JP2011528241A - 家具駆動機構 - Google Patents

Abstract

高さ方向に変位可能に搭載されている可動家具部（５）を移動させる家具駆動機構であり、可動家具部（５）を移動させるための電動モータ（７）を備えた駆動装置（６）と、重量による作用力とは反対方向の作用力を可動家具部（５）に対して付与する相殺装置（１１）とを含んでおり、可動家具部（５）の重量を検出するための測定装置（１７）がさらに含まれており、相殺装置（１１）により付与される可動家具部（５）への作用力は、可動家具部（５）の測定重量に応じて調節装置（１６）によって可変的に調節が可能であり、調節装置は電動モータ（１６ａ）を備え、測定装置（１７）による作動が可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、高さ方向に移動可能に取り付けられている家具部分を移動させる家具駆動機構に関する。この家具駆動機構は、可動家具部を移動させるための電動モータを備えた駆動装置と、可動家具部に対して、その重量による作用力とは反対方向の作用力を付与する（重力）相殺装置とを含んでいる。

加えて、本発明は以下で解説する家具駆動機構を備えた家具にも関する。

このような家具駆動機構に伴って頻繁に発生する課題は、可動家具部の異なる荷重条件においてさえも調和した形態の動作を確実に提供することである。特に、もし収納された物品によって可動家具部が異なる荷重を受けるなら、駆動装置は異なる大きさの作用力を可動家具部に対して適用しなければならない。しかし、それには最大荷重条件下においても可動家具部を確実に動力学的に移動させる電気駆動機構が必要である。駆動装置の必要作用力を抑えるため、可動家具部に対して、その重量による作用力の反対方向に作用力を発揮させ、電気駆動機構を少なくとも部分的に荷重から解放する相殺装置が活用される。

本発明の目的は、可動家具部の過重条件が異なろうとも一定のパターンの移動を可能にする上述の家具駆動機構を提供することである。

本発明の１好適形態においては可動家具部の重量を検出する測定装置が利用される。相殺装置によって可動家具部に発揮される作用力は、調節装置により、測定された可動家具部の重量に応じて可変式に調節できる。この調節装置は別の電動モータを備えており、測定装置で作動できる。

このように、重量による作用力とは反対方向の作用力が可動家具部に適用される。その反対方向の作用力は可動家具部のそれぞれの荷重状態に応じて動的に可変である。よって、駆動装置は異なる相殺力を発生させることができ、駆動装置の作用力範囲は比較的に小さくて済む。その作用力が可変である相殺装置のおかげで、駆動装置は可動家具部の上下移動のために比較的に小さな作用力を適用するだけでよい。

可動家具部に適用される相殺装置の作用力は、様々な形態にて、可動家具部の検出重量に応じて調節が可能である。基本的には、測定装置として可動家具部の重量を測定することができるいかなる形態の装置を利用してもよい。この点で、押圧力および引張力の両方を検出できる作用力計測器または作用力センサが利用できる。回転モーメントを検出する測定装置であっても同様に利用できる。測定装置に作用する動きは、押圧荷重または引張荷重によって回転モード及び／又はスライドモードの両方で測定できる。

本発明の１好適実施形態によれば、可動家具部の重量を検出する測定装置は少なくとも１体の作用力測定セルを含む。このような測定セルは従来から知られており、これによって可動家具部の重量に対応する作用力信号が相殺装置に供される。このような作用力測定セルは一般的に入手でき、事実上、手入れが不要で長期にわたって利用できる。搭載作用力、回転モーメントまたは接触支持力は、そのような測定セルを利用することで信頼性高く、迅速および正確に検出できる。

本発明によれば、相殺装置は、電動モータを備えた少なくとも１つの調節装置を含む。この調節装置は測定装置により作動が可能である。原理的には、調節装置の電動モータは重量相殺のために必要な作用力を可動家具部に対して直接的に適用できる。しかしながら、本発明の１好適実施形態では、相殺装置がバネ装置を有することが望ましい。このバネ装置の反発力（付勢力）は移動により（好適には電動モータ手段により）様々に調節が可能である。さらに、このバネ装置がバネマウントを有するのが望ましい。バネマウントの位置は調節装置によって調節でき、それによってバネ装置の付勢力も調節が可能になる。

言い換えれば、相殺装置の電動モータはバネ装置のための調節モータの形態でよい。この電動モータは検出された重量に応じたバネ装置の異なる付勢力を提供する。相殺装置のバネ装置は、機械的バネ要素と、レバー構造の操作によって可動家具部に対して作用する少なくとも１体のガス圧スプリングとによっても形成できる。作用力に関して相殺装置に影響を及ぼす電動モータは、レバー構造の実効レバーアーム長を調節でき、バネ装置の位置／姿勢を位置／姿勢可変的に調節できる。

本発明の好適実施形態では、相殺装置は可動家具部に作用する作動アームを有する。ここでは伝達機構がバネ装置の動きを作動アームの回動に変換する。この目的で、伝達機構はレバー機構及び／又は調節輪郭形状部を備えた回転制御カムを有することができる。好適には、この点に関して、可動家具フラップ（跳戸）を上方移動させる全ての従来式作動機構を利用することができる。本出願人のＷＯ２００６／００５０８６Ａ１はこのような作動機構の１例である。

実際の駆動装置は伝達機構を介して可動家具部に作用できる。ここで伝達機構は少なくとも１本のケーブル及び／又はピニオン歯車付き歯型ラック及び／又は歯付きベルトドライブ装置を有することができる。原則的に、当業技術者は、スピンドルドライブ手段、油圧ドライブ手段、空気圧ドライブ手段、等々、従来から知られる伝達機構を利用するための使用上の注意および処置を講ずることができる。

加えて、家具駆動機構が、可動家具部の開フラップ条件を提供し、調節装置に供給される位置信号を創出する少なくとも１つの位置測定装置を有していることが望ましい。このように創出される位置信号は、測定位置の関数として可動家具部の瞬間的な実際の位置及び／又は瞬間的な実際の速度及び／又は加速または減速の瞬間的な実際の値の計算に利用できる。

本発明の家具は、少なくとも１つのこの種の家具駆動機構を特徴としている。

本発明のさらなる詳細と利点は添付図面を利用した以下の詳細な説明で理解されよう。

図１は本発明の家具の後方からの一部切欠き斜視図である。 図２は図１の家具の前方からの斜視図である。 図３は家具部が引き下げられた状態にある家具の典型的な設置状態を図示する。 図４は家具部が引き込められた状態にある家具を図示する。 図５ａは相殺装置の１実施例の斜視図および関連した部分の側面図である。 図５ｂは相殺装置の１実施例の斜視図および関連した部分の側面図である。 図６は背後からの家具の一部切欠き図である。 図７は家具の一部切欠き側面図である。

図１は本発明の１実施例による家具１の後方からの斜視図である。家具１は本発明の機構を明示するためにその一部が切り欠かれている。家具１はキャビネット形態の家具枠体２を有する。そのキャビネット収納部は上方可動家具フラップ３により閉じることができる。家具フラップ３は、折畳式の２枚のフラップ部分３ａと３ｂを備えた上方折畳型フラップの形態であり、上方フラップ部分３ａは家具枠体２に対して水平軸周囲で回動し、下方フラップ部分３ｂは上方フラップ部分３ａに対して別の水平軸周囲で回動する。家具フラップ３を移動させるために少なくとも１体の回動駆動アーム４が提供されている。このアーム４は家具フラップ３の重量を相殺するためにバネ装置（図示せず）によって作用を受ける。しかし重要な特徴は、高さ方向（垂直方向）に移動でき、この実施例では少なくとも一部分が固定された家具枠体２の内部に収納されるキャビネット形態の枠体部分、すなわち可動家具部５の存在である。図示の実施例では、可動家具部５は家具枠体２に対して垂直方向に直線的に移動可能であり、下方に移動できる可動家具部５（以降“下方可動家具部５”）は、下方に移動したときに収納対象の物品を容易に収納したり、容易にそこから取り出したりできるように設計されている。下方可動家具部５は上昇した格納位置に再び戻ることができる。下方可動家具部５を下方に動かすため、伝達機構８（好適には歯付きベルト８ａ）によって下方可動家具部５に取り付けられた方向変換ローラ９に作用する少なくとも１体の電動モータ７を有した駆動装置６が提供される。さらに、下方可動家具部５のための位置測定装置１０が提供される。この位置測定装置１０は、下方可動家具部５の下限位置を検出するために、例えばリミットスイッチを含むことができる。相殺装置１１は家具枠体２に固定されており、下方可動家具部５に対して、その重量による作用力とは反対方向の作用力を付与する。言い換えると、下方可動家具部５は駆動装置６の荷重を除去するために相殺装置１１によって上向きに付勢される。相殺装置１１はハウジング１２を含み、その中には、少なくとも部分的に下方可動家具部５の重量を相殺するバネ装置（ここでは詳細に示されていない）が設置されている。相殺装置１１はさらに調節アーム１３を含む。調節アーム１３は回動することができるハウジング１２に取り付けられ、ハウジング１２の内部に設置されたバネ装置から作用力を受領する。調節アーム１３の端部にはローラ１４が提供されている。ローラ１４は下方可動家具部５に関係する装具部材１５上で走行する。相殺装置１１は電動モータ１６ａを有した調節装置１６をさらに含む。ハウジング１２内のバネ装置の付勢力はその調節装置１６によって可変式に調節される。調節装置１６は下方可動家具部５の重量を検出するための測定装置１７によって作動され、検出された可動家具部５の重量に従って相殺装置１１のバネ付勢力は自動的に調整できる。測定装置１７は下方可動家具部５と関連する取り付け部材１８ａと、家具枠体２と関連する取り付け部材１８ｂとを含む。商業的に入手できる作用力測定セルはそれら取り付け部材１８ａと１８ｂの間で作動し、固定された取り付け部材１８ｂ上の可動取り付け部材１８ａの接触作用力（すなわち、下方可動家具部５の重量）が検出できる。

単純化のため、図示の実施例では重量による作用力の測定は下方可動家具部５の下限位置で実施されている。対応する制御信号が相殺装置１１に供給され、相殺作用力を調節する。本発明の１好適形態では、下方可動家具部５の重量は継続的に検出され、相殺作用力の動的調節のために継続的な制御信号を調節装置１６の電動モータ１６ａに供給することができる。

家具枠体２に対する下方可動家具部５の直線的な移動を促すために、下方可動家具部５の両側にレール体１９が取り付けられる。別実施例では下方可動家具部５は家具枠体２に対して垂直方向に可動であるばかりではなく、さらに下方に移動することができるように回動位置にまで引き下げられることも可能である。

図２は図１の家具１の前方からの斜視図である。電動モータ７を有した駆動装置６と、位置測定装置１０とが提供されている。駆動装置６は好適には自動ロック式であり、下方可動家具部５は事実上、どの高さ位置であっても保持される。フラップ部分３ａと３ｂを備えた家具フラップ３は作動アーム４によって移動される。下方可動家具部５は家具フラップ３に（電気手段及び／又は機械手段により）連動でき、家具フラップ３が開かれたり、あるいは閉じられるとき、下方可動家具部５も同時に移動する。しかし、さらに好適には、下方可動家具部５の移動はプッシュ式スイッチ（図示せず）によって別々に起動できる。下方可動家具部５は、そこに収納される追加物品を支持するように提供される収納棚２０ａと２０ｂを有する。図１に示す相殺装置１１は下方可動家具部５の異なる荷重条件により異なる作用力の影響を受ける。よって、好適には下方可動家具部５は荷重条件とは無関係に常に同一の加速力または減速力で移動する。

図３は本発明の家具１の典型的な設置状態を示す。この家具１は特に台所の壁設置型キャビネットに好適である。家具枠体２は作業面２１の上方に固定され、下方可動家具部５は第１限界位置にて家具枠体２の内部に実質的完全に収容されるが、必要であれば、下方の第２限界位置にまで移動できる。このように、収納対象物品を容易に収納したり、取り出すことができる。下方可動家具部５は再び上方の第１限界位置に移動でき、空間を節約することができる。

図４は家具１を示す。下方可動家具部５は家具枠体２に対して上限位置にある。この図の位置から始めて、２体のフラップ部分３ａと３ｂは垂直位置となるまで可動であり、フラップ部分３ａと３ｂは実質的に垂直位置で下方可動家具部５のキャビネット収納部を閉じる。

図５ａは相殺装置１１の１実施例の斜視図である。相殺装置１１は回動点Ｍの周囲を回動できるように搭載されたバネ装置２２を含む。バネ装置２２は回動点Ｓに搭載された中間レバー２３に作用する。中間レバー２３に作用するバネ装置２２のバネマウント２４は変位装置１６によって変位される。変化したバネ付勢力に加えて、変位装置１６によるバネマウント２４と中間レバー２３の回動点Ｓとの間の間隔の変動のためにレバー関係も改変される。従って、下方可動家具部５のそれぞれの重量に応じて、調節アーム１３（ここでは図示せず）に作用するトルクは調節装置１６によって選択的に調節できる。調節装置１６は電動モータ１６ａを有しており、その変位移動は測定装置１７（図１）によって制御できる。バネマウント２４は中間レバー２３に取り付けられたスピンドルに沿って移動できる。ウォームギア２６はスピンドルの上端に取り付けられる。電動モータ１６ａはウォーム２５を含む。ウォーム２５はウォームギア２６を変位させ、バネ装置２２のバネマウント２４は中間レバー２３の回動点Ｓに対して可変間隔を有して設置される。中間レバー２３には圧力ローラ２７が取り付けられる。圧力ローラ２７は調節アーム１３の回動中に回動点Ｐに搭載された制御カム２８の調節輪郭形状部２８ａに沿って走行できる。制御カム２８は連結部材２９を有する。連結部材２９は調節アーム１３に、好適にはラッチ係合によって解除可能に連結できる。図５ｂは調節装置１６の一部を拡大側面図で示す。電動モータ１６ａの回転動作はウォーム２５とウォームギア２６とによってスピンドルの回転動作に変換され、そこにはバネマウント２４が取り付けられる。これで、中間レバー２３に沿ったバネ装置２２のバネマウント２４が変位する。図面の数字“３１”（図５ａ）はバネマウント２４の動作を調節アーム１３の回動に変換する伝達機構の全体を表す。

図６は家具１の一部切欠き背面図であり、固定された家具枠体２と、家具枠体２に対して下方に可動である下方可動家具部５を示す。電動モータ７を備えた駆動装置６は家具枠体形態の下方可動家具部５を歯付きベルト８ａで移動させる。固定家具枠体２に取り付けられた相殺装置１１が明示されており、その電動モータ１６ａによって相殺作用力が調節できる。下方可動家具部５は角張った装具部材１５を有する。調節アーム１３に搭載されたローラ１４は装具部材１５と接触し、下方可動家具部５の重量に応じて駆動装置６の電動モータ７の荷重を解除する。

図７は家具１の側面図である。測定装置１７は下方可動家具部５の重量を検出するように提供される。上部取り付け部材１８ａは下方可動家具部５と関連する。一方、下部取り付け部材１８ｂは固定家具枠体２に取り付けられている。数字“３０”は例示としての作用力測定セルを表す。この測定セルは上部取り付け部材１８ａの接触作用力（すなわち、下方可動家具部５の全重量）を検出する。ここで、重量による作用力に対抗する反対方向の相殺作用力が下方可動家具部５に適用される。

本発明は、図面と共に説明した実施例に限定されず、「請求の範囲」で定義したものの全変形物および技術的均等物をも含む。説明中の上下、左右、等々の位置的表現は通常の設置状態、並びに図示した設置姿勢に関するものであり、姿勢が変化すれば適宜に修正して解釈されるべきものである。また、本発明の家具駆動機構の全部品は一体化でき、特にコンパクトな装置を提供する。

Claims (13)

1. 高さ方向に変位可能に搭載されている可動家具部（５）を移動させる家具駆動機構であって、可動家具部（５）を移動させるための電動モータ（７）を備えた駆動装置（６）と、重量による作用力とは反対方向の作用力を前記可動家具部（５）に対して付与する相殺装置（１１）とを含んでおり、
   前記可動家具部（５）の重量を検出するための測定装置（１７）がさらに含まれており、前記相殺装置（１１）により付与される前記可動家具部（５）への作用力は、前記可動家具部（５）の測定重量に応じて調節装置（１６）によって可変的に調節が可能であり、前記調節装置（１６）は電動モータ（１６ａ）を有すると共に前記測定装置（１７）による作動が可能であることを特徴とする家具駆動機構。
2. 前記可動家具部（５）の重量を検出する前記測定装置（１７）は少なくとも１体の作用力測定セル（３０）を含んでおり、それによって前記可動家具部（５）の重量に対応する作用力信号が前記相殺装置（１１）に供給できることを特徴とする請求項１に記載の家具駆動機構。
3. 前記相殺装置（１１）はバネ装置（２２）を備えており、該バネ装置（２２）の付勢力は前記調節装置（１６）によって調節できることを特徴とする請求項１または２に記載の家具駆動機構。
4. 前記バネ装置（２２）はバネマウント（２４）を備えており、該バネマウント（２４）の位置は前記変位装置（１６）によって変位可能であり、それによって前記バネ装置（２２）の付勢力を可変としていることを特徴とする請求項３に記載の家具駆動機構。
5. 前記相殺装置（１１）は前記可動家具部（５）を移動させる調節アーム（１３）を備えており、伝達機構（３１）が前記バネ装置（２２）の移動を前記調節アーム（１３）の回動に変換することを特徴とする請求項３または４に記載の家具駆動機構。
6. 前記調節装置（１３）はローラ（１４）を備えており、前記ローラ（１４）は、前記可動家具部（５）に向かって回転し、あるいは、前記可動家具部（５）に関係する装具部材（１５）に向かって回転することを特徴とする請求項５に記載の家具駆動機構。
7. 前記駆動装置（６）は伝達機構（８）を介して前記可動家具部（５）に作用することを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載の家具駆動機構。
8. 前記伝達機構（８）は少なくとも１体の歯付きベルト（８ａ）を含んでいることを特徴とする請求項７に記載の家具駆動機構。
9. 位置測定装置（１０）をさらに含んでおり、前記位置測定装置（１０）は前記可動家具部（５）の開フラップ条件に特徴的な位置信号を発生させることができることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の家具駆動機構。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載の家具駆動機構を少なくとも１つ備えていることを特徴とする家具。
11. 家具枠体（２）と、前記家具枠体（２）に対して可動である少なくとも１つの可動家具部（５）とを含んでおり、前記可動家具部（５）は前記家具駆動機構によって可動であることを特徴とする請求項１０に記載の家具。
12. 前記可動家具部（５）は、前記家具枠体（２）内に少なくともその一部が配置されたキャビネット形態の枠体部分であることを特徴とする請求項１１に記載の家具。
13. 前記可動家具部（５）は家具枠体（２）に対して回動可能及び／又は直線移動可能であることを特徴とする請求項１１または１２に記載の家具。

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