3‐エチル‐3‐オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル‐3‐(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1‐エチル‐3‐オキセタニル)メチルエーテル、3-エチル‐3‐(2‐エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3‐エチル‐{(3‐トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタン、などが挙げられる。
なお、オキセタン化合物(C)が水酸基を有していたとしても、オキセタンによる硬化性促進効果の方が顕著なので、単官能グリシジル化合物(B)とは異なり反応阻害の影響は極めて小さい。
前記オキセタン化合物(C)を用いる場合には、カチオン重合性成分100重量%中に、1〜40重量%含むことが好ましく、3〜35重量%であることがより好ましい。
本発明における光硬化性接着剤は、光カチオン重合開始剤(E)を含む。
光カチオン重合開始剤(E)としては、例えばUVACURE1590(ダイセル・サイテック製)、CPI−110P(サンアプロ製)、などのスルホニウム塩やIRGACURE250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、WPI−113(和光純薬製)、Rp−2074(ローディア・ジャパン製)等のヨードニウム塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光カチオン重合開始剤(E)の配合割合は、カチオン重合性成分、即ち、オキセタン化合物(C)を用いない場合には、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)との合計100重量部に対して、オキセタン化合物(C)を用いる場合には、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)及びオキセタン化合物(C)の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部であり、0.5〜10重量部であることが好ましい。
更に、本発明においては上記光カチオン重合開始剤(E)の性能を向上させるために、光増感剤(F)を併用しても良い。光増感剤としては、アントラセン系やベンゾフェノン系、チオキサントン系やペリレン、フェノチアジン、ローズベンガル等が挙げられる。
光硬化性接着剤は、上記カチオン重合性成分及び重合開始剤に加え、重合禁止剤、重合開始助剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、可塑剤等の各種の公知の添加剤を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。
本発明における光硬化性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まず、粘度は10〜150mPa・sであることが重要であり、好ましくは15〜130mPa・sであり、20〜90mPa・sであることがより好ましい。粘度が150mPa・sより高いと保護フィルムに塗工した場合、0.1〜6μmの薄膜塗工ができず、透過率等の光学的特性が悪化してしまう。一方、粘度が1mPa・sより低いと接着剤層の膜厚制御が困難になる。
なお、前記の光硬化性接着剤の粘度は、以下のようにして求められる値である。 光硬化性接着剤1.2mlを測定用試料とし、E型粘度計を用いて、回転速度100〜0.5rpm、25℃で測定した。
本発明の光硬化性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まない。有機溶剤を全く含まないほうが好ましいが、光重合開始剤はカチオン重合性成分に難溶性のことが多い。そのため光重合開始剤を溶解するための有機溶剤は含んでもよい。光硬化性接着剤中の有機溶剤の含有量は5重量%以内である。
光硬化性接着剤を硬化してなる接着層の厚みは0.1〜6μmが好ましく、0.5〜4μmがより好ましい。0.1μmよりも薄くなると接着力が低くなる。6μmよりも厚くなると光の透過率等の光学特性が悪化する。
光硬化性接着剤の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばダイコート法、ロールコート法、グラビアコート法、小径グラビアコート法、スピンコート法などが挙げられ、薄膜塗工の点からグラビアコート法が好ましい。更に、グラビアコート法の中でも小径グラビアコート法が好ましい。
本発明の光硬化性接着剤は実質的に有機溶剤を含有していないため、塗工膜厚が硬化後の膜厚になる。
接着層の膜厚を制御する方法として、機械的方法としては、
・グラビア方式:使用する版のセル(凹部)容積を小さくする、
・ダイコート方式:塗工機のヘッド部(接着剤の塗出部)と基材フィルムのギャップを狭くする、
・スピンコート方式:回転数を上げる、
等の方法が挙げられるが、いずれの方式も塗工膜厚と接着剤粘度は密接な関係があり、0.1〜6μmのような薄膜を得るためには接着剤の粘度が150mPa・s以下である必要がある。接着剤の粘度が150mPa・sより高くなるとどのような機械的方法を施しても膜厚は6μmより厚くなる。
[偏光子]
本発明の偏光板に用いられるポリビニルアルコール系偏光子について説明する。
偏光子を形成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体などが挙げられるが、耐水性の点から、エチレン・ビニルアルコール共重合体が好ましい。ポリビニルアルコールとしては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコールや、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールや、水酸基が変性された変性ポリビニルアルコールなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を併用することもできる。
上記ポリビニルアルコールの具体例としては、(株)クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業(株)製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1.400)などが挙げられる。ポリビニルアルコールは、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステルの重合体を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。
上記エチレン・ビニルアルコール共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されない。
偏光子は、上述のポリビニルアルコール系樹脂をキャスティング成形法等の方法によって、成形することにより得られる。前記偏光子は、ホウ酸等による架橋や、延伸をされたものであってもよい。偏光子の形状としては、特に限定されないが、例えば、フィルム等が挙げられる。なお、本明細書において、「フィルム」の語は、厚みが小さいもの(厚みが1mm未満のもの)の他、厚手のシート(例えば、厚みが1〜5mmのもの)も含むものとする。偏光子の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜40μm程度が好ましい。
[保護フィルム]
本発明の偏光板に用いられる保護フィルムについて説明する。
保護フィルムは特に限定されず、具体的には、現在偏光板の保護フィルムとして最も広く用いられているトリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂フィルムや、トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い透明樹脂フィルムを用いることができる。
トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称である。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及び、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などが挙げられ、ノルボルネン系樹脂が好ましい。ノルボルネン系樹脂フィルムは、特開2005−164632号公報、特開2006−201736号公報、特開2008−233279号公報等に記載された公知の方法により得ることができる。
シクロオレフィン系樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」が挙げられる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
本発明の偏光板は、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の保護フィルム(1)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルム(5)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の各面に、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造する方法。
(II)ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第1の硬化性接着剤層(2’)を形成し、形成された第1の硬化性接着剤層(2’)の表面を第1の保護フィルム(1)で覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面に、光硬化性接着剤を塗工し、第2の硬化性接着剤層(4’)を形成し、形成された第2の硬化性接着剤層(4’)の表面を第2の保護フィルム(2)で覆い、活性エネルギー線を照射し、第1の硬化性接着剤層(2’)及び第2の硬化性接着剤層(4’)を硬化することによって製造する方法。
(III)第1の保護フィルム(1)とポリビニルアルコール系偏光子(3)との間、および第2の保護フィルム(5)とポリビニルアルコール系偏光子(3)との間に、それぞれ接着剤を垂らした後、ロールの間を通過させ各層間に接着剤を広げる。次に活性エネルギー線を照射し、接着剤を硬化させることによって製造する方法。
偏光板の製造方法(I)について、図2に基づいて、工程ごとに説明する。
[工程(a)]
工程(a)は、図2の(a)に示されるように、保護フィルム(1)及び(5)のそれぞれ片面に、接着剤層形成用の光硬化性接着剤を塗布し、必要に応じて乾燥等を行って、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を具備する積層体(1’)、(5’)を得る工程である。
[工程(b)]
工程(b)は、図2の(b)に示されるように、ポリビニルアルコール系偏光子(3)の一方の面(図では上面)に、保護フィルム(1)と硬化性接着剤層(2’)とを具備する積層体(1’)を、
ポリビニルアルコール系偏光子(3)の他方の面(図では下面)に、保護フィルム(5)と硬化性接着剤層(4’)とを具備する積層体(5’)を、それぞれ重ね合わせる工程である。
[工程(c)]
工程(c)は、図2の(c)に示されるように、活性エネルギー線(6)を照射することにより、保護フィルム(1)、(5)とポリビニルアルコール系偏光子(3)とに挟まれた硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させ、接着剤層(2),(4)を形成させる工程である。
図では、保護フィルム(5)の側から活性エネルギー線(6)を照射する場合を示すが、保護フィルム(1)の側から活性エネルギー線(6)を照射してもよいし、両側から同時に、または順次活性エネルギー線(6)を照射してもよい。
活性エネルギー線の照射量は、特に限定されるものではないが、波長200〜450nm、照度1〜500mW/cm2の光を、照射量が10〜1000mJ/cm2となるように照射して露光することが好ましい。照射する活性エネルギー線の種類としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、特に紫外線が好ましい。光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ等を用いることが好ましい。
活性エネルギー線(6)照射後、室温で1週間程度エージングすることもできる。
工程(c)を経ることにより、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を硬化させて接着剤層(2),(4)とし、偏光子(3)と保護フィルム(1)及び(5)とが接着剤層(2),(4)を介して接着されてなる偏光板が完成する(図1、図2中の(d)参照)。
[ポリビニルアルコール系偏光子]の製造例
ホウ酸20重量部、ヨウ素0.2重量部、ヨウ化カリウム0.5重量部を水480重量部に溶解させて染色液を調整した。この染色液にPVAフィルム(ビニロンフィルム#40、アイセロ社製)を、30秒浸漬した後、フィルムを一方向に2倍に延伸し、乾燥させて、膜厚30μmのPVA偏光子を得た。
[実施例1〜13、比較例1〜8]
保護フィルム(1)として、日本ゼオン社製の紫外線吸収剤を含有しないシクロオレフィンフィルム、ゼオノアフィルム「ZF−14」(100μm)を用い、保護フィルム(5)として、富士TAC(株)製の紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック」:80μm」を使用し、それぞれその表面に60W・min/mの放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、表1に示す光硬化性接着剤をワイヤーバーコーター#3を用いて塗工し、硬化性接着剤層(2’)、(4’)を形成し、前記硬化性接着剤層(2’)と(4’)との間に上記のPVA偏光子を挟み、保護フィルム(1)/硬化性接着剤層(2’)/PVA系偏光子/硬化性接着剤層(4’)/保護フィルム(5)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度400mW/cm2、積算光量700mJ/cmの紫外線を保護フィルム(1)側から照射して、偏光板を作製した。
各接着剤層の厚みは、4μmとした。
<粘度>
各光硬化性接着剤1.2mlを測定用試料とし、E型粘度計を用いて、回転速度100〜0.5rpm、25℃で測定した。
<薄膜塗工性>
光硬化性接着剤を小径グラビアコーター(版:550線/インチ、ピラミッド型彫刻版)を用いて50μmポリエステルフィルムに塗工した後、UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度500mW/cm2、積算光量800mJ/cmの紫外線を照射し接着剤を硬化させた。膜厚計を用いて接着剤層の膜厚を測定し以下に示す基準で評価した。
2μm未満:◎
2μm以上〜4μm未満:○
4μm以上〜6μm未満:△
6μm以上:×
<剥離強度>
接着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラー法に準拠して測定した。
即ち、得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断してサンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(東洋インキ製造株式会社製DF8712S)により金属板上に貼り付けた。サンプル(偏光板)には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、23℃、50%RH環境下で、ピール速度:300mm/minにて測定した。表中の接着力は、
剥離不可:○
5.0(N/25mm)以上〜20(N/25mm)未満:△
5.0(N/25mm)未満:×
<打ち抜き加工性>
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、周辺の剥離距離を定規で測定した。
剥離距離1mm以下:○
1〜3mm:△
3mm以上:×
<巻き癖>
紫外線照射直後の偏光板を、300mm×100mmのサイズに切断し、直径3インチ(即ち、外周約240mm)の巻き芯に、300mmの長辺が円周に沿うように巻きつけ、巻き芯を天地方向にし、約23℃で24h静置した。偏光板を巻き芯から外し直ちに約23℃の環境下でカールした半径を測定した。
カールなし:◎
半径100mm以上:○
半径90cm〜100mm:△
半径90mm以下:×
Figure 2012007080
Figure 2012007080
表1に示すように、いずれの実施例でも、薄膜塗工性、接着力、打ち抜き加工性、及び巻き癖に優れた偏光板を形成することができた。
実施例1〜9はいずれも、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)の光硬化性接着剤を用いる場合であり、単官能グリシジル化合物(B)が多いほど、接着剤の粘度が低くなり薄膜塗工性に優れている。
また、実施例10〜12はオキセタン化合物(C)を含む光硬化性接着剤を用いる場合であり、オキセタン化合物(C)を含まない実施例2に比して、光硬化性接着剤が低粘度になるので、薄膜塗工性に優れている。さらに、実施例13のように、増感剤を含んでも良い。
一方、単官能グリシジル化合物(B)を含有しない光硬化性接着剤を用いる比較例1は、接着剤の粘度が高く薄膜塗工性が悪いばかりでなく、硬化した接着層が固くなりすぎるためか、打ち抜き加工性が不良である。
また、多官能脂環式エポキシ化合物(A)を含有しない光硬化性接着剤を用いる比較例2は、接着力が小さいばかりでなく、打ち抜き加工性も良くない。単官能グリシジル化合物(B)は、硬化性が極めて悪いため、単独では硬化していないと考えられる。但し、未硬化ゆえ巻き癖は生じなかった。
比較例3は、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含む場合であるが、光硬化性接着剤の粘度が200cpsと高いため、薄膜塗工性が不良である。
さらに、多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むが、比較例4は単官能グリシジル化合物(B)の含有量が多く、単官能グリシジル化合物由来のエポキシ基個数が0.2より多い場合であり、接着力が小さく、巻き癖も不良だった。
比較例5及び6は、いずれも多官能脂環式エポキシ化合物(A)及び単官能グリシジル化合物(B)を含まない場合であり、比較例5は脂環式以外のエポキシ化合物(D)のみの場合であり、巻き癖が不良であるばかりでなく、接着剤の粘度が高いため薄膜塗工性が不良だった。一方、比較例6は脂環式以外のエポキシ化合物(D)の他にオキセタン化合物(C)を併用することにより、接着剤の粘度を低下させることはできるが、硬化性の良くない脂環式以外のエポキシ化合物(D)を多量に含んでいるので、巻き癖が不良だった。
比較例7、8は、いずれも多官能脂環式エポキシ樹脂(A)に対し、単官能グリシジル化合物(B)の代わりに脂環式以外の多官能エポキシ樹脂(D)を組み合わせる場合である。比較例7は多官能エポキシ樹脂(D)の量が少ないので粘度が高く、薄膜塗工性が不良である。比較例8は比較例7よりも多官能エポキシ樹脂(D)の量が多いので、粘度が低く薄膜塗工性は良好であるが、その反面、硬化性の良くない脂環式以外のエポキシ化合物(D)が増えたので、巻き癖が不良である。
比較例9は、多官能脂環式エポキシ樹脂(A)に対し、単官能グリシジル化合物(B)の代わりに脂環式以外の多官能エポキシ樹脂(D)およびオキセタン化合物(C)を組み合わせた場合であり、多官能脂環式エポキシ樹脂(A)の量を減らしたので、比較例8よりもさらに低粘度化するが、巻き癖が不良である。
比較例10は単官能グリシジル化合物(B)の代わりにエポキシ基を有しない化合物を含む場合であり、硬化性不良により接着力、加工性が不良である。
・ 保護フィルム
(1’)保護フィルム(1)と硬化性組成物からなる層(2’)との積層体
(2)第一の接着剤層
(2’)硬化性組成物からなる層
・ ポリビニルアルコール系偏光子
・ 第二の接着剤層
(4’)硬化性組成物からなる層
・ 保護フィルム
(5’)保護フィルム(5)と硬化性組成物からなる層(4’)との積層体
(6)活性エネルギー線

Claims (6)

  1. 多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジルエポキシ化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、
    前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、
    前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含み、
    実質的に有機溶剤を含有せず、粘度が10〜150mPa・sである、ことを特徴とする光硬化性接着剤。
  2. 単官能グリシジル化合物(B)が、水酸基を有しないことを特徴とする請求項1記載の光硬化性接着剤。
  3. カチオン重合性成分100重量%中に、多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50〜95重量%含むことを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性接着剤。
  4. カチオン重合性成分としてさらにオキセタン化合物(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光硬化性接着剤。
  5. カチオン重合性成分100重量%中に、オキセタン化合物(C)を1〜40重量%含むことを特徴とする請求項4記載の光硬化性接着剤。
  6. ポリビニルアルコール系偏光子の両面が、光硬化性接着剤を硬化してなる接着層を介して保護フィルムでそれぞれ被覆されてなる偏光板であって、
    前記光硬化性接着剤が、
    多官能脂環式エポキシ化合物(A)と単官能グリシジル化合物(B)とを含むカチオン重合性成分及び光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であって、
    前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記多官能脂環式エポキシ化合物(A)を50重量%以上含み、
    前記カチオン重合性成分100重量%中に、前記単官能グリシジル化合物(B)由来のエポキシ基を0.01〜0.2個含み、
    実質的に有機溶剤を含有せず、粘度が10〜150mPa・sである、ことを特徴とする偏光板。
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